説明

撮像装置

【課題】 机等の台上への載置を可能としつつ、透光性の被撮像物の撮像に対応可能な光源を単一の照明機器にて確保する。
【解決手段】 スライドフィルムの撮像の際には、テーブル110の側への照明ユニット保持アーム150の回動操作を経て、照明ユニット130をテーブル110上面に重ねてサブ照明姿勢とする。こうした上で、フィルムステージ200をカメラヘッド120と対向するようテーブル110に載置し、ステージ202の前端がサブ照明姿勢を取った照明ユニット130の筐体上端にステージ202の前端が重なるよう係合させる。この状態で照明ユニット130が光を照射すると、その照射光は、フィルムステージ200のステージ202下方領域に入り込み、開口210を通過してカメラヘッド120に達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルに載置された被撮像物を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の撮像装置では、テーブルに載置された被撮像物をカメラヘッドで撮像するに当たり、光量不足を補うため、テーブル上の被撮像物を照明する照明ユニットを用いる。これらカメラヘッドや照明ユニットを、テーブルに対してそれぞれのアームで保持したり、照明ユニットをカメラヘッドの保持アームに保持することも行われている。こうしたアームによる保持の様子は、例えば次の特許文献1に見られる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−274503号公報
【0004】
ところで、こうした撮像装置では、テーブル上面に載置した被撮像物のみならず、例えば、スライドフィルム等の透光性の被撮像物の撮像も求められる。上記の特許文献で示された撮像装置では、照明ユニットをテーブルの下面側に配置して、テーブル下面側からカメラヘッド側に向けて照明を行うことができるので、透光性の被撮像物の撮像にも対応できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の文献で提案された撮像装置では、照明ユニットをテーブル下面側に回動させる都合上、テーブルを高くする必要があり、机等の台の載置には適さない。台上への載置を図りつつ、スライドフィルム等の透光性の被撮像物の撮像を図るには、こうした被撮像物をテーブル側から照明するバックライトとして機能するテーブル内蔵の照明機器が、テーブル上面を照明する照明機器とは別に必要となる。よって、照明機器が増える分、構成が複雑となるばかりか、照明の切り換え等も必要となり煩雑であった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、机等の台上への載置を可能としつつ、透光性の被撮像物の撮像に対応可能な光源を単一の照明機器にて確保できる撮像装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の撮像装置では、テーブルに載置された被撮像物を撮像するカメラヘッドと、テーブル上の被撮像物を照明する照明ユニットとを備え、この照明ユニットを照明ユニット保持アームにてテーブルに対して保持する。そして、この照明ユニット保持アームにより、照明ユニットは、被撮像物をテーブル上方側から照明するメイン姿勢と、照明ユニットがテーブル上面に近づくサブ姿勢とを取ることができ、この両姿勢において、光を照射する。
【0008】
照明ユニットをテーブル上面に近づくサブ姿勢とした上で、ステージ形成部材をカメラヘッドと対向するようテーブルに載置し、サブ姿勢の照明ユニットにてステージ形成部材の内部に光を照射する。ステージ形成部材は、テーブル上方に被撮像物の載置可能なステージを形成し、このステージに光の透過が可能な透光部を有するので、サブ姿勢の照明ユニットからステージ形成部材内部に照射された光を、透光部をその下方から照らすバックライトに用いることができる。このため、ステージ形成部材の透光部に透光性の被撮像物を載置することで、この透光性被撮像物をその下方から照らし、カメラヘッドで撮像することができる。この結果、本発明の撮像装置によれば、単一の照明ユニットだけで、テーブル上方側からの被撮像物照明と透光性の被撮像物のバックライト照明を両立できる。しかも、照明ユニットを保持する照明ユニット保持アームについては、照明ユニットをテーブルの上方にて上記のメイン姿勢とサブ姿勢に保持すれば足り、照明ユニットをテーブル下方側まで回動させる必要がない。よって、本発明の撮像装置は、机等の台上への載置が可能となる。
【0009】
以上説明した本発明の撮像装置では、種々の態様を採ることができる。例えば、ステージ形成部材の内壁を光の散乱が可能なものとし、照明ユニットについては、その照射窓からの光(照射光)を透光部からカメラヘッド側に向かうようにすることができる。こうすれば、ステージ形成部材の透光部の下方領域における光量を確保しつつ、ステージの透光部に載置された被撮像物をその下方から照明してカメラヘッドに達する光量をも確保できる。よって、透光性の被撮像物の撮像画像を十分な光量で得ることができる。
【0010】
また、ステージ形成部材をサブ姿勢の照明ユニットに係合させて透光部の下方領域を照明ユニットと共に囲み込むようにすれば、照明ユニットの照射光を透光性の被撮像物の撮像により有効に用いることができる。
【0011】
本発明は、撮像装置にてスライドフィルムを撮像する際のスライドフィルム撮像ステージとしても適用できる。つまり、このスライドフィルム撮像ステージは、
前記カメラヘッドと対向するよう前記テーブルに載置され、テーブル上方に被撮像物の載置可能なステージを形成する本体と、
前記ステージに形成され、スライドフィルムの載置が可能な凹所と、
該凹所に形成され、前記スライドフィルムの少なくともフィルム領域を露出させる凹所開口と、
前記本体の側面に形成され、前記本体内部に光を導くための側方開口とを備え、
前記本体は、
前記テーブルの上面に近づいて光を照射する前記照明ユニットに係合して、前記凹所開口の下方領域を前記照明ユニットと共に囲み込み、前記照明ユニットの照射光を前記側方開口から前記本体内部に入り込ませる。
【0012】
こうした構成を有するスライドフィルム撮像ステージを撮像装置のテーブルにカメラヘッドと対向するよう載置すれば、スライドフィルム撮像が即座に可能となる。
【0013】
このステージの凹所における開口の両側に、この凹所よりも深い陥没部を凹所に連続して形成することもできる。こうすれば、この陥没部に指先を入れることで凹所にセット済みのスライドフィルムを指先で摘むことができるので、スライドフィルム着脱が簡便となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、その実施例を図面に基づき説明する。図1は実施例の撮像装置100の斜視図、図2はこの撮像装置100の右側面図、図3は撮像装置100の背面斜視図である。
【0015】
図示するように、撮像装置100は、被撮像物が載置されるテーブル110と、このテーブル110上の図示しない被撮像物を撮像するカメラヘッド120と、テーブル110上の被撮像物を照明する照明ユニット130とを備える。テーブル110は、前方側が丸みを帯びた方形の平板状をなし、前方側上面に、スイッチ群112を備え、右後方側壁には、メモリカード装着機構113とUSB( Universal Serial Bus )端子114と有する。このスイッチ群112は、ズーム、オートフォーカス、アイリス、ホワイトバランス等の設定のためのスイッチの他、本装置の機能設定・メモリ書き込み等ためのスイッチを含むが、本発明の要旨と直接関係しないので、その説明は省略する。
【0016】
また、テーブル110は、図3に示すように、テーブル周囲側壁のうち、その後端側に、テーブル上面を切り欠く凹所115を備え、この凹所115をカバー117で覆う。カバー117は、フラップ状に開閉され、図3に示す閉鎖状態では、テーブル110のテーブル上面と実質的に面一となり、カバー部分の表面を、テーブル上面に連続した面とする。カバー117で覆われた凹所115は、外部装置と接続するためのコネクタ端子の配設箇所とされている。
【0017】
カメラヘッド120は、テーブル110に対してカメラ保持アーム140で保持される。このカメラ保持アーム140は、テーブル側アーム142とカメラ側アーム144を備え、テーブル側アーム142の基部143でテーブル110に回動自在に保持される。カメラ側アーム144は、カメラヘッド120と連結固定され、テーブル側アーム142との連結部でそれぞれ回動自在とされている。よって、カメラヘッド120は、カメラ側アーム144と一体となってテーブル側アーム142の先端で回動可能である。
【0018】
照明ユニット130は、テーブル110に対して照明ユニット保持アーム150で保持される。この照明ユニット保持アーム150は、その基部152でテーブル110に回動自在に保持され、その先端側では、照明ユニット130を回動自在に保持する。
【0019】
カメラ保持アーム140と照明ユニット保持アーム150は、テーブル110の左奥コーナーの隆起部118において回動自在に同軸に軸支され、テーブル110に対する傾斜の程度が変わるよう、テーブル110に対して同軸に回動する。撮像装置100は、このように回動自在に軸支されたアームを有することから、アームの回動に伴い、種々の形態を取り得る。図4は照明ユニット保持アーム150をテーブル側まで回動させてスライドフィルム撮像に備えた状態の撮像装置100を示す斜視図、図5はスライドフィルム撮像に備えた状態の撮像装置100を後方から見た斜視図、図6はフィルムステージ200を併用してスライドフィルム撮像する際の撮像装置100を示す斜視図、図7はフィルムステージ200を併用してスライドフィルム撮像する際の撮像装置100を示す右側面図である。
【0020】
上記した両アームの軸支の様子や照明ユニット130の軸支の様子から、図2に示すように、カメラ保持アーム140は、図中の矢印Xkaに示すように、テーブル110に対して傾斜程度が変わるよう回動し、この図2や図1、図3に示す状態から、カメラヘッド120をテーブル110の上面に近づける状態まで回動可能である。カメラヘッド120は、テーブル110に載置された被撮像物の撮像時において、図1ないし図3に示す姿勢(撮像姿勢)を取り、上記の被撮像物をテーブル上方側から撮像する。なお、カメラヘッド120がこの撮像姿勢を取るとき、カメラ保持アーム140は、その回動が規制され、テーブル110に対して最も大きな傾斜(最大傾斜)となってその姿勢を保持する。
【0021】
照明ユニット保持アーム150は、図中の矢印Xsaに示すように、テーブル110に対して傾斜程度が変わるよう回動し、この図2に示す状態から、図4〜図7に示すように、照明ユニット130がテーブル110の上面に重なる状態まで回動可能である。また、照明ユニット保持アーム150は、照明ユニット130が図2に示す位置より後方の位置となるまで回動可能である。照明ユニット130は、照明ユニット保持アーム150との連結部において図中の矢印Xshに示すように回動する。
【0022】
テーブル110に載置された被撮像物の撮像時には、照明ユニット保持アーム150はカメラ保持アーム140より後方側に位置し、照明ユニット130は、通常、カメラヘッド120より後方に位置する姿勢(メイン照明姿勢:図1〜図3参照)を取り、テーブル110に載置された被撮像物をテーブル上方側から斜めに照明する。
【0023】
その一方、フィルムステージ200を併用してスライドフィルム撮像する際にあっては、照明ユニット保持アーム150は、既述したようにテーブル110の側に回動され、照明ユニット130は、テーブル110の上面に筐体底面を重ねた姿勢(サブ照明姿勢:図4〜図7参照)を取る。そして、照明ユニット130は、このサブ照明姿勢で、傾斜配置された窓132から光をテーブル110の上面において照射する。
【0024】
こうした照明姿勢を取る撮像装置100とスライドフィルム撮像のために併用されるフィルムステージ200について説明する。図8はフィルムステージ200の斜視図、図9はフィルムステージ200の平面図、図10は図9の10−10線断面図、図11はフィルムステージ200の正面図、図12はフィルムステージ200の右側面図、図13はフィルムステージ200の底面図である。
【0025】
これら図面に示すように、フィルムステージ200は、その上面に平板上のステージ202を備え、このステージ202を左右の脚204で支える。左右の脚204は、ステージ202の一方端側(後端側)に位置し、図13に示すように、脚下面には、ゴム等のシートからなるクッション205を有する。このクッション205は、図面においては脚204の下面とほぼ面一とされているが、実際は脚下端から僅かに突出しており、フィルムステージ200を撮像装置100のテーブル110に載置したときの滑り止めとして機能する。
【0026】
フィルムステージ200は、樹脂の一体成型品であり、その色を例えば乳白色等とすることで、脚204、後端平板206および側方平板207それぞれの内壁面で、光を散乱させる。
【0027】
フィルムステージ200は、左右の脚204の間をステージ後端側で後端平板206で繋ぎ、ステージ左右端部においては、脚下端の前方からステージ202にかけて側方平板207を有する。よって、フィルムステージ200は、ステージ202の前端側を除いてステージ周囲を側方平板207、脚204および後端平板206で取り囲み、ステージ202の前端側を開口させている。
【0028】
側方平板207は、その縁部を傾斜させており、この傾斜程度は、照明ユニット130が有する窓132の設置個所の傾斜に合わせてある。つまり、図6や図7に示すようにフィルムステージ200をテーブル110に載置して、ステージ202前端を照明ユニット130の筐体上端に重ねて係合させると、フィルムステージ200は、側方平板207の傾斜縁部を窓132の周囲の傾斜板に対向させる。そして、フィルムステージ200を照明ユニット130に近づけると、ステージ202前端と照明ユニット130の筐体上端の重なり部分が増え、側方平板207の傾斜縁部は窓132の周囲の傾斜板に近づくことになる。このため、フィルムステージ200は、照明ユニット130と上記のように係合することで、側方平板207、脚204および後端平板206にて、窓132の回りを取り囲むことになる。
【0029】
フィルムステージ200は、ステージ202に、開口210を脚間に位置するようにして備え、当該開口を取り囲む領域を周囲凹所212とする。また、フィルムステージ200は、開口210の上下を、周囲凹所212よりも深く陥没し周囲凹所212に連続する陥没部214とする。周囲凹所212は、ほぼ正方形で陥没し、その大きさは、図示しないスライドフィルムの枠外形より大きくされている。開口210は、このスライドフィルムの枠内のフィルム領域とほぼ同じ大きさとされている。よって、開口210は、周囲凹所212に入り込んだスライドフィルムのフィルム領域を露出させ、ステージ202の下方からフィルムを通過する光の経路を形成する。陥没部214は、周囲凹所212より深く陥没していることから、周囲凹所212へのスライドフィルム着脱に際して、陥没部214に親指・人差し指を入れれば、周囲凹所212のスライドフィルムを容易に摘むことができるので、スライドフィルム着脱が簡便である。なお、陥没部214は、図における開口210の左右に位置してもよい。
【0030】
次に、上記したフィルムステージ200を併用して行うスライドフィルム撮像について説明する。まず、撮像装置100の側において、既述したように、テーブル110の側への照明ユニット保持アーム150の回動操作を経て、図4や図5に示すように、照明ユニット130をテーブル110上面に重ねてサブ照明姿勢とする。次に、フィルムステージ200をカメラヘッド120と対向するようテーブル110に載置し、ステージ202の前端がサブ照明姿勢を取った照明ユニット130の筐体上端にステージ202の前端が重なるよう係合させる。こうすると、図6や図7に示すように、フィルムステージ200は、側方平板207の傾斜縁部を窓132の周囲の傾斜板に対向させて、側方平板207、脚204および後端平板206にて、窓132の回りを取り囲む。
【0031】
この状態で照明ユニット130が光を照射すると、その照射光は、窓132からフィルムステージ200のステージ202下方領域に入り込み、開口210を通過してカメラヘッド120に達する。このため、本実施例の撮像装置100では、照明ユニット130の照射光を、ステージ202(詳しくは、周囲凹所212)にセットされたスライドフィルムのバックライトとできるので、当該スライドフィルムをその下方から照らしてカメラヘッド120で撮像することができる。つまり、こうしたスライドフィルム撮像に際して、本実施例では、単一の照明ユニット130だけで光源を得ることができる。
【0032】
この結果、本実施例の撮像装置100によれば、照明ユニット130の姿勢変更により、テーブル上方側からの被撮像物照明とスライドフィルムのバックライト照明を両立できる。しかも、照明ユニット130を保持する照明ユニット保持アーム150については、照明ユニット130をテーブル110の上方側において、上記のメイン照明姿勢とサブ照明姿勢に保持すれば足り、照明ユニット130をテーブル下方側まで回動させる必要がない。よって、本実施例によれば、撮像装置100を机等の台上への載置可能な形態、具体的には台上設置に適した平板状のテーブル形状と、このテーブルへのアームの回動保持とすることができる。
【0033】
フィルムステージ200をテーブル110に載置する際、上記したように照明ユニット130と係合させれば、フィルムステージ200にセット済みのスライドフィルムをカメラヘッド120の撮像範囲にほぼ置くことができる。本実施例では、フィルムステージ200を、照明ユニット130の筐体上端との重なりに余裕があるので、図6においてフィルムステージ200をテーブル前後方向に移動できる。しかも、このフィルムステージ200を、照明ユニット130と重ねたままテーブル左右方向にも移動できる。よって、スライドフィルムを撮像しつつ、その画像を外部のモニタ等で見ながら、カメラヘッド120に対するスライドフィルム位置、即ち、カメラヘッド120に対するフィルムステージ200の位置を調整できる。
【0034】
また、本実施例では、フィルムステージ200を樹脂成型品としつつ脚204、後端平板206および側方平板207の側壁(内壁)を光の散乱が可能なものとした。更には、照明ユニット130の窓132を傾斜面に設置したので、この窓132からの照射光が開口210(詳しくは、開口210におけるスライドフィルムのフィルム領域)を通過してカメラヘッド120に達するようにもした。よって、フィルムステージ200のステージ202下方領域における光量を確保しつつ、開口210にセット済みのスライドフィルムをその下方から照明してカメラヘッド120に達する光量をも確保できる。このため、スライドフィルムの撮像画像を十分な光量で得ることができる。
【0035】
また、フィルムステージ200は、照明ユニット130の筐体上端にステージ202前端を重ねて当該照明ユニットに係合し、開口210の下方領域を照明ユニット130と共に囲み込む。よって、照明ユニット130の窓132からフィルムステージ200の内部に照射された光を、開口210におけるスライドフィルム撮像により有効に用いることができる。
【0036】
次に、変形例について説明する。上記した実施例では、フィルムステージ200をスライドフィルム撮像に適した構成としたが、スライドフィルム以外の透光性の被撮像物、例えば透明シート等の撮像であれば、次のように変形すればよい。図14は変形例のフィルムステージ200Aの斜視図である。
【0037】
この変形例のフィルムステージ200Aは、ステージ202に開口210や周囲凹所212等を備えず、ステージ202を平板状とする。その一方、このフィルムステージ200Aは、透明の樹脂にて形成され、ステージ202についても透明とする。他の脚204、後端平板206および側方平板207については、その内壁面に、散乱シートを有する。この変形例のフィルムステージ200Aによれば、スライドフィルムに限らず、透明シート等の他の透光性の被撮像物撮像についても、単一の照明ユニット130の照射光を用いて、その撮像を行うことができる。
【0038】
本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様で実施可能である。例えば、テーブル110の側壁部にフィルムステージ200が着脱できるような凹所を設け、このフィルムステージ200でテーブル110のテーブルの一部を形成するようにもできる。こうすれば、テーブル110に載置された被撮像物の撮像の際には、凹所に装着したフィルムステージ200をテーブル110の一部として撮像できるほか、スライドフィルムの撮像時には、凹所から取り外したフィルムステージ200をテーブル110に載置すればよい。こうすれば、フィルムステージ200の保管・管理が簡便となる。
【0039】
また、照明ユニット130を保持する照明ユニット保持アーム150については、照明ユニット130を回動自在に保持するものとしたが、次のように構成することもできる。例えば、照明ユニット保持アーム150を、照明ユニット130の高さを調整できるよう伸縮するよう構成し、アーム伸張時には、照明ユニット130をテーブル上方からのメイン照明姿勢とし、アーム収縮時には、照明ユニット130をテーブル上面に近づけたサブ照明姿勢とすることもできる。
【0040】
また、フィルムステージ200については、次のようにすることもできる。図8に示す周囲凹所212を、図における左右方向に延びてステージ202の縁部まで達するような細長の凹所とする。こうすれば、この細長の凹所にネガフィルムスリップを載置できるので、ネガフィルムスリップの各駒のネガ画像をカメラヘッド120で撮像し、ネガポジ反転によりポジ画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例の撮像装置100の斜視図である。
【図2】この撮像装置100の右側面図である。
【図3】撮像装置100の背面斜視図である。
【図4】照明ユニット保持アーム150をテーブル側まで回動させてスライドフィルム撮像に備えた状態の撮像装置100を示す斜視図である。
【図5】スライドフィルム撮像に備えた状態の撮像装置100を後方から見た斜視図である。
【図6】フィルムステージ200を併用してスライドフィルム撮像する際の撮像装置100を示す斜視図である。
【図7】フィルムステージ200を併用してスライドフィルム撮像する際の撮像装置100を示す右側面図である。
【図8】フィルムステージ200の斜視図である。
【図9】フィルムステージ200の平面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】フィルムステージ200の正面図である。
【図12】フィルムステージ200の右側面図である。
【図13】フィルムステージ200の底面図である。
【図14】変形例のフィルムステージ200Aの斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
100...撮像装置
110...テーブル
112...スイッチ群
113...メモリカード装着機構
115...凹所
117...カバー
118...隆起部
120...カメラヘッド
130...照明ユニット
132...窓
140...カメラ保持アーム
142...テーブル側アーム
143...基部
144...カメラ側アーム
150...照明ユニット保持アーム
152...基部
200...フィルムステージ
200A...フィルムステージ
202...ステージ
204...脚
205...クッション
206...後端平板
207...側方平板
210...開口
212...周囲凹所
214...陥没部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルに載置された被撮像物を撮像するカメラヘッドと、前記テーブル上の前記被撮像物を照明する照明ユニットとを有する撮像装置であって、
前記照明ユニットが前記被撮像物をテーブル上方側から照明するメイン姿勢と、前記照明ユニットが前記テーブルの上面に近づくサブ姿勢とを取り得るよう、前記照明ユニットを前記テーブルに対して保持する照明ユニット保持アームと、
前記カメラヘッドと対向するよう前記テーブルに載置され、テーブル上方に被撮像物の載置可能なステージを形成すると共に、該ステージに光の透過が可能な透光部を有するステージ形成部材とを備え、
前記照明ユニットは、
前記サブ姿勢において、前記ステージ形成部材の内部に光を照射する
撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の撮像装置であって、
前記ステージ形成部材は、その内壁で、内部に入り込んだ光を散乱させ、
前記照明ユニットは、前記透光部から前記カメラヘッド側に向けた光の照射が可能となる照射窓を備える
撮像装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の撮像装置であって、
前記ステージ形成部材は、
前記サブ姿勢を取る前記照明ユニットに係合し、前記透光部の下方領域を前記照明ユニットと共に囲み込む
撮像装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれか記載の撮像装置であって、
前記ステージ形成部材は、
前記ステージにスライドフィルムの載置が可能な凹所を有し、
該凹所に、前記スライドフィルムの少なくともフィルム領域を露出させる開口を前記透光部として備える
撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の撮像装置であって、
前記開口の両側に位置するよう前記凹所に連続して形成され、前記凹所よりも深い陥没部を有する
撮像装置。
【請求項6】
テーブルに載置された被撮像物を撮像するカメラヘッドと前記テーブル上の前記被撮像物を照明する照明ユニットを有する撮像装置に用いられるスライドフィルム撮像ステージであって、
前記カメラヘッドと対向するよう前記テーブルに載置され、テーブル上方に被撮像物の載置可能なステージを形成する本体と、
前記ステージに形成され、スライドフィルムの載置が可能な凹所と、
該凹所に形成され、前記スライドフィルムの少なくともフィルム領域を露出させる凹所開口と、
前記本体の側面に形成され、前記本体内部に光を導くための側方開口とを備え、
前記本体は、
前記テーブルの上面に近づいて光を照射する前記照明ユニットに係合して、前記凹所開口の下方領域を前記照明ユニットと共に囲み込み、前記照明ユニットの照射光を前記側方開口から前記本体内部に入り込ませる
スライドフィルム撮像ステージ。
【請求項7】
請求項6記載のスライドフィルム撮像ステージであって、
前記凹所開口の両側に位置するよう前記凹所に連続して形成され、前記凹所よりも深い陥没部を有する
スライドフィルム撮像ステージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−148824(P2006−148824A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339701(P2004−339701)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000000424)株式会社エルモ社 (104)
【Fターム(参考)】