説明

昇圧型最大電力点追従装置及び制御法

【課題】 太陽電池の発電を効率的に低コストで高速応答可能なMPPT制御する昇圧型最大電力点追従装置及び制御法。
【解決手段】 MPPT制御するための出力電力パラメータとしてスイッチングされるコイルの逆起電圧パルスのパルス幅を検出比較し、電流検出を行わずに出力電力を最大点に制御する装置及び制御法。
また動作中の誘起パルスの状態から制御の異常を検出して正常に修正し、PWM周波数を可変として入力電力量を徴小電力から大電力まで広い範囲で高分解能な電力パラメータとして高精度制御を行う昇圧型最大電力点追従装置。
及び、コイル二次電圧が最大電力点となる設定閾値電圧に上昇時にスイッチング信号とする高速PWMロジック制御法及び昇圧型最大電力点追従装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及び風力発電機等の不安定な発電力を最大効率となる様に調整する電力機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来,最大電力点追従装置の入力パラメータとして、電力の現在値を求めて調整パラメータとするものは以下の制御方法があった。
【0003】
1 発生電力を直接計測し、最大になるように調整する方法。
規定の抵抗に出力電流を流してその電圧差により電力換算するか、電流による磁界から電流を検出する方法であるが、簡易に抵抗を用いる場合は検出精度を上げるか抵抗値を上がるかしないと精度の高い検出が出来無い欠点があり、抵抗値が大きいとそのまま電力の損失となる。また、電流検出センサーを用いることは回路のコストがかった。
(たとえば特許文献1)
【0004】
2 太陽電池にあっては、発生電圧より推測した最大効率電圧に調整する方法。
電流測定が不要なため簡単な回路で実現できるため低コストで有るが、予め発電素子の性状が判明していなければならず、高効率な運転をするには制御が複雑となり、性状の判明した太陽電池以外の適用は困難であった。
また、太陽電池の解放電圧を測定している間はその太陽電池からの電力は利用できないと言う欠点もあった。
(たとえば特許文献2)
【0005】
3 入力側の電圧脈動を計測して調整パラメータとする方法。
検出演算方法が複雑であり、高性能な演算装置を必要とした。
(たとえば特許文献3)
【0006】
4 入力と出力側の電力平衡と不平衡を検出して調整パラメータとする方法。
リミットサイクルと呼ばれる手法で電力計測手段は簡略されるが2段のインバーターが必要である。
また1段のインバーターで行う場合は電流センサーを必要としていた。
(たとえば特許文献4)
【0007】
【特許文献1】特開2001−169535号公報 最大電力運転コンバーター制御装置
【特許文献2】特開2006−32612号公報 太陽電池モジュールの出力制御方法
【特許文献3】特開2005−251039号公報 太陽電池の最大電力制御方法及びその制御装置
【特許文献4】特開2006−252320号公報 電力制御方法ならびに電力制御装置および電力システム
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、複雑な演算処理及び直接電流を検出することなく、簡易な回路で応答性の良い電力調整パラメータを得る方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、スイッチングによりコイル二次側に生じる逆起電圧の発生時間の変化より電力量を検出し、簡易な回路で応答性がよく高精度に電力調整パラメータを得ることが出来るものである。
【0010】
請求項1において、コイル6の逆起電力にて入力電圧を昇圧し、出力電圧とする最大電力点追従装置にあって、電力の検出を出力電圧より逆起電圧が高くなった時間によって最大電力調整のパラメータとして制御するものである。
逆起電力が出力電圧以上になった時は出力電圧×出力時間が出力電力となり出力電圧が大きく変動しなければ出力時間は出力電力に比例する。
【0011】
この時間の計測をもって電力の比較が可能となり、この時間が最大になるようにスイッチング素子7のパルス幅を増減して制御する。
出力電圧の変動は出力側にバッテリー等の一定電圧で利用するものであれば、出力電圧は一定であると見なすことが出来、変動が有ったとしても逆起電パルスの時間間隔が短いためコンデンサーによる平滑で一定と見なすことが出来る。
【0012】
請求項2において、出力電圧より逆起電圧が高くなった時間を計測する手段として、逆起電力による電圧で制御マイコンのデジタル入力がオンになり、通常はオフとなるようにコイルの二次電圧を分圧し、制御マイコン9に直接デジタル入力する。
制御マイコン9にはオンーオフのデジタル値が入力されればよいので、必要によりフォトカプラなどの入力保護を付加しても良く、このときの入力オンの時間により最大電力調整のパラメータとし、オン-オフの間隔さえ判断できればよいので伝達に遅れが生じても制御には影響が少ない。
【0013】
請求項3において、出力電圧より逆起電圧が高くなった時間を計測する手段として、電圧比較器10を用い、比較値を制御マイコン9に直接デジタル入力し出力時間として計測する。または比較値の出力の電流を積分した電圧により最大電力調整のパラメータとする。
電圧比較器10の入力には、必要に応じて保護の為の抵抗、アナログフォトカプラ等の手段により絶縁等の保護手段を取ることが出来、電圧比較も微弱電圧変化ではないため高精度の部品を使う必要もない。
【0014】
請求項4において、出力電圧より逆起電圧が高くなった時間を計測する手段として、電圧比較器10を用い、瞬時電圧と積分電圧の比較値が出力符号の変化より逆起電力の立ち上がりか立ち下がりを判断して、その時間を最大電力調整のパラメータとする。
逆起電圧の立ち上がり及び立ち下がりは急峻なパルス状となり、立ち上がり及び立ち下がりの状態から出力電圧より逆起電圧が高くなったと判断することが出来、一本の信号電圧から瞬時電圧と積分電圧(遅延電圧)の比較値により判断可能で瞬時電圧が高くなったとき立ち上がり、逆に低くなったときが立ち下がりとなる。
【0015】
請求項5において、出力電圧より逆起電圧が高くなった時間を計測する手段として、入力電圧より高く、出力電圧より低いツェナー電圧のツェナーダイオード11を用い、ツェナー電圧より高い逆起電圧の電流の流れた時間を制御マイコン9に直接デジタル入力し出力時間として計測する。
またはツェナーダイオード11の電流を積分した電圧により最大電力調整のパラメータとする。
【0016】
検出電圧時間が逆起電圧の出力電圧以上に高くならなくとも、逆起電圧の立ち上がりと立ち下がりの間隔が検出できれば良いので、出力電圧が一定の場合は出力電圧から整流ダイオード8の電圧降下分を差し引いた電圧でデジタルオンの状態になる様にツェナー電圧を設定すれば、簡単な構成で回路を構成することが出来る。
【0017】
請求項6において、最大電力調整のパラメータを高分解能とする手段として、スイッチング素子7のPWM周波数を増減しても、発生電力は変化しないので同じ電力値であっても周波数を高くすればパルス当たりの逆起電力の発生時間は短くなり、低くすれば長くなる。
【0018】
これにより制御マイコン9の動作周波数を高速にすることなく、必要時にパラメータの分解能をスイッチング素子7による逆起電力の発生周波数を調節して、一回当たりの逆起電力の発生時間を長くして検出しパラメータの分解能を高くすることが出来る。
またコイル6に蓄積できる電力容量が足りない場合は、周波数を高くしてパルス毎の電力量を低く抑え、徴小入力から大入力まで広い範囲で効率的に制御可能となる。
【0019】
請求項7において、スイッチング素子7による逆起電力のパルス幅を調節して最大電力調整のパラメータが最大となった時の入力電圧を目標値として一時的に記憶して、最大電力調整のパラメータのゆらぎ変化が一定の時、この目標値に対して一次電圧が一致するように入力電圧を調整し、ゆらぎ変化による入力電圧の脈動を小さくする。
電力のパラメータから制御する場合は山登り法と呼ばれる常に電力下降点を探査して制御が揺らぐので、ゆらぎが一定幅にあるときの入力電圧の平均値を目標値とするとゆらぎの中心値に最適制御することが可能となる。
【0020】
請求項8において、スイッチング素子7によるパルス幅が電力に対して必要以上に長いとき、コイル二次電圧はスイッチング素子7による短絡状態で電圧が上昇して飽和状態になり、飽和する以前にコイルの電力を放出しなければ、効率が悪くなるだけでなく電力に比例したパラメータが得られなくなり、適正な制御も不能となる。
【0021】
飽和に至ったときは二次電圧がコイル二次電圧の立ち上がりと逆起電力の立ち上がりが同期しなくなるので、その同期を検出するためコイル二次電圧が一次電圧までの上昇を検出し、逆起電圧の立ち上がりがコイル二次電圧の一次電圧までの立ち上がりとスイッチングによる逆起電圧の立ち上がりに遅れが生じた場合にパルス幅を短く制御して、飽和を防止する制御法である。
【0022】
コイル二次電圧が一次電圧までの上昇を検出する手段は、スイッチング素子7による短絡となるとコイル二次電圧はグランド電位まで下降し、飽和すればスイッチングと無関係に電圧上昇し後にスイッチングによる逆起電圧が生じ、飽和していなければスイッチングと共に逆起電圧が生じる。
コイル二次電圧飽和検出信号はグランド電位から一次電圧の間で検出できればよいので、制御マイコン9のデジタルI/Oに入力して、オフからオンに変化した時にスイッチングによる逆起電圧のタイミングが同期しているかどうか、またはPWM周期のカウンターにて出力パルスが下がった時との同期を計ればよい。
【0023】
この制御を行っているときは、逆起電圧の立ち上がりの検出をPWM出力パルスが下がった時と同期するとして制御しても良い。
【0024】
請求項9において、スイッチングオン時にはコイルの二次電圧は徐々に上昇し電力の飽和する電圧まで達するが、最大電力点のスイッチングタイミングは電圧の急上昇が始まる直前付近に存在する。
最大電力点にある時の二次電圧を閾値として設定して、二次電圧の上昇が設定閾値に達した時点でスイッチングをオフにしてコイルに逆起電力を生じさせることで容易に最大電力点追従が可能となる制御法である。
【0025】
再度スイッチングオンに切り換えるタイミング信号はタイマーにより一定PWM周波数として設定するか、コイルの蓄積電力の放出の完了となる逆起電力の立ち下がりをタイミング信号として再度オンとする。
このとき、最大電力になる閾電圧を二次電圧の5〜10%程度の平均電圧とすることにより、入力が変化してもほぼ最大電力に共振して作動する。
【0026】
このときのPWMの周波数は入力電力量とコイル容量に依存して、いずれとも増加したとき周波数は低下する。
また最大電力になる閾電圧はそれぞれの条件により変動するが、簡易的には固定値でも大きな効率の低下は見られない。
【0027】
二次電圧の閾値は、前記逆起電圧の時間によって最大になった時の電圧としてフィードバックしても良いし、一次電圧または二次電圧を最適分圧した平均電圧との比較値によっても良く、マイコンからD/A出力する電圧値と比較してより高精度の制御を行うことも出来、またはマイコンからPWMにて抵抗のオンーオフによって分圧比率を調整することも可能である。
【発明の効果】
【0028】
昇圧インバーターのコイル6に発生する逆起電力による突出した電圧は、電圧の立ち上がり立ち下がりが急峻でほぼパルス状の波形であり、電圧の整合性をとればそのままデジタル出力となるので直接発生時間の計測が出来る。
【0029】
また回路に電流が流れたかどうかは、整流ダイオード8による電圧降下を伴って出力端子+3に出力され、コイル6の起電力は出力端子+3より大きいときのみ電力としてパルス的に流れるので、このパルスの発生時間は電力と比例することとなる。
このパルスは電圧差が大きく検出が容易で、電流の流れた時間を検出するには少なくとも整流ダイオード8にて生じる電圧降下分の検出が可能であればよく、構成部品精度も不要で、回路が簡素化され制御も容易になる。
【0030】
また、発生電圧は急峻でほぼパルス状の波形のため、実際に出力端子+3より大きい電圧を検出しなくとも、電圧の立ち上がり立ち下がりの電圧変化を流れた時間としても誤差は殆ど無く、電力が増加方向または減少方向の比較値として容易に高精度のパラメータとして用いることが出来る。
【0031】
請求項1において、一次側から最大電力を取り出す為に、スイッチング素子7を制御マイコン9にてPWM制御して最適値に制御するためのパラメータは出力電力の増減が判断できるものでよく、正確な出力電力値に換算の必要もなく、コイル6に誘起される突出した逆起電圧の電圧発生時間が長いほど発生電力が大きく、この時間を最長となるようにPWM値を制御すれば容易に行うことが出来、精密な電流、電圧検出が不要となる。
また、パルス状の電圧波形の時間計測なので、瞬間電力の変動が検出でき入力パラメータとして応答性が良く制御性が良くなる。
【0032】
請求項2において、二次電圧に逆起電圧が発生しているとき制御マイコン9のデジタル入力値がONになるように、分圧抵抗15にて電圧調整し、デジタル入力値がONになっている時間を計測するだけで、制御パラメータとすることが出来、パラメータ検出回路の要素は抵抗だけでよく、直接デジタル検出されるため誤差も少なく、容易に検出でき検出に関わる電力損失もない。
【0033】
請求項3において、電圧比較器10にて電圧を比較した比較値の時間出力を積分して制御マイコン9のA/Dコンバーター16にて計測、または積分用コンデンサー14の電圧が入力電圧閾値まで充電される時間を判別して、制御パラメータとすると、パラメータ検出回路の要素は電圧比較器10だけで検出電圧に関わらずに検出可能となり、同一回路で幅広い入力と出力電圧に対応が可能で、検出に関わる電力損失も少ない。
【0034】
また比較出力の積分値の電圧を計測すれば制御マイコン9の動作周波数を遅くすることが可能で制御マイコン9の消費電力を低減することが可能となる。
電圧比較による検出では、入出力の電圧に拘わらず制御出来るので、入力電圧が出力電圧より低い状態からも制御が可能となり、低電圧入力から高電圧入力まで効率よく制御することが出来る。
【0035】
請求項4において、二次電圧の比較をしなくとも、逆起電力による電圧変化は急峻となるので、短時間に電圧上昇したときの瞬時二次電圧と積分電圧の比較値により、立ち上がりと短時間に電圧降下したときの立ち下がりの時間を制御パラメータとすると、検出電圧に関わらずに検出可能となり、検出信号線が一本にて同一回路で幅広い入力と出力電圧に対応が可能となる。
【0036】
請求項5において、一次電圧より高く、出力電圧より低いツェナー電圧ダイオードを用いて、突出電圧の時のみツェナーダイオード11より流れる電流電圧の時間出力を積分して制御マイコン9のA/Dコンバーターにて計測、または積分用コンデンサー14の電圧が入力電圧オン-オフ閾値まで充電される時間を判別して、制御パラメータとすると、パラメータ検出回路の要素はツェナーダイオード11だけでよく、入出力電流に関係なく、容易に検出でき検出に関わる電力損失も少ない。
【0037】
請求項6において、制御マイコン9の計測可能な時間に対して検出パラメータである逆起電力発生時間が短いと精度良く制御することが出来なくなり、制御不能に陥ることになることがある。
これを防止するため、制御不安定となる逆起電力発生時間より短くなる場合は、PWMの周波数を低くして一回当たりのコイル6の逆起電力を大きく長くして検出させる。
入力電力が小さい時でも、高分解能でパラメータを取得でき、大電力となったときはPWM周波数を高くしてコイルの磁気飽和を防ぎ効率の低下を防ぐことが出来る。
これらにより入力電力が広範囲にて変化しても高効率にて制御が可能となった。
【0038】
請求項7において、逆起電力の発生時間の最長時の一次電圧を最大電力制御電圧として一次電圧を制御することで、山登り法による制御で生じる脈動を少なくすることが可能となり入力の効率を高めることが出来る。
また、風力発電の様な機械的な制御系の遅れが有る場合など、応答時間を任意に遅延させたり方向性を持たせた制御する時にも制御性が向上する。
【0039】
請求項8において、コイルの電力飽和による効率の低下が起こり、効率の低下と共に検出パラメータが不安定となり、制御不能になるので、パルス幅を短く制御して飽和を防止しすることで、効率の低下を防ぎ、確実な制御を行う事が可能となる。
これにより負荷の急変動が生じても適正制御不能になることが無く、幅広い入出力電力で安定した高速応答が可能となり、コスト増加もない。
【0040】
請求項9において、コイルの二次電圧の比較だけで制御が可能なので、回路が簡易であり、演算の必要もなく高速に制御が可能であり、構成部品は電圧比較器10とパルス周期を作るタイマーの組み合わせにて可能でマイコン等を利用するよりコストが低く低消費電力にて構成できる。
【0041】
逆起電力の立ち下がりをスイッチングオンの信号とするときは、さらにタイマーも不要となり、より高速での作動が可能となり、高速にすることにより、本発明で一番大きいコスト要因であるコイル及びコンデンサーの容量を小さくすることが出来、より小型化低コスト化が図れる。
【0042】
山登り法等のように制御が揺らぐことがないので、入力インピーダンスを一定に保ち入力装置の効率が改善される。
制御に演算を必要としないのでロジックのみのハードウェアにより簡単に構成でき、高速応答処理が容易である。
【0043】
これら方法によれば、電力の大きさに関わらず検出制御回路は同じで良く、大電力用であってもコストの増加分は最小となる。
また、電流の通過経路の抵抗が小さくでき電力損失も最小とすることが出来る。
個々の太陽電池パネルの逆流防止機能もあるので、逆流防止ダイオードの置き換えとしても定格照度発電時損失は同等であり、低照度発電時には格段の高率向上が望め、照度不均衡、温度のばらつきによる出力の低下が防げる。
実際の太陽電池パネルによる発電では、定格に至ることはなく、晴天あっても定格以下の発電しかできないので実用効率は相当量の向上が見込める。
【0044】
また、制御するための電源も入力側より取ることが出来、入力電圧が制御マイコン9の動作電圧に達した時に作動開始して外部電力を消費しない独立した部品として接続することが出来る。
制御用の電圧が不安定であってもアナログ回路を必要としないので誤動作を起こしにくく、より低電圧で作動させることが出来る。
【0045】
以上の様な利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
図1の回路1は本発明の1実施形態を示すものであり、基本的構成である。
発電装置からの電力プラス側を入力端子+1に接続し、発電電力のマイナス側を入力端子−2に接続する。
発電装置より入力端子+1に入力された電力は平滑コンデンサー5により入力側の電圧脈動を平均化しコイル6を介して制御マイコン9にてオンーオフ制御されるスイッチング素子7でコイル6の2次側をグランドと断続し、整流ダイオード8を介して平滑コンデンサーと5出力端子+3に出力される。
【0047】
整流ダイオード8はコイル6の二次側から出力端子+3の方向に電流が流れ、その両極から電圧比較器10に比較入力し出力を制御マイコン9の入力に接続する。
出力端子−4はグランドとして入力端子−2及びスイッチング素子7にそれぞれが接続され昇圧型最大電力点追従装置を構成する。
これが作動するとき、入力端子+1よりコイル6に流れた電流は、制御マイコン9にてPWM制御されるスイッチング素子7によりコイル6二次側をグランドから切断した時に一次側より高い逆起電圧を発生し、その電圧が出力端子+3の電圧より高電位となるとき整流ダイオード8を通過して出力電流となる。
【0048】
電流が整流ダイオード8を通過できるときは、電圧比較器10のコイル6側が出力端子+3より高電圧となり、電流が出力された時間は電圧比較器10の出力が反転され、制御マイコン9の動作クロックにてカウントし、電力に比例した時間のパラメータとなる。
このときスイッチング素子7の断続時間割合を変化させるとコイル6の一次側インピーダンスが変化し、このインピーダンスを時間のパラメータが最大電力となるように調整する。
以下にその各要素を実施例において説明する。
【実施例1】
【0049】
図2に回路2を示し、出力電流を検出する手段として、コイル6二次側より分圧抵抗15にて逆起電力による突出電圧で制御マイコン9のデジタル入力がオンになり、通常はオフとなるようにコイル6の二次電圧を分圧し、制御マイコン9に直接デジタル入力し、このデジタル入力の値がオンの時間を電力に比例した時間のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
【実施例2】
【0050】
図3に回路3を示し、出力電流を検出する手段として、整流ダイオード8の両極を電圧比較器10に比較入力し、出力は電流制限抵抗12を介して積分用抵抗13と積分用コンデンサー14に接続し制御マイコン9の入力に接続する。
出力電流の流れる時間は電圧比較器10の出力が電流制限抵抗12を介して積分用コンデンサー14に充電され、制御マイコン9出力を一端Loにして積分用コンデンサー14の電荷を放電させたのち、入力に切り替え充電電圧がデジタル入力オンの電位になるまでの時間を電力に比例した時間のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
【0051】
あるいは、積分用抵抗13と積分用コンデンサー14より得られる電圧をA/Dコンバーターにて電圧値として電力に比例した電圧のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
【実施例3】
【0052】
図4に回路4を示し、出力電流を検出する手段として、コイル6二次側より電流制限抵抗12を介して両端を電圧比較器10の比較入力に接続した電流制限抵抗12を積分用抵抗13と積分用コンデンサー14に接続し、電圧比較器10の出力を制御マイコン9に入力する。
この電圧比較器10の比較値は、コイル6二次側の瞬時電圧と積分用コンデンサー14に変動電圧が充電される時間差によって比較出力が変化し、コイル6二次側の逆起電電圧の急峻な電圧の立ち上がりと立ち下がりが検出され、立ち上がりと立ち下がりの経過時間を電力に比例した時間のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
【実施例4】
【0053】
図5に回路5を示し、出力電流を検出する手段として、コイル6二次側よりツェナーダイオード11と電流制限抵抗12を介して積分用抵抗13と積分用コンデンサー14に接続し制御マイコン9の入力に接続する。
ツェナーダイオード11のツェナー電圧は一次電圧より高く、出力電圧より低くい設定として突出電圧の時のみツェナーダイオード11より電流が流れる。
【0054】
出力電流の流れる時間は二次電圧がツェナー電圧を越えたときとほぼ同期しているので ツェナーダイオード11より流れる電流は電流制限抵抗12を介して積分用コンデンサー14に充電され、制御マイコン9出力を一端Loにして積分用コンデンサー14の電荷を放電させたのち、入力に切り替え充電電圧がデジタル入力オンの電位になるまでの時間を電力に比例した時間のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
あるいは、積分用抵抗13と積分用コンデンサー14より得られる電圧をA/Dコンバーターにて電圧値として電力に比例した電圧のパラメータとしてスイッチング素子7を制御する。
また、積分用コンデンサー14の容量を小さくして、直接電流の流れた時の電圧上昇をデジタルオンとして時間計測しても良い。
【実施例5】
【0055】
図6に回路6を示し、電力パラメータを一時保持し、入力一次電圧を電圧制御する方法を説明する。
入力電圧を分圧抵抗15にて分圧してA/Dコンバーター16より制御マイコン9に入力し、実施例4あるいは実施例1から3の手段にて電力のパラメータを取得し、スイッチング素子7の制御パルス幅をスイープして最大電力のパラメータを最大値とし、その時の一次入力電圧を最大電力時の電圧として入力電圧を制御する。
【0056】
このとき、電力のパラメータが変動しないときは一時保持した最大電力電圧に電圧制御され、電力のパラメータに変動が有った場合は再度制御パルス幅をスイープして最大電力のパラメータを求め電圧目標値を再設定する。
または、電力パラメータによる山登り法にて、ゆらぎが一定幅にあるときのサンプリング入力電圧の加重平均値を目標値としてスイッチング素子7を制御する。
【実施例6】
【0057】
図7に回路6を示し、コイル6の電力飽和による効率の低下及び検出パラメータが不安定になることを防ぐ手段を説明する。
コイル6二次電圧から電流制限抵抗12を介して制御マイコン9のデジタル入力に接続し、 さらに二次電圧を分圧抵抗15により分圧して電圧比較器10のー側に入力する。
【0058】
整流ダイオード8より出力側を分圧抵抗15より分圧して電圧比較器10の+側に入力し比較出力を制御マイコン9にデジタル入力する。
分圧抵抗15の比率は抵抗の精度ばらつきを考慮して、整流ダイオード8の電圧降下を加味して二次電圧が逆起電力により突出したときはー側が電圧大、突出しないときは+側が電圧大となるようにヒステリシスを設けて確実に検出できる様にする。
【0059】
これにより、二次電圧の直接電圧による制御マイコン9のデジタル入力値と整流ダイオード8両端の電圧比較値がデジタル入力され、この2つのデジタル値のオン-オフのタイミングにより電力飽和が起こっているかどうかを判断する。
【0060】
図8に二次電圧1の線図にて正常に制御されている状態を表し、スイッチングパルスがオンの時に二次電圧はグランド電位となっており、スイッチングパルスがオフになった瞬間に二次電圧が高電位に立ち上がり出力電圧を上回り出力される。
このときは、スイッチングパルス幅に応じた制御が可能であり、逆起電力が小さいときはパルス周期を長くするとパルス当たりの逆起電力も大きくなり安定した制御が継続できる。
【0061】
図9に二次電圧2の線図にて異常を起し制御不能になっている状態を表し、スイッチングパルスがオフになる前に二次電圧が上昇して、その後スイッチングパルスがオフになっても小さい逆起電力しか発生せず、その量も不安定で正常な制御が困難となる。
【0062】
このとき、二次電圧の直接電圧による制御マイコン9のデジタル入力値がオンになるタイミングと整流ダイオード8両端の電圧比較値がデジタル入力の立ち上がりオンのタイミングに時間差を生じ、この時間差が検出された場合はこの時間差が無くなるまでパルス幅を短くして正常な制御可能な状態にする。
この同期タイミングは逆起電力の立ち上がりとスイッチングパルス立ち下がりと同じ事であり、このときは制御マイコン9のPWM制御はスイッチングパルス立ち下がりから逆起電圧の立ち下がりの時間から制御可能である。
【実施例7】
【0063】
図11に代表的な制御フローを示して、制御マイコン9による制御方法を説明する。
【0064】
1・電源電圧が動作可能なったとき、制御動作を開始し、予め設定されたPWM周波数、パルス幅でスイッチング素子7を駆動し始め二次電圧に逆起電力を発生させる。
【0065】
2・二次電圧が飽和しているかどうか、入力値のタイミングを検出し、タイミングが遅延していればパルス幅を短く制御して飽和を回避する。
【0066】
3・スイッチングパルス幅を増加しながら電力パラメータ最高値から減少に変化するまで、増加と検出を繰り返す。
【0067】
4・スイッチングパルス幅を減少しながら電力パラメータ最高値から減少に変化するまで、減少と検出を繰り返す。
【0068】
5・パルス幅の増加方向及び減少方向の探査が終わり、電力最大値付近となったところで電力パラメータが制御に十分な値になっている時は二次電圧飽和検出に戻り、パラメータが過大の場合はパルス周期を短くし、過小の場合はパルス周期を長くして電力パラメータが制御に最適となるようにパルス周期を制御する。
【0069】
図10に電力曲線を示し、制御フローを状態に対応させる。
1. 初期設定でPWM値は制御応答の良い急勾配の山麓当たりから始める。
2. 二次電圧飽和判断は電力線図の緩慢勾配付近を制御して制御不能になっているか判断。
3. パルス幅増加方向探査にて急勾配でなければ緩慢勾配を頂上まで登る。
4. パルス幅減少方向探査にて緩慢勾配でなければ急勾配を頂上まで登る。
5. 最大電力となる頂上では昇圧側電力下降点と降圧側電力下降点の間を行き来する動作となる。
【0070】
さらに昇圧側電力下降点と降圧側電力下降点の時の入力サンプリング電圧を平均した電圧に入力電圧制御に切り替えると最大電力となる頂上に制御を留めることが出来、電力パラメータに変動に応じて再サンプリングする。
【0071】
実証として、図7の回路にて、コイル6の容量120μH許容電流2Aを使用し、入力を太陽電地(解放電圧公称4V、短絡電流公称250mA)にて入力電圧より直接制御用電源を取ったマイコンを8MHzにて動作させた。
【0072】
PWM周波数は32kHzから1.6kHz可変としたプログラムで12Vの鉛バッテリーに充電させたところ、初春の太陽光直射にて40mA、雲に隠れたときで10mA程度の充電が可能であった。
【0073】
同じ条件で解放電圧の80%に比率固定した電圧制御に比較して、10〜20%の効率の上昇が測定でき、バッテリーに充電可能な出力最小電流は0.1mA程度まで良好な制御性を示した。
【0074】
また追従速度は平滑コンデンサーの容量にも依存するが、オシロスコープ波形変化でみると照度50%変化時も目測0.1秒程度での追従性能を示した。
また太陽電地(解放電圧公称2V、短絡電流公称250mA)に入力電圧を下げても、マイコンの動作電圧に入力電圧が足る限りは微少電流でも12Vの鉛バッテリーに充電が可能であった。
【0075】
入力電圧を出力電圧以下にして作動させた時においても、太陽電池から整流ダイオード8を経由して出力した電力と変わらず、入力電圧が下がると正常に制御され幅広い入出力電圧に対して安定に動作することが確認できた。
【0076】
比較対象として単純電圧制御と比較した場合、光源としてハロゲンランプを使用して近距離照射において太陽電池の温度上昇が大きく発電高率の低下が著しい場合においても電圧制御に比較して効率の低下割合が少なく全般的な効率が改善された。
【0077】
これの制御に用いたマイコンは低価格であると共に、動作電圧は仕様範囲外であるが1.2V程度で動作し、作動温度はー55度から+125度が保証されるので、屋外の炎天下及び極寒の環境でも十分に仕様に耐えることが可能であり、太陽電池が使用できる環境であれば太陽電池パネルに組み込んでも問題はない。
【0078】
また、8W蛍光灯下30cmでニッケル水素充電池4本直列(公称電圧4.8V)に充電して0.2mA程度の充電電流が確保できた。
これは2000LUX程度なので、室内で比較的明るい照明があれば徴小電力でも利用できるようになった。
【実施例8】
【0079】
図12に回路8を示して、コイル二次電圧の閾電圧比較によりスイッチング制御する方法を説明する。
【0080】
コイル6二次側に分圧抵抗15にて分圧した電圧は積分用コンデンサー14により平均化されて電圧比較器10の+に入力され、コイル6二次側から保護のための電流制限抵抗12を介して電圧比較器10のーに入力される。
電力最大点の閾電圧となるように分圧抵抗15は比率調整され、二次電圧の分圧後平均化された電圧と現在値の電圧の比較されたデジタル値は制御マイコン9に入力され、制御マイコン9はタイマーにより周期的にスイッチング素子7をオンに切り替えると二次電圧は一旦下がり徐々に上昇はじめ二次電圧の分圧後平均化された電圧を閾値として現在値の電圧比較値が閾値に至り電圧比較器10の出力が反転するとスイッチング素子7をオフに切り替える。
【0081】
スイッチング素子7のオフにより二次電圧は逆起電力を生じ整流ダイオード8を通過して出力端子+3に出力電力となる。オフ状態のスイッチング素子7は再度タイマーによりオンとなり、連続したPWM制御がなされる。
【0082】
図13に二次電圧3の線図にて、動作における各電圧の変化を説明する。
【0083】
まず、タイマーによりオンとなったスイッチングパルスは二次電圧を立ち下げ、二次電圧は閾値より低い電圧状態となり、時間と共に電圧が閾値に達するとスイッチングパルスはオフに切り替わり、同時に逆起電圧が上昇する。
上昇した二次電圧は整流ダイオード8を通過して出力され、オフとなったスイッチングパルスはタイマーにより一定間隔でオンを繰り返す。
【0084】
また、逆起電力の立ち下がりをスイッチングオンの信号とした場合は、逆起電圧が二次電圧平均の110%から150%程度を立ち下がり閾としてスイッチングをオンに切り換えればスイッチングにより二次電圧はグランドまで降下しサイクルを繰り返す。
尚、立ち下がりの検出方法は前述実施例のものでも良い。
【0085】
このとき、二次電圧の変化は上限と下限のパルス状態となり、二次電圧の立ち下がりは逆起電圧からグランド電圧まで直線降下する。
【0086】
この動作を実施例6にて示した飽和防止手段だけによると、右の線図の様になり二次電圧は徐々に上がり始め後段にて急上昇となる。
このとき連続した上昇曲線を描くときは電力飽和限界までで、その後は制御不能に陥る。
よってこの方法によれば制御不能に陥る前に制御されるので簡単な制御でありながら確実な制御法となる。
【0087】
実証として、制御マイコン9に簡単なロジック回路タイマーと出力のロジックのみの簡単な動作プログラムを組み、分圧抵抗15として可変抵抗を用いて容易に調整可能とした回路で作動させた。
重複する構成部品は前述と同じでタイマーは32kHzに固定し、光源としてハロゲンランプを使用して近距離照射において前記の手段と比較した。
【0088】
閾値電圧の調整は出力電圧一定で電流最大となるよう可変抵抗で手動調節して行い、最大電流値となったときの二次電圧平均が2.25V/分圧電圧215mVであった。
この分圧比は約10:1で照度の変化に対しても大きな変化はなく、追従速度はリアルタイムで遅れは目測では測定不能で脈動も無くタイマーで波形を出しているものと見分け不能なほど安定していた。
【0089】
また、閾値電圧の調整は電力パラメータよりD/Aコンバーターにてアナログ出力した電圧を用いてより高精度のフィードバック制御が可能であり、低速のマイコンを利用して高速高精度なPWM制御が可能となり、フィードバック制御を付加してもコストは殆ど変わらない。
【0090】
光源から太陽電池を50mmの距離の同条件において回路別に比較すると、単純電圧制御にて出力電流18.6mA、図7の回路にて21.0mA、本回路にて19.5mAとなり、電力パラメータによる制御には及ばなかったが、単純電圧制御以上の出力を得ることが出来た。
【0091】
図13の回路は簡単な制御にマイコンを用いたが、同等の動作はCMOSデジタル回路でタイマーの組み合わせだけで構成できマイコンを用いなければさらに低消費電力とすることが可能であり、小型軽量化が可能で超小型太陽電池によるアプリケーションに適応できる。
【0092】
また、逆起電力の立ち下がりをスイッチングオンの信号プログラムにおいても同様の効果が確認でき、この場合PWMの周波数は変動するが、動作ロジックが複数の電圧比較器10を組み合わせにて回路が実現でき回路構成がより簡単になる。
【0093】
この時のPWM周波数はコイルの充放電による共振と言えるので、周波数を調整する場合はコイルの容量を変える事で対応が出来き、発電電力の増加により周数は低くなり、発電量が少なくなれば周波数は高くなるので電力量の目安としても利用可能である。
【0094】
以上のように実施例を複合して最適システムを構成する。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明により構成された装置は、構造が簡単で製造コストは少なく、大電力を制御する場合でも検出制御系は同じであり、アナログによる精密な部品も使用しないのでノイズにも強く、温度変化による精度劣化も起きない。
構成部品点数も少ないため小型で耐久性に優れる。
【0096】
利用可能用途別に以下に列記する。
【0097】
1 太陽電池パネルまたはセルに分散配置が低コストで組み込めるので照度不均衡によるシステムの効率が低下を防ぎ、個々のユニットの送電を高電圧により行えるので送電ロスが低減でき合わせて送電線を細くすることも出来、ユニット毎の逆流防止ダイオードも不要となる。
【0098】
2 独立系の小型太陽電池パネルの徴小電力で有っても制御が可能で、ソーラーカーのような照度の変化が激しい移動体に設置しても高速な追従で発電効率が改善される。
また入出力の電圧が限定されないので多くの機器に設定変更なしで対応可能である。
3 電力による制御のため、風力発電、水力発電などにも利用可能であり、バッテリー充電コントローラー機能を持たせることも容易で、発電しない時は電力を消費しないのでバッテリーの利用効率も上昇する。
【0099】
4 制御に関わるプログラムが小さく、僅かなデジタルI/O使用で構成されるので 充放電コントローラー等のユニットに組み込みも容易である。
【0100】
5 小型軽量で徴小電力から制御できるので、衣服、鞄、帽子に取り付けた小面積の太陽電池であっても2次電池に充電することが効率よくでき、直射光から室内照明における幅広い照度で利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】回路1
【図2】回路2(実施例1)
【図3】回路3(実施例2)
【図4】回路4(実施例3)
【図5】回路5(実施例4)
【図6】回路6(実施例5)
【図7】回路7(実施例6)
【図8】二次電圧1
【図9】二次電圧2
【図10】電力曲線
【図11】制御フロー
【図12】回路8(実施例7)
【図13】二次電圧3
【符号の説明】
【0102】
1 入力端子+
2 入力端子−
3 出力端子+
4 出力端子−
5 平滑コンデンサー
6 コイル
7 スイッチング素子
8 整流ダイオード
9 制御マイコン
10 電圧比較器
11 ツェナーダイオード
12 電流制限抵抗
13 積分用抵抗
14 積分用コンデンサー
15 分圧抵抗
16 A/Dコンバーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルの逆起電力にて入力電圧を昇圧し、出力電圧とする最大電力点追従装置にあって、電力の検出を出力電圧より逆起電圧が高くなった時間によって最大電力点追従調整のパラメータとする昇圧型最大電力点追従制御法。
【請求項2】
請求項1の出力電圧より逆起電力が高くなった時間を計測する手段として、コイル二次電圧を分圧し、逆起電圧上昇にてデジタル入力オンとなるマイコンにおいて、入力オンの時間により最大電力調整のパラメータとする昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項3】
請求項1の出力電圧より逆起電力が高くなった時間を計測する手段として、電圧比較器を用い、比較値出力時間またはその電流を積分した電圧により最大電力調整のパラメータとする昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項4】
請求項1の出力電圧より逆起電力が高くなった時間を計測する手段として、電圧比較器を用い、逆起電力の立ち上がりから立ち下がりの時間により最大電力調整のパラメータとする昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項5】
請求項1の出力電圧より逆起電力が高くなった時間を計測する手段として、入力電圧より高く、出力電圧より低いツェナー電圧ダイオードを用い、ツェナー電圧より高い逆起電圧の電流の流れた時間、またはその電流を積分した電圧により最大電力調整のパラメータとする昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項6】
請求項1の最大電力調整のパラメータを高分解能とする手段として、逆起電力の発生周波数を調節して、一回当たりの逆起電力の発生時間を長くして検出する昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項7】
請求項1の最大電力調整のパラメータが最大となった時の入力電圧を目標値として入力電圧調整する昇圧型最大電力点追従装置。
【請求項8】
コイルの逆起電力にて入力電圧を昇圧し、出力電圧とする最大電力点追従装置にあって、コイル二次電圧のコイルの電力飽和による二次電圧の上昇とスイッチングによる逆起電力の立ち上がり間隔の差異により、コイルの電力飽和を検出し、逆起電力の立ち上がりがコイルの飽和による電圧上昇より時間の遅れる時にパルス幅を短く制御して、飽和を防止する昇圧型最大電力点追従制御法。
【請求項9】
コイルの逆起電力にて入力電圧を昇圧し、出力電圧とする最大電力点追従装置にあって、 スイッチングオン時にコイルの二次電圧の上昇が設定閾値に達した時点でスイッチングをオフにしてコイルに逆起電力を生じさせる昇圧型最大電力点追従制御法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−257309(P2008−257309A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−95926(P2007−95926)
【出願日】平成19年3月31日(2007.3.31)
【出願人】(592206673)
【Fターム(参考)】