説明

手持操作器

【課題】オペレータが手持操作器による手動運転操作中に、緊急に非常停止としなければならなくなった場合でも簡単かつ確実に非常停止を行なえる手持操作器を提供する。
【解決手段】手持操作器に対する衝撃を検知するショックセンサ14を有し、ショックセンサ14による衝撃検知に基づいて可動部37の非常停止を行なう非常停止装置13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット装置やロータリテーブル制御装置などで、手動操作による教示や簡易位置決め機能と、非常停止機能を備えた手持操作器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術の手持操作器は、非常停止専用に押しボタンを搭載している(例えば、特許文献1参照)。
図2は、従来技術および本発明を適用する一般的な手持操作器の外観図である。
図2において、21は非常停止専用押しボタンである。この図2に示す非常停止専用押しボタン21は、オペレータが操作中に非常停止とする必要性が生じた場合に押下するものである。
図3は、従来技術を示す手持操作器の非常停止に係る部分の構成図である。
図3において、31は手持操作器、33は動力用電源、34は動力電源遮断回路、35はコントローラ、36はサーボアンプ、すなわちモータ制御部、37は可動部、すなわちモータである。
以下、図2および3を用いて、従来技術の手持操作器の動作について説明する。
オペレータが非常停止専用押しボタン21を押下すると、接続されたサーボアンプ36に入力される動力用電源33からの電源が遮断され、コントローラ35からサーボアンプ36へ発行される運転指令は無効となり、可動部37の運転は即中止される。
このように、従来技術の手持操作器は、非常停止専用押しボタンをオペレータが押下することにより、機器の動力電源が遮断され非常停止するようにしているのである。
【特許文献1】特開2003−251582号公報(第1図−第3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術の手持操作器は、オペレータが可動部を確認しながら手動運転操作を行っている際に緊急で非常停止を行なう必要が生じた場合、非常停止専用の押しボタンを確認して押さなければならず、非常停止状態とするまでに時間がかかってしまうという問題があった。
また、操作を誤ってしまうなど、確実に非常停止できない可能性も発生し、安全上の面からも好ましくないという問題があった。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、オペレータが手持操作器による手動運転操作中に、緊急に非常停止としなければならなくなった場合でも簡単かつ確実に非常停止を行なえる手持操作器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、可動部を有するロボット装置、ロータリテーブル制御装置に具備され、手動操作による教示や簡易位置決め機能、非常停止機能を備えた手持操作器において、前記手持操作器に対する衝撃を検知するショックセンサを有し、前記ショックセンサによる衝撃検知に基づいて前記可動部の非常停止を行なう非常停止装置を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の手持操作器によると、オペレータが手持操作器による手動運転操作中に、緊急に非常停止としなければならなくなった場合でも簡単かつ確実に非常停止を行なうことがきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明を示す手持操作器の非常停止に係る部分の構成図である。
図1において、11は本発明の手持操作器、13は非常停止装置、14はショックセンサである。尚、従来技術と同じ構成要素には同じ説明符号とし、その説明は省略する。
図1に示す本発明が、図3に示す従来技術と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、本発明の手持操作器11は、手持操作器11に対する衝撃を検知するショックセンサ14を有し、ショックセンサ14による衝撃検知に基づいて可動部37の非常停止を行なう非常停止装置13を備えるようにしている点である。
【0009】
次に、図1を用いて、本発明の手持操作器の動作を説明する。
図1において、手持操作器11に備えられたショックセンサ14が衝撃を感知すると、非常停止装置13が作動、すなわち、非常停止専用押しボタン21のB接点と直列に接続された非常停止装置13のB接点が「開」となる。動力電源遮断回路34は、このB接点と直列に遮断器のコイルが接続されていることからサーボアンプ36の動力用電源33を遮断し、可動部37を非常停止させる。
【0010】
以上述べたように、本実施例に係る手持操作器11は、手持操作器11にショックセンサ14を有し、このショックセンサ14による衝撃検知に基づいて可動部37の非常停止を行なう非常停止装置13と、を備える構成としているので、オペレータが手持操作器11をたたいたり落としたりといった外部からの衝撃を与えることにより、簡単に可動部37を非常停止とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、ショックセンサ感知による非常停止装置を備えることによって、手動運転作業中にも容易に非常停止とするようにしているため、工作機械で手動運転時に使用される手動パルス発生器などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明を示す手持操作器の非常停止に係る部分の構成図
【図2】従来技術および本発明を適用する一般的な手持操作器の外観図
【図3】従来技術を示す手持操作器の非常停止に係る部分の構成図
【符号の説明】
【0013】
11、31 手持操作器
13 非常停止装置
14 ショックセンサ
21 非常停止専用押しボタン
33 動力用電源
34 動力電源遮断回路
35 コントローラ
36 サーボアンプ
37 可動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部を有する機械装置に接続する手動操作器において、
前記手持操作器に対する衝撃を検知するショックセンサを有し、
前記ショックセンサによる衝撃検知に基づいて前記可動部の非常停止を行なう非常停止装置を備えたことを特徴とする手持操作器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−276053(P2007−276053A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105626(P2006−105626)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】