説明

放送受信装置とアンテナレベル表示方法

【課題】アンテナの設置作業や再調整作業を簡単かつ効率よく行うことができるようにする。
【解決手段】チューナ部12は、受信した放送信号から所望のチャンネルを選局して受信信号RSを出力する。ディジタル復調部13は受信信号RSの復調処理を行い、トランスポートストリームTSrを出力する。誤り訂正処理部14はストリームTSrの誤り訂正を行い、デマルチプレクサ15で所望の番組の画像や音声のパケットを抽出してデコーダ部21で復号化する。ディジタル復調部13や誤り訂正処理部14はアンテナレベルを制御部50に供給する。制御部50は、チューナ部12で選局するチャンネルを順次繰り返し切り換えて、チャンネル毎のアンテナレベルを取得する。さらに、オンスクリーン表示処理部32を制御して、表示部60の画面上に各チャンネルのアンテナレベルを一覧表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送受信装置とアンテナレベル表示方法に関する。詳しくは、アンテナの設置作業や再調整作業等を行う際に、各チャンネルにおけるアンテナレベルを容易に確認できるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
放送信号を受信する場合、アンテナの方向によりアンテナレベルが大きく変動する。このため、例えばアンテナを設置する際に、アンテナレベルを容易に知ることができるように、放送受信装置でアンテナレベルを表示することが行われている。例えば特許文献1の発明では、中間周波信号のC/Nに比例している信号成分を分離して直流信号化を行い、得られた直流信号に基づいて、直流信号のレベルを表示することで、アンテナレベルを定量的かつ正確に表示することが行われている。また、特許文献2の発明では、信号点の振れ幅の平均値に基づくC/N比と、エラーレートに基づくC/N比の値を計測して、これら2つのC/N比から、表示すべきC/N比を判断して、適応的に切り換えて表示することが行われている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−224793号公報
【特許文献2】特開2003−230070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のアンテナレベル表示画面は、例えば図4に示すように構成されており、チューナ部で選局される伝送チャンネル(周波数チャンネルあるいは物理チャンネルともいう)、サービスを示す3桁チャンネル番号(編成チャンネル番号)、現在受信中の放送、アンテナレベルの最大値と現在値、および現在のアンテナレベルを示すバー表示が設けられている。なお、ビープ音とは、アンテナレベルに応じて周波数が変化されるビープ音を出力するように設定されているか否かを示す表示である。このような従来のアンテナレベル表示では、1つの選択した伝送チャンネルのアンテナレベルが表示されている。
【0005】
また、アンテナの設置作業や再調整作業を行う場合、選局しているチャンネルのアンテナレベルが最大となるようにアンテナを設定しても、他のチャンネルを選局したときにアンテナレベルが低下した状態となってしまう場合がある。例えば、地上波放送の場合、アンテナの向きが送信所の方向を向いていなくとも、建物の反射波等によってアンテナレベルが大きくなるときがある。このような場合、アンテナの向きが送信所の方向を向いていないことから、選局しているチャンネルのアンテナレベルが最大となっても、他のチャンネルではアンテナレベルが低下した状態となってしまう。
【0006】
したがって、いずれのチャンネルでもアンテナレベルが良好となるようにアンテナの設定を行うためには、チャンネル切換操作を行って各チャンネルのアンテナレベルを確認しなければならない。ここで、チャンネル切換操作では、例えば図5に示すように、伝送チャンネル表示HBを選択して伝送チャンネル切換操作を可能としたのち、チャンネルアップ操作やチャンネルダウン操作を行わなければならず、簡単に各チャンネルのアンテナレベルを確認することができない。
【0007】
また、チャンネル数が多くなると、アンテナレベルを記録しておかなければ、各チャンネルのアンテナレベルがどの程度であったか判らなくなってしまう。
【0008】
さらに、アンテナレベルが良好でないときは、アンテナの向き等を再調整して、再度、伝送チャンネルの切換操作を行ってアンテナレベルが良好となっているかをチャンネル毎に確認しなければならず、アンテナの設置作業や再調整作業が非常に煩雑である。
【0009】
そこで、この発明では、アンテナの設置作業や再調整作業を簡単かつ効率よく行うことができる放送受信装置およびアンテナレベル表示方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の概念は、チューナ部で選局されるチャンネル毎にアンテナレベルを計測して、計測されたチャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号を生成することにある。
【0011】
この発明の放送受信装置は、テレビジョン放送を受信する放送受信装置において、受信した放送信号から所望のチャンネルを選局するチューナ部と、前記チューナ部で選局されたチャンネルの信号に基づいてアンテナレベルを計測する計測部と、前記アンテナレベルを表示するための表示信号を生成する表示処理部と、前記チューナ部で選局するチャンネルを順次切り換えて、前記計測部でチャンネル毎のアンテナレベルを計測させて、該チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号を前記表示処理部で生成させる制御部とを有するものである。
【0012】
また、この発明に係るアンテナレベル表示方法は、テレビジョン放送を受信する放送受信装置のアンテナレベル表示方法において、受信した放送信号から所望のチャンネルを選局する選局ステップと、前記選局ステップで選局されたチャンネルの信号に基づいてアンテナレベルを計測する計測ステップと、前記アンテナレベルを表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップを設けて、前記選局ステップで選局するチャンネルを順次切り換えて、前記計測ステップでチャンネル毎のアンテナレベルを計測するものとして、該チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号を前記表示信号生成ステップで生成するものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号が生成されるので、この表示信号に基づいて各チャンネルのアンテナレベルを一覧表示することで、アンテナの設置作業や再調整作業を簡単かつ効率よく行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を参照しながら、この発明の実施の一形態について説明する。図1は放送受信装置の構成を示している。
【0015】
放送受信装置10のアンテナ11は、テレビジョン放送を受信して得られた放送信号RFをチューナ部12に供給する。チューナ部12は、所望のチャンネルを選局して得られた受信信号RSをディジタル復調部13に供給する。
【0016】
ディジタル復調部13は、テレビジョン放送で用いられている変調方式に対応した復調処理例えばQFDM復調処理およびQPSK復調処理あるいはQAM復調処理等を行い、得られた復調信号であるトランスポートストリームTSrを誤り訂正処理部14に供給する。またディジタル復調部13は、QPSK復調処理あるいはQAM復調処理等を行うことで得られたI軸方向およびQ軸方向の信号成分で示される信号点について振れ幅の平均値を算出して制御部50に供給できるようになされている。この信号点の振れ幅は、C/N比(Carrier to Noise ratio)が悪化したときに振れ幅が大きくなる。ここで、予めランダムノイズを重畳して任意の強さのC/N比に変調された信号と、この変調された信号を復調したときの振れ幅の平均値との関係を求めておけば、ディジタル復調部13は、振れ幅の平均値からC/N比を求めることができる。したがって、ディジタル復調部13は振れ幅の平均値からC/N比を求めて、このC/N比をアンテナレベルLaに置き換えて制御部50に供給する。
【0017】
誤り訂正処理部14では、トランスポートストリームTSrの誤り訂正処理を行い、誤り訂正がなされたトランスポートストリームTSsをデマルチプレクサ15に供給する。また、誤り訂正処理部14は、誤り訂正処理前のトランスポートストリームTSrと誤り訂正処理後のトランスポートストリームTSsを比較してエラーレートを算出して、このエラーレートをアンテナレベルLbに置き換えて制御部50に制御部50に供給できるように構成してもよい。
【0018】
デマルチプレクサ15は、トランスポートストリームTSsに時分割多重されている画像信号DTv、音声信号DTaを分離してデコーダ部21に供給する。また、番組を選局するための選局情報と番組に関する番組情報を有した情報信号DTcやデータ放送信号DTdを分離して制御部50に供給する。
【0019】
デコーダ部21は、デマルチプレクサ15から供給された画像信号DTvの復号を行い、得られた画像信号VSaを画像切換部31に供給する。また、デコーダ部21は、音声信号DTaの復号を行い、得られた音声信号ASaを音声切換部41に供給する。
【0020】
画像切換部31は、入力端子22が接続されており、この入力端子22を介して外部機器からコンポジット方式やコンポーネント方式、HDMI(High Definition Multimedia Interface)方式、DVI(Digital Visual Interface)方式等の画像信号の入力を行うことができるようになされている。また、画像切換部31にはオンスクリーン表示処理部32が接続されており、画像切換部31は、デコーダ部21から供給された画像信号VSaあるいは入力端子22を介して供給された画像信号VSbのいずれかを選択して、画像信号VScとしてオンスクリーン表示処理部32に供給する。
【0021】
オンスクリーン表示処理部32は、後述する制御部50からの制御信号CTに基づき、メニュー画面等のオンスクリーン表示信号を生成する。さらに、オンスクリーン表示信号と画像切換部31から供給された画像信号VScを合成して、画像信号VScに基づく画像にオンスクリーン表示信号に基づく画像が合成した画像の画像信号VSdを生成して信号処理部33に供給する。
【0022】
信号処理部33は、オンスクリーン表示処理部32から供給された画像信号VSdを用いてインタレース/プログレッシブ変換(I/P変換)処理や画素数変換処理等を必要に応じて行う。さらに、処理後の画像信号に対してシャープネス補正や色合い補正、ホワイトバランス補正、ノイズ除去等の画質改善処理を行い、画像信号VSeとして画像出力処理部34に供給する。
【0023】
画像出力処理部34には、例えばLCD(Liquid Crystal Display),PDP(Plasma Display Panel),EL(Electro Luminescence),陰極線管などの表示デバイスを用いて構成された表示部60が接続されている。画像出力処理部34は、画像信号VSeに基づき、表示デバイスを駆動するための表示駆動信号DRvを生成して表示部60に供給する。このため表示部60で画像表示を行うことができる。また、画像出力処理部34は、外部機器(図示せず)に画像信号を供給するとき、画像信号VSeを外部機器に対応したフォーマットの出力信号Voutとして出力する。
【0024】
音声切換部41には、入力端子23が接続されており、この入力端子23を介して外部機器から音声信号AScを入力することができるようになされている。また、音声切換部41には音声出力処理部42が接続されており、音声切換部41は、デコーダ部21から供給された音声信号ASaあるいは入力端子23を介して供給された音声信号ASbのいずれかを選択して、音声信号AScとして音声出力処理部42に供給する。
【0025】
音声出力処理部42には、スピーカを用いて構成された音声出力部65が接続されている。音声出力処理部42は、音声切換部41から供給された音声信号AScを用いて音声処理例えば信号レベル調整や音質調整、ノイズ除去処理等を行い、音声処理後の音声出力信号DRaを音声出力部65に供給して音声出力を行う。また、音声出力処理部42は、外部機器(図示せず)に音声信号を供給するとき、音声処理後の信号を外部機器に対応したフォーマットの出力信号Aoutとして出力する。
【0026】
制御部50にはユーザインタフェース部51や記憶部52が接続されている。ユーザインタフェース部51はユーザ操作に応じた操作信号PSを制御部50に供給するものであり、例えば操作キーやリモートコントロール信号受信部等で構成されている。
【0027】
記憶部52は、デマルチプレクサ15で分離された情報信号DTcを記憶する。また、アンテナの設置を行うときには各チャンネルのアンテナレベルを記憶する。
【0028】
制御部50は、バス55を介して上述の各部と接続されている。制御部50は、ユーザインタフェース部51からの操作信号PSに基づき、制御信号CTを生成して各部に供給することで、放送受信装置の動作がユーザ操作に応じた動作となるように制御する。例えば、ユーザインタフェース部51から供給された操作信号PSによって、チャンネル切り換えや入力切り換え等の信号切り換え操作が行われたことが示されたとき、制御部50は、所望のチャンネルや外部から供給された画像/音声の提示等を行うことができるように、チューナ部12の選局動作や、デコーダ部21の復号処理、画像切換部31および音声切換部41の切り換え動作等を制御する。例えば、記憶部52に記憶されている選局情報を用いて、チューナ部12に対して周波数情報に基づいた選局制御と、デマルチプレクサ15に対してテーブル情報に基づいたパケット分離制御を行うことで、所望の番組の選局や選局した番組の画像信号や音声信号を生成することが可能となる。また、画像切換部31および音声切換部41の切り換え動作を制御して、テレビジョン放送だけでなく、入力端子22から供給された画像信号に基づいた画像表示を行うことが可能となる。また、オンスクリーン表示処理部32を制御して、電子番組表の表示、番組の検索,予約および内容の確認等や、データ放送信号DTdに基づきデータ放送の画像表示等も行う。
【0029】
さらに、制御部50は、ユーザインタフェース部51から供給された操作信号PSによってアンテナレベル表示モードが選択されたとき、チューナ部12やディジタル復調部13、誤り訂正処理部14、オンスクリーン表示処理部32の動作を制御して、例えば表示部60の画面上に、各チャンネルのアンテナレベルを一覧表示する。
【0030】
次に、アンテナレベル表示動作について図2のフローチャートを用いて説明する。ステップST1で制御部50は、アンテナレベル表示モードが選択されたか否かを判別する。制御部50は、アンテナレベル表示モードに設定されているときステップST2に進み、アンテナレベル表示モードに設定されていないときはアンテナレベル表示動作を行うことなく他の動作を行う。
【0031】
ステップST2で制御部50は、最初のチャンネルを選局する。放送受信装置は、ユーザ側で最初に動作が行われたときに、放送受信装置が用いられる地域を選択させるための地域選択メニューを表示して、地域の指定がなされたとき、指定した地域で受信可能なチャンネルを自動的に登録することができるようになされている。また、チャンネルスキャン動作を行い、受信できるチャンネルを検出して自動的に登録することができるようになされている。このため、制御部50は、登録されている最初のチャンネルを選局するようにチューナ部12を制御してステップST3に進む。なお、チャンネルスキャン動作を行いながらアンテナレベル表示を行うときは、最初のチャンネルが検出されたときステップST3に進む。
【0032】
ステップST3で制御部50は、アンテナレベル計測処理を行う。制御部50は、ディジタル復調部13を制御して、受信信号の信号点について振れ幅の平均値を算出させる。さらに制御部50は、算出された平均値をアンテナレベルLaに換算させて、制御部50に供給させる。また、制御部50は、誤り訂正処理部14を制御してエラーレートを算出させる。さらに、制御部50は、振れ幅の平均値から得られたアンテナレベルLaとエラーレートから得られたアンテナレベルLbを適応的に切り換えるものとしてもよい。制御部50は、いずれのチャンネルのアンテナレベルであるかを識別可能としてアンテナレベルを記憶部52に記憶させる。また、同じチャンネルでアンテナレベルの計測を複数回行ったときは、少なくともアンテナレベルの最大値と最新のアンテナレベルを記憶させる。
なお、上述の形態では、ディジタル復調部13と誤り訂正処理部14でアンテナレベルを計測して制御部50に供給するものとしたが、制御部50を計測部として動作させるものとしてもよい。すなわち、ディジタル復調部13から振れ幅の平均値、誤り訂正処理部14からエラーレートを制御部50に供給して、制御部50でアンテナレベルを算出するものとしてもよい。この場合、ディジタル復調部13と誤り訂正処理部14の構成および処理が容易となる。
【0033】
ステップST4で制御部50は、一覧表示処理を行う。制御部50は、各チャンネルのアンテナレベルを同時に確認できるようにするため、記憶部52に記憶されている各チャンネルのアンテナレベルの読み出しとオンスクリーン表示処理部32の制御を行い、例えば表示部60の画面上にチャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示させる処理を行う。また、チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する場合、現在選局しているチャンネルのアンテナレベルを識別できるように、選局しているチャンネルのアンテナレベルは、他のチャンネルのアンテナレベルと区分できるように表示する。例えば輝度や色、表示サイズ等を他のチャンネルとは異なるように表示させる。
【0034】
ステップST5で制御部50は、アンテナレベル表示モードの終了であるか否かを判別する。制御部50は、アンテナレベル表示モードを終了する操作が行われていないときはステップST6に進み、アンテナレベル表示モードを終了する操作が行われたときは、アンテナレベル表示動作を終了させる。
【0035】
ステップST6で制御部50は、最後のチャンネルの選局であるか否かを判別する。制御部50は、選局しているチャンネルがプリセットされている最後のチャンネルであると判別したときにはステップST2に戻り、最初のチャンネルから再度アンテナレベルの測定を行う。また、選局しているチャンネルがプリセットされている最後のチャンネルと判別されないときはステップST7に進む。
【0036】
ステップST7で制御部50は、次のチャンネルを選局してステップST3に戻り、新たに選局したチャンネルについてアンテナレベルの測定を行う。
【0037】
図3はアンテナレベル表示動作を行ったときに表示部60で表示されるアンテナレベル表示画面を例示したものである。アンテナレベル一覧表示では、所定数(図3では例えば「12」)のアンテナレベル表示領域HA-1〜HA-12が設けられている。アンテナ表示領域HA-1〜HA-12では、放送方式とチャンネル番号、計測されたアンテナレベルの最大値、アンテナレベルの最新の計測値である現在のアンテナレベルが表示されるように構成されている。
【0038】
ここで、図2に示すアンテナレベル表示動作を行うものとすると、プリセットされた各チャンネルのアンテナレベルが順次表示される。また、各チャンネルのアンテナレベルの計測が繰り返し行われて、アンテナレベルの最大値と現在値が一覧として表示されることとなる。
【0039】
例えばアンテナレベル表示領域HA1では、放送方式が地上波ディジタル放送であることを示す表示「地上D」、チャンネル番号を示す表示「011」、アンテナレベルの最大値を示す表示「最大:43」、現在のアンテナレベルを示す表示「現在:30」が設けられている。また、アンテナレベル表示領域HA2〜HA9においてもアンテナレベル表示領域HA1と同様に、各チャンネルの現在値と最大値等が表示される。なお、図3では、プリセットされているチャンネルの数がアンテナレベル表示領域の数よりも少ないため、アンテナレベル表示領域HA10〜HA12ではアンテナレベルの現在値と最大値が「0」とされている。
【0040】
このように、アンテナレベル表示で各チャンネルの計測結果を一覧表示すれば、メニュー画面でチャンネルの切換操作を行うことなく、アンテナレベルが各チャンネルで良好となっているか否かを容易に確認することが可能となる。したがって、アンテナの設置作業や再調整作業を容易に行うことができる。また、アンテナレベル表示では、最大値と現在値が表示されるので、各チャンネルのアンテナレベルが最大となるように、アンテナの設置作業や再調整作業を容易に行うことができる。さらに、特定のチャンネルの画像が表示されない不具合が生じた場合、アンテナレベル表示モードを選択するだけで、全体的にアンテナレベルが低いのか、特定のチャンネルのアンテナレベルのみが低いのか容易に確認することができる。したがって、速やかなサービス対応が可能となる。
【0041】
また、チャンネルスキャン動作を行って、受信可能なチャンネルのアンテナレベルを一覧表示する場合、受信できないチャンネルのアンテナレベル表示が行われることがないので、効率よくアンテナレベルを表示できる。また、チャンネルスキャン動作を繰り返してアンテナレベルの一覧表示を更新すれば、アンテナの向きが最良の方向とされて受信可能なチャンネルが増加したとき、新たに受信可能となったチャンネルのアンテナレベルを表示することが可能となる。
【0042】
また、上述の実施の形態では、テレビジョン放送がディジタル放送である場合について説明したが、テレビジョン放送がアナログ放送であっても、アンテナレベルを一覧表示するものとしてもよい。この場合、制御部は例えばチューナ部12に設けられて受信信号RSの信号レベルを一定とするAGC回路の設定ゲインを読み出して、この読み出した設定ゲインをアンテナレベルに換算して表示すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】放送受信装置の構成を示す図である。
【図2】アンテナレベル表示動作を示す図である。
【図3】アンテナレベル表示画面例を示す図である。
【図4】従来のアンテナレベル表示画面を示す図である。
【図5】他チャンネルのアンテナレベルを知る場合の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
10・・・放送受信装置、11・・・アンテナ、12・・・チューナ部、13・・・ディジタル復調部、14・・・誤り訂正処理部、15・・・デマルチプレクサ、21・・・デコーダ部、22,23・・・入力端子、31・・・画像切換部、32・・・オンスクリーン表示処理部、33・・・信号処理部、34・・・画像出力処理部、41・・・音声切換部、42・・・音声出力処理部、50・・・制御部、51・・・ユーザインタフェース部、52・・・記憶部、55・・・バス、60・・・表示部、65・・・音声出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送を受信する放送受信装置において、
受信した放送信号から所望のチャンネルを選局するチューナ部と、
前記チューナ部で選局されたチャンネルの信号に基づいてアンテナレベルを計測する計測部と、
前記アンテナレベルを表示するための表示信号を生成する表示処理部と、
前記チューナ部で選局するチャンネルを順次切り換えて、前記計測部でチャンネル毎のアンテナレベルを計測させて、該チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号を前記表示処理部で生成させる制御部とを有する
ことを特徴とする放送受信装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記チューナ部で選局するチャンネルを繰り返し切り換えて、前記計測部で各チャンネルのアンテナレベルを計測するものとして、前記一覧表示ではチャンネル毎に前記アンテナレベルの最大値と最新の計測値を表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項3】
前記制御部は、各チャンネルのアンテナレベルの一覧表示において、前記チューナ部で選局中のチャンネルを他のチャンネルと識別可能とする
ことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項4】
前記テレビジョン放送の番組の画像を表示する表示部を設け、
前記表示処理部で生成された表示信号に基づき、前記表示部で前記チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示させる
ことを特徴とする請求項1記載の放送受信装置。
【請求項5】
テレビジョン放送を受信する放送受信装置のアンテナレベル表示方法において、
受信した放送信号から所望のチャンネルを選局する選局ステップと、
前記選局ステップで選局されたチャンネルの信号に基づいてアンテナレベルを計測する計測ステップと、
前記アンテナレベルを表示するための表示信号を生成する表示信号生成ステップを設けて、
前記選局ステップで選局するチャンネルを順次切り換えて、前記計測ステップでチャンネル毎のアンテナレベルを計測するものとして、該チャンネル毎のアンテナレベルを一覧表示する表示信号を前記表示信号生成ステップで生成する
ことを特徴とするアンテナレベル表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−55460(P2009−55460A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221534(P2007−221534)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】