撮像素子及び撮像装置
【課題】撮像素子から信号を高速に読み出すと共に、撮像素子の出力を焦点検出だけでなく、画像信号にも使用可能にする撮像素子を実現する。
【解決手段】マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一とした。
【解決手段】マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の光学像を光電変換する撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像素子において、1つの画素の中にある、1つのマイクロレンズで集光されるフォトダイオードを分割することによって、位相差方式の焦点検出を行う技術がある。特許文献1では、1つの画素の中のフォトダイオードを2つに分割することによって、各フォトダイオードが撮像レンズの異なる瞳面の光を受光するように構成されている。そして、2つのフォトダイオードの出力を比較することによって、撮像レンズでの焦点検出を行っている。また、そのような固体撮像素子の出力を、焦点検出だけでなく、画像信号に用いる考え方もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−083407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において、焦点検出は2つのフォトダイオードの信号を個別に撮像素子から読み出し、位相差を演算する。また、フォトダイオードの信号を加算すると、画像信号として使用できる。焦点検出を適正に行うには、データ量は多い方がよいので、撮像素子の全ての画素のフォトダイオードの信号を独立に読み出して、位相差検出を行った後に、全てのフォトダイオードの信号を加算して画像信号を生成するのが好ましい。ところが、全ての画素のフォトダイオードの信号を独立に読み出すには時間がかかる。例えば、水平方向に4000画素ある撮像素子に水平方向に2つのフォトダイオードを設けると、水平方向に8000のフォトダイオードになるので、フォトダイオードを分割していない通常の撮像素子に比べて、読み出し時間が劇的に長くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、撮像素子から信号を高速に読み出すと共に、撮像素子の出力を焦点検出だけでなく、画像信号にも使用可能とした撮像素子を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像素子から信号を高速に読み出すと共に、撮像素子の出力を焦点検出だけでなく、画像信号にも使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態の撮像素子の構成を示す概略図。
【図2】本実施形態の撮像素子の1画素の構成を示す概略図。
【図3】本実施形態の撮像素子の画素アレイを示す概略図。
【図4】物体の結像関係を模式的に示す図。
【図5】位相差方式の焦点検出を説明する図。
【図6】実施形態1の加算読み出し領域と独立読み出し領域を示す概略図。
【図7】本実施形態の信号読み出し動作を示す概略図。
【図8】実施形態1の加算読み出し領域と独立読み出し領域を示す概略図。
【図9】実施形態1の撮像装置の構成を示す模式図。
【図10】実施形態1の撮像素子から出力される信号を示す模式図。
【図11】実施形態1の撮像装置の構成を示す模式図。
【図12】実施形態2の撮像装置の構成を示す模式図。
【図13】実施形態2の加算読み出し領域と独立加算読み出し領域を示す概略図。
【図14】実施形態2の撮像素子から出力される信号を示す模式図。
【図15】本実施形態の撮像装置の構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0010】
<素子構成>図1を参照して、本発明に係る実施形態の撮像素子の構成について説明する。
【0011】
図1において、撮像素子100は、画素アレイ101と、画素アレイ101における行を選択する垂直選択回路102、画素アレイ101における列を選択する水平選択回路104を含む。また、画素アレイ101中の画素のうち垂直選択回路102によって選択される画素の信号を読み出す読み出し回路103、上記各回路の動作モードなどを外部から決定するためのシリアルインタフェース(SI)105を含む。読み出し回路103は、信号を蓄積するメモリ、ゲインアンプ、AD変換器などを列ごとに有する。なお、撮像素子100は、図示された構成要素以外にも、例えば、垂直選択回路102、水平選択回路104、読み出し回路103などにタイミング信号を提供するタイミング信号発生回路や制御回路などを備える。
【0012】
垂直選択回路102は、画素アレイ101の複数の行を順に選択し読み出し回路103に読み出す。水平選択回路104は、読み出し回路103に読み出された複数の画素信号を列ごとに順に選択する。
【0013】
図2は撮像素子100の1画素の構成を概略的に示している。201は画素を表す。1つの画素は、マイクロレンズ202を有する。また、1つの画素は、複数の光電変換領域としてのフォトダイオード(以下、PD)を有する。図例では、左側のPD203と右側のPD204の2つ有しているが、2つ以上であれば個数に限定はなく、例えば、4つや9つなどでも構わない。なお、画素は、図示された構成要素以外にも、例えば、PDの信号を列読み出し回路103に読み出すための画素増幅アンプ、行を選択する選択スイッチ、PDの信号をリセットするリセットスイッチなどを備える。
【0014】
図3は画素アレイ101を示している。画素アレイ101は、2次元の画像信号を提供するために、図2に示すような複数の画素を行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に2次元的に配列して構成される。図3において、301、302、303、304は画素であり、301L、302L、303L、304Lは図2に示すPD203、301R、302R、303R、304Rは図2に示すPD204に相当する。
【0015】
ここで、図4を参照して、図3に示す画素アレイを有する撮像素子100における物体の結像関係について説明する。図4は撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子100に入射する様子を概念的に示している。
【0016】
図4において、401は画素アレイの断面であり、402はマイクロレンズであり、403はカラーフィルタであり、404、405はフォトダイオードである。PD404、PD405が各々図2に示すPD203、PD204に相当する。406は撮影レンズの射出瞳を示す。
【0017】
ここでは、マイクロレンズ402を有する画素に対して、射出瞳から出た光束の中心を光軸409とする。射出瞳から出た光は、光軸409を中心として撮像素子100に入射される。407、408は撮影レンズの射出瞳の一部領域を表す。射出瞳の一部領域407を通過する光の最外周の光線を410、411で示し、射出瞳の一部領域408を通過する光の最外周の光線を412、413で示す。図4からわかるように、射出瞳から出る光束のうち、光軸409を境にして、上側の光束はPD405に入射し、下側の光束はPD404に入射する。つまり、PD404とPD405は各々、撮影レンズの射出瞳の異なる領域の光を受光している。
【0018】
この特性を生かして、位相差検出を行う。位相差検出方法は既知であるが、簡単に説明する。画素アレイにおいて、複数の左側のPDから得られるデータを第1ラインとし、複数の右側のPDから得られるデータを第2ラインとして、ライン間の相関データを演算することで位相差を検出できる。図3に示す画素アレイでは、PD301L〜304L…の行305の左側に位置するPDの出力を第1ラインとし、PD301R〜304R…の行305の右側に位置するPDの出力を第2ラインとする。行方向に加算したデータを第1ライン、第2ラインとしてもよい。
【0019】
図5は点光源を結像したときのラインデータを示し、横軸は画素位置、縦軸は出力を表している。図5(a)は合焦状態における第1ラインと第2ラインのデータであり、合焦状態の場合は第1ラインと第2ラインが重なる。一方、図5(b)は非合焦状態における第1ラインと第2ラインのデータである。非合焦状態の場合は第1ラインと第2ラインは位相差を有し、画素位置がずれている。このずれ量501を算出することで合焦状態からどの程度ずれているかが求められる。このようにして位相差を検出し、撮影レンズを駆動することにより合焦状態を実現することができる。
【0020】
次に、本実施形態の画像信号の生成について説明する。前述のように、PD203とPD204の信号を個別に撮像素子100から読み出し、位相差を演算することで合焦状態を検出できる。そして、個別に読み出したPDの信号を加算することで画像信号を生成する。
【0021】
本実施形態の撮像素子100では、画素アレイにおける一部領域の画素を独立に読み出し、一部領域を加算して読み出す。
【0022】
図6は画素アレイの中で、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域を示している。
【0023】
図6において、601、602は画素のPDの信号を加算して読み出す加算読み出し領域であり、603は画素のPDの信号を独立に読み出す独立読み出し領域である。詳細は後述するが、加算読み出し領域601、602の画素信号は位相差検出には使用せずに画像信号に使用し、独立読み出し領域603の画素信号は位相差検出を行った後に加算して画像信号に使用する。各領域601、602、603の水平方向画素数をH601、H602、H603として示している。
【0024】
図7は、本実施形態の撮像素子の信号の読み出しを模式的に示している。図7において、縦軸は読み出し行を示し、横軸は時間を示す。図3に示す行305を読み出す動作を701で示し、同様に行306、行307を読み出す動作を702、703で示している。行305を読み出す際に垂直選択回路102は行305を選択する。
【0025】
垂直読み出し期間704において、選択された行305の画素の信号を読み出し回路103が列ごとに読み出す。水平読み出し期間705では、読み出し回路103に保持された行305の画素の信号を撮像素子100から出力する。水平読み出し期間705のうち、加算されたPDの信号が撮像素子100から出力される期間が706、707であり、加算されない独立のPDの信号が撮像素子100から出力される期間が708である。つまり、706、707、708は各領域601、602、603にある画素のPDの信号が撮像素子100から出力されている期間である。
【0026】
このように画素アレイの一部領域の画素のPDの信号を独立に読み出し、一部領域の画素のPDの信号を加算して読み出すことで、水平読み出し期間705を短くすることが可能となる。さらに水平読み出し期間705を短くするために、加算読み出し領域と独立読み出し領域について、複数の近傍の画素の信号に対し信号加算や平均化処理を行ってもよい。
【0027】
ところで、加算読み出し領域における信号加算(第1の加算手段)は、画素内で行ってもよいし、読み出し回路103で行ってもよい。読み出し回路103で行う場合は、アナログ信号で行う加算であってもよいし、デジタル信号で行う加算であってもよい。
【0028】
本実施形態では、水平方向の読み出し期間を一定にするために、加算読み出し領域と独立読み出し領域の水平方向の画素数は全ての行において同一である。つまり、図7における水平読み出し期間705と709と710の時間が同じである。このようにすることで、1行ごとに水平読み出しのための制御信号を変更することなく、簡単に読み出すことができる。仮に、1行ごとに水平読み出しのための制御信号を変更すれば、1行ごとに水平読み出しにかかる時間が変動してしまい、撮像素子の制御だけでなく、撮像素子の信号出力処理が複雑になってしまう。
【0029】
加算読み出し領域と独立読み出し領域の水平方向の画素数が全ての行において同じであれば、画素アレイ中の加算読み出し領域と独立読み出し領域は常に同一の領域でなくてもよい。その理由について図8を参照して説明する。
【0030】
図8は画素アレイの中で、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域を例示しており、(a)は、独立読み出し領域を左端に設定した場合である。801が加算読み出し領域であり、802が独立読み出し領域である。H801、H802は各領域801、802の水平方向の画素数である。図6に示す読み出し領域の配置と図8(a)に読み出す領域の配置は異なっている。加算読み出し領域と独立読み出し領域をフレームごとにずらすことで、焦点検出の対象となる物体が動いたときには、その物体の移動方向にあわせて、独立読み出し領域を移動すればよい。フレームごとに加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらす場合は、加算読み出し領域801の水平方向の画素数と、加算読み出し領域601と602の水平方向の合計画素数を同じにすれば、1フレーム読み出す時間は一定である。言い換えると、H601とH602を加算した数値が、H801の値となる。また、H802とH603は同じ数値となる。
【0031】
また、1フレーム内の読み出し時間が異なっている場合は、各々のフレームで水平方向の画素数は異なってもよい。
【0032】
図8(b)は1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらした状態を例示している。同図において、804、805、807、808、810、811は加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH804、H805、H807、H808、H810、H811とする。806、809、812は独立読み出し領域であり、その水平方向画素数を各々H806、809、812とする。この場合、水平方向の読み出し時間を一定にするために、H806とH809とH812は同じ数値である。そして、H804とH805の合計と、H807とH808の合計と、H810とH811の合計は同じ値である。独立読み出し領域806、809、812の水平方向の画素数が一定であれば、どのような配置であってもよい。もちろん、1行単位で変更してもよい。このように、1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらすことによって、任意の領域で同時に位相差検出が可能となる。
【0033】
図8(c)は1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらし、独立読み出し領域を水平方向に、複数箇所設けた状態を例示している。同図において、813、814、816は加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH813、H814、H816とする。815、817、818は独立読み出し領域であり、その水平方向画素数をH815、H817、H818とする。この場合、水平方向の読み出し時間を一定にするために、H815の数値と、H817とH818の合計は同じ値である。そして、H813とH814の合計とH816の数値は同じ値である。独立読み出し領域815の水平方向の画素数が、独立読み出し領域817と818の水平方向の画素数の合計であれば、独立読み出し領域は水平方向にいくつあっても構わない。
【0034】
図8(d)は、画素アレイ内の一部領域を切り出した状態を例示している。同図において、819は画素は存在するが、撮像素子100から出力されない領域である。このような非読み出し領域の動作や図6の読み出し領域の動作を切り替える際にも、独立読み出し領域603の水平方向の画素数と、独立読み出し領域820の水平方向の画素数であるH820は他のフレームと同一にする。そうすれば、1フレームの読み出し時間は切り替え時に変化するが、位相差検出を行う際には、領域の画素数の変更をしなくてよい。位相差検出を行う領域を変更する場合には、独立読み出し領域820の水平方向の画素数を変更してもよい。
【0035】
図6と図8で説明した加算読み出し領域と独立読み出し領域の選択は、列単位であってもよいし、列をいくつかの単位のブロックで区切りブロック単位での選択でもよい。また、選択する領域を決定する信号は、シリアルI/F(SI)105を介して撮像素子100に入力してもよいし、外部からパルスによって撮像素子100に入力してもよい。
【0036】
次に、加算読み出し領域と独立読み出し領域が1行の中で混在する撮像素子の出力信号を、焦点検出と画像信号に使用する方法について説明する。
【0037】
図9は本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。図10は撮像素子から出力される1行分の信号を模式的に示し、横軸は時間を示し、信号は左から順に出力されることを示している。
【0038】
図10(a)において、1001、1003は加算読み出し領域の加算後の信号、1002は独立読み出し領域の信号である。
【0039】
撮像素子100から信号1000が出力される。出力信号1000に対して、選択部901にて選択処理が行われる。まず、加算読み出し領域の信号1001が出力されているときには、選択部901は、信号1001を整列部904に出力する。次に、独立読み出し領域の信号1002が出力されているときには、信号1002を第2の加算手段としての加算部903と位相差検出部902の双方に出力する。位相差検出部902では、図5で説明したような、位相差検出演算を行う。位相差検出部902にメモリを設け、複数行の信号を加算して位相差検出演算を行ってもよい。加算部903に出力された信号1002は、PD203とPD204の信号が個別に記録されているので、同一の画素内のPDの信号を加算する。このようにすれば、信号1002が画像信号として使用可能となる。
【0040】
加算部903で加算された信号は整列部904に出力される。次に、加算読み出し領域の信号1003が出力されているときには、選択部901は、信号1003を整列部904に出力する。整列部904では、信号1001と信号1002と信号1003が画像信号として最適な順番になるように整列させる。整列部904では、信号1002が加算部903で加算処理されている間の遅延時間の調整を行っているので、メモリを有してもよいし、単純な遅延素子で遅延時間の調整を行ってもよい。また、整列部904以外にも、画像データの遅延を調整するためにメモリを有してもよい。例えば、撮像素子100と選択部901の間にメモリがあってもよい。このように、独立読み出し領域の信号1002のみが、加算部903で同一の画素内のPDの信号を加算し整列されることで、信号1000を画像信号として使用可能となる。
【0041】
また、以下のような構成でもよい。
【0042】
独立読み出し領域については、2つのPDの信号を別々に出力するのではなく、1つのPDの信号と2つのPDを加算した信号の2つの信号を出力してもよい。全ての撮像信号は、独立読み出し領域か加算読み出し領域かに関わらず、常に加算されて撮像素子から出力される。独立読み出し領域からのみ、2つのPDのうちの、片方のPDの信号も出力されるので、2つのPDを加算した信号から片方のPDの信号を減算することで、もう一方のPDの信号を得ることが可能となる。図9(b)は上記の駆動をしたときの、本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。
【0043】
撮像素子100から信号1000が出力される。出力信号1000に対して、選択部901にて選択処理が行われる。まず、加算読み出し領域の信号1001が出力されているときには、選択部901は、信号1001を画像信号として出力する。次に、独立読み出し領域の信号1002のうち、PDの信号を加算された信号が出ているときは、選択部901は同様に画像信号として出力する。選択部901は、独立読み出し領域の信号1002のうち、PDの信号を加算していない片方のPDの信号が出ているときには、その信号を減算部905に出力する。減算部905では、同一画素の片方のPDの信号を、加算されたPDの信号から減算することで、2つのPDの信号を各々得る。2つのPDの信号は位相差検出部902に送られ、位相差検出部902では、図5で説明したような、位相差検出演算を行う。なお、位相差検出部902にメモリを設け、複数行の信号を加算して位相差検出演算を行ってもよい。また、加算されたPDの信号から同一画素の片方のPDの信号を減算するために、信号の遅延を調整するためにメモリを有してもよい。
【0044】
このような構成にすることで、画像信号は常に撮像素子内で加算されることによって、撮像素子外で加算する場合に画像信号のSNを良くすることが可能となる。
【0045】
さらに、上記の構成の場合、撮像素子からの信号出力は、図10(c)に示すような出力順でもよい。図10(c)において、出力信号1000のうち、加算読み出し領域の2つのPDを加算した信号は、1001と1003である。加えて、非加算読み出し領域のうちの、2つのPDを加算した信号は1004として出力され、非加算読み出し領域のうちの、どちらか片方のPDの信号は1005として出力される。
【0046】
このように出力されることで、2つのPDを加算した画像信号が、信号1001、信号1004、信号1003と、画素の並び順通りに連続的に扱えるので、信号の取り扱いが簡単になる。また、非加算領域の片方のPDの信号1005を読み出した後、全ての画素の2つのPDの信号を画素上で加算することも容易となる。
【0047】
図11は本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。図11に示す撮像素子100は、図9と異なり、第1の出力1101と第2の出力1102の2系統の出力手段を有している。第1の出力1101の信号は加算読み出し領域の信号、第2の出力1102の信号は独立読み出し領域の信号である。このような構成において、撮像素子100から出力される1行分の信号は、図10(b)のようになる。信号1004は第1の出力1101から出力される加算読み出し領域1005、1006の信号であり、信号1007は第2の出力1102から出力される独立読み出し領域の信号である。このように、独立読み出し領域の信号と加算読み出し領域の信号を個別に出力することで、図9の選択部901を省略できるだけでなく、水平読み出しにかかる時間をさらに短くすることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態の撮像装置を図12のように構成にすることも可能である。図12に示す撮像素子100は、第1の出力1201と第2の出力の2系統の出力手段を有している。第1の出力1201の信号は加算読み出し領域の信号、第2の出力1202の信号は独立読み出し領域の信号である。この撮像素子では、画素アレイの中の、読み出される全ての信号を撮像素子内で加算している。また、画素アレイの一部領域の信号を加算せずに、第2の出力1202から出力する。つまり、画素アレイの一部領域の画素のPDの信号は、第1の出力1201から加算された信号として出力され、同時に第2の出力1202から加算されずに出力される。
【0049】
例えば、図6に示す領域601〜603を読み出す場合には、全ての画素の加算信号を第1の出力1201から出力し、領域603の信号を加算せずに独立に第2の出力1202から出力する。つまり、領域603の信号は、加算して読み出され、独立にも読み出される。
【0050】
このように独立読み出し領域の信号と加算読み出し領域の信号を個別に出力することで、図9の選択部901、整列部904、および撮像素子外での加算部を省略できるだけでなく、水平読み出しにかかる時間をさらに短くすることが可能となる。
【0051】
以上述べたように、画素アレイの一部領域の画素のPDの信号を独立に読み出し、一部領域の画素のPDの信号を加算して読み出すことで、水平信号読み出し時間を短縮できる。さらに、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域の水平方向の画素数を1フレーム内で同じにすることで、撮像素子や撮像装置の制御を複雑にすることなく、簡単な制御で画像データの取得、位相差情報の取得を行うことが可能となる。
【0052】
[実施形態2]以下、実施形態2について説明する。実施形態2は、図12の構成を用いて別の読み出しを行う構成である。
【0053】
図13は画素アレイの中で、PDの信号を独立かつ加算して読み出す領域と加算してのみ読み出す領域を示している。同図において、1301、1302、1304、1305は画素のPDの信号を加算して読み出す加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH1301、H1302、H1304、H1305とする。1303、1306は画素のPDの信号を独立かつ加算して読み出す独立加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH1303、H1306とする。加算読み出し領域のPDの信号は画素内や読み出し回路103で加算され、第1の出力1201から出力される。一方、独立加算読み出し領域の信号は、例えば読み出し回路103で分離され、加算された信号が第1の出力1201から出力され、加算されない独立した信号が第2の出力1202から出力される。
【0054】
本実施形態の撮像素子から出力される1行分の信号は、図14のようになる。信号1401は第1の出力1201から出力される信号であり、加算読み出し領域の信号1402、1403と、独立加算読み出し領域の加算された信号1404を含む。信号1405は第2の出力1102から出力される独立加算読み出し領域の加算しない信号である。
【0055】
つまり信号1401は画素アレイから読み出す画素のうち、全ての画素のPDを加算した信号であり、信号1405は独立加算読み出し領域の加算しない信号である。
【0056】
このように全ての画素のPDを加算した信号を読み出すことによって、フレームレートは常に一定に保たれる。その場合の条件として、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数と画素のPDの水平方向分割数との乗算数が、水平方向の画素数を超えないことが重要となる。例えば、図13で水平方向に2分割したPDの場合、独立加算読み出し領域の画素数の2倍が全画素の画素数を超えない限り、信号1405を読み出す時間が、信号1401を読み出す時間より短くなる。言い換えれると、H1303の画素数がH1301とH1303とH1302の画素数の合計の半分以下の値であればよい。つまり、水平読み出しにかかる時間は、信号1401を読み出す時間、すなわち、全画素の画素数を読み出す時間で規定されることとなり、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数は、水平読み出しにかかる時間を規定しない。
【0057】
このような撮像素子および撮像装置においては、フレーム間で独立加算読み出し領域の水平方向の画素数を変えてもよいし、図13で示すように、1フレーム内でもH1303とH1306の画素数を変えてもよい。
【0058】
このように、独立加算読み出し領域の信号を加算する信号と加算しない信号とに分離し、個別に出力することで、フレームレートもしくは水平読み出し時間を一定にしつつ、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数を変更することが可能となる。
【0059】
図15を参照して、本実施形態の撮像素子をデジタルカメラに適用した撮像装置の構成について説明する。
【0060】
図15において、1501は被写体の光学像を撮像素子1505に結像させるレンズ部で、レンズ駆動回路1502によってズーム制御、フォーカス制御、絞り制御などが行われる。1503はメカニカルシャッタであり、シャッタ駆動回路1504によって制御される。1505はレンズ部1501で結像された被写体を画像信号として取り込むための撮像素子である。1506は撮像素子1505より出力される撮像信号に各種の補正を行ったり、データを圧縮したりする信号処理回路である。1507は撮像素子1505、信号処理回路1506に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生回路である。1509は各種演算とカメラ全体を制御する制御部、1508は画像データを一時的に記憶するためのメモリ部である。1510は記録媒体に対してデータの書き込みまたは読み出しを行うための記録媒体制御I/F(インタフェース)部である。1511は画像データの書き込みまたは読み出しを行うための半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。1512は各種情報や撮影画像を表示部1514に出力する外部I/F部である。
【0061】
次に、本実施形態のデジタルカメラの撮影動作について説明する。
【0062】
デジタルカメラの主電源がオンされると、制御系及び撮像系の回路が起動される。その後、図示しないレリーズボタンが押されると、撮像素子1505から出力される撮像信号を用いて測距演算を行い、測距結果に基づいて被写体までの距離の演算を制御部1509で行う。その後、レンズ駆動回路1502によりレンズ部1501を駆動して合焦状態か否かを判定し、合焦状態でない場合は、再びレンズ部1501を駆動し測距を行う。測距演算は、撮像素子1505からの撮像信号以外にも、図示しない測距専用回路で行ってもよい。測光回路1513は被写体の輝度を測定し、制御部1509は、測光結果を受けて適正露出になるように不図示の絞りを制御する。
【0063】
そして、合焦が確認されると撮影動作を開始する。撮影動作が終了すると、撮像素子1505から出力された撮像信号は信号処理回路1506で画像処理が施され、制御部1509によりメモリ部1508に書き込まれる。信号処理回路1506では、並べ替え処理や加算処理、それらの選択処理が行われる。メモリ部1508に蓄積されたデータは、制御部1509により記録媒体制御I/F部1510を介して記録媒体1511に記録される。また、外部I/F部1512から直接コンピュータ等に入力して画像の加工を行ってもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体の光学像を光電変換する撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固体撮像素子において、1つの画素の中にある、1つのマイクロレンズで集光されるフォトダイオードを分割することによって、位相差方式の焦点検出を行う技術がある。特許文献1では、1つの画素の中のフォトダイオードを2つに分割することによって、各フォトダイオードが撮像レンズの異なる瞳面の光を受光するように構成されている。そして、2つのフォトダイオードの出力を比較することによって、撮像レンズでの焦点検出を行っている。また、そのような固体撮像素子の出力を、焦点検出だけでなく、画像信号に用いる考え方もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−083407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1において、焦点検出は2つのフォトダイオードの信号を個別に撮像素子から読み出し、位相差を演算する。また、フォトダイオードの信号を加算すると、画像信号として使用できる。焦点検出を適正に行うには、データ量は多い方がよいので、撮像素子の全ての画素のフォトダイオードの信号を独立に読み出して、位相差検出を行った後に、全てのフォトダイオードの信号を加算して画像信号を生成するのが好ましい。ところが、全ての画素のフォトダイオードの信号を独立に読み出すには時間がかかる。例えば、水平方向に4000画素ある撮像素子に水平方向に2つのフォトダイオードを設けると、水平方向に8000のフォトダイオードになるので、フォトダイオードを分割していない通常の撮像素子に比べて、読み出し時間が劇的に長くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、撮像素子から信号を高速に読み出すと共に、撮像素子の出力を焦点検出だけでなく、画像信号にも使用可能とした撮像素子を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮像素子から信号を高速に読み出すと共に、撮像素子の出力を焦点検出だけでなく、画像信号にも使用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態の撮像素子の構成を示す概略図。
【図2】本実施形態の撮像素子の1画素の構成を示す概略図。
【図3】本実施形態の撮像素子の画素アレイを示す概略図。
【図4】物体の結像関係を模式的に示す図。
【図5】位相差方式の焦点検出を説明する図。
【図6】実施形態1の加算読み出し領域と独立読み出し領域を示す概略図。
【図7】本実施形態の信号読み出し動作を示す概略図。
【図8】実施形態1の加算読み出し領域と独立読み出し領域を示す概略図。
【図9】実施形態1の撮像装置の構成を示す模式図。
【図10】実施形態1の撮像素子から出力される信号を示す模式図。
【図11】実施形態1の撮像装置の構成を示す模式図。
【図12】実施形態2の撮像装置の構成を示す模式図。
【図13】実施形態2の加算読み出し領域と独立加算読み出し領域を示す概略図。
【図14】実施形態2の撮像素子から出力される信号を示す模式図。
【図15】本実施形態の撮像装置の構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0010】
<素子構成>図1を参照して、本発明に係る実施形態の撮像素子の構成について説明する。
【0011】
図1において、撮像素子100は、画素アレイ101と、画素アレイ101における行を選択する垂直選択回路102、画素アレイ101における列を選択する水平選択回路104を含む。また、画素アレイ101中の画素のうち垂直選択回路102によって選択される画素の信号を読み出す読み出し回路103、上記各回路の動作モードなどを外部から決定するためのシリアルインタフェース(SI)105を含む。読み出し回路103は、信号を蓄積するメモリ、ゲインアンプ、AD変換器などを列ごとに有する。なお、撮像素子100は、図示された構成要素以外にも、例えば、垂直選択回路102、水平選択回路104、読み出し回路103などにタイミング信号を提供するタイミング信号発生回路や制御回路などを備える。
【0012】
垂直選択回路102は、画素アレイ101の複数の行を順に選択し読み出し回路103に読み出す。水平選択回路104は、読み出し回路103に読み出された複数の画素信号を列ごとに順に選択する。
【0013】
図2は撮像素子100の1画素の構成を概略的に示している。201は画素を表す。1つの画素は、マイクロレンズ202を有する。また、1つの画素は、複数の光電変換領域としてのフォトダイオード(以下、PD)を有する。図例では、左側のPD203と右側のPD204の2つ有しているが、2つ以上であれば個数に限定はなく、例えば、4つや9つなどでも構わない。なお、画素は、図示された構成要素以外にも、例えば、PDの信号を列読み出し回路103に読み出すための画素増幅アンプ、行を選択する選択スイッチ、PDの信号をリセットするリセットスイッチなどを備える。
【0014】
図3は画素アレイ101を示している。画素アレイ101は、2次元の画像信号を提供するために、図2に示すような複数の画素を行方向(水平方向)及び列方向(垂直方向)に2次元的に配列して構成される。図3において、301、302、303、304は画素であり、301L、302L、303L、304Lは図2に示すPD203、301R、302R、303R、304Rは図2に示すPD204に相当する。
【0015】
ここで、図4を参照して、図3に示す画素アレイを有する撮像素子100における物体の結像関係について説明する。図4は撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子100に入射する様子を概念的に示している。
【0016】
図4において、401は画素アレイの断面であり、402はマイクロレンズであり、403はカラーフィルタであり、404、405はフォトダイオードである。PD404、PD405が各々図2に示すPD203、PD204に相当する。406は撮影レンズの射出瞳を示す。
【0017】
ここでは、マイクロレンズ402を有する画素に対して、射出瞳から出た光束の中心を光軸409とする。射出瞳から出た光は、光軸409を中心として撮像素子100に入射される。407、408は撮影レンズの射出瞳の一部領域を表す。射出瞳の一部領域407を通過する光の最外周の光線を410、411で示し、射出瞳の一部領域408を通過する光の最外周の光線を412、413で示す。図4からわかるように、射出瞳から出る光束のうち、光軸409を境にして、上側の光束はPD405に入射し、下側の光束はPD404に入射する。つまり、PD404とPD405は各々、撮影レンズの射出瞳の異なる領域の光を受光している。
【0018】
この特性を生かして、位相差検出を行う。位相差検出方法は既知であるが、簡単に説明する。画素アレイにおいて、複数の左側のPDから得られるデータを第1ラインとし、複数の右側のPDから得られるデータを第2ラインとして、ライン間の相関データを演算することで位相差を検出できる。図3に示す画素アレイでは、PD301L〜304L…の行305の左側に位置するPDの出力を第1ラインとし、PD301R〜304R…の行305の右側に位置するPDの出力を第2ラインとする。行方向に加算したデータを第1ライン、第2ラインとしてもよい。
【0019】
図5は点光源を結像したときのラインデータを示し、横軸は画素位置、縦軸は出力を表している。図5(a)は合焦状態における第1ラインと第2ラインのデータであり、合焦状態の場合は第1ラインと第2ラインが重なる。一方、図5(b)は非合焦状態における第1ラインと第2ラインのデータである。非合焦状態の場合は第1ラインと第2ラインは位相差を有し、画素位置がずれている。このずれ量501を算出することで合焦状態からどの程度ずれているかが求められる。このようにして位相差を検出し、撮影レンズを駆動することにより合焦状態を実現することができる。
【0020】
次に、本実施形態の画像信号の生成について説明する。前述のように、PD203とPD204の信号を個別に撮像素子100から読み出し、位相差を演算することで合焦状態を検出できる。そして、個別に読み出したPDの信号を加算することで画像信号を生成する。
【0021】
本実施形態の撮像素子100では、画素アレイにおける一部領域の画素を独立に読み出し、一部領域を加算して読み出す。
【0022】
図6は画素アレイの中で、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域を示している。
【0023】
図6において、601、602は画素のPDの信号を加算して読み出す加算読み出し領域であり、603は画素のPDの信号を独立に読み出す独立読み出し領域である。詳細は後述するが、加算読み出し領域601、602の画素信号は位相差検出には使用せずに画像信号に使用し、独立読み出し領域603の画素信号は位相差検出を行った後に加算して画像信号に使用する。各領域601、602、603の水平方向画素数をH601、H602、H603として示している。
【0024】
図7は、本実施形態の撮像素子の信号の読み出しを模式的に示している。図7において、縦軸は読み出し行を示し、横軸は時間を示す。図3に示す行305を読み出す動作を701で示し、同様に行306、行307を読み出す動作を702、703で示している。行305を読み出す際に垂直選択回路102は行305を選択する。
【0025】
垂直読み出し期間704において、選択された行305の画素の信号を読み出し回路103が列ごとに読み出す。水平読み出し期間705では、読み出し回路103に保持された行305の画素の信号を撮像素子100から出力する。水平読み出し期間705のうち、加算されたPDの信号が撮像素子100から出力される期間が706、707であり、加算されない独立のPDの信号が撮像素子100から出力される期間が708である。つまり、706、707、708は各領域601、602、603にある画素のPDの信号が撮像素子100から出力されている期間である。
【0026】
このように画素アレイの一部領域の画素のPDの信号を独立に読み出し、一部領域の画素のPDの信号を加算して読み出すことで、水平読み出し期間705を短くすることが可能となる。さらに水平読み出し期間705を短くするために、加算読み出し領域と独立読み出し領域について、複数の近傍の画素の信号に対し信号加算や平均化処理を行ってもよい。
【0027】
ところで、加算読み出し領域における信号加算(第1の加算手段)は、画素内で行ってもよいし、読み出し回路103で行ってもよい。読み出し回路103で行う場合は、アナログ信号で行う加算であってもよいし、デジタル信号で行う加算であってもよい。
【0028】
本実施形態では、水平方向の読み出し期間を一定にするために、加算読み出し領域と独立読み出し領域の水平方向の画素数は全ての行において同一である。つまり、図7における水平読み出し期間705と709と710の時間が同じである。このようにすることで、1行ごとに水平読み出しのための制御信号を変更することなく、簡単に読み出すことができる。仮に、1行ごとに水平読み出しのための制御信号を変更すれば、1行ごとに水平読み出しにかかる時間が変動してしまい、撮像素子の制御だけでなく、撮像素子の信号出力処理が複雑になってしまう。
【0029】
加算読み出し領域と独立読み出し領域の水平方向の画素数が全ての行において同じであれば、画素アレイ中の加算読み出し領域と独立読み出し領域は常に同一の領域でなくてもよい。その理由について図8を参照して説明する。
【0030】
図8は画素アレイの中で、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域を例示しており、(a)は、独立読み出し領域を左端に設定した場合である。801が加算読み出し領域であり、802が独立読み出し領域である。H801、H802は各領域801、802の水平方向の画素数である。図6に示す読み出し領域の配置と図8(a)に読み出す領域の配置は異なっている。加算読み出し領域と独立読み出し領域をフレームごとにずらすことで、焦点検出の対象となる物体が動いたときには、その物体の移動方向にあわせて、独立読み出し領域を移動すればよい。フレームごとに加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらす場合は、加算読み出し領域801の水平方向の画素数と、加算読み出し領域601と602の水平方向の合計画素数を同じにすれば、1フレーム読み出す時間は一定である。言い換えると、H601とH602を加算した数値が、H801の値となる。また、H802とH603は同じ数値となる。
【0031】
また、1フレーム内の読み出し時間が異なっている場合は、各々のフレームで水平方向の画素数は異なってもよい。
【0032】
図8(b)は1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらした状態を例示している。同図において、804、805、807、808、810、811は加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH804、H805、H807、H808、H810、H811とする。806、809、812は独立読み出し領域であり、その水平方向画素数を各々H806、809、812とする。この場合、水平方向の読み出し時間を一定にするために、H806とH809とH812は同じ数値である。そして、H804とH805の合計と、H807とH808の合計と、H810とH811の合計は同じ値である。独立読み出し領域806、809、812の水平方向の画素数が一定であれば、どのような配置であってもよい。もちろん、1行単位で変更してもよい。このように、1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらすことによって、任意の領域で同時に位相差検出が可能となる。
【0033】
図8(c)は1フレーム内で加算読み出し領域と独立読み出し領域をずらし、独立読み出し領域を水平方向に、複数箇所設けた状態を例示している。同図において、813、814、816は加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH813、H814、H816とする。815、817、818は独立読み出し領域であり、その水平方向画素数をH815、H817、H818とする。この場合、水平方向の読み出し時間を一定にするために、H815の数値と、H817とH818の合計は同じ値である。そして、H813とH814の合計とH816の数値は同じ値である。独立読み出し領域815の水平方向の画素数が、独立読み出し領域817と818の水平方向の画素数の合計であれば、独立読み出し領域は水平方向にいくつあっても構わない。
【0034】
図8(d)は、画素アレイ内の一部領域を切り出した状態を例示している。同図において、819は画素は存在するが、撮像素子100から出力されない領域である。このような非読み出し領域の動作や図6の読み出し領域の動作を切り替える際にも、独立読み出し領域603の水平方向の画素数と、独立読み出し領域820の水平方向の画素数であるH820は他のフレームと同一にする。そうすれば、1フレームの読み出し時間は切り替え時に変化するが、位相差検出を行う際には、領域の画素数の変更をしなくてよい。位相差検出を行う領域を変更する場合には、独立読み出し領域820の水平方向の画素数を変更してもよい。
【0035】
図6と図8で説明した加算読み出し領域と独立読み出し領域の選択は、列単位であってもよいし、列をいくつかの単位のブロックで区切りブロック単位での選択でもよい。また、選択する領域を決定する信号は、シリアルI/F(SI)105を介して撮像素子100に入力してもよいし、外部からパルスによって撮像素子100に入力してもよい。
【0036】
次に、加算読み出し領域と独立読み出し領域が1行の中で混在する撮像素子の出力信号を、焦点検出と画像信号に使用する方法について説明する。
【0037】
図9は本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。図10は撮像素子から出力される1行分の信号を模式的に示し、横軸は時間を示し、信号は左から順に出力されることを示している。
【0038】
図10(a)において、1001、1003は加算読み出し領域の加算後の信号、1002は独立読み出し領域の信号である。
【0039】
撮像素子100から信号1000が出力される。出力信号1000に対して、選択部901にて選択処理が行われる。まず、加算読み出し領域の信号1001が出力されているときには、選択部901は、信号1001を整列部904に出力する。次に、独立読み出し領域の信号1002が出力されているときには、信号1002を第2の加算手段としての加算部903と位相差検出部902の双方に出力する。位相差検出部902では、図5で説明したような、位相差検出演算を行う。位相差検出部902にメモリを設け、複数行の信号を加算して位相差検出演算を行ってもよい。加算部903に出力された信号1002は、PD203とPD204の信号が個別に記録されているので、同一の画素内のPDの信号を加算する。このようにすれば、信号1002が画像信号として使用可能となる。
【0040】
加算部903で加算された信号は整列部904に出力される。次に、加算読み出し領域の信号1003が出力されているときには、選択部901は、信号1003を整列部904に出力する。整列部904では、信号1001と信号1002と信号1003が画像信号として最適な順番になるように整列させる。整列部904では、信号1002が加算部903で加算処理されている間の遅延時間の調整を行っているので、メモリを有してもよいし、単純な遅延素子で遅延時間の調整を行ってもよい。また、整列部904以外にも、画像データの遅延を調整するためにメモリを有してもよい。例えば、撮像素子100と選択部901の間にメモリがあってもよい。このように、独立読み出し領域の信号1002のみが、加算部903で同一の画素内のPDの信号を加算し整列されることで、信号1000を画像信号として使用可能となる。
【0041】
また、以下のような構成でもよい。
【0042】
独立読み出し領域については、2つのPDの信号を別々に出力するのではなく、1つのPDの信号と2つのPDを加算した信号の2つの信号を出力してもよい。全ての撮像信号は、独立読み出し領域か加算読み出し領域かに関わらず、常に加算されて撮像素子から出力される。独立読み出し領域からのみ、2つのPDのうちの、片方のPDの信号も出力されるので、2つのPDを加算した信号から片方のPDの信号を減算することで、もう一方のPDの信号を得ることが可能となる。図9(b)は上記の駆動をしたときの、本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。
【0043】
撮像素子100から信号1000が出力される。出力信号1000に対して、選択部901にて選択処理が行われる。まず、加算読み出し領域の信号1001が出力されているときには、選択部901は、信号1001を画像信号として出力する。次に、独立読み出し領域の信号1002のうち、PDの信号を加算された信号が出ているときは、選択部901は同様に画像信号として出力する。選択部901は、独立読み出し領域の信号1002のうち、PDの信号を加算していない片方のPDの信号が出ているときには、その信号を減算部905に出力する。減算部905では、同一画素の片方のPDの信号を、加算されたPDの信号から減算することで、2つのPDの信号を各々得る。2つのPDの信号は位相差検出部902に送られ、位相差検出部902では、図5で説明したような、位相差検出演算を行う。なお、位相差検出部902にメモリを設け、複数行の信号を加算して位相差検出演算を行ってもよい。また、加算されたPDの信号から同一画素の片方のPDの信号を減算するために、信号の遅延を調整するためにメモリを有してもよい。
【0044】
このような構成にすることで、画像信号は常に撮像素子内で加算されることによって、撮像素子外で加算する場合に画像信号のSNを良くすることが可能となる。
【0045】
さらに、上記の構成の場合、撮像素子からの信号出力は、図10(c)に示すような出力順でもよい。図10(c)において、出力信号1000のうち、加算読み出し領域の2つのPDを加算した信号は、1001と1003である。加えて、非加算読み出し領域のうちの、2つのPDを加算した信号は1004として出力され、非加算読み出し領域のうちの、どちらか片方のPDの信号は1005として出力される。
【0046】
このように出力されることで、2つのPDを加算した画像信号が、信号1001、信号1004、信号1003と、画素の並び順通りに連続的に扱えるので、信号の取り扱いが簡単になる。また、非加算領域の片方のPDの信号1005を読み出した後、全ての画素の2つのPDの信号を画素上で加算することも容易となる。
【0047】
図11は本実施形態の撮像装置の構成を模式的に示している。図11に示す撮像素子100は、図9と異なり、第1の出力1101と第2の出力1102の2系統の出力手段を有している。第1の出力1101の信号は加算読み出し領域の信号、第2の出力1102の信号は独立読み出し領域の信号である。このような構成において、撮像素子100から出力される1行分の信号は、図10(b)のようになる。信号1004は第1の出力1101から出力される加算読み出し領域1005、1006の信号であり、信号1007は第2の出力1102から出力される独立読み出し領域の信号である。このように、独立読み出し領域の信号と加算読み出し領域の信号を個別に出力することで、図9の選択部901を省略できるだけでなく、水平読み出しにかかる時間をさらに短くすることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態の撮像装置を図12のように構成にすることも可能である。図12に示す撮像素子100は、第1の出力1201と第2の出力の2系統の出力手段を有している。第1の出力1201の信号は加算読み出し領域の信号、第2の出力1202の信号は独立読み出し領域の信号である。この撮像素子では、画素アレイの中の、読み出される全ての信号を撮像素子内で加算している。また、画素アレイの一部領域の信号を加算せずに、第2の出力1202から出力する。つまり、画素アレイの一部領域の画素のPDの信号は、第1の出力1201から加算された信号として出力され、同時に第2の出力1202から加算されずに出力される。
【0049】
例えば、図6に示す領域601〜603を読み出す場合には、全ての画素の加算信号を第1の出力1201から出力し、領域603の信号を加算せずに独立に第2の出力1202から出力する。つまり、領域603の信号は、加算して読み出され、独立にも読み出される。
【0050】
このように独立読み出し領域の信号と加算読み出し領域の信号を個別に出力することで、図9の選択部901、整列部904、および撮像素子外での加算部を省略できるだけでなく、水平読み出しにかかる時間をさらに短くすることが可能となる。
【0051】
以上述べたように、画素アレイの一部領域の画素のPDの信号を独立に読み出し、一部領域の画素のPDの信号を加算して読み出すことで、水平信号読み出し時間を短縮できる。さらに、独立に読み出す領域と加算して読み出す領域の水平方向の画素数を1フレーム内で同じにすることで、撮像素子や撮像装置の制御を複雑にすることなく、簡単な制御で画像データの取得、位相差情報の取得を行うことが可能となる。
【0052】
[実施形態2]以下、実施形態2について説明する。実施形態2は、図12の構成を用いて別の読み出しを行う構成である。
【0053】
図13は画素アレイの中で、PDの信号を独立かつ加算して読み出す領域と加算してのみ読み出す領域を示している。同図において、1301、1302、1304、1305は画素のPDの信号を加算して読み出す加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH1301、H1302、H1304、H1305とする。1303、1306は画素のPDの信号を独立かつ加算して読み出す独立加算読み出し領域であり、その水平方向画素数をH1303、H1306とする。加算読み出し領域のPDの信号は画素内や読み出し回路103で加算され、第1の出力1201から出力される。一方、独立加算読み出し領域の信号は、例えば読み出し回路103で分離され、加算された信号が第1の出力1201から出力され、加算されない独立した信号が第2の出力1202から出力される。
【0054】
本実施形態の撮像素子から出力される1行分の信号は、図14のようになる。信号1401は第1の出力1201から出力される信号であり、加算読み出し領域の信号1402、1403と、独立加算読み出し領域の加算された信号1404を含む。信号1405は第2の出力1102から出力される独立加算読み出し領域の加算しない信号である。
【0055】
つまり信号1401は画素アレイから読み出す画素のうち、全ての画素のPDを加算した信号であり、信号1405は独立加算読み出し領域の加算しない信号である。
【0056】
このように全ての画素のPDを加算した信号を読み出すことによって、フレームレートは常に一定に保たれる。その場合の条件として、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数と画素のPDの水平方向分割数との乗算数が、水平方向の画素数を超えないことが重要となる。例えば、図13で水平方向に2分割したPDの場合、独立加算読み出し領域の画素数の2倍が全画素の画素数を超えない限り、信号1405を読み出す時間が、信号1401を読み出す時間より短くなる。言い換えれると、H1303の画素数がH1301とH1303とH1302の画素数の合計の半分以下の値であればよい。つまり、水平読み出しにかかる時間は、信号1401を読み出す時間、すなわち、全画素の画素数を読み出す時間で規定されることとなり、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数は、水平読み出しにかかる時間を規定しない。
【0057】
このような撮像素子および撮像装置においては、フレーム間で独立加算読み出し領域の水平方向の画素数を変えてもよいし、図13で示すように、1フレーム内でもH1303とH1306の画素数を変えてもよい。
【0058】
このように、独立加算読み出し領域の信号を加算する信号と加算しない信号とに分離し、個別に出力することで、フレームレートもしくは水平読み出し時間を一定にしつつ、独立加算読み出し領域の水平方向の画素数を変更することが可能となる。
【0059】
図15を参照して、本実施形態の撮像素子をデジタルカメラに適用した撮像装置の構成について説明する。
【0060】
図15において、1501は被写体の光学像を撮像素子1505に結像させるレンズ部で、レンズ駆動回路1502によってズーム制御、フォーカス制御、絞り制御などが行われる。1503はメカニカルシャッタであり、シャッタ駆動回路1504によって制御される。1505はレンズ部1501で結像された被写体を画像信号として取り込むための撮像素子である。1506は撮像素子1505より出力される撮像信号に各種の補正を行ったり、データを圧縮したりする信号処理回路である。1507は撮像素子1505、信号処理回路1506に、各種タイミング信号を出力するタイミング発生回路である。1509は各種演算とカメラ全体を制御する制御部、1508は画像データを一時的に記憶するためのメモリ部である。1510は記録媒体に対してデータの書き込みまたは読み出しを行うための記録媒体制御I/F(インタフェース)部である。1511は画像データの書き込みまたは読み出しを行うための半導体メモリ等の着脱可能な記録媒体である。1512は各種情報や撮影画像を表示部1514に出力する外部I/F部である。
【0061】
次に、本実施形態のデジタルカメラの撮影動作について説明する。
【0062】
デジタルカメラの主電源がオンされると、制御系及び撮像系の回路が起動される。その後、図示しないレリーズボタンが押されると、撮像素子1505から出力される撮像信号を用いて測距演算を行い、測距結果に基づいて被写体までの距離の演算を制御部1509で行う。その後、レンズ駆動回路1502によりレンズ部1501を駆動して合焦状態か否かを判定し、合焦状態でない場合は、再びレンズ部1501を駆動し測距を行う。測距演算は、撮像素子1505からの撮像信号以外にも、図示しない測距専用回路で行ってもよい。測光回路1513は被写体の輝度を測定し、制御部1509は、測光結果を受けて適正露出になるように不図示の絞りを制御する。
【0063】
そして、合焦が確認されると撮影動作を開始する。撮影動作が終了すると、撮像素子1505から出力された撮像信号は信号処理回路1506で画像処理が施され、制御部1509によりメモリ部1508に書き込まれる。信号処理回路1506では、並べ替え処理や加算処理、それらの選択処理が行われる。メモリ部1508に蓄積されたデータは、制御部1509により記録媒体制御I/F部1510を介して記録媒体1511に記録される。また、外部I/F部1512から直接コンピュータ等に入力して画像の加工を行ってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、
複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、
前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、
前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一としたことを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記加算読み出し領域から信号を出力する第1の出力手段と、前記独立読み出し領域から信号を出力する第2の出力手段と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記独立読み出し領域の光電変換領域の信号を加算する第2の加算手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記独立読み出し領域の光電変換領域の信号を用いて位相差検出演算を行う位相差検出手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記第2の加算手段によって加算された信号と前記加算手段によって加算された信号を画素の配列に整列させる整列手段を更に有することを特徴とする請求項3に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記独立読み出し領域の水平方向の画素数がシリアルインタフェース又はパルスによって選択されることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項7】
マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、
複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、
前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する第1の出力手段と、
前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する第2の出力手段と、有し、
前記複数の画素のうち、前記第1の出力手段と第2の出力手段の双方から信号が出力される独立加算読み出し領域を設定したことを特徴とする撮像素子。
【請求項8】
前記独立加算読み出し領域の水平方向の画素と前記画素ごとに配置された前記光電変換領域の数との乗算数が、全ての前記画素の水平方向の画素数を超えないことを特徴とする請求項7に記載の撮像素子。
【請求項9】
撮影レンズと、
前記撮影レンズを介した光束を受光する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項1】
マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、
複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、
前記複数の画素のうち、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する加算読み出し領域と、前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する独立読み出し領域とを設定し、
前記加算読み出し領域と前記独立読み出し領域の水平方向の画素数を同一としたことを特徴とする撮像素子。
【請求項2】
前記加算読み出し領域から信号を出力する第1の出力手段と、前記独立読み出し領域から信号を出力する第2の出力手段と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記独立読み出し領域の光電変換領域の信号を加算する第2の加算手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記独立読み出し領域の光電変換領域の信号を用いて位相差検出演算を行う位相差検出手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記第2の加算手段によって加算された信号と前記加算手段によって加算された信号を画素の配列に整列させる整列手段を更に有することを特徴とする請求項3に記載の撮像素子。
【請求項6】
前記独立読み出し領域の水平方向の画素数がシリアルインタフェース又はパルスによって選択されることを特徴とする請求項1に記載の撮像素子。
【請求項7】
マイクロレンズを有する画素と、前記画素ごとに配置された複数の光電変換領域と、前記画素ごとに配置された光電変換領域の信号を加算する加算手段と、を有する撮像素子において、
複数の前記画素が水平方向及び垂直方向に2次元的に配置され、
前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算した信号を出力する第1の出力手段と、
前記光電変換領域の信号を前記加算手段によって加算しないで出力する第2の出力手段と、有し、
前記複数の画素のうち、前記第1の出力手段と第2の出力手段の双方から信号が出力される独立加算読み出し領域を設定したことを特徴とする撮像素子。
【請求項8】
前記独立加算読み出し領域の水平方向の画素と前記画素ごとに配置された前記光電変換領域の数との乗算数が、全ての前記画素の水平方向の画素数を超えないことを特徴とする請求項7に記載の撮像素子。
【請求項9】
撮影レンズと、
前記撮影レンズを介した光束を受光する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図11】
【図12】
【図15】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図9】
【図11】
【図12】
【図15】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−110607(P2013−110607A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254457(P2011−254457)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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