説明

情報表示装置および情報表示システム

【課題】決められた時間内で効率的に質疑応答を行うことができるようにする。
【解決手段】情報表示装置100は、質問を受信する通信部101と、記憶部103と、表示制御部104と、表示要求を受け付ける受付部102と、表示要求を受け付けた場合、記憶部103に記憶された複数の質問の表示時間の合計が、予め設定された質疑応答時間内に収まるように、質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、スケジュールテーブルに基づいて、表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備える。表示制御部104は、質問の切り替えを要求する切替要求を受け付けた場合、スケジュールテーブルが示す順番に従って、質問の表示を切り替え、作成部は、スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、スケジュールテーブルを修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示装置および情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや大学で行われる講義や説明会あるいは打ち合わせ等で、説明資料を事前に人数分印刷して配布しつつ、情報投影装置としてのプロジェクタを利用して、PC(Personal Computer)上で作成した説明資料をスクリーンに投影するといった場面がある。このような場面には、PCとプロジェクタとを、有線または無線で接続したプロジェクション関連の技術や、PCからの資料の印刷という既存の技術を用いている。
【0003】
一般的に、上述のようなプロジェクタを利用して複数のページにわたるスライド資料を参照しながら説明が行われるプレゼンテーションにおいては、発表時間が予め決められていることが多く、プレゼンターは、その時間内に発表を終えなければならない。プレゼンターが時間内に発表を終えるために、逐一時間の経過を把握しながら発表を行うことは手間がかかる。
【0004】
そこで、その手間を軽減するため、次の方法が考えられている。例えば、特許文献1には、予めスライド毎に使う時間を登録しておき、プレゼンテーションの開始からの経過時間及びスライド単位の経過時間を計測し、プレゼンターに画像切り替えを指示することで発表時間を予定通りに使う技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術のように、予めスライド毎に使う時間を登録してプレゼンテーションの時間を予定通りに使う方法では、スライドによる説明後に行われる質疑応答中の各質問時間までスケジューリングして、限られた時間内に効率的に質疑応答を行うことはできないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、決められた時間内で効率的に質疑応答を行うことが可能な情報表示装置および情報表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報表示装置は、質問が入力される質問入力装置と通信する情報表示装置であって、前記質問を受信する受信部と、前記質問を記憶する記憶部と、前記質問の表示を制御する表示制御部と、前記質問の表示を要求する表示要求を受け付ける受付部と、前記受付部で前記表示要求を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された複数の前記質問の表示時間の合計が、質疑応答が行われる時間を示す質疑応答時間内に収まるように、前記質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、前記スケジュールテーブルに基づいて、前記表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備え、前記表示制御部は、前記質問の切り替えを要求する切替要求を受け付けた場合、前記スケジュールテーブルが示す順番に従って、前記質問の表示を切り替え、前記作成部は、前記スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、前記スケジュールテーブルを修正することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の情報表示システムは、質問が入力される質問入力装置と、前記質問入力装置と通信する情報表示装置とを備えた情報表示システムであって、前記情報表示装置は、前記質問を受信する受信部と、前記質問を記憶する記憶部と、前記質問の表示を制御する表示制御部と、前記質問の表示を要求する表示要求を受け付ける受付部と、前記受付部で前記表示要求を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された複数の前記質問の表示時間の合計が、質疑応答が行われる時間を示す質疑応答時間内に収まるように、前記質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、前記スケジュールテーブルに基づいて、前記表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備え、前記表示制御部は、前記質問の切り替えを要求する切替要求を前記受付部で受け付けた場合、前記スケジュールテーブルが示す順番に従って、前記質問の表示を切り替え、前記作成部は、前記スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、前記スケジュールテーブルを修正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、決められた時間内で効率的に質疑応答を行うことができるという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、情報表示システムの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】図2は、情報表示装置および質問入力装置の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、ページ管理部の詳細な機能構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、質問情報の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【図5】図5は、重み付け情報の項目入力のための表示画像を示す図である。
【図6】図6は、質問情報のデータ構造を示す模式図である。
【図7】図7は、質問情報の具体例を示す模式図である。
【図8】図8は、質疑応答時間情報および再スケジュール設定情報の登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、再スケジュール設定情報の一例を示す図である。
【図10】図10は、再スケジュール設定情報の一例を示す図である。
【図11】図11は、質疑応答の開始処理を示すシーケンス図である。
【図12】図12は、スケジュールテーブルの一例を示す模式図である。
【図13】図13は、各質問の表示時間の決定方法の一例を示すフローチャートである。
【図14】図14は、再スケジュールの手順の一例を示すシーケンス図である。
【図15】図15は、再スケジュール処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】図16は、均等短縮処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】図17は、均等短縮処理の実施例を示す図である。
【図18】図18は、優先度別短縮処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】図19は、優先度別短縮処理の実施例を示す図である。
【図20】図20は、質問数削減処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】図21は、質問数削減処理の実施例を示す図である。
【図22】図22は、再スケジュールが完了したことを表示する場合の表示例を示す図である。
【図23】図23は、一部の再スケジュールに失敗したことを表示する場合の表示例を示す図である。
【図24】図24は、再スケジュールに全て失敗したことを表示する場合の表示例を示す図である。
【図25】図25は、再スケジュールの手順の一例を示すシーケンス図である。優先度別短縮処理の一例を質問情報の均等配分情報に基づく優先順位の決定例を示す説明図である。
【図26】図26は、均等短縮が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための模式図である。
【図27】図27は、均等短縮が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例を示す図である。
【図28】図28は、優先度別短縮が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための図である。
【図29】図29は、優先度別短縮が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例を示す図である。
【図30】図30は、質問数削減が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための図である。
【図31】図31は、質問数削減が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例を示す図である。
【図32】図32は、追加質問の優先度が残りの質問の優先度よりも低いため、スケジュールに追加できないことを表示する場合の表示例を示す図である。
【図33】図33は、変形例に係る情報表示装置の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る情報表示装置および情報表示システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
ここで、図1は情報表示システム400の概略構成を示すブロック図、図2は情報表示装置100および質問入力装置200の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る情報表示システム400は、情報表示装置100と、複数のPC(Personal Computer)等の質問入力装置200とを備え、それぞれがインターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク300に接続された構成となっている。
【0013】
なお、本実施形態においては、情報表示装置100は、投影スクリーンに文書データの内容を投影表示するプロジェクタで構成されるが、これに限定されるものではない。
【0014】
まず、質問入力装置200の詳細について説明する。質問入力装置200は、図2に示すように、通信部201と、受付部202と、表示制御部203と、質問情報作成部204とを主に備えている。
【0015】
通信部201は、情報表示装置100との間で各種の情報や要求を送受信する。通信部201は、例えば後述する質問情報を情報表示装置100に送信する。
【0016】
表示制御部203は、通信部201を介して情報表示装置100から取得した表示画像を、不図示の表示画面上に表示する制御を行う。
【0017】
受付部202は、各種の入力を受け付ける。例えば、受付部202は、表示されている画像に対する質問表示位置、質問対象位置を指定する入力を受け付ける。また、受付部202は、表示されている画像に対する質問内容について、テキストでの入力を受け付ける。質問入力装置200のユーザーは、マウスやキーボードなどの操作デバイスを操作することで、各種の入力を行うことができる。
【0018】
質問情報作成部204は、受付部202で受け付けた質問内容情報、質問対象位置情報、質問表示位置情報を基に、質問情報を作成する。
【0019】
次に、情報表示装置100の詳細について説明する。情報表示装置100は、図2に示すように、通信部101と、受付部102と、記憶部103と、表示制御部104と、ページ管理部105と、質問管理部106と、質問画像作成部107と、画像合成部108とを主に備えている。
【0020】
通信部101は、質問入力装置200との間で各種の情報や要求を送受信する。通信部101は、例えば、質問入力装置200から送信される質問情報を受信する。
【0021】
表示制御部104は、各種の画像データを、ユーザーによって指示された表示形態でスクリーンに投影表示する。
【0022】
受付部102は、各種の入力を受け付ける。例えば、受付部102は、表示制御部104への投影表示の中断の指示を受け付ける。また、受付部102は、表示制御部104への投影表示の中断の後に投影表示を再開することを示す再開の指示の入力を受け付ける。ユーザーは、例えば、ボタン、リモコン受信部、および、ICカードなどから情報を読取るカードリーダなどにより構成される入力デバイス(操作手段)を操作することで、各種の入力を行うことができる。
【0023】
記憶部103は、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体であり、後述する文書データや、画像リスト等を記憶する。ここで、文書データには、プレゼンテーション資料作成ソフトウェアやワードプロセッサ等で生成されたデータ、あるいはこれらのデータから変換された表示用データ等が該当するが、これらに限定されるものではない。
【0024】
ページ管理部105は、質問の表示を要求する質問表示要求を受付部102で受け付けた場合、各質問を表示する順番と表示時間をスケジューリングし、作成済みスケジュールに対して、実際にどこまで質問が完了しているかを管理する。また、スケジューリング後に、作成したスケジュールに対して時間がずれた際や、追加質問が発生した際に、スケジュールの修正を行う。図3は、ページ管理部105の詳細な機能構成例を示すブロック図である。図3に示すように、ページ管理部105は、作成部110と通知部111とを含む。作成部110は、質問入力装置200から受信した複数の質問の各々について、当該質問を表示する順番と、当該質問を表示する時間を示す表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する。通知部111は、作成部110で作成されたスケジュールテーブルに基づいて、表示時間が経過するタイミングを通知する。
【0025】
再び図2に戻って説明を続ける。質問管理部106は、質問入力装置200から質問情報を受信した場合、当該質問情報に対して識別管理情報である質問IDや質問者IDを付加する。
【0026】
画像合成部108は、ページ管理部105から指定された質問情報を基に、質問管理部106に質問画像作成要求を行い、質問とスライドを合成した画像を作成する。
【0027】
質問画像作成部107は、質問情報に含まれる質問表示位置情報と質問対象位置情報を基に、質問画像の大きさを決定し、質問内容と質問者名を描画する。
【0028】
次に、以上のように構成された本実施形態の情報表示システム400による質問情報の登録処理について説明する。図4は、質問情報の登録処理を示すシーケンス図である。
【0029】
まず、ユーザーは、システムにアクセスする際に、質問入力装置200に対して質問者IDを入力する。質問者IDの入力を受け付けた質問入力装置200は、その受け付けた質問者IDと、表示画像の取得の指示とを、通信部201を介して情報表示装置100に送信する(ステップS1)。
【0030】
情報表示装置100の通信部101で表示画像取得の指示を受信した場合、ページ管理部105は、記憶部103から表示画像(表示用データ)を取得する(ステップS2)。
【0031】
その後、情報表示装置100は、取得した表示画像(表示用データ)を、通信部101を介して質問入力装置200に送信する(ステップS3)。
【0032】
質問入力装置200の通信部201で表示画像を受信した場合、表示制御部203は、その受信した表示画像を表示する(ステップS4)。本実施形態では、情報表示装置100によってスクリーンに投影表示される画像と同じ画像が、質問入力装置200の表示画面に表示される。
【0033】
そして、各種の画像データが順番にスクリーンに投影表示されるプレゼンテーション中において、質問入力装置200のユーザー(質問者)は、不図示の操作デバイスを操作することにより、質問入力装置200に表示される表示画像(スクリーンに投影される画像と同じ画像)に対する質問を入力することができる。表示画像に対する質問の入力を受付部202で受け付けた場合、質問情報作成部204は、受け付けた入力に基づいて、質問情報を作成する(ステップS5)。
【0034】
ここで、図5は質問情報作成時の入力例を示す説明図である。図5に示すように、質問者は、操作デバイスを操作することにより、質問入力装置200の表示画面上に表示された表示画像Pに対して、質問対象位置Aと質問表示位置Bと質問対象ページCとを指定するとともに質問内容を入力する。
【0035】
上述の質問内容などの入力を受付部202で受け付けると、質問情報作成部204は、入力された質問内容情報、質問対象位置情報、質問表示位置情報、質問対象ページ情報を基に質問情報を作成する。
【0036】
質問情報作成部204は、情報表示装置100の記憶部103から図5に示すような表示画像Qを取得して表示画面上に表示させ、質問者に対して、質問の重み付け情報(例えば、質問優先度、参加役割重要度)について手動で入力させる。このようにして、質問者は、プレゼンテーションの内容、質問の重要度に応じて、自由に質問の重み付けを行うことができる。
【0037】
なお、情報表示装置100の質問管理部106が質問者のユーザー情報を保持しており、質問者IDを基に重み付け情報の選択項目について自動で入力してもよい。このようにユーザーの情報を保持し、質問者からの質問情報登録時に、重み付け情報の選択項目を質問者に紐付けて保持することにより、ユーザー情報として固有の項目は、いちいち手動で入力しなくても、システムが自動で紐付けることができる。
【0038】
重み付け情報(例えば、質問優先度)は、その質問に対する重み付け情報として、スケジューリングを行う際に利用する。詳細は後述する。
【0039】
前述のステップS5の後、質問入力装置200は、作成した質問情報を、通信部201を介して情報表示装置100へ送信する(ステップS6)。
【0040】
通信部101で質問入力装置200からの質問情報を受信した場合、質問管理部106は、その受信した質問情報に対して、質問情報を識別する質問IDを付加して質問情報を更新する(ステップS7)。
【0041】
次に、情報表示装置100は、質問情報を記憶部103に登録する(ステップS8)。
【0042】
ここで、図6は質問情報のデータ構造の一例を示す模式図であり、図7は質問情報の具体例を示す模式図である。図6および図7に示すように、質問情報は、質問ID、質問内容情報、優先度情報(重み付け情報)などを含む。質問内容情報、優先度情報は質問入力装置200で作成される。優先度情報は高い順から(3、2、1、0)の順で指定される。質問IDは、情報表示装置100で付加される。本実施形態では、受信した順番を示す番号が、質問IDとして質問情報に付加される。
【0043】
次に、質疑応答の時間に関する情報を示す質疑応答時間情報、後述の再スケジュールの設定を示す再スケジュール設定情報の登録処理について説明する。図8は、質疑応答時間情報、再スケジュール設定情報の登録処理を示すシーケンス図である。
【0044】
情報表示装置100のユーザー(プレゼンター)は、情報表示装置100に付属する操作デバイス(例えばボタン、キーボード、マウス等)を操作することにより、質疑応答時間情報および再スケジュール設定情報を入力する。入力された質疑応答時間情報および再スケジュール設定情報を受付部102で受け付けた場合、ページ管理部105は、その受け付けた質疑応答時間情報および再スケジュール設定情報を記憶部103に登録する。
【0045】
ここで、前述の質疑応答時間情報には、合計で何分の質疑応答を行うかを表す(質疑応答の全体時間)質疑応答時間と、1つの質問の質疑応答に少なくともどれだけの時間を設定するかを示す最低質疑時間とが含まれる。
【0046】
図9および図10は、再スケジュール設定情報の一例を示す図である。図9において、「再スケジュール」の項目は、再スケジュールの実行の可否を設定する項目であり、「有効」が選択された場合、所定の条件が成立すると、スケジュールテーブルの修正(再スケジュールの実行)が行われる。「再スケジュール方式」の項目は、再スケジュールの方法を設定する項目であり、ユーザーは、質問の表示時間を短縮する「質問時間短縮」方式、および、質問数を削減する「質問数削減」方式のうちの何れかを選択することができる。また、「再スケジュール方式」を選択した場合、ユーザーは、残りの質問(未実施の質問)に対して表示時間を均等に短縮する「均等短縮」方式、および、残りの質問に対して、質問の優先度に応じて表示時間の削減量を可変に設定する「優先度別短縮」方式のうちの何れかを選択することができる。
【0047】
「再スケジュール開始時間」の項目は、作成したスケジュールに対してどれだけ時間がずれた場合に、再スケジュールが開始されるかを設定する項目である。例えば再スケジュール開始時間が「120秒」に設定されると、作成されたスケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれが120秒を超えた場合に再スケジュールが実行される。「最大質疑延長時間」は、再スケジュールの開始時間に到達した時点で、質問の終了予定時刻を過ぎていた場合、その時点から、当該質問の表示を強制的に終了するまでの時間(最大延長時間)を設定する項目である。「追加質問」の項目は、スケジュールテーブルの作成後における追加質問の可否を設定する項目である。追加質問の項目において「有効」が選択された場合、スケジュールテーブルが作成された後でも(質疑応答が開始された後でも)、追加で質問を行うことが許可される。
【0048】
図10において、「再スケジュール開始閾値」は、再スケジュールを開始するタイミングを決定するための項目である。また、「最大質問削減時間」は、再スケジュールが実行される場合、未実施の各質問の表示時間の最大削減値を設定する項目である。
【0049】
次に、情報表示装置100における質疑応答の開始処理について説明する。図11は、質疑応答の開始処理を示すシーケンス図である。
【0050】
情報表示装置100のユーザー(プレゼンター)は、プレゼンテーションが終了して質疑応答が開始すると、不図示の操作デバイスを操作することで、プレゼンテーション中に受け付けた質問の表示を要求する質問表示要求を入力する。受付部102で質問表示要求を受け付けた場合、ページ管理部105は、記憶部103に記憶された複数の質問情報を取得する(ステップ11)。そして、ページ管理部105(作成部110)は、複数の質問情報で特定される質問の表示時間の合計が、予め設定された質疑応答時間内に収まるように、質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成して保持する。すなわち、スケジューリングを実行する(ステップS12)。
【0051】
図12は、スケジュールテーブルの一例を示す図である。図12の例では、質問ごとに(質問IDごとに)、当該質問を表示する順番と、当該質問の表示時間と、当該質問の実施状況とが対応付けられている。また、図12の例では、質疑応答が完了した質問(つまりは、表示が終了した質問)の実施状況は「済」となり、質疑応答中の質問(表示中の質問)の実施状況は「実施中」となり、質疑応答が未実施の質問(未だ表示されていない質問)の実施状況は「未」となる。
【0052】
図13は、各質問の表示時間の決定方法の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まずページ管理部105は、記憶部103から質疑応答時間情報を取得する(ステップS21)。次に、ページ管理部105は、記憶部103から質問情報を取得する(ステップS22)。次に、ページ管理部105は、ステップS22で取得した質問情報に含まれる優先度情報に基づいて、質問を表示する順番を決定する(ステップS23)。この例では、ページ管理部105は、優先度が高い質問ほど、表示する順番が早くなるように、各質問の表示順を決定する。例えば図7の例では、表示順は、質問ID2→質問ID1→質問ID3のようになる。
【0053】
次に、ページ管理部105は、対応する質問数nを、質疑応答時間Ttotal/最低質疑時間Tminとし、n+1番目から登録された質問数N番目までの質問時間を0とする(ステップS24)。
【0054】
次に、ページ管理部105は、各質問に対し、重み付け情報Giに基づいて、表示時間Tiを割り振る(ステップS25)。表示時間Tiは、下記の式で表すことができる。
Ti=Tmin+(Ttotal−i・Tmin)×(Gi/G1+G2+・・・+Gn)
【0055】
このように優先度の高い質問に対して、表示順を早くし、長い表示時間を割り振ることで、質疑応答の実効性を高めることができる。
【0056】
再び図11に戻って説明を続ける。スケジュールテーブルを作成した後(スケジューリングの後)、ページ管理部105は、スケジュールテーブルが示す表示順に従って、画像合成部108に対する質問合成画像作成要求を行う(ステップS13)。
【0057】
次に、画像合成部108は、質問管理部106に対して質問画像作成要求を行い(ステップS14)、質問管理部106は、質問画像作成部107に対して質問画像作成要求を行う(ステップS15)。
【0058】
次に、質問画像作成部107は、質問情報に基づいて質問画像を作成する(ステップS16)。質問画像作成部107で作成された質問画像は、記憶部103に保存される。
【0059】
次に、画像合成部108は、記憶部103から、これから表示を行う質問の質問画像と表示画像を取得し(ステップS17)、表示画像に質問画像を合成して質問合成画像を作成する(ステップS18)。そして、画像合成部108は、質問合成画像をページ管理部105へ渡す(ステップS19)。ページ管理部105は、表示制御部104に対して、取得した質問合成画像を表示するように要求する(ステップS20)。
【0060】
ここで、ページ管理部105は、質問合成画像の表示を開始後、スケジュールテーブルで設定された当該質問の表示時間が経過するタイミング(時間)を通知する。より具体的には、ページ管理部105は、質問合成画像の表示を開始後、タイマーにより時間を計測し、表示制御部104に対して、スケジュールテーブルで設定された当該質問の表示時間が経過するタイミング(時間)を示す切替タイミングを表示するように要求する(ステップS21)。なお、通知の方法は任意であり、例えばページ管理部105は、音声などによって、スケジュールテーブルで設定された表示時間が経過するタイミングを通知することもできる。
【0061】
その後、情報表示装置100のユーザー(プレゼンター)は、次の質問の質疑応答を行うために、不図示の操作デバイスを操作することで、質問の切り替えを要求する切替要求を入力する。その入力された切り替え要求を受付部102で受け付けた場合、ページ管理部105は、質問時間のタイマーをリセットして(ステップS22)、スケジュールテーブルの実施状況を更新し(ステップS23)、ページの切り替えを行う(ステップS24)。そして、上述のステップS13〜ステップS20の処理を行うことで、次の質問の質問合成画像が表示される。
【0062】
次に、情報表示装置100が実行する再スケジュールについて説明する。情報表示装置100は、スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、スケジュールテーブルを修正する(再スケジュールを実行する)。本実施形態における所定の条件は、スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれが閾値を超えること、あるいは、スケジュールテーブルを作成した後に、新たな質問情報を質問入力装置200から受信したことである。
【0063】
まず、スケジュールテーブルが作成された後、スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれが閾値を超えた場合に実行される再スケジュールについて説明する。図14は、スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれが閾値を超えた場合に実行される再スケジュールの手順を示すシーケンス図である。ページ管理部105は、作成済みのスケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれが予め設定された再スケジュール開始時間(図9参照)を超えたか否かを判断し(ステップS31)、再スケジュール開始時間を越えたと判断した場合は、再スケジュールを実行する(ステップS32)。その後のステップS33以降の処理の内容は、図11のステップS13以降の処理と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
図15は、再スケジュールの処理の一例を示すフローチャートである。まずページ管理部105は、実施状況が「実施中」の質問(現在の質問)と、当該質問の表示が開始されてから実際に経過した時間(経過時間)とを特定する(ステップS41)。次に、ページ管理部105は、残り質疑予定時間を算出する(ステップS42)。例えば現時点の時刻が、現在の質問の質疑応答が終了する予定の時刻を過ぎている場合、現時点から、予め設定された最大質疑延長時間(図9参照)を経過した時点が、現在の質問の質疑応答が終了する時刻となる。この場合、ページ管理部105は、最大延長時間と、残りの質問(未実施の質問)の表示時間とを合計することで、残り質疑応答時間を算出する。
【0065】
次に、ページ管理部105は、現在の質問の経過時間が、予め設定された再スケジュール開始閾値以下であるか否かを判断する(ステップS43)。ステップS43の結果が肯定の場合、ページ管理部105は、実施済みの最後の質問から最大n番目までの質問を再スケジュールの処理対象として特定する(ステップS44)。一方、ステップS43の結果が否定の場合、ページ管理部105は、実施済みの最後の質問から最大n+1番目までの質問を再スケジュールの処理対象として特定する(ステップS45)。
【0066】
次に、ページ管理部105は、再スケジュール方式として「質問時間短縮」(図9参照)が選択されているか否かを判断する(ステップS46)。ステップS46の結果が肯定の場合、ページ管理部105は、再スケジュール方式として「均等短縮」(図9参照)が選択されているか否かを判断する(ステップS47)。ステップS47の結果が肯定の場合、ページ管理部105は、均等短縮処理を実行する(ステップS48)。
【0067】
図16は、均等短縮処理の一例を示すフローチャートである。まず、ページ管理部105は、スケジュールテーブルの残りの質問(未実施の質問)のそれぞれの表示時間から削減する時間(削減時間)を算出する(ステップS61)。より具体的には、ページ管理部105は、ステップS42で算出した残り質疑応答時間と、予め設定された質疑応答時間の終点との差を求めることで、総削減時間を算出する。そして、ページ管理部105は、その算出した総削減時間を、残りの質問数(再スケジュール対象の質問数)で除算することで、削減時間を算出する。次に、ページ管理部105は、残りの質問の表示時間を修正する(ステップS62)。より具体的には、ページ管理部105は、残りの質問のそれぞれの表示時間から、ステップS61で算出した削減時間を減算する。これにより、スケジュールテーブルが修正される。
【0068】
図17は、図12に例示されるスケジュールテーブルが生成された後に、均等短縮処理が実施される例を示す図である。図17の例では、現時点において、未だ質問ID2の質疑応答が続いており(質問ID2の表示が継続中であり)、質問ID2の表示が終了する予定の時刻と、現時点の時刻との差tx(スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれ)が、予め設定された再スケジュール開始時間を越えている。したがって、現時点において、再スケジュールが実行される。図17の例では、再スケジュールの対象は質問ID1と質問ID3であり、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、質問ID1および質問ID3のそれぞれの削減時間が共通に設定される。図17の例では、現時点において、質問ID2の質疑応答が終了する予定の時刻を過ぎているので、現時点から、予め設定された最大質疑延長時間(図9参照)を経過した時点が、質問ID2の質疑応答が終了する時刻となり、ページ管理部105は、質疑開始時間から質問ID2の質疑応答が終了するまでの時間と、修正後(再スケジュール後)の質問ID1の表示時間と、修正後の質問ID3の表示時間との合計が、予め設定された質疑応答時間と等しくなるように、質問ID1および質問ID3のそれぞれの削減時間を共通に設定する。
【0069】
再び図15に戻って説明を続ける。前述のステップS47の結果が否定の場合、ページ管理部105は、再スケジュール方式として優先度別短縮が選択されていると判断し、優先度別短縮処理を実行する(ステップS49)。
【0070】
図18は、優先度別短縮処理の一例を示すフローチャートである。まず、ページ管理部105は、スケジュールテーブルの残りの質問(未実施の質問)のそれぞれの削減時間を、当該質問の優先度に応じて算出する(ステップS71)。より具体的には、ページ管理部105は、予め設定された最大質問削減時間(図10参照)の範囲内で、残りの質問のそれぞれの削減時間を、当該質問の優先度に応じて設定し、優先度が低いほど、削減時間が多くなるように設定する。次に、ページ管理部105は、残りの質問のそれぞれの削減時間の総和が、前述の総削減時間以上に到達したか否か(総削減時間を確保できたか)を判断する(ステップS72)。総削減時間を確保できたと判断された場合は、処理が終了する。一方、総削減時間が確保できないと判断された場合は、処理は再びステップS71に戻され、残りの質問のそれぞれの削減時間の算出がやり直される。
【0071】
図19は、図12に例示されるスケジュールテーブルが生成された後に、優先度別短縮処理が実施される例を示す図である。図19の例では、現時点において、未だ質問ID2の質疑応答が続いており(質問ID2の表示が継続中であり)、スケジュールテーブルが示す質問ID2の表示時間の終了予定時刻と、現時点の時間(時刻)との差tx(スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれ)が、予め設定された再スケジュール開始時間を越えている。したがって、現時点において、再スケジュールが実行される。図19の例では、再スケジュールの対象は質問ID1と質問ID3であり、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、質問ID1および質問ID3のそれぞれの削減時間が、当該質問の優先度に応じて可変に設定される。ここでは、ページ管理部105は、質疑開始時間から質問ID2の質疑応答が終了するまでの時間と、修正後(再スケジュール後)の質問ID1の表示時間と、修正後の質問ID3の表示時間との合計が、予め設定された質疑応答時間と等しくなるように、質問ID1および質問ID3のそれぞれの削減時間を設定する。図12に示すように、質問ID1の優先度は質問ID3の優先度よりも高いので、質問ID1の削減時間は質問ID3の削減時間に比べて小さくなるように設定される。
【0072】
再び図15に戻って説明を続ける。前述のステップS46の結果が否定の場合、ページ管理部105は、再スケジュール方式として質問数削減方式が選択されていると判断し、質問数削減処理を実行する(ステップS50)。
【0073】
図20は、質問数削減処理の一例を示すフローチャートである。まず、ページ管理部105は、スケジュールテーブルの残りの質問(未実施の質問)のうち、優先度が最も低い質問を削除する(ステップS81)。次に、ページ管理部105は、削除した質問の表示時間の合計が、前述の総削減時間以上に到達したか否か(総削減時間を確保できたか)を判断する(ステップS82)。総削減時間を確保できたと判断された場合は、処理が終了する。一方、総削減時間が確保できないと判断された場合は、処理は再びステップS81に戻され、残りの質問(前回の処理で削除された質問を除く)のうち、優先度が最も低い質問を削除した後、再びステップS82の判断が行われる。
【0074】
図21は、図12に例示されるスケジュールテーブルが生成された後に、質問数削減処理が実施される例を示す図である。図21の例では、現時点において、未だ質問ID2の質疑応答が続いており(質問ID2の表示が継続中であり)、スケジュールテーブルが示す質問ID2の表示時間の終了予定時刻と、現時点の時間(時刻)との差tx(スケジュールテーブルが示す表示時間と、実際の表示時間とのずれ)が、予め設定された再スケジュール開始時間を越えている。したがって、現時点において、再スケジュールが実行される。図21の例では、再スケジュールの対象は質問ID1と質問ID3であり、図12からも理解されるように、質問ID3の優先度は質問ID1の優先度よりも低いので、当該質問ID3がスケジュールテーブルから削除される。ここでは、質問ID3の表示時間は、総削減時間を越えているので、質問ID3のみを削除することで、予め定められた質疑応答時間内に質問の表示を完了させることができる。要するに、ページ管理部105は、予め定められた質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、残りの質問のうち最も優先度の低い質問をスケジュールテーブルから削除する。
【0075】
再び図15に戻って説明を続ける。前述のステップS48、ステップS49およびステップS50の各々の処理が終了した後、ページ管理部105は、再スケジュールに必要な時間を確保できるか否か(残りの質問の全部を表示できるか否か)を判断する(ステップS51)。再スケジュールに必要な時間を確保できると判断した場合は、ページ管理部105は、再スケジュールが完了したことを表示するように表示制御部104を制御する(ステップS52)。図22は、再スケジュールが完了したことを表示する場合の表示例を示す図である。図22の例では、再スケジュールされた時間(修正された表示時間)が同時に表示される。
【0076】
一方、前述のステップS51において、再スケジュールに必要な時間を確保できないと判断した場合、ページ管理部105は、一部でも再スケジュールができるか否か(一部でも質問を表示できるか否か)を判断する(ステップS52)。一部でも再スケジュールができると判断した場合、ページ管理部105は、一部の再スケジュールに失敗したことを表示するように表示制御部104を制御する(ステップS53)。図23は、一部の再スケジュールに失敗したことを表示する場合の表示例を示す図である。図23の例では、残りの質疑時間(現在の質問ID2が終了する時点から、予め定められた質疑応答時間の終点に至るまでの時間)が不足しているために、一部の質問(ここでは質問ID3)を表示(実施)できない旨が表示されている。
【0077】
また、前述のステップS52において、一部も再スケジュールができないと判断した場合、ページ管理部105は、再スケジュールに失敗したことを表示するように表示制御部104を制御する(ステップS54)。図24は、再スケジュールに失敗したことを表示する場合の表示例を示す図である。図24の例では、残りの質疑時間が不足しているために、現在の質問以外の質問を表示(実施)できない旨が表示されている。
【0078】
次に、スケジュールテーブルが作成された後、新たな質問情報を質問入力装置200から受信した場合に実行される再スケジュールについて説明する。図25は、新たな質問情報を質問入力装置200から受信した場合に実行される再スケジュールの手順を示すシーケンス図である。質問入力装置200からの追加の質問情報を、情報表示装置100の通信部101で受信した場合、質問管理部106は、その受信した質問情報に対して質問IDを付加して質問情報を更新する(ステップS83)。次に、質問管理部106は、その更新した質問情報を記憶部103に登録する(ステップS84)。次に、ページ管理部105は、記憶部103に記憶された複数の質問情報を取得して再スケジュールを実行する(ステップS85)。その後のステップS86以降の処理の内容は、図11のステップS13以降の処理と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0079】
図26は、再スケジュール方式として「均等短縮」が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための模式図である。図26の例では、質問ID4の質問が追加された場合を想定している。ページ管理部105は、質問ID1〜質問ID4の質問情報に含まれる優先度情報(重み付け情報)を参照して表示の順番を決定するとともに、質問ID4の表示時間を決定する。質問ID4の表示時間は、例えば図13で説明した方法で決定される。次に、ページ管理部105は、図20の均等短縮処理を実行することで、未実施の質問(この例では質問ID1、質問ID3、質問ID4)のそれぞれの共通の削減時間を算出する。そして、ページ管理部105は、未実施の質問のそれぞれの表示時間から削減時間を減算することで、スケジュールテーブルの修正を行う。
【0080】
図27は、「均等短縮」が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例(図26の実施例)を示す図である。図27の例では、現在の質問ID1の経過時間が、予め設定された再スケジュール開始閾値を下回るので、再スケジュールの対象は、質問ID1、質問ID4および質問ID3である。ページ管理部105は、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、質問ID1、質問ID4および質問ID3のそれぞれの削減時間を共通に設定する。
【0081】
図28は、再スケジュール方式として「優先度別短縮」が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための模式図である。図28の例では、質問ID4の質問が追加された場合を想定している。ページ管理部105は、質問ID1〜質問ID4の質問情報に含まれる優先度情報(重み付け情報)を参照して表示の順番を決定するとともに、質問ID4の表示時間を決定する。質問ID4の表示時間は、例えば図13で説明した方法で決定される。次に、ページ管理部105は、図18の優先度別短縮処理を実行することで、未実施の質問(この例では質問ID1、質問ID3、質問ID4)のそれぞれの削減時間を、当該質問の優先度に応じて算出する。そして、ページ管理部105は、未実施の質問のそれぞれの表示時間から削減時間を減算することで、スケジュールテーブルの修正を行う。
【0082】
図29は、「優先度別短縮」が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例(図28の実施例)を示す図である。図29の例では、現在の質問ID1の経過時間が、予め設定された再スケジュール開始閾値を下回るので、再スケジュールの対象は、質問ID1、質問ID4および質問ID3である。ページ管理部105は、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、質問ID1、質問ID4および質問ID3のそれぞれの削減時間を、当該質問の優先度に応じて可変に設定する。図29の例では、質問ID3の優先度が低いので、質問IDの表示時間の削減量が多くなるように設定されている。
【0083】
図30は、再スケジュール方式として「質問数削減」が選択されている場合の再スケジュール処理の概要を説明するための模式図である。図30の例では、質問ID4の質問が追加された場合を想定している。ページ管理部105は、質問ID1〜質問ID4の質問情報に含まれる優先度情報(重み付け情報)を参照して表示の順番を決定するとともに、質問ID4の表示時間を決定する。質問ID4の表示時間は、例えば図13で説明した方法で決定される。次に、ページ管理部105は、図20の質問数削減処理を実行することで、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、優先度の低い質問を削除する。これにより、スケジュールテーブルの修正を行う。図30の例では、最も優先度が低い質問ID3がスケジュールテーブルから削除されている。
【0084】
図31は、再スケジュール方式として「質問数削減」が選択されている場合の再スケジュール処理の実施例(図30の実施例)を示す図である。図31の例では、現在の質問ID1の経過時間が、予め設定された再スケジュール開始閾値を下回るので、再スケジュールの対象は、質問ID1、質問ID4および質問ID3である。ページ管理部105は、予め設定された質疑応答時間内で質問の表示が完了するように、未実施の質問(質問ID1、質問ID4および質問ID3)のうち優先度の低い質問を削除する。図31の例では、最も優先度の低い質問ID3が削除されている。
【0085】
図32は、上述の再スケジュール(スケジュールテーブルが作成された後、新たな質問情報を質問入力装置200から受信した場合に実行される再スケジュール)の処理において、一部の再スケジュールに失敗したことを表示する場合(図15のステップS54)の表示例を示す図である。図32の例では、残りの質疑時間が不足しているために、一部の質疑を実施できない旨が表示されている。この例では、追加質問(ここではID5)の優先度が残りの質問の優先度よりも低いため、スケジュールに追加できないことを示している。
【0086】
以上に説明したように、本実施形態では、質問の表示の順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成した後において、作成したスケジュールテーブルが示す表示時間と実際の表示時間とがずれた際や、追加質問が発生した際に、スケジュールテーブルの修正を行うので、より効率的に質疑応答を行うことができるという有利な効果を奏する。
【0087】
本実施形態の情報表示装置100および質問入力装置は、CPUなどの制御装置、ROM(Read Only Memory)やRAMなどの記憶装置、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置などを備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0088】
本実施形態の情報表示装置100および質問入力装置200で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0089】
また、本実施形態の情報表示装置100および質問入力装置200で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の情報表示装置100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0090】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0091】
本実施形態の情報表示装置100で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部101、受付部102、表示制御部104、ページ管理部105、質問管理部106、質問画像作成部107、画像合成部108)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部101、受付部102、表示制御部104、ページ管理部105、質問管理部106、質問画像作成部107、画像合成部108が主記憶装置上に生成されるようになっている。なお、記憶部103は、ハードウェアで実現される要素であり、ROM、RAM、外部記憶装置などで構成され得る。また、本実施形態の質問入力装置200で実行されるプログラムは、上述した各部(通信部201、受付部202、表示制御部203、質問情報作成部204)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、通信部201、受付部202、表示制御部203、質問情報作成部204が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0092】
なお、本実施の形態においては、情報表示システム400を情報表示装置100と質問入力装置200とをネットワーク300に接続した構成としたが、これに限るものではなく、図33に示すように、質問入力装置200の機能を情報表示装置100に備えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0093】
100 情報表示装置
101 通信部
102 受付部
103 記憶部
104 表示制御部
105 ページ管理部
106 質問管理部
107 質問画像作成部
108 画像合成部
110 作成部
111 通知部
200 質問入力装置
201 通信部
202 受付部
203 表示制御部
204 質問情報作成部
400 情報表示システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【特許文献1】特開2003−162274号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質問が入力される質問入力装置と通信する情報表示装置であって、
前記質問を受信する受信部と、
前記質問を記憶する記憶部と、
前記質問の表示を制御する表示制御部と、
前記質問の表示を要求する表示要求を受け付ける受付部と、
前記受付部で前記表示要求を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された複数の前記質問の表示時間の合計が、質疑応答が行われる時間を示す質疑応答時間内に収まるように、前記質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、
前記スケジュールテーブルに基づいて、前記表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備え、
前記表示制御部は、前記質問の切り替えを要求する切替要求を受け付けた場合、前記スケジュールテーブルが示す順番に従って、前記質問の表示を切り替え、
前記作成部は、前記スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、前記スケジュールテーブルを修正する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記スケジュールテーブルが示す前記表示時間と、実際の前記表示時間とのずれが閾値を超えることである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記スケジュールテーブルを作成した後に、新たな前記質問を前記受信部で受信したことである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記作成部は、前記スケジュールテーブルの修正を行う場合、未だ表示されていない前記質問の前記表示時間を均等に削減する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記作成部は、前記スケジュールテーブルの修正を行う場合、未だ表示されていない前記質問の優先度が低いほど、当該質問の前記表示時間の削減量を大きくする、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記作成部は、前記スケジュールテーブルの修正を行う場合、未だ表示されていない前記質問のうち優先度が低い前記質問を前記スケジュールテーブルから削除する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記作成部は、優先度の高い前記質問については、表示される順番が早くなるとともに
、前記表示時間が長くなるように、前記スケジュールテーブルを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項8】
質問の入力を受け付ける第1の受付部と、
前記質問を記憶する記憶部と、
前記質問の表示を制御する表示制御部と、
前記質問の表示を要求する表示要求を受け付ける第2の受付部と、
前記第2の受付部で前記表示要求を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された複数の前記質問の表示時間の合計が、質疑応答が行われる時間を示す質疑応答時間内に収まるように、前記質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、
前記スケジュールテーブルに基づいて、前記表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備え、
前記表示制御部は、前記質問の切り替えを要求する切替要求を受け付けた場合、前記スケジュールテーブルが示す順番に従って、前記質問の表示を切り替え、
前記作成部は、前記スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、前記スケジュールテーブルを修正する、
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項9】
質問が入力される質問入力装置と、前記質問入力装置と通信する情報表示装置とを備えた情報表示システムであって、
前記情報表示装置は、
前記質問を受信する受信部と、
前記質問を記憶する記憶部と、
前記質問の表示を制御する表示制御部と、
前記質問の表示を要求する表示要求を受け付ける受付部と、
前記受付部で前記表示要求を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された複数の前記質問の表示時間の合計が、質疑応答が行われる時間を示す質疑応答時間内に収まるように、前記質問を表示する順番と、当該質問の表示時間とを対応付けたスケジュールテーブルを作成する作成部と、
前記スケジュールテーブルに基づいて、前記表示時間が経過するタイミングを通知する通知部と、を備え、
前記表示制御部は、前記質問の切り替えを要求する切替要求を前記受付部で受け付けた場合、前記スケジュールテーブルが示す順番に従って、前記質問の表示を切り替え、
前記作成部は、前記スケジュールテーブルを作成した後、所定の条件が成立した場合は、前記スケジュールテーブルを修正する、
ことを特徴とする情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2013−8327(P2013−8327A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142257(P2011−142257)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】