説明

拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム

本発明は無線通信網の構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理して、また構成要素の増加に伴ってフレキシブルに拡張することができる、拡張可能な構造を有する構成要素管理システムに関する。
本発明による無線通信網の構成要素管理システムは、構成要素管理クライアントからのコマンドに応答して上記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、及び状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するEMS(Element Management System)アプリケーションサーバー、及び上記構成要素に直接接続されて該構成要素よりメッセージ及びデータを受信し、該受信したメッセージ及びデータをEMSアプリケーションサーバーに提供する少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバーを含み、上記EMS構成要素インターフェースサーバーは、上記EMSアプリケーションサーバーと分離された構造で形成されるため、基地局、制御局などの拡張に伴う後からのEMS構成要素インターフェースサーバーの追加を容易に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信網の構成要素管理システムに係り、より詳しくは、無線通信網の構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理し、また構成要素の増加に伴ってEMS構成要素インターフェースサーバーを追加することでフレキシブルに拡張することができる、拡張可能な構造を有する構成要素管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子/通信技術の発達に伴い、移動通信、ポータブル・インターネットなどのように無線通信網(Wireless Network)を利用した様々な通信サービスが提供されている。無線通信網は、図1に示すように、ネットワーク構成要素(network element)として携帯端末(PSS:Portable Subscriber Station)、基地局(RAS:Radio Access Station)、制御局(ACR:Access Control Router)などを含み、ここで、携帯端末は、無線通信チャンネルを介して基地局と通信を行なうことにより、基地局と連動する制御局から提供される様々な通信サービスを利用することができる。
【0003】
これら構成要素の具体的機能について説明すれば、例えば、無線通信網においてポータブル・インターネットサービスを提供するために、携帯端末は、ポータブル・インターネット無線接続機能、IP基盤サービス接続機能、IP移動性機能、端末/ユーザー認証及びセキュリティ機能、マルチキャストサービス受信機能、他の網との連動機能などを遂行する。そして、基地局は、ポータブル・インターネット無線接続機能、無線資源管理及び制御機能、移動性(ハンドオフ)支援機能、認証及びセキュリティ機能、サービス品質管理機能、ダウンリンクマルチキャスト機能、課金及び統計情報生成と通報機能などを遂行し、制御局は、IPルーティング及び移動性管理機能、認証及びセキュリティ機能、サービス品質管理機能、課金サービス提供機能、制御局内の基地局間移動性制御機能、資源管理及び制御機能などを遂行する。
【0004】
一方、ポータブル・インターネットサービスを安定して提供するためには、ネットワークの構成要素(network element)である制御局及び基地局に対する管理が必要であり、例えば、構成(Configuration)管理、障害(Fault)管理、ダウンロード(Download)管理、診断及びテスト(Diagnostics & Test)管理、統計(Statistics)管理、性能(Performance)管理などを効率よく遂行することができる構成要素管理システムが求められる。
【0005】
特に、ポータブル・インターネット加入者の増加または設備の増加に伴って増えるネットワーク構成要素をフレキシブルに管理することができる、拡張が容易な構造を有する構成要素管理システムが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述したような要求に応じるためになされたものであって、その目的は、無線通信サービスを安定して提供するためにネットワーク構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理する無線通信網の構成要素管理システムを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、EMSアプリケーションサーバーとEMS構成要素インターフェースサーバーとが分離されており、このため、ネットワーク構成要素の増加に伴って後からEMS構成要素インターフェースサーバーを追加することでシステム性能または機能を容易に拡張することができる、拡張可能な構造を有する構成要素管理システムを提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の目的は、EMSアプリケーションサーバー内のNMSインターフェース部を分離された構造で形成することでNMSの存在しない環境でもEMSアプリケーションサーバーを容易に適用できるようにする構成要素管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一形態による無線通信網の構成要素管理システムは、構成要素管理クライアントからのコマンドに応答して上記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、及び状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するEMS(Element Management System)アプリケーションサーバー、及び上記構成要素に直接接続されて該構成要素よりメッセージ及びデータを受信し、該受信したメッセージ及びデータをEMSアプリケーションサーバーに提供する少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバーを含み、上記EMS構成要素インターフェースサーバーは、上記EMSアプリケーションサーバーと分離された構造で形成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の他の形態による無線通信網の構成要素管理システムは、構成要素管理クライアントからのコマンドに応答して上記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、及び状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するシステムバックエンド機能部と、上記コマンドをEMS構成要素インターフェースサーバーに伝送するシステム資源管理部を含むEMSアプリケーションサーバー、及びTCPまたはSNMP通信を用いて上記構成要素との整合機能を遂行するインターフェースと、上記システム資源管理部と連動して上記インターフェースを管理するシステム資源エージェントを含む少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバーを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、無線通信網にネットワーク構成要素を管理する構成要素管理システムを備えることによりネットワーク構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理し、無線通信サービスを安定して提供することができるという効果を奏する。
【0012】
特に、本発明によれば、EMSアプリケーションサーバーとEMS構成要素インターフェースサーバーとが分離されており、このため、ポータブル・インターネット加入者または設備の増加に伴って後からネットワーク構成要素が増加する場合、EMS構成要素インターフェースサーバーのみを追加することで拡張することができるので、EMSシステム全体を追加することなくシステム性能または機能を容易に拡張することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】無線通信網の階層構造を例示する図である。
【図2】本発明による拡張可能な構造を有する構成要素管理システムの構成図である。
【図3】図2のEMSアプリケーションサーバーの詳細構成図である。
【図4】本発明に係る構成要素管理クライアントの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付した図面及び好適な実施形態を参照して本発明について詳しく説明する。なお、下記の説明では、本発明の要旨を不要に曖昧にし得る公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略した。
【0015】
先ず、本発明による無線通信網の階層構造について説明すれば、図1に示すように、ネットワーク構成要素の運用環境の設定、有無線資源管理、状態確認などのためのアクセスネットワーク領域(Access Network Domain)と、移動通信/ポータブル・インターネットサービスの提供、加入者管理などのためのサービスプロバイダー領域(Service Provider Domain)に分けられる。そして、アクセスネットワーク領域は、ネットワーク構成要素階層(Network Element layer:NEL)(L1)及び構成要素管理階層(Element Management layer:EML)(L2)からなり、サービスプロバイダー領域は、ネットワーク管理階層(Network Management layer:NML)(L3)、サービス管理階層(Service Management layer:SML)(L4)及びビジネス管理階層(Business Management layer:BML)(L5)からなる。
【0016】
ネットワーク構成要素階層(L1)には、携帯端末(PSS)700、基地局(RAS)400、制御局(ACR)300などのようにネットワークを構成する構成要素(Network Element)が位置し、構成要素管理階層(L2)には、上記携帯端末(PSS)、基地局(RAS)、制御局(ACR)などを管理する構成要素管理サーバー(Element Management System Server:EMS Server)100’及び構成要素管理クライアント(EMS Client)200が位置する。
【0017】
一方、構成要素管理サーバー100’は、ネットワーク管理階層(L3)に位置するネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)500に接続され、サービスプロバイダーがネットワーク管理システムを介してネットワーク構成要素を管理できるようにする。
【0018】
また、本発明の特徴の一つとして、本発明の構成要素管理システムは、ネットワーク管理階層(L3)が存在しない環境でも適用できるように構成されており、これについての具体的な説明は後述する。
【0019】
図2は、本発明の好適な実施形態による拡張可能な構造を有する構成要素管理システムを示している。
図2に示すように、本発明による拡張可能な構造を有する構成要素管理システムは、EMSアプリケーションサーバー100と少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバー140-1、140-2などを含み、上記EMSアプリケーションサーバーとEMS構成要素インターフェースサーバーとは、TCPソケットを介して相互接続される。
【0020】
各EMS構成要素インターフェースサーバー140-1、140-2などは、有無線によりネットワーク構成要素に直接接続されて該構成要素にコマンドを送り、また、上記構成要素により提供されるメッセージ及びデータを受信するなどの整合機能を遂行する。EMSアプリケーションサーバー100は、上記EMS構成要素インターフェースサーバーを管理し、構成要素管理クライアントより伝送されるコマンドによって当該機能を遂行する役割を果たす。
【0021】
一方、本発明によれば、EMS構成要素インターフェースサーバーとEMSアプリケーションサーバーとが分離されており、このため、ネットワーク構成要素がシステムの容量を超えて増加する場合にも、EMS構成要素インターフェースサーバーのみを追加することでシステム全体の容量を増大させることができるので、システムの性能及び機能を容易に拡張することができるという長所がある。
【0022】
以下では、図3を参照してEMSアプリケーションサーバーについて詳述する。
同図に示すように、EMSアプリケーションサーバー100は、システム資源管理部110、システムバックエンド機能部120、システムフロントエンド機能部130、NMSインターフェース部150などを含む。
【0023】
システム資源管理部110は、システムバックエンド機能部120、システムフロントエンド機能部130、NMSインターフェース部150と連動して、システム初期化、システム資源管理、システムメンテナンスなどの機能を遂行する。具体的には、周期的にまたは運用者の要求に応じてEMSアプリケーションサーバーのCPU負荷率、メモリ使用率、ファイルシステム使用率、ネットワーク利用率などに関するデータを収集し照会してEMSアプリケーションサーバーを全般的に管理し、EMSアプリケーションサーバーにおいて使用するデータベースの使用現況を収集してデータベースサーバー160を管理し、EMSアプリケーションサーバーのすべての応用プロセスに対する状態照会、駆動中止、再駆動などの機能を遂行する。また、プロセッサが任意にダウンしたり、各種の使用率が予め設定しておいた閾値を超えると、アラーム発生情報を構成要素管理クライアントに伝送し、逆に閾値以下に落ちると、アラーム解除情報を構成要素管理クライアントに伝送することで運用者に知らせる。
【0024】
また、システム資源管理部110は、ネットワーク管理システム(NMS)が存在しない環境ではNMSインターフェース部150との連動なしにシステム初期化、システム資源管理、システムメンテナンスなどの機能を遂行する。
【0025】
一方、システム資源管理部110は別途に分離された各EMS構成要素インターフェースサーバーを管理するために各EMS構成要素インターフェースサーバー140-1、140-2などの各システム資源エージェント142-1、142-2などと連動して運用され、これによってEMSアプリケーションサーバーと各EMS構成要素インターフェースサーバーとは実質的に一つの構成要素管理サーバーとしてネットワーク構成要素を管理するようになる。
【0026】
システムフロントエンド機能部130は、運用者との整合機能を遂行するユーザーインターフェースモジュール131と、ログ管理機能を遂行するログ管理モジュール132を含む。
【0027】
ユーザーインターフェースモジュール131は、構成要素管理クライアント200から運用者のコマンドを受信し、該受信したコマンドをシステムバックエンド機能部120またはEMS構成要素インターフェースサーバー140に伝送する。ユーザーインターフェースモジュールは、該コマンドに対する応答を受信し、該受信した応答を当該構成要素管理クライアントに伝送する。また、EMS構成要素インターフェースサーバーを介してネットワーク構成要素からリアルタイムで伝送されるイベントを受信し、該イベントを構成要素管理クライアントに伝送する機能を遂行する。このために、ユーザーインターフェース部は、GUIアダプタ(GUI adaptor)131a、ディスパッチャー(dispatcher)131b、イベントハンドラー(event handler)131c、ブロードキャストレシーバー131d、フォーマッタ(Formatter)131e、ログセンダー(Log sender)131fを含む。
【0028】
上記GUIアダプタ131aは構成要素管理クライアントに直接接続されており(図3に図示していない)、新規な構成要素管理クライアントがTCPを介して構成要素管理サーバーに接続したとき、上記GUIアダプタ131aは、新規な構成要素管理クライアントが接続可能なIPアドレスを持っているか否か、新規な構成要素管理クライアントが接続可能なIPアドレスの範囲内にあるか否か、または、新規な構成要素管理クライアントが同時接続者の数を超えているか否かなどを検査し、その後、新規な構成要素管理クライアントの構成要素管理サーバーへの接続を許可する。上記GUIアダプタ131aは、構成要素管理クライアントの正常または異常終了の際、当該構成要素管理クライアントに関するセッション情報を削除する。そして、構成要素管理クライアントから伝送される運用者コマンドをディスパッチャーに伝送し、必要に応じて、整形化された入力フォーマットの画面またはログ出力のためにフォーマッタに伝送する。なお、ディスパッチャーを介してネットワーク構成要素から運用者コマンドに関する応答を受信し、該応答を構成要素管理クライアントに伝送する。
【0029】
ディスパッチャー131bは、GUIアダプタに接続され、GUIアダプタを介して構成要素管理クライアントから受信したコマンドを分類してシステムバックエンド機能部120またはEMS構成要素インターフェースサーバーに伝送する。ディスパッチャー131bは、運用者コマンドに対する応答を受信し、該応答をGUIアダプタを介して構成要素管理クライアントに伝送する。具体的に、ディスパッチャーは、構成要素管理クライアントから受信したコマンドが一つの構成要素に関する単純処理コマンドである場合、該コマンドをEMS構成要素インターフェースサーバー140のコマンドレシーバーに伝送し、上記コマンドが隣接セル登録のように多くの構成要素に関連しているかまたはデータベースに予め登録された多くのコマンドを読み出して処理すべきバッチコマンドの遂行のような複合処理コマンドである場合、応答をシステムバックエンド機能部120のコマンド制御モジュールに伝送する。参考として、本発明における「単純処理コマンド」とは、構成要素の状態照会/変更コマンド、構成要素のパラメータ照会/変更コマンド、その他、照会コマンドなどのようにシステムバックエンド機能部の遂行を不要とするコマンドのことをいい、これは、ユーザーインターフェースモジュールからEMS構成要素インターフェースサーバーに直接伝送されるため、サーバーの負荷を軽減することができる。逆に、「複合処理コマンド」とは、運用者コマンドの遂行のためにシステムバックエンド機能部の少なくとも一つの機能モジュールの動作を必要とするコマンドのことをいう。
【0030】
イベントハンドラー131cは、システムにおいて発生したイベントをシステムバックエンド機能部の障害管理モジュールのデータプロセッサから受信し、該受信したイベントを構成要素管理クライアントに伝送する。また、イベントハンドラー131cは、運用者により設定された性能閾値を超えたときに発生するQoSアラームメッセージを統計管理モジュールと性能管理モジュールから受信し、該受信したメッセージを構成要素管理クライアントに伝送する。一方、ブロードキャストレシーバー131dは、EMS構成要素インターフェースサーバーからメッセージを受信し、該メッセージをフォーマッタに伝送し、フォーマッタ131eは、ブロードキャストレシーバーまたはディスパッチャーからメッセージを受信し、該受信したメッセージのフォーマットを変形(CLIコマンドにより整形化された入出力メッセージフォーマッティング)して、運用者画面出力のために該フォーマットしたメッセージをログセンダー131fに伝送するとともに、ログファイルの格納のためにログ管理モジュールのレシーバーに伝送する。
【0031】
ログ管理モジュール(Log Management Module)132は、EMS構成要素インターフェースサーバーを介して伝送される各種のメッセージを受信し、該受信したメッセージをログファイル(Log File)として格納し管理する機能を遂行する。このために、ログ管理モジュールは、レシーバー(Receiver)132a、ロガー(Logger)132b、ファインダ(Finder)132cを含む。レシーバー132aは、ユーザーインターフェースモジュールのフォーマッタ131eからのメッセージを受信し、該受信したメッセージをロガーに伝送し、ロガー132bは、該受信したメッセージに基づいてログファイルを生成して格納し管理する。一方、ログファイルに格納された情報が必要である場合、ファインダ132cがそれを検索して読み出す。
【0032】
システムバックエンド機能部120は、ネットワーク構成要素を管理するEMSアプリケーションサーバーの具体的な動作または機能を遂行するもので、コマンド制御(Command control)モジュール、構成(Configuration)管理モジュール、障害(Fault)管理モジュール、ダウンロード(Download)管理モジュール、診断及びテスト(Diagnostics & Test)管理モジュール、統計(Statistics)管理モジュール、性能(Performance)管理モジュールなどを含む。
【0033】
先ず、コマンド制御モジュール121は、構成要素管理クライアントが予め登録しておいたバッチ処理コマンドをデータベースサーバー160から読み込み、該コマンドを当該EMS構成要素インターフェースサーバーを介してネットワーク構成要素に伝送し、その後、該コマンドに対する応答を受信し、該応答を構成要素管理クライアントに提供する機能を遂行する。このために、コマンド制御モジュールは、マネージャープロセッサ(Manager Processor)121a、バッチプロセッサ(Batch Processor)121b、スケジューラ(Scheduler)121cを含む。ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーから運営者のバッチジョブに関するリクエストを受信すると、マネージャープロセッサ121aは、該リクエストをバッチプロセッサに伝送する。その後、マネージャープロセッサは、バッチプロセッサからバッチジョブに属した個別コマンドをディスパッチャーに伝送し、当該ネットワーク構成要素により生成されたコマンドに対する応答をディスパッチャーから受信し、該応答をデータベースサーバーに格納できるようにバッチプロセッサに伝送し、最終コマンドの遂行が終わると、バッチ遂行終了応答をユーザーインターフェースモジュールに伝送する。バッチプロセッサ122bは、マネージャープロセッサまたはスケジューラからのバッチジョブ(Batch Job)のリクエストに対し、データベースサーバーから予め登録しておいたコマンドを順次読み込み、当該ネットワーク構成要素に該コマンドを伝送することでジョブを遂行する。一方、スケジューラは、所定の時間になると、データベースに格納されているバッチジョブを読み込んでバッチプロセッサに伝送し、バッチプロセッサは、該ジョブに係るコマンドをEMS構成要素インターフェースサーバーを介して当該ネットワーク構成要素に伝送する。
【0034】
構成管理モジュール122は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などの物理的形状管理、運営パラメータの設定、隣接セル/隣接基地局/隣接制御局の設定などの機能を遂行する。具体的に、構成管理モジュールは、構成要素管理クライアントから受信した構成関連リクエストメッセージに対し、当該基地局または制御局からの処理結果をEMS構成要素インターフェースサーバーを介してイベントメッセージの形式で受信し、これをデータベースサーバーに格納可能なデータに変更してデータベースサーバーに格納し、ネットワーク構成要素の実装状態(Equipment Status)や管理状態(Administration State)が変更された場合、状態変更メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントに伝送する。上記物理的形状管理には、制御局/基地局の増減設置、基地局のFA(Frequency Assignment)/セクター(Sector)/カード(Card)の増減設置などがあり、運営パラメータの設定には、システムタイマー(System Timer)パラメータ、アップリンク(Uplink)/ダウンリンク(Downlink)チャンネルに対するOFDMA PHY(Physical layer)及びMAC(Medium Access Control layer)パラメータ、セキュリティ関連PKM(Primary Key Management)パラメータ、QoS(quality of service)のためのサービスクラス(Service Class)パラメータ、各種のRF(Radio Frequency)パラメータ、IPプール(Pool)、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)パラメータ、過負荷閾値などがある。
【0035】
障害管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などからリアルタイムで障害情報を受信した後、可視、可聴情報を発生する機能を遂行する。具体的には、EMS構成要素インターフェースサーバーを介して基地局、制御局などから障害の種類(ハードウェアの特定部分またはソフトウェアの特定機能など)に相応する障害発生メッセージを受信し、または障害解除メッセージ受信すれば、該メッセージをデータベースサーバーに格納し、上記障害発生メッセージまたは障害解除メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントにブロードキャスティングすることによりアラーム機能を遂行する。
【0036】
ダウンロード管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などで用いるソフトウェア(OS & Application)と構成ファイル(Configuration File)を当該ネットワーク構成要素にダウンロードし、上記ネットワーク構成要素で実行される構成ファイルをバックアップする機能を遂行する。具体的には、運用者要求やシステムの初期化時または予約ジョブ登録を通じてネットワーク構成要素毎に使用されるソフトウェア及び構成ファイルを当該構成要素にダウンロードし、その履歴情報をデータベースサーバーに格納する。上記ソフトウェア及び構成ファイルは、構成要素管理クライアントのパッケージ管理モジュールにおいて登録することができる。そして、運用者要求や予約ジョブ登録を通じて当該ネットワーク構成要素で現在遂行中のソフトウェア及びネットワーク構成要素に格納されている構成ファイルを構成要素管理サーバーにバックアップ(Backup)し、その履歴情報をデータベースサーバーに格納する。
【0037】
診断及びテスト管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などのシステム資源に対してテストを行い、障害有無を判断する機能を遂行する。具体的には、運用者の予約テスト設定によって当該時間に基地局、制御局などの資源に対してテストを行い、不安全な資源が発見されると、それをユーザーインターフェースモジュールを介して運用者に知らせる。そして、新規な装置や取り替えられた装置がある場合、サービスを遂行する前に当該装置に対する機能テストを行い、既に動作している構成要素である場合、当該システムに対する診断を始める前にその資源に対してはサービスを中断させる。
【0038】
一方、前述した構成管理モジュール、障害管理モジュール、ダウンロード管理モジュール、診断及びテスト管理モジュールは、それぞれレシーバー(Receiver)、データプロセッサ(Data Processor)、コマンドプロセッサ(Command Processor)を含んでなる(図3参照)。各機能モジュールにおけるレシーバーは、EMS構成要素インターフェースサーバーから関連データを受信し、該受信したデータをデータプロセッサに伝送する。また、データプロセッサは、レシーバーからのデータを当該モジュールの機能に符合するように処理し、該結果データをデータベースサーバーに格納する。そして、各機能モジュールにおけるコマンドプロセッサは、ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーからのコマンドを処理し、構成管理、障害管理、ダウンロード管理、診断及びテスト管理機能を遂行する。
【0039】
統計管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などのサービス及び障害に関する統計関連データを周期的(例えば、60分)に収集し、所定期間毎(毎日、毎週、毎月など)に統計データを生成する機能を遂行する。具体的には、EMS構成要素インターフェースサーバーを介して基地局、制御局などから性能データ及び障害データを受信し、所定期間毎に性能統計データ(例えば、ハンドオーバー統計、呼処理及びトラフィック統計、無線チャンネル品質統計、装備プロセッサ負荷統計など)及び障害統計データを生成してデータベースサーバーに格納し、統計データが性能閾値を超えると、QoSアラームを生成し、該QoSアラームをユーザーインターフェースモジュールのイベントハンドラーに伝送する。
【0040】
性能管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などに対する性能関連データを周期的(例えば、5分)に収集しモニタリングする機能を遂行する。具体的には、性能関連データが入っている5分統計ファイルをEMS構成要素インターフェースサーバーを介して基地局、制御局などから受信してモニタリング項目データを抽出した後、予め設定された閾値を適用して性能モニタリングデータを生成する。そして、上記性能モニタリングデータをデータベースサーバーに格納して管理し、上記性能モニタリングデータが閾値を超えた場合、QoSアラームメッセージを生成して履歴として格納し、該メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントに伝送する。上記性能関連データには、基地局及び制御局のプロセッサCPU負荷率、トラフィック伝送率/エラー率、接続された携帯端末の数、ハンドオーバー失敗率などが含まれてよい。
【0041】
一方、前述した統計管理モジュール及び性能管理モジュールは、それぞれレシーバー(Receiver)、データプロセッサ(Data Processor)、データベースローダー(DB Loader)を含んでなり(図3参照)、各機能モジュールにおけるレシーバーは、EMS構成要素インターフェースサーバーから関連データを受信し、該受信したデータをデータプロセッサに伝送する機能を遂行し、各データプロセッサは、これを当該モジュールの機能に符合するように処理し、該処理データをデータベースローダーに伝送し、データベースローダーは、データプロセッサで処理されたデータをデータベースサーバーに格納する。
【0042】
NMSインターフェース部150は、構成要素管理サーバーの上位システムであるネットワーク管理システム(NMS)との整合機能を遂行する。このために、NMSインターフェース部はEMSエージェントを含み、ネットワーク管理システムは上記EMSエージェントに接続されたEMSマネージャーを介して構成要素管理サーバーを管理する。EMSマネージャーとEMSエージェント間では、SOAP(Simple Object Access Protocol)を用いた通信を遂行することが好ましい。また、NMSインターフェース部は、サービス事業者のOSS(Operation Support System)と連動するためにOSSインターフェースを含んでよい。OSSインターフェースは、NMSインターフェースから分離自在に構成され、サービス事業者がOSSを備えているか否かに応じて、実際の実行時に選択的に適用することができる。
【0043】
また、NMSインターフェース部150は、システム資源管理部110と分離自在に構成され、ネットワーク管理サーバーNMSが存在しない環境ではNMSインターフェース部のみを分離して構成することでネットワーク管理サーバー(NMS)が存在しない環境でも適用するようにする。
【0044】
一方、本実施形態では、データベースをEMSアプリケーションサーバー内部に備えず、別途のデータベースサーバー160の形態で実現し、上記データベースサーバーは、EMSアプリケーションサーバー、EMS構成要素インターフェースサーバーなどと連動し、構成要素管理システムにより管理される各構成要素(基地局、制御局など)に関するパッケージ情報、構成情報、障害情報、統計情報、履歴情報などを格納する機能を遂行する。勿論、データベースをEMSアプリケーションサーバー内部に備えるように構成することも可能である。
【0045】
以下では、再び図2を参照してEMS構成要素インターフェースサーバーについて詳述する。参考として、図2では、第1EMS構成要素インターフェースサーバー140-1と第2EMS構成要素インターフェースサーバー140-2を示しているが、上記EMS構成要素インターフェースサーバーは、ネットワーク構成要素の数に応じて追加及び分離自在である。各EMS構成要素インターフェースサーバーは、実質的に同じ構成を有するため、以下では一つのEMS構成要素インターフェースサーバー140-1を中心に説明する。
【0046】
図2に示すように、本発明の一実施形態によるEMS構成要素インターフェースサーバー140-1は、TCPソケット141-1、システム資源エージェント142-1、ネットワーク構成要素活性検査器143-1、データベース同期化器144-1、コマンドレシーバー145-1、ログハンドラー146-1、統計情報コレクタ147-1、TCPインターフェース148-1、SNMPインターフェース149-1などを含む。
【0047】
先ず、TCPソケット141-1は、EMSアプリケーションサーバーのTCPソケット101に接続されてTCP通信を遂行し、特にEMSアプリケーションサーバーのシステム資源管理部110とEMS構成要素インターフェースサーバーのシステム資源エージェント142-1の間の通信を中継する。
【0048】
システム資源エージェント142-1は、上記TCPソケット141-1を介してEMSアプリケーションサーバーのシステム資源管理部110と通信を遂行し、システム資源管理部110がEMS構成要素インターフェースサーバー140-1を実質的に制御できるようにする。これにより、EMSアプリケーションサーバー100は、システム資源エージェント142-1を介してEMS構成要素インターフェースサーバーのネットワーク構成要素活性検査器143-1、データベース同期化器144-1、コマンドレシーバー145-1、ログハンドラー146-1、統計情報コレクタ147-1などを管理することができる。
【0049】
ネットワーク構成要素活性検査器(Network Element Alive Checker)143-1は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などの活性(Alive)有無を周期的に検査し、構成要素とのTCPまたはSNMP基盤のメッセージ通信のリンク状態を感知し、該結果メッセージをEMSアプリケーションサーバーのシステムバックエンド機能部(障害管理モジュール)に知らせる機能を遂行する。具体的には、構成要素管理サーバーが管理している基地局、制御局などに対して周期的に予め設定された活性保持メッセージ(Keep Alive Message)通信を用いて構成要素の状態を検査し、構成要素の状態検査の結果、通信不能または通信が再開された場合、障害発生または障害解除に関するメッセージを障害管理モジュールに伝送する。
【0050】
コマンドレシーバー(Command Receiver)145-1は、EMSアプリケーションサーバーのシステムフロントエンド機能部(ユーザーインターフェースモジュール)から運用者のコマンドを受信し、該コマンドを当該ネットワーク構成要素に伝送する機能を遂行する。具体的には、ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーは、構成要素管理クライアントからコマンドを受信すれば、それを分類してシステムバックエンド機能部のコマンド制御モジュールまたはEMS構成要素インターフェースサーバーのコマンドレシーバーに伝送する。前述したように、システムバックエンド機能部の処理を必要とする複合処理コマンドである場合は、該複合処理コマンドをコマンド制御モジュールに伝送し、システムバックエンド機能部の処理を必要としない単純処理コマンドである場合は、該単純処理コマンドがコマンドレシーバーに直接伝送される。すると、コマンドレシーバーは、TCPインターフェースまたはSNMPインターフェースのうちの好適のインターフェースを介してネットワーク構成要素にコマンドを伝送し、該コマンドに対する応答を受信してEMSアプリケーションサーバーのユーザーインターフェースモジュールに伝送する。一方、コマンドレシーバーは、既存に通信していたインターフェース(例えば、TCPインターフェース、SNMPインターフェース)に異常がある場合、ネットワーク構成要素との通信が可能な他のインターフェースに変更してコマンドを伝送する。
【0051】
データベース同期化器144-1は、データベースに格納されているデータとの同期化機能を遂行する。図2に示された実施形態では、データベースが別途のデータベースサーバー160として実現されており、この場合、EMS構成要素インターフェースサーバー140-1は、EMSアプリケーションサーバー100を経由せず直接データベースサーバー160に接続することでデータ同期化が可能である。
【0052】
ログハンドラー146-1は、EMS構成要素インターフェースサーバーが整合するネットワーク構成要素に対するログファイル(Log File)を処理する機能を遂行する。
【0053】
そして、統計情報コレクタ147-1は、EMS構成要素インターフェースサーバーが整合するネットワーク構成要素に関する統計関連情報を収集してEMSアプリケーションサーバーに伝送する機能を遂行する。
【0054】
上記ネットワーク構成要素活性検査器143-1、データベース同期化器144-1、コマンドレシーバー145-1、ログハンドラー146-1、統計情報コレクタ147-1などは、EMS構成要素インターフェースサーバーに別途に備えられることで一つのEMS構成要素インターフェースサーバーが管理するネットワーク構成要素に対して固有の機能を遂行する。
【0055】
TCPインターフェース148-1は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにTCP(Transmission Control Protocol)を用いるインターフェースである。EMS構成要素インターフェースサーバー140は、TCPインターフェースを介してネットワーク構成要素に対して運用、管理、メンテナンスのためのリクエスト/応答メッセージなどを送受信し、障害情報と状態情報などを受信する。本発明では、迅速なメッセージの伝送とメッセージ遺失防止などのためにTCP基盤のIPC(Inter Processor Communication)通信を行うように実現される。
【0056】
SNMPインターフェース149-1は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いるインターフェースである。このために、EMS構成要素インターフェースサーバー140-1はSNMPマネージャーを含み、当該ネットワーク構成要素はSNMPエージェントを含む。SNMPマネージャーは、ネットワーク構成要素のSNMPエージェントに「Get/Get Next/Get Bulk/Set」コマンドを伝送した後、該コマンドに対する応答を受信して構成要素の状態と設定情報などを収集し、構成要素のSNMPエージェントからイベントとアラーム情報を「Trap」を介して受信する。また、SNMPマネージャーは、MIB(Management Information Base)同期化モジュール(図示せず)からのリクエストに応じてSNMPエージェントのMIBを収集し同期化させる。
【0057】
参考として、図2ではTCPインターフェースとSNMPインターフェースの両方を備えるEMS構成要素インターフェースサーバーを示しているが、一つのEMS構成要素インターフェースサーバーは、これらのうち一つのインターフェースのみを備えるように実現されてもよい。例えば、図3において、第1EMS構成要素インターフェースサーバー140-1は、TCP通信を使用するネットワーク構成要素を管理するように実現されることでTCPインターフェース148-1のみを備えてよく、第2EMS構成要素インターフェースサーバー140-2は、SNMP通信を使用するネットワーク構成要素を管理するように実現されることでSNMPインターフェース149-2のみを備えてよい。
【0058】
一方、EMS構成要素インターフェースサーバーは、FTP/TFTPインターフェース(図示せず)を備えることもできる。FTP/TFTPインターフェースは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにFTP(File Transfer Protocol)/TFTP(Trivial FTP)を用いるインターフェースである。EMS構成要素インターフェースサーバーは、ソフトウェアファイルの伝送、構成情報ファイルの伝送、統計データファイルの伝送などと主にデータ量の多いファイルの伝送にFTP/TFTPインターフェースを用いる。参考として、FTP/TFTPインターフェースは、円滑な運営のためにEMS構成要素インターフェースサーバーと連動する別途のサブサーバー(sub server)形態で実現されることが好ましく、なお、図3では、FTP/TFTPサーバーを示していない。
【0059】
図4は、本発明の好適な実施形態による構成要素管理クライアントを示している。
同図に示すように、構成要素管理クライアント200は、グラフィックユーザーインターフェース部210、アップデート管理部220、イベント管理部230、コマンド管理部240、データベースハンドラー250、ソケットハンドラー260などを含んで構成され、運用者がEMSアプリケーションサーバーを介して制御局300、基地局400などを統合的にモニタリングして制御できるようにする。
【0060】
先ず、グラフィックユーザーインターフェース部210は、ユーザーまたは運用者との整合機能を遂行する。グラフィックユーザーインターフェース部は、項目毎のGUIコンポーネントと当該データを管理するデータモデルで構成され、GUIコンポーネントは、データモデルを当該画面に好適にレンダリング(rendering)して示す機能を遂行し、データモデルは、装備またはシステムの構成情報、状態情報、履歴情報などに関するデータを格納する機能を遂行する。グラフィックユーザーインターフェース部は、外部的にはGUIコンポーネントを通じてグラフィックユーザーインターフェースを提供し、内部的にはアップデート管理部、イベント管理部、コマンド管理部とデータモデルを通じてインターフェースを実現する。参考として、図4では、ビュー(View)211、構成(Configuration)212、パッケージ(Package)213、アラーム(Alarm)214、レポート(Report)215、ツール(Tools)216、運営支援(Admin)217などに関するグラフィックユーザーインターフェースを例示する。
【0061】
アップデート管理部220は、ネットワーク構成要素をモニタリングして装備の詳細な履歴及び状態を周期的に収集し反映する機能を遂行する。このために、アップデート管理部は、タイマー(Timer)221、マネージャープロセッサ(Manager Processor)222、ディスパッチャー(Dispatcher)223などを含む。アップデート管理部は、性能の最適化のために現在窓で活性化されているGUIと関連データモデルのみを集中的にアップデートするように実現されることが好ましく、アップデートされたデータモデルのデータは、イベント処理により当該GUIコンポーネントに反映される。
【0062】
イベント管理部230は、ネットワーク構成要素から障害情報及び状態変更情報を構成要素管理サーバーを介してリアルタイムで受信し、障害の発生または障害解除イベント時にアラームを生成または解除することで可視、可聴警報を発生または解除する。このために、イベント管理部は、レシーバー(receiver)231とマネージャープロセッサ(Manager Processor)233を含む。レシーバー231は、ソケットハンドラー260を介して構成要素管理サーバーから送られてくるイベントを受信してマネージャープロセッサ(233)に伝送し、マネージャープロセッサ233は、送られてきたイベントを処理してグラフィックユーザーインターフェース部210に伝送する。
【0063】
コマンド管理部240は、運用者コマンドをキュー(Queue)処理してソケットハンドラーに伝送し、コマンドに対する遂行応答をソケットハンドラーから受信してグラフィックユーザーインターフェース部に伝送する機能を遂行する。このために、コマンド管理部240は、トランシーバー(Transceiver)241及びマネージャープロセッサ(Manager Processor)242を含む。マネージャープロセッサ242は、グラフィックユーザーインターフェース部から運用者コマンドを受信してキュー(Queue)処理を施し、コマンドキューから個別コマンドを取り出してトランシーバーに伝送する。トランシーバーは、ソケットハンドラーを介して構成要素管理サーバーに運用者コマンドを伝送し、同様に、コマントに対する応答を受信してマネージャープロセッサに伝送する。
【0064】
データベースハンドラー(DB Handler)250は、ネットワーク構成要素の情報、状態、履歴などのデータを取り込んでアップデート管理部に伝送する機能を遂行する。このために、データベースハンドラーは、データベースアダプタ(DB Adaptor)251とデータベースラッパー(DB Wrapper)252を含み、上記データベースアダプタ251は、データベースサーバー160からネットワーク構成要素の情報を獲得し且つデータベースサーバー160に対してデータを追加、削除、変更し、データベースラッパー252は、データベースサーバーから獲得したデータを管理部毎にラッピング(Wrapping)する。
【0065】
ソケットハンドラー(Socket Handler)260は、EMSアプリケーションサーバー130に運用者コマンドを伝送し、アラームイベントとコマンド処理応答などを受信して当該管理部に伝送する機能を遂行する。本発明では、EMSアプリケーションサーバー100との通信のためにTCPを用い、図4では、TCPソケットアダプタ261を介してEMSアプリケーションサーバーに接続された構造を示している。
【0066】
以上で説明したように、本発明では、EMSアプリケーションサーバーとEMS構成要素インターフェースサーバーとが分離された構造となっており、この結果、管理対象であるネットワーク構成要素の数に応じてEMS構成要素インターフェースサーバーをフレキシブルに追加及び除去することができる。これは、例えば要求性能計算表などに基づいて必要なCPU、メモリ、ハードディスクなどを計算した後、拡張すべきEMS構成要素インターフェースサーバーの数を決めることが好ましい。
【0067】
また、特に図示していないが、EMSアプリケーションサーバーのシステムバックエンド機能部の各機能モジュールも別途のサーバーに分離して実現可能であり、この場合も同様に、管理対象であるネットワーク構成要素の数及び機能モジュールが処理すべき処理量に応じて一つまたは幾つの機能モジュールを別途のサーバーに分離することができる。
【0068】
以上、本発明を好適な実施形態を参照して詳しく説明したが、本発明はその技術的思想や必須特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施することができるため、本発明の属する技術分野における当業者であれば、以上で記述した実施形態はすべての面において例示的なものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことが理解できるであろう。
【0069】
また、本発明の範囲は上記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって特定され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出せるすべての変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網の構成要素管理システムであって、
構成要素管理クライアントからのコマンドに応答して前記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、及び状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するEMS(Element Management System)アプリケーションサーバー、及び
前記構成要素に直接接続されて該構成要素よりメッセージ及びデータを受信し、該受信したメッセージ及びデータをEMSアプリケーションサーバーに提供する少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバーを含み、
前記EMS構成要素インターフェースサーバーは、前記EMSアプリケーションサーバーと分離された構造で形成されることを特徴とする拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項2】
前記EMSアプリケーションサーバーは、
前記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部と、
前記システムフロントエンド機能部から伝送されたコマンドを処理して前記無線通信網の構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するシステムバックエンド機能部と、
前記システムフロントエンド機能部及びシステムバックエンド機能部を管理し、前記コマンドを前記EMS構成要素インターフェースサーバーに伝送するシステム資源管理部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項3】
前記システムフロントエンド機能部は、前記構成要素インターフェース部を介して伝送されるメッセージを受信してログファイルとして格納し管理するログ管理モジュールを含むことを特徴とする請求項2に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項4】
前記システムフロントエンド機能部は、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドを分類して前記システムバックエンド機能部またはEMS構成要素インターフェースサーバーに伝送するユーザーインターフェースモジュールを含むことを特徴とする請求項2に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項5】
前記ユーザーインターフェースモジュールは、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドが単純処理コマンドである場合に該コマンドを前記EMS構成要素インターフェースサーバーに伝送し、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドが複合処理コマンドである場合に該コマンドを前記システムバックエンド機能部に伝送するディスパッチャーを含むことを特徴とする請求項4に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項6】
前記システムバックエンド機能部は、前記ユーザーインターフェースモジュールから複合処理コマンドを受信し処理するコマンド制御モジュールを含むことを特徴とする請求項5に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項7】
前記システムバックエンド機能部は、
前記構成要素の構成管理機能を遂行する構成管理モジュールと、
前記構成要素の障害管理機能を遂行する障害管理モジュールと、
前記構成要素のダウンロード管理機能を遂行するダウンロード管理モジュールと、
前記構成要素の診断及びテスト管理機能を遂行する診断及びテスト管理モジュールと、
前記構成要素の統計管理機能を遂行する統計管理モジュールと、
前記構成要素の性能管理機能を遂行する性能管理モジュールと、
の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項8】
前記システムバックエンド機能部のモジュールの少なくとも一つは、別途のサブサーバー(sub server)形態で実現されることを特徴とする請求項7に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項9】
前記システムバックエンド機能部のモジュールの少なくとも一つは、シャドウメモリ(Shadow Memory)を利用したメッセージキュー(Message Queue)通信を遂行することを特徴とする請求項7に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項10】
前記ダウンロード管理モジュールは、前記構成要素に対するソフトウェア及び構成ファイルを管理し、前記構成要素に前記ソフトウェア及び構成ファイルをダウンロードすることを特徴とする請求項7に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項11】
前記EMS構成要素インターフェースサーバーは、
前記EMSアプリケーションサーバーから伝送されるコマンドを受信し、該受信したコマンドを無線通信網の構成要素に伝送するコマンドレシーバーと、
TCPまたはSNMP通信を用いて前記構成要素との整合機能を遂行するインターフェース、及び
前記システム資源管理部と連動して前記コマンドレシーバー及び前記インターフェースを管理するシステム資源エージェントと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項12】
前記EMS構成要素インターフェースサーバーは、
前記無線通信網の構成要素に対する活性(alive)有無を検査する構成要素活性検査器と、
前記EMS構成要素インターフェースサーバーと連動するデータベースサーバーとの同期化機能を遂行するデータベース同期化器と、
前記EMS構成要素インターフェースサーバーが整合する無線通信網の構成要素に対するログファイル(Log File)を処理するログハンドラー、及び
前記EMS構成要素インターフェースサーバーが通信する無線通信網の構成要素に対する統計関連データを収集し、該データを前記EMSアプリケーションサーバーに伝送する統計情報コレクタの少なくとも一つを更に含むことを特徴とする請求項11に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項13】
前記インターフェースは、TCP通信を支援するTCPインターフェース、SNMP通信を支援するSNMPインターフェース、及びFTP/TFTP通信を支援するFTP/TFTPインターフェースの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項11に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項14】
前記無線通信網の構成要素は基地局及び制御局を含み、前記EMS構成要素インターフェースサーバーは前記基地局及び制御局に直接接続されたことを特徴とする請求項13に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項15】
前記コマンドレシーバーは、TCP、SNMP、FTP/TFTP通信の少なくとも一つの通信を支援することを特徴とする請求項11に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項16】
前記EMSアプリケーションサーバーと前記EMS構成要素インターフェースサーバーは、TCPソケットを利用したTCP通信を遂行することを特徴とする請求項1に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項17】
前記構成要素に関する運用情報、構成情報、障害情報、統計情報の少なくとも一つの情報を前記EMS構成要素インターフェースサーバーから伝送され格納するデータベースサーバーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項18】
前記EMSアプリケーションサーバーは、無線通信網の前記ネットワーク管理システムとの整合機能を遂行するNMSインターフェース部を更に含み、前記NMSインターフェース部は、前記EMSアプリケーションサーバーから分離自在に構成されることを特徴とする請求項1に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項19】
前記NMSインターフェース部は、OSS(Operation Support System)と連動するOSSインターフェースを含み、前記OSSインターフェースは、前記NMSインターフェース部から分離自在に構成されることを特徴とする請求項18に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項20】
無線通信網の構成要素管理システムであって、
構成要素管理クライアントからのコマンドに応答して前記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、及び状態管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するシステムバックエンド機能部と、前記コマンドをEMS構成要素インターフェースサーバーに伝送するシステム資源管理部を含むEMSアプリケーションサーバー、及び
TCPまたはSNMP通信を用いて前記構成要素との整合機能を遂行するインターフェースと、前記システム資源管理部と連動して前記インターフェースを管理するシステム資源エージェントを含む少なくとも一つのEMS構成要素インターフェースサーバーを含むことを特徴とする拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項21】
前記EMSアプリケーションサーバーは、前記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部を更に含むことを特徴とする請求項20に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項22】
前記EMS構成要素インターフェースサーバーは、
前記EMSアプリケーションサーバーから伝送されるコマンドを受信し、該受信したコマンドを無線通信網の構成要素に伝送するコマンドレシーバーと、
前記無線通信網の構成要素に対する活性(alive)有無を検査する構成要素活性検査器と、
前記EMS構成要素インターフェースサーバーと連動するデータベースサーバーとの同期化機能を遂行するデータベース同期化器と、
前記EMS構成要素インターフェースサーバーが整合する無線通信網の構成要素に対するログファイル(Log File)を処理するログハンドラー、及び
前記EMS構成要素インターフェースサーバーが通信する無線通信網の構成要素に関する統計関連データを収集し、該データを前記EMSアプリケーションサーバーに伝送する統計情報コレクタの少なくとも一つを更に含むことを特徴とする請求項20に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項23】
前記EMSアプリケーションサーバーは、無線通信網の前記ネットワーク管理システムとの整合機能を遂行するNMSインターフェース部を更に含み、前記NMSインターフェース部は、前記EMSアプリケーションサーバーから分離自在に構成されることを特徴とする請求項20に記載の拡張可能な構造を有する無線通信網の構成要素管理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−502089(P2010−502089A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525486(P2009−525486)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003923
【国際公開番号】WO2008/020722
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(509059413)ポスデータ カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】