説明

振動波アクチュエータ

【課題】従来の技術よりも単位電力当たりの変位量(移動量)を大きくとることができる振動波アクチュエータを提供することができる。
【解決手段】振動体2の振動によって被駆動体13を変位させる振動波アクチュエータを次のように構成する。すなわち、該振動波アクチュエータに、被駆動体13と、前記被駆動体13に接触する振動体2と、前記振動体2と共に前記被駆動体13を挟持する固定体10と、を具備させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば圧電素子等の振動子の振動を利用して被駆動体を駆動する振動波アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
振動波アクチュエータは、例えば圧電素子等の振動子に、所定の駆動電圧を印加して伸縮運動を生じさせ、該伸縮運動を利用して被駆動体を駆動するアクチュエータである。このような振動波アクチュエータに関連する技術として、例えば次のような技術が開示されている。
【0003】
すなわち、特許文献1には、光ファイバの先端部近傍を外套するように当該光ファイバに被着される、円筒状の圧電式スキャナが開示されている。この円筒状の圧電式スキャナでは、圧電材料より成る円筒体の外表面に銀をスパッタリングすることにより、4つの電極が互いに接触しないように当該円筒体の周方向に等間隔で形成されている。また、前記円筒体の内表面全面には、銀をスパッタリングすることにより、一つの電極が形成されている。つまり、当該円筒体の外表面には互いに対向する一対の電極が二組配設され、当該円筒体の内表面全面にも電極が配置されている。そして、それら電極には、直流電源から電圧が個別に印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−211313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示されている円筒状の圧電式スキャナは、駆動時における移動方向の分離性が良好ではない。換言すれば、この円筒状の圧電式スキャナでは、或る方向へ変位する際に他方向への変位成分も生じてしまう。
これは、特許文献1に開示されている圧電式スキャナが円筒状であることに起因しており、或る方向へ変位する(曲がる)際に、その変位を妨げるように作用する部位が生じてしまうからである。従って、特許文献1に開示されている技術では、変位させる為に印加する電気エネルギーについてロスが発生してしまう。
【0006】
本発明は、前記の事情を鑑みて成されたものであり、従来の技術よりも単位電力当たりの変位量(移動量)を大きくとることができる振動波アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するために、本発明の一態様による振動波アクチュエータは、
振動体の振動によって被駆動体を変位させる振動波アクチュエータであって、
被駆動体と、
前記被駆動体に接触する第1の接触部材と、
前記第1の接触部材と共に、前記被駆動体を挟持する第2の接触部材と、
を具備し、
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材のうち少なくとも一方は振動体である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の技術よりも単位電力当たりの変位量(移動量)を大きくとることができる振動波アクチュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る振動波アクチュエータの駆動原理を示す図である。
【図2】図2は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの一構成を示す側面図である。
【図3】図3は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの上面図(図2に示す矢印Aで示す方向から観た図)である。
【図4】図4は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの一変形例に係る構成を示す側面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一駆動原理を示す図である。
【図6】図6は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一構成を示す側面図である。
【図7】図7は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの上面図(図6に示す矢印Aで示す方向から観た図)である。
【図8】図8は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一変形例に係る構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る振動波アクチュエータについて、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る振動波アクチュエータの駆動原理を示す図である。図1に示す例では、振動波アクチュエータは、略直方体形状で長手方向における一方端部(後述する被駆動体13に接触しない側の端部)が固定端である振動体2と、被駆動体13に接する支持部10tを備え、被駆動体13に対する相対位置が固定された固定体10と、略円柱状の被駆動体13と、を具備する。
【0011】
同図に示すように、本一実施形態に係る振動波アクチュエータにおいては、被駆動体13の中心軸13cに対して所定の傾きθを成した状態で当該被駆動体13に接触するように振動体2が配設され、且つ、当該被駆動体13を挟んで振動体2の対向側には当該被駆動体13に対して支持部10tで接触する固定体10が配設されている。つまり、被駆動体13は、固定体10の支持部10tと振動体2とによって挟持されている。ここで、前記振動体2は、例えば圧電体である。しかしながら、振動体2を圧電体以外の振動部材で構成しても勿論よい。
【0012】
なお、固定体10と振動体2とは、必ずしも対向の位置関係になくともよく、被駆動体13を挟持できる態様であれば、どのような位置関係で配設されていてもよい。
また、被駆動体13の中心軸13cに対する振動体2の傾き角度θは任意の角度でよく、中心軸13cと振動体2の長手方向とが平行でなければよい。換言すれば、被駆動体13が、伸縮する振動体2によって突かれて変位するような態様で、振動体2を配設すればよい。
【0013】
このように構成することで、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータでは、固定体10と振動体2とで挟持した被駆動体13を、当該被駆動体13の中心軸13cに対して所定の角度を成す方向から、伸縮する振動体2で突ついて変位させることで、図1において矢印aで示す方向に被駆動体13を傾けるように移動させることができる。
【0014】
以下、上述の原理を利用した本第1実施形態に係る振動波アクチュエータについて説明する。
図2は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの一構成を示す側面図である。図3は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの上面図(図2に示す矢印Aで示す方向から観た図)である。
【0015】
図2に示す例では、振動波アクチュエータは、略円柱状の被駆動体13と、被駆動体13を移動可能に保持する略円環状の固定体10と、略直方体形状で長手方向における一方端部が固定体10に固定された振動体2−1,2−2,2−3,2−4と、を具備する。
【0016】
図3に示すように、振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、被駆動体13の円周方向に等間隔で(被駆動体13の円周を4分割するように90度間隔で)配設されている。従って、図3に示すように、振動体2−1と振動体2−3とが互いに対向する位置関係にあり、且つ、振動体2−2と振動体2−4とが互いに対向する位置関係にある。
【0017】
そして、これら振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、図3に示すようにそれぞれ被駆動体13の中心軸13cに対して所定の傾きθを成した状態で当該被駆動体13に接触している。
つまり、被駆動体13は、振動体2−1と振動体2−3とによって挟持され、且つ、振動体2−2と振動体2−4とによって挟持された状態で、固定体10の貫通孔(不図示)に挿通されている。換言すれば、被駆動体13は、二組の互いに対向する一対の振動体によって挟持された状態で固定体10の貫通孔(不図示)に挿通されている。
【0018】
なお、振動体2−1と振動体2−3との位置関係、及び振動体2−2と振動体2−4との位置関係は、必ずしも対向関係でなくともよい。すなわち、被駆動体13を挟持できる態様であれば、それらはどのような位置関係で配設されていてもよい。
ところで、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータを実際に駆動して被駆動体13を傾かせる為には、互いに対向する振動体同士が互いに逆方向に伸縮するように、各振動体2−1,2−1,2−3,2−4に駆動電圧を印加する。すなわち、振動体2−1と振動体2−3とが互いに逆方向に伸縮するように、振動体2−2と振動体2−4とが互いに逆方向に伸縮するように、それらに駆動電圧を印加する。具体的には、駆動電圧としては例えば正弦波状の電圧信号を挙げることができる。
【0019】
上述したように、被駆動体13の中心軸13cに対して所定の傾きθを成した状態で当該被駆動体13に接触するように振動体2−1,2−2,2−3,2−4が配設されているため、被駆動体13を挟んで対向関係にある振動体のうち伸張した方の振動体によって押された被駆動体13が、縮退した方の振動体側へ傾く。例えば、図2において振動体2−1を矢印b1で示す方向に縮退させ、且つ、振動体2−3を矢印b3で示す方向に伸張させることで、被駆動体13を、符号13´を付して破線で示す傾き状態に変位させることができる。
【0020】
詳細には、各振動体2−1,2−2,2−3,2−4は図3に示すように90度間隔で配置されているので、図3に示すX方向(振動体2−1と振動体2−3とを結ぶ直線方向)及びY方向(振動体2−2と振動体2−4とを結ぶ直線方向)に被駆動体13を変位させることができる。
【0021】
なお、上述した例は4つの振動体2−1,2−2,2−3,2−4を用いた構成例であるが、少なくとも2つの振動体を用いて、互いに対向関係にある一対の振動体を一組設ければ、少なくとも一軸方向(X方向またはY方向)に被駆動体13を変位させることが可能な振動波アクチュエータを構成することができる。
【0022】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、従来の技術よりも単位電力当たりの変位量(移動量)を大きくとることができる振動波アクチュエータを提供することができる。具体的には、従来技術とは異なり、振動体として機能する部分(圧電体または圧電体と弾性体とから成る部分)を、複数に切り分けた構成とすることで(本第1実施形態における振動体2−1,2−2,2−3,2−4)、当該被駆動体13の移動方向についての分離性を向上させた。
【0023】
上述したように、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータは、被駆動体13を2軸方向(X軸方向及びY軸方向)へ駆動することが可能であり、例えば走査型プローブ顕微鏡のスキャナや光ファイバのスキャン動作等に用いることができる。
なお、被駆動体13の形状は上述した略円柱状に限られず、例えば球状等であってもよい。
《変形例》
ところで、振動体2−1,2−1,2−3,2−4は、上述の例のように圧電体のみで構成してもよいし、圧電体と弾性体とを組み合わせて構成してもよい。図4は、本第1実施形態に係る振動波アクチュエータの一変形例を示す側面図である。同図に示す例では、弾性体10−1と、弾性体10−2と、弾性体10−3と、振動体2−4に対応する弾性体(不図示)とが、被駆動体13の円周方向に等間隔で(被駆動体13の円周を4分割するように90度間隔で)固定体10上に配設されている。
【0024】
従って、図4に示すように、弾性体10−1と弾性体10−3とが互いに対向する位置関係にあり、且つ、弾性体10−2と不図示の弾性体(振動体2−4に対応する位置の弾性体)とが互いに対向する位置関係にある。そして、弾性体10−1、弾性体10−2、弾性体10−3、及び、振動体2−4に対応する弾性体(不図示)は、図4に示すようにそれぞれ被駆動体13の中心軸13cに対して所定の傾きθを成した状態で当該被駆動体13に接触している。
【0025】
そして、弾性体10−1には、被駆動体13に接触している面とは逆側の面に振動体2−1が設けられており、弾性体10−2には、被駆動体13に接触している面とは逆側の面に振動体2−2が設けられており、弾性体10−3には、被駆動体13に接触している面とは逆側の面に振動体2−3が設けられており、振動体2−4に対応する弾性体(不図示)には、被駆動体13に接触している面とは逆側の面に振動体2−4が設けられている。
なお、各振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、例えば厚み100μm以下の薄膜の圧電体で構成されている。
【0026】
以上説明したように、本変形例によれば、第1実施形態に係る振動波アクチュエータと同様の効果を奏する振動波アクチュエータを提供することができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る振動波アクチュエータについて説明する。説明の重複を避ける為、第1実施形態に係る振動波アクチュエータとの相違点を説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一駆動原理を示す図である。
【0027】
図5に示す例では、被駆動体13を挟んで互いに対向する位置に固定体10と振動体2とが配設され、被駆動体13に対する相対位置が固定された固定体10の支持部10tと、被駆動体13に接する振動体2の動力伝達部2tとによって、当該被駆動体13が挟持されている。ここで、動力伝達部2tは、振動体2の伸縮振動を駆動源として、被駆動体13を摩擦駆動する為の摩擦接触子である。
【0028】
同図に示すように、被駆動体13は、当該被駆動体13の中心軸13cが振動体2に対して傾かないように(力の釣り合いがとれた状態(初期状態と称する)で)、支持部10tと動力伝達部2tとによって挟持されている。
なお、固定体10と振動体2とは必ずしも対向の位置関係になくともよく、被駆動体13を挟持できる態様であれば、どのような位置関係で配設されていてもよい。
【0029】
このように構成することで、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータでは、固定体10と振動体2とで挟持した被駆動体13の中心軸13cを傾けるように振動体2を伸縮させることで(初期状態における力の釣り合いを崩してモーメントを発生させることで)、図5において矢印aで示す方向に当該被駆動体13を傾けるように移動させることができる。
【0030】
以下、上述の原理を利用した本第2実施形態に係る振動波アクチュエータについて説明する。
図6は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一構成を示す側面図である。図7は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの上面図(図6に示す矢印Aで示す方向から観た図)である。
【0031】
図6に示す例では、振動波アクチュエータは、略円柱状の被駆動体13と、被駆動体13を移動可能に保持する略円環状の固定体10と、略直方体形状で長手方向における一方端部が固定体10に固定された振動体2−1,2−2,2−3,2−4と、を具備する。
【0032】
本第2実施形態に係る振動波アクチュエータでは、振動体2−1は動力伝達部2t−1を備え、振動体2−2は動力伝達部2t−2を備え、振動体2−3は動力伝達部2t−3を備え、振動体2−4は動力伝達部2t−4を備えている。そして、被駆動体13を挟んで互いに対向する位置に各振動体2−1,2−2,2−3,2−4が配設され、互いに対向関係にある2つの振動体の各動力伝達部によって、当該被駆動体13が挟持されている。
【0033】
図6に示すように、被駆動体13は、当該被駆動体13に掛かる力の釣り合いがとれた状態(初期状態と称する;当該被駆動体13の中心軸13cが振動体2−1,2−2,2−3,2−4に対して傾かない状態)で、互いに対向する動力伝達部2t−1と動力伝達部2t−3、及び動力伝達部2t−2と動力伝達部2t−4とによって挟持されている。
【0034】
ところで、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータを実際に駆動して被駆動体13を傾かせる為には、互いに対向する振動体同士が互いに逆方向に伸縮するように、各振動体2−1,2−2,2−3,2−4に駆動電圧を印加する。すなわち、振動体2−1と振動体2−3とが互いに逆方向に伸縮するように、振動体2−2と振動体2−4とが互いに逆方向に伸縮するように、それらに駆動電圧を印加する。このように駆動する際には、伸縮させる振動体に対応する動力伝達部を、被駆動体13に押し付けるように、振動体を被駆動体13に向かって押圧する。
【0035】
例えば、図6において矢印b1方向に振動体2−1を縮退させると共に、矢印b3で示す方向に振動体2−3を伸張させることで、被駆動体13を、符号13´を付して破線で示す傾き状態に変位させることができる。このように駆動する際には、動力伝達部2t−1を被駆動体13に圧接させる為に、矢印b2方向に振動体2−1を押圧し、且つ、動力伝達部2t−3を被駆動体13に圧接させる為に、矢印b4方向の力を振動体2−3に印加する。
【0036】
このように駆動することで、上述した初期状態における被駆動体13に掛かる力の釣り合いを崩してモーメントを発生させることができ、図6において矢印aで示す方向に当該被駆動体13を傾けるように移動させることができる。
すなわち、互いに対向する各振動体に電圧を印加することで、被駆動体13を挟んで対向する振動体が互いに逆方向に伸縮し、それによって被駆動体13に掛かる力の釣り合いがずれてモーメントが発生し、被駆動体13が傾く。具体的には、当該被駆動体13を挟んで対向関係にある振動体のうち伸張した方の振動体によって押された被駆動体13が、縮退した方の振動体側へ傾く。
【0037】
図7に示すように、動力伝達部2t−1,2t−2,2t−3,2t−4を介して被駆動体13に接触する振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、被駆動体13の円周方向に90度間隔で配置されているので、2軸方向へ(図7に示すX方向(振動体2−1と振動体2−3とを結ぶ直線方向)及びY方向(振動体2−2と振動体2−4とを結ぶ直線方向))、被駆動体13を変位させることができる。
【0038】
なお、上述した例は4つの振動体2−1,2−2,2−3,2−4を用いた構成例であるが、少なくとも2つの振動体を用いて互いに対向関係にある振動体を一組設ければ、少なくとも一軸方向に被駆動体13を変位させることが可能な振動波アクチュエータを構成することができる。
【0039】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、前記第1実施形態に係る振動波アクチュエータと同様の効果を奏する振動波アクチュエータを提供することができる。
《変形例》
ところで、振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、上述の例のように圧電体のみで構成してもよいし、圧電体と弾性体とを組み合わせて構成してもよい。図8は、本第2実施形態に係る振動波アクチュエータの一変形例を示す図である。同図に示す例では、弾性体10−1と、振動体2−2に対応する弾性体(不図示)と、弾性体10−3と、振動体2−4に対応する弾性体(不図示)とが、被駆動体13の円周方向に等間隔で(被駆動体13の円周を4分割するように90度間隔で)配設されている。
【0040】
従って、図8に示すように、弾性体10−1と弾性体10−3とが互いに対向する位置関係にあり、且つ、振動体2−2に対応する弾性体(不図示)と振動体2−4に対応する弾性体(不図示)とが互いに対向する位置関係にある。そして、各弾性体のうち被駆動体13に接触している面とは逆側の面には、それぞれの位置に対応する振動体2−1,2−2,2−3,2−4が設けられている。
なお、各振動体2−1,2−2,2−3,2−4は、例えば厚み100μm以下の薄膜の圧電体で構成されている。
【0041】
以上説明したように、本変形例によれば、第2実施形態に係る振動波アクチュエータと同様の効果を奏する振動波アクチュエータを提供することができる。
以上、第1実施形態及び第2実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
【0042】
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示した複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示す全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0043】
2,2−1,2−2,2−3,2−4…振動体、 10t…支持部、 10…固定体、 10−1,10−2,10−3,10−4…弾性体、 2t,2t−1,2t−2,2t−3,2t−4…動力伝達部、 13…被駆動体、 13c…中心軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動体の振動によって被駆動体を変位させる振動波アクチュエータであって、
被駆動体と、
前記被駆動体に接触する第1の接触部材と、
前記第1の接触部材と共に、前記被駆動体を挟持する第2の接触部材と、
を具備し、
前記第1の接触部材及び前記第2の接触部材のうち少なくとも一方は振動体である
ことを特徴とする振動波アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とは、前記被駆動体を挟んで互いに対向する位置に配設されている
ことを特徴とする請求項1に記載の振動波アクチュエータ。
【請求項3】
前記振動体は、前記被駆動体に対して所定の角度を成す態様で前記被駆動体に接触している
ことを特徴とする請求項1に記載の振動波アクチュエータ。
【請求項4】
前記被駆動体は、前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とによって、当該被駆動体に掛かる力が釣り合うように挟持されている
ことを特徴とする請求項1に記載の振動波アクチュエータ
【請求項5】
前記振動体は、前記被駆動体に接触する弾性体と、前記弾性体に設けられた圧電体と、を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の振動波アクチュエータ。
【請求項6】
前記被駆動体に接触する第3の接触部材と、
前記第3の接触部材と共に、前記被駆動体を挟持する第4の接触部材と、
を更に具備し、
前記第3の接触部材及び前記第4の接触部材のうち少なくとも一方は振動体である
ことを特徴とする請求項1に記載の振動波アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とは、前記被駆動体を挟んで互いに対向する位置に配設され、且つ、前記第3の接触部材と前記第4の接触部材とは、前記被駆動体を挟んで互いに対向する位置に配設され、
前記第1の接触部材と前記第2の接触部材とによって前記被駆動体が変位させられる方向と、前記第3の接触部材と前記第4の接触部材とによって前記被駆動体が変位させられる方向とは、略90度を成す
ことを特徴とする請求項6に記載の振動波アクチュエータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−222992(P2012−222992A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87618(P2011−87618)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】