説明

改善された耐衝撃性を有するエポキシ組成物

A)少なくとも1つのエポキシ樹脂、B)コア−シェル構造を有するゴム粒子、C)少なくとも1つの補助衝撃改良/強化剤及びD)少なくとも1つの熱活性化潜在硬化剤を含む組成物。基体又は担体に塗布し、熱硬化する場合、接着剤は、広範な種々の適用において有用な、改善された低温での衝撃靭性及び/又は耐衝撃性、改善された剥離強度の保持を有する製品をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤として有用な組成物に関し、より詳細には、改善された耐衝撃性及び/又は油性の金属基体への接着性が良好なエポキシ系接着剤組成物の処方に関する。
【背景技術】
【0002】
複合構造の接着、充填及び製造において有用な、膨張、耐衝撃性及び他の鍵となる特性を改善することを目的として、多岐にわたるエポキシ系組成物、他の樹脂及び添加物の製造、使用に関する先行技術において、多数の組成物及び製剤が記載されている。例えば、粘着組成物の製造のための成分及び互いに種々の基体を接着し、構造的な補強を与えるためのそのような組成物の使用を記載した特許として、米国特許第5290857号、第5686509号、第5334654号、第6015865号、第5278257号、第6884854号及び第6776869号ならびに米国特許出願第2005−0022929号が挙げられる。しかし、高衝撃性エポキシ系接着剤の製造に関して、油性の金属表面に対する剥離強度の維持、低温で耐性剥離特性が低い、粘着力が弱いという重要な問題が残存する。
【発明の要旨】
【0003】
我々は予想外に改善された接着製剤が、コア−シェル構造のゴム粒子と、少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤(例えば、アミン終端ポリエーテルとエポキシ樹脂とを反応させることによって得られるエポキシ系プレポリマー)、さらなるエポキシ樹脂、熱によって活性化させることができる潜硬化剤及び、任意に、フィラー(特に、板状フィラー及び/又は中空ガラスマイクロスフェア)、チキソトロピー剤、着色剤、膨張剤(発泡剤)又は公知の他のタイプの補助剤とを混合することによって製造することができることを見出した。基体又は担体に塗布し、熱硬化する場合、接着剤は、広範な種々の適用において有用な、改善された低温での衝撃靭性及び/又は耐衝撃性、改善された剥離強度の保持を有する製品をもたらす。本発明の一実施形態では、エポキシ樹脂とキレート機能を有する化合物との反応生成物をさらに含むことによって、油性基体への硬化した接着剤の接着性が増強される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
エポキシ樹脂
一般に、1分子に少なくとも約2の1,2−エポキシ基があるポリエポキシドの多くが、本発明の組成物のためのエポキシ樹脂として適している。ポリエポキシドは、飽和、不飽和、環式又は非環式、脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式ポリエポキシド化合物であってもよい。適当なポリエポキシドとしては、ポリグリシジルエーテルを含み、それは、アルカリの存在下、エピクロロヒドリン又はエピブロモヒドリンとポリフェノールとの反応によって製造される。従って、適当なポリフェノールは、例えば、レゾルシノール、ピロカテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA(ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタン及び1,5−ヒドロキシナフタレンである。ポリグリシジルエーテルのベースとしての他の適当なポリフェノールは、フェノールとホルムアルデヒド又はノボラック樹脂系のアセトアルデヒドとの縮合生成物が知られている。
【0005】
基本的に適当である他のポリエポキシドは、多価アルコールまたはジアミンのポリグリシジルエーテルである。そのようなポリグリシジルエーテルは、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール又はトリメチロールプロパン)から誘導される。
【0006】
他のポリエポキシドは、ポリカルボン酸のポリグリシジルエーテルであり、例えば、グリシドール又はエピクロロヒドリンと脂肪族又は芳香族ポリカルボン酸(シュウ酸、琥珀酸、グルタル酸、テレフタル酸又は脂肪酸の二量体等)との反応生成物が挙げられる。
【0007】
他のエポキシドは、オレフィン系不飽和脂環式化合物のエポキシド化生成物又は天然油脂から誘導される。
【0008】
特に、ビスフェノールA又はビスフェノールFとエピクロロヒドリンとの反応によって誘導される液状エポキシ樹脂が好ましい。一般に、室温の液体であるエポキシ樹脂は、150〜約480のエポキシ当量を有する。
【0009】
また、室温で固体のエポキシ樹脂を、あるいはもうひとつの選択肢として用いてもよく、同様にポリフェノールとエピクロロヒドリンとから得られ、特に、45〜130℃、好ましくは50〜80℃の融点を有するビスフェノールA又はビスフェノールFに基づくものが好ましい。それらは、その高分子量によって実質的に液状エポキシ樹脂とは異なり、その結果、室温で固体になる。固体状のエポキシ樹脂は、一般に400以下のエポキシ当量を有する。
【0010】
一般に、組成物は、約25〜約55重量%(一実施形態では、約30〜約50重量%)のエポキシ樹脂を含有していてもよい(特に断りのない限り、ここでの全ての濃度は、全接着剤組成物に対する問題の成分の重量%に換算して表す)。
【0011】
コア−シェル構造のゴム粒子
コア−シェル構造を有するゴム粒子は、本発明の組成物のさらなる成分である。そのような粒子は、一般に、非エラストマーのポリマー材料(つまり、ガラスの転移温度が周囲温度より高い(例えば、約50℃より高い)熱可塑性または熱硬化性/架橋ポリマー)からなるシェルで囲まれた、エラストマー又はゴム様の特性(つまり、約0度未満、例えば、−30℃未満のガラスの転移温度)を有するポリマー材料からなるコアを有する。例えば、コアは、ジエン系のホモポリマーまたはコポリマー(例えば、ブタジエンまたはイソプレンのホモポリマー、ビニル系芳香族モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリレート等の1以上のエチレン系不飽和モノマーを有するブタジエンまたはイソプレンのコポリマー)からなり、一方、シェルは、十分に高ガラス転移温度を有する1以上のモノマー((メタ)アクリレート(例えば、メチルメタクリレート)、ビニル系芳香族モノマー(例えば、スチレン)、ビニルシアニド(例えば、アクリロニトリル)、不飽和酸及び蒸す異物(アクリル酸)、(メタアクリルアミド等)のポリマー又はコポリマーからなっていてもよい。
【0012】
シェルで用いられるポリマーまたはコポリマーは、金属カルボキシレート構造によって(例えば、二価金属陽イオンの塩類を形成することによって)、イオンを含んで架橋される酸基を有していてもよい。また、シェルのポリマーまたはコポリマーは、1分子につき2以上の二重結合を有するモノマーを用いることにより、共有結合して架橋されてもよい。さらに、ポリブチルアクリレートまたはポリシロキサンエラストマー(例えば、ポリジメチルシロキサン、特に、架橋ポリジメチルシロキサン)を含む他のゴム様ポリマーを、適宜コアとして用いることもできる。ゴム粒子は、2以上の層(例えば、1つのゴム様材料の中心コアが異なるゴム様材料の第2コアによって囲まれていてもよく、または、ゴム様コアが異なる組成の2つのシェルによって囲まれていてもよく、あるいは、ゴム粒子が、ソフトコア、ハードシェル、ソフトシェル、ハードシェル構造を有していてもよい)から構成されていてもよい。
【0013】
本発明の一実施形態では、用いられるゴム粒子は、コアと、異なる化学組成及び/又は特性を有する少なくとも2つの同心シェルとから構成される。例えば、米国特許第5686509号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているように、コア又はシェルのいずれか、あるいはコアとシェルとの双方が、架橋(例えば、イオンを含んで又は共有結合により)されていてもよい。シェルは、コアにグラフト化されていてもよい。シェルを構成するポリマーは、本発明の組成物の他の成分と相互に作用することができる1以上の異なる種類の官能基(例えば、エポキシ基、カルボン酸基)を有していてもよい。しかし、他の実施形態では、シェルは、組成物に存在する他の成分と反応することができる官能基を含まない。
【0014】
一般に、コアは、ゴム粒子の約50から約95重量%を含み、シェルは、ゴム粒子の約5から約50重量%を含むであろう。
【0015】
好ましくは、ゴム粒子は、比較的小さいサイズである。例えば、平均粒径が、約0.03から約2ミクロン、または、約0.05から1ミクロンであってもよい。本発明の特定の実施形態では、ゴム粒子は、約500nm未満の平均粒径を有する。他の実施形態では、平均粒径は、約200nm未満である。例えば、コア−シェルゴム粒子は、約25から約200nm又は約50から約150nmの範囲の平均粒径を有することができる。
【0016】
コア−シェル構造を有するゴム粒子を製造する方法は、例えば、米国特許第3985703号、4180529号、4315085号、4419496号、4778851号、5223586号、5290857号、5534594号、5686509号、5789482号、5981659号、6111015号、6147142号、6180693号、6331580号及び米国公開公報第2005−124761号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載され、当該分野でよく知られている。また、コア−シェル構造を有するゴム粒子は、いくつかの商業的供給者から入手可能である。以下のコア−シェルゴムは、本発明における使用に適している。例えば、コア−シェル粒子:GENIOPERL P22、P23、P52及びP53を含む商品名GENIOPERL(Wacker Chemie社製)で入手可能な粉末形態(供給者によって、架橋ポリシロキサンコア、エポキシ官能化ポリメチルメタクリレートシェルを有し、ポリシロキサン含量約65重量%、DSC/DMTAによって測定された軟化点が約120℃、一次粒径約100nmであると説明されている)、コア−シェルゴム粒子:商品名PARALOID、特にPARALOID EXL 2600/3600シリーズの製品(Rohm & Haas社製)で入手可能(スチレン/メチルメタクリレートコポリマーがグラフト化されたポリブタジエンを含むグラフト化ポリマー、平均粒径が約0.1から約0.3ミクロン)、コア−シェルゴム粒子:商品名DEGALAN(Roehm GmbH又はRoehm America,Inc社製)、(例えば、DEGALAN 4899F、約95℃のガラス転移温度を有すると報告されている)、コア−シェルゴム粒子:商品名F351(日本ゼオン社製)及びコア−シェルゴム粒子:商品名BLENDEX(General Electric社製)。
【0017】
コア−シェル構造を有するゴム粒子は、ゴム粒子が、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルのような1以上のエポキシ樹脂中に分散されたマスターバッチとして製造することができる。例えば、一般的なゴム粒子は、水性分散剤又はエマルジョンとして製造される。そのような分散剤またはエマルジョンは、所望のエポキシ樹脂またはエポキシ樹脂と水と蒸留等によって除去される他の揮発性の物質との混合物と組み合わせてもよい。そのようなマスターバッチを製造する1つの方法は、欧州特許出願第1632533号でより詳細に記載されている(全趣旨を参照することによりここに取り込む)。例えば、ゴム粒子の水性ラテックスは、水中で部分的な可溶性を有する有機媒体と接触させ、次いで、水中で、第1の有機媒体よりも低い部分的な可溶性を有する他の有機媒体と接触させて水を分離し、第2の有機媒体中でゴム粒子の分散液を与える。この分散液を、次いで、所望のエポキシ樹脂と蒸留等により除去される揮発性物質に混合し、マスターバッチを提供する。エポキシ樹脂マトリクスに適当に分散したコア−シェル構造を有するゴム粒子マスターバッチを製造する他の方法は、米国特許第4778851及び第6111015号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されている。ゴム粒子は、エポキシ樹脂マトリクスに基材で安定して分散している、つまり、マスターバッチは、室温での放置によってエージングされるため、コア−シェルゴム粒子が、マスターバッチから粒子の沈殿(沈降)又は粒子の凝集がほとんど又は全くない個々に分離された粒子として存在することが好ましい。他の実施形態では、シェルは、官能化されていない(つまり、接着組成物が硬化した場合、その組成物の他のいずれの成分(例えば、エポキシ樹脂又は硬化剤等)と反応するいずれkの官能基も含んでいない)が、ゴム粒子のシェルは、マスターバッチの安定性を改善するために、有利に官能化されていてもよい。
【0018】
特に、エポキシ樹脂マトリクスにおけるコア−シェル構造を有するゴム粒子の適当な分散液は、カネカ社から入手可能である。
【0019】
例えば、コアは、主に、ブタジエン、(メタ)アクリレート、アクリロニトリルのようなエチレン系不飽和ニトリル及び/又は重合又は共重合した場合、より低いガラス転移温度を有するポリマー又はコポリマーを生成する他のいずれかのモノマーの原料から形成することができる。外側のシェルは、メチルメタクリレートのような(メタ)アクリレート、スチレンのようなビニル系芳香族モノマー及び/又は塩化ビニルのようなエチレン系不飽和ハロカーボン及び/又は重合又は共重合した場合、より高いガラス転移温度を有するポリマー又はコポリマーを生成する他のいずれかのモノマーの原料から形成することができる。
【0020】
コア−シェルゴムは、0.07から10ミクロン(例えば、0.1から5ミクロン、0.1から10ミクロン又は0.2から2ミクロン等)の範囲の平均粒径を有していてもよい。
【0021】
このように作られるコア−シェルゴムは、エポキシマトリックスまたはフェノールマトリックス中に分散してもよい。エポキシマトリクスとして、ビスフェノールA、F又はSあるいはビスフェノールのジグリシジルエーテル、ノボラックエポキシド及び脂環式エポキシが挙げられる。フェノール樹脂として、ビスフェノールA系フェノキシドが挙げられる。
【0022】
ゴム粒子のコアを構成するポリマーは、ジエンモノマー(共役ジエンモノマー)及び(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーの50重量%以上(重合された形で)と、他の共重合性ビニルモノマーの50重量%未満からなる弾性材料であることが好ましい。本発明では、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
【0023】
適当な共役ジエンモノマーとして、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられ、なかでも、ブタジエンが特に好ましい。(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられ、なかでも、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
共役ジエンモノマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーの総量は、コアポリマーを構成するために用いられるモノマーの総重量に対して、50重量%以上が好ましく、より好ましくは、60重量%以上である。
【0025】
コアポリマーは、共役ジエンモノマー及び/又は(メタ)アクリレートのみならず、それらと共重合可能な1以上のビニルモノマーを含んでいてもよい。共役ジエンモノマー又は(メタ)アクリレートモノマーとの共重合可能なモノマーとしては、限定されないが、芳香族ビニルモノマー及びビニルシアンニドモノマーからなる群から選択されるモノマーが挙げられる。適当な芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン及びビニルナフタレンが挙げられ、適当なビニルシアンニドモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル及び他の置換アクリロニトリルが挙げられる。これらは、単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0026】
これらの共重合可能なビニルモノマーの量は、コアポリマーを構成するために用いられるモノマーの総重量に対して、50重量%未満が好ましく、より好ましくは、40重量%未満である。
【0027】
架橋の程度を調節するために、多官能モノマーを、コアコポリマーの合成における成分として含有してもよい。多官能モノマーとしては、2以上の炭素−炭素二重結合を有する化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリアリル(イソ)シアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフタレート等が挙げられる。用いられる多官能モノマーの量は、通常、コアポリマーを製造するために用いられるモノマーの総重量に対して、10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0028】
コアポリマーの分子量又はコアポリマーの架橋の程度を調整するために、連鎖移動剤を用いてもよい。例えば、炭素数5から20のアルキルメルカプタンをこの目的のために用いることができる。連鎖移動剤の量は、通常、コアポリマー用モノマーの総重量に対して、5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
【0029】
上述したように、ポリシロキサンゴムは、単独で又は他のコアポリマーと組み合わせて、コア−シェルゴム粒子におけるコアポリマーとして使用することができる。ポリシロキサンとしては、例えば、ジメチルシリルオキシ、メチルフェニルシリルオキシ及びジフェニルシリルオキシ等のジアルキル又はアリール置換シリルオキシ単位が挙げられる。重合中にポリシロキサンと部分的に組み合わせて多官能アルコキシシラン化合物を用いることによって又はそれに導入されたビニル反応基を有するシラン化合物とラジカル反応させることによって、あるいは、必要ならば、他の方法を用いて、ポリシロキサンに架橋構造を導入することが好ましいかもしれない。
【0030】
シェル層として用いられるポリマー組成物は、結果として得られるゴム様コア−シェル粒子をエポキシ樹脂において一次粒子の形態で安定して分散させることができるように、エポキシ樹脂に対して十分な親和性を有することが好ましい。
【0031】
シェル層を構成するポリマーは、ゴム粒子コアを構成するポリマーにグラフト重合されているか、実質的に結合していることが好ましい。シェル層を構成するポリマーの重量に対して、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上が、コア粒子を構成するポリマーに共有結合している。
【0032】
シェル層ポリマーは、エポキシ樹脂又は硬化剤と反応性のモノマー由来の部位又はユニットを含有することが好ましい。シェル層ポリマーに含有される反応性モノマーの官能基は、本発明の接着組成物中に存在するエポキシ樹脂又は硬化剤と化学的に反応し得るものであることが好ましい。
【0033】
シェル層を構成するポリマーは、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル化合物及びビニルシアニド化合物から選択される少なくとも1つの成分の共重合によって得られるポリマー又はコポリマーであることが好ましい。特に、シェル層が接着組成物の硬化時に化学的に反応することが好ましい場合、エポキシ基又はエポキシ硬化剤との高い反応性の観点から、シェル層を構成するポリマーが、アルキル(メタ)アクリレート、芳香族ビニル化合物及び/又はビニルシアニド化合物に加えて、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキル(メタ)アクリレート、エポキシアルキル(メタ)アクリレートのような反応基を有する(メタ)アクリレート、エポキシアルキルビニルエーテル、不飽和酸誘導体、(メタ)アクリルアミド誘導体及びマレイミド誘導体からなる群から選択される少なくとも1つのモノマーを含むことが好ましい。
【0034】
適切なアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。ビニルシアニドとしては、(メタ)アクリルニトリル等が挙げられる。
【0035】
反応基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。エポキシアルキルビニルエーテルとしては、グリシジルビニルエーテルが挙げられる。不飽和酸誘導体としては、α、β−不飽和酸、α、β−不飽和酸無水物、(メタ)アクリル酸、イタコン酸及びクロトン酸が挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体としては、(メタ)アクリルアミド(それらのN−置換誘導体を含む)が挙げられる。適切なマレイミド誘導体としては、マレイン酸イミドが挙げられる。これらは単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0036】
ゴム粒子におけるコア層とシェル層との重量比は、好ましくは50:50から95:5、より好ましくは60:40から90:10である。
【0037】
コア−シェル構造を有するゴム粒子は、乳化重合、懸濁重合、マイクロ懸濁重合等の当該分野で公知の方法によって製造することができる。特に、乳化重合法が好ましい。
【0038】
コア−シェル粒子がエポキシ樹脂中のマスターバッチの形態における接着組成物に導入される場合、本発明の一実施形態では、ゴム粒子の濃度は特に限定されない。マスターバッチを形成するために用いられるエポキシ樹脂は、組成物に別個に導入されるエポキシ樹脂と同じであってもよいし、異なる形態であってもよい。一実施形態では、本発明の粘着組成物のエポキシ樹脂の全ては、コア−シェルゴム粒子と共に、マスターバッチの形態で導入される。マスターバッチ中のエポキシ樹脂とゴム粒子との総量が100重量%であるとすると、コア−シェル粒子の含量は、例えば、0.5から80重量%、好ましくは1から70重量%、より好ましくは3から60重量%、さらに好ましくは20から40重量%とすることができる。
【0039】
本発明の製剤において、これらのコア−シェルゴムの使用によって、温度にかかわらず又は製剤を硬化するために用いられる温度にかかわらず、製剤中を強化することを可能にする。つまり、コア−シェル構造によって製剤において本質的に存在する2相分離のために(例えば、製剤において混合できるか、部分的に混合できるか、混合することができなくても、製剤が硬化するために用いられるそれらと異なる温度で固体化することができる液状ゴムと異なって)、製剤における相分離が自然に実質的に均一になることがしばしば観察されるために、マトリクス特性の乱れをできるだけ小さくする。
【0040】
さらに、実質的に均一な分散のため、予測できる強化(硬化に対する温度中立に関して、)を達成することができる。
【0041】
エポキシ樹脂中に分散した相分離粒子の形態で、カネカから入手可能な多くのコア−シェルゴム構造は、(メタ)アクリレート−ブタジエン−スチレンのコポリマー(ブタジエンは、コアにおいてコポリマーの主要な成分である)から形成されたコアを有していると考えられている。エポキシ樹脂中に分散するコア−シェルゴム粒子の他の市販のマスターバッチとしてWacker Chemie GmbH から入手可能なGENIOPERL M23Aが挙げられる(ビスフェノールAジグリシジルエーテルベースの芳香族エポキシ樹脂中の30重量パーセントのコア−シェル粒子の分散液、そのコア−シェル粒子は約100nmの平均粒径を有し、エポキシ官能化アクリレートコポリマーがグラフト化された架橋シリコーンエラストマーコアを含有し、そのシリコーンエラストマーコアは、コア−シェル粒子の約65重量%に相当する)。
【0042】
一般に、粘着組成物は、コア−シェル構造を有するゴム粒子の約5から約25重量%(一実施形態では、約8から約20重量%)含有することができる。異なるコア−シェルゴム粒子の組み合わせを、本発明において有利に用いることができる。コア−シェルゴム粒子は、例えば、粒径、それらの各コア及び/又はシェルのガラス転移温度、それらの各シェルに用いられるポリマー組成、それら各シェルの官能化等において異なっていてもよい。コア−シェル粒子の一部は、粒子がエポキシ樹脂マトリクスにおいて安定に分散したマスターバッチの形態における接着組成物を供給してもよいし、他の一部は、乾燥粉末(つまり、エポキシ樹脂又は他のマトリクス材料なし)の形態の接着組成物を供給してもよい。
【0043】
例えば、接着組成物は、約0.1から約10ミクロン(より好ましくは約0.2から約2ミクロン)の平均粒径を有する乾燥粉末の形態での第1のタイプのコア−シェル粒子及び液状ビスフェノールAジグリシジルエーテルのマトリクス中に、約5から約50重量%の濃度で、約25から約200ミクロンの平均粒径を有して、安定に分散する第2のタイプのコア−シェル粒子との双方を用いて製造されてもよい。第1のタイプ:第2のタイプのコア−シェルゴム粒子は、例えば、約1.5:1から約0.3から1で形成することができる。第1のタイプのコア−シェルゴム粒子として、例えば、商品名F351で、日本ゼオンから販売されているコア−シェルゴムを用いることができ、第2のタイプのコア−シェルゴムとして、例えば、商品名ACE MX120及びACE MX156で、カネカ・コーポレーションから市販されているコア−シェルゴムを用いることができる。
【0044】
一般に、エポキシ樹脂:補助衝撃改良/強化剤(例えば、エポキシ系プレポリマー)とコア−シェル構造を有するゴム粒子との組み合わせ重量は、約0.2:1以上、さらに、約3:1以下(約0.5:1から約2.5:1又は約0.5:1から約2:1又は約0.5:1から約1.5:1)である。
【0045】
補助衝撃改良/強化剤(例えば、エポキシ系プレポリマー):ゴム粒子の重量比は、一般に、約0.2:1以上、さらに、約5:1以下(約0.5:1から約3:1又は約1:1から約3:1又は約0.5:1から約2:1)である。
【0046】
補助衝撃改良/強化剤
エポキシ樹脂と上述したコア−シェルゴム粒子とを含む硬化組成物の衝撃特性は、特に、比較的低い温度で、コア−シェル構造を有さない1以上の補助衝撃改良及び/又は強化剤をそのような組成物に導入することによって、しばしば顕著に改善することができることが予想外にも見出された。そのような改善は、単にコア−シェルゴム粒子の量を増やすことによって又はコア−シェルゴム粒子の組成又は他の特徴を変化させることによっては、一般に現実し得ない。
【0047】
適当な補助衝撃改良/強化剤は、種々の物質から選択することができるが、一般的には、そのような材料は、ポリマー又はオリゴマーの特徴を有し、20℃より低い(より好ましくは0℃又は−30℃又は−50℃の)ガラス転移温度を有し、組成物が熱硬化する際に本発明の組成物の他の成分と反応し得るエポキシ基、カルボン酸基、アミノ基及び/又はヒドロキシ基のような官能基を有する(あるいは、補助衝撃改良/強化剤は、そのような反応官能基がなくてもよいが)。
【0048】
1以上のエポキシ樹脂に、アミン終端ポリエーテル及びアミノシラン終端ポリマーのような1以上のアミン終端ポリマーを反応させることによって得られるエポキシ系プレポリマー(ここで「付加物」と呼ぶことがある)は、補助衝撃改良/強化剤の特に好ましい種類である。そのような目的のために有用なエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA及びビスフェノールF(例えば、約150から約1000のエポキシ当量を有する)のようなポリフェノールのジグリシジルエーテルを与える特定の選択で、上述したエポキシ樹脂の中から選択することができる。固体及び液体エポキシ樹脂の混合物は、適切に使用することができる。
【0049】
そのようなアミン終端ポリエーテルからのエポキシ系ポレポリマーの製造は、例えば、米国特許第5084532号及び6015865号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているように、当該分野でよく知られている。一般に、アミン終端ポリエーテル:エポキシ樹脂の比率を、エポキシ樹脂の官能基が完全に反応するように、アミン基に対してエポキシ基が過剰となるように反応するように(つまり、エポキシ系プレポリマーが実質的に遊離のアミン基を含まないように)調整することが好ましい。
【0050】
ジ及びトリ官能化アミン終端ポリエーテルの混合物を用いてもよい。また、オキシエチレン及びオキシプロピレンの双方の繰り返し単位(例えば、ブロック、キャップ、ランダム構造を有する、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの共重合体)を含むアミン終端ポリエーテルをアミノ終端ポリエーテルとして利用してもよい。アミノ終端ポリエーテルは、1分子につき少なくとも2つのアミン基を含むことが好ましい。アミン基は、1級アミン基であることが好ましい。アミノ終端ポリエーテルは、脂肪族化合物であることが好ましい。
【0051】
エポキシ樹脂をアミン終端ポリエーテルに反応させる際、アミノ基が完全にエポキシ基と反応するように、アミノ基に対してエポキシ基を過剰にすることが好ましい。一般に、アミン終端ポリエーテルの活性水素当量(AHEW)に対して、エポキシ基が1.5〜10倍の過剰、例えば、3.5倍の過剰である。本発明の組成物の製造において、エポキシ系プレポリマー成分は、第1段階で最初に製造される。このために、エポキシ樹脂を、所望の比率でアミン終端ポリエーテルに反応させることが好ましい。その反応は、高温、90℃から130℃、例えば、約120℃で、例えば、3時間の長さで行うことが好ましい。
【0052】
エポキシ系プレポリマーの製造において、例えば、以下の化合物を用いることができる。
1.以下の構造を有する線形アミン終端ポリオキシエチレンエーテルであり、
H2N-(CH2)2-[O-(CH2)2-O-(CH2)2]n-NH2
ここで、nは17から27が好ましい。
2.以下の構造を有する線形アミン終端ポリオキシプロピレン又はその異性体であり、
【0053】
【化1】


ここで、nは5から100が好ましい。これらは、商品名JEFFAMINE(登録商標)(D−シリーズ)で、Huntsman Chemicalから得ることができる。そのようなアミン終端ポリプロピレンエーテルの数平均分子量は、例えば、約300から約5000で変化させることができる。
【0054】
3.以下の構造の三官能化化合物であり、
【0055】
【化2】


ここで、Aは、
【0056】
【化3】


又は
【0057】
【化4】


であり、x、y及びzはそれぞれ独立して1〜40であり、好ましくは、x+y+zが6より小さい。これら三官能化化合物の具体的な実施例は、商品名Jeffamine(登録商標)(Tシリーズ)で、Huntsman Chemicalから市販されている。そのような物質は、約300から約6000の数平均分子量を有している。
【0058】
4.アミノシランキャップポリマーであり、これらとして、
【0059】
【化5】


(ここで、R1、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アリール及びアリールオキシからなる群から選択され、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、アルキル及びアリールから選択され、Xは、ヘテロ原子による介入があるかまたは介入されないアルキレン、アルケニレン、アリーレン;ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリジエン、ポリシロキサン及びポリイミドから選択される。)
を採用することができる。
【0060】
例えば、アミン終端シロキサンとして、
【0061】
【化6】


(ここで、R11及びR12は、同一又は異なって、アルキレン、アリーレン、アルキレンキサイド、アリーレンオキサイド、アルキレンエステル、アリーレンエステル、アルキレンアミド又はアリーレンアミドからなる群から選択され、R9及びR10は、同一又は異なって、アルキル又はアリールから選択され、R7及びR8は上記と同義であり、nは1から1200である)
で表されるジアミノシロキサンを用いることができる。
【0062】
ここで、登録商標KF857、KF858、KF859、KF861、KF864及びKF880でシンエツから入手可能なアミノ改変シリコーン流体を用いることができる。さらに、L650、L651、L653、L654、L655及びL656として登録された(ワッカーシリコーン社製)線形アミノ官能化シリコーン流体、商品名WACKER FINISH WR 1600のアミノ官能化ポリジメチルシロキサンを利用することができる。
【0063】
付加物の形成において有用な他のアミノ官能化シラン又はシロキサンとして、独自開発されたアミノ官能化シラン組成物(DYNASYLAN(登録商標)1126)、オリゴマージアミノシラン系(DYNASYLAN(登録商標)1146)、N−ビニルベンジル−N’−アミノエチル−e−アミノプロピルポリシロキサン(DYNASYLAN(登録商標)1175)、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)1189)、独自開発されたアミノ官能化シラン組成物(DYNASYLAN(登録商標)1204)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)1411)、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)1505)、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)1506)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)AMEO)、独自開発されたアミノシラン組成物(DYNASYLAN(登録商標)AMEO-T)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)AMMO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)DAMO)、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)DAMO-T)及びトリアミノ官能化プロピルトリメトキシシラン(DYNASYLAN(登録商標)TRIAMO)等のDegussa's Sivento divisionから市販された材料が挙げられる。
【0064】
本発明の他の特に好ましい実施形態においては、1以上のポリウレタン(ここで、用語「ポリウレタン」は、ポリウレア、ポリウレア−ウレタン及びポリウレタンとして用いられる)が、補助衝撃改良/強化剤として用いられる。適当なポリウレタンとしては、a)イソシアネート終端ポレポリマーと、b)ヒドロキシル含有エポキシド及び/又は1分子当たり1以上のフェノール、ベンジルアルコール、アミノフェニル又はベンジルアミノ基を含む化合物との反応生成物が挙げられる(米国特許第5,278,257号及び第6,776,869号、米国公開公報第2005−070634号及びカナダ公開公報第2,510,486号及び第2,532,215号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されたものが挙げられる)。
【0065】
特に好ましいポリウレタンとして、以下の構造を有するフェノール終端ポリウレタン、ポリウレア及びポリウレア−ウレタンが挙げられる。
【0066】
【化7】


(ここで、mは1又は2、nは2から6、R1は、終端イソシアネート、アミノ又はヒドロキシ基を除去した後、エラストマープレポリマーのn価の基であり、エポキシド樹脂に可溶又は分散可能である(例えば、ポリプロピレングリコール又はポリテトラヒドロフランジオール等のアミノ、チオール又はヒドロキシ終端ポリオキシアルキレン)、X及びYは、それぞれ独立して、−O−又は−NR−であり、これらの基の少なくとも1つは−NR−であることが必要であり、Rは、フェノール性ヒドロキシル基又はアミノ基又はアミノ基及びフェノール性ヒドロキシル基の双方がそれぞれ除去された後、ポリフェノール又はアミノフェノール基のm+1価の基であり、Rは水素原子、C1から6のアルコキシ又はフェノール基である。)
そのようなポリウレタンは、例えば、米国特許第5,278,257号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されたように、当該分野で公知である。また、そのようなポリウレタンのエポキシ樹脂付加物は、本発明において補助衝撃改良/強化剤として利用することができる。
【0067】
本発明の組成物において補助衝撃改良/強化剤として特に有効であることが見出されたポリウレタンの他のタイプは、以下の構造式で表される。
【0068】
【化8】


(ここで、XはO、S又はNHであり、Yは、アミノ、チオール又はヒドロキシ基が除去された後、反応性ポリマーのn価の基(例えば、ポリプロピレングリコール又はポリテトラヒドロキシフランジオール等のアミノ、チオール又はヒドロキシ終端ポリオキシアルキレン)であり、Yは、イソシアネート基を除去した後、脂肪族、脂環式、芳香族又はアリール脂肪族(araliphatic)ジイソシアネート基あるいはイソシアネート基を除去した後、脂肪族、脂環式、芳香族又はアリール脂肪族ジイソシアネート基のトリマー又はビウレットの3価の基であり、Yは、ヒドロキシド及びエポキシド基を除去した後、1級又は2級ヒドロキシ基を含む脂肪族、脂環式、芳香族又はアリール脂肪族エポキサイドであり、qは1、2又は3であり、mは1又は2であり、nは2、3又は4である。)
そのようなポリウレタンは、例えば、カナダ特許出願第2,510,486号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)において記載されているように、当該分野で公知である。
【0069】
上述したポリウレタン及びアミン終端ポリエーテル又はアミノシラン終端ポリマーとエポキシ樹脂との反応によって誘導されるエポキシ系プレポリマーに加えて又は代替として、エポキシ接着剤の分野で公知の他の強化又は衝撃改良剤を用いることができる。一般に、そのような強化及び衝撃改良剤は、約0℃以下の、好ましくは約−30℃以下の、より好ましくは−50℃以下のガラス転移温度を有することによって特徴づけられる。
【0070】
そのような強化及び衝撃改良剤としては、限定されないが、
ブタジエン(特に、ブタジエンと、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸又はアルキルアクリレート等の比較的極性のコモノマーのエポキシ反応性コポリマー、商品名HYCARのNoveonから市販された製品のような、例えば、カルボキシ終端ブタジエン−ニトリルゴム)とエポキシ樹脂(例えば、米国特許公開公報第2003/0196753号及び米国特許第6776869号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されたような)とのエポキシ反応性コポリマーの反応生成物;
無水物(例えば、マレイン酸無水物のような不飽和無水物)とジエンポリマー(例えば、液状1,4−シスポリブタジエン)の付加物、特に数平均分子量約1000から約5000であり、例えば、Degussa Corporationによって商品名POLYVESTで販売されている付加物;及びそのような付加物とエポキシ樹脂との反応生成物;
【0071】
ポリエステル、例えば、アモルファス、結晶性及び/又は半結晶性ポリエステル等を含み、脂肪族及び/又は芳香族ジカルボン酸(対応アルキルエステル又は無水物)とC2からC20の鎖長を有するジオールとの縮合によって製造された、飽和ポリエステル、そのポリエステルは、商品名DYNACOLLでDegussa Corporationによって販売されているような、中間分子量(例えば、約1000から約20000の数平均分子量を有する)のポリエステル及びカルボン酸及び/又はヒドロキシル終端基で官能化されたポリエステルならびにエポキシ樹脂で官能化されたポリエステルのような付加物;
【0072】
脂肪酸の二量体とエポキシ樹脂との付加物(例えば、商品名EPON 872でResolution Performance Productsから市販されている付加物、その付加物は、商品名HYPOX DA323(以前はERISYS EMDA 3−23)でCVC Specialty Chemicalsから市販されている付加物であり、ならびに米国特許第5,218,063号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されたそれらの付加物である;
ヒドロキシル含有トリグリセライド(例えば、ひまし油)とエポキシ樹脂(例えば、商品名HELOXY 505でResolution Performance Productsから市販されている付加物を含む)との付加物;
ポリスルフィドとエポキシ樹脂との付加物(例えば、商品名THIOPLAST EPS 350でAkzo Nobelにより市販されている付加物を含む);
アミン終端ポリジエン及びジエンコポリマーとエポキシ樹脂との付加物;
【0073】
ブロックコポリマー、ポリブタジエンブロック又はポリイソプレンブロック又はそれらの水素化誘導体のような、そのコポリマーの少なくとも1つのポリマー性ブロックは20℃以下のガラス転移温度(好ましくは0℃以下又は−30℃以下又は−50℃以下)を有し、及びポリスチレンブロック又はポリメチルメタクリレートブロック、特に、ポリスチレンブロック、1,4−ポリブタジエンブロック(好ましくは、約−60℃以下のガラス転移温度を有する)のような、コポリマーの少なくとも1つのポリマー性ブロックは20℃より高い(好ましくは50℃より高い又は70℃より高い)ガラス転移温度を有し、及び/又はニトロキシド開始剤を用いたリビング重合(米国特許第5,677,387号、第5,686,534号及び第5,886,112号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているような方法)によって製造されるSBM(スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート)、MBM(メチルメタクリレート−ブタジエン−メチルメタクリレート)及びBM(ブタジエン−メチルメタクリレート)ブロックコポリマー及び商品名NANOSTRENGTHでArkemaによって市販されており、そのブロックコポリマーは、米国特許第6,894,113号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているような、1以上のポリメチルメタクリレートブロック(好ましくは高い、つまり、80%より高い、シンジオタクチック構造);
【0074】
アミノ又はヒドロキシ終端ポリマー及びカルボキシル無水物のカルボキシ官能化付加物、ならびにそのような付加物とエポキシ樹脂とのさらなる反応生成物(米国特許第6,884,854号及び米国特許公開公報第2005−0215730号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているようなもの);
エポキシ終端ポリエーテル、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はこれらの混合物のようなアルキレンオキサイドのポリマー(エポキシ基で官能化され、ポリアルキレングリコールのヒドロキシ基とエピクロロヒドリンとの副反応によるものを含む;
【0075】
カルボキシ無水物又は二無水物の化学量論的過剰量とジアミン又はポリアミンとの反応、次いで、カルボキシ無水物又はカルボキシル酸基と少なくとも1つのポリフェノールまたはアミノフェノールとの反応によって生成されたフェノール終端及びアミノフェノール終端生成物(例えば、米国特許出願第2004−00181013号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されているようなもの)を含む。
【0076】
異なる補助衝撃改良/強化剤の混合物を用いることができる。本発明の硬化性組成物における補助衝撃改良/強化剤の量は、実質的に変化させることができるが、一般に、例えば、約0.1から約40重量%、例えば、約5から約35重量である。
【0077】
一般に、例えば、接着性組成物は、エポキシ系プレポリマー及び/又はポリウレタン約5から約40重量%(一実施形態では、約10から約35重量%)含有することができる。
【0078】
本発明による硬化性組成物は、−40℃から+90℃の温度範囲での高いT剥離及び衝撃剥離強度を示すことができる。硬化状態では、これらの接着剤は、特に、自動車及びトラックの製造における多くの最終用途の適用に必要な柔軟性の程度を示す。樹脂マトリクスの柔軟性は、例えば、種々の官能性(ジ又はトリ官能化)のアミン終端ポリエーテルから製造されるエポキシ系プレポリマーを選択することによって及び可変の鎖長又はエポキシ系プレポリマーの製造においてエポキシ樹脂に対するアミン終端ポリエーテルの比率を変えることによって、調整することができる。特に、低温での(例えば、約−20℃未満)硬化接着剤の衝撃特性は、コア−シェル構造を有するゴム粒子との組み合わせにおいて、エポキシ系プレポリマー、ポリウレタン又は他の補助衝撃改良/強化剤を用いることにより、著しく改善する。
【0079】
接着促進剤
基材面、特に車両組み立て作業においてよく遭遇するような油状物質で汚染された金属基材表面への硬化接着剤の接着性の改善を助長するために、エポキシ樹脂とキレート官能基を含有する化合物との1以上の反応生成物(ここで、キレート改変エポキシ樹脂と呼ぶ)を、組成物に添加してもよい。
【0080】
そのような反応生成物は、「キレートエポキシ」又は「キレートエポキシ樹脂」として当該分野で通常呼ばれるそれらの物質を含む。キレート官能基は、それら自体で又は同じ分子に配置する他の官能基と協同して、二価又は多価金属原子とキレート結合を形成することができるそれらの官能基を含む。適当なキレート官能基としては、例えば、リン含有酸基(例えば、−PO(OH))、カルボン酸基(−COH)、硫黄含有酸基(例えば、−SOH)、アミノ基及び水酸基(特に、芳香環において互いに隣接した水酸基)が挙げられる。そのような反応生成物の製造は、例えば、米国特許第4,702,962号及び第4,340,716号、欧州特許第342035号及び日本公開公報第58−063758号及び第58−069265号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載された方法等、当該分野で公知の方法によって行うことができる。また、エポキシ樹脂とキレート官能基含有化合物との反応生成物は、例えば、Asahi Denkaによって販売されているADEKA樹脂EP−49−10N、EP−49−55C、EP−49−10、EP−49−20、EP−49−23及びEP−49−25等の市販されているものから入手可能である。一般にその組成物は、そのようなキレート改質エポキシ樹脂に対して約0.1から約3重量%含有することができる。
【0081】
また、金属をキレート化する特性がある他の化合物を基体表面への硬化接着剤の接着性を高めるのを助長するために、本発明の組成物に使用することができ、例えば、米国公開公報第2005−0129955号(全趣旨を参照することによりここに取り込む)に記載されている接着促進剤を含む。また、商品名K−FLEX XM−B301でKing Industriesから市販されているアセトアセテート官能化改質樹脂が、接着促進剤としての使用に適する。
【0082】
硬化剤
本発明の組成物は、1部又は1成分組成物であることが好ましく、高温で硬化させるため、それらは、また、接着剤が室温をかなり上回る温度まで加熱された際、架橋を達成し又は接着組成物が確実に硬化することができる1以上の硬化剤を含有する。つまり、硬化剤は、加熱によって活性化する。硬化剤は、触媒の挙動で機能するかもしれず、本発明の好ましい実施態様では、1以上の組成物との反応によって硬化プロセスに直接加担する。
【0083】
例えば、グアニジン、置換グアニジン、置換尿素、メラミン樹脂、グアナミン誘導体、環状第三アミン、芳香族アミン及び/又はそれらの混合物を、本発明の接着組成物のために、熱的に活性可能硬化剤又は潜硬化剤として用いることができる。硬化剤は、化学量論的に硬化反応に関係しているかもしれないが、それらは、また、触媒的に活性かもしれない。置換グアニジンとしては、メチルグアニジン、ジメチルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、メチルイソビグアニジン、ジメチルイソビグアニジン、テトラメチルイソビグアニジン、ヘキサメチルイソビグアニジン、ヘプタメチルイソビグアニジン、特にシアノグアニジン(ジシアンジアミド)が挙げられる。適当なグアナミン誘導体の典型例として、アルキル化ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂又はメトキシメチルエトキシメチルベンゾグアナミンが挙げられる。
【0084】
1成分の熱硬化性接着剤のために、選択基準は、もちろん、樹脂系において室温でのそれら物質の低い可溶性であり、そのため、固体、細かい粉末の硬化剤が好ましく、ジシアンジアミドが、特に適している。組成物の良好な貯蔵安定性がそれによって確保される。
【0085】
上記の硬化剤に加えて又は代えて、触媒活性置換尿素を用いることができる。それらは、特に、p−クロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(モニュロン)、3−フェニル−1,1−ジメチルウレア(フェヌロン)又は3,4−ジクロロフェニル−N,N−ジメチルウレア(ジウロン)である。原則として、触媒活性3級アクリルアミン又はアルキルアミン(例えば、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)フェノール、ピペリジン又はピペリジン誘導体)をも用いることができるが゛、それらは、多くの場合、接着剤システムに非常によく溶解するため、1成分システムの有用な貯蔵安定性が達成されない。種々のイミダゾール誘導体、好ましくは固体イミダゾール誘導体を、触媒活性促進剤として使用することができる。その例として、2−エチル−2−メチルイミダゾール又はN−ブチルイミダゾール、ベンズイミダゾール及びN−C1〜C12−アルキルイミダゾール又はN−アリールイミダゾールが挙げられる。特定の選択は、細かい粉末状でのいわゆる促進ジシアンジアミドの形態での硬化剤及び促進剤の組み合わせの使用が挙げられる。よって、触媒活性促進剤のエポキシ効果システムへの分離添加は必要でない。
【0086】
用いられる硬化剤の量は、硬化剤が触媒の働きをするか、直接組成物の架橋を加担するかどうか、組成物におけるエポキシ基及び他の活性基の濃度、所望の硬化速度等を含む多くの要因に依存するであろう。一般に、組成物は、約0.5から約8重量%の硬化剤を含む。
【0087】
他の添加剤
また、本発明の組成物は、種々の粉末又は沈殿したチョーク、石英粉末、アルミナ、ドロマイト、炭素繊維、ガラス繊維、重合繊維、二酸化チタン、フューズドシリカ、カーボンブラック、酸化カルシウム、カルシウム炭酸マグネシウム、バライト等の公知のフィラー、特に、アルミニウムマグネシウムケイ酸カルシウムタイプのシリケート様フィラー(例えば、ウォラストナイト及びクロライト)を含むことができる。一般に、本発明の組成物は、約0.5から約10重量%のフィラーを含むことができる。
【0088】
本発明の一実施形態では、組成物は、1以上の膨張剤(時々、発泡剤として当該分野で呼ばれる)をさらに含む。結果として生じる接着剤の膨張可能な特性が、特に一部又は部材における隙間又は空隙を完全に充填することが部分又は部材の最大の構造一体性を維持するために重要である適用において、特に有用である。発泡硬化接着剤は、改善された破断靭性を有しており、それによって衝撃抵抗をアセンブリに与える。組成物が1部の又は単一成分組成物として有用である場合、膨張剤は、室温(一般に、接着剤の硬化が開始する温度範囲における温度)をかなり越える温度まで加熱される場合にのみ、接着剤の膨張又は発泡を引き起こす潜膨張剤であることが好ましい。化学膨張剤、例えば、アゾ化合物、ヒドラジド等のようないずれかの適当な膨張剤を用いることができるが、特定の選択は膨張可能なマイクロスフェアである。膨張可能なマイクロスフェアは、一般に、1以上の揮発性物質(例えば、軽量炭化水素又はハロカーボン)をカプセル化する小径の重合シェル又は泡を含む。
【0089】
外側のシェルは、通常、シェル内で捕捉された物質の揮発のため、加熱された場合、マイクロスフェアの軟化又は膨張を可能にする特性を有する熱可塑性物質である。シェルで用いられるポリマーは、線形、分岐又は架橋していてもよく、例えば、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ニトリルポリマー等とすることができる。一般に、膨張可能なマイクロスフェアの平均粒径は、約5から約100ミクロンの範囲である。適当な膨張可能なマイクロスフェアは、商品名DUALITE及びEXPANCELで、それぞれHenkel Corporation(以前はPierce & Stevens)及びCasco Nobelから市販されている。
【0090】
他の実施形態では、その組成物は、1以上の板状のフィラー(例えば、雲母、タルカムパウダー又は粘土(例えば、カオリン))をさらに含む。板状のフィラーは、粉末又は粉砕物の形態の白雲母マイカであることが好ましい。マイカ粒子は、例えば、比較的高いアスペクト比(例えば、約5から約15)、約10から約20lb/ftの容積密度、約10から約100ミクロンの中央粒径[D(V、0.5)、サンプルの50%がこの値より小さく、50%がこの値より大きい粒子サイズ値、マス・メジアン粒径として知られている]を有することができる。一般に、その組成物は、約0.1から約3重量%のマイカを含むことができる。
【0091】
さらに別の実施形態では、中空ガラスのマイクロスフェアが組成物に存在する。市販の中空ガラスマイクロスフェアは、商標SCOTCHLITE(型名B38、C15、K20及びVS 5500で入手可能な適当な等級)でMinnesota Mining & Manufacturingから販売されている材料を含む。ガラスマイクロスフェアは、約5から約200μmの範囲の直径及び/又は約0.3から約0.5g/ccの密度を有することが好ましい。一般に、その組成物は、約0.5から約5重量%の中空ガラスマイクロスフェアを含むことができる。
【0092】
また、本発明の粘着性組成物は、他の通常の補助/添加剤(例えば、可塑剤、反応性及び/又は非反応性希釈剤、流動補助剤、結合剤(例えば、シラン)、粘着促進剤、湿潤剤、粘着付与剤、難燃剤、チキソトロピー及び/又は流動制御剤(例えば、フュームドシリカ、混合ミネラルチキソトロピー)、エージング及び/又は腐食抑制剤、安定化剤及び/又は着色顔料等)を含んでいてもよい。その加工特性、その柔軟性、必要とされる剛性化作用及び基体に結合する接着性に関する接着性用途を形成する必要条件よって、個々の成分の相対的な割合を、比較的広い範囲で変化させることができる。
【0093】
一実施形態では、その組成物は、モノエポキシド(例えば、アルキル及びアルケニル置換フェノールのモノグリシジルエーテル)のような反応希釈剤を含む。一般に、その組成物は、15重量パーセント以下(例えば、約0.5から約10重量%)の反応希釈剤を含んでいてもよい。
【0094】
使用方法
本発明の組成物は、例えば、木、金属、被覆又は前処理された金属、プラスチック、充填プラスチック、シート成形化合物等の熱硬化性材料、ファイバーグラス等を含む異なる材料で形成された部分と接着させるために適している。その接着剤を用いて結合させる基体は、互いに同じ又は異なっていてもよい。金属部品の接着のために、特に、冷却ロールスチールシートのようなスチールシートを接着するため用いられることが好ましい。また、これらは、例えば、電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、ガルバアニール及び/又は亜鉛/ニッケル被覆のスチールシートとしてもよい。その組成物は、汚染物質にもかかわらず良好な粘着力を達成するため、表面が油性物質で汚染されている基体を結合するために特に有用である。
【0095】
本発明の組成物は、当該分野で公知のいかなる技術によっても基材表面に適用することができる。例えば、基材上のビード形状のロボットからの押し出しによって又は機械の塗布方法(例えば、かしめ銃又は他のいずれかの手動用途手段)によって適用することができ、また、渦流又は流動技術を使用して適用することもできる。渦流及び流動技術は、当該分野で周知の技術である装備(例えば、ポンプ、コントロールシステム、分量銃アセンブリ、遠隔分量デバイス及び塗布銃)を利用する。通常、接着剤は、結合する基材の一方又は両方に塗布される。接着剤が結合される基材間に位置するように、基材を接触させ、その後、粘着組成物を、熱硬化又は潜硬化剤によるエポキシ樹脂含有組成物の硬化を開始する温度に加熱する。
【0096】
本発明の組成物は、一方、つまり、ともに接着する2つの部位の一方に溶融形態で堆積してもよい。一実施形態では、その接着剤は、ホットメルトとして作用するように、つまり、室温で固体であるが、室温より温度が熱されると、ポンピング可能又は流動可能な材料に変わることができるように製剤化されている。別の実施形態では、接着剤は潜硬化がまだ活性化しない温度にまでしか加熱されないことを確実にすることが好ましいため、本発明の組成物は、多くの用途において、周囲温度又はわずかに高い温度で、作用部位に流動又はポンピングすることができるように製剤化されている。
【0097】
溶融組成物は、直接基材表面に塗布することができるし、ヘムフランジング操作のように、結合する基材と分離する空間に流動させることもできる。さらに別の実施形態では、その組成物は、硬化プロセスが2段階以上(第1の温度で部分硬化が起こり、それより高い第2の温度で完全に硬化する)で行われるように、(例えば、細かく分離された熱可塑性物質の含有物によって又は異なる活性温度を有する複数の硬化剤を使用することによって)製剤化される。接着剤の塊を堆積した後、直ぐに2つの部位を結合することが好ましく、それによって仮に互いに2つの部位を結合することができる。
【0098】
例えば、互いに仮に結合される金属シートが、浴室の脱脂目的で洗浄処理、次いで浴室のリン酸処理が行われる場合、得られた結合は、まだ未硬化の接着剤が容易に洗い流されないように、すでに十分な強度を有していることが好ましい。そうでなければ、洗い流されてしまうからである。
【0099】
その組成物は、組成物が結合する部位に塗布される温度より明らかに高い温度で及び硬化剤及び/又は促進剤及び/又は潜膨張剤(存在するならば)が活性化する温度(つまり、硬化剤の場合、硬化剤が接着剤の他の成分と反応性となる最低温度、膨張剤の場合、膨張剤が発泡又は接着剤の膨張を引き起こす最低温度)以上で、オーブン内で最終的に硬化されることが好ましい。硬化は、150℃より高い温度、例えば、160から190℃で、10から60分間行うことが好ましい。
【0100】
一旦硬化すると、本発明の接着組成物は、電気又はエレクトロニクス産業におけるキャスト樹脂として又はプリント回路基板に部品を結合するためのエレクトロニクス産業におけるダイ付着用接着剤として用いることができる。粘着組成物のさらなる可能な用途は、複合物(例えば、繊維強化複合物)用のマトリックス材料である。本発明による接着剤の1つの特に好ましい応用は、例えば、ヘリフランジにおけるような車両組み立ての構造結合の形成である。
【0101】
1以上の膨張剤を含む組成物の本発明の一実施形態では、その接着剤を、固くなって、空洞、隙間、構造部材等を補強及び増強するために機能する構造フォームを形成するために利用することができる。その組成物は、硬化及び発泡を引き起こすために加熱した際、1以上の特別な方向に膨張するように接着剤を配置又は配向するように、賦形剤又はレセプタクル等内で支持又は含有されるかもしれない。このように、その組成物は、その組成物の近傍において、膨張剤が存在しない場合に起こるであろうよりもより大きな基材表面の部位で接触するように膨張するため、その組成物は、不均一な形状の空間を充填することに特に有用である。発泡、硬化した組成物は、車両空洞及び構造部材のエネルギー吸収容量を補強及び/又は増大させる。
【実施例】
【0102】
実施例1
成分 重量%
反応性希釈剤1 6.5
エポキシ樹脂/コア−シェルゴムブレンド2 52.58
エポキシ樹脂/アミン−終端ポリエーテル反応生成物3 27.81
シラン4 0.19
キレート改変エポキシ樹脂5 0.95
酸化カルシウム 1.19
ウォラストナイト・フィラー6 2.85
ジシアンジアミド7 4.27
中空ガラスマイクロフィラー8 1.87
ポリジメチルシロキサン処理ヒュームド・シリカ9 0.95
チキソトロピー剤10 0.28
着色剤11 0.28
硬化促進剤12 0.28
【0103】
1CARDOLITE LITE 2513 (Cardolite Corporation)
2KANEKA ACE MX120 (ビスフェノールAのジグリシジルエーテルマトリクスにおける25重量%ナノサイズのコア−シェルゴムのマスターバッチ、Kaneka Corporation)
3米国特許第6,015,865号に従って調製
4SILQUEST A-187J γ−ギリドキシプロピルトリメトキシシラン(GE Advanced Materials)
5Adeka Resin EP-49-10N (エポキシ当量=225、100%固体、Asahi Denka)
6Nyad 400 WOLLASTOCOAT
7AMICURE CG1200 (Air Products)
8SCOTCHLITE VS 5500 (3M)
9AEROSIL US202 (Cabot) /CABOSIL TS-720 (Degussa)
10SYLOTHIX 53 (W. R. Grace)
11MONARCH 280 カーボンブラック (Cabot)
12AMICURE UR 1,1−ジメチル−3−フェニルウレア(Air Products)
【0104】
実施例2及び3
成分 実施例2/3(重量%)
反応性希釈剤1 1.03/3.70
エポキシ樹脂/コア−シェルゴムブレンド2 55.50/54.00
エポキシ樹脂/アミン−終端ポリエーテル反応生成物3 24.87/24.20
ジシアンジアミド4 4.62/4.50
マイカ5 1.03/1.00
ウォラストナイト6 10.28/10.00
ポリジメチルシロキサン処理ヒュームド・シリカ7 1.03/1.00
チキソトロピー剤8 1.03/1.00
着色剤9 0.30/0.30
硬化促進剤10 0.31/0.30
【0105】
1CARDOLITE LITE 2513 (Cardolite Corporation)
2KANEKA ACE MX120 (ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ樹脂のマトリクスにおける25重量%ナノサイズのコア−シェルゴムのマスターバッチ、Kaneka Corporation)
3米国特許第6,015,865号に従って調製
4AMICURE CG1200 (Air Products)
5muscovite 4K マイカ
6Nyad 400 WOLLASTOCOAT
7AEROSIL US202 (Cabot) /CABOSIL TS-720 (Degussa)
8SYLOTHIX 53 (W. R. Grace)
9MONARCH 280 カーボンブラック(Cabot)
10AMICURE UR 1,1−ジメチル−3−フェニルウレア(Air Products)
【0106】
実施例4
成分 重量%
エポキシ樹脂/アミン−終端ポリエーテル反応生成物1 30
エポキシ樹脂/コア−シェルゴムブレンド2 50
エポキシ樹脂3 10
反応性希釈剤4 4
ジシアンジアミド 4
フェニュロン 0.15
ヒュームドシリカ 2
【0107】
1米国特許第6,015,865号に従って調製
2 KANEKA ACE MX120 (ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ樹脂のマトリクスにおける25重量%ナノサイズのコア−シェルゴムのマスターバッチ、Kaneka Corporation)
3EPON 828 (Resolution Performance Products)
4CARDOLITE NC513 (Cardolite Corporation)
【0108】
実施例5
成分 重量%
反応性希釈剤1 6.5
エポキシ樹脂/コア−シェルゴムブレンド2 54
エポキシ樹脂/アミン−終端ポリエーテル反応生成物3 26.8
シラン4 0.2
酸化カルシウム 1.5
ウォラストナイト・フィラー5 3
ジシアンジアミド6 4.5
中空ガラスマイクロスフェア7 1.8
レオロジー制御剤8 1
チキソトロピー剤9 0.3
着色剤10 0.1
促進剤11 0.3
【0109】
1CARDOLITE LITE 2513 (Cardolite Corporation)
2ビスフェノールAジグリシジルエーテルエポキシ樹脂のマトリクスにおける25重量%ナノサイズのコア−シェルゴムのマスターバッチ、コアはポリブタジエン/スチレンコポリマーが優勢(Kaneka Corporation)
3米国特許第6,015,865号に従って調製
4SILQUEST A-187J γ−ギリドキシプロピルトリメトキシシラン(GE Advanced Materials)
5Nyad 400 WOLLASTOCOAT
5AMICURE CG1200 (Air Products)
7SCOTCHLITE VS 5500 (3M)
8GARAMITE 1958 (製造業者Southern Clay Productsによれば、有機改質シリケート又は混合ミネラルチキソトロピー)
9SYLOTHIX 53 (W. R. Grace)
10MONARCH 280 カーボンブラック (Cabot)
11AMICURE UR 1,1−ジメチル−3−フェニルウレア(Air Products)
【0110】
以下の試験を、30分間180℃で硬化させた種々のサンプルで行った。
180℃引張剥離
ASTM D1876
試料:Grit Blasted Mild Steel (GBMS)、基材厚:1.00mm
ボンドライン:0.25mm
試験速度:200mm/min
試験温度:周辺温度、0、−10、−20、−30、−40℃
引張ラップせん断
ASTM D1002
試料: Grit Blasted Mild Steel (GBMS)、基材厚:1.6mm
ボンドライン:0.25mm
試験速度:10mm/min
試験温度:周辺温度
ウェッジ衝撃
ISO 11343 方法
試料:Grit Blasted Mild Steel (GBMS)、基材厚:0.8mm
ボンドライン:0.25mm
試験温度:周辺温度、−18、−19、−25℃及び23、−20、−40℃
DMTA
試験温度:−50から200℃
【0111】
実施例4の組成物の引張剥離強度は、低温で実際に増大した。つまり、接着剤は−30から−40℃でさえ、剥離特性の良好な保持を示した。アミン終端ポリエーテル/エポキシ樹脂反応生成物及びCTBNを有するエポキシ樹脂の付加物の双方を含有する市販のエポキシ系接着剤は、−30℃以下の温度で引張剥離強度における顕著な減少を示したことから、この結果は予想外であった。単独の強化剤としてコア−シェル構造を有するゴム粒子を含有する接着剤(つまり、アミン終端ポリエーテル/エポキシ樹脂反応生成物を含まない接着剤)は、周囲温度で低い引張剥離強度を示し、低温(−10℃以下)で、さらに引張剥離強度が減少した。
【0112】
実施例4の組成物は、35.7N/mmの引張ラップせん断値を有し、周囲温度から−25℃の温度範囲にわたって、開裂(くさび衝撃)特性に対するその動的抵抗の約60%を保持した。一方、アミン終端ポリエーテル/エポキシ樹脂硬化剤及びエポキシ樹脂/CTBN付加物硬化剤の双方を含む2種の市販のエポキシ系接着剤は、同じ温度範囲で、開裂(くさび衝撃)特性に対するその動的抵抗の約2から約6%を保持するのみであった。
【0113】
実施例4の組成物のガラス転移温度は、硬化した場合、DTMAによる測定値として、約150℃であった。組成物は、−40℃で1.14.GPaのモジュラスを示した。
【0114】
実施例5の組成物では、23、−20、−40℃での衝撃剥離強度は、それぞれ32.5、33及び26.5N/mmを示した。
【0115】
実施例6〜21
本発明のさらなる実施形態を、実施例6〜21に示す。ここでは、2種の異なるコア−シェル構造を有するゴム粒子を補助衝撃改良/強化剤の複数の異なるタイプとの組み合わせにおいて使用した。表1(量は重量部で示す)に挙げられた成分に加え、各実施例の組成物は、4重量部(pbw)のCARDOLITE LITE-2513 HP反応性希釈剤(Cardolite Corporation)、2bpwのヒュームドシリカ、4pbwのジシアンジアミド及び0.15pbwのフェニュロンを含む。
その組成物を、180℃で30分間硬化し、以下のプロトコールに従って試験した。
【0116】
180℃引張剥離
試料:アセトン・ワイプド・マイルド・スチール(MS)、基材厚:0.8mm
ボンドライン:0.25mm
試験速度:200mm/min
試験温度:周辺温度
ウェッジ衝撃
ISO 11343 方法
試料:アセトン・ワイプド・マイルド・スチール(MS)、基材厚:0.8mm
ボンドライン:0.25mm
試験温度:周辺温度及び−40℃
【0117】
実施例6、8、9、13〜18及び20〜21の製剤は、室温で特に高い衝撃強度を示し、一方、実施例14及び15の製剤は、−40℃で特に高い衝撃強度を示した。
【0118】
【表1】


1KANEKA ACE MX-120 (Kaneka Corporation)
2KANEKA ACE MX-156 (Kaneka Corporation)
3EPON 828 (Resolution Performance Products)
4米国特許第6,015,865号に従って調製したエポキシ樹脂/アミン終端ポリエーテル反応生成物
5カナダ特許出願第2,510,486号の実施例1に従って調製した(イソフォロンジイソシアネートでキャップ化されたポリテトラヒドロフランジオール、次いで、さらに、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテルと反応)
6米国特許第5,278,257号に記載したようなプレポリマー1Aに従って調製した(ヘキサメチレンジイソシアネートでキャップ化されたプロプロピレングリコール、次いで、さらにジアリルビスフェノールAと反応)
7NANOSTRENGTH E21 ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレート・ブロックコポリマー、EPON 828 エポキシ樹脂(Arkema)中20重量%
8DYNACOLL 7210 1級ヒドロキシ官能基及び中間分子量を有する液状線形ポリエステル(Degussa)
9POLYVEST OC800 低分子量マレイン酸無水物付加物 1,4−シス−ポリブタジエン(Degussa)
10THIOPLAST EP350 約40%エポキシ終端液状ポリスルフィドを有するビスフェノールAエポキシ樹脂及びビスフェノールFエポキシ樹脂(Akzo Nobel)
11HYPOX DA323 ダイマー酸改変エポキシ樹脂(CVC Specialty Chemical)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)少なくとも1つのエポキシ樹脂、
B)コア−シェル構造を有するゴム粒子、
C)少なくとも1つの補助衝撃改良/強化剤及び
D)少なくとも1つの熱活性化潜硬化剤
を含む組成物。
【請求項2】
さらに、板状フィラー、中空ガラスマイクロスフェア及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つのフィラーを含む請求項1の組成物。
【請求項3】
さらに少なくとも1つのキレート改質エポキシ樹脂を含む請求項1の組成物。
【請求項4】
少なくとも1つのエポキシ樹脂は、ビスフェノールA及びビスフェノールFのジグリシジルエーテルからなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つのキレート改質エポキシ樹脂を約0.1から約3重量%含む請求項1の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの置換グアニジン熱活性化潜硬化剤を含む請求項1の組成物。
【請求項7】
コア−シェル構造を有するゴム粒子を約5から約25重量%含む請求項1の組成物。
【請求項8】
ゴム粒子が、ジエンホモポリマー、ジエンコポリマー又はポリシロキサンエラストマーを含むコアを有する請求項1の組成物。
【請求項9】
ゴム粒子が、アルキル(メタ)アクリレートホモポリマー又はコポリマーを含むシェルを有する請求項1の組成物。
【請求項10】
ゴム粒子は、約25から約200nmの平均粒径を有する請求項1の方法。
【請求項11】
エポキシ樹脂:補助衝撃改良/強化剤及びコア−シェル構造を有するゴム粒子との組み合わせの重量比が約0.2:1から約3:1である請求項1の組成物。
【請求項12】
補助衝撃改良/強化剤:ゴム粒子の重量比が約0.2:1から約5:1である請求項1の組成物。
【請求項13】
さらに、モノエポキシドである少なくとも1つの反応性希釈剤を含む請求項1の組成物。
【請求項14】
エポキシ樹脂を約25から約55重量%含む請求項1の組成物。
【請求項15】
補助衝撃改良/強化剤を約5から約40重量%含む請求項1の組成物。
【請求項16】
約25から約55重量%のエポキシ樹脂、約5から約40重量%の補助衝撃改良/強化剤、約5から約25重量%のコア−シェル構造を有するゴム粒子を含み、エポキシ樹脂:補助衝撃改良/強化剤及びコア−シェル構造を有するゴム粒子との組み合わせの重量比が約0.2:1から約3:1であり、補助衝撃改良/強化剤:ゴム粒子の重量比が約0.2:1から約5:1である請求項1の組成物。
【請求項17】
少なくともコア−シェル構造を有するゴム粒子の部位は、平均粒径約25から約200nmを有し、該組成物の他の成分と組み合わせる場合、エポキシ樹脂を含むマスターバッチ中に安定に分散され、前記ゴム粒子は、−40℃以下のガラス転移温度を有する1,4−ブタジエンのポリマー又はコポリマーを含むコアを含有する請求項1の組成物。
【請求項18】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、1以上のアミン終端ポリマーと1以上のエポキシ樹脂との反応によって得られるエポキシ系プレポリマーからなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、イソシアネート終端プレポリマーとヒドロキシ含有エポキシドとの反応生成物からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項20】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、1分子あたり、イソシアネート終端プレポリマーと、1以上のフェノール、ベンジルアルコール、アミノフェニル又はベンジルアミノ基を有する化合物との反応生成物からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項21】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、ポリスチレン−1,4−ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレートブロックコポリマーからなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項22】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、エポキシ樹脂のジメリック脂肪酸の付加物からなる群から選択される請求項1の組成物。
【請求項23】
少なくとも1種の補助衝撃改良/強化剤は、−30℃以下のガラス転移温度を有し、エポキシ基、カルボン酸基、アミノ基及びヒドロキシ基からなる群から選択される1以上の官能基を有するポリマー又はオリゴマー材料である請求項1の組成物。
【請求項24】
請求項1の組成物に表面を接触させ、該表面と接触させた組成物を硬化して複合品を製造することを含む複合品の製造方法。
【請求項25】
表面が金属である請求項24の方法。
【請求項26】
少なくとも2つの表面を組成物に接触させ、それらを接触状態で硬化させる請求項24の方法。
【請求項27】
表面が少なくとも油状物質で汚染されたものであり、組成物は少なくとも1種のキレート改変エポキシ樹脂を付加的に含む請求項24の方法。

【公表番号】特表2009−506169(P2009−506169A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528136(P2008−528136)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/033013
【国際公開番号】WO2007/025007
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【出願人】(508053979)ロクタイト(アール アンド ディー)リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】LOCTITE(R&D) LIMITED
【住所又は居所原語表記】Tallaght Business Park,Whitestown,Tallaght,Dublin 24
【Fターム(参考)】