説明

建物

【課題】折り畳み可能な踏み台が設けられている建物であって、折り畳まれた状態の踏み台に過度の荷重が加えられることを抑制できる建物を提供すること。
【解決手段】建物10には、低位側のガレージ11と高位側の居室12とが隣接して配置されており、ガレージ11と居室12とを仕切る仕切壁25には、人が出入りするための出入口29が設けられている。ガレージ11には、出入口29を介してガレージ11と居室12とを行き来するための踏み台31が設けられている。踏み台31は、折り畳み及び展開が可能な構成となっており、各段部32a,32bが基礎27の側面に沿って折り畳まれることで折り畳み状態に切り替えられ、階段状に展開されることで使用状態に切り替えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物において、例えば土間とフロアとが低位側と高位側として区画されている場合、低位側に階段等の踏み台が設けられていると、人はその踏み台を昇降することで土間とフロアとを行き来することができる。また、踏み台として、人の昇降が可能となる使用状態と非使用状態とに切り替えられる構成が提案されている。例えば、特許文献1では、踏み台が、上下方向への移動が可能な複数の踏み部を有しており、各踏み部が下方に移動することで床に収容されるようになっている。この場合、各踏み部が床上に露出されることで踏み台が使用状態に切り替えられ、各踏み部が床に収容されることで踏み台が非使用状態に切り替えられることになる。そして、各踏み部が床に収容されている場合、踏み台の上方のスペースを有効に活用することができる。
【特許文献1】特開2005−145709号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、各踏み部が床に収容されることで踏み台が非使用状態に切り替えられる構成では、例えば踏み台が車庫に設けられていると、収容状態にある踏み台に車両が乗る可能性があり、車両の重みにより踏み台が損傷するおそれがある。この場合、踏み台を車両の重みに耐え得る強度に製作することで、踏み台の損傷を抑制することも考えられるが、人が乗ることを本来の目的とする踏み台の構成としては無用なコストが発生するものであり、改善の余地がある。
【0004】
そこで、本発明は、折り畳み可能な踏み台が設けられている建物であって、折り畳まれた状態の踏み台に過度の荷重が加えられることを抑制できる建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0006】
すなわち、第1の発明では、建物の側面に開口部が形成されるとともに、その開口部を挟んで低位側と高位側とに区画された建物であって、前記低位側には、前記開口部を介して当該低位側と前記高位側との間を行き来するために人が足を乗せる踏み部を有する踏み台が設けられており、前記踏み台は、前記側面に沿って折り畳んだ折り畳み状態と、前記側面から展開された使用状態とに切り替え可能なように構成されている。
【0007】
第1の発明によれば、踏み台は折り畳み状態と使用状態とに切り替え可能となっており、踏み台が使用状態にある場合、人は踏み部に足を乗せることで踏み台を昇降し、開口部を介して低位側と高位側との間を行き来することができる。一方、踏み台が折り畳み状態にある場合、その踏み台は建物の側面に沿って折り畳まれているため、折り畳み状態にある踏み台の側方のスペース、すなわち使用状態の踏み台が設置されていたスペースを有効に活用することができる。また、この場合、踏み台は建物の側面に沿って折り畳まれることで折り畳み状態に切り替えられるため、例えば踏み台が折り畳まれて床に収容される構成とは異なり、人に比べて極端に重い車両等の重量物が折り畳まれた状態の踏み台に乗ることがない。したがって、折り畳まれた状態の踏み台に過度の荷重が加えられることを抑制できる。
【0008】
第2の発明では、前記踏み部は、前記折り畳み状態において、前記開口部下辺の高さ以下となる位置に配置される。
【0009】
第2の発明によれば、踏み台が折り畳み状態にある場合、踏み部が開口部の下辺より上方に突出しないため、高位側において踏み部が障害物となることを抑制できる。例えば、高位側において踏み部に人がつまずくことを抑制できる。
【0010】
第3の発明では、前記踏み台は、前記踏み部を支える脚部を更に備えており、前記踏み台が前記使用状態にある場合には、前記踏み部が略水平に延びるとともに前記脚部が略鉛直に延びて当該脚部が前記踏み部を下方から支持するものであり、前記踏み台が前記折り畳み状態にある場合には、前記踏み部及び脚部がいずれも鉛直方向に延びて前記側面に沿うものである。
【0011】
第3の発明によれば、踏み台が使用状態にある場合、踏み部が略水平に延びているため、人は踏み部に乗せた足を滑らせることなく踏み台を昇降することができる。また、この場合、脚部は、略鉛直に延びているため、人の足が乗せられた踏み台を安定した状態で支えることができる。一方、踏み台が折り畳み状態にある場合、踏み部及び脚部がいずれも鉛直方向に延びているため、踏み台の厚み寸法を極力小さくすることができる。また、この場合、それら踏み部及び脚部が建物の側面に沿っているため、建物の側面からの踏み台の突出量を極力小さくすることができる。したがって、低位側において折り畳み状態にある踏み台が邪魔になることを抑制できる。
【0012】
第4の発明では、前記踏み台を前記折り畳み状態と前記使用状態とに切り替える駆動装置と、前記駆動装置により前記踏み台が前記使用状態に切り替えられる場合に、該踏み台の展開の障害となる障害物を検出する検出手段と、前記検出手段により障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台がそれ以上の展開を行わないように前記駆動装置を制御する制御手段とを備えている。
【0013】
第4の発明によれば、駆動装置により踏み台が折り畳み状態から使用状態に切り替えられる場合、踏み台の展開の障害となる障害物が存在すれば、展開途中の踏み台がそれ以上展開されない。この場合、踏み台が障害物に接触することや、踏み台が障害物に接触したにもかかわらず踏み台の展開が継続して無理に行われることなどが抑制される。したがって、踏み台の状態切り替えが駆動装置によって行われる構成としても、障害物との接触による踏み台の損傷や、踏み台の展開を無理に行うことによる駆動装置の焼き付きなどの発生を抑制することができる。
【0014】
第5の発明では、前記制御手段は、前記検出手段により前記障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台の展開を行わずに前記折り畳み状態に戻すように前記駆動装置を制御する。
【0015】
第5の発明によれば、踏み台が折り畳み状態から使用状態へ切り替えられる場合に障害物が存在すれば、展開途中の踏み台はその展開が行われずに折り畳み状態に戻される。この場合、踏み台が展開途中の状態で保持されることがないため、展開途中の踏み台が人に使用されることを抑制できる。踏み台が展開途中にある場合は、踏み台が使用状態にある場合に比べて不安定な状態にある可能性が高いため、人が踏み部に足を乗せた際の安全性が低下すると考えられる。これに対して、本構成では、展開途中の踏み台が使用されないようにしたため、踏み台の状態切り替えが駆動装置によって行われる構成としても、使用時の安全性を確保することができる。
【0016】
第6の発明では、前記踏み台は前記踏み部を複数有し、前記使用状態にある場合には階段状に展開されるものであり、前記折り畳み状態から使用状態への切り替えの中途段階において、前記各踏み部のうち一部の踏み部が略水平とされて使用可能となり他の踏み部が略鉛直とされて使用不能となる中途使用状態に切り替え可能とされている。
【0017】
第6の発明によれば、踏み台は、使用状態にある場合には階段状に展開されるため、仮に低位側と高位側との高低差が大きくても各段の高さ(蹴上げの高さ)を極力小さくすることができる。したがって、人が踏み台を昇降することが容易となる。また、踏み台は、折り畳み状態から使用状態への切り替えの中途段階において、中途使用状態に切り替え可能となっている。踏み台が中途使用状態にある場合、各踏み部のうち一部の踏み部が略水平とされて使用可能になるため、この場合でも人は踏み台を昇降することが可能となり、踏み台の使用時における必要スペースを段階的なものとすることができて低位側の環境に応じた使用方法を選択することができる。
【0018】
第7の発明では、前記踏み台を前記折り畳み状態、前記中途使用状態及び前記使用状態のいずれかに切り替える駆動装置と、前記駆動装置により前記踏み台が前記使用状態に切り替えられる場合に、該踏み台の展開の障害となる障害物を検出する検出手段と、前記検出手段により障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台が前記中途使用状態を経ているときには当該中途使用状態に戻して展開動作を停止させるように前記駆動装置を駆動制御する制御手段とを備えている。
【0019】
第7の発明によれば、駆動装置により踏み台が折り畳み状態から使用状態に切り替えられる際に、踏み台の展開の障害となる障害物が存在している場合、展開途中の踏み台が中途使用状態を経ていれば、踏み台は中途使用状態に戻されて展開動作が停止される。この場合、踏み台が障害物に接触することや、踏み台が障害物に接触したにもかかわらず踏み台の展開が継続して無理に行われることなどが抑制されつつ、障害物の有無に応じて踏み台が中途使用状態に切り替えられる。このように中途使用状態での停止を行うことができることから、障害物との干渉状態に応じた適切な対応が可能となる。
【0020】
第8の発明では、前記検出手段は、前記障害物の検出として該障害物と前記踏み台との接触の検出を行う。
【0021】
第8の発明によれば、踏み台と障害物とが接触した場合に検出手段により障害物が検出される。実際に接触したことを検知することにより、踏み台を使用状態とすることができる状況を目一杯確保することができるし、簡単な構成によって障害物の検知精度を高めることができる。
【0022】
第9の発明では、前記低位側は、付属車庫又は駐車場が有する駐車スペースに設定されている。
【0023】
第9の発明によれば、低位側は、付属車庫又は駐車場の駐車スペースに設定されているため、低位側には車両が駐車されることになる。この場合、踏み台は駐車スペースに設けられていることになるため、踏み台が折り畳み状態に切り替えられることで付属車庫又は駐車場における駐車スペースを極力大きく確保することが可能となり、しかも折り畳み状態にある踏み台に車両が乗ることを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、一階部分にガレージ(車庫)が一体に設けられたガレージ付き建物(車庫付き建物)について具体化しており、そのガレージについての詳細を以下に説明する。図1は建物の一階部分における構成の一部を示す平面図、図2は図1のA−A線断面図である。
【0025】
図1,図2に示すように、住宅等の建物10には、建物10と一体的に構築されたガレージ11と、ガレージ11に隣接する屋内空間部の一つとしての居室12とが備えられている。ガレージ11は、平面視矩形状の駐車スペースを有しており、その駐車スペースに車両Cが駐車されるようになっている。また、ガレージ11は、一側面にガレージ開口部16を有しており、ガレージ開口部16を通じて駐車スペースへの車両Cや人の出入りが可能となっている。駐車スペースは、ガレージ床面18とガレージ天井面19との間に形成されており、ガレージ床面18は屋外地面とほぼ同じ高さレベルとなっている。これにより、ガレージ11への車両の出入りが容易になっている。なお、ガレージ開口部16がシャッタ装置等により開閉される構成であってもよい。
【0026】
居室12は居住空間を有しており、居住空間は、居室床面21と居室天井面22との間に形成されている。居室床面21は、ガレージ床面18よりも高いレベルとなっており、例えばガレージ床面18よりも60cm程度上方に位置している。したがって、居室床面21が高位側となっており、ガレージ床面18が低位側となっている。
【0027】
ガレージ11と居室12との間には、駐車スペースと居住空間とを仕切る仕切壁25が配置されている。仕切壁25の下方には基礎27が配置されており、基礎27上には居室床面21などを形成する床部28の端部が固定されている。床部28は、例えばALC板やパーティクルボート等の板材が重ねられて構成されており、水平方向に延びるようにして基礎27に固定されている。
【0028】
仕切壁25には、人が出入りするための開口部である出入口29が設けられている。人はその出入口29を出入りすることでガレージ11と居室12とを行き来することができるようになっている。出入口29は、その下辺が居室床面21と同一面上に位置するように形成されている。ガレージ11には、出入口29を介してガレージ11と居室12とを行き来するための踏み台31が設けられている。
【0029】
ここで、踏み台31について図3,図4を参照しつつ説明する。図3は図2の要部拡大図、図4は図3に対応して作成された踏み台31の状態切り替えの説明図である。
【0030】
図3に示すように、踏み台31は、出入口29の下方かつ基礎27の側方(すなわち建物10の側面)に配置されており、ガレージ11側から出入口29を見て出入口29と踏み台31とが上下に並ぶようになっている。踏み台31は、全体として階段状に構成されており、複数の段部32を有している。ガレージ11において踏み台31は、出入口29に対して手前側が下段となっており奥側が上段となっている。本実施形態では、踏み台31は、下段を構成する第1段部32aと、上段を構成する第2段部32bとの2段分の段部32を有している。なお、各段部32a,32bにはそれぞれ所定の蹴上げ寸法が設定されており、それら蹴上げ寸法は例えば20cm程度となっている。また、第2段部32bの上面と居室床面21とレベル差も20cm程度となっている。したがって、ガレージ床面18と居室床面21とを高さ方向に等分(本実施形態では三等分)した位置に段部32が設定されることになり、ガレージ床面18と居室床面21との間の昇降を違和感なく行うことができるようになっている。
【0031】
各段部32a,32bは、人の足が乗る踏板33と、その踏板33を下方から支持する脚部34とをそれぞれ有している。踏板33は、上面が水平方向に延びており、その幅が出入口29の開口幅とほぼ同等になっている。ただし、踏板33の幅は特に限定されない。脚部34は、踏板33の手前端部から下方へ鉛直方向に延びており、その長さは各段部32の蹴上げ寸法とほぼ同等になっている。なお、各段部32a,32bは、人の足が乗る状態であれば水平方向に延びていなくてもよく、各脚部34a,34bは、各段部32a,32bを支持することができる状態であれば鉛直方向に延びていなくてもよい。
【0032】
第1段部32aでは、脚部34の下端部がガレージ床面18に接しており、第2段部32bでは、脚部34の下端部が第1段部32aの踏板33における奥側端部に接続されている。これにより、脚部34が蹴上げ寸法とほぼ同等であっても第2段部32bを第1段部32aの上方に配置することができる。また、第2段部32bでは、踏板33の奥側端部が基礎27側に接続されている。これにより、踏み台31が基礎27に固定されている。
【0033】
なお、以下においては説明の便宜上、第1段部32aにおける踏板33を第1踏板33a、脚部34を第1脚部34aともいい、第2段部32bにおける踏板33を第2踏板33b、脚部34を第2脚部34bともいう。
【0034】
ここで、踏み台31は、折り畳み及び展開が可能な構成となっており、各段部32a,32bが基礎27の側面に沿って折り畳まれることで折り畳み状態に切り替えられ、階段状に展開されることで使用状態に切り替えられる。
【0035】
まず、折り畳み及び展開が可能な踏み台31の構成について説明する。踏み台31は複数の連結部55を有しており、各連結部55は、各踏板33a,33bと各脚部34a,34bとそれぞれの端部にて回動可能に連結している。各連結部55の回動軸は水平に且つ基礎27の側面と平行に延びており、回動軸を中心にして各踏板33a,33bや各脚部34a,34bを回動させることで、各踏板33a,33bと各脚部34a,34bとを互いに平行に折り畳むことができるようになっている。
【0036】
なお、各連結部55は、各踏板33a,33bと各脚部34a,34bとを回動させずに保持することも可能な構成となっている。また、連結部55のうち、第1脚部34aと第1踏板33aとを連結するものを第1連結部55aともいい、第1踏板33aと第2脚部34bとを連結するものを第2連結部55bともいい、第2脚部34bと第2踏板33bとを連結するものを第3連結部55cともいう。
【0037】
踏み台31は、基礎27に取り付け固定されているベース部51と、上下方向に延びるレール部52とを有しており、レール部52には、そのレール部52に沿って上下方向にスライドするスライド部53が取り付けられている。スライド部53には、第2段部32bの第2踏板33bにおける奥側端部が回動可能に接続されており、その回動軸は連結部55の回動軸と平行に延びている。そして、スライド部53の回動軸を中心にして第2踏板33bを回動させつつスライド部53をスライドさせることで、その第2踏板33bを鉛直に延びるようにして基礎27の側面に沿わせることができるようになっている。なお、スライド部53は、上下方向へのスライドを停止することも可能な構成となっており、さらには、第2踏板33bを回動させずに保持することも可能な構成となっている。
【0038】
第1段部32aの第1脚部34aは、その下端部にタイヤ等の回転体57を有しており、その回転軸は連結部55の回動軸と平行になっている。そして、回転体57を回転させつつ第1脚部34aを踏み台31の奥行き方向に移動させることで、各踏板33a,33bと各脚部34a,34bとをスムーズに折り畳むことができるようになっている。そして、ガレージ11には、第1脚部34aを移動させる移動装置61が備えられている。
【0039】
移動装置61は、踏み台31の側方(ガレージ11奥側)に配置されており、水平に且つ第1脚部34aの移動方向と平行に配置されたボールネジ62と、ボールネジ62をその両端部にて回転可能に支持する支持部63と、ボールネジ62の回転に伴ってそのボールネジ62の回転軸方向に移動するボールナット64とを有している。そして、ボールネジ62の回転方向が切り替えられることでボールナット64の移動方向が切り替えられるようになっており、ボールナット64には、図示しない固定部を介して第1脚部34aに固定されている。したがって、ボールネジ62の回転に伴って第1脚部34aが踏み台31の奥行き方向に移動することになる。但し、第1脚部34aは、常にほぼ鉛直に立つように固定部により支持されている。
【0040】
次に、踏み台31及び移動装置61の動作について説明する。ここでは、踏み台31が使用状態から折り畳み状態に切り替えられる場合について説明する。
【0041】
図3に示すように、第1段部32a及び第2段部32bが両方とも展開されている場合、踏み台31は使用状態にあり、人の昇降が可能になっている。また、この場合、移動装置61、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより踏み台31の使用状態が保持されており、人が第1段部32a及び第2段部32bを昇降できるようになっている。
【0042】
踏み台31が使用状態から折り畳み状態に切り替えられる場合、図4に示すように、最初に第2段部32bが折り畳まれ、次に第1段部32aが折り畳まれる。すなわち、踏み台31は段階的に折り畳まれる。まず、第2段部32bが折り畳まれる場合、移動装置61が駆動することで、第1脚部34aが基礎27側に移動される。この場合、図4(a)に示すように、スライド部53が降下することで第2踏板33bの奥部が降下し、第2脚部34bの上部が基礎27側に傾斜する。なお、この場合、第1踏板33aは第1連結部55aにより水平に保持されており、第2脚部34bは第2連結部55bにより基礎27側に傾斜させられ、第2踏板33bは第3連結部55cによりその奥部が下方に降下させられるようになっている。
【0043】
その後、ボールネジ62の回転が継続されると、図4(b)に示すように、第2脚部34bと第2踏板33bとが並列に基礎27の側面に重なり、第2段部32bが基礎27の側面に沿って折り畳まれる。この場合、第2段部32bは折り畳まれて使用不能となり、第1段部32aは展開されていて使用可能となっている。踏み台31は、使用状態から折り畳み状態への切り替えの中途段階において中途使用状態に切り替えられたことになる。また、この場合、移動装置61、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより中途使用状態が保持されており、人が第1段部32aを昇降できるようになっている。
【0044】
続いて、踏み台31が中途使用状態から折り畳まれる場合、図4(c)に示すように、スライド部53が上昇し、第1踏板33aの奥部が上昇する。なお、この場合、第2段部32b(第2踏板33b及び第2脚部34b)は、スライド部53及び第3連結部55cにより折り畳み状態が保持されており、第1踏板33aは、第1連結部55a及び第2連結部55bによりその奥部が上昇させられるようになっている。
【0045】
その後、ボールネジ62の回転が継続されると、図4(d)に示すように、第1脚部34a及び第1踏板33aは、第2脚部34bと鉛直方向に直列に並ぶことで第1段部32aが基礎27の側面に沿って折り畳まれ、踏み台31が折り畳み状態となる。この場合、第1段部32a及び第2段部32bが両方とも使用不能となることで、踏み台31が使用不能となる。折り畳み状態にある踏み台31において、第2脚部34bと第2踏板33bとが連結されている部分、すなわち第3連結部55cがレール部52の上端部よりも上方に位置するが、その第3連結部55cは出入口29の下辺よりも上方に突出しないようになっている。また、この場合、移動装置61、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより折り畳み状態が保持されている。
【0046】
ここで、踏み台31を折り畳み状態と使用状態とに切り替えるための電気的構成について、図5を参照しつつ説明する。図5は、車両C及び建物10の電気的構成と示すブロック図である。
【0047】
図5に示すように、建物10にはコントローラ71が備えられており、コントローラ71は、例えばガレージ11において仕切壁25に取り付けられている。コントローラ71は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータ72(以下、マイコン72ともいう)と、車両C側との無線通信が可能なガレージ側通信部73とを有している。マイコン72は、指令信号を生成及び出力することで、踏み台31を折り畳み状態と使用状態とに切り替える状態切替制御を行う。また、マイコン72は、車両C側から送信された車両信号をガレージ側通信部73にて受信することで、車両Cに関する情報を取得する。
【0048】
コントローラ71には、踏み台制御部75、移動装置61、車両検出センサ76及び接触検出センサ77が接続されている。
【0049】
踏み台制御部75は、コントローラ71から出力された各種信号に基づいてスライド部53及び各連結部55a〜55cの動作制御を行う構成となっている。例えば、踏み台31の状態が切り替えられる場合は、各踏板33a,33b及び各脚部34a,34bの回動が可能となるように動作制御を行い、踏み台31の状態が保持される場合は、各踏板33a,33b及び各脚部34a,34bを回動させないように動作制御を行う。
【0050】
移動装置61は、コントローラ71(マイコン72)によりボールネジ62の回転が制御される構成となっている。移動装置61にはモータ等の駆動部が設けられており、その駆動部が駆動することでボールネジ62を回転させる。駆動部は、コントローラ71から出力される指令信号に応じて、第1脚部34aを基礎27側又はその反対側に移動させるようにボールネジ62を回転させたり、ボールネジ62の回転を停止させたりする。
【0051】
また、移動装置61は、踏み台31の現在の状態を検出する状態検出センサ(図示略)を有しており、現在の状態を示す検出信号をコントローラ71に対して出力する構成となっている。状態検出センサは、例えば、ボールネジ62の回転数等によりボールナット64の現在位置を検出するセンサであり、ボールナット64の位置を第1脚部34aの位置として踏み台31の状態を検出するものである。ここでは、状態検出センサにより検出される踏み台31の現在の状態としては、図3、図4(a)〜(d)のいずれかに示す状態とする。
【0052】
車両検出センサ76は、ガレージ11の駐車スペースに車両Cが駐車されたことを検出するセンサであり、例えばガレージ11において仕切壁25に取り付けられている。車両検出センサ76は、例えば超音波センサ等により構成されており、駐車スペースに車両Cが存在している場合に、コントローラ71に対して検出信号を出力する。
【0053】
接触検出センサ77は、踏み台31が車両Cに接触したことを検出するセンサであり、踏み台31が車両Cと接触した場合にコントローラ71に対して検出信号を出力する。例えば、接触検出センサ77は、踏み台31の第1段部32aに手前側に突出するようにして取り付けられており、その接触検出センサ77が車両Cに接触したことを、踏み台31と車両Cとの接触として検出するものである。そして、接触検出センサ77は、緩衝材を有しており、踏み台31が障害物と接触した場合にその衝撃が緩衝材により和らげられるようになっている。したがって、仮に接触検出センサ77が車両Cに接触しても、接触検出センサ77及び踏み台31の破損を抑制しつつ、車両Cに傷が付くことを抑制できる。
【0054】
ガレージ11に駐車される車両Cには、車両情報を記憶するECU81と、ガレージ側通信部73との無線通信が可能な車両側通信部82とが備えられている。ECU81は、駐車スペースへの車両Cの駐車が開始される場合や、車両Cが駐車(停止)されている場合に、それらの情報を含む車両信号を生成するとともにその車両信号を車両側通信部82からコントローラ71に送信させる。ちなみに、車両Cの駐車が開始されることは、ギアポジションがバック位置に切り替えられたことなどに基づいて検出されるとよく、車両Cの駐車されていることは、エンジンが停止されたことなどに基づいて検出されるとよい。
【0055】
次いで、コントローラ71によって行われる踏み台31の状態切替処理について、図6のフローチャートを参照しつつ説明する。ここでは、折り畳み状態から使用状態に切り替える場合の状態切替処理について説明する。
【0056】
図6において、ステップS101では、車両検出センサ76から入力された検出信号に基づいて、駐車スペースに車両Cが存在するか否かを判定する。駐車スペースに車両Cが存在しない場合、ステップS102に進み、車両Cから入力された車両信号に基づいて、車両Cの駐車が開始されるか否かを判定する。駐車が開始されない場合、そのまま本処理を終了する。これにより、車両Cが駐車スペースに駐車される場合に、踏み台31が使用状態に切り替えられることが回避され、踏み台31が駐車の支障とならないようになっている。
【0057】
一方、駐車スペースに車両Cが存在する場合(ステップS101がYES判定)、又は車両Cの駐車が開始される場合(ステップS102がNO判定)、ステップS103に進み、車両Cから入力された車両信号に基づいて、車両Cが駐車されているか否かを判定する。車両Cが駐車されていない場合、すなわち駐車スペースにて車両Cが走行中である場合、そのまま本処理を終了する。これにより、車両Cの駐車時だけでなく車両Cの出庫時においても、踏み台31が駐車の支障とならないようになっている。これに対して、車両Cが駐車されている場合、ステップS104に進み、移動装置61及び踏み台制御部75に対して指令信号を出力するといった踏み台31の展開処理を開始し、踏み台31を展開させる。
【0058】
ステップS105では、接触検出センサ77から入力された検出信号に基づいて、踏み台31が車両Cに接触したか否かを判定する。踏み台31がその展開中に車両Cと接触しない場合、ステップS106に進み、移動装置61に対して指令信号を出力することで、踏み台31の展開を使用状態にて停止させる。この場合、踏み台制御部75に対して指令信号を出力することで、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより踏み台31を使用状態にて保持させる。なお、この場合、車両Cは、踏み台31が使用状態に切り替えられる際に接触しない位置(例えば、図3に示す位置N1)に存在していると想定される。
【0059】
一方、踏み台31がその展開中に車両Cと接触した場合、ステップS107に進み、第2段部32bが展開中であるか否かを判定する。第2段部32bが展開中である場合、ステップS108に進み、移動装置61に対して指令信号を出力することで、第2段部32bを折り畳ませて、踏み台31の展開を中途使用状態にて停止させる。この場合、第1段部32aは展開されている状態であるため、踏み台31を中途使用状態に戻すことになる。そして、踏み台制御部75に対して指令信号を出力することで、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより踏み台31を中途使用状態にて保持させる。なお、この場合、駐車スペースに駐車されている車両Cは、踏み台31が使用状態に切り替えられる際に支障となる位置であって、中途使用状態に切り替えられる際に接触しない位置(例えば、図3に示す位置N2)に存在していると想定される。
【0060】
また、踏み台31がその展開中に車両Cと接触し、且つ第2段部32bが展開中でない場合(ステップS107がNO判定)、第1段部32aが展開中であるとしてステップS109に進む。ステップS109では、移動装置61に対して指令信号を出力することで、第1段部32aを折り畳ませて、踏み台31を折り畳み状態に戻す。そして、踏み台制御部75に対して指令信号を出力することで、スライド部53及び各連結部55a〜55cにより踏み台31を折り畳み状態にて保持させる。なお、この場合、駐車スペースに駐車されている車両Cは、踏み台31が中途使用状態に切り替えられる際に接触しない位置(例えば、図3に示す位置N3)に存在していると想定される。
【0061】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0062】
建物10において、ガレージ床面18と居室床面21との間に大きな(例えば60cmの)段差があっても、踏み台31が使用状態に切り替えられることで、出入口29を介したガレージ11と居室12との行き来を容易とすることができる。また、踏み台31が折り畳み状態に切り替えられることで、使用状態にある踏み台31が接地されていたスペースを有効に活用することができる。例えば、そのスペースが確保されることで、駐車スペースへの車両Cの駐車が容易となったり、駐車スペース自体を大きく確保したりすることができる。また、踏み台31は、基礎27の側面に沿って折り畳まれることで折り畳み状態に切り替えられるため、例えば踏み台31がガレージ床面18に収容される構成とは異なり、折り畳み状態にある踏み台31に車両C等の重量物が乗ることがない。したがって、折り畳み状態にある踏み台31に過度の荷重が加えられることを抑制できる。
【0063】
踏み台31が使用状態にある場合、踏板33a,33bは水平方向に延びており且つ脚部34a,34bは鉛直方向に延びているため、踏板33a,33bに足を安定して乗せることができるとともに、脚部34a,34bは足が乗った状態の踏板33a,33bを安定して支えることができる。また、踏み台31が折り畳み状態にある場合、脚部34a,34b及び踏板33a,33bは鉛直方向に延びるようにして基礎27の側面に沿って折り畳まれるため、基礎27の側面からの突出幅を極力小さくすることができる。これにより、踏み台31を折り畳み状態に切り替えることで駐車スペースを極力大きく確保することができる。
【0064】
踏み台31は、その展開中に車両Cに接触するとそこから折り畳まれるため、車両Cに接触しているにもかかわらず踏み台31の展開が継続される構成とは異なり、踏み台31が無理に展開されることで踏み台31や車両Cが損傷したり、移動装置61の駆動部が焼き付いたりするといった不都合の発生を抑制することができる。
【0065】
また、踏み台31は、第1段部32a又は第2段部32bの展開中に車両Cに接触するとそれら段部32a,32bはそれぞれ折り畳まれるため、展開途中といった不安定な状態の踏み台31が使用されることを抑制できる。例えば、展開途中の状態で第1段部32aや第2段部32bが停止する構成では、その状態で踏み台31が使用される可能性がある。この場合、踏板33a,33bが安定した状態で支持されていないと考えられ、この状態の踏み台31が使用されると安全性が低下すると考えられる。これに対して、上記実施形態では、折り畳み可能な踏み台31であっても、使用時の安全性を確保することができる。
【0066】
さらに、踏み台31は、第1段部32aが展開された後、第2段部32bの展開中に車両Cに接触すると、中途使用状態に戻されてその中途使用状態にて保持される。このため、ガレージ11に第1段部32aの展開が可能なスペースが確保されている場合、踏み台31を使用状態に切り替えることができなくても中途使用状態に切り替えることが可能となる。換言すれば、踏み台31が使用状態及び折り畳み状態に加えて中途使用状態に切り替え可能であるため、踏み台31の使用時における必要スペースを段階的なものとすることができ、ガレージ11の環境に応じて、すなわち踏み台31と車両Cとの干渉状況に応じて、踏み台31の使用方法を選択することができる。
【0067】
踏み台31が車両Cに接触した場合に接触検出センサ77により車両Cの存在が検出される。この場合、車両Cに接触するまで踏み台31を目一杯展開させることができる。すなわち、踏み台31を使用状態又は中途使用状態に切り替える状況を目一杯確保することができる。さらには、例えば踏み台31と車両Cとの距離を検出する構成に比べて、簡易な構成によって車両C等の障害物の検出精度を高めることができる。
【0068】
駐車スペースにおいて車両Cが走行している場合には、踏み台31の展開が行われないため、踏み台31が車両Cの入出庫の支障となることを抑制できる。また、踏み台31は、使用状態にある場合でも折り畳み状態にある場合でも出入口29の下辺から上方へ突出しないようになっているため、居室12において人が踏み台31につまずくといった不都合の発生を抑制することができる。
【0069】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0070】
・上記実施形態において、踏み台31は、2段分の段部32を有しているが、1段分の段部を有していてもよく、3段分以上の段部を有していてもよい。
【0071】
・上記実施形態では、踏み台31が折り畳み状態にある場合、踏板33a,33bと脚部34a,34bとが並列又は直列に並ぶ構成としたが、踏板33a,33b及び脚部34a,34bの全てが並列に並ぶ構成としてもよく、全てが直列に並ぶ構成としてもよい。要は、踏み台31が折り畳み状態に切り替えられた場合に、踏板33a,33b及び脚部34a,34bが鉛直方向に延びて基礎27の側面に沿う構成であればよい。
【0072】
・上記実施形態では、踏み台31が使用状態に切り替えられる場合、第1段部32aが展開された後に第2段部32bが展開される構成としたが、第2段部32bが展開された後に第1段部32aが展開される構成としてもよい。この場合、第1段部32aだけが展開された状態を中途使用状態としたが、第2段部32bだけが展開された状態を中途使用状態として、その中途使用状態に踏み台31を切り替え可能な構成としてもよい。
【0073】
・上記実施形態では、踏み台31を、車両C等と接触した場合に段部32a,32bが折り畳まれるように構成したが、段部32a,32bが接触状態で停止するように構成してもよい。この場合でも、踏み台31や移動装置61での異常発生を抑制することができる。
【0074】
・上記実施形態では、第2段部32bの展開中に踏み台31が車両C等に接触した場合、第2段部32bだけが折り畳まれる構成としたが、第1段部32a及び第2段部32bが共に折り畳まれる構成としてもよい。
【0075】
・上記実施形態では、踏み台31の状態を切り替えるために駆動する移動装置61が設けられているが、踏み台31の状態を切り替える切替装置が踏み台31に搭載されていてもよい。この場合、移動装置61が設置されていなくても踏み台31の状態切り替えが行われるため、駐車スペースをより一層大きく確保することができる。
【0076】
・上記実施形態では、コントローラ71により状態切替制御が行われることで踏み台31の状態が切り替えられる構成としたが、人の手作業により踏み台31の状態が切り替えられる構成としてもよい。
【0077】
・基礎27において、折り畳み状態にある踏み台31に沿っている部分が他の部分より居室12側に凹んでいてもよい。この場合、折り畳み状態に切り替えられた踏み台31が凹部に収容される構成とすれば、駐車スペースをより一層大きく確保することができる。
【0078】
・上記実施形態では、踏み台31が基礎27の側面に沿って折り畳まれる構成としたが、踏み台31は仕切壁25の側面に沿って折り畳まれる構成としてもよい。要は、建物10の側面に沿って折り畳まれる構成であればよい。
【0079】
・上記実施形態では、踏み台31が車両Cに接触することで車両Cが障害物として検出される構成としたが、踏み台31と車両Cとの間の間隔が所定距離より小さくなった場合に車両Cが障害物として検出される構成としてもよい。すなわち、踏み台31と障害物との位置関係が検出される構成であれば、踏み台31の展開を停止させることができる。
【0080】
・出入口29に開閉可能な開き戸が設けられていてもよい。この場合、踏み台31の状態にかかわらずその踏み台31が出入口29の下辺から上部に突出しない構成において、出入口29に開き戸が設けられるため、踏み台31が障害となって開き戸を開閉することができないといった不都合の発生を抑制することができる。
【0081】
・上記実施形態において、踏み台31は、建物10と一体的に構築されているガレージ11に設置されているが、建物10に隣接して構築された駐車場に設置されていてもよく、車両Cが駐車されないスペースに設置されていてもよい。要は、踏み台31は、低位側と高位側との行き来を行う必要がある場所に設置されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】建物の一階部分における構成の一部を示す平面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】踏み台及びその周辺の構成を示す図2の要部拡大図。
【図4】踏み台の状態切り替えの説明図。
【図5】車両及び建物の電気的構成と示すブロック図。
【図6】コントローラによる踏み台の状態切替処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0083】
10…建物、29…出入口、31…踏み台、32a…第1段部、32b…第2段部、33a…第1踏板、33b…第2踏板、34a…第1脚部、34b…第2脚部、61…移動装置、71…コントローラ、77…接触検出センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の側面に開口部が形成されるとともに、その開口部を挟んで低位側と高位側とに区画された建物であって、
前記低位側には、前記開口部を介して当該低位側と前記高位側との間を行き来するために人が足を乗せる踏み部を有する踏み台が設けられており、
前記踏み台は、前記側面に沿って折り畳んだ折り畳み状態と、前記側面から展開された使用状態とに切り替え可能なように構成されていることを特徴とする建物。
【請求項2】
前記踏み台は、前記折り畳み状態において、前記開口部下辺の高さ以下となる位置に配置される請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記踏み台は、前記踏み部を支える脚部を更に備えており、
前記踏み台が前記使用状態にある場合には、前記踏み部が略水平に延びるとともに前記脚部が略鉛直に延びて当該脚部が前記踏み部を下方から支持するものであり、
前記踏み台が前記折り畳み状態にある場合には、前記踏み部及び脚部がいずれも鉛直方向に延びて前記側面に沿うものである請求項1又は2に記載の建物。
【請求項4】
前記踏み台を前記折り畳み状態と前記使用状態とに切り替える駆動装置と、
前記駆動装置により前記踏み台が前記使用状態に切り替えられる場合に、該踏み台の展開の障害となる障害物を検出する検出手段と、
前記検出手段により障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台がそれ以上の展開を行わないように前記駆動装置を制御する制御手段と
を備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
【請求項5】
前記制御手段は、前記検出手段により前記障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台の展開を行わずに前記折り畳み状態に戻すように前記駆動装置を制御する請求項4に記載の建物。
【請求項6】
前記踏み台は前記踏み部を複数有し、前記使用状態にある場合には階段状に展開されるものであり、
前記折り畳み状態から使用状態への切り替えの中途段階において、前記各踏み部のうち一部の踏み部が略水平とされて使用可能となり他の踏み部が略鉛直とされて使用不能となる中途使用状態に切り替え可能とされている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
【請求項7】
前記踏み台を前記折り畳み状態、前記中途使用状態及び前記使用状態のいずれかに切り替える駆動装置と、
前記駆動装置により前記踏み台が前記使用状態に切り替えられる場合に、該踏み台の展開の障害となる障害物を検出する検出手段と、
前記検出手段により障害物が検出された場合に、展開途中の前記踏み台が前記中途使用状態を経ているときには当該中途使用状態に戻して展開動作を停止させるように前記駆動装置を駆動制御する制御手段と
を備えた請求項6に記載の建物。
【請求項8】
前記検出手段は、前記障害物の検出として前記踏み台との接触の検出を行う請求項4又は7に記載の建物。
【請求項9】
前記低位側は、付属車庫又は駐車場が有する駐車スペースに設定されている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−133100(P2009−133100A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−309693(P2007−309693)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】