説明

洗濯機

【課題】通常、洗濯による洗浄に供されない最高水位以上の箇所を含む槽全体を、少ない水量で簡単且つ安価に洗浄できるようにした洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯水を貯水・排水可能な水槽と、水槽内に回転可能に配設された洗濯兼脱水槽と、洗濯兼脱水槽を回転させる回転駆動手段と、洗濯兼脱水槽内に給水を行う給水手段と、回転駆動手段と給水手段とを制御する制御手段とを備え、制御手段により、給水手段から洗濯兼脱水槽内に給水させるとともに、回転駆動手段を駆動して洗濯兼脱水槽を回転させ、水槽内の洗濯水に水流を起こして洗濯兼脱水槽と水槽との間に泡を発生させることで槽洗浄を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に係り、特に槽洗浄機能を備えた洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の洗濯機として、洗濯時よりも高水位まで給水し、水槽及びその内部に設置された洗濯兼脱水槽のほぼ全体を水に浸した状態で所定時間つけ置きする工程と、水槽内に水を少なくとも一部残した状態で洗濯兼脱水槽を回転させる工程と含む槽洗浄コースを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、その他の槽洗浄機能付洗濯機として、槽洗浄コースの給水時に、給水時の最終到達水位より低い複数段階の水位のそれぞれで一時給水を中断し、水槽内に貯まった水を攪拌することで槽洗浄を行うようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平4−108494号公報(図1)
【特許文献2】特許第3317613号公報(図1、段落0018)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、水槽には水漏れ予防のためのオーバーフロー排水口が設けられており、このオーバーフロー排水口の高さ位置以上に給水することは不可能である。このため、特許文献1のように、つけ置き洗浄の場合、オーバーフロー排水口よりも高い部分については十分に洗浄できないという問題があった。また、オーバーフロー排水口がない構造としても、水槽の上部部分を洗浄しようとして水槽の上面開口ギリギリまで給水したり、水槽の上面開口ギリギリまで給水した状態で洗濯兼脱水槽を動作させるなどした場合、水漏れの問題が発生する。また、つけ置き洗浄の場合、多くの水や時間を要するなどの問題もある。
【0006】
また、特許文献2の技術では、攪拌洗浄を複数回行うようにしているが、このような水による攪拌洗浄は、通常の洗濯・すすぎ時にも行われており、大きな効果はなさないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、通常、洗濯による洗浄に供されない最高水位以上の箇所を含む槽全体を、少ない水量で簡単且つ安価に洗浄できるようにした洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る洗濯機は、洗濯水を貯水・排水可能な水槽と、水槽内に回転可能に配設された洗濯兼脱水槽と、洗濯兼脱水槽を回転させる回転駆動手段と、洗濯兼脱水槽内に給水を行う給水手段と、回転駆動手段と給水手段とを制御して複数の運転コースを実行する制御手段とを備え、制御手段は、運転コースとして泡槽洗浄コースを備えており、泡槽洗浄コースを構成する泡作成・洗浄工程において、通常の洗濯コースよりも少量の水を給水手段から洗濯兼脱水槽内に給水させるとともに、回転駆動手段を駆動して洗濯兼脱水槽を回転させ、水槽内の洗濯水に水流を起こして洗濯兼脱水槽と水槽との間に泡を発生させ、槽洗浄を行うものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の洗濯機によれば、少量の水と洗剤で洗濯兼脱水槽と水槽との間に泡を発生させることができ、その泡を、通常使用される水位以上まで到達させることにより、普段届かない水位以上の高さ部分を含む槽全体を洗浄することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る洗濯機の断面図である。
この洗濯機は、筐体(外箱)1と、筐体1の内部に設置され、洗濯水を貯水・排水可能な水槽2と、水槽2内に回転可能に配設された洗濯兼脱水槽3と、洗濯兼脱水槽3の底部に回動可能に配設されたパルセータ4と、洗濯兼脱水槽3およびパルセータ4を回転させる回転駆動手段5とを備えている。
【0011】
(筐体)
筐体1は断面矩形の筒状(略直方体に同じ)であって、天面には天面開口部11が形成され、天面開口部11には扉12が開閉自在に設置されている。扉12には、扉12を閉じた状態にロックするロック機構(図示せず)が設けられている。また、筐体1の天面には、各種設定を行うための操作手段としての操作パネル13が設けられている。また、筐体1に連なって底枠14が接続され、底枠14の底板には、遮音板15とゴム足16とが設置されている。
更に、筐体1は四隅の上端部近くには吊り板17が設置され、吊り板17には吊り座18が設けられている。
【0012】
(水槽)
水槽2は、複数の吊り棒21によって筐体1に吊り下げられている。すなわち、吊り棒21の上端は吊り座18に係止し、下端は吊り棒支持部22において吊り棒21と連結している。水槽2と吊り棒21の連結部には防振部材23が配置されており、水槽2から筐体1へ伝わる振動を抑制している。防振部材23は、バネ231とバネ受け232とから構成されている。
【0013】
また、水槽2の天面には天面開口部24を有する内蓋ベース25が設けられ、内蓋ベース25には、天面開口部24を開閉する内蓋26が開閉自在に設置されている。内蓋ベース25の天面開口部24の周囲には、後述の流体バランサー34よりも水槽2内部に向けて張り出し、水槽2と洗濯兼脱水槽3との間に発生した泡を洗濯兼脱水槽3内に誘導する泡誘導リブ27が設けられている。なお、この泡誘導リブ27は、内蓋26側に設けるようにしてもよい。また、水槽2の底面には、水槽2内の水位を検知する水位検知手段6が設けられている。
【0014】
図2は、水槽の底形状を示す図である。
水槽2の底部2Aには、排水口2Bと、排水口2Bに向かって傾斜するテーパー状の排水誘導面2Cと排水誘導リブ2Dとが形成されている。排水誘導面2Cと排水誘導リブ2Dは、洗濯兼脱水槽3が所定の方向(具体的には、脱水回転時の回転方向)に回転したときに、排水口2Bに洗濯水を誘導する機能を有している。そして、排水口2Bに誘導された洗浄水は、排水弁2Eを介して水槽2内から外部に排水される。なお、ここでは、排水誘導面2Cと排水誘導リブ2Dの両方を備えた例を図示しているが、どちらか片方でも構わない。
【0015】
(洗濯兼脱水槽)
洗濯兼脱水槽3は、その側面を構成している略円筒状の脱水槽側板31と、その底面を構成している脱水槽底板32と、回転駆動手段5の回転軸7との接続部となるフランジ33から構成されている。脱水槽側板31には複数の脱水槽孔31Aが設けられている。脱水槽側板31の上部周囲には衣類のアンバランスをとるための流体バランサー34が配置されている。
【0016】
(パルセータ)
パルセータ4は、洗濯物および注水された水を攪拌するものであり、パルセータ4の下面には攪拌体である裏羽根41が設けられている。パルセータ4は、後述するように水のポンプアップ作用を果たすとともに、洗濯水を攪拌して泡を発生させる役割を果たすものである。このように構成されたパルセータ4は、洗濯兼脱水槽3の脱水槽底板32の上に回転自在に配設され、回転駆動手段5によって回転駆動される。
【0017】
(回転駆動手段)
回転駆動手段5は、パルセータ4及び洗濯兼脱水槽3を回転駆動するための共通のモータ51と、モータ51の回転をパルセータ4のみ、或いは洗濯兼脱水槽3とパルセータ4の両方に伝達するクラッチ52と、軸受ベース・ステータ53とを備えている。このクラッチ52の切り替えにより、パルセータ4のみが単独で回転するパルセータ回転と、パルセータ4と洗濯兼脱水槽3とが一体的に回転する洗濯兼脱水槽回転とが選択的に切り替えられるようになっている。なお、以下では、パルセータ回転或いはパルセータ4の回転という場合には、パルセータ4の単独回転を意味し、洗濯兼脱水槽回転或いは洗濯兼脱水槽3の回転という場合には、洗濯兼脱水槽3とパルセータ4の一体的回転を意味するものとする。
【0018】
(循環水路)
洗濯兼脱水槽3の脱水槽側板31の内側には、周方向に間隔を空けて数ヶ所(例えば3ヶ所)に、鉛直方向(図中、上下方向)に延びる循環水路61が形成されている。そして、循環水路61の上端には散水孔62が設けられている。
そして、パルセータ4が水中に没した状態で回転すると、裏羽根41のポンプアップ作用により、洗濯兼脱水槽3内の洗濯水が循環水路61内で汲み上げられ、散水孔62から洗濯兼脱水槽3の脱水槽側板31の内側に降り注ぐようになっている。
また、水槽2内に設けた循環水路61、すなわち洗濯水が通過する径路内に後述の泡槽洗浄コース時専用の洗剤投入口63が設けられている。
【0019】
(給水手段)
筐体1の後側上面には給水口64が設けられており、給水口64から取り入れられた水は、給水(分岐)弁65を介して、内蓋26に設けられた主給水口66から洗濯兼脱水槽3内に注がれるか、または内蓋ベース25に設けた槽内専用注水口67から洗濯兼脱水槽3内へ注がれる。
【0020】
(乾燥手段)
筐体1の後側上面には、更に乾燥手段が設けられている。乾燥手段は、熱風によって洗濯物や、洗濯兼脱水槽3を乾燥させるものであって、洗濯兼脱水槽3内に送風を行う送風手段としてのファン71と、ファン71により送風される風を加熱する加熱手段としてのヒータ72とを有している。また、ファン71とヒータ72とを内部に収容するケーシング73は、内蓋26に連通する風路74を構成しており、内蓋26を介して洗濯兼脱水槽3内部に温風を供給するようになっている。
【0021】
図3は、実施の形態1の洗濯機の電気的系統を示すブロック図である。
この洗濯機は、マイクロコンピュータで構成された制御手段101を備えている。制御手段101は、CPU102と、RAM103と、ROM104と、各工程の時間を管理するタイマ105と、入出力インタフェース(I/O)106とを備えている。ROM104には、洗い工程から乾燥工程に至る通常の洗濯コースや、本発明の特徴部分である泡槽洗浄コースを含む複数の運転コースの各種プログラム等が記憶されている。
【0022】
また、I/O106には、各種スイッチを有する操作パネル13と、給水(分岐)弁65と、排水弁2Eと、回転駆動手段5と、ファン71と、ヒータ72と、水位検知手段6とが接続されており、制御手段101は、操作パネル13や水位検知手段6からの入力信号とROM104内のプログラムに基づいて、給水(分岐)弁65、排水弁2E、回転駆動手段5の駆動制御を行って洗濯機の各部を動作させる。
【0023】
図4は、本実施の形態における操作パネルの一部を示す概要図である。
操作パネル13には、泡槽洗浄コースと、槽洗浄コースと、槽乾燥コースとを選択する槽手入れボタン13Aと、その他の各種ボタンが設けられている。
これらの各コースの設定は、槽手入れボタン13Aの押下によって行われる。例えば、図5に示すように一回押しで泡槽洗浄と槽乾燥とを選択し、二回押しで泡洗浄のみを選択し、三回押しで槽洗浄と槽乾燥とを選択し、四回押しで槽洗浄のみを選択し、五回押しで槽乾燥のみを選択し、六回押しで何れも選択しない状態となり、更にもう一回押されると、最初に戻るもので、押下回数によって順次設定が切り換えられるようになっている。
【0024】
以下、槽手入れボタン13Aで選択される各運転コースについて説明する。本発明は、泡槽洗浄コースに特徴を有するものであり、まず、泡槽洗浄コースについて説明する。
【0025】
図6は、泡槽洗浄コースの大まかな流れを示すフローチャートである。
泡槽洗浄コースは、一般の洗剤を用いて泡を発生させ、泡による摩擦・抵抗力によって槽洗浄を行うもので、泡作成・洗浄工程(S1)と、すすぎ工程(S2)と、脱水工程(S3)とをこの順に行うものである。泡作成・洗浄工程は、一般の洗剤を洗濯兼脱水槽3内に投入し、通常の洗濯コースよりも少量の水を洗濯兼脱水槽3内に給水するとともに洗濯兼脱水槽3を回転させ、水槽2内の洗濯水に水流を起こして洗濯兼脱水槽3と水槽2との間に泡を発生させ、槽洗浄を行うものである。泡作成・洗浄工程で給水される給水量は、例えば2リットル〜10リットルであり、通常の洗濯コースにおける給水量、例えば20リットル〜60リットルに比較して、格段に少ない水量となっている。なお、泡槽洗浄コースでは、上述したように専用の洗剤ではなく一般の洗剤を使用するようにしており、一般洗剤の泡立ちを考慮した制御プログラムに基づいて泡槽洗浄コースが実施されるようになっている。
【0026】
図7は、泡発生・洗浄工程におけるパルセータ回転、洗濯兼脱水槽回転、給水(分岐)弁65、クラッチのそれぞれの動作タイミングを示す図である。なお、動作タイミングを示す図がこれ以降にも登場するが、図の見方は図7と同様である。
図7(a)は、パルセータ回転のON・OFFを示しており、ここではパルセータ4が常にOFFの状態を示している。図7(b)は洗濯兼脱水槽回転のON・OFFを示しており、Hのときは回転し、Lのときは停止していることを示している。図7(c)は、給水弁の開閉を示しており、Hのときは給水弁開、Lのときは給水弁閉を示している。図7(d)はクラッチ52の切り替えを示しており、パルスがHのタイミングで、洗濯兼脱水槽回転からパルセータ回転に切り替えられるかまたはその逆に切り替えられることを示している。図7の詳細説明は、後述の図8のフローチャートの説明と併せて行う。
【0027】
すすぎ工程は、高水位まで給水し、洗濯兼脱水槽3と水槽2に付着した洗剤と汚れを洗い流すものである。脱水工程は、すすぎ工程の後、洗濯兼脱水槽3を高速回転(例えば、800〜900rpm)させて脱水し、水分を飛ばすものである。なお、すすぎ工程及び脱水工程における具体的な制御動作は上記の動作に特に限定するものではなく、任意の制御動作を採用できる。
【0028】
槽洗浄コースは、槽洗浄用の専用の洗剤を用いて行われるもので、最上の高水位まで給水され、パルセータ4の回転による攪拌と、停止によるつけおきを繰り返して洗濯兼脱水槽3と水槽2内を洗浄する洗い工程と、泡槽洗浄コースと同様のすすぎ工程と、脱水工程とから構成されている。
【0029】
槽乾燥コースは、ヒータ72及びファン71を駆動して洗濯兼脱水槽3内に温風を送り込み、水槽2及び洗濯兼脱水槽3を乾燥するものである。
【0030】
以下、本発明の特徴部分である泡槽洗浄コースの動作について、図7と図8に基づいて更に詳しく説明する。
図8は、実施の形態1の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
ユーザにより、槽手入れボタン13Aが1回又は2回押下されると、泡槽洗浄コースが選択され、制御手段101は、まず、泡槽洗浄コースの泡作成・洗浄工程の運転を開始する。
【0031】
(泡作成・洗浄工程)
泡発生・洗浄工程では、まず、洗剤量を指示するための表示を例えば操作パネル13上に行う(S11)。そして、ユーザにより泡槽洗浄コース時専用の洗剤投入口63または通常の洗濯コース時用の洗剤投入口(後述の図17の符号93参照)、もしくは洗濯兼脱水槽3内に直接洗剤が投入され、扉12が閉じられると(S12)、扉12を扉ロック機構(図示せず)によりロックする(S13)。そして、給水(分岐)弁65を開き、給水を主給水口66側に切り替えて主給水口66から給水を開始する(S14)。ここで給水される給水量は、上述したように、通常の洗濯コースよりも少量の例えば2リットル〜10リットルであり、給水が開始されて所定の給水時間が経過すると(S15)、所定の給水量が給水されたものとして、給水(分岐)弁65と閉じて給水を終了する(S16)。
なお、上記洗濯兼脱水槽3への給水は、主給水口66ではなく、図示していないが仕上げ剤を投入する仕上げ剤給水口から行うようにしても良い。
【0032】
ここで、泡作成・洗浄工程時の給水速度は、通常の洗濯コース時の主給水口66からの給水速度よりも遅い給水速度とする。これは、給水速度が速い場合、使用環境による水道圧の影響を強く受けるため、給水時間内で給水される給水量が使用環境によって変化し、所望の給水量が給水されない可能性があるためである。この影響を極力小さくするため、給水速度を遅くしている。これにより、どのような使用環境であっても、給水量をある一定の範囲内(例えば4L±1L/minなど)に収めることができる。また、給水量の制御は、ここでは給水時間で制御しているが、水位検知手段6で所定水位まで給水されたか否かをチェックすることにより制御するようにしてもよい。この場合、給水速度には特に制約はない。
【0033】
そして、給水終了後、図7のタイミングチャートに示すように、クラッチ52を、洗濯兼脱水槽回転側に切り替え、モータ51をON−OFFさせて洗濯兼脱水槽3を断続的に回転させる断続回転を所定時間(例えば30秒〜2分))行い(S17)、その後、モータ51をOFFにし、モータ51の回転を所定の休止時間(例えば5分)停止する(S18)。このステップS17及びステップS18を1サイクルの槽回転として、所定回数繰り返す(S19)。本例では、図7に示すように槽回転1〜3の3回繰り返すようにしている。
【0034】
泡作成・洗浄工程では、洗濯兼脱水槽3を回転させることによって、洗濯兼脱水槽3の凹凸と水槽2との間に水流が発生し、泡が発生する。また、洗濯兼脱水槽3とともにパルセータ4も一体的に回転するため、パルセータ4の裏羽根41による洗濯水の攪拌によっても、洗濯兼脱水槽3と水槽2との間に泡が発生する。そして、発生した泡は、洗濯兼脱水槽3の回転によって刻一刻と増加し、また、洗濯兼脱水槽3による遠心力の作用により、洗濯兼脱水槽3と水槽2との間の隙間を徐々に上昇する。そして、水槽2の最上部である内蓋ベース25まで達したのち、流体バランサー34の上部を経て、泡誘導リブ27により誘導されて洗濯兼脱水槽3内に垂下する。
【0035】
泡の抵抗力は非常に大きいことから、洗濯兼脱水槽3と泡との間には摩擦力が発生し、この摩擦力や洗浄力により洗濯兼脱水槽3の外周面または水槽2の内周面に付着したぬめりやカビなどの汚れ成分が、付着面から剥がされる。これにより、洗濯兼脱水槽3と水槽2とを洗浄することができる。また、断続回転後に休止時間を設けているが、この休止時間中は、上部まで行き届いた泡が、その重力により徐々に洗濯兼脱水槽3と水槽2の壁面を伝わりながら垂下するか、自然に消泡する。この際の力によっても汚れ成分が浮き上がり、除去されやすくなる。したがって、このようにモータ51の回転と休止を数回繰り返すことによって高い洗浄効果を得ることが可能となっている。なお、この休止時間は、泡が洗濯兼脱水槽3と水槽2の壁面を垂下する動作状態を考察した上で槽洗浄に効果的な時間として予め決定されたものである。
【0036】
(すすぎ工程・脱水工程)
以上の泡作成・洗浄工程終了後、高水位まで給水し、その後、排水し、洗濯兼脱水槽3と水槽2の洗剤分と汚れを洗い流す(S2)。そして、洗濯兼脱水槽3を脱水回転させ、脱水を行う(S3)。上記泡作成・洗浄工程後にすすぎ、脱水工程を行なうことにより、洗濯兼脱水槽3及び水槽2内を清潔に保つことができる。
以上により泡槽洗浄コースの運転を終了する。なお、コース開始時にユーザにより槽手入れボタン13Aが1回押下されていた場合には、続いて乾燥工程を実行することになる。
【0037】
以上のように、実施の形態1によれば、一般の洗剤を用いるとともに、少量の水を供給して洗濯兼脱水槽3を回転させることにより洗濯兼脱水槽3と水槽2との間に泡を発生させ、その泡を水槽2の上端部を経て水槽2内に垂下させるようにしたので、少ない水量で、普段届かない水位以上の高さ部分の槽洗浄が可能となる。
【0038】
また、一般の合成洗剤を用いて槽洗浄を可能としたので、使い勝手が良く、また、安価に槽洗浄を行うことが可能な洗濯機を得ることができる。
【0039】
また、本実施の形態1では、泡作成・洗浄工程時の洗濯兼脱水槽3の回転制御を、断続運転・休止時間のサイクルを複数回繰り返すようにしたので、泡の重力による運動を頻繁に起こすことができ、高い洗浄効果を得ることができる。
【0040】
また、泡作成・洗浄工程時に給水される給水量は少ないため、給水開始時には既に洗剤が投入されていることが好ましい。そこで、本実施の形態1では、ユーザによって洗剤が投入され、扉閉後に扉ロックがされてから給水を開始するようにしたので、洗剤の溶けも良く、高い洗浄効果を得ることができる。
【0041】
また、泡槽洗浄コース専用の洗剤投入口63を洗濯水が通過する径路内に設けたので、この洗剤投入口63から洗剤が投入されることにより、給水量が少ないことによる洗剤の溶け残りを防止でき、所望の洗浄効果を発揮することが可能となる。
【0042】
また、水槽2の上方に内蓋26を設けているため、泡作成・洗浄工程時に水や泡が飛び散るのを防止することができる。
【0043】
また、槽お手入れボタン13Aの押下によるコース選択時に、初期設定として(すなわち1回押しで選択される設定として)泡槽洗浄コース46と槽乾燥コース47の両方が選択されるようにしたので、泡槽洗浄後に自動的に槽乾燥も実施することができ、槽内を清潔に保つことが可能な洗濯機を得ることができる。
【0044】
また、泡誘導リブ27を設けたので、泡槽洗浄コースのすすぎ、脱水工程終了後に、内蓋26に泡付き・泡残りが生じるのを予防することができる。
【0045】
また、槽洗浄の実施を促すために、週に1度LEDが点滅するなど、視覚的効果を示すことも有効である。
【0046】
なお、泡を発生させるための洗濯兼脱水槽3の回転駆動方法は、上記の断続運転・休止期間のサイクルを複数回繰り返す方法に限られたものではなく、例えば以下の1〜3の方法を用いてもよい。
【0047】
(方法1)
上記では、泡発生のための回転を、洗濯兼脱水槽3の回転のみで対応する例を説明したが、パルセータ4の回転も適宜組み合わせるようにしてもよい。すなわち、パルセータ4の回転(パルセータ4の単独回転)の場合と、洗濯兼脱水槽3の回転(洗濯兼脱水槽3とパルセータ4の一体的な回転)の場合とでは、以下の理由から泡の大きさが異なるため、これを利用して泡の大きさをコントロールし、最適化した駆動方法を採用するようにしてもよい。パルセータ回転の場合、洗濯兼脱水槽回転の場合よりも回転数が高いことから、強い水流が発生し、発生する泡は粗くなる。一方、洗濯兼脱水槽回転の場合、泡の発生領域が洗濯兼脱水槽3と水槽2との間の比較的狭い空間であることと、パルセータ回転に比べて回転数が遅いため、発生する泡は、細かくなる。
【0048】
(方法2)
水槽底部2Aには、図2に示したように排水誘導面2Cと排水誘導リブ2Dとが設けられており、通常、脱水回転では排水誘導面2Cと排水誘導リブ2Dによる作用によって排水がされやすい方向に回転するようになっているが、泡作成・洗浄工程では、それと逆方向に洗濯兼脱水槽3を回転させる。これにより、泡立ちは更に良くなる。
また、洗濯兼脱水槽3を、正逆両方に回転を行なうようにしてもよい。この場合、排水されやすい方向に回転した場合には、荒い泡が発生し、その逆方向に回転した場合には、細かい泡が発生する。これを踏まえて適宜正逆回転を切り替えることによって、水槽2内の隙間を万遍なく泡で充満させることが可能となり、更に洗浄能力を増す効果が期待できる。
【0049】
(方法3)
図7において、断続回転を行っていた時間(例えば1〜2分)を、連続回転に代えるようにしてもよい。但し、このように連続回転とすると、モータ51に対して泡による高負荷がかかり、発熱してモータ51のトルクがでないなどの問題が発生する可能性があることから、実際上は、図7のように断続回転とする方が、信頼性も高く望ましい。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態2は、泡作成・洗浄工程時において、洗濯兼脱水槽3を回転させる前に、パルセータ4を回転させて予め泡を発生させておくようにしたものである。洗濯機の構造及び電気的構成は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0051】
図9は、実施の形態2の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。図9のフローチャートは基本的には実施の形態1の図8と同様であるため、ここでは実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。図9において、図8と同一工程部分には、同一符号を付し、説明を省略する。また、図10は、実施の形態2の泡槽洗浄コースにおける泡作成・洗浄工程の動作タイミングを示す図である。
実施の形態2の洗濯機において、制御手段101は、給水(分岐)弁65を開き、主給水口66から洗濯兼脱水槽3内への給水を開始する(S14)。そして、給水を開始してから所定時間経過後、パルセータ4の回転を開始する(S21)。そして、給水しながらパルセータ4を回転させ、給水開始から給水時間が経過すると、給水(分岐)弁65を閉じて給水を終了するとともに、パルセータの回転を停止する(S23)。その後、クラッチ52を洗濯兼脱水槽3側に切り替え、実施の形態1と同様の槽回転を行う。
【0052】
このようにすることにより、実施の形態1と同様の作用効果が得られるとともに、以下の効果を得ることができる。すなわち、パルセータ4の単独回転の場合、上述したように洗濯兼脱水槽3の場合よりも高速に回転するため、発生する泡は、粗く水気の多い泡となる。したがって、洗濯兼脱水槽回転を行う前に、パルセータ回転によって予め粗く水気の多い泡を発生させ、その上で洗濯兼脱水槽回転を行うことにより、全体的に粗く水気の多い泡を発生させることができ、泡の移動が容易となり、洗浄効果を高めることができる。
【0053】
実施の形態3.
実施の形態3は、泡作成・洗浄工程時に、少量の水(例えば400ml程度)を洗濯兼脱水槽3の上部から注水するようにしたものである。洗濯機の構造及び電気的構成は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0054】
図11は、実施の形態3の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。図11のフローチャートは基本的には実施の形態1の図と同様であるため、ここでは実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。図11において、図8と同一工程部分には、同一符号を付し、説明を省略する。
実施の形態3の洗濯機において、制御手段101は、洗濯兼脱水槽3の断続回転させた後(S17)、モータ51をOFFにしてモータ51の回転を所定の休止時間、停止し(S18)、その状態で、給水(分岐)弁65を専用注水口67側に切り替え、専用注水口67から少量の水(例えば400ml程度)を洗濯兼脱水槽3の上部に注水する(S31)。本例では、このサイクルを3回繰り返すようにしている。その他の点では実施の形態1と同様である。
【0055】
このようにすることで、洗濯兼脱水槽3と水槽2との間の上部まで発生した泡の上下動を促進させることが可能となり、更に洗浄効果が増す。
【0056】
なお、専用注水口67の位置は、図1では、流体バランサー34の上部としているが、この位置に限られたものではなく、洗濯兼脱水槽3と水槽2の間に臨む位置としてもよい。何れの場合も、的確に泡に注水でき、洗浄効果を高めることができる。
【0057】
また、注水の給水速度は、洗濯時の主給水口66からの給水速度よりも遅い給水速度とすることにより、多くの水を使用せずに、洗浄効果を高めることができる。
【0058】
なお、ここでは、洗濯兼脱水槽3の回転休止中に注水するようにしているが、洗濯兼脱水槽3の回転中に注水するようにしてもよい。要は、泡作成・洗浄工程中に注水するようにすればよい。なお、洗濯兼脱水槽3の回転中に注水するようにした場合には、槽全体に的確に注水でき、更に洗浄効果を高めることが期待できる。
【0059】
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1の高水位まで水を溜めてすすぎを行うすすぎ工程に代えて、水を溜めることなく洗濯兼脱水槽3を回転させながら給水することですすぎを行うすすぎ工程を行うようにしたものである。具体的には、洗濯兼脱水槽3の回転数を2段階設け、低速回転と高速回転を切り替えられるようにし、最初は低速で断続回転しながら給水し、後に高速で断続回転(泡作成・洗浄工程時よりも高速回転)しながら給水することで、泡を確実に洗い流すようにしたものである。洗濯機の構造及び電気的構成は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0060】
図12は、実施の形態4の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。図12のフローチャートは基本的には実施の形態1の図8と同様であるため、ここでは実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。図12において、図8と同一工程部分には、同一符号を付し、説明を省略する。また、図13は、実施の形態4の泡槽洗浄コースにおけるすすぎ工程と脱水工程の動作タイミングを示す図である。なお、図13において、図13(b)の洗濯兼脱水槽回転の高さは、回転数の高さを示しており、図13(c)の給水(分岐)弁の高さは、給水速度の速さを示している。
実施の形態4の洗濯機において、制御手段101は、泡作成・洗浄工程終了後、排水弁2Eを開き(S41)、水槽2内の洗浄水を排水する。そして、すすぎ工程に入り、最初は低速で洗濯兼脱水槽3を所定時間、断続回転させながら専用注水口67から給水する(S42)(図13の槽回転給水1)。このときの給水速度は、図13に示すように、次に行う高速の断続回転に比べて速く、例えば15L/min程度としている。また、ここでの給水量は、例えば約15リットルとする。このように、低速回転を行いながら速めの給水速度で給水することで、洗濯兼脱水槽3及び水槽2に付着した泡を流すことができる。
【0061】
そして、モータ51をOFFにしてモータ51の回転を所定の休止時間(例えば2分)停止する(S43)(但し、ここでの休止時間は無しとしても構わない)。その後、高速で洗濯兼脱水槽3を断続回転(泡作成・洗浄工程時よりも高速回転)しながら専用注水口67から洗濯兼脱水槽3内に給水する(S44)(図13の槽回転給水2)。この槽回転給水2は、モータ51の回転数が、高速回転時用の所定の回転数に到達するまで継続され、所定の回転数に到達し(S45)、所定時間継続させる(S46)。モータ51をOFFにしてモータ51の回転を所定の休止時間、停止する(S47)。ここでの高速回転数は、例えば、通常の洗濯コースにおける脱水工程時の脱水回転と略同等の回転数(例えば約800rpm)とすることで、洗濯兼脱水槽3に付着した泡を水槽2側に飛ばし、より確実に泡を洗い流すことができる。また、このときの給水速度は、図13に示すように、先の低速の断続回転時に比べて遅く、例えば400ml/minとする。また、給水量は、例えば、2リットルとする。
【0062】
このように、本実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の作用効果が得られるとともに、洗濯兼脱水槽3を回転させながら給水することですすぎを行うようにしているので、水槽2内に高水位まで水を溜めるようにしたすすぎ工程に比べて少ない水量ですすぎを行うことが可能となり、節水効果が高い。
【0063】
また、すすぎ工程時の洗濯兼脱水槽3の回転数を2段階設け、低速回転と高速回転を切り替えられるようにし、最初に低速回転を行いながら速めの給水速度で給水することで、洗濯兼脱水槽3及び水槽2に付着した泡を洗い流すことができる。そして、続いて高速回転させながら遅めの給水速度で給水することで、水の飛び散りを抑えつつ、洗濯兼脱水槽3に付着した泡を水槽2側に飛ばし、給水した水により下部へ流されて排水することができる。このように、2段階で行うことで、効果的なすすぎが可能である。
【0064】
また、高速回転時の給水速度は、通常の洗濯コースの洗い工程での主給水口66からの給水速度よりも遅い給水速度とする。特に高速回転とした時の給水速度を遅くすることで、水の飛び散りを極力抑えることが可能となる。
【0065】
また、高速回転時の回転数を、通常の洗濯コースにおける脱水工程時の脱水回転と略同等の回転数とし、可能な限りの高い回転数を用いるようにしたので、洗濯兼脱水槽3に付着した泡の吹き飛ばしを最大限に行うことができ、高いすすぎ効果を得ることができる。
【0066】
また、すすぎ工程時の洗濯兼脱水槽3の回転中にファン71も回転させるようにすれば、泡の消泡を促すことが可能となる。
【0067】
また、すすぎ工程または脱水工程においてヒータ72の電源をONするようにすれば、更に、泡の消泡を促すことが可能となる。
【0068】
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1の洗濯機に、更に給水異常または洗剤異常を検知する機能を設けたもので、その他の点では実施の形態1と同様である。洗濯機の構造及び電気的構成は実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0069】
給水異常又は洗剤異常の検出は、洗濯兼脱水槽3の回転開始からの一定時間後の洗濯兼脱水槽3の回転数又は回転速度に基づいて行う。給水異常とは、例えば、水道栓が閉じられたままで給水が行われなかった場合を指す。給水が正常に行われた場合には、洗濯兼脱水槽3を回転させることにより泡が発生するため、モータ51に負荷がかかり、モータ51の回転数が上がらない。一方、給水異常で給水が行われなかった場合には、泡が発生しないため、モータ51に負荷がかからず、モータ51の回転数が上昇する。このようなモータ51の状態値を利用して給水異常を検出する。また、モータ51の状態値とモータ指令値との比較により判断するようにしてもよい。
【0070】
また、洗剤異常とは、洗剤や水が少なすぎる場合や、洗剤や水が多すぎる場合を指す。洗剤や水が適量に投入された場合の、洗濯兼脱水槽3の回転開始からの一定時間後の洗濯兼脱水槽3の回転数又は回転速度を予め把握しておき、前記一定時間後の洗濯兼脱水槽3の回転数又は回転速度が、洗剤が適量に投入された場合の回転数又は回転速度に達しない場合(すなわち、モータ51に対する負荷大)、洗剤や水が多すぎると判定し、洗剤が適量に投入された場合の回転数又は回転速度を超える場合(モータ51に対する負荷小)、洗剤や水が少なすぎると判定するものである。
【0071】
図14は、本発明の実施の形態5に係る洗濯機の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。図14のフローチャートは基本的には実施の形態1の図8と同様であるため、ここでは実施の形態1と異なる部分を中心に説明する。図14において、図8と同一工程部分には、同一符号を付し、説明を省略する。なお、図14のフローチャートは、上記の検出方法のうち、洗濯兼脱水槽3の回転開始からの一定時間後の洗濯兼脱水槽3の回転数が、所定の回転数を超える場合、異常(給水異常又は洗剤異常(洗剤量小))と判定する場合のフローチャートを示している。
【0072】
給水終了後(S16)、制御手段101は、洗濯兼脱水槽3を断続的に回転させる断続回転を所定時間(例えば30秒〜2分)行い(S17)、その後、モータ51をOFFにし、モータ51の回転を所定の休止時間(例えば5分)停止する(S18)。このステップS17及びステップS18を1サイクルの槽回転として、所定回数繰り返す(S19)。所定回数繰り返した後、洗濯兼脱水槽3の回転を開始させ、一定時間経過後の回転数をチェックする(S20、S51)。そして、一定時間経過後の回転数が所定回転数以下の場合、モータ51の回転を所定の休止期間、休止する(S21)。このステップS20,S51,S21のサイクルを所定回数繰り返す。繰り返し途中のステップS51で一定時間経過後の回転数が所定回転数を超えた場合、異常である旨を報知する(S52)。報知手段は、エラー表示を行うようにしてもよいし、ブザーを鳴動させるようにしてもよい。
【0073】
なお、上記では、洗濯兼脱水槽3の回転開始からの一定時間後の洗濯兼脱水槽3の回転数又は回転速度に基づいて給水異常又は洗剤異常を検出する例について説明したが、水位検知手段6を用いて給水異常を検知することも可能である。
【0074】
図15は、水位検知手段を用いて給水異常を検知する場合のフローチャートである。図15において、図8と同一部分には、同一符号を付し、説明を省略する。
制御手段101は、給水終了後の開始からの一定時間後(図15では、給水時間経過後)の水位を水位検知手段6により確認し(S61)、その検知水位が、所定水位まで達していない場合、給水異常である旨を報知する(S62)。報知手段は、エラー表示を行うようにしてもよいし、ブザーを鳴動させるようにしてもよい。
【0075】
また、泡検知手段を設け、泡検知手段を用いて給水異常又は洗剤異常を検出することも可能である。泡検知手段には、例えば一対の電極を有し、この一対の電極間に微弱電流を流して電気が流れる場合は泡有りと判断し、電気が流れない場合は、泡無しと判断するものを用いることができる。
【0076】
図16は、泡検知手段を用いて給水異常又は洗剤異常を検知する場合のフローチャートである。図16において、図8と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。ここでは、給水が正常に行われた場合、泡が到達するはずの位置に泡検知手段を設置しておき、この位置に泡が到達しない場合に、給水異常又は洗剤異常(洗剤量小)と判断するものである。
給水終了後(S16)、制御手段101は、洗濯兼脱水槽3を断続的に回転させる断続回転を所定時間(例えば30秒〜2分)行い(S17)、その後、モータ51をOFFにし、モータ51の回転を所定の休止時間(例えば5分)停止する(S18)。このステップS17及びステップS18を1サイクルの槽回転として、所定回数繰り返す(S19)。所定回数繰り返した後、洗濯兼脱水槽3を所定時間、断続回転させ(S20)、その後、泡検知手段で泡発生の有無をチェックする(S71)。そして、泡発生が有る場合、モータ51の回転を所定の休止時間、休止する(S21)。ステップS20,S71,S21のサイクルを所定回数繰り返す。繰り返し途中のステップS71で泡発生が無いと判断した場合、給水異常又は洗剤異常(洗剤量小)であると判断し、異常報知を行う(S72)。報知手段は、エラー表示を行うようにしてもよいし、ブザーを鳴動させるようにしてもよい。
【0077】
このように、実施の形態5によれば、給水異常又は洗剤異常の有無を検出し、異常有りの場合には、外部に報知するようしたので、水道栓を閉じたままであることや、洗剤投入量のエラーをユーザに知らせることができる。
【0078】
また、図14のS51及び図16のS71のように、異常検知チェックを複数回行うようにした場合には、異常検知能力を高めることができる。
【0079】
なお、上記各実施の形態では、パルセータ4やクラッチ52のある洗濯機に本発明を適用した場合を記載したが、それらが無いドラム式洗濯機にも適用可能であり、同様の効果を奏することは言うまでも無い。また、上記実施の形態では、除湿風路の無いタイプの洗濯機に関して説明したが、次の図17や図18に示すように、循環型の水冷除湿タイプの洗濯機にも適用可能である。
【0080】
図17及び図18は、循環型の水冷除湿タイプの洗濯機を示している。
図17及び図18の洗濯機では、水槽2に除湿手段81が設置されている。除湿手段81は乾燥工程において、洗濯兼脱水槽3から排出された湿った空気を案内する除湿風路82と、除湿風路82内に設置された除湿板83および乾燥フィルタ84と、除湿風路82に空気を吸引(洗濯兼脱水槽3に空気を送るに同じ)するファン71、ファン71によって送られた空気を加熱するヒータ72、ヒータ72によって加熱された空気を洗濯兼脱水槽3に案内する蛇腹85と、から構成されている。除湿風路82は、パルセータ4の下方から洗濯兼脱水槽3の上部に向けて該洗濯兼脱水槽3の内部とは隔離された位置に設けられている。また、図17の洗濯機は、更に、吊り棒可動部86によって水槽2が傾斜できるタイプのものである。
【0081】
このような除湿風路82を備えた洗濯機に本発明を適用した場合には、実施の形態3で説明したように、泡作成・洗浄工程時に少量の水を洗濯兼脱水槽3の上部から注水する場合に、乾燥用給水弁87から除湿風路82内に注水するようにしてもよい。これにより、除湿風路82内の泡も消泡することが可能となる。また、下部まで伝わった水により水槽2内の泡も徐々に消泡されるため、槽洗浄効果が増す。
【0082】
本発明は、このような循環型の水冷除湿タイプの洗濯機にも適用可能であるし、また、循環型でなくてもよいのは言うまでも無い。
【0083】
また、上記実施の形態1では、水や泡の飛び散りを抑えるために水槽2の上方に内蓋26を備えているが、図17や図18に示した洗濯機のように、内蓋26の無い洗濯機に対しても本発明を適用可能である。なお、この場合、泡の高さを水量や洗剤量、回転数などでコントロールしたり、図19の一部拡大図に示すように、内蓋ベース25の代わりに天面開口部を有する水槽カバー91を設け、泡が溢れないような構造とすることが好ましい。また、水槽カバー91に、上記実施の形態1と同様の泡誘導リブ92を設け、泡を洗濯兼脱水槽3内部へ誘導するようにしてもよい。また、水槽2自身を蛇腹ダクト(図示せず)を介して扉12に連結することで、扉12を1枚化する構造でも良い。なお、図19において、図1と同一部分には同一符号を付している。
【0084】
なお、上述した実施の形態1〜実施の形態5においてそれぞれ別の実施の形態として説明したが、実施の形態1〜実施の形態5の全てが実施できる洗濯機としてもよく、また、各実施の形態を適宜組み合わせた洗濯機としてもよい。
図20は、実施の形態1〜実施の形態4を組み合わせた場合の泡槽洗浄コースの動作タイミングチャートを示している。図20に従った動作を行うことにより、各実施の形態それぞれの効果を備え、効果的な槽洗浄が可能な洗濯機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施の形態1の洗濯機の断面図である。
【図2】図1の水槽の底形状を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1の洗濯機の電気的系統を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態1における操作パネルの一部を示す概要図である。
【図5】図4の操作パネルの設定指示の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1の泡槽洗浄コースの大まかな流れを示すフローチャートである。
【図7】図6の泡発生・洗浄工程における動作タイミングを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態1の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
【図10】図9の泡作成・洗浄工程の動作タイミングを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態4の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態4の泡槽洗浄コースにおけるすすぎ工程と脱水工程の動作タイミングを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態5の泡槽洗浄コースの動作を示すフローチャートである。
【図15】水位検知手段を用いて給水異常を検知する場合のフローチャートである。
【図16】泡検知手段を用いて給水異常又は洗剤異常を検知する場合のフローチャートである。
【図17】循環型の水冷除湿タイプの洗濯機の断面図である(その1)。
【図18】循環型の水冷除湿タイプの洗濯機の断面図である(その2)。
【図19】内蓋ベースの代わりに天面開口部を有する水槽カバーを設けた場合の一部拡大図である。
【図20】実施の形態1〜実施の形態4を組み合わせた場合の泡槽洗浄コースの動作タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 筐体、2 水槽、2A 底部、2B 排水口、2C 排水誘導面、2D 排水誘導リブ、3 洗濯兼脱水槽、4 パルセータ、5 回転駆動手段、6 水位検知手段、11 天面開口部、12 扉、13 操作パネル、13A ボタン、24 天面開口部、26 内蓋、27 泡誘導リブ、34 流体バランサー、41 裏羽根、51 モータ、52 クラッチ、63 洗剤投入口、64 給水口、65 給水(分岐)弁、67 専用注水口、71 ファン、72 ヒータ、82 除湿風路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯水を貯水・排水可能な水槽と、
該水槽内に回転可能に配設された洗濯兼脱水槽と、
該洗濯兼脱水槽を回転させる回転駆動手段と、
前記洗濯兼脱水槽内に給水を行う給水手段と、
前記回転駆動手段と前記給水手段とを制御する制御手段とを備え、
該制御手段により、前記給水手段から前記洗濯兼脱水槽内に給水させるとともに、前記回転駆動手段を駆動して前記洗濯兼脱水槽を回転させ、前記水槽内の洗濯水に水流を起こして前記洗濯兼脱水槽と前記水槽との間に泡を発生させることで槽洗浄を行うことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記制御手段により、前記回転駆動手段と前記給水手段とを制御して複数の運転コースを実行するものであって、前記運転コースとして泡槽洗浄コースを備え、該泡洗浄コースにて前記槽洗浄を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗濯機。
【請求項3】
該泡槽洗浄コースを構成する泡作成・洗浄工程において、通常の洗濯コースよりも少量の水を前記給水手段から前記洗濯兼脱水槽内に給水させるとともに、前記回転駆動手段を駆動して前記洗濯兼脱水槽を回転させ、前記水槽内の洗濯水に水流を起こして前記洗濯兼脱水槽と前記水槽との間に泡を発生させ、槽洗浄を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の洗濯機。
【請求項4】
前記洗濯兼脱水槽の底部に回動自在に配設され、洗濯水を攪拌するパルセータを備え、前記パルセータのみを単独回転させるパルセータ回転と、前記洗濯兼脱水槽と前記パルセータとを一体的に回転させる洗濯兼脱水槽回転とを選択的に切り替え可能に構成されており、前記泡作成・洗浄工程では、前記パルセータ回転と前記洗濯兼脱水槽回転とを組み合わせて泡を発生させることを特徴とする請求項3記載の洗濯機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽回転を行う前に、前記パルセータ回転を実施して予め泡を発生させることを特徴とする請求項4記載の洗濯機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程において、前記洗濯兼脱水槽の回転を断続的に行うことを特徴とする請求項3乃至請求項5の何れかに記載の洗濯機。
【請求項7】
前記洗濯兼脱水槽の回転を断続的に行う断続回転を行った後、所定の休止時間の間、回転を停止するサイクルを複数回繰り返すことを特徴とする請求項6記載の洗濯機。
【請求項8】
前記回転駆動手段は、前記洗濯兼脱水槽と前記パルセータとを回転駆動するための共通のモータと、該モータの回転力を前記パルセータのみ、或いは前記洗濯兼脱水槽と前記パルセータの両方へ伝達するクラッチとを備え、該クラッチの切り替えにより前記パルセータ回転と前記洗濯兼脱水槽回転とを切り替えることを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れかに記載の洗濯機。
【請求項9】
前記水槽の底部には、前記洗濯兼脱水槽が一方向に回転したときに、排水口に洗濯水を誘導するための誘導面及び/又は誘導リブが設けられており、前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程では、前記洗濯兼脱水槽を他方向に回転させることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の洗濯機。
【請求項10】
前記泡作成・洗浄工程において、前記洗濯兼脱水槽の回転を、一方向の回転と他方向の回転の両方を使用したことを特徴とする請求項9記載の洗濯機。
【請求項11】
前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程中に、前記洗濯兼脱水槽の上部もしくは前記洗濯兼脱水槽と前記水槽との間に、少量の水を注水させることを特徴とする請求項3乃至請求項10の何れかに記載の洗濯機。
【請求項12】
前記洗濯兼脱水槽の上部に衣類のアンバランスをとるためのバランサーを備え、前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程中に、前記バランサーの上部に少量の水を注水させることを特徴とする請求項3乃至請求項10の何れかに記載の洗濯機。
【請求項13】
前記パルセータの下方から前記洗濯兼脱水槽の上部に向けて該洗濯兼脱水槽の内部とは隔離された除湿風路を備え、前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程中に、前記除湿風路に注水させることを特徴とする請求項3乃至請求項10の何れかに記載の洗濯機。
【請求項14】
洗濯機筐体の開口部を開閉する扉と、該扉を閉じた状態にロックするロック機構とを備え、前記制御手段は、前記扉を前記扉ロック機構によりロックした後、前記泡作成・洗浄工程における給水を開始することを特徴とする請求項3乃至請求項13の何れかに記載の洗濯機。
【請求項15】
前記水槽内であって、洗濯水が通過する位置に洗剤投入口を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れかに記載の洗濯機。
【請求項16】
前記水槽の開口部を開閉する内蓋を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れかに記載の洗濯機。
【請求項17】
前記制御手段は、前記泡作成・洗浄工程中の給水速度を、通常の洗濯コースにおける洗い工程時の給水速度よりも遅くしたことを特徴とする請求項3乃至請求項16の何れかに記載の洗濯機。
【請求項18】
前記泡槽洗浄コースは、前記泡作成・洗浄工程の後にすすぎ工程を有しており、前記制御手段は、前記すすぎ工程において、前記洗濯兼脱水槽を回転させながら前記洗濯兼脱水槽に給水を行うことを特徴とする請求項3乃至請求項17の何れかに記載の洗濯機。
【請求項19】
前記すすぎ工程時の前記洗濯兼脱水槽の回転数は、低速回転と高速回転を切り替えられるようにし、前記高速回転側の回転数を、前記泡作成・洗浄工程時の回転数よりも高くしたことを特徴とする請求項18記載の洗濯機。
【請求項20】
前記すすぎ工程時の前記洗濯兼脱水槽の回転数を2段階設け、低速回転と高速回転を切り替えられるようにし、高速回転側の回転数を、通常の洗濯コースにおける脱水工程時の回転数と略同等の回転数としたことを特徴とする請求項18記載の洗濯機。
【請求項21】
前記すすぎ工程時の給水速度を、通常の洗濯コースの洗い工程での給水速度よりも遅くしたことを特徴する請求項18乃至請求項20の何れかに記載の洗濯機。
【請求項22】
前記水槽内に送風を行う送風手段を更に備え、前記制御手段は、前記すすぎ工程の前記洗濯兼脱水槽の回転中に、前記送風手段を駆動することを特徴とする請求項18乃至請求項21の何れかに記載の洗濯機。
【請求項23】
前記送風手段により送風される風を加熱する加熱手段を更に備え、前記制御手段は、前記すすぎ工程又は該すすぎ工程後に行う脱水工程時に前記加熱手段を駆動することを特徴とする請求項22記載の洗濯機。
【請求項24】
前記水槽と前記洗濯兼脱水槽との間に発生してこれらの上部に達した泡を、前記洗濯兼脱水槽内へと誘導する泡誘導リブを前記水槽に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項23の何れかに記載の洗濯機。
【請求項25】
前記複数の運転コースの何れか一つを選択するための操作手段を備え、前記制御手段は、前記操作手段で泡槽洗浄コースが選択されると、泡槽洗浄コースを開始することを特徴とする請求項2乃至請求項24の何れかに記載の洗濯機。
【請求項26】
前記複数の運転コースの何れか一つを選択するための操作手段と、前記洗濯兼脱水槽内に送風を行う送風手段と、該送風手段により送風される風を加熱する加熱手段とを更に備え、前記操作手段は、前記泡槽洗浄コースを選択するためのボタンを有し、該ボタンが押下された際の初期設定として、前記泡槽洗浄コースと、前記送風手段及び前記加熱手段を駆動して前記洗濯兼脱水槽内に温風を送り込む槽乾燥コースとの両方が選択されるようにしたことを特徴とする請求項2乃至請求項25の何れかに記載の洗濯機。
【請求項27】
前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の回転開始からの一定時間後の前記洗濯兼脱水槽の回転数又は回転速度に基づいて給水異常又は洗剤異常を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項26の何れかに記載の洗濯機。
【請求項28】
前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の回転開始からの一定時間後の前記洗濯兼脱水槽の回転数又は回転速度が所定回転数又は所定回転速度を超える場合、給水異常又は洗剤異常と判定することを特徴とする請求項27記載の洗濯機。
【請求項29】
前記水槽内の水位を検知する水位検知手段を備え、前記制御手段は、給水開始からの一定時間後の水位を前記水位検知手段により確認し、検知水位が、所定水位まで達していないと判断した場合、給水異常と判定することを特徴とする請求項1乃至請求項28の何れかに記載の洗濯機。
【請求項30】
前記水槽内の泡を検知する泡検知手段を備え、前記制御手段は、前記洗濯兼脱水槽の回転開始からの一定時間後の前記泡検知手段の検知結果に基づいて給水異常又は洗剤異常を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項29の何れかに記載の洗濯機。
【請求項31】
前記制御手段は、前記泡検知手段の前記検知結果に基づいて前記洗濯兼脱水槽の回転開始からの一定時間後の泡の位置が所定位置まで達していないと判断した場合、給水異常又は洗剤異常と判定することを特徴とする請求項30記載の洗濯機。
【請求項32】
給水異常又は洗剤異常を報知する報知手段を備え、前記制御手段は、給水異常又は洗剤異常を検出した場合、前記報知手段を駆動して給水異常又は洗剤異常を報知することを特徴とする請求項27乃至請求項31の何れかに記載の洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−39318(P2009−39318A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207569(P2007−207569)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000004422)日本建鐵株式会社 (152)
【Fターム(参考)】