説明

既設ドア枠利用の防火改装ドア

【課題】 新設ドアを既設ドアに代替して既設ドア枠に設置した改装ドアにおいて,火災時に新設ドアと既設ドア枠間を防火遮断できるようにする。
【解決手段】 新設ドア2のフレームに四周の気密材設置枠4を設置し,この気密材設置枠4に受溝7と段差受座10を形成する一方,室内側パネル12を受溝7の面内部分を覆うように配置することによって,受溝7と段差受座10が新設ドア2の室内側見付面外周に一連に露出するように配置する。受溝7にはグラファイト系等のテープ状の熱膨張材21を奥行方向底部に先行配置し,その室内側に気密材20を装着し,また段差受座10に同じく熱膨張材21を配置して,気密材20の張出基部によってこれを覆うようにする。火災時に気密材20が溶解焼失しても,熱膨張材21が体積膨張して既設ドア枠1との間を封止することによって防火遮断を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,公共住宅,マンション等玄関の改装ドアに関し,特に既設ドア枠利用の防火改装ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば,この種既設ドア枠利用の改装ドアとして, 本発明者らは,既設ドアを撤去して残存した既設ドア枠と,該既設ドア枠に既設ドアと交換的に設置した新設ドアと,該新設ドアにおける室内側見付面の外周に形成した一連の受溝に装着して上記既設ドア枠と該新設ドア間を封止する気密材とを備えた改装ドアを提案済である。
【0003】
【特許文献1】特開2005−307696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合,例えば既設ドア乃至ヒンジの撤去,既設ドア枠の塗装,ヒンジ,例えば耐震ヒンジの設置,新設ドアの設置といった簡易な工事によって,騒音や塵埃の発生を可及的に抑制しつつ居住者の居住状態で極く短時間に,例えば所謂KJドアと称されて多用された鋼板プレスドアを,防音性や断熱性に優れた高機能ドアに改装することができる上,例えば既設ドア枠に新設ドア枠を被覆固定し,該新設ドア枠に新設ドアを設置する所謂カバー工法の如くに開口部の狭小化を招くことを防止できる多方面で優れた改装ドアとすることができる。
【0005】
しかし乍ら,一方で既設ドア枠をそのまま残存使用して,改装ドアの気密性を,新設ドアの室内側見込面の外周に設置した気密材を該既設ドア枠に圧接するように接触させることによって確保するものとされるから,新設ドアが火炎を受けた場合のように加熱されると,気密材が溶解消失するとともに既設ドア枠には歪や部分的な変形が生じていることも多いから,既設ドア枠と新設ドア間に空隙が生じる結果,防火性能において劣るものとなり易いという問題点が残されている。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので,その解決課題とするところは,上記気密性確保の構造をそのまま維持しつつ同時に高度な防火性能を付与することによって多方面に優れた改装ドアを防火ドアとした既設ドア枠利用の防火改装ドアを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に沿って本発明は,上記新設ドア枠が,その室内側見付面の外周に気密材装着用の受溝を備えており,該受溝は既設ドア枠に対面し又は近傍に位置しており,従って該受溝と既設ドア枠の位置関係に基づいて,気密材が溶解消失しても該受溝と既設ドア枠間を気密材代替の防火材によって封止することによって改装ドアの防火性を確保するとともに該気密材に代替する防火材を,受溝の奥行方向底部側に気密材とダブル装着するように,該気密材に先行配置した熱膨張材とし,新設ドアの加熱時に該熱膨張材が膨張して受溝,即ち新設ドアと既設ドア枠間を膨張封止して防火遮断をなし得るようにしたものであって,即ち請求項1に記載の発明を,既設ドアを撤去して残存した既設ドア枠と,該既設ドア枠に既設ドアと交換的に設置した新設ドアと,該新設ドアにおける室内側見付面の外周に形成した一連の受溝に装着して上記既設ドア枠と該新設ドア間を封止する気密材とを備えた改装ドアであって,上記一連の受溝に熱膨張材を先行配置し,該熱膨張材の室内側に気密材の嵌合脚部を嵌合することによって上記気密材を装着してなることを特徴とする既設ドア枠利用の防火改装ドアとしたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,例えば上記受溝を,既設ドア枠の,特に室内側見付面に対面して設置した場合に,熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとするように,これを,上記熱膨張材を,上記一連の受溝の奥行方向底部に先行配置してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドアとしたものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,例えば上記受溝を,既設ドア枠の近傍,例えば室内側見付面乃至見込面の近傍に設置した場合に,熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとするように,これを,上記熱膨張材を,上記一連の受溝の一側又は両側の側部に先行配置してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドアとしたものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,受溝と既設ドア枠の位置関係を上記対面し又は近傍とした何れの場合においても,例えば既設ドア枠の室内側見付面と見込面,室内側見付面とコンクリート躯体間に亘って熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとするように,これを,上記新設ドアの室内側見付面における上記一連の受溝の面外側に新設ドアの室内側見込面と低段差面をなす一連の段差受座を配置し,該段差受座に熱膨張材を追加的に配置するとともに上記気密材の嵌合脚部の面外側に張出突出した張出部によって該熱膨張材を被覆してなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドアとしたものである。
【0011】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以上のとおりに構成したから,本発明は,新設ドアの受溝と既設ドア枠の位置関係に基づいて,気密材が溶解消失しても該受溝と既設ドア枠間を気密材代替の防火材によって封止することによって改装ドアの防火性を確保するとともに該気密材に代替する防火材を,受溝の奥行方向底部側に気密材とダブル装着するように,該気密材に先行配置した熱膨張材とし,新設ドアの加熱時に該熱膨張材が膨張して受溝,即ち新設ドアと既設ドア枠間を膨張封止して防火遮断をなし得るようにして,上記気密性確保の構造をそのまま維持しつつ同時に高度な防火性能を付与することによって多方面に優れた改装ドアを防火ドアとした既設ドア枠利用の防火改装ドアを提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は,上記に加えて,例えば上記受溝を,既設ドア枠の,特に室内側見付面に対面して設置した場合に,熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとするものとすることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は,同じく上記に加えて,例えば上記受溝を,既設ドア枠の近傍,例えば室内側見付面乃至見込面の近傍に設置した場合に,熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとすることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は,同じく上記に加えて,受溝と既設ドア枠の位置関係を上記対面し又は近傍とした何れの場合においても,例えば既設ドア枠の室内側見付面と見込面,室内側見付面とコンクリート躯体間に亘って熱膨張材の膨張封止による高度な防火遮断性とこれによる高度な防火性を確保し得るものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば,Aは改装ドアであり,該改装ドアAは,既設ドアを撤去して残存した既設ドア枠1と,該既設ドア枠1に既設ドアと交換的に設置した新設ドア2と,該新設ドア2における室内側見付面の外周に形成した一連の受溝7に装着して上記既設ドア枠1と該新設ドア2間を封止する気密材20とを備えたものとしてあり,このとき上記一連の受溝7には,熱膨張材21を先行配置し,該熱膨張材21の室内側に気密材20の嵌合脚部を嵌合することによって上記気密材20を装着したものとしてあり,本例にあって上記熱膨張材21は,これを,上記一連の受溝7の奥行方向底部に先行配置したものとし,また上記新設ドア2の室内側見付面における上記一連の受溝7の面外側に新設ドア2の室内側見込面と低段差面をなす一連の段差受座10を配置し,該段差受座10に熱膨張材21を配置するとともに上記気密材20の嵌合脚部の面外側に張出突出した張出部によって該熱膨張材21を被覆したものとしてある。
【0017】
即ち改装ドアAは,例えば昭和30年代から50年台頃に建築され,一般にKJドアと称せられる鋼製プレスドアを用いたいわゆる公団住宅や民間マンションのドアを高機能ドアに交換するように,本例にあって新設ドア2は,これを,例えば格子状に形成した図示省略の中骨中空部に防音断熱材11を充填し,該中骨に,表面を化粧面とした塩ビ鋼板,焼付け鋼板等の鋼製パネルによる室内側パネル12及び室外側パネル14を張設することによって高度な防音断熱性を確保するとともに上記熱膨張材21を配置したことによって高度な防火性を確保した,例えば見込寸法を35mmとして,既設ドア枠1に設置するに適した防音断熱防火性の両面フラッシュドアとし,該新設ドア2を上記KJドアにおける既設ドアに代替的に交換設置したものとしてあり,該既設ドアを改装ドアAとするドア改装は,例えば既設ドアを撤去し,これに伴う該既設ドアの既設ヒンジを取り外して,該既設ドア枠1に新設ドア用の新設ヒンジ16,例えば耐震ヒンジを設置し,残存した既設ドア枠1を可及的にそのまま利用して各戸の居住者が居住した状態で極く短時間に騒音を発することなくそのドアの改装作業を完了し得るようにしてある。
【0018】
本例にあって,上記気密材20を装着した受溝7及び,本例にあってその面外側に配置した段差受座10は,これを中骨の外形を画する外側フレームをなす上下左右の枠材3の室内側見付面又は該枠材の室内側に一体的に配置した気密材設置枠4に設置するとともに該枠材乃至気密材設置枠4のこれら受溝7及び段差受座10を新設ドア2の室内側見付面に露出するように,室内外,特に室内側パネル12を配置することによって,該枠材3又は気密材設置枠4に先行配置の熱膨張材21の配置と気密材20の装着を行ったものとしてある。
【0019】
即ち本例にあって,上記上下左右の枠材3は,これを,室内側見付面に断面C字状の気密材設置スペースをなす凹溝を形成した同一断面形状のものとし,その長手方向端部を留め接合することによってこれら上下左右の枠材3の上記凹溝が室内側見付面に一連に連続するように配置する一方,該上下左右の枠材3に,図示省略の中間縦枠及び該中間縦枠間の補強横枠を配置して格子状に形成した中骨を形成したものとしてあり,該上下左右の枠材3を含めて該中骨は,例えばこれを鋼製とすることによってその優れた剛性を確保したものとしてある。
【0020】
また気密材設置枠4は,見込面に平行な見込片5と,見付面に平行な見付片6とを備えて断面略L字状に形成するとともに上記見付片6の面内側に受溝7を,面外側に段差受座10を隣接して,該受溝7と段差受座10とを断面L字状をなすように配置した,同じく上下左右に同一断面形状にして鋼板の曲げ物,アルミ押出材等金属製,本例にあってアルミ押出材のものとし,その長手方向端部を留め切りして相互に突合せ対接自在とするか留め接合したものとすることによって同じく該受溝7及び段差受座10が室内側見付面に一連に連続配置自在としてあり,このとき該受溝7は断面U字状をなすように背面側,即ち室外側に突設形成し且つその奥行方向底部側中間位置に受け溝横断方向にリブを対向して突設して,該リブによって受溝7の奥行方向室内側を気密材脚部嵌入部8,奥行方向室外側の底部を熱膨張材収容部9に区分したものとしてある。従って該受溝7は,その奥行方向の深さを気密材20の脚部長さに加えて熱膨張材21の厚さを加えた合計寸法とし又はこれに幾分の余裕を配置した寸法をなすものとしてある。
【0021】
該気密材設置枠4は,上記室内側に突出した受溝7の突出部を,それぞれ凹溝に収容して,その見込片5を上記上下左右の枠材3の見込面に,見付片6の先端を同じく上記上下左右の枠材3の見付面に重合状に対接し,例えば接着,溶着,ネジ止め等適宜の固定手段によって該上下左右の枠材3に固定し,該上下左右の枠材3と一体化したものとしてあり,これによって接合の有無を問わず,気密材設置枠4の受溝7及び段差受座10が,室内側見付面において上記断面L字状に一連に連続するように配置したものとしてある。
【0022】
このとき新設ドア2の室内側見付面に該一連に連続する受溝7及び段差受座10を露出した室内外のパネルの配置は,その室内側パネル12の大きさを,上記上下左右の枠材3における室内側見込面の受溝7によって画される面内の面積に合せた面積とするとともにその四周に受溝7,本例にあっては表面からリブの位置までの深さより短寸の折曲片13を備えた新設ドア2より狭面積のものとし,また室外側パネル14を,新設ドア2の室外側見込面の全面を被覆するとともにその四周に上記上下左右の枠材3の見込面を被覆する見込面寸法に応じ,例えばエッジの露出を防止するように先端を折り返した折曲片15を備えた新設ドアと同面積のものとしてある。このように室内外で異面積に形成したパネルは,室内側パネル12において,その四周の折曲片13をそれぞれ上記受溝設置枠4の受溝7,特にその面内側の溝壁に対接するように挿入し,また室外側パネル13において,該室外側パネル13に中骨を嵌入するように受入収納し,それぞれ中骨との固定を行うことによって新設ドア2とするようにしてあり,これによって該新設ドア2には,本例にあってアルミ押出形材製の受溝設置枠4に形成した受溝7及び段差受座10が露出することにより,その室内側見付面の外周に該一連の受溝7及び段差受座10が形成されるに至る。
【0023】
気密材20は,例えば硬質乃至半硬質樹脂によって脚部と被覆部とを断面L字状に配置するとともに該脚部と被覆部の端部を結ぶように軟質樹脂による中空対接部を一体成形したものとしたものを用いて,その脚部を,上記新設ドアの受溝7,特にその気密材脚部嵌入部8に嵌入し,またその被覆部によって段差受座10を被覆するように配置し,その中空対接部が既設ドア枠に対接して,新設ドアと該既設ドア枠との間の気密性を確保するものとしてある。このとき本例にあっては,上記断面L字状の脚部と被覆部を共通とするも,中空対接部の設置基部をなすこれら脚部と被覆部から室内側に向けて突出する中空対接部の突出幅を変化した複数種の気密材を選択的に使用して,例えば既設ドア枠1の歪や変形に応じて該既設ドア枠1と新設ドア2との間の気密性を完全に確保し得るようにしてある。
【0024】
一方熱膨張材21は,例えば150℃程度の加熱によって8〜15倍程度に体積膨張するグラファイト系,セラミックファイバー系等にして,例えば厚さを2〜3mm程度とした厚肉テープ状のものとしてあり,該熱膨張材21は,これを上記気密材20の設置,即ち受溝7に対する脚部の嵌入及び被覆部による段差受座10の被覆に先行して,それぞれ受溝7の熱膨張材収容部9に配置したものとしてあり,また本例にあっては更に段差受座10に熱膨張材を配置し,上記気密材の被覆部で該熱膨張材21を被覆したものとしてある。
【0025】
熱膨張材21の配置は,受溝7において長手方向端部から挿入して上記リブで区画された熱膨張材収容部9に,例えば遊嵌状に嵌挿配置することによって受溝7の底部に配置し,段差受座10において同じく硬質樹脂の被覆部を外れ止めとするように段差受座10に沿って載置することによって該段差受座10に配置し,また必要に応じて予め熱膨張収容部9乃至段差受座10又は熱膨張材21の裏面に塗布した接着剤によってを接着する等してその固定を行ったものとしてある。
【0026】
図中17は,新設ドア2のドアハンドル,18は同じく新設ドア2に設置した施錠用の面付錠を示す。
【0027】
このように受溝7及び段差受座10に,気密材20とダブル配置した熱膨張材21は,火災によって新設ドア2が加熱されると,該過熱によって室内側に位置する気密材20が溶解消失するか,溶解消失に至らなくても該気密材20を押し退けて,既設ドア枠1に向けて体積膨張し,その膨張圧によって,新設ドア2,特にその室内側見付面における受溝7乃至段差受座10と既設ドア枠1との間を,上記気密材20に代替して封止し,これらの間を高気密に防火遮断するに至る。このとき本例のにあって熱膨張材21を受溝7と段差受座10に配置したことによって,熱膨張材21の防火遮断が,既設ドア枠1の室外側見付面及びこれと直交する見込面の交差2面でなされて防火遮断性を極めて高度に確保することができる。
【0028】
従って該新設ドア2は,極めて簡易にドア改装によって既設ドア枠1に設置し得る高機能ドアとするとともにこれに更に高度な防火性を付与することによって,例えば甲種防火戸としての防火認定を受けることが可能なものとすることができる。また既設ドア枠1には歪みや変形が見られることも多いが,本例にあっては上記中空対接部の突出幅を異ならしめた複数種の気密材20を選択的に受溝に装着自在とすることによって気密性確保の観点から既設ドア枠1の歪みや変形を吸収して,既設ドア枠1を残存利用しながら高度の気密性確保を実現し,また該気密材20とダブル配置した熱膨張材21は,新設ドア2が室内外の火災による過熱を受ない限り,気密材20による気密性確保阻害することがない一方で,新設ドア2が火災の過熱を受ることによって高倍率の体積膨張を行い,気密材20の存否に拘らず,既設ドア枠1に近い新設ドア2の室内側見付面と該既設ドア枠1との間を完全に防火遮断することができる。
【0029】
図示した例は以上のとおりとしたが,上記熱膨張材を,上記一連の受溝の一側又は両側の側面に先行配置し,該熱膨張材の室内側に気密材を装着すること,この場合,更に上記と同様に段差受座を配置し該段差受座に熱膨張材を配置すること,新設ドアの室内側見付面の外周に一連の受溝又は該受溝と段差受座を,該新設ドアの室内側パネルに,例えばプレス成形によって形成し,該室内側パネルを中骨に張設するようにすること,気密材の装着を,例えば熱膨張材の体積膨張によって固定解除自在に,例えば接着剤による接着等適宜な固定手段を採ること,気密材設置枠を鋼板の曲げ物とするとき上記リブの設置を省略すること等を含めて,本発明の実施に当って,改装ドア,その既設ドア枠,新設ドア,一連の受溝,気密材,熱膨張材,必要に応じて用いる段差受座等の各具体的構造,形状,材質,これらの関係,これらに対する付加等は,上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】改装ドアの横断面図である。
【図2】改装ドアの縦断面図である。
【図3】図1の部分拡大横断面図である。
【図4】図2の部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0031】
A 改装ドア
1 既設ドア枠
2 新設ドア
3 枠材
4 気密材設置枠
5 見込片
6 見付片
7 受溝
8 気密材脚部嵌入部
9 熱膨張材収容部
10 段差受座
11 防音断熱材
12 室内側パネル
13 折曲片
14 室外側パネル
15 折曲片
16 新設ヒンジ
17 ドアハンドル
18 面付箱錠
20 気密材
21 熱膨張材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設ドアを撤去して残存した既設ドア枠と,該既設ドア枠に既設ドアと交換的に設置した新設ドアと,該新設ドアにおける室内側見付面の外周に形成した一連の受溝に装着して上記既設ドア枠と該新設ドア間を封止する気密材とを備えた改装ドアであって,上記一連の受溝に熱膨張材を先行配置し,該熱膨張材の室内側に気密材の嵌合脚部を嵌合することによって上記気密材を装着してなることを特徴とする既設ドア枠利用の防火改装ドア。
【請求項2】
上記熱膨張材を,上記一連の受溝の奥行方向底部に先行配置してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドア。
【請求項3】
上記熱膨張材を,上記一連の受溝の一側又は両側の側部に先行配置してなることを特徴とする請求項1に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドア。
【請求項4】
上記新設ドアの室内側見付面における上記一連の受溝の面外側に新設ドアの室内側見込面と低段差面をなす一連の段差受座を配置し,該段差受座に熱膨張材を追加的に配置するとともに上記気密材の嵌合脚部の面外側に張出突出した張出部によって該熱膨張材を被覆してなることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の既設ドア枠利用の防火改装ドア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−144474(P2008−144474A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333292(P2006−333292)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000150006)日本総合住生活株式会社 (35)
【出願人】(596108977)株式会社アイ・エス (12)
【Fターム(参考)】