説明

廃棄液の処理手段と、その処理、回収方法

【課題】簡単な操作方法と手段でシリコンと炭化ケイ素を回収することができるカッティング廃液の処理、回収方法とその手段を提供する。
【解決手段】第一のステップと、第二のステップと、第三のステップと、第四のステップを含んでなり、第一のステップでは、カッティング廃液を希塩酸で攪拌混合して流動し易い混合材料にし、第二のステップでは、混合材料を過熱して液体分離して水とポリエチレングリコールを蒸発させ、冷却、脱水してポリエチレングリコールを回収し、分離して得られる固体が炭化ケイ素とシリコンの固体混合物で、第三のステップでは、固体混合物を二次洗浄して炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物を回収し、第四のステップでは硝酸とハフニウムから組成した混合酸性溶液で、炭化ケイ素とシリコンを回収し、廃液重量から計算すると、26−46%の回収率に達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、廃棄液の処理手段と、その処理、回収方法に関し、特に単結晶シリコンをカッティングする際に生じる廃棄液の処理手段と、その処理、回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギーの供給が日々厳しくなり、汚染が深刻になるにともない、各国ではクリーンエネルギーの使用が注目されるようになっている。
【0003】
世界中で太陽電池の設備取り付けがブームになり、台湾でも近年、太陽電池の研究が急速に進んでいる。
【0004】
太陽電池は幅広く応用されるようになり、太陽電池の主要原料である単結晶シリコンの生産も急速に発展している。
【0005】
太陽エネルギーで使用する単結晶シリコンは単結晶シリコンの棒をカッティング加工して形成する。
【0006】
単結晶シリコンの棒は、カッティングの過程で潤滑、冷却作用を具えたカッティング液を必ず使用しなければならない。
【0007】
このため、カッティングの過程で大量のカッティング液の廃棄液が発生する。
【0008】
国内で通常使用するカッティング液には、ポリエチレングリコール、炭化ケイ素、トリエタノールアミン、鹸化液、灯油などの混合物を含んでなる。
【0009】
よって、カッティングの廃棄液のCOD(化学的酸素要求量)の値は排水基準を大幅に上回るため、環境保護の面から排水することが禁じられている。
【0010】
従来の方法では廃液を処理、回収に適した方法がみつかっていない。
【0011】
このため、国内では生産工場で大量の廃液が残されている。生産が発展を続けることにともなって、長期間に堆積した廃液が山のように積まれ、企業が継続して生産していくための解決しなければならない問題となっている。
【0012】
上述の情況により、カッティング液の廃液からポリエチレングリコール、炭化ケイ素、シリコンを回収するカッティング廃液の処理、回収に適した方法を探すことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】中国実用新案出願第200620039272.3号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
この発明は、簡単な操作方法と手段でシリコンと炭化ケイ素を回収することができるカッティング廃液の処理、回収方法とその手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そこで本発明者は、第一のステップと、第二のステップと、第三のステップと、第四のステップを含んでなり、
第一のステップでは、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液を攪拌器に入れ、濃度0.0001−0.4molの塩酸、と、廃液1リットル当たり100−500mlの塩酸溶液を加えて10−30攪拌すると、一次混合材料が得られ、混合器に排出し、再度10−30分混合すると、温度が30−50度に上昇して二次混合材料が得られ排出され、
第二のステップでは、混合器から排出された二次混合材料を液体分離器に入れ、混合材料が50−80度の加熱板で加熱されると、水蒸気とポリエチレングリコールがいっしょに蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られ、再度、脱水器で15−40分脱水し、温度が40−80度に上昇すると、水分が排出され、ポリエチレングリコールが得られ、液体分離器の底部から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出され、
第三のステップでは、炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に入れ、固体混合物の重量の10−20%の水を加え、10−30分洗浄すると、温度が40−80度に上昇し、洗浄後、混合物を第一揺動台に入れ、比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの一次洗浄の固体混合物が得られ、再度、第二洗浄器に入れ、固体混合物を再度一次洗浄した後、混合物を第二揺動台に入れ、再度比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られ、
第四のステップでは炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物を反応器に入れ、濃度5%の硝酸と濃度30%のハフニウムから組成した混合酸性溶液で、両者の体積比が硝酸;ハフニウム=1:5の溶液を加え、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物1リットル当たりに1−1.5リットルの混合酸性溶液を加え、攪拌を10−30分反復して実施すると、温度が上昇して回流の温度に達し、フッ化けい酸の溶液が蒸発し、冷却すると、無色透明のフッ化けい酸溶液が得られ、シリコンが回収でき、反応器の残留物の炭化ケイ素と酸溶液をろ過し、アルカリ性水溶液で洗浄し、pH7−7.5まで水洗いし、乾燥させると、炭化ケイ素が得られるカッティング廃液の処理、回収方法とその手段によって課題を解決できる点に着眼し、係る知見に基づき本発明を完成させた。
以下、この発明について具体的に説明する。
【0016】
請求項1に記載するカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、第一のステップと、第二のステップと、第三のステップと、第四のステップを含んでなり、
第一のステップでは、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液を攪拌器に入れ、濃度0.0001−0.4molの塩酸、と、廃液1リットル当たり100−500mlの塩酸溶液を加えて10−30攪拌すると、一次混合材料が得られ、混合器に排出し、再度10−30分混合すると、温度が30−50度に上昇して二次混合材料が得られ排出され、
第二のステップでは、混合器から排出された二次混合材料を液体分離器に入れ、混合材料が50−80度の加熱板で加熱されると、水蒸気とポリエチレングリコールがいっしょに蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られ、再度、脱水器で15−40分脱水し、温度が40−80度に上昇すると、水分が排出され、ポリエチレングリコールが得られ、液体分離器の底部から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出され、
第三のステップでは、炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に入れ、固体混合物の重量の10−20%の水を加え、10−30分洗浄すると、温度が40−80度に上昇し、洗浄後、混合物を第一揺動台に入れ、比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの一次洗浄の固体混合物が得られ、再度、第二洗浄器に入れ、固体混合物を再度一次洗浄した後、混合物を第二揺動台に入れ、再度比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られ、
第四のステップでは炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物を反応器に入れ、濃度5%の硝酸と濃度30%のハフニウムから組成した混合酸性溶液で、両者の体積比が硝酸;ハフニウム=1:5の溶液を加え、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物1リットル当たりに1−1.5リットルの混合酸性溶液を加え、攪拌を10−30分反復して実施すると、温度が上昇して回流の温度に達し、フッ化けい酸の溶液が蒸発し、冷却すると、無色透明のフッ化けい酸溶液が得られ、シリコンが回収でき、反応器の残留物の炭化ケイ素と酸溶液をろ過し、アルカリ性水溶液で洗浄し、pH7−7.5まで水洗いし、乾燥させると、炭化ケイ素が得られる。
【0017】
請求項2に記載のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、請求項1に記載の手段が攪拌器と、混合器と、液体分離器と、脱水器と、第一洗浄器と、反応器とを含んでなり、
該攪拌器が、第一混合釜と、第一材料進入缶と、第一噴射経路と、第一ポンプと、第一バルブと、第一材料排出管と、を含んでなり、第一材料進入缶の下方の第一加料管を第一混合釜の上蓋上に設けるとともに、第一混合釜内に延伸し、第一噴射経路には噴射ノズル、噴射空間、第一噴射出口とが順次貫通して接続し、噴射空間の壁の両側にはそれぞれ液流孔が設けられ、噴射ノズルの直径が3−4mmで、第一ポンプが第一バルブと第一混合釜の底部の第一材料排出口の間の第一接続管上に設けられ、第一材料排出管と、第一バルブとの間を接続し、
混合器が、攪拌器の第一材料排出管が混合器と接続し、混合器は第三混合釜と、第三材料進入缶と、第三噴射手段と、第三ポンプと、第一抵抗サーモメーターと、第三バルブと第三材料排出管とを含んでなり、第三材料進入缶下方の第三加料管が第三混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第三混合釜内に延伸し、第三噴射手段が第三噴射経路と、第一導向板を含んでなり、第三噴射経路が第三噴射ノズル入口、第一流道、第一混合空間と第三噴射ノズル出口の順に接続して設けられ、第三噴射ノズル入口がロート状を呈し、第一流道の直径が1.2−3mmで、第一混合空間の壁の二側面にそれぞれ第一液流導口が設けられ、第一導向板が第三噴射経路上に垂直に設けられ、第一液流導口と第三噴射ノズル出口との間の第一導向板上に孔が設けられ、第三ポンプが第三バルブと第三混合釜底部の第三出料口との間の第三接続管上に設けられ、第三材料排出管と第三バルブとが互いに接続し、第一抵抗サーモメーターが第三混合釜内に固定して設けられ、導線を介して第三混合釜の上蓋と第一温度インジケーターとが接続し、
液体分離器が、噴射ヘッドと、気体排出管と、円錐形板と、ロート状板と、固体出口と、を含んでなり、混合器の第三材料排出管と液体分離器の上蓋の中心部の噴射ヘッドとが互いに接続し、液体分離器内に外壁上の二つのユニットの加熱板を上下対称に固定し、それぞれのユニットの過熱板は、上方に設けられた円錐形板と、下方に設けられたロート状板と孔とを含んでなり、ロート状板の直径が円錐形板の直径よりも大きく、円錐形板が三個で120度を形成するように排列する位置決めリベット上に固定され、三個の位置決めリベットが外壁上に固定されロート状板が板上に固定され、板がネジで外壁上に固定され、上蓋上に気体排出管が設けられ、底部に固体出口が設けられ、固体出口の周囲に板が設けられ、底部に液体出口が設けられ、
脱水器が、混合器を基本的に同じ構造であるが、上蓋上に排水管を設けてなり、液体分離気が第一冷却器を介して脱水器に接続し、脱水器が第四混合釜と、第四材料進入缶と、第四噴射手段と、第四ポンプと、第二抵抗サーモメーターと、第四バルブと、第四材料排出管と、排水管と、を含んでなり、第四材料進入缶下方の第四加料管が第四混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第四混合釜内に延伸し、第四混合釜の上蓋上には排水管が設けられ、第四噴射手段が第四噴射経路と第二導向板とを含んでなり、第四噴射経路が第四噴射ノズル入口と、第二流道と、第二混合空間と第四噴射ノズル出口とを含んでなり、該第四噴射ノズル入口がロート状で、第二流道の直径が1.2−3mmで、第二混合空間の壁の二側面にはそれぞれ第二液流導口が設けられ、第二導向板が第四噴射経路上に垂直に設けられ、第二液流導口と第四噴射ノズル出口との間に位置し、第二導向板上には孔が設けられ、第四ポンプが第四バルブと第四混合釜底部の第四出料口との間の第四接続管上に設けられ、第四材料排出管と第四バルブとが互いに接続し、第二抵抗サーモメーターが第四混合釜内に固定して設けられ、導線で第四混合釜の上蓋と第二温度インジケーターとが接続され、
第一洗浄器が、液体分離器の固体出口と接続し、第一洗浄器の構造が第二混合器と同じで、第一洗浄器が第一揺動台と、第二洗浄器と、第二揺動台と互いに順に接続し、第二洗浄器の構造と第一洗浄器の構造が同じで、第二洗浄器が反応器と互いに接続し、
反応器が、攪拌器と基本的な構造が同じであるが、上蓋上に液体蒸発管が設けられ、液体蒸発管と第二冷却器とが互いに接続し、反応器が、第二混合釜と、第二材料進入缶と、第二噴射経路と、第二ポンプと、第二バルブと、第二材料排出管と、液体蒸発管とを含んでなり、第二材料進入缶の下方の第二加料管が第二混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第二混合内に進入し、第二混合釜の上蓋上に液体蒸発管が設けられ、第二噴射経路が、第二噴射ノズル、第二噴射空間と、第二噴射ノズル出口とを含んでなり、噴射空間の壁の二側面にそれぞれ液流孔が設けられ、第二噴射ノズル直径が3−4mで、第二ポンプが第二バルブと第二混合釜底部の第二出料口との間の第二接続管上に設けられ、第二材料排出管と第二バルブとが互いに接続される。
【0018】
請求項3に記載のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、請求項1における第四のステップにおけるアルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、或いは炭酸ナトリウムから生成する5−10wt%の水溶液である。
【0019】
請求項4に記載のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、請求項2における混合器の第一導向板上の孔の直径が1−3mmで、第一導向板上の開孔率が60−80%である。
【0020】
請求項5に記載のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、請求項2における脱水器の第二導向板上の孔の直径が1−3mmで第二導向板上の開孔率が60−80%である。
【発明の効果】
【0021】
この発明のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段は、操作、手段が簡単で実用的で、炭化けい素とシリコンを回収できて環境を保護するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の単結晶シリコンのカッティング廃液の処理、回収方法の工程を示したブロック図である。
【図2】この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の攪拌器を示した説明図である。
【図3】図2に開示する攪拌器のAの部分を拡大した局部拡大図である。
【図4】この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の混合器を示した説明図である。
【図5】図4に開示する混合器を縦方向に切断した状態を示した断面図である。
【図6】図5に開示する混合器を示した側面図である。
【図7】この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の液体分離器を示した説明図である。
【図8】図7に開示する分離器をA−Aで切断した状態を示した底面図である。
【図9】この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の脱水器を示した説明図である。
【図10】この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の反応器を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明は、簡単な操作方法と手段でシリコンと炭化ケイ素を回収することができるカッティング廃液の処理、回収方法とその手段であって、 図1は、この発明のカッティング廃液の処理、回収方法の工程を示したブロック図である。
【0024】
図面によれば、第一のステップでは灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液を攪拌器に入れ、希塩酸を加えて処理し、濃度が0.0001−0.4mol塩酸で、廃液1リットル当たり100−500mlの塩酸溶液を加えて10−30分攪拌すると、一次混合材料が得られる。
【0025】
混合器に排出して、再度10−30分循環、混合して温度が30−50度に上がると、二次混合材料が得られて排出される。
【0026】
生産メーカーが桶内に設けられた廃液を数度に渡って回収する。よって、処理する廃液から灯油は基本的に除去しておく。
【0027】
単結晶シリコンのカッティング廃液は粘度が大きい固体の粘着料を含んでなり、流動して輸送し難く、処理が難しくなる。
【0028】
廃液は希塩酸で処理して中和の過程で生成した塩が廃液に含まれるアルカリ性物質のトリエタノールアミンと、鹸化液を除去すると同時に、廃液の粘度が明らかに低下する。
【0029】
攪拌器と混合器内で混合すると、廃液が流動、輸送し易く均一な混合材料になり、処理がし易くなる。
【0030】
攪拌器は、循環、攪拌し、酸性の液体を加えて、粘度のある廃液と攪拌、反応させる。
【0031】
混合材料が攪拌器を通過して第一経路から噴射され、大きな範囲で循環、混合される。
【0032】
噴射ノズル空間内でマイナス圧力が形成されるため、混合材料が液流孔を通過して噴射ノズル空間に入ると、小さな範囲で混合される。
【0033】
よって、攪拌、混合と反応の効果がさらに高められる。
【0034】
混合器は、噴射手段内に噴射経路と導向板が設けられていることが特徴である。
【0035】
噴射経路内には流道が設けられ、流動のレイノルド数(Re)(液体が流動する時の慣性と内摩擦力との比をレイノルド数という)が3000を超える。
【0036】
このため、液体がすばやく流動し、混合材料が流道内で分子の衝突と摩擦を発生し、混合材料を混合して粒子が更に細かくなる。
【0037】
また、導向板が設けられているため、混合材料が小さい範囲で流動し、混合、反応の効果がさらに好ましくなる。
【0038】
第二のステップでは混合器が排出した二次混合材料が液体分離器に入ると、混合材料が50−80度の加熱板で加熱されて水蒸気とポリエチレングリコールとがいっしょに蒸発され、冷却器で冷却されると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られる。
【0039】
脱水器で15−40分脱水し、温度が40−80度まで上昇すると、水分が脱水器から排出され、ポリエチレングリコールが回収できる。
【0040】
液体分離器の底部から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出される。
【0041】
脱水器の操作原理は、水とポリエチレングリコールの液体を流道内にすばやく流動させて、流道内で分子を衝突、摩擦を発生させて、水とポリエチレングリコールの分子をさらに細かくする。
【0042】
混合の過程で温度が次第に上昇し、沸騰店が低い水の分子が蒸発して排出され、ポリエチレングリコールを脱水する目的を達成することができる。
【0043】
第三のステップでは、炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に送り、固体混合物の重量の10−20%の水を加え、10−30分いっしょに循環、洗浄する。
【0044】
温度が40−80度に上昇し、洗浄後、混合物を第一揺動台に入れ、比重の軽い外側の殻のかすを分離、除去して炭化ケイ素とシリコンの一次洗浄の固体混合物を得られる。
【0045】
第二洗浄器に送り、固体混合物を同様に一次循環して洗浄後、混合物を第二揺動台に入れて、再度、外側のかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られる。
【0046】
炭化ケイ素とシリコンの固体混合物には中和生成された塩とその他雑多な物質が含まれる。外側の殻のように緊密に炭化ケイ素とシリコンの粒子の外側面を被覆して除去することが非常に難しい。
【0047】
洗浄器で二次洗浄処理をすると、混合、攪拌、洗浄をして混合物内の分子と水の分子とが衝突し、摩擦が発生して、粒子がさらに細かくなり、外側の殻に亀裂が入り、抜け落ちる。
【0048】
洗浄して、再度揺動台を介すと、比重の差により炭化ケイ素とシリコンと外側の殻とに分離され、分離された外側の殻のかすを回収すると、肥料として利用することができる。
【0049】
第四のステップでは炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物を反応器に送り、シリコンを生成したフッ化けい酸の反応で、固体混合物内の炭化ケイ素とシリコンを分離回収する。
【0050】
濃度が5%の硝酸(HNO)と濃度30%のハフニウム(HF)とを組み合わせた混合酸性溶液加える。体積の比率は硝酸:ハフニウムが1:5で、炭化ケイ素とシリコンの固体混合物1リットル当たりに1−1.5リットルの混合酸性溶液を加えて10−30分攪拌すると、温度が上昇して回流する温度に達し、フッ化けい酸が蒸発する。
【0051】
第二冷却器で冷却すると、無色透明のフッ化けい酸の溶液が回収できる。フッ化けい酸の溶液は通常通り操作し、乾燥後、単結晶シリコンに加工してシリコンを回収することができる。
【0052】
反応器内の残留物の炭化けい素と酸性溶液をろ過して、5−10wt%のアルカリ性溶液で洗浄し、pH7−7.5まで水洗いして乾燥すると、炭化けい素を回収することができる。
【0053】
アルカリ性溶液は水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)から選択して生成する。
【0054】
この発明のカッティング廃液の処理、回収に使用する手段は、図2、図3に開示するように、攪拌器49と、混合器50と、液体分離器30と、脱水器51と、を含んでなる。
【0055】
図2、図3は、攪拌器49を示したものである。
【0056】
図面によれば、攪拌器49は、第一混合釜65と、第一材料進入缶63と、第一噴射経路66と、第一ポンプ61と、第一バルブ62と、第一材料排出管64とを含んでなる。
【0057】
第一材料進入缶63は下方の第一加料管69が第一混合釜65の上蓋上に接続して設けられるとともに、第一混合釜65内に延伸する。
【0058】
第一噴射経路66は、貫通した噴射ノズルと、噴射空間72と、第一噴射出口73と、該噴射空間72の二つの側面にそれぞれ設けられた液流孔71とを含んでなり、噴射ノズルの直径は3−4mmに形成される。
【0059】
第一ポンプ61は第一バルブ62と第一混合釜65の底部の第一出料口67と同じ第一接続管68上に設けられ、第一材料排出管64と第一バルブ62とが互いに接続される。
【0060】
混合器50は、攪拌器49の第一材料排出管64と混合器50とを互いに接続して混合器50を形成する(手段はすでに実用新案を請求しており、申請番号は200620039272.3である)。
【0061】
図4から図6に開示するように、混合釜3、材料進入缶6と、噴射手段5、ポンプ1と、抵抗サーモメーター2、バルブ7と、材料排出管4とを含んでなる。
【0062】
材料進入缶6下方の加料管9が混合釜3の上蓋上に接続して設けられ、混合釜3内に延伸する。
【0063】
噴射手段5は、噴射経路19と、導向板15とを含んでなる。
【0064】
噴射経路19は、貫通した噴射ノズル入口10と、流道11と、混合空間12と、噴射ノズル出口とを含んでなる。
【0065】
噴射ノズル入口10はロート状で、流道11の直径が1.2−3mmで、混合空間12の二つの側面にはそれぞれ液流導口14が設けられる。
【0066】
導向板15は、噴射経路19に対して垂直に設けられ、液流導口14と、噴射ノズル出口13との間に位置する。
【0067】
導向板15上には孔16が形成される。該孔16の直径は1−3mmに形成され、導向板15上の開孔率が60−80%である。
【0068】
ポンプはバルブ7と、混合釜3底部の出料口18との間の接続管8上に設けられ、材料排出管4とバルブ7とが互いに接続する。
【0069】
抵抗サーモメーター2は、混合釜3内に固定して設けられ、導線が混合釜3の上蓋を穿設
し、温度インジケーター17と互いに接続する。
【0070】
図7、図8は、この発明のカッティング廃液の処理、回収に使用する手段の液体分離機30を示したものである。
【0071】
図面に開示するように、液体分離器30は、噴射ヘッド31と、気体排出管33と、円錐形板42と、ロート状板41と、固体出口31とを含んでなる。
【0072】
混合器の材料排出管4と、液体分離器30上蓋中央に設けられた噴射ヘッド31とが互いに接続し、液体分離器30内には外壁上に固定された二つのユニットの加熱板が上下対称に固定して設けられる。
【0073】
それぞれのユニットの加熱板は、上方に設けられた円錐形板42と、下方に設けられたロート状板41と孔とを含んでなり、ロート状板41の直径が円錐形板42の直径よりも大きく形成される。
【0074】
円錐形板42は三つで120度を形成するように排列する位置決めリベット32上に固定して設けられる。
【0075】
三つの位置決めリベット32が外壁36上に固定される。
【0076】
ロート状板41が板35上に固定され、板35がネジ34で外壁36上に固定される。
【0077】
上蓋上には気体排出管33が設けられ、底部には固体出口37が設けられる。
【0078】
該固体出口37の周囲には板39が設けられ、底部には液体出口38が設けられる。
【0079】
脱水器51(図9参照、図9における噴射手段5’は図5から図6を参照する)は、混合器50と基本的な構造が同じであるが、異なる点は上蓋上に排水管21が設けられるところである。
【0080】
液体分離器30は、第一冷却器を介して脱水器51と互いに接続する。
【0081】
脱水器51は、混合釜3’と、材料進入缶6’と、噴射手段5’と、ポンプ1’と、抵抗サーモメーター2’と、バルブ7’と、材料排出管4’と、排水管21とを含んでなる。
【0082】
材料進入缶6’は下方の加料管9’が混合釜3’の上蓋上に設けられ、混合釜3’内に延伸する。
【0083】
混合釜3’の上蓋には排水管21が設けられる。
【0084】
噴射手段5’は、噴射経路19’と、導向板15’とを含んでなる。
【0085】
噴射経路19’は、噴射ノズル入口10’と、流道11’と、混合空間12’と、噴射ノズル出口13’とを含んでなる。
【0086】
噴射ノズル入口10’はロート状で、流道11’の直径が1.2−3mmで、混合空間12’の壁の二つの側面にはそれぞれ液流導口14’を設けてなる。
【0087】
導向板15’に垂直な方向に噴射経路19’を設けてなり、液流導口14’と噴射ノズル出口13’との間に位置するように設けられる。
【0088】
導向板15’は表面に孔16’が設けられる。孔16’の直径は1−3mmで、導向板15’上の開孔率は60−80%になる。
【0089】
ポンプ1’はバルブ7’と混合釜3’底部の出料口18’との間の接続管8’上に設けられ、材料排出管4’とバルブ7’とが互いに接続する。
【0090】
抵抗サーモメーター2’は、混合釜3’内に固定して設けられ、導線が混合釜3’の上蓋を穿設して温度インジケーター17’と互いに接続する。
【0091】
第一洗浄器(図示しない)は、液体分離器30の固体出口37と接続する。第一洗浄器は、混合器50の構造と同じである。
【0092】
第一洗浄器は、第一揺動台と、第二洗浄器と、第二揺動台とに接続する。第二洗浄器は第一洗浄器の構造と同じで、第二洗浄器が再び反応器52と接続する。
【0093】
反応器52(図10参照、図10は噴射経路66’の拡大図で、図3参照)は攪拌器49と構造が同じで、異なる部分は上蓋上に液体蒸発管22が設けられ、手段における液体蒸発管22と第二冷却器とが接続する。
【0094】
反応器52は、第二混合釜65’と、第二材料進入缶63’と、第二噴射経路66’と、第二ポンプ61’と、第二バルブ62’と、第二材料排出管64’と、液体蒸発管22とを含んでなる。
【0095】
第二材料進入缶63’は下方の第二加料管69’が第二混合釜65’の上蓋上に設けられ、第二混合釜65’内に延伸する。
【0096】
第二混合釜65’の上蓋上には液体蒸発管22が設けられる。第二噴射経路66’は、第二噴射ノズル70’と、第二噴射空間72’と、第二噴射ノズル出口73’が互いに貫通して設けられる。
【0097】
噴射空間72’は壁の二つの側面にそれぞれ液流孔71’が設けられ、第二噴射ノズルの直径が3−4mmに形成される。
【0098】
第二ポンプ61’が第二バルブ62’と、第二混合釜65’底部の第二出料口67‘との間の第二接続管68’に設けられ、第二材料排出管64’と第二バルブ62’とを接続する。
【0099】
この発明のカッティング廃液の処理、回収方法は、簡単で、設備が簡単で、操作が容易に制御でき、コストが低く、回収率も高く、カッティング廃液重量から計算すると、総回収率が26−46%に達する。
【0100】
そのうちポリエチレングリコールが20−30%を占め、炭化ケイ素が5−15%、シリコンが1−2%を占める。
【0101】
回収で得られた製品の質量はいずれも標準の製品の指標に隣接、或いは達しているため、直接、太陽エネルギーの生産に応用、或いは、他の工業領域で応用することができる。
係る構成のカッティング廃液の処理、回収方法とその手段について、その構造と特徴を詳述するために具体的な実施例を挙げ、以下に説明する。
【実施例】
【0102】
図1から図6は、第一の実施形態を示したものである。
【0103】
図面によれば、灯油を除いた単結晶シリコンのカッティング廃液50キログラムと濃度0.01molの10リットルの希塩酸が第一材料進入缶63と第一加料管69を通過して攪拌器49の第一混合釜65内に噴射進入する。
【0104】
第一バルブ62と第一噴射経路66が開かれ、第一材料排出管64の経路が閉じられ、第一ポンプ61が始動する(空気圧動作ダイアフラムポンプの型番QBY−40は上海長泉▲べん▼業製造有限公司で生産されている)。
【0105】
空気の圧力が3kg/cmで、混合材料が第一混合釜65底部の第一出料口67から第一ポンプ61、第一接続管68と第一バルブ62を経由して流出し、第一噴射経路66の噴射ノズルの直径3mmの噴射ノズル70に進入する。
【0106】
混合材料は噴射空間72をすばやく通過して第一噴射ノズル出口73から噴射されて大きな循環で混合される。
【0107】
噴射空間72内でマイナス圧力が形成されるため、噴射空間72の壁の内と外に圧力差が生じる。
【0108】
壁の外側の混合材料は孔71を通過して噴射空間72に進入し、小さい循環で混合され、混合と反応の効果がさらに好ましい状態になる。
【0109】
上述のように混合材料は混合釜65の底部の第一出料口67、第一ポンプ61、第一噴射経路66を通過して一つの循環経路を形成し、25分間、循環、攪拌、混合を反復する。
【0110】
第一バルブ62と第一噴射経路66を閉じ、第一材料排出管64の経路を開くと、最初の混合で得られた材料が第一材料排出管64から排出され、混合器50に進入して再び混合される。
【0111】
攪拌器を通過して最初に混合して得られた混合材料は粘着度が廃液に比べて低い。しかし、液体と固体の粒が不均一な現象がみられる。
【0112】
最初に混合された材料進入缶6及び加料管9を通過して混合器50の混合釜3内に噴射進入する。
【0113】
バルブ7と噴射ノズル入口10の経路を開いて、材料排出管4の径路を閉じると、ポンプ1が指導して混合材料が混合釜3の底部の出料口18から流出し、ポンプ1、接続管8、バルブ7を介して噴射手段5の噴射ノズル入口10に進入し、流道11(ポンプの流量は3立方メートル/時で、流道の直径は2.4mm、混合材料の粘度が33.2Pa・Sの時、レイノズル数=8326)に進入する。
【0114】
混合材料は急速に流れるため、混合材料は流道11で分子が衝突して摩擦が発生し、混合材料が混合されて粒子が更に細かくなる。
【0115】
混合材料が流道11から混合空間12に向けて均一な細かい粒子の霧状の液体で噴射される。また、噴射ノズル出口13から高速で噴射されるため、混合材料の一部が導向板15上の孔16を抜けて混合空間12の壁の外側に侵入し、混合空間12の壁の内と外では圧力に差があるため、混合材料が液体流動口14を通過して小さな範囲で流れ、さらに好ましい混合及び反応が得られる。
【0116】
混合材料は混合釜3の底部の出料口18、ポンプ1、噴射手段5を通過して一つの循環径路を形成し、反復して循環、噴射、混合が20分で、温度が35度(抵抗サーモメーター2で測定し、温度インジケーター17上に表示された温度の情況)まで上昇する。
【0117】
バルブ7と噴射ノズル入口10の径路をとじて、材料排出管4の径路を開くと、二次混合材料が材料排出管4から排出され噴射、混合された後の二次混合材料の粘度が明らかに加工、流動し易く、均一に混合された混合材料になる。
【0118】
混合器を通過して混合された後、二次混合材料が液体分離器30に進入する。
【0119】
液体分離器30は図7、図8に開示するように、噴射ヘッド31、気体排出管33、円錐形板42、ロート状板41、固体出口37を含んでなる。
【0120】
液体分離器30内側には外壁36上の二つのユニットの加熱板を上下対称に固定して設ける。
【0121】
混合材料が上蓋の中心に設けられた噴射ヘッド31を通過して液体分離器30内に噴射されると、混合材料が加熱板ユニット上方の円錐形板42の外側に落とされ、さらに四方を伝って下方のロート状板41の内側で加熱される。
【0122】
再度ロート状板41の底部の孔40から下方の加熱板上に液体が落ちて同様の方法で加熱される。
【0123】
加熱板の温度は70度に維持される。混合材料を加熱した後、水蒸気とポリエチレングリコールとがいっしょにすばやく気体排出管33から蒸発し、第一冷却器で冷却されると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られる。
【0124】
液体分離器30の内壁には冷却された液が壁をつたって下方に流れ、液体出口38から流出する。
【0125】
加熱分離して得られた固体は液体分離器30の底部に設けられた固体出口37から放出される。
【0126】
放出物は炭化ケイ素とシリコンの粗い固体混合物で生成された塩と雑多な炭化ケイ素とシリコンとを含んだ混合物である。
【0127】
炭化ケイ素とシリコンの混合物は周囲の壁から下方に落ちてきて固体出口37から排出される。
【0128】
同時に内壁をつたって滴ってきた液体が固体出口37内にはねることを防止するため、周囲に板39を設けてなる。
【0129】
得られた水とポリエチレングレコールの混合液が脱水器51に入る。図9に開示するように、脱水器51は基本的に混合器50と略同様の構造を備えてなるが、上蓋上に排水管21が設けられる。
【0130】
水とポリエチレングレコールの混合液は材料進入缶6’と加料管9’を介して脱水器51の混合釜3’内に進入する。
【0131】
ポンプ1’が始動すると、循環、脱水が反復され、操作は混合器と同様で液体が流道11’内ですばやく流動する。循環するポンプ1’の流量は2.5立方メートル/時で、流道の直径が2.0mmに形成される。
【0132】
水とポリエチレングリコールの粘度が19.2Pa・Sの時、レイノズル数が=7319になる。
【0133】
脱水器を循環する時間は20分で温度が70度まで上昇する。水分が排水管21から排出されると、バルブ7’と噴射ノズル入口10’の径路が閉じられ、材料排出管4’の径路が開かれる。
【0134】
ポリエチレングリコールは材料排出管4’から排出、回収され15リットルの無職透明なポリエチレングリコールを得ることができる。測定した分子量は205で、pH=6.5、含有水分量<0.3wt%(ポリエチレングリコールの標準的な分子量は300でpH=4−7、含有水分量<0.5wt%)である。
【0135】
カッティング廃液の重量50リットルに基づいて計算されたポリエチレングリコールの回収率は30%に達する。
【0136】
液体分離器30の固体出口37から排出された炭化ケイ素とシリコンの固体混合物は第一洗浄器に送られる。第一洗浄器(図示しない)と混合器50の構造は同じである。
【0137】
炭化ケイ素とシリコンの固体混合物は同様に材料進入缶と加料管を介して混合釜3内に進入し、固体混合物の重量の15%の水を加える。
【0138】
ポンプが始動して、循環、混合、洗浄を反復し、操作方法は混合器50と同じである。
【0139】
混合物が流道内をすばやく流動し、ポンプの循環する流量が2.1立方メートル/時、流道の直径が2.6mm、固体混合物と水の混合量の粘度が13.5Pa・Sの時、レイノルド数が3679になる。
【0140】
循環混合、洗浄の時間は30分で温度が70度まで上昇する。洗浄後、混合物を第一揺動台(上海華岩儀器設備有限公司が提供、型番HWY−211)に入れて外側の殻の残りかすというように比重の軽いものを分離除去する。
【0141】
水は揺動台上に設けられた溝に流出し、炭化ケイ素とシリコンの一次洗浄から得られた固体混合物を第二洗浄器に入れる。
【0142】
該第二洗浄器の構造は第一洗浄器と同じで固体混合物は再度循環、混合洗浄を実施する。ポンプの循環流量は3立方メートル/時で、流道の直径は2.1mm、混合材料の粘度が16.8Pa・Sの時、レイノルド数=8670になる。その他の操作方法は同じである。
【0143】
洗浄後の混合物を第二揺動台(上海華岩儀器設備有限公司が提供、型番350R)に入れ、再度外側の殻の残りかすという比重の軽いものを再度分離除去して炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄固体混合物を得る。
【0144】
分離して出来たかすを回収後、肥料として利用できる。
【0145】
得られた炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄固体混合物は反応器52に入れる。
【0146】
図10に開示するように、反応器52の構造は基本的に攪拌器49と同じであるが、上蓋上に液体蒸発管22が設けられている。
【0147】
炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄固体混合物が第二材料進入缶63’と第二加料管69’を通過して反応器52の第二混合釜65’内に入る。
【0148】
濃度5%の硝酸(HNO)と濃度30%のハウニウム(HF)とを組成した固体混合物と等しい量の混合酸液(体積硝酸(HNO):ハフニウム(HF)=1:5)を加えて第二ポンプ61’を始動する。
【0149】
循環、噴射攪拌反応を10分間反復して第二噴射ノズルの直径が3.5mm、温度が回流温度に達すると、フッ化けい酸溶液が液体蒸発管22から蒸発し、第二冷却器で冷却されると無職透明のフッ化けい酸溶液を回収することができる。
【0150】
フッ化けい酸溶液の濃度は30wt%で、フッ化けい酸溶液は通常通り乾燥後、単結晶るつぼ炉内で単結晶シリコンに加工する。
【0151】
単結晶るつぼ炉内を真空にして気体が酸化することを防ぎ、加熱して溶け化させる。
【0152】
さらに冷却水を利用して温度を制御し、炉内の温度を1420度前後に維持する。結晶し始めたら小さい単結晶を使用して単結晶シリコン棒を取り出し、シリコン0.6kgを得ることができる。
【0153】
カッティング廃液の重量50キログラムで計算すると回収率は1.2%になる。
【0154】
回収した製品のシリコンのフェルミ準位を測定すると、フェルミレベルがCB =1015センチメートル-3p=5.0オーム・センチメートルに相当する。
【0155】
フェルミ準位の位置がエネルギーバンドギャップの中心よりも0.31ev高くなり、コンダクションバンドの底部よりも0.24ev低く、価電子帯の最も高い部分よりも0.86ev高い。
【0156】
測定した以上の指標は単結晶シリコンに非常に近いことを示している。反応器52内の残留物の炭化ケイ素と酸溶液が第二材料排出管64’から排出、ろ過され5wt%の水酸化ナトリウム(NaOH)溶液で洗浄し、pH7.5まで水洗いし、乾燥すると、淡いグレーで緑色の細かい粉末の炭化ケイ素7.5キログラムを回収することができる。
【0157】
分析によれば、純度が94%で、モース硬度が9.5、電子顕微鏡による結晶体の結晶がα-SiC六方晶系(炭化ケイ素の標準的な純度は94−99%で、モース硬度が9.2−9.6で、α-SiC六方晶系である)で、カッティング廃液の重量50キログラムによる計算の回収率は15%である。
【0158】
第二の実施形態では、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液50キログラムと濃度0.001molの15リットルの希塩酸を攪拌器49の第一混合釜65内に加えて循環、攪拌を反復して20分実施する。
【0159】
最初に得られた混合材料を混合器50に入れて循環、混合を反復して20分実施すると、温度が50度に上昇する。
【0160】
混合材料を流道11にすばやく流し入れ、ポンプの流量が3立方メートル/時、流道の直径が1.5mm、混合材料の粘度40.6Pa・Sの時、レイノルド数が9845になる。
【0161】
混合器で混合した後、二次混合材料を液体分離器30に入れ、温度を60度に保つ二つの加熱板で加熱すると、水蒸気とポリエチレングリコールが蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られる。
【0162】
液体分離器30底部の固体出口37から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出される。
【0163】
得られた水とポリエチレングリコール混合液が脱水器51に入り、循環、脱水を反復して15分実施し、温度が40度まで上昇すると、液体が流道11’内をすばやく流動し、循環流量が2.5立方メートル/時、流道の直径が2.5mm、水とポリエチレングリコール混合液の粘度が14Pa・Sになると、レイノルド数が5139になる。
【0164】
脱水後、11.9キログラムの無色透明なポリエチレングリコールが得られ、カッティング廃液の重量に基づく回収率が23.8%に達する。
【0165】
炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が第一洗浄器に送られ、固体混合物の重量の10%の水を加えて循環、混合洗浄を実施し、液体が流道中をすばやく流動し、循環流量が2.1立方メートル/時、流道の直径が2.5mm、固体混合物と水の混合材料の粘度が10.2Pa・Sになると、レイノルド数が=5925になる。
【0166】
循環、混合洗浄を10分間実施すると、温度が80度まで上昇する。洗浄後、混合物を第一揺動台に入れて分離した後、一次洗浄固体混合物を第二洗浄器に入れる。
【0167】
固体混合物を再度同様に一次循環、混合洗浄を繰り返し実施し、循環流量が3立方メートル/時、流道の直径1.8mm、混合物の粘度20.6Pa・Sになると、レイノルド数が11229になる。
【0168】
洗浄後、第二揺動台に入れて分離すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄固体混合物が得られる。
【0169】
得られた炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体物を反応器52に入れ、再度固体混合物の1.2倍の硝酸とハフニウムの混合酸液を加え、循環、攪拌を反復して10分実施すると、フッ化けい酸溶液からシリコン0.8kgが回収され、カッティング廃液をもとに計算すると、回収率が1.6%になる。
【0170】
反応器中の残留物をろ過し、5wt%水酸化カリウム(KOH)溶液で洗浄し、水洗いしてpHが7.2になると、淡いグレーで緑色の細かい粉末の炭化ケイ素5.1kgが得られる。
【0171】
カッティング廃液の重量50kgで計算すると、回収率が10.2%になる。この実施形態のその他の操作方法は第一の実施形態と同じである。
【0172】
第三の実施形態では、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液50キログラムと濃度0.0001mol、25リットルの希塩酸を攪拌器49の第一混合釜65内に加えて循環、攪拌を反復して30分実施する。
【0173】
一次の混合材料を混合器50に入れて循環、混合を10分間反復すると、温度が40度に上昇する。
【0174】
混合材料を流道11に入れるとすばやく流動してポンプの流量が3立方メートル/時、流道直径2.5mm、混合材料の粘度が28.4Pa・Sの時、レイノルド数が3040になる。
【0175】
混合器で混合した後、二次混合材料を液体分離器30に入れ、混合材料が温度を80度に維持する二つのユニットの加熱板を通過して加熱されると、水蒸気とポリエチレングリコールがいっしょに蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られる。
【0176】
液体分離器30底部の固体出口37から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出される。
【0177】
得られた水とポリエチレングリコールの混合液を脱水器51に入れ、循環、脱水を40分間反復して実施すると、温度が80度に上昇する。
【0178】
液体が流道11’内をすばやく流動して循環流量が2.5立方メートル/時、流道の直径が1.8mm、水とポリエチレングリコールの混合液の粘度が21.4Pa・Sになると、レイノルド数が9007になる。
【0179】
脱水後、10.2キロリットルの無色透明なポリエチレングリコールが得られ、カッティング廃液の重量をもとにした回収率が20.4%に達する。
【0180】
炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に入れて、固体混合物の重量の15%の水を加え、循環、混合洗浄を反復する。
【0181】
液体が流道内をすばやく流動し、循環流量が2.1立方メートル/時、流道の直径が3.0mmで、固定混合物と水の混合材料の粘度9.6Pa・Sになると、レイノルド数=3643になる。
【0182】
循環、混合洗浄時間が30分で、温度が70度に上昇する。洗浄後、混合物を第一揺動台に入れて分離後、一次洗浄の固体混合物を第二洗浄器に入れ、固体混合物を再度同様に一次循環、混合、洗浄し、循環流量が3立方メートル/時、流道の直径2.4mm、混合材料の粘度が14.0Pa・Sになると、レイノルド数が6970になる。
【0183】
洗浄後、第二揺動台に入れて分離すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られる。
【0184】
得られた炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体物を反応器52に入れ、再度固体混合物の1.5倍の硝酸とハフニウムの混合酸溶液を加え、循環、攪拌を20分反復すると、フッ化けい酸の溶液が得られ1kgのシリコンが回収できる。カッティング廃液をもとに計算すると、回収率が2%になる。
【0185】
反応器52内の残留物をろ過し、10wt%水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、pH7.3まで水洗いすると、淡いグレーで緑色の細かい粉末の炭化ケイ素2.9kgが得られ、カッティング廃液の重量50kgをもとに計算すると、回収率が5.8%に達する。
【0186】
その他の操作方法は第一の実施形態と同じである。
【0187】
第四の実施形態では、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液50キログラムと濃度0.2mol、7.5リットルの希塩酸を攪拌器49の第一混合釜65内に入れ、循環、攪拌を15分間反復して実施する。
【0188】
一次混合材料を混合器50に入れ、混合を20分反復し、温度が30度に上昇すると、混合材料が流道11にすばやく流動し、ポンプの流量が3立方メートル/時、流道の直径2.0mmで、混合材料の粘度が35.6Pa・Sになると、レイノルド数が4736になる。
【0189】
混合器で混合した後、二次混合材料を液体分離器30に入れ、混合材料が温度を50度に維持する二つのユニットの加熱器で加熱されると、水蒸気とポリエチレングリコールがいっしょに蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られる。
【0190】
液体分離器30底部の固体出口37から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出される。
【0191】
得られた水とポリエチレングリコールの混合液を脱水器51に入れ、15分脱水すると、温度が50度に上昇する。
【0192】
液体が流道11’内をすばやく流動し、循環の流量が2.5立方メートル/時、流道の直径が3.0mm、水とポリエチレングリコールの粘度が11.5Pa・Sになると、レイノルド数が3620になる。
【0193】
脱水後、13.7キログラムの無色透明のポリエチレングリコールが得られ、カッティング廃液の重量から計算すると、回収率が27.4%に達する。
【0194】
炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に入れ、再度、固体混合物の重量の20%の水を加えて混合、洗浄を反復し、液体が流道内をすばやく流動し、循環の流量が2.1立方メートル/時、流道の直径が2.7mm、固体混合物と水の混合材料の粘度が11.2Pa・Sになると、レイノルド数が=4283になる。混合、洗浄の時間は20分で温度が50度まで上昇する。
【0195】
洗浄後、混合物を第一揺動台に入れて分離した後、一次洗浄の固体混合物を第二洗浄器に入れ、固体混合物を再度同様に一次循環、混合、洗浄し、循環の流量が3立方メートル/時、流道の直径が3.0mm、混合材料の粘度16.8Pa・Sの時、レイノルド数が4626になる。
【0196】
洗浄後、第二揺動台に入れて分離すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られる。
【0197】
得られた炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体物を反応器52に入れ、再度固体混合物の1.1倍の硝酸とハフニウムの混合酸溶液を加えて循環、攪拌を30分反復して実施すると、フッ化けい酸の溶液が得られ、0.5kgのシリコンが回収できる。カッティング廃液にもとづいて計算した回収率は1%になる。
【0198】
反応器内の残留物をろ過し、7wt%水酸化カリウム溶液で洗浄し、pHが7になるまで水洗いすると、淡いグレーで緑色の細かい粉末の炭化ケイ素が6.3kg得られる。カッティング廃液をもとに計算した回収率が12.6%になる。
【0199】
その他の操作方法は第一の実施形態と同じである。
【0200】
以上は、この発明の好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0201】
1、1’ ポンプ
2 抵抗サーモメーター
3、3’ 混合釜
4、4’ 材料排出管
5、5’ 噴射手段
6、6’ 材料進入缶
7、7’ バルブ
8、8’ 接続管
9、9’ 加料管
10、10’ 噴射ノズル入口
11、11’ 流道
12、12’ 混合空間
13、13’ 噴射ノズル出口
14、14’ 液流導口
15、15’ 導向板
16、16’ 孔
17、17’ 温度インジケーター
18、18’ 出料口
19、19’ 噴射経路
21 排水管
22 液体蒸発管
30 液体分離器
31 噴射ヘッド
32 位置決めリベット
33 気体排出管
34 ネジ
35 板
36 外壁
37 固体出口
38 液体出口
39 板
40 孔
41 ロート状板
42 円錐形板
49 攪拌器
50 混合器
51 脱水器
52 反応器
61 第一ポンプ
61’ 第二ポンプ
62 第一バルブ
62’ 第二バルブ
63 第一材料進入缶
63’ 第二材料進入缶
64 第一材料排出管
64’ 材料排出管
65 第一混合釜
65’ 第二混合釜
66 第一噴射経路
66’ 第二噴射経路
67 出料口
67’ 第二出料口
68 第一接続管
68’ 第二接続管
69 第一加料管
69’ 第二加料管
70 噴射ノズル
70’ 第二噴射ノズル
71 液流孔
71’ 第二液流孔
72 噴射空間
72’ 第二噴射空間
73 第一噴射ノズル出口
73’ 第二噴射ノズル出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のステップと、第二のステップと、第三のステップと、第四のステップを含んでなり、
第一のステップでは、灯油を除去した単結晶シリコンのカッティング廃液を攪拌器に入れ、濃度0.0001−0.4molの塩酸、と、廃液1リットル当たり100−500mlの塩酸溶液を加えて10−30攪拌すると、一次混合材料が得られ、混合器に排出し、再度10−30分混合すると、温度が30−50度に上昇して二次混合材料が得られ排出され、
第二のステップでは、混合器から排出された二次混合材料を液体分離器に入れ、混合材料が50−80度の加熱板で加熱されると、水蒸気とポリエチレングリコールがいっしょに蒸発し、冷却すると、水とポリエチレングリコールの混合液が得られ、再度、脱水器で15−40分脱水し、温度が40−80度に上昇すると、水分が排出され、ポリエチレングリコールが得られ、液体分離器の底部から炭化ケイ素とシリコンの固体混合物が放出され、
第三のステップでは、炭化ケイ素とシリコンの固体混合物を第一洗浄器に入れ、固体混合物の重量の10−20%の水を加え、10−30分洗浄すると、温度が40−80度に上昇し、洗浄後、混合物を第一揺動台に入れ、比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの一次洗浄の固体混合物が得られ、再度、第二洗浄器に入れ、固体混合物を再度一次洗浄した後、混合物を第二揺動台に入れ、再度比重の軽いかすを分離除去すると、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物が得られ、
第四のステップでは炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物を反応器に入れ、濃度5%の硝酸と濃度30%のハフニウムから組成した混合酸性溶液で、両者の体積比が硝酸;ハフニウム=1:5の溶液を加え、炭化ケイ素とシリコンの二次洗浄の固体混合物1リットル当たりに1−1.5リットルの混合酸性溶液を加え、攪拌を10−30分反復して実施すると、温度が上昇して回流の温度に達し、フッ化けい酸の溶液が蒸発し、冷却すると、無色透明のフッ化けい酸溶液が得られ、シリコンが回収でき、反応器の残留物の炭化ケイ素と酸溶液をろ過し、アルカリ性水溶液で洗浄し、pH7−7.5まで水洗いし、乾燥させると、炭化ケイ素が得られることを特徴とするカッティング廃液の処理、回収方法。
【請求項2】
前記カッティング廃液を処理する手段には、攪拌器と、混合器と、液体分離器と、脱水器と、第一洗浄器と、反応器とを含んでなり、
該攪拌器が、第一混合釜と、第一材料進入缶と、第一噴射経路と、第一ポンプと、第一バルブと、第一材料排出管と、を含んでなり、第一材料進入缶の下方の第一加料管を第一混合釜の上蓋上に設けるとともに、第一混合釜内に延伸し、第一噴射経路には噴射ノズル、噴射空間、第一噴射出口とが順次貫通して接続し、噴射空間の壁の両側にはそれぞれ液流孔が設けられ、噴射ノズルの直径が3−4mmで、第一ポンプが第一バルブと第一混合釜の底部の第一材料排出口の間の第一接続管上に設けられ、第一材料排出管と、第一バルブとの間を接続し、
混合器が、攪拌器の第一材料排出管が混合器と接続し、混合器は第三混合釜と、第三材料進入缶と、第三噴射手段と、第三ポンプと、第一抵抗サーモメーターと、第三バルブと第三材料排出管とを含んでなり、第三材料進入缶下方の第三加料管が第三混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第三混合釜内に延伸し、第三噴射手段が第三噴射経路と、第一導向板を含んでなり、第三噴射経路が第三噴射ノズル入口、第一流道、第一混合空間と第三噴射ノズル出口の順に接続して設けられ、第三噴射ノズル入口がロート状を呈し、第一流道の直径が1.2−3mmで、第一混合空間の壁の二側面にそれぞれ第一液流導口が設けられ、第一導向板が第三噴射経路上に垂直に設けられ、第一液流導口と第三噴射ノズル出口との間の第一導向板上に孔が設けられ、第三ポンプが第三バルブと第三混合釜底部の第三出料口との間の第三接続管上に設けられ、第三材料排出管と第三バルブとが互いに接続し、第一抵抗サーモメーターが第三混合釜内に固定して設けられ、導線を介して第三混合釜の上蓋と第一温度インジケーターとが接続し、
液体分離器が、噴射ヘッドと、気体排出管と、円錐形板と、ロート状板と、固体出口と、を含んでなり、混合器の第三材料排出管と液体分離器の上蓋の中心部の噴射ヘッドとが互いに接続し、液体分離器内に外壁上の二つのユニットの加熱板を上下対称に固定し、それぞれのユニットの過熱板は、上方に設けられた円錐形板と、下方に設けられたロート状板と孔とを含んでなり、ロート状板の直径が円錐形板の直径よりも大きく、円錐形板が三個で120度を形成するように排列する位置決めリベット上に固定され、三個の位置決めリベットが外壁上に固定されロート状板が板上に固定され、板がネジで外壁上に固定され、上蓋上に気体排出管が設けられ、底部に固体出口が設けられ、固体出口の周囲に板が設けられ、底部に液体出口が設けられ、
脱水器が、混合器を基本的に同じ構造であるが、上蓋上に排水管を設けてなり、液体分離気が第一冷却器を介して脱水器に接続し、脱水器が第四混合釜と、第四材料進入缶と、第四噴射手段と、第四ポンプと、第二抵抗サーモメーターと、第四バルブと、第四材料排出管と、排水管と、を含んでなり、第四材料進入缶下方の第四加料管が第四混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第四混合釜内に延伸し、第四混合釜の上蓋上には排水管が設けられ、第四噴射手段が第四噴射経路と第二導向板とを含んでなり、第四噴射経路が第四噴射ノズル入口と、第二流道と、第二混合空間と第四噴射ノズル出口とを含んでなり、該第四噴射ノズル入口がロート状で、第二流道の直径が1.2−3mmで、第二混合空間の壁の二側面にはそれぞれ第二液流導口が設けられ、第二導向板が第四噴射経路上に垂直に設けられ、第二液流導口と第四噴射ノズル出口との間に位置し、第二導向板上には孔が設けられ、第四ポンプが第四バルブと第四混合釜底部の第四出料口との間の第四接続管上に設けられ、第四材料排出管と第四バルブとが互いに接続し、第二抵抗サーモメーターが第四混合釜内に固定して設けられ、導線で第四混合釜の上蓋と第二温度インジケーターとが接続され、
第一洗浄器が、液体分離器の固体出口と接続し、第一洗浄器の構造が第二混合器と同じで、第一洗浄器が第一揺動台と、第二洗浄器と、第二揺動台と互いに順に接続し、第二洗浄器の構造と第一洗浄器の構造が同じで、第二洗浄器が反応器と互いに接続し、
反応器が、攪拌器と基本的な構造が同じであるが、上蓋上に液体蒸発管が設けられ、液体蒸発管と第二冷却器とが互いに接続し、反応器が、第二混合釜と、第二材料進入缶と、第二噴射経路と、第二ポンプと、第二バルブと、第二材料排出管と、液体蒸発管とを含んでなり、第二材料進入缶の下方の第二加料管が第二混合釜の上蓋上に設けられるとともに、第二混合内に進入し、第二混合釜の上蓋上に液体蒸発管が設けられ、第二噴射経路が、第二噴射ノズル、第二噴射空間と、第二噴射ノズル出口とを含んでなり、噴射空間の壁の二側面にそれぞれ液流孔が設けられ、第二噴射ノズル直径が3−4mで、第二ポンプが第二バルブと第二混合釜底部の第二出料口との間の第二接続管上に設けられ、第二材料排出管と第二バルブとが互いに接続されることを特徴とする請求項1に記載のカッティング廃液の処理手段。
【請求項3】
前記第四のステップにおけるアルカリ性水溶液が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、或いは炭酸ナトリウムから生成する5−10wt%の水溶液であることを特徴とする請求項1に記載のカッティング廃液の処理、回収方法。
【請求項4】
前記混合器の第一導向板上の孔の直径が1−3mmで、第一導向板上の開孔率が60−80%であることを特徴とする請求項2に記載のカッティング廃液の処理手段。
【請求項5】
前記脱水器の第二導向板上の孔の直径が1−3mmで第二導向板上の開孔率が60−80%であることを特徴とする請求項2に記載のカッティング廃液の処理手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−161770(P2012−161770A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25644(P2011−25644)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(503001470)
【Fターム(参考)】