流体静力学的ピストン機械用の後退ボール
本発明は、後退ボール(1)、又は、弾性素子(4)を収容するための少なくとも1つの凹部(3)を有する静水学的ピストン機械のための後退ボール(1)及び弾性素子(4)に関し、弾性素子(4)を係止するために、少なくとも1つの構造素子(11,11’)が前記凹部内に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールに関し、且つ、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを含み、後退ボールは、弾性素子の収容のための凹部を提供し、弾性素子の係止のために構造素子が形成される、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングを備え、円筒形ドラムがハウジングの内部空間に取り付けられる、軸方向ピストン機械が、DE10035630C1から既知である。円筒形ドラムは、同軸駆動シャフトについて取り付けられ、同軸駆動シャフトに回転的に剛的な方法で接続される。軸方向に延びるピストン穿孔が円筒形ドラム内に形成され、ピストンはピストン穿孔内で移動可能に案内される。ピストンは回転ディスクに対してガイドシューを介して支持される。回転ディスクは、駆動シャフトの軸に対して垂直に延びる回転軸について回転可能な方法で取り付けられ、対角に動作する表面を形成し、ガイドシューは対角動作表面上で摺動し得る。軸方向ピストン機械の機能的動作の間、駆動シャフト及び円筒形ドラムは、共通の軸について回転する。ピストンは、ピストン穿孔内で往復的な方法で移動される。吸引ストローク中の動作表面からのガイドシューの持上げは、後退装置によって阻止される。後退装置は、動作表面と接触するガイドシューを保持する。後退装置は、後退ディスクによって形成され、後退ディスクは、ガイドシューのフランジの背後と係合する。後退ディスクは、所謂後退ボールの対応する球帯形状の凸状の軸受表面に対する球体形状の凹状の軸受表面で、軸方向に支持される。後退ボールは、好ましくは、多歯継手によって回転的に剛的な方法で駆動シャフトに接続され、軸方向に移動可能な方法で駆動シャフトに取り付けられ、円筒形ドラムに向かう方向に支持される。
【0003】
円筒形ドラムに向かう方向に後退ボールを支持するバネの使用は既知である。従って、支持は弾性的であり、後退ボールの位置は、例えば、温度の影響を通じて、動作中の変化する状況に適合される。後退ボール内にバネを収容するために、凹部が後退ボール内に形成される。
【0004】
以前の凹部に伴う不利点、又は、後退ボールと組込みバネとを含む、以前のシステムに伴う不利点は、軸方向ピストン機械内へのシステムの取付け又は軸方向ピストン機械からのシステムの取外しの間に、バネが飛び出し得ることである。これは取付け又は取外しを厄介にする。グリース又は高粘性材料を使用した後退ボールの単純化された取付けのために後退ボールの凹部内にバネを取り付けることが既知である。この方法は、高い動作温度の故に並びに漏出流の故に、グリース又は高粘性材料が軸方向ピストン機械内の凹部から流出するという不利点を有し、バネは後退ボールの取外し中に再び飛び出し得る。後退ボールの凹部内にバネを固定することは恒久的ではなく、取付けを単純化するだけであるが、後退ボールと組込みバネとを含むシステムの取外しは、そうではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボール、又は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを含み、弾性素子の恒久的な係止を可能にするシステムを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、静水学的ピストン機械のための本発明に従った後退ボール、又は、少なくとも1つの弾性素子を備える静水学的ピストン機械のための後退ボールを含む本発明に従ったシステムによってそれぞれ達成される。
【0007】
本発明に従ったシステムは、静水学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを提供する。弾性素子の収容のために、凹部が後退ボールに形成される。凹部は、弾性素子を係止するための構造素子を提供する。弾性素子を係止するための構造素子によって、弾性素子の恒久的な係止が達成される。
【0008】
従属請求項は、本発明に従ったシステムの有利な実施態様を具体化する。
【0009】
好ましくは、弾性素子を係止するための構造素子を塑性的に変形し得る。それ故に、形態は、構造素子の後続の加工を通じて、前に挿入された弾性素子を保持するための要求に適合され得る。
【0010】
1つの好適実施態様において、弾性素子を係止するための構造素子は、構造素子の平衡形態が要求に適合されるよう、塑性的に変形される。
【0011】
他の実施態様では、弾性素子を係止するための構造素子を弾性的な方法で変形し得る。それ故に、例えば、後退ボールの凹部内への弾性素子の取付け又は取外しのために、構造素子を可逆的な方法で変形することができ、それによって、取付け又は取外しをそれぞれ簡略化する。その上、弾性素子を係止するために、その平衡形態から外されるときに構造素子によってもたらされる復帰力を使用し得る。
【0012】
1つの好適実施態様において、弾性素子を係止するための構造素子は、弾性的な方法で変形される。これに関連して、構造素子は、復帰力の補助を受けて弾性素子を係止する。
【0013】
特に好ましくは、弾性素子は、凹部内に形態適合の方法で係止される。形態適合係止は、確実な係止をもたらし、形態適合係止は、相当な機械応力の下でさえも弾性素子を係止する。
【0014】
1つの有利な実施態様において、弾性素子は凹部内に圧力嵌めの方法で係止される。圧力嵌め係止を通じて、所要時に十分な機械応力によって、弾性素子を凹部から取り外し得る。弾性素子の交換が、このような方法で容易化される。
【0015】
1つの好適実施態様において、凹部は、少なくとも1つの円筒形部分を提供し、構造素子は、少なくとも1つの円筒形部分に形成される。凹部内の円筒形部分は、円筒形に巻回される渦巻バネのような円筒形の弾性素子の収容に特に適している。
【0016】
1つの有利な実施態様において、構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される。凹部の円筒形部分内への弾性素子の取付け後に同軸の中空シリンダとして形成される構造素子の簡単な塑性変形を通じて、弾性素子の有利な恒久的な形態適合係止が、アンダーカットの形成を通じて実現され得る。
【0017】
好ましくは、構造素子は、アンダーカットを用いて弾性素子を係止する。それ故に、形態適合係止が実現され、それは弾性素子が凹部から脱落するのを阻止する。
【0018】
特に好ましくは、弾性素子は、渦巻バネである。この種類の弾性素子は、製造、取付け、取外し、及び、交換が容易であり、機能性を犠牲にすることはない。従って、本発明に従ったシステムの製造及び保守の費用及び困難性は低減される。
【0019】
特にアンダーカットを通じた係止は、第一巻線の1つに対して特に簡単な方法で実施され得る。
【0020】
1つの好適実施態様において、後退ボール及び構造素子は、射出成形合成材料を含む。それ故に、構造素子の簡単な塑性的な変形性並びに有利な弾性的な変形性が、低い構成部品重量で達成される。
【0021】
後退ボールと弾性素子とを含む本発明に従ったシステムの好適な例示的な実施態様が図面中に提示され、且つ、以下の段洛中に詳細に記載される。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術の後退ボールを示す平面図である。
【図2】従来技術の後退ボールを示す断面図である。
【図3】従来技術の軸方向ピストン機械内に取り付けられる後退ボールを示す断面図である。
【図4】本発明に従った後退ボールを通じる断面図である。
【図5】本発明に従った後退ボールを示す平面斜視図である。
【図6A】本発明に従った後退ボールのある領域を通じる第一の断面図である。
【図6B】本発明に従った後退ボールのある領域を通じる第二の断面図である。
【図7A】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第一の断面図である。
【図7B】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第二の断面図である。
【図7C】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第三の断面図である。
【図8】代替的な構造素子を備える本発明に従った代替的なシステムのある領域を通じる第三の断面図である。
【図9】本発明に従った後退ボールの更なる凹部を通じる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、従来技術から既知の後退ボール1aとバネ4とを含む既知のシステムの平面図を提示している。システムは、軸受穿孔2を備える既知の後退ボール1aを含む。
【0024】
軸受穿孔2は、ここに図示されない軸方向ピストン機械の、図3に示される駆動シャフト200の収容のために使用される。幾つかの既知の凹部3aが既知の後退ボール1aに形成され、バネ4が各々の凹部内に収容される。既知の凹部3aは円筒形状に形成されている。バネ4は、鋼線製の円筒形バネとして設計される。球帯形状(spherical-zone-shaped)の凸状軸受表面が、既知の後退ボール1aの外側縁部に形成され、凸状軸受表面の断面が、図2に示されている。軸受穿孔2は、軸受穿孔限界6によって限定されている。
【0025】
図2は、図1に例証される既知の後退ボール1aを通じた並びに既知の後退ボール1a内の既知の円筒形の凹部3aの2つを通じた断面を示している。軸受穿孔2の軸受穿孔限界6は、内歯付きはめば歯車7として設計されている。図2には、球帯形状の凸状軸受表面5の断面が詳細に提示されている。
【0026】
図3は、完全に例証されていない軸方向ピストン機械内に取り付けられた既知の後退ボール1aを通じた断面を示している。既知の後退ボール1aの既知の凹部3a内には、バネ4が取り付けられ、既知の後退ボール1aは、バネ4によって、軸方向ピストン機械の円筒形ドラム100上に弾性的な方法で支持される。既知の後退ボール1aを円筒形ドラム100に対して押し付ける力は、後退ディスク8を介して既知の後退ボール1aに供給され、軸方向ピストン機械の例証されていないガイドシューは、後退ディスクを用いて軸方向ピストン機械の例証されていない対角表面と接触して保持される。この目的のために、後退ディスク8は、対応する後退ボール1aの球帯形状の凸状軸受表面に対する球帯形状の凹状軸受表面9で支持される。バネ4の影響を通じて、構成部品公差は補償され、軸方向ピストン機械の改良された動作が確実にされる。従って、構成部品上に配置されるべき要求は低減され、軸方向ピストン機械の良好な動作がより簡単に達成され得る。
【0027】
図4は、図5中に斜視図で例証される後退ボール1のある領域を通じる断面を提示している。本発明に従った凹部3は、球帯形状の凸状軸受表面5と、歯15を備える内歯付きはめば歯車鍔7として設計される軸受穿孔2の軸受穿孔限界6との間に形成されている。凹部3は、第一円筒形部分10と、より小さい直径の同軸の第二円筒形部分12とを含む。同軸の第二円筒形部分12は、盲穿孔13に開口している。同軸の中空シリンダとして形成される構造素子11が、第一円筒形部分10に設けられる。中空シリンダとして形成されるこの構造素子11を通じて、第一円筒形部分10を同軸の第二円筒形部分12に接続する更なる同軸の円筒形部分12’が、第一円筒形部分10内に追加的に形成されている。後退ボール1の重量を減少するために、凹部14が設けられている。
【0028】
図5は、後退ボール1とバネ4とを含む本発明に従ったシステムの平面斜視図を示している。バネ4は、凹部3内に位置付けられている。軸受穿孔限界6は、内歯付きはめば歯車鍔7として設計されており、その歯15は、軸受穿孔2内に突出し、それは、回転的に剛的な軸方向に移動可能な接続を形成するために、駆動シャフト200の対応する実施態様と協働する。
【0029】
図6A及び6Bは、その処理前の本発明に従った後退ボール1のある領域を通じる断面図及び断面斜視図を示している。丸い線から成る渦巻バネであり且つ略円筒形の中空空間4’を取り囲むバネ4が、凹部3内に配置されている。バネ4及び中空空間4’は、中空空間内の第一円筒形領域10内に同軸状に位置付けられている。バネ4は最大深さに位置付けられ、従って、第二円筒形部分12の端部で盲穿孔13に向かって軸方向に更に移動され得ない。第一円筒形部分10に形成される構造素子11は、バネ4によって形成される中空空間4’内に突出している。
【0030】
図7A、7B、及び、7Cは、後退ボール1とバネ4とを含む本発明に従ったシステムのある領域を通じる断面図又は各断面斜視図をそれぞれ示している。丸い線から製造されるバネ4は、後退ボール1の凹部3内の最大深さで収容され、アンダーカット16を用いて加工された構成素子11’によって形態適合(形態嵌め)で係止されている。それ故に、バネ4の軸方向位置は固定される。バネはアンダーカット16を用いて形態適合的に且つ恒久的に係止され、従って、凹部3から脱落し得ない。
【0031】
加工構成素子11’は、塑性変形を通じて構造素子11から突出している。塑性変形は、熱及び/又は力の効果を通じて達成される。この目的のために、望ましい塑性変形のために適切に形成された工具が使用される。熱の供給は、予熱工具を介して或いは工具と無関係にヒータを通じてもたらされる。
【0032】
提示される例示的な実施態様において、本発明に従った一体形の後退ボール1は、射出成形合成材料から成り得る。しかしながら、後退ボール1は、幾つかの部分からも成り得る。その場合には、少なくとも構成素子が塑性的に変形可能な任意の材料から成ることを条件として、各部分は如何なる所要材料からも成り得る。代替として、追加的に弾性的に変形可能な材料も選択し得る。弾性変形可能性を通じて、加工構造素子を、弾性素子、例えば、バネ4の場合に或いはバネ4の取付け又は取外しのために、その塑性的に決定された平衡位置から可逆的な方法で弾性的に変形し得る。それ故に、弾性素子の簡単な取付け又は取外しを用いた弾性素子の恒久的係止を組み合わせ得る。異なる合成材料に加えて、異なる金属又は金属合金も使用し得る。
【0033】
例証された例示的な実施態様におけるバネ4は、金属ワイヤ製の円筒形の渦巻バネである。代替的に、例えば、他の弾性材料から成るバレル形状の成形弾性素子を使用し得る。
【0034】
例証される例示的な実施態様において、係止は、形態適合(form-fit)係止である。代替として、圧力嵌め(force-fit)係止も選択し得る。例えば、例証される構造素子11の直径を拡径することによって、例えば、アンダーカット16を備える、形態適合係止を伴わない圧力嵌めを実現し得る。
【0035】
例証される例示的な実施態様において、後退ボール1の凹部3は、第一円筒形部分10と、盲穿孔13に開口する軸方向に続く同軸の第二円筒形部分12と、同軸の中空シリンダとして第一円筒形部分10内に形成される構造素子11とを含み、中空シリンダ内には、更なる同軸の円筒形部分12’が形成され、それは円筒形部分10を同軸の第二円筒形部分12に接続する。代替的に、凹部3及び構造素子11は、それぞれ、凹部が弾性素子を収容し得るような形状、並びに、凹部内での弾性素子の恒久的な形態適合及び/又は圧力嵌め係止が可能であるような方法で構造素子を変形し得るような形状を取り得る。形態適合及び圧力嵌めは、凹部内での弾性素子の異なる移動の自由度にも関係し得る。例えば、例証される例示的な実施態様では、加工構造素子11’は、アンダーカット16を用いて軸方向に形態適合的にバネ4を係止する。しかしながら、回転によるバネ4の捩りは依然として可能である。加工構造素子11’の拡径を通じて、圧力嵌めによってバネ4の回転を追加的に阻止し得る。それ故に、バネ4は形態適合的に軸方向移動に関して係止される。従って、バネ4の望ましくない回転を通じたバネ4からの脱落は阻止される。
【0036】
図8は、代替的な構造素子11aを備える本発明に従った代替的なシステムのある領域を通じた第三の断面を示している。代替的な構造素子11aは、個別の構造素子部分11a’を提供し、個別の構造素子部分11a’は、更なる円筒形部分12’の周りに同軸に形成される中空シリンダ部分に沿って並んで配置されている。更なる円筒形部分12’は、円筒形バネ4によって形成される中空空間4’に開口している。径方向に外向きに方向付けられるノブとして形成される膨張部11a”が、1つの代替的な構造素子11aに形成され、膨張部は、凹部3内に取り付けられるバネ4を軸方向に形態適合的に係止する。下方構造素子11a’を弾性的に変形し得る。加えて、膨張部11a”は、バネ4を凹部3内に取り付け且つ再び凹部3から取り外し得るように設計され、下方構造素子11a’は、取付け及び/又は取外し中に弾性的な方法で変形され、取付け又は取外し終了後に例証される平衡形態に再び戻る。構造副素子11a’は、スロット17によってそれぞれ互いに分離され、それぞれ互いに独立的に弾性的に別個に変形可能である。所要の運動遊びがスロット17によって保証される。
【0037】
図9は、更なる凹部3bを示しており、凹部3の代替として更なる凹部を選択し得る。後退ボール1において、更なる凹部3bは、第一円筒形部分10と、盲穿孔13とを含み、第一円筒形部分内には、同軸の中空シリンダとして形成される構造素子11が設けられ、盲穿孔13内には、構造素子11によって形成される更なる円筒形部分12’が開口している。更なる円筒形部分12’は、第一円筒形部分10を盲穿孔13に接続している。
【0038】
本発明は例証された例示的な実施態様に限定されない。逆に、例示的な実施態様の個々の特徴を他の特徴と有利に組み合わせ得る。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールに関し、且つ、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを含み、後退ボールは、弾性素子の収容のための凹部を提供し、弾性素子の係止のために構造素子が形成される、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ハウジングを備え、円筒形ドラムがハウジングの内部空間に取り付けられる、軸方向ピストン機械が、DE10035630C1から既知である。円筒形ドラムは、同軸駆動シャフトについて取り付けられ、同軸駆動シャフトに回転的に剛的な方法で接続される。軸方向に延びるピストン穿孔が円筒形ドラム内に形成され、ピストンはピストン穿孔内で移動可能に案内される。ピストンは回転ディスクに対してガイドシューを介して支持される。回転ディスクは、駆動シャフトの軸に対して垂直に延びる回転軸について回転可能な方法で取り付けられ、対角に動作する表面を形成し、ガイドシューは対角動作表面上で摺動し得る。軸方向ピストン機械の機能的動作の間、駆動シャフト及び円筒形ドラムは、共通の軸について回転する。ピストンは、ピストン穿孔内で往復的な方法で移動される。吸引ストローク中の動作表面からのガイドシューの持上げは、後退装置によって阻止される。後退装置は、動作表面と接触するガイドシューを保持する。後退装置は、後退ディスクによって形成され、後退ディスクは、ガイドシューのフランジの背後と係合する。後退ディスクは、所謂後退ボールの対応する球帯形状の凸状の軸受表面に対する球体形状の凹状の軸受表面で、軸方向に支持される。後退ボールは、好ましくは、多歯継手によって回転的に剛的な方法で駆動シャフトに接続され、軸方向に移動可能な方法で駆動シャフトに取り付けられ、円筒形ドラムに向かう方向に支持される。
【0003】
円筒形ドラムに向かう方向に後退ボールを支持するバネの使用は既知である。従って、支持は弾性的であり、後退ボールの位置は、例えば、温度の影響を通じて、動作中の変化する状況に適合される。後退ボール内にバネを収容するために、凹部が後退ボール内に形成される。
【0004】
以前の凹部に伴う不利点、又は、後退ボールと組込みバネとを含む、以前のシステムに伴う不利点は、軸方向ピストン機械内へのシステムの取付け又は軸方向ピストン機械からのシステムの取外しの間に、バネが飛び出し得ることである。これは取付け又は取外しを厄介にする。グリース又は高粘性材料を使用した後退ボールの単純化された取付けのために後退ボールの凹部内にバネを取り付けることが既知である。この方法は、高い動作温度の故に並びに漏出流の故に、グリース又は高粘性材料が軸方向ピストン機械内の凹部から流出するという不利点を有し、バネは後退ボールの取外し中に再び飛び出し得る。後退ボールの凹部内にバネを固定することは恒久的ではなく、取付けを単純化するだけであるが、後退ボールと組込みバネとを含むシステムの取外しは、そうではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボール、又は、流体静力学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを含み、弾性素子の恒久的な係止を可能にするシステムを提供するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、静水学的ピストン機械のための本発明に従った後退ボール、又は、少なくとも1つの弾性素子を備える静水学的ピストン機械のための後退ボールを含む本発明に従ったシステムによってそれぞれ達成される。
【0007】
本発明に従ったシステムは、静水学的ピストン機械のための後退ボールと、少なくとも1つの弾性素子とを提供する。弾性素子の収容のために、凹部が後退ボールに形成される。凹部は、弾性素子を係止するための構造素子を提供する。弾性素子を係止するための構造素子によって、弾性素子の恒久的な係止が達成される。
【0008】
従属請求項は、本発明に従ったシステムの有利な実施態様を具体化する。
【0009】
好ましくは、弾性素子を係止するための構造素子を塑性的に変形し得る。それ故に、形態は、構造素子の後続の加工を通じて、前に挿入された弾性素子を保持するための要求に適合され得る。
【0010】
1つの好適実施態様において、弾性素子を係止するための構造素子は、構造素子の平衡形態が要求に適合されるよう、塑性的に変形される。
【0011】
他の実施態様では、弾性素子を係止するための構造素子を弾性的な方法で変形し得る。それ故に、例えば、後退ボールの凹部内への弾性素子の取付け又は取外しのために、構造素子を可逆的な方法で変形することができ、それによって、取付け又は取外しをそれぞれ簡略化する。その上、弾性素子を係止するために、その平衡形態から外されるときに構造素子によってもたらされる復帰力を使用し得る。
【0012】
1つの好適実施態様において、弾性素子を係止するための構造素子は、弾性的な方法で変形される。これに関連して、構造素子は、復帰力の補助を受けて弾性素子を係止する。
【0013】
特に好ましくは、弾性素子は、凹部内に形態適合の方法で係止される。形態適合係止は、確実な係止をもたらし、形態適合係止は、相当な機械応力の下でさえも弾性素子を係止する。
【0014】
1つの有利な実施態様において、弾性素子は凹部内に圧力嵌めの方法で係止される。圧力嵌め係止を通じて、所要時に十分な機械応力によって、弾性素子を凹部から取り外し得る。弾性素子の交換が、このような方法で容易化される。
【0015】
1つの好適実施態様において、凹部は、少なくとも1つの円筒形部分を提供し、構造素子は、少なくとも1つの円筒形部分に形成される。凹部内の円筒形部分は、円筒形に巻回される渦巻バネのような円筒形の弾性素子の収容に特に適している。
【0016】
1つの有利な実施態様において、構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される。凹部の円筒形部分内への弾性素子の取付け後に同軸の中空シリンダとして形成される構造素子の簡単な塑性変形を通じて、弾性素子の有利な恒久的な形態適合係止が、アンダーカットの形成を通じて実現され得る。
【0017】
好ましくは、構造素子は、アンダーカットを用いて弾性素子を係止する。それ故に、形態適合係止が実現され、それは弾性素子が凹部から脱落するのを阻止する。
【0018】
特に好ましくは、弾性素子は、渦巻バネである。この種類の弾性素子は、製造、取付け、取外し、及び、交換が容易であり、機能性を犠牲にすることはない。従って、本発明に従ったシステムの製造及び保守の費用及び困難性は低減される。
【0019】
特にアンダーカットを通じた係止は、第一巻線の1つに対して特に簡単な方法で実施され得る。
【0020】
1つの好適実施態様において、後退ボール及び構造素子は、射出成形合成材料を含む。それ故に、構造素子の簡単な塑性的な変形性並びに有利な弾性的な変形性が、低い構成部品重量で達成される。
【0021】
後退ボールと弾性素子とを含む本発明に従ったシステムの好適な例示的な実施態様が図面中に提示され、且つ、以下の段洛中に詳細に記載される。図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】従来技術の後退ボールを示す平面図である。
【図2】従来技術の後退ボールを示す断面図である。
【図3】従来技術の軸方向ピストン機械内に取り付けられる後退ボールを示す断面図である。
【図4】本発明に従った後退ボールを通じる断面図である。
【図5】本発明に従った後退ボールを示す平面斜視図である。
【図6A】本発明に従った後退ボールのある領域を通じる第一の断面図である。
【図6B】本発明に従った後退ボールのある領域を通じる第二の断面図である。
【図7A】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第一の断面図である。
【図7B】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第二の断面図である。
【図7C】形成プロセス後の本発明に従ったシステムのある領域を通じる第三の断面図である。
【図8】代替的な構造素子を備える本発明に従った代替的なシステムのある領域を通じる第三の断面図である。
【図9】本発明に従った後退ボールの更なる凹部を通じる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、従来技術から既知の後退ボール1aとバネ4とを含む既知のシステムの平面図を提示している。システムは、軸受穿孔2を備える既知の後退ボール1aを含む。
【0024】
軸受穿孔2は、ここに図示されない軸方向ピストン機械の、図3に示される駆動シャフト200の収容のために使用される。幾つかの既知の凹部3aが既知の後退ボール1aに形成され、バネ4が各々の凹部内に収容される。既知の凹部3aは円筒形状に形成されている。バネ4は、鋼線製の円筒形バネとして設計される。球帯形状(spherical-zone-shaped)の凸状軸受表面が、既知の後退ボール1aの外側縁部に形成され、凸状軸受表面の断面が、図2に示されている。軸受穿孔2は、軸受穿孔限界6によって限定されている。
【0025】
図2は、図1に例証される既知の後退ボール1aを通じた並びに既知の後退ボール1a内の既知の円筒形の凹部3aの2つを通じた断面を示している。軸受穿孔2の軸受穿孔限界6は、内歯付きはめば歯車7として設計されている。図2には、球帯形状の凸状軸受表面5の断面が詳細に提示されている。
【0026】
図3は、完全に例証されていない軸方向ピストン機械内に取り付けられた既知の後退ボール1aを通じた断面を示している。既知の後退ボール1aの既知の凹部3a内には、バネ4が取り付けられ、既知の後退ボール1aは、バネ4によって、軸方向ピストン機械の円筒形ドラム100上に弾性的な方法で支持される。既知の後退ボール1aを円筒形ドラム100に対して押し付ける力は、後退ディスク8を介して既知の後退ボール1aに供給され、軸方向ピストン機械の例証されていないガイドシューは、後退ディスクを用いて軸方向ピストン機械の例証されていない対角表面と接触して保持される。この目的のために、後退ディスク8は、対応する後退ボール1aの球帯形状の凸状軸受表面に対する球帯形状の凹状軸受表面9で支持される。バネ4の影響を通じて、構成部品公差は補償され、軸方向ピストン機械の改良された動作が確実にされる。従って、構成部品上に配置されるべき要求は低減され、軸方向ピストン機械の良好な動作がより簡単に達成され得る。
【0027】
図4は、図5中に斜視図で例証される後退ボール1のある領域を通じる断面を提示している。本発明に従った凹部3は、球帯形状の凸状軸受表面5と、歯15を備える内歯付きはめば歯車鍔7として設計される軸受穿孔2の軸受穿孔限界6との間に形成されている。凹部3は、第一円筒形部分10と、より小さい直径の同軸の第二円筒形部分12とを含む。同軸の第二円筒形部分12は、盲穿孔13に開口している。同軸の中空シリンダとして形成される構造素子11が、第一円筒形部分10に設けられる。中空シリンダとして形成されるこの構造素子11を通じて、第一円筒形部分10を同軸の第二円筒形部分12に接続する更なる同軸の円筒形部分12’が、第一円筒形部分10内に追加的に形成されている。後退ボール1の重量を減少するために、凹部14が設けられている。
【0028】
図5は、後退ボール1とバネ4とを含む本発明に従ったシステムの平面斜視図を示している。バネ4は、凹部3内に位置付けられている。軸受穿孔限界6は、内歯付きはめば歯車鍔7として設計されており、その歯15は、軸受穿孔2内に突出し、それは、回転的に剛的な軸方向に移動可能な接続を形成するために、駆動シャフト200の対応する実施態様と協働する。
【0029】
図6A及び6Bは、その処理前の本発明に従った後退ボール1のある領域を通じる断面図及び断面斜視図を示している。丸い線から成る渦巻バネであり且つ略円筒形の中空空間4’を取り囲むバネ4が、凹部3内に配置されている。バネ4及び中空空間4’は、中空空間内の第一円筒形領域10内に同軸状に位置付けられている。バネ4は最大深さに位置付けられ、従って、第二円筒形部分12の端部で盲穿孔13に向かって軸方向に更に移動され得ない。第一円筒形部分10に形成される構造素子11は、バネ4によって形成される中空空間4’内に突出している。
【0030】
図7A、7B、及び、7Cは、後退ボール1とバネ4とを含む本発明に従ったシステムのある領域を通じる断面図又は各断面斜視図をそれぞれ示している。丸い線から製造されるバネ4は、後退ボール1の凹部3内の最大深さで収容され、アンダーカット16を用いて加工された構成素子11’によって形態適合(形態嵌め)で係止されている。それ故に、バネ4の軸方向位置は固定される。バネはアンダーカット16を用いて形態適合的に且つ恒久的に係止され、従って、凹部3から脱落し得ない。
【0031】
加工構成素子11’は、塑性変形を通じて構造素子11から突出している。塑性変形は、熱及び/又は力の効果を通じて達成される。この目的のために、望ましい塑性変形のために適切に形成された工具が使用される。熱の供給は、予熱工具を介して或いは工具と無関係にヒータを通じてもたらされる。
【0032】
提示される例示的な実施態様において、本発明に従った一体形の後退ボール1は、射出成形合成材料から成り得る。しかしながら、後退ボール1は、幾つかの部分からも成り得る。その場合には、少なくとも構成素子が塑性的に変形可能な任意の材料から成ることを条件として、各部分は如何なる所要材料からも成り得る。代替として、追加的に弾性的に変形可能な材料も選択し得る。弾性変形可能性を通じて、加工構造素子を、弾性素子、例えば、バネ4の場合に或いはバネ4の取付け又は取外しのために、その塑性的に決定された平衡位置から可逆的な方法で弾性的に変形し得る。それ故に、弾性素子の簡単な取付け又は取外しを用いた弾性素子の恒久的係止を組み合わせ得る。異なる合成材料に加えて、異なる金属又は金属合金も使用し得る。
【0033】
例証された例示的な実施態様におけるバネ4は、金属ワイヤ製の円筒形の渦巻バネである。代替的に、例えば、他の弾性材料から成るバレル形状の成形弾性素子を使用し得る。
【0034】
例証される例示的な実施態様において、係止は、形態適合(form-fit)係止である。代替として、圧力嵌め(force-fit)係止も選択し得る。例えば、例証される構造素子11の直径を拡径することによって、例えば、アンダーカット16を備える、形態適合係止を伴わない圧力嵌めを実現し得る。
【0035】
例証される例示的な実施態様において、後退ボール1の凹部3は、第一円筒形部分10と、盲穿孔13に開口する軸方向に続く同軸の第二円筒形部分12と、同軸の中空シリンダとして第一円筒形部分10内に形成される構造素子11とを含み、中空シリンダ内には、更なる同軸の円筒形部分12’が形成され、それは円筒形部分10を同軸の第二円筒形部分12に接続する。代替的に、凹部3及び構造素子11は、それぞれ、凹部が弾性素子を収容し得るような形状、並びに、凹部内での弾性素子の恒久的な形態適合及び/又は圧力嵌め係止が可能であるような方法で構造素子を変形し得るような形状を取り得る。形態適合及び圧力嵌めは、凹部内での弾性素子の異なる移動の自由度にも関係し得る。例えば、例証される例示的な実施態様では、加工構造素子11’は、アンダーカット16を用いて軸方向に形態適合的にバネ4を係止する。しかしながら、回転によるバネ4の捩りは依然として可能である。加工構造素子11’の拡径を通じて、圧力嵌めによってバネ4の回転を追加的に阻止し得る。それ故に、バネ4は形態適合的に軸方向移動に関して係止される。従って、バネ4の望ましくない回転を通じたバネ4からの脱落は阻止される。
【0036】
図8は、代替的な構造素子11aを備える本発明に従った代替的なシステムのある領域を通じた第三の断面を示している。代替的な構造素子11aは、個別の構造素子部分11a’を提供し、個別の構造素子部分11a’は、更なる円筒形部分12’の周りに同軸に形成される中空シリンダ部分に沿って並んで配置されている。更なる円筒形部分12’は、円筒形バネ4によって形成される中空空間4’に開口している。径方向に外向きに方向付けられるノブとして形成される膨張部11a”が、1つの代替的な構造素子11aに形成され、膨張部は、凹部3内に取り付けられるバネ4を軸方向に形態適合的に係止する。下方構造素子11a’を弾性的に変形し得る。加えて、膨張部11a”は、バネ4を凹部3内に取り付け且つ再び凹部3から取り外し得るように設計され、下方構造素子11a’は、取付け及び/又は取外し中に弾性的な方法で変形され、取付け又は取外し終了後に例証される平衡形態に再び戻る。構造副素子11a’は、スロット17によってそれぞれ互いに分離され、それぞれ互いに独立的に弾性的に別個に変形可能である。所要の運動遊びがスロット17によって保証される。
【0037】
図9は、更なる凹部3bを示しており、凹部3の代替として更なる凹部を選択し得る。後退ボール1において、更なる凹部3bは、第一円筒形部分10と、盲穿孔13とを含み、第一円筒形部分内には、同軸の中空シリンダとして形成される構造素子11が設けられ、盲穿孔13内には、構造素子11によって形成される更なる円筒形部分12’が開口している。更なる円筒形部分12’は、第一円筒形部分10を盲穿孔13に接続している。
【0038】
本発明は例証された例示的な実施態様に限定されない。逆に、例示的な実施態様の個々の特徴を他の特徴と有利に組み合わせ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性素子を収容するための少なくとも1つの凹部を備える静水学的ピストン機械のための後退ボールであって、
前記弾性素子を係止するために、少なくとも1つの構造素子が形成される、
後退ボール。
【請求項2】
前記弾性素子を係止するための前記構造素子は、塑性的に変形され得る、請求項1に記載の後退ボール。
【請求項3】
前記弾性素子を係止するための前記構造素子は、弾性的に変形され得る、請求項1又は2に記載の後退ボール。
【請求項4】
前記凹部は、第一円筒形部分を提供し、前記構造素子は、前記第一円筒形部分内に形成される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の後退ボール。
【請求項5】
前記第一円筒形部分内の前記構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される、請求項4に記載の後退ボール。
【請求項6】
当該後退ボール及び前記構造素子は、射出成形合成材料から成る、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の後退ボール。
【請求項7】
静水学的ピストン機械のための後退ボールと少なくとも1つの弾性素子とを提供するシステムであって、
前記後退ボールは、前記弾性素子を収容するための凹部を提供し、前記凹部は、前記弾性素子の挿入後に加工される、前記弾性素子の係止のための構造素子を提供する、
システム。
【請求項8】
前記弾性素子を係止するための前記加工構造素子は、塑性的に変形される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記弾性素子は、前記凹部内に形態適合の方法で係止される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記弾性素子は、前記凹部内に圧力嵌めの方法で係止される、請求項7乃至9のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記凹部は、少なくとも1つの第一円筒形部分を提供し、前記加工構造素子は、前記第一円筒形部分内に形成される、請求項7乃至10のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記加工構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される部分を提供する、請求項7乃至11のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記加工構造素子は、アンダーカットを用いて前記弾性素子を係止する、請求項7乃至12のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記弾性素子は、渦巻バネである、請求項7乃至13のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記後退ボール及び前記加工構造素子は、射出成形合成材料から成る、請求項7乃至14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項1】
弾性素子を収容するための少なくとも1つの凹部を備える静水学的ピストン機械のための後退ボールであって、
前記弾性素子を係止するために、少なくとも1つの構造素子が形成される、
後退ボール。
【請求項2】
前記弾性素子を係止するための前記構造素子は、塑性的に変形され得る、請求項1に記載の後退ボール。
【請求項3】
前記弾性素子を係止するための前記構造素子は、弾性的に変形され得る、請求項1又は2に記載の後退ボール。
【請求項4】
前記凹部は、第一円筒形部分を提供し、前記構造素子は、前記第一円筒形部分内に形成される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の後退ボール。
【請求項5】
前記第一円筒形部分内の前記構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される、請求項4に記載の後退ボール。
【請求項6】
当該後退ボール及び前記構造素子は、射出成形合成材料から成る、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の後退ボール。
【請求項7】
静水学的ピストン機械のための後退ボールと少なくとも1つの弾性素子とを提供するシステムであって、
前記後退ボールは、前記弾性素子を収容するための凹部を提供し、前記凹部は、前記弾性素子の挿入後に加工される、前記弾性素子の係止のための構造素子を提供する、
システム。
【請求項8】
前記弾性素子を係止するための前記加工構造素子は、塑性的に変形される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記弾性素子は、前記凹部内に形態適合の方法で係止される、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記弾性素子は、前記凹部内に圧力嵌めの方法で係止される、請求項7乃至9のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記凹部は、少なくとも1つの第一円筒形部分を提供し、前記加工構造素子は、前記第一円筒形部分内に形成される、請求項7乃至10のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記加工構造素子は、同軸の中空シリンダとして形成される部分を提供する、請求項7乃至11のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記加工構造素子は、アンダーカットを用いて前記弾性素子を係止する、請求項7乃至12のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記弾性素子は、渦巻バネである、請求項7乃至13のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項15】
前記後退ボール及び前記加工構造素子は、射出成形合成材料から成る、請求項7乃至14のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2011−506822(P2011−506822A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537474(P2010−537474)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001148
【国際公開番号】WO2009/103508
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(500454987)ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Postfach 300220, D−70442 Stuttgart (DE)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/001148
【国際公開番号】WO2009/103508
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(500454987)ロバート ボッシュ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Postfach 300220, D−70442 Stuttgart (DE)
【Fターム(参考)】
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