桝目格子体の固定構造及びこれを用いる固定金具
【課題】 縦横の鋼線をその交点で溶着して、1面を開口し5面を格子面としたパネル状乃至ボックス状の桝目格子体を形成し、これを壁面、枠体等の取付基体に金具固定する。
【解決手段】 金具固定する格子面や固定角度によって取付基体3に面する縦横の鋼線11の内外位置が逆転するように異なる場合もその固定をなし得るように、一対の固定片21間に突出配置した突出基部22の幅方向に湾曲した離隔一対の鋼線支持片25を配置するとともに該鋼線支持片25間に鋼線受入溝28を配置した固定金具2を形成し、鋼線支持片25に対して、これに平行な鋼線11を被嵌支持し、これに直交する鋼線11を上記鋼線受入溝28に受入れるか、遊嵌の被嵌支持による取付基体22側の余裕空間に受入れて、桝目格子体Aの金具固定を行う。
【解決手段】 金具固定する格子面や固定角度によって取付基体3に面する縦横の鋼線11の内外位置が逆転するように異なる場合もその固定をなし得るように、一対の固定片21間に突出配置した突出基部22の幅方向に湾曲した離隔一対の鋼線支持片25を配置するとともに該鋼線支持片25間に鋼線受入溝28を配置した固定金具2を形成し、鋼線支持片25に対して、これに平行な鋼線11を被嵌支持し、これに直交する鋼線11を上記鋼線受入溝28に受入れるか、遊嵌の被嵌支持による取付基体22側の余裕空間に受入れて、桝目格子体Aの金具固定を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横の鋼線を各交点で溶着した桝目格子体を、壁面、枠体等の取付基体構に固定するに用いる桝目格子体の固定構造に関し、また、これに用いる桝目格子体の固定金具に関する。
【背景技術】
【0002】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した桝目格子体は、例えば、上下端に断面半円形、円形、四角形等適宜形状の胴縁を配置した、公共施設、工場等の屋外仕切り用に用いられるグリッドフェンスが知られており、下記の特許文献1によれば、その取付基体、即ち、支柱への固定の構造は、該支柱の上端を塞ぐ支柱キャップにその下端から正面側に突出配置した上向きフック状の固定金具を用い、該固定金具に上記グリッドフェンスにおける上位胴縁の下方位置の横線を引掛状に受け入れるとともに上記支柱の中間位置複数個所にフックボルトを貫通設置して正面側に突出したフックにグリッドフェンス中間位置の横線を受け入れて、該支柱の背面側に突出したボルト軸に締着したナットの定位置回転によって該フックを支柱側に引寄せることによって、これを行なうものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−207693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
桝目格子体は上記グリッドフェンスとして用いられるが、該桝目格子体を、複数の桝目格子面を有するように桝目格子体を形成し、その任意の桝目格子面を、壁面や枠体等の取付基体に添設乃至架設するように配置することによって、該桝目格子体は、例えば、スクリーン部材とし、蔓を這わせる日除け部材とし、同じく蔓を這わせる水平の屋根部材とし、植物の鉢や鉱石を載置する装飾部材、厚みを有する仕切り部材等として使用するエクステリア用の部材として使用することが可能となる。
【0005】
この場合、桝目格子体は、取付基体に固定する桝目格子面は、桝目格子体における複数のいずれかの面となるが、該桝目格子面は、縦横の鋼線を各交点で溶着して形成したものとされるから、任意の1面に対して交差するように折曲した交差面は、例えば、上記グリッドフェンスのように、表面側に縦桟、背面側に横桟が位置する場合と、取付基体への固定に際して桝目格子体を1/4円回動することにより表面側に横桟、背面側に縦桟が位置する場合の双方が生じることになる。従って、固定の態様によって桝目格子体の交点における縦横の鋼線の表裏位置、即ち、正面側及び背面側の位置が逆転するとともに該鋼線位置の逆転に伴って固定対象とする鋼線の取付基体からの距離が、鋼線1本の太さ分、例えば数mm程度異なることになるから、このように複数の桝目格子面を有して、その任意の桝目格子面を取付基体へ固定するように用いる桝目格子体については、該縦横の鋼線位置の逆転と、これによる取付基体との距離の相違を前提にして、取付基体に対して添設乃至架設し得るようにした固定の構造を採用することが求められる。
【0006】
また、上記フックボルトの固定金具は、桝目格子体の固定位置毎に取付基体に対してフックボルトを挿通する貫通孔を透設する必要があるとともにナットの回転によって該フックボルトを取付基体側に引寄せる必要があるから、桝目格子体の固定作業が煩雑化する傾向があるとともに良好な外観が得難いといった問題点があり、上記桝目格子体の固定金具として、可及的簡易且つ確実に固定作業をなし得るとともに良好な外観と安定した固定納まりを得られるようにしたものとすることが求められる。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、上記縦横の鋼線位置の逆転と、これによる取付基体との距離の相違を前提にして、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して添設乃至架設し得るようにするとともにその作業を可及的簡易且つ確実になし得て、良好な外観と安定した固定納まりをなし得るようにした桝目格子体の固定構造を提供するにあり、また、該桝目格子体の固定に適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られる固定金具を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に沿って本発明は、壁面、枠体等の取付基体に、例えば、ネジ固定するように対接固定する一対の固定片と、該固定片間に断面U字状とすることによって強度を確保した突出基部と、この突出基部から正面側に並列するように突出して縦横一方の鋼線を遊嵌して被嵌支持する一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間に配置して縦横他方の鋼線を受入れ自在とした鋼線受入溝を備えた固定金具を用いて、取付基体に固定片を対接固定した該固定金具の上記鋼線支持片に、溶着した交点においてその縦横一方の鋼線を遊嵌支持するとともに縦横他方の鋼線を、該縦横一方の鋼線の正面側に位置するとき、これを、上記鋼線受入溝に受入れ、背面側に位置するとき、鋼線支持片と突出基部間の空隙に受入れるようにして、一対の鋼線支持片による縦横一方の鋼線の安定支持とその正面側又は背面側に位置する縦横他方の鋼線の受入れによって上記縦横の鋼線位置の逆転とこれによる取付基体の距離の相違を吸収して、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して外観良好且つ安定した添設乃至架設をなし得るようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、任意の桝目格子面における鋼線交点位置で固定金具を用いて取付基体に対して添設乃至架設するように固定した桝目格子体の固定構造であって、上記固定金具を、上記取付基体に対接固定する幅方向に一対の固定片と、該一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えて形成し、上記取付基体に固定片を対接固定した固定金具の離隔一対の鋼線支持片に該鋼線支持片に平行な縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線と直交する縦横他方の鋼線を、上記縦横一方の鋼線の正面側で上記鋼線受入溝に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線の背面側で突出基部との間に受入れ配置することによって上記固定金具による固定を行ってなることを特徴とする桝目格子体の固定構造としたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、開口を配置し又は開口のないパネル状乃至ボックス状として形成し、上記スクリーン部材、日除け部材、装飾部材、仕切り部材等の様々な形態のエクステリア用の部材として用い得るものとするように、これを、上記桝目格子体を、1面を開口した5面の桝目格子面又は開口不存在の6面の桝目格子面を有するパネル状乃至ボックス状に形成し、該桝目格子体の任意の対向する桝目格子面を上記固定金具によってそれぞれ複数個所で固定してなることを特徴とする請求項1に記載の桝目格子体の固定構造としたものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、取付基体に添設乃至架設固定するに適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られ且つ可及的簡易な構造として、例えば、プレス成形や一体成形によって形成し得る固定金具を提供するように、これを、所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、桝目格子面における縦横双方の任意の交点位置で取付基体に対して固定するように用いる固定金具であって、上記取付基体に対接固定する幅方向一対の固定片と、該幅方向一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出して上記縦横一方の鋼線を取付基体との間の開口から挿入することによって該縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持する離隔一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えてなることを特徴とする桝目格子体の固定金具としたものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記に加えて、取付基体に桝目格子面を固定するに際して、上記縦横一方の鋼線の背面側に縦横他方の鋼線があるとき、該縦横他方の鋼線の受入れを可及的スムーズ且つ確実になし得るものとするように、これを、上記突出基部の幅方向中間位置に、鋼線の受入又はその逃げスペースをなす凹溝を配置してなることを特徴とする請求項3に記載の桝目格子体の固定金具としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記鋼線支持片を、上記縦横一方の鋼線を遊嵌支持することによる安定した取付基体への固定をなし得るとともにこれに固定した桝目格子体が外れたりする可能性を解消したものとするように、これを、上記鋼線支持片を、上記突出基部との間の開口を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイドを備えて形成してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の桝目格子体の固定金具としたものである。
【0013】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、壁面、枠体等の取付基体に、例えば、ネジ固定するように対接固定する一対の固定片と、該固定片間に断面U字状とすることによって強度を確保した突出基部と、この突出基部から正面側に並列するように突出して縦横一方の鋼線を遊嵌して被嵌支持する一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間に配置して縦横他方の鋼線を受入れ自在とした鋼線受入溝を備えた固定金具を用いて、取付基体に固定片を対接固定した該固定金具の上記鋼線支持片に、溶着した交点においてその縦横一方の鋼線を遊嵌支持するとともに縦横他方の鋼線を、該縦横一方の鋼線の正面側に位置するとき、これを、上記鋼線受入溝に受入れ、背面側に位置するとき、鋼線支持片と突出基部間の空隙に受入れるようにして、一対の鋼線支持片による縦横一方の鋼線の安定支持とその正面側又は背面側に位置する縦横他方の鋼線の受入れによって上記縦横の鋼線位置の逆転とこれによる取付基体の距離の相違を吸収して、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して外観良好且つ安定した添設乃至架設をなし得るようにした桝目格子体の固定構造を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、開口を配置し又は開口のないパネル状乃至ボックス状に形成し、上記スクリーン部材、日除け部材、装飾部材、仕切り部材等の様々な形態のエクステリア用の部材として用い得るものとすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、取付基体に添設乃至架設固定するに適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られ且つ可及的簡易な構造として、例えば、プレス成形や一体成形によって形成し得る固定金具を提供することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記に加えて、取付基体に桝目格子面を固定するに際して、上記縦横一方の鋼線の背面側に縦横他方の鋼線があるとき、該縦横他方の鋼線の受入れを可及的スムーズ且つ確実になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記鋼線支持片を、上記縦横一方の鋼線を遊嵌支持することによる安定した取付基体への固定をなし得るとともにこれに固定した桝目格子体が外れたりする可能性を解消したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】壁面に添設した桝目格子体の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の上位の固定部分の拡大図である。
【図4】図2の上位の固定部分の拡大図である。
【図5】枠体に水平に架設した桝目格子体の底面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の固定部分の拡大図である。
【図8】図6の固定部分の拡大図である。
【図9】支柱間に垂直に架設した桝目格子体の正面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9の上位の固定部分の拡大図である。
【図12】図9の下位の固定部分の拡大図である。
【図13】図12の固定部分の平面図である。
【図14】固定金具の正面図である。
【図15】固定金具の側面図である。
【図16】固定金具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図中Aは、例えば、玄関、庭等の住宅や公共施設、工場等にそのエクステリア用の部材として用いるようにした桝目格子体であり、図1乃至図4は、該桝目格子体Aを、取付基体3の壁面に対して垂直に添設固定して装飾部材とした例、図5乃至図8は、桝目格子体Aを、取付基体3の枠体に水平に架設固定して屋根部材とした例、図9乃至図12は、上下2枚の桝目格子体Aを、取付基体3の支柱間に垂直に架設固定してスクリーン乃至仕切り部材とした例であり、これら桝目格子体Aの上記壁面、枠体乃至支柱の取付基体3に対する添設乃至架設固定は、図13乃至図15に示す固定金具2を用いて、これを行ったものとしてある。
【0021】
桝目格子体Aは、所定ピッチに配置した縦横の鋼線11を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面1を有するものとしてあり、本例にあって該桝目格子体Aは、例えば、高さを45cm、60cm又は90cm程度とし、幅を90cm又は180cm程度、奥行を9cm程度の複数種のものとして、いずれもその1面を複数区分の開口12とした5面の桝目格子面1を有してパネル状乃至ボックス状、本例にあってはパネル状に形成したものとしてある。
【0022】
即ち、桝目格子体Aは、数mm径の鋼線、例えば3mm径の線材に0.5mm程度の合成樹脂をコーティングしたものを用いて、該鋼線11を上下左右に、例えば5cmピッチで縦横に配置してその各交点においてスポット溶接を施すとともにその外周3端部を、上記開口12の1面を除く3つの側面に向けて折曲し、上記5cmの方形の桝目を連続的に配置した前後2面と側面3面の桝目格子面1を備えることによって、側面1面を開口12とした上記パネル状の形態をなすものとしてある。
【0023】
このとき、本例にあって該桝目格子体Aは、外周前後中央位置で半割り状とするように外周3端部を折曲した前後に2等分の格子部材を形成した後、該前後に2等分の格子部材を、その端部に位置する鋼線を相互に突合せて、該端部の鋼線11同士を長手方向所定ピッチで一体的に固定、例えば溶着することによって、その生産を行うようにしてあり、従って、本例の桝目格子体Aにおける外周の側面3面は、その前後中央位置に2本の鋼線11を前後に並列して配置したものとしてある。
【0024】
また、本例にあって該桝目格子体Aは、その前後2面の桝目格子面1間の複数箇所に補強格子面13を介設してあり、本例にあって該補強格子面は、例えば、上記高さ方向に数十cm毎に前後2面の桝目格子面1の鋼線11と位置を1/2幅変位して該鋼線11と直交するように配置した同ピッチ前後の鋼線11と該前後の鋼線11に上記ピッチの1/2の2.5cmピッチで前後2面の桝目格子面1と平行に配置した複数、例えば3本の鋼線11によってこれを形成してある。
【0025】
このとき該補強格子面13は、上記側面1面の開口12側においては、その近傍、例えば開口端から10乃至15cm程度入った位置にこれを配置することによって、該補強格子面13を該開口12の底板として兼用するように配置してあり、これによって、該開口12を上向きになるように取付基体3に固定したとき、例えば、該底板に鉢植2を載置して該開口12を鉢植えの収納溝として使用し得るようにしてある。
【0026】
このように形成した複数の桝目格子面1、本例にあっては5面の桝目格子面を有する桝目格子体Aは、上記固定金具2を用いて、図示するように各取付基体3に添設乃至架設するように固定するものとしてあり、このとき該固定金具2は、これを、上記取付基体3に対接固定する幅方向に一対の固定片21と、該一対の固定片21から正面側に断面U字状に突出した突出基部22と、上記突出基部22からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片25と、該鋼線支持片25間にあって上記縦横他方の鋼線11を受入れる鋼線支持片25と直交する鋼線受入溝28を備えて形成してあり、このとき本例の固定金具2は、上記突出基部22の幅方向中間位置に、鋼線11の受入又はその逃げスペースをなす凹溝23を配置し、また、上記鋼線支持片25を、上記突出基部22との間の開口26を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイド27を備えて形成したものとしてある。
【0027】
固定金具2は、1乃至2mm程度の肉厚の金属板、本例にあっては1.5mmの肉厚のステンレス板を用い、これにプレス加工を施すことによって形成した一体のものとして、例えば、図13において横幅を5乃至6cm程度、高さを2cm程度、奥行を同じく2cm程度の金属部材として、これを形成してある。
【0028】
このとき、各固定片21は、幅を1cm程度、高さを1.5〜2mm程度の小面積にして面内中間にネジ用の透孔を透設してあり、突出基部22は、幅を5cm程度、高さを固定片21と同じにして、正面側への突出幅を1cm程度とし、本例にあってその幅方向中央位置に幅を1cm弱として、背面側に円弧状に数mm程度の深さに凹陥した上記凹溝23を図上縦方向一連に配置したものとしてある。
【0029】
鋼線支持片25は、突出基部22の下端から幅方向に離隔して正面側下方に、例えば1cm程度の径にして1〜1.5cm程度の幅で湾曲突出して、該突出基部22の下端に対して湾曲降下して内側位置に半円状に円弧面をなす受溝を形成したものとしてあり、このとき、該鋼線支持片25の先端を突出基部22側に戻すように傾斜突出し、該突出基部22との間に数mm、本例にあっては5mm程度の幅として開口26を口狭とし、更に、該口狭の開口26から正面側上方に向けて突片を傾斜突出することによって上記鋼線受入ガイド27を配置したものとしてある。上記鋼線支持片25と鋼線受入ガイド27は、例えば、その高さを1.5〜2mm程度として、鋼線支持片25を降下した分、鋼線受入ガイド27の先端が突出基部22から降下して位置するように配置したものとしてある。
【0030】
鋼線受入溝28は、正面側から該鋼線支持片25を突出基部22に至るように、鋼線支持片25の幅方向中央位置を、例えば幅を1cm弱として該鋼線支持片25間を開放するように配置してあり、本例にあって該鋼線受入溝28は、突出基部の上記凹溝23と幅方向同一位置に重なるように配置してある。図中24は、上記凹溝23配置の突出基部22中央位置下端部を部分的に切り欠いて桝目格子体Aにおける縦横の鋼線11交点との干渉を避けるように配置した切欠部である。
【0031】
該固定金具2による上記桝目格子体Aの固定は、上記取付基体3に固定片21を対接固定した固定金具2の離隔一対の鋼線支持片25に該鋼線支持片25に平行な縦横一方の鋼線11を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線11と直交する縦横他方の鋼線11を、上記縦横一方の鋼線11の正面側で上記鋼線受入溝28に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線11の背面側で突出基部22との間に受入れ配置することによって、これを行ったものとしてある。
【0032】
桝目格子体Aの固定に際して固定金具2は、桝目格子体A毎に、図1乃至図4の例のように取付基体3を壁面とするときは、該壁面の面内上下及び左右に合計4箇所用い、図5乃至図8及び図9乃至図13の例のように取付基体3を枠体とするときは、対向する枠体の長手方向2箇所に合計4箇所用いる如くに、桝目格子体Aの面積、重量に応じて適宜箇所数を用いて、桝目格子体Aの交点でその固定を行うものとしてある。
【0033】
このとき図1乃至図4の例は、取付基体3の上記壁面に対して、鋼線支持片25の開口26を上位側で下向き、下位側で上向きとするように配置し、図5乃至図8の例は、取付基体3の枠体、例えば各支柱支持によって対向する対向枠の対向する水平の横面左右に、同じく鋼線支持片25の開口26をそれぞれ上向きとするように配置し、図9乃至図13の例は、取付基体3の各支柱の対向する垂直の縦面上下に、上位側で鋼線支持片25の開口26を下向きとし、下位側で該開口26を上向きとするように配置して、それぞれ上記桝目格子体Aの固定を行うようにしてある。
【0034】
固定金具2は、各固定片21を、その透孔を介してネジ4を取付基体3に螺入することによって該取付基体3にネジ固定してあり、これによって該固定金具2は、取付基体3から突出基部22及び鋼線支持片25を正面側に突出配置して、上記桝目格子体Aの固定を行うものとしてある。該桝目格子片Aの固定は、該固定金具2の上記離隔一対の鋼線支持片25と鋼線受入溝28によって桝目格子面1の交点を支持するように、鋼線支持片25に対してこれと平行な縦横一方の鋼線11を、その上記幅狭の開口26から上記受溝に落し込み状として、該縦横一方の鋼線11を受入れ支持し、鋼線支持片25に直交する縦横他方の鋼線11を上記鋼線受入溝28に受入れ配置するか、突出基部22との間に受入れ配置するものとしてある。
【0035】
即ち、図1乃至図4の取付基体3を壁面として前後の桝目格子面1を固定したものにあっては、図4に示すように、その桝目格子面1における取付基体3側には、縦横の鋼線11のうちの横線が位置し、該桝目格子面1の外側(パネル状桝目格子体としてみればその内側。以下同じ)に縦線が位置し、図5乃至図8の取付基体3を枠体として側面の桝目格子面1、本例にあっては開口面における前後の桝目格子面1の端部を固定したものにあっては、その桝目格子面1における取付基体3側には、縦横の鋼線11のうちの縦線が位置し、その外側に横線が位置し、図9乃至図13の取付基体3を同じく枠体としたものにあっては、その桝目格子面1の取付基体3側には横線が位置し、その外側に、上記接合した2本の縦線が位置する如くに、縦横の鋼線11を各交点で溶着した桝目格子面1を有する桝目格子体Aにあっては、その取付基体3に対して固定金具2を垂直面に設置するか、水平面に設置するか、該固定金具に対して固定する桝目格子面1をどの面とするか等の条件によって、縦横の鋼線11位置が取付基体3側とその外側で逆転し、また、縦横の鋼線11の内外の相対的位置が異なることになるし、図示を省略したが、上記逆転は、桝目格子面1毎に鋼線配置の構成を違えたとき、桝目格子面1を共通に構成しても、固定する桝目格子面1を1/4円回動した場合にも同様に生じるに至る。
【0036】
従って、鋼線支持片25に平行な縦横一方の鋼線11を固定の対象とするも、該鋼線11は横線の場合と縦線の場合とが生じ、また、該一方の鋼線11に対して直交する他方の鋼線11が内側の場合と外側の場合が生じるので、該桝目格子体Aの固定に当って、上記直交する他方の鋼線11については、上記外側に位置するときは、これを鋼線受入溝28に受入れ配置し、内側、即ち、突出基部22側に位置するときは、これを上記一方の鋼線11の背面で、突出基部22との間に受入れ配置するものとしてある。
【0037】
このように固定金具2によって桝目格子体Aを固定するについて、本例にあって桝目格子面1を構成する鋼線11は、上記4mm程度のものとしてあるところ、上記鋼線支持片25の口狭の開口26は5mm程度、鋼線支持片25の湾曲部の径は1cm程度であるから、鋼線支持片25に対する縦横一方、即ち、これに平行な鋼線11は、開口26に生じる1mm程度の余裕によって比較的スムーズな落し込み状の受入れによってその被嵌支持を行うことができ、該鋼線11の被嵌支持は、鋼線支持片25の湾曲部の受溝に対して遊嵌状になされることによって、鋼線11を被嵌支持した状態で、鋼線支持片25には相当程度の余裕スペースが生じるから、該鋼線支持片25に直交する他方の鋼線11が、上記内側の突出基部22側に位置するときも、これを該突出基部22との間に確実に受入れ配置することができる。また、突出基部22の凹溝23及び鋼線受入溝28の幅は、それぞれ鋼線11の径の2倍乃至それ以上の1cm弱程度としてあり、上記凹溝23は直交する側の鋼線11の受入又はその逃げスペースをなすことによって、鋼線11の落し込み状の受入れをスムーズ且つ確実に行うことができ、また、該凹溝23及び鋼線受入溝28に縦横他方の鋼線11を余裕を以って受入れ配置することができるとともに、図13に示すように、上記桝目格子体Aの形成による接合部位に2本の鋼線11があるときであっても、同様にこれを受入れ配置することができる。
【0038】
上記固定金具2で取付基体3に固定した桝目格子体Aは、図5乃至図8のものにあっては、それぞれ鋼線支持片25の開口26を上向きとしたから、各固定金具2によって、桝目格子体Aを下支え支持するようにして、その設置を行い、図1乃至図4及び図9乃至図13のものにあっては、鋼線支持片25の開口26を上向きとした下位の固定金具2によって桝目格子体Aを下支えするとともに、該開口26を下向きとした上位の固定金具2によって、桝目格子体Aを倒れ止め支持するようにして、その設置を行ったものとしてあり、いずれも良好な外観と安定した固定納まりを確保したものとすることができる。また、桝目格子体Aの設置は、取付基体2の所定箇所に固定金具2をそれぞれネジ4固定して、これに桝目格子体Aにおける縦横の鋼線11の交点を引掛係止する如くに落し込み状の固定を行うことによってなし得るから、その作業を簡易になし得るとともに固定金具2に対する良好にして安定した固定納まりを確保したものとすることができる。また、固定金具2は、一対の固定片21間に断面U字状の突出基部22を配置し、該突出基部22に鋼線支持片25を配置したから、全体としてコンパクトな部材としてこれを形成し得るとともに該突出基部22によって金具強度を確保して、鋼線11を用いた桝目格子体A用の固定金具2としてその安定した支持を行うものとすることができる。
【0039】
取付基体3に固定した桝目格子体Aは、その桝目格子面1に、例えば植物の蔓を這わせて日除け機能を付加し、桝目格子面に装飾物を吊支持し、図9乃至図13のスクリーン乃至仕切りのように上下2枚の桝目格子体Aを同時に固定したものにあっては、該2枚の桝目格子体Aの開口12を上向きに配置するとともに上下間に間隔を置くことによって、その底板兼用の補強格子面13に植木鉢を支持するように載置し、また、必要に応じて、下面に位置する桝目格子面1を地表に載置して、その荷重支持を行うようにして、桝目格子体Aの内部に、岩石その他適宜な充填物を充填配置して目隠し乃至透視防止の機能を付加することもできる。更に、桝目格子体Aは、上記垂直又は水平の他、傾斜配置するように用い、また、上記仕切りを連続配置してフェンスとして用いる等、その形態及び用途を各種のものとすることができる。
【0040】
本発明の実施に当って、これらを含めて、桝目格子体、桝目格子面、取付基体、固定金具、固定片、突出基部、鋼線支持片、鋼線受入溝、必要に応じて用いる突出基部の凹溝、口狭の開口、鋼線受入ガイド等の各具体的形状、構造、材質、用途、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0041】
A 桝目格子体
1 桝目格子面
11 鋼線
12 開口
13 補強格子面
2 固定金具
21 固定片
22 突出基部
23 凹溝
24 切欠部
25 鋼線支持片
26 開口
27 鋼線受入ガイド
28 鋼線受入溝
3 取付基体
4 ネジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦横の鋼線を各交点で溶着した桝目格子体を、壁面、枠体等の取付基体構に固定するに用いる桝目格子体の固定構造に関し、また、これに用いる桝目格子体の固定金具に関する。
【背景技術】
【0002】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した桝目格子体は、例えば、上下端に断面半円形、円形、四角形等適宜形状の胴縁を配置した、公共施設、工場等の屋外仕切り用に用いられるグリッドフェンスが知られており、下記の特許文献1によれば、その取付基体、即ち、支柱への固定の構造は、該支柱の上端を塞ぐ支柱キャップにその下端から正面側に突出配置した上向きフック状の固定金具を用い、該固定金具に上記グリッドフェンスにおける上位胴縁の下方位置の横線を引掛状に受け入れるとともに上記支柱の中間位置複数個所にフックボルトを貫通設置して正面側に突出したフックにグリッドフェンス中間位置の横線を受け入れて、該支柱の背面側に突出したボルト軸に締着したナットの定位置回転によって該フックを支柱側に引寄せることによって、これを行なうものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−207693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
桝目格子体は上記グリッドフェンスとして用いられるが、該桝目格子体を、複数の桝目格子面を有するように桝目格子体を形成し、その任意の桝目格子面を、壁面や枠体等の取付基体に添設乃至架設するように配置することによって、該桝目格子体は、例えば、スクリーン部材とし、蔓を這わせる日除け部材とし、同じく蔓を這わせる水平の屋根部材とし、植物の鉢や鉱石を載置する装飾部材、厚みを有する仕切り部材等として使用するエクステリア用の部材として使用することが可能となる。
【0005】
この場合、桝目格子体は、取付基体に固定する桝目格子面は、桝目格子体における複数のいずれかの面となるが、該桝目格子面は、縦横の鋼線を各交点で溶着して形成したものとされるから、任意の1面に対して交差するように折曲した交差面は、例えば、上記グリッドフェンスのように、表面側に縦桟、背面側に横桟が位置する場合と、取付基体への固定に際して桝目格子体を1/4円回動することにより表面側に横桟、背面側に縦桟が位置する場合の双方が生じることになる。従って、固定の態様によって桝目格子体の交点における縦横の鋼線の表裏位置、即ち、正面側及び背面側の位置が逆転するとともに該鋼線位置の逆転に伴って固定対象とする鋼線の取付基体からの距離が、鋼線1本の太さ分、例えば数mm程度異なることになるから、このように複数の桝目格子面を有して、その任意の桝目格子面を取付基体へ固定するように用いる桝目格子体については、該縦横の鋼線位置の逆転と、これによる取付基体との距離の相違を前提にして、取付基体に対して添設乃至架設し得るようにした固定の構造を採用することが求められる。
【0006】
また、上記フックボルトの固定金具は、桝目格子体の固定位置毎に取付基体に対してフックボルトを挿通する貫通孔を透設する必要があるとともにナットの回転によって該フックボルトを取付基体側に引寄せる必要があるから、桝目格子体の固定作業が煩雑化する傾向があるとともに良好な外観が得難いといった問題点があり、上記桝目格子体の固定金具として、可及的簡易且つ確実に固定作業をなし得るとともに良好な外観と安定した固定納まりを得られるようにしたものとすることが求められる。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、その解決課題とするところは、上記縦横の鋼線位置の逆転と、これによる取付基体との距離の相違を前提にして、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して添設乃至架設し得るようにするとともにその作業を可及的簡易且つ確実になし得て、良好な外観と安定した固定納まりをなし得るようにした桝目格子体の固定構造を提供するにあり、また、該桝目格子体の固定に適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られる固定金具を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に沿って本発明は、壁面、枠体等の取付基体に、例えば、ネジ固定するように対接固定する一対の固定片と、該固定片間に断面U字状とすることによって強度を確保した突出基部と、この突出基部から正面側に並列するように突出して縦横一方の鋼線を遊嵌して被嵌支持する一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間に配置して縦横他方の鋼線を受入れ自在とした鋼線受入溝を備えた固定金具を用いて、取付基体に固定片を対接固定した該固定金具の上記鋼線支持片に、溶着した交点においてその縦横一方の鋼線を遊嵌支持するとともに縦横他方の鋼線を、該縦横一方の鋼線の正面側に位置するとき、これを、上記鋼線受入溝に受入れ、背面側に位置するとき、鋼線支持片と突出基部間の空隙に受入れるようにして、一対の鋼線支持片による縦横一方の鋼線の安定支持とその正面側又は背面側に位置する縦横他方の鋼線の受入れによって上記縦横の鋼線位置の逆転とこれによる取付基体の距離の相違を吸収して、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して外観良好且つ安定した添設乃至架設をなし得るようにしたものであって、即ち、請求項1に記載の発明を、所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、任意の桝目格子面における鋼線交点位置で固定金具を用いて取付基体に対して添設乃至架設するように固定した桝目格子体の固定構造であって、上記固定金具を、上記取付基体に対接固定する幅方向に一対の固定片と、該一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えて形成し、上記取付基体に固定片を対接固定した固定金具の離隔一対の鋼線支持片に該鋼線支持片に平行な縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線と直交する縦横他方の鋼線を、上記縦横一方の鋼線の正面側で上記鋼線受入溝に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線の背面側で突出基部との間に受入れ配置することによって上記固定金具による固定を行ってなることを特徴とする桝目格子体の固定構造としたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、開口を配置し又は開口のないパネル状乃至ボックス状として形成し、上記スクリーン部材、日除け部材、装飾部材、仕切り部材等の様々な形態のエクステリア用の部材として用い得るものとするように、これを、上記桝目格子体を、1面を開口した5面の桝目格子面又は開口不存在の6面の桝目格子面を有するパネル状乃至ボックス状に形成し、該桝目格子体の任意の対向する桝目格子面を上記固定金具によってそれぞれ複数個所で固定してなることを特徴とする請求項1に記載の桝目格子体の固定構造としたものである。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、取付基体に添設乃至架設固定するに適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られ且つ可及的簡易な構造として、例えば、プレス成形や一体成形によって形成し得る固定金具を提供するように、これを、所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、桝目格子面における縦横双方の任意の交点位置で取付基体に対して固定するように用いる固定金具であって、上記取付基体に対接固定する幅方向一対の固定片と、該幅方向一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出して上記縦横一方の鋼線を取付基体との間の開口から挿入することによって該縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持する離隔一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えてなることを特徴とする桝目格子体の固定金具としたものである。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記に加えて、取付基体に桝目格子面を固定するに際して、上記縦横一方の鋼線の背面側に縦横他方の鋼線があるとき、該縦横他方の鋼線の受入れを可及的スムーズ且つ確実になし得るものとするように、これを、上記突出基部の幅方向中間位置に、鋼線の受入又はその逃げスペースをなす凹溝を配置してなることを特徴とする請求項3に記載の桝目格子体の固定金具としたものである。
【0012】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記鋼線支持片を、上記縦横一方の鋼線を遊嵌支持することによる安定した取付基体への固定をなし得るとともにこれに固定した桝目格子体が外れたりする可能性を解消したものとするように、これを、上記鋼線支持片を、上記突出基部との間の開口を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイドを備えて形成してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の桝目格子体の固定金具としたものである。
【0013】
本発明はこれらをそれぞれ発明の要旨として上記課題解決の手段としたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以上のとおりに構成したから、請求項1に記載の発明は、壁面、枠体等の取付基体に、例えば、ネジ固定するように対接固定する一対の固定片と、該固定片間に断面U字状とすることによって強度を確保した突出基部と、この突出基部から正面側に並列するように突出して縦横一方の鋼線を遊嵌して被嵌支持する一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間に配置して縦横他方の鋼線を受入れ自在とした鋼線受入溝を備えた固定金具を用いて、取付基体に固定片を対接固定した該固定金具の上記鋼線支持片に、溶着した交点においてその縦横一方の鋼線を遊嵌支持するとともに縦横他方の鋼線を、該縦横一方の鋼線の正面側に位置するとき、これを、上記鋼線受入溝に受入れ、背面側に位置するとき、鋼線支持片と突出基部間の空隙に受入れるようにして、一対の鋼線支持片による縦横一方の鋼線の安定支持とその正面側又は背面側に位置する縦横他方の鋼線の受入れによって上記縦横の鋼線位置の逆転とこれによる取付基体の距離の相違を吸収して、複数のうちの任意の桝目格子面を取付基体に対して外観良好且つ安定した添設乃至架設をなし得るようにした桝目格子体の固定構造を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、上記に加えて、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、開口を配置し又は開口のないパネル状乃至ボックス状に形成し、上記スクリーン部材、日除け部材、装飾部材、仕切り部材等の様々な形態のエクステリア用の部材として用い得るものとすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、上記複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、取付基体に添設乃至架設固定するに適し、該固定作業を可及的簡易且つ確実になし得るとともに良好な外観と桝目格子体の安定した固定納まりを得られ且つ可及的簡易な構造として、例えば、プレス成形や一体成形によって形成し得る固定金具を提供することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記に加えて、取付基体に桝目格子面を固定するに際して、上記縦横一方の鋼線の背面側に縦横他方の鋼線があるとき、該縦横他方の鋼線の受入れを可及的スムーズ且つ確実になし得るものとすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、同じく上記に加えて、上記鋼線支持片を、上記縦横一方の鋼線を遊嵌支持することによる安定した取付基体への固定をなし得るとともにこれに固定した桝目格子体が外れたりする可能性を解消したものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】壁面に添設した桝目格子体の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の上位の固定部分の拡大図である。
【図4】図2の上位の固定部分の拡大図である。
【図5】枠体に水平に架設した桝目格子体の底面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の固定部分の拡大図である。
【図8】図6の固定部分の拡大図である。
【図9】支柱間に垂直に架設した桝目格子体の正面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図9の上位の固定部分の拡大図である。
【図12】図9の下位の固定部分の拡大図である。
【図13】図12の固定部分の平面図である。
【図14】固定金具の正面図である。
【図15】固定金具の側面図である。
【図16】固定金具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面の例に従って本発明を更に具体的に説明すれば、図中Aは、例えば、玄関、庭等の住宅や公共施設、工場等にそのエクステリア用の部材として用いるようにした桝目格子体であり、図1乃至図4は、該桝目格子体Aを、取付基体3の壁面に対して垂直に添設固定して装飾部材とした例、図5乃至図8は、桝目格子体Aを、取付基体3の枠体に水平に架設固定して屋根部材とした例、図9乃至図12は、上下2枚の桝目格子体Aを、取付基体3の支柱間に垂直に架設固定してスクリーン乃至仕切り部材とした例であり、これら桝目格子体Aの上記壁面、枠体乃至支柱の取付基体3に対する添設乃至架設固定は、図13乃至図15に示す固定金具2を用いて、これを行ったものとしてある。
【0021】
桝目格子体Aは、所定ピッチに配置した縦横の鋼線11を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面1を有するものとしてあり、本例にあって該桝目格子体Aは、例えば、高さを45cm、60cm又は90cm程度とし、幅を90cm又は180cm程度、奥行を9cm程度の複数種のものとして、いずれもその1面を複数区分の開口12とした5面の桝目格子面1を有してパネル状乃至ボックス状、本例にあってはパネル状に形成したものとしてある。
【0022】
即ち、桝目格子体Aは、数mm径の鋼線、例えば3mm径の線材に0.5mm程度の合成樹脂をコーティングしたものを用いて、該鋼線11を上下左右に、例えば5cmピッチで縦横に配置してその各交点においてスポット溶接を施すとともにその外周3端部を、上記開口12の1面を除く3つの側面に向けて折曲し、上記5cmの方形の桝目を連続的に配置した前後2面と側面3面の桝目格子面1を備えることによって、側面1面を開口12とした上記パネル状の形態をなすものとしてある。
【0023】
このとき、本例にあって該桝目格子体Aは、外周前後中央位置で半割り状とするように外周3端部を折曲した前後に2等分の格子部材を形成した後、該前後に2等分の格子部材を、その端部に位置する鋼線を相互に突合せて、該端部の鋼線11同士を長手方向所定ピッチで一体的に固定、例えば溶着することによって、その生産を行うようにしてあり、従って、本例の桝目格子体Aにおける外周の側面3面は、その前後中央位置に2本の鋼線11を前後に並列して配置したものとしてある。
【0024】
また、本例にあって該桝目格子体Aは、その前後2面の桝目格子面1間の複数箇所に補強格子面13を介設してあり、本例にあって該補強格子面は、例えば、上記高さ方向に数十cm毎に前後2面の桝目格子面1の鋼線11と位置を1/2幅変位して該鋼線11と直交するように配置した同ピッチ前後の鋼線11と該前後の鋼線11に上記ピッチの1/2の2.5cmピッチで前後2面の桝目格子面1と平行に配置した複数、例えば3本の鋼線11によってこれを形成してある。
【0025】
このとき該補強格子面13は、上記側面1面の開口12側においては、その近傍、例えば開口端から10乃至15cm程度入った位置にこれを配置することによって、該補強格子面13を該開口12の底板として兼用するように配置してあり、これによって、該開口12を上向きになるように取付基体3に固定したとき、例えば、該底板に鉢植2を載置して該開口12を鉢植えの収納溝として使用し得るようにしてある。
【0026】
このように形成した複数の桝目格子面1、本例にあっては5面の桝目格子面を有する桝目格子体Aは、上記固定金具2を用いて、図示するように各取付基体3に添設乃至架設するように固定するものとしてあり、このとき該固定金具2は、これを、上記取付基体3に対接固定する幅方向に一対の固定片21と、該一対の固定片21から正面側に断面U字状に突出した突出基部22と、上記突出基部22からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片25と、該鋼線支持片25間にあって上記縦横他方の鋼線11を受入れる鋼線支持片25と直交する鋼線受入溝28を備えて形成してあり、このとき本例の固定金具2は、上記突出基部22の幅方向中間位置に、鋼線11の受入又はその逃げスペースをなす凹溝23を配置し、また、上記鋼線支持片25を、上記突出基部22との間の開口26を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイド27を備えて形成したものとしてある。
【0027】
固定金具2は、1乃至2mm程度の肉厚の金属板、本例にあっては1.5mmの肉厚のステンレス板を用い、これにプレス加工を施すことによって形成した一体のものとして、例えば、図13において横幅を5乃至6cm程度、高さを2cm程度、奥行を同じく2cm程度の金属部材として、これを形成してある。
【0028】
このとき、各固定片21は、幅を1cm程度、高さを1.5〜2mm程度の小面積にして面内中間にネジ用の透孔を透設してあり、突出基部22は、幅を5cm程度、高さを固定片21と同じにして、正面側への突出幅を1cm程度とし、本例にあってその幅方向中央位置に幅を1cm弱として、背面側に円弧状に数mm程度の深さに凹陥した上記凹溝23を図上縦方向一連に配置したものとしてある。
【0029】
鋼線支持片25は、突出基部22の下端から幅方向に離隔して正面側下方に、例えば1cm程度の径にして1〜1.5cm程度の幅で湾曲突出して、該突出基部22の下端に対して湾曲降下して内側位置に半円状に円弧面をなす受溝を形成したものとしてあり、このとき、該鋼線支持片25の先端を突出基部22側に戻すように傾斜突出し、該突出基部22との間に数mm、本例にあっては5mm程度の幅として開口26を口狭とし、更に、該口狭の開口26から正面側上方に向けて突片を傾斜突出することによって上記鋼線受入ガイド27を配置したものとしてある。上記鋼線支持片25と鋼線受入ガイド27は、例えば、その高さを1.5〜2mm程度として、鋼線支持片25を降下した分、鋼線受入ガイド27の先端が突出基部22から降下して位置するように配置したものとしてある。
【0030】
鋼線受入溝28は、正面側から該鋼線支持片25を突出基部22に至るように、鋼線支持片25の幅方向中央位置を、例えば幅を1cm弱として該鋼線支持片25間を開放するように配置してあり、本例にあって該鋼線受入溝28は、突出基部の上記凹溝23と幅方向同一位置に重なるように配置してある。図中24は、上記凹溝23配置の突出基部22中央位置下端部を部分的に切り欠いて桝目格子体Aにおける縦横の鋼線11交点との干渉を避けるように配置した切欠部である。
【0031】
該固定金具2による上記桝目格子体Aの固定は、上記取付基体3に固定片21を対接固定した固定金具2の離隔一対の鋼線支持片25に該鋼線支持片25に平行な縦横一方の鋼線11を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線11と直交する縦横他方の鋼線11を、上記縦横一方の鋼線11の正面側で上記鋼線受入溝28に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線11の背面側で突出基部22との間に受入れ配置することによって、これを行ったものとしてある。
【0032】
桝目格子体Aの固定に際して固定金具2は、桝目格子体A毎に、図1乃至図4の例のように取付基体3を壁面とするときは、該壁面の面内上下及び左右に合計4箇所用い、図5乃至図8及び図9乃至図13の例のように取付基体3を枠体とするときは、対向する枠体の長手方向2箇所に合計4箇所用いる如くに、桝目格子体Aの面積、重量に応じて適宜箇所数を用いて、桝目格子体Aの交点でその固定を行うものとしてある。
【0033】
このとき図1乃至図4の例は、取付基体3の上記壁面に対して、鋼線支持片25の開口26を上位側で下向き、下位側で上向きとするように配置し、図5乃至図8の例は、取付基体3の枠体、例えば各支柱支持によって対向する対向枠の対向する水平の横面左右に、同じく鋼線支持片25の開口26をそれぞれ上向きとするように配置し、図9乃至図13の例は、取付基体3の各支柱の対向する垂直の縦面上下に、上位側で鋼線支持片25の開口26を下向きとし、下位側で該開口26を上向きとするように配置して、それぞれ上記桝目格子体Aの固定を行うようにしてある。
【0034】
固定金具2は、各固定片21を、その透孔を介してネジ4を取付基体3に螺入することによって該取付基体3にネジ固定してあり、これによって該固定金具2は、取付基体3から突出基部22及び鋼線支持片25を正面側に突出配置して、上記桝目格子体Aの固定を行うものとしてある。該桝目格子片Aの固定は、該固定金具2の上記離隔一対の鋼線支持片25と鋼線受入溝28によって桝目格子面1の交点を支持するように、鋼線支持片25に対してこれと平行な縦横一方の鋼線11を、その上記幅狭の開口26から上記受溝に落し込み状として、該縦横一方の鋼線11を受入れ支持し、鋼線支持片25に直交する縦横他方の鋼線11を上記鋼線受入溝28に受入れ配置するか、突出基部22との間に受入れ配置するものとしてある。
【0035】
即ち、図1乃至図4の取付基体3を壁面として前後の桝目格子面1を固定したものにあっては、図4に示すように、その桝目格子面1における取付基体3側には、縦横の鋼線11のうちの横線が位置し、該桝目格子面1の外側(パネル状桝目格子体としてみればその内側。以下同じ)に縦線が位置し、図5乃至図8の取付基体3を枠体として側面の桝目格子面1、本例にあっては開口面における前後の桝目格子面1の端部を固定したものにあっては、その桝目格子面1における取付基体3側には、縦横の鋼線11のうちの縦線が位置し、その外側に横線が位置し、図9乃至図13の取付基体3を同じく枠体としたものにあっては、その桝目格子面1の取付基体3側には横線が位置し、その外側に、上記接合した2本の縦線が位置する如くに、縦横の鋼線11を各交点で溶着した桝目格子面1を有する桝目格子体Aにあっては、その取付基体3に対して固定金具2を垂直面に設置するか、水平面に設置するか、該固定金具に対して固定する桝目格子面1をどの面とするか等の条件によって、縦横の鋼線11位置が取付基体3側とその外側で逆転し、また、縦横の鋼線11の内外の相対的位置が異なることになるし、図示を省略したが、上記逆転は、桝目格子面1毎に鋼線配置の構成を違えたとき、桝目格子面1を共通に構成しても、固定する桝目格子面1を1/4円回動した場合にも同様に生じるに至る。
【0036】
従って、鋼線支持片25に平行な縦横一方の鋼線11を固定の対象とするも、該鋼線11は横線の場合と縦線の場合とが生じ、また、該一方の鋼線11に対して直交する他方の鋼線11が内側の場合と外側の場合が生じるので、該桝目格子体Aの固定に当って、上記直交する他方の鋼線11については、上記外側に位置するときは、これを鋼線受入溝28に受入れ配置し、内側、即ち、突出基部22側に位置するときは、これを上記一方の鋼線11の背面で、突出基部22との間に受入れ配置するものとしてある。
【0037】
このように固定金具2によって桝目格子体Aを固定するについて、本例にあって桝目格子面1を構成する鋼線11は、上記4mm程度のものとしてあるところ、上記鋼線支持片25の口狭の開口26は5mm程度、鋼線支持片25の湾曲部の径は1cm程度であるから、鋼線支持片25に対する縦横一方、即ち、これに平行な鋼線11は、開口26に生じる1mm程度の余裕によって比較的スムーズな落し込み状の受入れによってその被嵌支持を行うことができ、該鋼線11の被嵌支持は、鋼線支持片25の湾曲部の受溝に対して遊嵌状になされることによって、鋼線11を被嵌支持した状態で、鋼線支持片25には相当程度の余裕スペースが生じるから、該鋼線支持片25に直交する他方の鋼線11が、上記内側の突出基部22側に位置するときも、これを該突出基部22との間に確実に受入れ配置することができる。また、突出基部22の凹溝23及び鋼線受入溝28の幅は、それぞれ鋼線11の径の2倍乃至それ以上の1cm弱程度としてあり、上記凹溝23は直交する側の鋼線11の受入又はその逃げスペースをなすことによって、鋼線11の落し込み状の受入れをスムーズ且つ確実に行うことができ、また、該凹溝23及び鋼線受入溝28に縦横他方の鋼線11を余裕を以って受入れ配置することができるとともに、図13に示すように、上記桝目格子体Aの形成による接合部位に2本の鋼線11があるときであっても、同様にこれを受入れ配置することができる。
【0038】
上記固定金具2で取付基体3に固定した桝目格子体Aは、図5乃至図8のものにあっては、それぞれ鋼線支持片25の開口26を上向きとしたから、各固定金具2によって、桝目格子体Aを下支え支持するようにして、その設置を行い、図1乃至図4及び図9乃至図13のものにあっては、鋼線支持片25の開口26を上向きとした下位の固定金具2によって桝目格子体Aを下支えするとともに、該開口26を下向きとした上位の固定金具2によって、桝目格子体Aを倒れ止め支持するようにして、その設置を行ったものとしてあり、いずれも良好な外観と安定した固定納まりを確保したものとすることができる。また、桝目格子体Aの設置は、取付基体2の所定箇所に固定金具2をそれぞれネジ4固定して、これに桝目格子体Aにおける縦横の鋼線11の交点を引掛係止する如くに落し込み状の固定を行うことによってなし得るから、その作業を簡易になし得るとともに固定金具2に対する良好にして安定した固定納まりを確保したものとすることができる。また、固定金具2は、一対の固定片21間に断面U字状の突出基部22を配置し、該突出基部22に鋼線支持片25を配置したから、全体としてコンパクトな部材としてこれを形成し得るとともに該突出基部22によって金具強度を確保して、鋼線11を用いた桝目格子体A用の固定金具2としてその安定した支持を行うものとすることができる。
【0039】
取付基体3に固定した桝目格子体Aは、その桝目格子面1に、例えば植物の蔓を這わせて日除け機能を付加し、桝目格子面に装飾物を吊支持し、図9乃至図13のスクリーン乃至仕切りのように上下2枚の桝目格子体Aを同時に固定したものにあっては、該2枚の桝目格子体Aの開口12を上向きに配置するとともに上下間に間隔を置くことによって、その底板兼用の補強格子面13に植木鉢を支持するように載置し、また、必要に応じて、下面に位置する桝目格子面1を地表に載置して、その荷重支持を行うようにして、桝目格子体Aの内部に、岩石その他適宜な充填物を充填配置して目隠し乃至透視防止の機能を付加することもできる。更に、桝目格子体Aは、上記垂直又は水平の他、傾斜配置するように用い、また、上記仕切りを連続配置してフェンスとして用いる等、その形態及び用途を各種のものとすることができる。
【0040】
本発明の実施に当って、これらを含めて、桝目格子体、桝目格子面、取付基体、固定金具、固定片、突出基部、鋼線支持片、鋼線受入溝、必要に応じて用いる突出基部の凹溝、口狭の開口、鋼線受入ガイド等の各具体的形状、構造、材質、用途、これらの関係、これらに対する付加等は、上記発明の要旨に反しない限り様々な形態のものとすることができる。
【符号の説明】
【0041】
A 桝目格子体
1 桝目格子面
11 鋼線
12 開口
13 補強格子面
2 固定金具
21 固定片
22 突出基部
23 凹溝
24 切欠部
25 鋼線支持片
26 開口
27 鋼線受入ガイド
28 鋼線受入溝
3 取付基体
4 ネジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、任意の桝目格子面における鋼線交点位置で固定金具を用いて取付基体に対して添設乃至架設するように固定した桝目格子体の固定構造であって、上記固定金具を、上記取付基体に対接固定する幅方向に一対の固定片と、該一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えて形成し、上記取付基体に固定片を対接固定した固定金具の離隔一対の鋼線支持片に該鋼線支持片に平行な縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線と直交する縦横他方の鋼線を、上記縦横一方の鋼線の正面側で上記鋼線受入溝に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線の背面側で突出基部との間に受入れ配置することによって上記固定金具による固定を行ってなることを特徴とする桝目格子体の固定構造。
【請求項2】
上記桝目格子体を、1面を開口とした5面の桝目格子面又は開口不存在の6面の桝目格子面を有するパネル状乃至ボックス状に形成し、該桝目格子体の任意の対向する桝目格子面を上記固定金具によってそれぞれ複数個所で固定してなることを特徴とする請求項1に記載の桝目格子体の固定構造。
【請求項3】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、桝目格子面における縦横双方の任意の交点位置で取付基体に対して固定するように用いる固定金具であって、上記取付基体に対接固定する幅方向一対の固定片と、該幅方向一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出して上記縦横一方の鋼線を取付基体との間の開口から挿入することによって該縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持する離隔一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えてなることを特徴とする桝目格子体の固定金具。
【請求項4】
上記突出基部の幅方向中間位置に、鋼線の受入又はその逃げスペースをなす凹溝を配置してなることを特徴とする請求項3に記載の桝目格子体の固定金具。
【請求項5】
上記鋼線支持片を、上記突出基部との間の開口を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイドを備えて形成してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の桝目格子体の固定金具。
【請求項1】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して形成した複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、任意の桝目格子面における鋼線交点位置で固定金具を用いて取付基体に対して添設乃至架設するように固定した桝目格子体の固定構造であって、上記固定金具を、上記取付基体に対接固定する幅方向に一対の固定片と、該一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出した離隔一対の鋼線遊嵌受入れ自在の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えて形成し、上記取付基体に固定片を対接固定した固定金具の離隔一対の鋼線支持片に該鋼線支持片に平行な縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持し、該鋼線と直交する縦横他方の鋼線を、上記縦横一方の鋼線の正面側で上記鋼線受入溝に受入れ配置し又は上記縦横一方の鋼線の背面側で突出基部との間に受入れ配置することによって上記固定金具による固定を行ってなることを特徴とする桝目格子体の固定構造。
【請求項2】
上記桝目格子体を、1面を開口とした5面の桝目格子面又は開口不存在の6面の桝目格子面を有するパネル状乃至ボックス状に形成し、該桝目格子体の任意の対向する桝目格子面を上記固定金具によってそれぞれ複数個所で固定してなることを特徴とする請求項1に記載の桝目格子体の固定構造。
【請求項3】
所定ピッチに配置した縦横の鋼線を各交点で溶着して複数の桝目格子面を有する桝目格子体を、桝目格子面における縦横双方の任意の交点位置で取付基体に対して固定するように用いる固定金具であって、上記取付基体に対接固定する幅方向一対の固定片と、該幅方向一対の固定片から正面側に断面U字状に突出した突出基部と、上記突出基部からそれぞれ正面側に突出して上記縦横一方の鋼線を取付基体との間の開口から挿入することによって該縦横一方の鋼線を遊嵌状に被嵌支持する離隔一対の鋼線支持片と、該鋼線支持片間にあって上記縦横他方の鋼線を受入れる鋼線支持片と直交する鋼線受入溝を備えてなることを特徴とする桝目格子体の固定金具。
【請求項4】
上記突出基部の幅方向中間位置に、鋼線の受入又はその逃げスペースをなす凹溝を配置してなることを特徴とする請求項3に記載の桝目格子体の固定金具。
【請求項5】
上記鋼線支持片を、上記突出基部との間の開口を口狭に形成した湾曲部と、該湾曲部の先端から正面側に傾斜突出した鋼線受入ガイドを備えて形成してなることを特徴とする請求項3又は4に記載の桝目格子体の固定金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−132746(P2011−132746A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293645(P2009−293645)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000222130)東洋エクステリア株式会社 (102)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000222130)東洋エクステリア株式会社 (102)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]