説明

探傷検査装置及び方法

【課題】複雑な形状をした検査対象物の探傷を時間をおいて行う場合であっても作業性及び再現性が良く精度良く探傷検査データを得ることである。
【解決手段】予め定めた固定点Aを基準点として検査対象物11の画像データ及び検査対象物11上を探傷走査した探傷部12の走査軌跡データをセンサ部15で計測し、画像処理部19は計測した画像データに基づいて検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部12の走査軌跡データを演算し、座標補正部21は記憶部20に記憶された過去の検査対象物11の3次元形状データとの座標のずれを補正し、現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、表示装置22に過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複雑な形状をした検査対象物の探傷を行う探傷検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電設備や水力発電設備等の構成設備には、様々な複雑な形状をしたものがある。例えば、火力発電設備のタービン翼形状や水力発電設備のベーン形状は、流体力学的に効率的な形状を有しており、また、配管のエルボ部は曲面形状をしており、さらにボイラ近傍のバーナーリングのように特有の曲面形状をしているものもある。これらの設備については、非破壊検査等の手法で健全性を精度よく評価したいというニーズがあるが、現状では人手によって探傷検査の作業が行われており、検査精度上の課題がある。
【0003】
複雑な自由曲面を有する3次元形状の検査対象物の欠陥部分を超音波探傷するものとして、検査対象物の形状と欠陥部分の位置姿勢サイズを3次元的に画像表示し、精度の良い欠陥部分の測定及び対処方法を確定するできるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−102258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のものでは、検査対象物の形状と欠陥部分の位置姿勢サイズを3次元的に画像表示するので精度の良い欠陥部分の測定が可能であるが、同一検査対象物の同一箇所を時間をおいて探傷検査することについて考慮されていない。
【0005】
火力発電設備や水力発電設備では定期的あるいは不定期に検査対象物を探傷検査する。その際に、同一検査対象物の同一箇所に対して探傷部を走査し、過去の探傷検査データと比較して検査対象物の健全性の評価を行う。従って、探傷部で走査する箇所が異なると、過去の探傷検査データとの比較が適正でなくなるので、探傷部で走査する箇所は同一箇所でなければならない。
【0006】
従来においては、同一検査対象物の同一箇所に対して手作業で探傷検査を行っているので作業性が悪く、また、検査対象物が複雑な形状をしている場合には探傷部で走査する箇所を同一箇所とすることが難しく再現性が悪い。従って、得られた探傷検査データの精度も低いものとなる。
【0007】
本発明の目的は、複雑な形状をした検査対象物の探傷を時間をおいて行う場合であっても作業性及び再現性が良く精度良く探傷検査データを得ることができる探傷検査装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係わる探傷検査装置は、予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測するセンサ部と、前記センサ部で計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算する画像処理部と、前記画像処理部で演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶する記憶部と、前記画像処理部で得られた現在の検査対象物の3次元形状データと前記記憶部に記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標のずれを補正し現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させる座標補正部と、前記座標補正部で補正された座標に一致させて現在の検査対象物の3次元形状データを表示するとともにその3次元形状データ上で前記記憶部に記憶された過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示する表示装置とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明に係わる探傷検査装置は、予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測するセンサ部と、前記センサ部で計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算する画像処理部と、前記画像処理部で演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶する記憶部と、前記画像処理部で得られた現在の検査対象物の3次元形状データと前記記憶部に記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標のずれを補正し現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させる座標補正部と、前記座標補正部で補正された座標に一致させた3次元形状データ上で前記記憶部に記憶された過去の探傷部の走査軌跡データに従って前記探傷部を走査する走査駆動部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明に係わる探傷検査方法は、予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測し、計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算し、演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶し、現在の検査対象物の3次元形状データと記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標にずれがあるときはそのずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、補正された座標に一致させて現在の検査対象物の3次元形状データを表示するとともにその3次元形状データ上で過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明に係わる探傷検査方法は、予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測し、計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算し、演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶し、現在の検査対象物の3次元形状データと記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標にずれがあるときはそのずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、補正された座標に一致させた3次元形状データ上で記憶された過去の探傷部の走査軌跡データに従って前記探傷部を走査することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、現在の検査対象物の3次元形状データと過去の検査対象物の3次元形状データとの座標のずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、3次元形状データ上で過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示するので、作業性及び再現性が向上し、探傷検査データの精度も向上する。また、過去の探傷部の走査軌跡データの案内表示に代えて、自動で過去の探傷部の走査軌跡データに従って探傷部を走査する場合には、さらに作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係わる探傷検査装置のブロック構成図である。検査対象物11は特有の曲面形状を有した設備であり、この検査対象物11に対して、探傷部12は検査対象物11の探傷箇所を探傷走査する。探傷部12はリンク部13で支持され、走査機構部14でリンク部13を駆動することにより検査対象物11の探傷箇所を探傷走査する。探傷部12は、例えば超音波探触子等の各種非破壊検査装置である。
【0014】
センサ部15も同様にリンク部16で支持され、走査機構部17でリンク部16を駆動することにより検査対象物11の周囲空間を走査し、検査対象物11の画像データ及び検査対象物11上を探傷走査した探傷部12の走査軌跡データを計測する。センサ部15は、例えばレーザーやCCDカメラ等を用いたセンサである。
【0015】
センサ部15の走査機構部17は予め定めた固定点Aに設置され、センサ部15を移動させて複数角度位置から検査対象物11の画像データを計測する。複数角度位置から検査対象物11の画像データを得るのは、後述の演算処理装置18の画像処理部19で検査対象物11の3次元形状データを得るためである。
【0016】
なお、図1では一つのセンサ部15を移動させて複数角度位置から画像データを計測するようにしているが、複数のセンサ部15を設け、これら複数のセンサ部15から複数角度位置の画像データを得るようにしてもよい。
【0017】
センサ部15で計測された複数角度位置の画像データは、演算処理装置18の画像処理部19に入力される。演算処理装置18は、例えばパーソナルコンピュータである。画像処理部19ではセンサ部15で計測された複数角度位置の画像データに基づいて検査対象物11の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部12の走査軌跡データを演算する。そして、その演算結果である検査対象物11の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部12の走査軌跡データを記憶部20に記憶する。
【0018】
なお、図示は省略しているが、探傷部12で測定した探傷検査データも演算処理装置18の記憶部20に探傷部12の走査軌跡データとともに記憶するようにしてもよい。この探傷検査データに基づいて検査対象物11の健全性を評価することになる。
【0019】
次に、座標補正部21は画像処理部19で得られた現在の検査対象物11の3次元形状データと記憶部20に記憶された過去の検査対象物11の3次元形状データとの座標のずれを補正するものであり、この補正により、現在の検査対象物11の3次元形状データを過去の検査対象物11の3次元形状データの座標に一致させ、補正した現在の検査対象物の3次元形状データを表示装置22に出力する。
【0020】
表示装置22は、座標補正部21で補正された座標に一致させて、現在の検査対象物11の3次元形状データを表示するとともに、その3次元形状データ上で記憶部20に記憶された過去の探傷部11の走査軌跡データを案内表示する。これにより、同一検査対象物の同一箇所に対して探傷部12を探傷走査できるようにし、探傷部12の探傷走査の再現性を向上できるようにしている。
【0021】
次に、座標補正部21での座標の補正について説明する。定期点検のように時間をおいて同一検査対象物の同一箇所に対して探傷部12を走査するにあたり、センサ部15の走査機構部17を予め定められた固定点Aに設置することになるが、この固定点Aにセンサ部15の走査機構部17を完全に一致させて設置することは困難である。また、この固定点Aにセンサ部15の走査機構部17を完全に一致させて設置したとしても、検査対象物11の位置がずれていたり、また、固定点A自体の位置がずれていたりする。このような場合、過去に測定したセンサ部15と検査対象物11との相対位置と、今回のセンサ部15と検査対象物11との相対位置との間にずれが生じる。
【0022】
座標補正部21は、このずれを検知して補正し、現在の検査対象物11の3次元形状データを過去の検査対象物11の3次元形状データの座標に一致させる。センサ部15と検査対象物11との相対位置のずれの検知は、ベクトルの回転とベクトルの平行移動とで検知する。
【0023】
いま、説明を簡単にするために、2次元座標でのベクトルの回転について説明する。図2はベクトルの回転の説明図である。図2に示すように、過去のセンサ部15と検査対象物11との相対位置を示すベクトルP’(Px’、Py’)に対し、現在のセンサ部15と検査対象物11との相対位置が原点0の回りに角度φだけ回転したベクトルP(Px、Py)となっていたとする。この場合、(1)式に示す関係が成り立つ。
【数1】

【0024】
この(1)式の関係を行列で表現すると(2)式が得られる。(2)式中のRot(φ)は回転行列である。
【数2】

【0025】
ベクトルP(Px、Py)を原点の回りに角度φだけ回転してできるベクトルP’(Px’、Py’)を求めるにはベクトルPの左側から回転行列Rot(φ)を掛ければよいことになる。回転行列Rot(φ)は角度φが求まれば求まる。
【0026】
次に、角度φは以下のようにして求める。図3はセンサ部15のリンク部16の説明図である。図3に示すように、センサ部15のリンク部16は3個のリンク23a、23b、23cから構成されているとする。リンク23aの長さをl1、リンク23bの長さをl2、リンク23cの長さをl3、リンク23aとxとのなす角をφ1、リンク23aとリンク23bとのなす角をφ2、リンク23bとリンク23cとのなす角をφ3とすると、(3)式が成り立つ。
【数3】

【0027】
リンク23aの長さl1、リンク23bの長さl2、リンク23cの長さl3は既知であるので、リンク23aとxとのなす角φ1、リンク23aとリンク23bとのなす角φ2、リンク23bとリンク23cとのなす角φ3を求めるには、検査対象物11の異なる3つの位置について、(3)式のx、yを測定すればよい。例えば、センサ部15と検査対象物11の右上部端、右下部端、左上部端との間のx、yを測定し、連立方程式を立てて、リンク23aとxとのなす角φ1、リンク23aとリンク23bとのなす角φ2、リンク23bとリンク23cとのなす角φ3を求める。そして、(2)式にこれら角度φ1、φ2、φ3を代入して過去のセンサ部15と検査対象物11との相対位置を示すベクトルP’(Px’、Py’)に一致させる。
【0028】
以上の説明では、2次元座標でのベクトルの回転について説明したが、3次元座標でのベクトルの回転の場合も同様な考えで求めることができる。3次元ベクトルの場合には、x軸、y軸、z軸の回りに角度φだけ回転する回転行列Rot(x,φ)、Rot(y,φ)、Rot(z,φ)を用いる。回転行列Rot(x,φ)、Rot(y,φ)、Rot(z,φ)は(4)式に示される。
【数4】

【0029】
また、ベクトルの回転だけでなく、ベクトルの平行移動も加味させて座標の補正を行うことも可能である。ベクトルPの平行移動は(5)式で示される。
【数5】

【0030】
すなわち、x軸、y軸、z軸方向にそれぞれlx、ly、lz だけ平行移動させるベクトルをlとすると、ベクトルP’は3次元座標においてベクトルPを、x軸、y軸、z軸方向にそれぞれlx、ly、lz だけ平行移動させたときのベクトルである。このベクトルlを考慮にいれて座標の補正をすることも可能である。
【0031】
次に、本発明の第1の実施の形態の探傷検査装置を用いて、複雑な曲面形状を有した設備の探傷検査を行う場合を説明する。図4はボイラ近傍のバーナリングとエレメント管との溶接部の斜視図、図5は図4のバーナリングとエレメント管との溶接部の一部切欠断面図である。
【0032】
例えば、図4に示すように、バーナリング24はフロントプレート25を介したボイラの外側に設けられており、バーナリング24とエレメント管26との溶接部27が探傷箇所である。図5に示すように、探傷部12はバーナリング24とエレメント管26との溶接部27の近傍に配置され探傷走査を行う。この探傷走査を行う際の探傷部12の走査軌跡データ及び検査対象物11であるバーナリング24とエレメント管26との画像データをセンサ部15で計測する。
【0033】
図4に示すように、センサ部15の走査機構部17は予め定めた固定点Aに設置され、センサ部15を移動させて複数角度位置からバーナリング24とエレメント管26の溶接部27近傍の画像データを計測する。図4では3つの異なる角度位置から溶接部27近傍の画像データを得るようにしている。これは、前述したように、演算処理装置18の画像処理部19で検査対象物11であるバーナリング24とエレメント管26の溶接部27近傍の3次元形状データを得るためである。なお、各々の角度位置でのリンク部16の角度φ1、φ2、φ3も3次元形状データとともに計測される。また、図4では探傷部12の走査機構部14及びリンク部13の図示を省略している。
【0034】
演算処理部18の画像処理部19は、このようにして計測した画像データに基づいて、溶接部27近傍の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部12の走査軌跡データを演算する。そして、座標補正部21は、記憶部20に記憶された過去の溶接部27近傍の3次元形状データと現在の溶接部27近傍の3次元形状データとを比較し、その座標にずれがあるかどうかを判定する。座標にずれがあるときはそのずれを補正して現在の溶接部27近傍の3次元形状データを過去の溶接部27近傍の3次元形状データの座標に一致させる。
【0035】
そして、補正された座標に一致させて現在の溶接部27近傍の3次元形状データを表示装置22に表示する。その際に、その3次元形状データ上で過去の探傷部12の走査軌跡データを案内表示する。作業員はこの表示装置22に表示された案内表示に従って探傷部12を探傷走査することになる。
【0036】
第1の実施の形態によれば、予め定めた固定点Aにセンサ部15の走査機構部17を設置して、複数角度位置から画像データを計測し、検査対象物11の3次元形状データ及び探傷部12の探傷走査軌跡データを求め、現在の検査対象物11の3次元形状データと過去の検査対象物11の3次元形状データとの座標のずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、3次元形状データ上で過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示するので、作業性及び再現性が向上し、探傷検査データの精度も向上する。
【0037】
(第2の実施の形態)
図6は本発明の第2の実施の形態に係わる探傷検査装置のブロック構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、表示装置22に代えて、探傷部12を自動走査する走査駆動部28を設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0038】
図6において、走査駆動部28には座標補正部21で補正された座標に一致させた3次元形状データ及び記憶部20に記憶された過去の探傷部12の走査軌跡データが入力され、走査駆動部28は座標補正部21で補正された3次元形状データ上で探傷部12が過去の探傷部12の走査軌跡データに従って走査するように探傷部12の走査機構部14を駆動する。これにより、自動的に探傷部12を補正された座標に従って探傷走査できる。
【0039】
この場合、表示装置22を設けて、過去の探傷部12の走査軌跡データの案内表示を併せて行うようにしてもよい。この場合は、探傷部12の走査機構部14による自動での探傷走査を表示装置22で監視することが可能となる。
【0040】
第2の実施の形態によれば、自動で過去の探傷部12の走査軌跡データに従って、探傷部12を走査できるので、検査対象物の探傷検査の作業性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる探傷検査装置のブロック構成図。
【図2】ベクトルの回転の説明図。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるセンサ部のリンク部の説明図。
【図4】ボイラ近傍のバーナリングとエレメント管との溶接部の斜視図、
【図5】図4のバーナリングとエレメント管との溶接部の一部切欠断面図
【図6】本発明の第2の実施の形態に係わる探傷検査装置のブロック構成図。
【符号の説明】
【0042】
11…検査対象物、12…探傷部、13…リンク部、14…走査機構部、15…センサ部、16…リンク部、17…走査機構部、18…演算処理装置、19…画像処理部、20…記憶部、21…座標補正部、22…表示装置、23…リンク、24…バーナリング、25…フロントプレート、26…エレメント管、27…溶接部、28…走査駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測するセンサ部と、前記センサ部で計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算する画像処理部と、前記画像処理部で演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶する記憶部と、前記画像処理部で得られた現在の検査対象物の3次元形状データと前記記憶部に記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標のずれを補正し現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させる座標補正部と、前記座標補正部で補正された座標に一致させて現在の検査対象物の3次元形状データを表示するとともにその3次元形状データ上で前記記憶部に記憶された過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示する表示装置とを備えたことを特徴とする探傷検査装置。
【請求項2】
予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測するセンサ部と、前記センサ部で計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算する画像処理部と、前記画像処理部で演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶する記憶部と、前記画像処理部で得られた現在の検査対象物の3次元形状データと前記記憶部に記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標のずれを補正し現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させる座標補正部と、前記座標補正部で補正された座標に一致させた3次元形状データ上で前記記憶部に記憶された過去の探傷部の走査軌跡データに従って前記探傷部を走査する走査駆動部とを備えたことを特徴とする探傷検査装置。
【請求項3】
予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測し、計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算し、演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶し、現在の検査対象物の3次元形状データと記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標にずれがあるときはそのずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、補正された座標に一致させて現在の検査対象物の3次元形状データを表示するとともにその3次元形状データ上で過去の探傷部の走査軌跡データを案内表示することを特徴とする探傷検査方法。
【請求項4】
予め定めた固定点を基準点として検査対象物の画像データ及び前記検査対象物上を探傷走査した探傷部の走査軌跡データを計測し、計測した画像データに基づいて前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを演算し、演算された前記検査対象物の3次元形状データ及びその3次元形状データ上での探傷部の走査軌跡データを記憶し、現在の検査対象物の3次元形状データと記憶された過去の検査対象物の3次元形状データとの座標にずれがあるときはそのずれを補正して現在の検査対象物の3次元形状データを過去の検査対象物の3次元形状データの座標に一致させ、補正された座標に一致させた3次元形状データ上で記憶された過去の探傷部の走査軌跡データに従って前記探傷部を走査することを特徴とする探傷検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−240342(P2007−240342A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−63612(P2006−63612)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】