説明

無線電力動作型機器

【課題】配電エネルギーの浪費や受電エネルギーの不足を生じさせないようにする。
【解決手段】駆動部の動作期間を例えば毎日「8:00〜19:00」の期間とする。当日の動作期間に入る前に、この当日の動作期間を予測対象動作期間とし、この予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測し、この予測した駆動部の全動作量に基づいてその予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量Aを予測する。また、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されている直流電力量Bと現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が無線電力供給装置からの電磁波から取り出すと推測される直流電力量Cとを合計し、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとする。この予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aと供給可能直流電力量Dとを比較し、D<Aの場合、無線電力供給装置に対して配電レベルを上昇させる旨の要求を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線によって送信されてくる電磁波などの波動を受信し、この受信した波動から取り出されるエネルギーを自己の動作電源とする無線電力動作型機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、オフィスビル等における空調制御システムは、温度,湿度等の環境情報を検出するセンサと、ダクト等の給気の吹出口に設けられて、その給気の吹出口の開度を制御するアクチュエータ、およびセンサが検出した環境情報並びにユーザからの操作指令を受けてアクチュエータの駆動制御を行う制御装置を備えて構成される。この空調制御システムでは、そのシステムを構成する機器(センサ、アクチュエータ、制御装置)間の配線作業を不要とするために、無線化が望まれている。
【0003】
この空調制御システムにおいて、センサは、小電力で動作可能であるので、内蔵電池を電源として使用することができる。しかし、駆動部を有するアクチュエータは、動作電力として7〜15Wの電力を必要とし、電池では能力不足であるため、外部電源と電線で接続して電力を供給するようにしている。
【0004】
これに対し、近年、無線による電力の配信技術が進歩し、アクチュエータが動作可能な電力を電磁波で空間伝送することが可能となってきた。この無線によるアクチュエータへの電力の配電方式には2通りある。
【0005】
1つの方式は、例えば特許文献1,2に示されているように、電源用の電磁波を室内に存在する人から隔絶した伝送路を介して、無線機器に電力伝送する方式(以下、閉空間無線電力配電方式と呼ぶ)である。
【0006】
もう1つの方式は、例えば特許文献3,4に示されているように、電源用の電磁波を人が存在する室内空間を伝送路として、無線機器に電力伝送する方式(以下、開空間無線電力配電方式と呼ぶ)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−244015号公報
【特許文献2】特開2008−22429号公報
【特許文献3】特開2005−261187号公報
【特許文献4】特開平11−32451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような配電方式を採用したシステム(以下、無線電力配電システムと呼ぶ)において、無線電力供給装置から送信されてくる電磁波を受信し、この受信された電磁波を整流して直流電力を取り出し、この取り出した直流電力を自己の動作電源とする機器(以降、無線電力動作型機器と称す)には、温度センサ、湿度センサのように、常に動作が一定で変動のない機器(以下、動作一定機器と呼ぶ)と、アクチュエータのように、動作状態と停止状態とがあり、また、動作状態の中でもその動作量が時に応じて異なるような機器(以下、動作変動機器と呼ぶ)とがある。
【0009】
この場合、無線電力供給装置からの電力の供給を受ける無線電力動作型機器が全て動作一定機器であれば、無線電力供給装置からの配電レベルは事前に適切に決めることができる。しかしながら、無線電力動作型機器に動作変動機器が含まれると、その機器で使用される電力量は時によって変動するので、適切なレベルを事前に決めることが困難であり、とりあえず、許される限り最大のレベル(人体や他のシステムに影響を与えないレベル)で配電せざるを得ず、動作変動機器で使用される電力量がその配電によって得られた電力量よりも小さい場合には、結果的にその配電レベルは過剰であり、エネルギー(配電エネルギー)の浪費をもたらすことになる。また逆に、エネルギーの浪費を考慮して、配電レベルを多少抑え気味にして配電すると、動作変動機器で使用される電力量が予想を超えて大きい場合、エネルギー(受電エネルギー)が不足するという問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、配電エネルギーの浪費や受電エネルギーの不足を生じさせないようにすることが可能な無線電力動作型機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために本発明は、無線によって送信されてくる波動を受信する受波部と、この受波部によって受信された波動を整流して直流電力を取り出す整流部と、この整流部によって取り出された直流電力を蓄える蓄電部と、この蓄電部に蓄えられた直流電力の供給を受けて駆動される駆動部とを備える無線電力動作型機器において、予め定められた所定の期間を駆動部の動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間として、その予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測する動作量予測手段と、この動作量予測手段によって予測された駆動部の全動作量に基づいて予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量を予測する全使用電力量予測手段と、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されている直流電力量と現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が波動から取り出すと推測される直流電力量とを合計し、その合計直流電力量を予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量として求める供給可能電力量算出手段と、全使用電力量予測手段によって予測された予測対象動作期間中の全使用直流電力量と供給可能電力量算出手段によって求められた予測対象動作期間中の供給可能直流電力量とを比較する電力量比較手段と、この電力量比較手段での比較結果に基づく情報を報知する報知手段とを設ける。
【0012】
この発明によれば、例えば、駆動部の動作期間を毎日「8:00〜19:00」の期間とした場合、当日の動作期間に入る前に、この当日の動作期間が予測対象動作期間とされ、この予測対象動作期間中の駆動部の全動作量が予測され、この予測された駆動部の全動作量に基づいてその予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量(A)が予測される。また、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されている直流電力量(B)と現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が波動から取り出すと推測される直流電力量(C)とが合計され、その合計直流電力量(B+C)が予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量(D)として求められる。そして、この予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)と予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)とが比較され、その比較結果に基づく情報が報知される。
【0013】
このようにして、本発明では、予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)が予測され、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が求められ、この予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)と予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)とが比較され、その比較結果に基づく情報が報知される。これにより、波動を送信する側に、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも小さい場合には、受電エネルギーの不足を知らせることが可能となり、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも大きい場合には、配電エネルギーの浪費を知らせることが可能となる。
【0014】
本発明において、動作量予測手段は、予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測する。この場合、例えば、駆動部の動作期間中の動作量を計測して積算する動作量積算手段を設け、この動作量積算手段によって積算されたそれまでの動作期間中の全動作量(例えば、平日/休日などの動作期間中の全動作量)に基づいて、予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測するようにしたり、駆動部の動作期間中の動作スケジュール(例えば、平日/休日などの動作期間中の動作スケジュール)を記憶する動作スケジュール記憶手段を設け、この動作スケジュール記憶手段に記憶されている動作期間中の動作スケジュールに基づいて、予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測するようにしたりする。
【0015】
また、本発明において、報知手段は、電力量比較手段での比較結果に基づく情報を報知する。この場合、例えば、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも小さければ、送信されてくる波動のエネルギーレベルを上げる旨の要求を報知するようにする。すなわち、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも小さければ、現在の配電レベルのままだと予測対象動作期間中に受電エネルギーが不足する虞があると判断し、配電レベルのアップを要求する。
【0016】
また、本発明において、定常動作モードとこの定常動作モードより小電力で動作可能な省エネ動作モードとの動作モード切替手段を設け、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも小さかった場合、定常動作モードから省エネ動作モードへその動作モードを切り替えるようにしてもよい。この場合、定常動作モードでは予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が不足すると判断されると、自動的に省エネ動作モードに切り替えられる。これにより、予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)が減少し、駆動部の動作可能な期間が延びる。
【0017】
また、本発明において、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の全使用直流電力量(A)よりも小さかった場合、定常動作モードから省エネ動作モードへ動作モードを切り替えるようにするとともに、省エネ動作モードで動作した場合の予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を省エネ動作モード時の全動作量として予測し、この予測した駆動部の省エネ動作モード時の全動作量に基づいて予測対象動作期間中の自己の機器内の省エネ動作モード時の全使用直流電力量(A’)を予測し、この予測した予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量(A’)と予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)とを比較し、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量(A’)よりも小さかった場合、送信されてくる波動のエネルギーレベルを上げる旨の要求を報知するようにしてもよい。この場合、定常動作モードでは予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)が不足すると判断されると、自動的に省エネ動作モードに切り替えられる。そして、省エネ動作モードに切り替えても、なお予測対象動作期間中に受電エネルギーが不足する虞があると判断されると、配電レベルのアップが要求される。
【0018】
なお、本発明では、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されている直流電力量(B)と現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が波動から取り出すと推測される直流電力量(C)とを合計し、その合計直流電力量(B+C)を予測対象動作期間中の供給可能直流電力量(D)として求めるが、例えば夜間の人がいない期間でのみ無線電力動作型機器へ無線によって電力を供給し、駆動部の動作期間中には無線による電力の供給を行わない方式とする場合もある。このような方式とする場合、本発明では、現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が波動から取り出すと推測される直流電力量(C)は零となり、予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量(D)は蓄電部に現在残されている直流電力量(B)のみとなる。この場合、予測対象動作期間中の配電レベルをアップさせるというようなことはできないが、電力量比較手段での比較結果を報知することにより、予測対象動作期間終了後の電力の供給期間での配電レベルをアップし、次回の予測対象動作期間で使用される蓄電量を増大させるようにして、受電エネルギーの不足を解消するようにすることは可能である。
【0019】
また、本発明において、無線によって送信されてくる波動を受信する受波部と、この受波部によって受信された波動をエネルギーとして取り出すエネルギー取出部と、このエネルギー取出部によって取り出されたエネルギーを蓄える蓄電部と、この蓄電部に蓄えられたエネルギーの供給を受けて駆動される駆動部とを備える無線電力動作型機器において、予め定められた所定の期間を駆動部の動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間として、その予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測する動作量予測手段と、この動作量予測手段によって予測された駆動部の全動作量に基づいて予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用エネルギー量を予測する全使用エネルギー量予測手段と、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されているエネルギー量と現在から予測対象動作期間の終了時までにエネルギー取出部が波動から取り出すと推測されるエネルギー量とを合計し、その合計エネルギー量を予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能エネルギー量として求める供給可能エネルギー量算出手段と、全使用エネルギー量予測手段によって予測された予測対象動作期間中の全使用エネルギー量と供給可能エネルギー量算出手段によって求められた予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量とを比較するエネルギー量比較手段と、このエネルギー量比較手段での比較結果に基づく情報を報知する報知手段とを備えるものとし、電力量ではなくエネルギー量で比較するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、予め定められた所定の期間を駆動部の動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間として、その予測対象動作期間中の駆動部の全動作量を予測し、この予測した駆動部の予測対象動作期間中の全動作量に基づいて予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用エネルギー量(A)を予測し、予測対象動作期間に入る前に、蓄電部に現在残されているエネルギー量(B)と現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部が波動から取り出すと推測されるエネルギー量(C)とを合計し、その合計エネルギー量(B+C)を予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量(D)として求め、予測対象動作期間中の全使用エネルギー量(A)と予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量(D)とを比較し、その比較結果に基づく情報を報知するようにしたので、波動を送信する側に、予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量(D)が予測対象動作期間中の全使用エネルギー量(A)よりも小さい場合には、受電エネルギーの不足を知らせたり、予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量(D)が予測対象動作期間中の全使用エネルギー量(A)より大きい場合には、配電エネルギーの浪費を知らせたりするなどして、配電エネルギーの浪費や受電エネルギーの不足を生じさせないようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの一実施の形態(実施の形態1)の要部を示す図である。
【図2】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける無線電力供給装置内のシステム制御部が有する配電レベル決定機能を説明するためのタイムチャートである。
【図3】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける無線電力供給装置内のシステム制御部の要部の機能ブロック図である。
【図4】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける電動操作器内の制御部の要部の機能ブロック図(第1例)である。
【図5】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける電動操作器内の制御部の要部の機能ブロック図(第2例)である。
【図6】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける電動操作器内の制御部の要部の機能ブロック図(第1例の変形例)である。
【図7】この実施の形態1の無線電力配電システムにおける電動操作器内の制御部の要部の機能ブロック図(第2例の変形例)である。
【図8】この発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの他の実施の形態(実施の形態2)の要部を示す図である。
【図9】この発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの別の実施の形態(実施の形態3)の要部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
〔実施の形態1:開空間無線電力配電方式〕
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの一実施の形態(実施の形態1)の要部を示す図である。
【0023】
同図において、1は室内空間、2は室内空間1内に位置する無線電力供給装置、3は室内空間1内に位置する無線電力配電内蔵電動操作器(以下、単に電動操作器という)、4は外部電源、5はシステム全体の監視とアクチュエータに開度指令情報などを送信する外部コントローラである。
【0024】
なお、図1では分かり易いように、室内空間1内に無線電力供給装置2および電動操作器3を位置させているが、室内空間1を通して相互に無線通信を行えればよく、無線電力供給装置2および電動操作器3は室内空間1の外に位置していてもよい。また、この無線電力配電システムにおいて、電動操作器3が本発明でいう無線電力動作型機器に対応する。また、無線電力供給装置2は、波動を送信する波動送信装置に相当する。また、電動操作器3は、複数設けられていてもよい。
【0025】
無線電力供給装置2は、外部電源4からの電源の供給を受けて安定した電源電圧を生成する安定化電源部2Aと、安定化電源部2Aからの電源電圧を受けて動作するシステム制御部2Bおよび配電レベル制御部2Cと、室内空間1への電磁波の送信および室内空間1からの電磁波の受信をアンテナANT1を介して行う送受信部2Dと、送受信部2Dを介して受信された外部からの情報をシステム制御部2Bへ送る受信制御部2Eとを備えている。
【0026】
電動操作器3は、駆動部を有するアクチュエータであり、モータ3Aと、このモータ3Aの回転を減速して駆動軸DSに伝える減速部3Bと、モータ3Aを駆動するドライバ部3Cと、減速部3Bを介して駆動軸DSの回転角度位置を検出する位置検出部3Dと、位置検出部3Dによって検出される駆動軸DSの回転角度位置のフィードバックを受けてモータ3Aの回転をドライバ部3Cを介して制御する制御部3Eと、モータ3Aの回転する際のトルクTを検出するトルクセンサS1と、モータ3Aの回転する際の角速度ωを検出する角速度センサS2とを備えている。トルクセンサS1が検出するトルクTおよび角速度センサS2が検出する角速度ωは制御部3Eへ与えられる。
【0027】
なお、この電動操作器3において、アンテナANT1が本発明で言う受波部に対応し、モータ3A,減速部3Bおよびドライバ部3Cを含む構成が本発明で言う駆動部に対応する。図1では、モータ3A,減速部3Bおよびドライバ部3Cを含む構成を点線で囲み、駆動部MDとして示している。
【0028】
また、電動操作器3は、アンテナATN2を介して受信した室内空間1における無線センサ(図示せず)からの温度,湿度等の環境情報や無線電力供給装置2からの外部コントローラ5を介する開度指令情報などを制御部3Eへ送る受信部3Fと、制御部3Eからの情報をアンテナATN2を介して室内空間1へ送信する送信部3Gと、アンテナATN2を介して受信した無線電力供給装置2からの電磁波を電流に変換して整流する整流部3Hと、整流部3Hによって整流された電流による電荷を蓄える蓄電部3Iと、蓄電部3Iに蓄積された電荷から安定した電源電圧を生成する安定化電源部3Jとを備えている。安定化電源部3Jが生成する電源電圧はモータ3A,ドライバ部3C,制御部3E,受信部3F,送信部3Gに供給される。また、制御部3Eには、整流部3Hにおける整流量や蓄電部3Iにおける蓄電量を示す情報が与えられるものとされている。
【0029】
無線電力供給装置2において、システム制御部2Bは、室内空間1における人の在/不在の可能性を示すスケジュールに従って室内空間1における人の在/不在を判断し、その在/不在の判断結果に従ってアンテナANT1から室内空間1へ送信する電磁波のレベルの設定値を配電レベルとして決定する配電レベル決定機能を有している。なお、このシステム制御部2Bで使用する室内空間1における人の在/不在の可能性を示すスケジュールは、予めシステム制御部2Bに設定しておいてもよいし、アンテナANT1,送受信部2D,受信制御部2Eの経路で、外部より変更可能に設定するようにしてもよい。
【0030】
また、電動操作器3において、制御部3Eは、予め定められた所定の期間を駆動部MDの動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間とし、この予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量を予測し、この予測した全使用直流電力量と予測対象期間中に供給することが可能な直流電力量(供給可能直流電力量)とを比較し、その比較結果に基づく情報を無線電力供給装置2に報知する供給可能電力量診断機能を有している。
【0031】
本実施の形態において、無線電力供給装置2のシステム制御部2Bにおける配電レベル決定機能や電動操作器3の制御部3Eにおける供給可能電力量診断機能などは、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働してそれらの機能を実現させるプログラムとによって実現される。
【0032】
〔無線電力供給装置における配電レベルの決定〕
先ず、図2に示すタイムチャートを参照しながら、無線電力供給装置2のシステム制御部2Bが有する配電レベル決定機能について説明する。
【0033】
なお、この例では、システム制御部2Bに、室内空間1における人の在/不在の可能性を示すスケジュールとして、人が在室できる時間帯(在室可の時間帯)として6時〜22時の時間帯が定められ、それ以外の時間帯が人が在室することができない時間帯(在室不可の時間帯)として定められているものとする。
【0034】
〔室内空間1に人が存在していると判断された場合〕
システム制御部2Bは、現在の時刻を監視し、この現在の時刻が6時〜22時の時間帯にあれば、室内空間1における時間帯を在室可の時間帯と判断する。すなわち、室内空間1に人が存在している可能性が高く、室内空間1に人が存在すると判断する。
【0035】
そして、システム制御部2Bは、この室内空間1に人が存在するとの判断結果から、室内空間1へ送信する電磁波のレベルの設定値(配電レベル)を小電力の設定値LPWとし、この小電力の設定値LPWを配電レベル制御部2Cへ送る。
【0036】
この場合の小電力の設定値LPWとは、電波防護指針で定められている人体に影響を与えない程度の電磁波のレベルであり、その周波数が1.5Hz〜300GHzである場合、非管理環境下では電力密度の上限値を1mW/cm2 とし、管理環境下では電力密度の上限値を5mW/cm2 とする。図2では、この場合の電力密度の上限値に応ずる電力レベルをPWsafeとして示しており、この電力レベルPWsafeよりも小さな値として小電力の設定値LPWが定められる。
【0037】
したがって、室内空間1に人が存在すると判断された場合、小電力の設定値LPWに従う配電レベル制御部2Cによる配電レベルの制御により、無線電力供給装置2からは、人体に影響を与える虞のない電力レベルPWsafeよりも小さい小電力の電磁波が室内空間1に送信されるものとなる。
【0038】
〔室内空間1に人が存在していないと判断された場合〕
システム制御部2Bは、現在の時刻を監視し、この現在の時刻が6時〜22時以外の時間帯にあれば、室内空間1における時間帯を在室不可の時間帯と判断する。すなわち、室内空間1に人が存在していない可能性が高く、室内空間1に人が存在しないと判断する。
【0039】
そして、システム制御部2Bは、この室内空間1に人が存在しないとの判断結果から、室内空間1へ送信する電磁波のレベルの設定値(配電レベル)を大電力の設定値HPWとし、この大電力の設定値HPWを配電レベル制御部2Cへ送る。
【0040】
この場合の大電力の設定値HPWとは、人体に影響を与える虞のない電力レベルPWsafeよりもその電力レベルが大きい電磁波であり、無線機器3の動作電力を十分確保し得る電力である。また、室内空間1に存在する警報システム(図示せず)など他のシステムに影響を及ぼす虞のない電力である。
【0041】
したがって、室内空間1に人が存在しないと判断された場合、大電力の設定値HPWに従う配電レベル制御部2Cによる配電レベルの制御により、無線電力供給装置2からは、人体に影響を与える虞のない電力レベルPWsafeよりも大きい大電力の電磁波が室内空間1に送信されるものとなる。
【0042】
無線電力供給装置2から送信された電磁波(小電力の電磁波、大電力の電磁波)は、室内空間1を通り、電動操作器3で受信される。電動操作器3において、無線電力供給装置2からの電磁波は、整流部3Hへ送られる。整流部3Hは、その電磁波を電流に変換して整流し、この整流された電流を蓄電部3Iに送る。蓄電部3Iは、蓄電部3Iからの電流による電荷を蓄える。
【0043】
この場合、室内空間1に人が存在すると判断されているときには、無線電力供給装置2からの小電力の電磁波からの電気エネルギーを受けて、蓄電部3Iへの蓄電が行われる。室内空間1に人が存在しないと判断されているときには、無線電力供給装置2からの大電力の電磁波からの電気エネルギーを受けて、蓄電部3Iへの蓄電が行われる。
【0044】
ここで、室内空間1に人が存在すると判断されている場合、無線電力供給装置2からの小電力の電磁波より得られる電気エネルギーは小さい。しかし、この場合、蓄電部3Iには、室内空間1に人が存在しないと判断されていた場合の大電力の電磁波より得られる電気エネルギーが蓄えられている。室内空間1に人が存在すると判断されている場合には、この蓄電部3Iに蓄積されている電気エネルギーが使用され、小電力の電磁波の受信時の電源電力が確保される。
【0045】
図3に無線電力供給装置2内のシステム制御部2Bの要部の機能ブロック図を示す。システム制御部2Bは、スケジュール記憶部2−1と、在/不在判断部2−2と、配電レベル決定部2−3とを備えており、スケジュール記憶部2−1には室内空間1における人の在/不在の可能性を示すスケジュールが記憶されている。
【0046】
このシステム制御部2Bにおいて、在/不在判断部2−2は、スケジュール記憶部2−1に記憶されているスケジュールに従って、室内空間1における人の在/不在を判断する。配電レベル決定部2−3は、在/不在判断部2−2における人の在/不在の判断結果に従って、室内空間1へ送信する電磁波のレベルの設定値(配電レベル)を小電力の設定値LPWとするのか、大電力の設定値HPWとするのかを決定する。
【0047】
〔電動操作器における供給可能電力量の診断〕
次に、電動操作器3の制御部3Eが有する供給可能電力量診断機能について説明する。なお、この例において、制御部3Eは、毎日「8:00〜19:00」の期間を駆動部MDの動作期間とし、この動作期間に入る直前に、その動作期間を予測対象動作期間として、以下に説明する供給可能電力量の診断を行うものとする。この診断を開始する時刻を供給可能電力量の診断時刻と呼ぶ。
【0048】
〔第1例〕
図4に電動操作器3内の制御部3Eの要部の機能ブロック図の第1例を示す。この第1例において、制御部3Eは、動作量積算部3−1と、動作量予測部3−2と、全使用電力量予測部3−3と、蓄電電力量算出部3−4と、配電電力量算出部3−5と、供給可能電力量算出部3−6と、電力量比較部3−7と、報知部3−8とを備えている。
【0049】
制御部3Eにおいて、動作量積算部3−1は、トルクセンサS1からのトルクTと角速度センサS2からの角速度ωを入力とし、駆動部MDの動作期間中の動作量をΣT・ω・t〔J〕として積算する。この例では、毎日、駆動部MDの動作期間が終了する毎に、その動作期間中の駆動部MDの全動作量を求め、この求めた全動作量をその日の曜日と対応づけて蓄積して行く。なお、トルクTをモータ端子電圧、モータ電流、モータ定数から演算して得るようにしても良い。また、角速度ωを回転角度と回転時間から演算して得るようにしても良い。
【0050】
制御部3Eにおいて、動作量予測部3−2は、供給可能電力量の診断時刻になると、動作量積算部3−1に蓄積されている前日までの動作期間中の駆動部MDの全動作量に基づいて、当日の予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量を予測する。この場合、当日の予測対象動作期間が平日の動作期間であれば、動作量積算部3−1に蓄積されている前日までの動作期間のうち、最も近接した平日の動作期間中の全動作量を予測対象動作期間中の全動作量とする。また、予測対象動作期間が休日の動作期間であれば、動作量積算部3−1に蓄積されている前日までの動作期間のうち、最も近接した休日の動作期間中の全動作量を予測対象動作期間中の全動作量とする。なお、予測対象動作期間が平日であった場合、最も近接した同じ曜日の動作期間中の全動作量を予測対象動作期間中の全動作量とするなどしてもよい。
【0051】
制御部3Eにおいて、全使用電力量予測部3−3は、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの全動作量に基づいて、予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量Aを予測する。この場合、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの全動作量を直流電力量に換算し、この換算した直流電力量に制御部3E,受信部3F,送信部3Gなどで必要とする電力量を加算し、予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量Aとする。
【0052】
制御部3Eにおいて、蓄電電力量算出部3−4は、供給可能電力量の診断時刻になると、蓄電部3Iの容量値Cとその時の充電電圧値Vとから1/2CV2〔J〕として蓄電エネルギーを算出し、この蓄電エネルギーを電力量に換算して蓄電部2Iに現在残されている直流電力量(蓄電電力量)Bを求める。
【0053】
制御部3Eにおいて、配電電力量算出部3−5は、供給可能電力量の診断時刻になると、整流部3Hにおけるその時の電流値や電圧値に基づいて単位時間当たりの電力Wを求め、現在から予測対象動作期間の終了時までの時間をt1とし、W・t1として、整流部3Hが無線電力供給装置2からの電磁波から取り出すと推測される直流電力量(配電電力量)Cを求める。
【0054】
制御部3Eにおいて、供給可能電力量算出部3−6は、蓄電電力量算出部3−4で算出された蓄電部3Hに現在残されている直流電力量(蓄電電力量)Bと配電電力量算出部3−5で算出された現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部3Hが無線電力供給装置2からの電磁波から取り出すと推測される直流電力量(配電電力量)Cとを合計し、その合計直流電力量B+Cを予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量Dとして求める。
【0055】
制御部3Eにおいて、電力量比較部3−7は、全使用電力量予測部3−3で算出された予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aと、供給可能電力量算出部3−6で算出された予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとを比較し、その比較結果を報知部3−8へ送る。
【0056】
報知部3−8は、電力量比較部3−7での比較結果に基づき、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aよりも小さかった場合(D<A)、無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求を報知する。
【0057】
この場合、制御部3Eは、無線電力供給装置2における配電レベルが所定量ΔPW上昇するだけの時間を待って、蓄電電力量算出部3−4での蓄電電力量Bの算出および配電電力量算出部3−5での配電電力量Cの算出を再度行う。そして、供給可能電力量算出部3−6において、蓄電電力量算出部3−4で算出された蓄電電力量Bと配電電力量算出部3−5で算出された配電電力量Cとを合計して予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dを再度求め、電力量比較部3−7において、全使用電力量予測部3−3で算出されている予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aと、供給可能電力量算出部3−6で算出された予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとの比較を再度行う。
【0058】
ここで、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aよりもまだ小さければ(D<A)、報知部3−8から無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求が再度報知され、上述した動作が繰り返される。この動作は、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量A以上(D≧A)となるまで繰り返される。これにより、電動操作器3における受電エネルギーの不足が防がれ、予測対象動作期間中における電動操作器3の正常動作が確保されるものとなる。
【0059】
なお、無線電力供給装置2は、電動操作器3からの配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求を受けてそれに従うが、PWsafeを超えての配電レベルの変更は行わない。この場合、電動操作器3では、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dを予測対象動作期間中の全使用直流電力量A以上(D≧A)とすることはできないが、室内空間1での人体に影響を与える虞のない電力レベルPWsafe以下の状態は確保される。
【0060】
また、報知部3−8は、電力量比較部3−7での比較結果に基づき、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量A以上(D≧A)であった場合、その差が予め定められた値よりも大きい場合にのみ、無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ下降させる旨の要求を報知する。これにより、無線電力供給装置2における配電エネルギーの浪費が防がれる。
【0061】
〔第2例〕
図5に電動操作器3内の制御部3Eの要部の機能ブロック図の第2例を示す。この第2例において、制御部3Eは、定常動作モードと省エネ動作モード(定常動作モードより小電力で動作可能な動作モード)との動作モード切替部3−9を有している。また、電力量比較部3−7として、第1の電力量比較部3−71と、第2の電力量比較部3−72とを有している。
【0062】
制御部3Eにおいて、動作モード切替部3−9は、通常は定常動作モードへの切替状態にある。動作モード切替部3−9が定常動作モードへの切替状態にある場合、電動操作器3において、駆動部MDは高応答速度で動作する。また、制御部3Eは、短周期で受信部3Fや送信部3Gを駆動し、情報を受信したり、送信したりする。動作モード切替部3−9が省エネ動作モードへの切替状態にある場合、電動操作器3において、駆動部MDは低応答速度で動作する。また、制御部3Eは、長周期で受信部3Fや送信部3Gを駆動し、情報を受信したり、送信したりする。
【0063】
〔定常動作モード時〕
制御部3Eにおいて、動作量積算部3−1は、トルクセンサS1からのトルクTと角速度センサS2からの角速度ωを入力とし、駆動部MDの動作期間中の動作量をΣT・ω・t〔J〕として積算し、その動作期間中の全動作量を例1の場合と同様にして蓄積して行く。なお、トルクTをモータ端子電圧、モータ電流、モータ定数から演算して得るようにしても良い。また、角速度ωを回転角度と回転時間から演算して得るようにしても良い。
【0064】
制御部3Eにおいて、動作量予測部3−2は、供給可能電力量の診断時刻になると、動作量積算部3−1に蓄積されている前日までの動作期間中の駆動部MDの動作量に基づいて、当日の予測対象動作期間中の駆動部MDの動作量を例1の場合と同様にして予測する。
【0065】
制御部3Eにおいて、全使用電力量予測部3−3は、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの全動作量に基づいて、予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量Aを予測する。この場合、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの動作量を直流電力量に換算し、この換算した直流電力量に制御部3E,受信部3F,送信部3Gなどで定常動作時に必要とする電力量を加算し、予測対象動作期間中の自己の機器内の定常モード動作時の全使用直流電力量Aとする。
【0066】
制御部3Eにおいて、蓄電電力量算出部3−4は、供給可能電力量の診断時刻になると、蓄電部3Iの容量値Cとその時の充電電圧値Vとから1/2CV2〔J〕として蓄電エネルギーを算出し、この蓄電エネルギーを電力値に換算して蓄電部2Iに現在残されている直流電力量(蓄電電力量)Bを求める。
【0067】
制御部3Eにおいて、配電電力量算出部3−5は、供給可能電力量の診断時刻になると、整流部3Hにおけるその時の電流値や電圧値に基づいて単位時間当たりの電力Wを求め、現在から予測対象動作期間の終了時までの時間をt1とし、W・t1として、整流部3Hが無線電力供給装置2からの電磁波から取り出すと推測される直流電力量(配電電力量)Cを求める。
【0068】
制御部3Eにおいて、供給可能電力量算出部3−6は、蓄電電力量算出部3−4で算出された蓄電部3Hに現在残されている直流電力量(蓄電電力量)Bと配電電力量算出部3−5で算出された現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部3Hが無線電力供給装置2からの電磁波から取り出すと推測される直流電力量(配電電力量)Cとを合計し、その合計直流電力量B+Cを予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量Dとして求める。
【0069】
制御部3Eにおいて、第1の電力量比較部3−71は、全使用電力量予測部3−3で算出された予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aと、供給可能電力量算出部3−6で算出された予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとを比較する。
【0070】
ここで、第1の電力量比較部3−71は、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量Aよりも小さかった場合(D<A)、動作モード切替部3−9へ定常動作モードから省エネ動作モードへの切替指令を送る。また、動作量予測部3−2および全使用電力量予測部3−3に、定常動作モードから省エネ動作モードへ切り替えたことを知らせる。
【0071】
動作量予測部3−2は、第1の電力量比較部3−71より省エネ動作モードへ切り替えが知らされると、動作量積算部3−1に蓄積されている前日までの動作期間中の駆動部MDの全動作量に基づいて、省エネ動作モードで動作した場合の予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量を省エネ動作モード時の全動作量として予測する。この例では、通常動作モードで動作した場合の予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量の予測値を所定の割合だけ減じて、省エネ動作モードで動作した場合の予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量(省エネ動作モード時の全動作量)とする。
【0072】
全使用電力量予測部3−3は、第1の電力量比較部3−71より省エネ動作モードへの切り替えが知らされると、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの省エネ動作モード時の全動作量に基づいて、予測対象動作期間中の自己の機器内の省エネ動作モード時の全使用電力量A’を予測する。この場合、動作量予測部3−2によって予測された駆動部MDの省エネ動作モード時の全動作量を直流電力量に換算し、この換算した直流電力量に制御部3E,受信部3F,送信部3Gなどで必要とする省エネ動作モード時の電力量を加算し、予測対象動作期間中の自己の機器内の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’とする。
【0073】
この全使用電力量予測部3−3で求められた予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’は第2の電力量比較部3−72へ与えられる。第2の電力量比較部3−72は、全使用電力量予測部3−3から予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’が送られてくると、この送られてきた予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’と、供給可能電力量算出部3−6で算出された予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとを比較し、その比較結果を報知部3−8へ送る。
【0074】
ここで、第2の電力量比較部3−72での比較結果が、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’以上であった場合、報知部3−8は無線電力供給装置2に対して配電レベルのアップの要求は行わない。この場合、省エネ動作モードに切り替えたことによって、電動操作器3における受電エネルギーの不足が防がれ、予測対象動作期間中における電動操作器3の最低限の動作が確保されるものとなる。
【0075】
これに対し、第2の電力量比較部3−72での比較結果が、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’よりも小さかった場合(D<A’)、報知部3−8は、無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求を報知する。
【0076】
この場合、制御部3Eは、無線電力供給装置2における配電レベルが所定量ΔPW上昇するだけの時間を待って、蓄電電力量算出部3−4での蓄電電力量Bの算出および配電電力量算出部3−5での配電電力量Cの算出を再度行う。そして、供給可能電力量算出部3−6において、蓄電電力量算出部3−4で算出された蓄電電力量Bと配電電力量算出部3−5で算出された配電電力量Cとを合計して予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dを再度求め、第2の電力量比較部3−72において、全使用電力量予測部3−3で算出されている予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’と、供給可能電力量算出部3−6で算出された予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dとの比較を再度行う。
【0077】
ここで、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’よりもまだ小さければ(D<A’)、報知部3−8から無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求が再度報知され、上述した動作が繰り返される。この動作は、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の全使用直流電力量A以上(D≧A)となるまで繰り返される。これにより、電動操作器3における受電エネルギーの不足が防がれ、予測対象動作期間中における電動操作器3の最低限の動作が確保されるものとなる。
【0078】
なお、無線電力供給装置2は、電動操作器3が省エネ動作モードとなった後、その電動操作器3からの配電レベルを所定量ΔPWだけ上昇させる旨の要求を受けてそれに従うが、PWsafeを超えての配電レベルの変更は行わない。この場合、電動操作器3では、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dを予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量A’以上(D≧A’)とすることはできないが、室内空間1での人体に影響を与える虞のない電力レベルPWsafe以下の状態は確保される。
【0079】
また、報知部3−8は、第2の電力量比較部3−71での比較結果に基づき、予測対象動作期間中の供給可能直流電力量Dが予測対象動作期間中の定常動作モード時の全使用直流電力量A以上であった場合には、その差が予め定められた値よりも大きい場合にのみ、無線電力供給装置2に対して配電レベルを所定量ΔPWだけ下降させる旨の要求を報知する。これにより、無線電力供給装置2における配電エネルギーの浪費が防がれる。
【0080】
なお、上述した例1(図4)や例2(図5)では、動作量積算部3−1において駆動部MDの動作期間中の動作量を計測して積算するようにし、この動作量積算部3−1によって積算されたそれまでの動作期間中の全動作量に基づいて、動作量予測部3−1において予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量を予測するようにしたが、図6や図7に示すように、駆動部MDの動作期間中の動作スケジュール(例えば、平日/休日などの動作期間中の動作スケジュール)を記憶する動作スケジュール記憶部3−10を設け、この動作スケジュール記憶部に記憶されている動作期間中の動作スケジュールに基づいて、動作量予測部3−1において予測対象動作期間中の駆動部MDの全動作量を予測するようにしてもよい。
【0081】
また、上述した実施の形態1では、6時〜22時の時間帯を在室可の時間帯として定め、6時〜22時の時間帯を在室不可の時間帯)として定め、在室可の時間帯では無線電力供給装置2から小電力の電磁波を室内空間1に送信し、在室不可の時間帯では無線電力供給装置2から大電力の電磁波を室内空間1に送信するようにしたが、在室不可の時間帯にのみ電磁波による電動操作器3への電力の供給を行い、在室可の時間帯には電磁波による電動操作器3への電力の供給を行わないようにしてもよい。
【0082】
このような方式とした場合、上述した例1(図4)や例2(図5)では、現在から予測対象動作期間の終了時までに整流部3Hが電磁波から取り出すと推測される直流電力量(配電電力量)Cは零となり、予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量Dは蓄電部3Iに現在残されている直流電力量(蓄電電力量)Bのみとなる。この場合、予測対象動作期間中の配電レベルをアップさせるというようなことはできないが、電力量比較部3−7での比較結果を無線電力供給装置2へ報知することにより、予測対象動作期間終了後の電力の供給期間での配電レベルをアップし、次回の予測対象動作期間で使用される蓄電電力量Bを増大させるようにして、受電エネルギーの不足を解消するようにすることは可能である。
【0083】
〔実施の形態2:閉空間無線電力配電方式の第1例〕
図8はこの発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの他の実施の形態(実施の形態2)の要部を示す図である。この無線電力配電システムでは、無線電力供給装置2からの電動操作器3への電磁波の伝送路として、金属製のダクト6を用いている。
【0084】
また、この実施の形態2において、無線電力供給装置2は、制御部21と、送受信部22と、電力送信部23と、送受信部22に対して設けられた送受信用アンテナANT11と、電力送信部23に対して設けられた送電用アンテナANT12とを備えている。送受信用アンテナANT11および送電用アンテナANT12はダクト6内に突出して設けられている。
【0085】
無線電力供給装置2において、電力送信部23は、外部電源4からの電力の供給を受けて動作し、送電用アンテナANT12から、第1の周波数f1(例えば、800MHz帯)の電磁波を送信する。この例において、電力送信部23は、第1の周波数f1の電磁波として、数W〜数十W程度の電磁波を短周期で定期的に送信する。
【0086】
無線電力供給装置2において、制御部21は、外部電源4からの電力の供給を受けて動作し、送受信部22を介して送受信用アンテナANT11から、電動操作器3への制御データ(駆動部MDに対する制御データ)を第1の周波数f1とは異なる第2の周波数f2(例えば、2.4GHz帯)の電磁波に載せて送信する。
【0087】
電動操作器3は、実施の形態1に示した電動操作器3と同一構成とされているが、送信部3Gおよび受信部3Fに対して送受信用アンテナANT21が設けられ、整流部3Hに対して受電用アンテナANT22が設けられている点が異なる。送受信用アンテナANT21および受電用アンテナANT22はダクト6内に突出して設けられている。
【0088】
電動操作器3において、受電用アンテナANT22は、無線電力供給装置2の送電用アンテナANT12から送り出された第1の周波数f1の電磁波を受信する。この受電用アンテナANT22が受信した第1の周波数f1の電磁波は整流部3Hへ送られる。整流部3Hは、受電用アンテナANT22が受信した第1の周波数f1の電磁波が有するエネルギーを整流し、直流電力として取り出す。この整流部Hによって取り出された直流電力は蓄電部3Iに蓄えられる。
【0089】
電動操作器3において、送受信用アンテナANT21は、無線電力供給装置2の送受信用アンテナANT11から送り出された駆動部MDに対する制御データを搬送する第2の周波数f2の電磁波を受信する。この送受信用アンテナANT21が受信した第2の周波数f2の電磁波は受信部3Fに送られる。受信部3Fは、送受信用アンテナANT21が受信した第2の周波数f2の電磁波より、その電磁波に載せて送られてくる駆動部MDに対する制御データを抽出し、その抽出した制御データを制御部3Eへ送る。
【0090】
制御部3Eは、受信部3Fからの駆動部MDに対する制御データに基づいて、ドライバ部3Cを介してモータ3Aを駆動する。モータ3Aの回転力は減速部3Bを介して駆動軸DSに伝達される。これによって、不図示のダンパの開度が変化する。位置検出部3Dは、刻々と変化するそのダンパの開度を検出し、制御部3Eへフィードバックする。制御部3Eは、位置検出部3Dからフィードバックされてくるダンパ開度(実開度)と駆動部MDに対する制御データによって指示されるダンパ開度(設定開度)とが一致するように、モータ3Aの駆動を制御する。また、制御部3Eは、位置検出部3Dで検出されたダンパ開度を外部への送信データとして送信部3Gへ送り、送受信用アンテナANT21を介し、周波数f2の電磁波に載せて無線電力供給装置2側に送信する。
【0091】
この実施の形態2の無線電力配電システムにおいて、電動操作器3の制御部3Eは、実施の形態1で説明したと同様の供給可能電力量診断機能を有している。
【0092】
尚、上述した送受信用アンテナANT11、送電用アンテナATN12、送受信用アンテナANT21および受電用アンテナANT22は、それぞれのアンテナが送受信する周波数の1/2波長となるアンテナ長を有するダイポールアンテナを用いるとよい。しかしながら、各アンテナのアンテナ長およびアンテナの形式は、1/2波長ダイポールアンテナに限定されるものではなく、1波長ダイポールアンテナ、ホイップアンテナ、スリーブアンテナまたはループアンテナの他、後述する平面アンテナ、八木アンテナ等であってもかまわない。つまり、所定周波数の電磁波をダクト6内に送り出し、受け取るものであればその形式等は限定されるものではない。
【0093】
或いは、特に図示しないが、送受信用アンテナANT11から送受信用アンテナANT21に向かう方向に対して、それぞれのアンテナの背後方向における所定の位置、および送電用アンテナANT12から受電用アンテナANT22に向かう方向に対して、それぞれのアンテナの背後方向における所定の位置にそれぞれ金属製の平板等で構成される反射器を設け、この反射器によって各アンテナから送出された電磁波を反射する構成をとるとよい。この反射器は、送受信用アンテナANT11、送電用アンテナANT12、送受信用アンテナANT21および受電用アンテナANT22に所定の指向特性を与える役割を担っている。
【0094】
〔実施の形態3:閉空間無線電力配電方式の第2例〕
図9はこの発明に係る無線電力動作型機器を用いた無線電力配電システムの別の実施の形態(実施の形態3)の要部を示す図である。この実施形態3の実施の形態2と異なるところは、無線電力供給装置2の送電用アンテナANT12と電力送信部23を省いた点、電動操作器3の受電用アンテナANT22を省き、送受信用アンテナANT21が受信する周波数f2の電磁波(駆動部MDに対する制御データを搬送する電磁波)を整流部3Hに導くようにした点にある。
【0095】
なお、この実施の形態3において、無線電力供給装置2は、制御データが生じていない場合にも、送受信用アンテナANT1から周波数f2の電磁波を短周期で定期的に送信する。また、この実施の形態3において、電動操作器3の制御部3Eは、実施の形態1で説明したと同様の供給可能電力量診断機能を有している。
【0096】
この無線電力配電システムにおいて、無線電力供給装置2は、送受信用アンテナANT1から周波数f2(例えば、2.4GHz帯)の電磁波を短周期で定期的にダクト6内へ送出する。この電磁波は、金属製のダクト6の内壁面を反射しながら、或いは直接、電動操作器3の送受信用アンテナANT2に到達する。電動操作器3は、送受信用アンテナANT2が受けた周波数f2の電磁波が有するエネルギーを整流部3Hで直流電力に変換して取り出し、その取り出した直流電力を蓄電部3Iに蓄える。この蓄電部3Iに蓄えられた直流電力によって電動操作器3での必要電力が賄われる。
【0097】
この実施の形態3では、電動操作器3での必要電力を送受信用アンテナANT2によって受け取っているので、すなわち送受信用アンテナANT2が受電用のアンテナと制御データの受信用のアンテナとを兼ねているので、その構成が簡略化される。また、この実施の形態3では、無線電力供給装置2に電力送信部23や送電用アンテナANT12を設ける必要がなく、無線電力供給装置2の基本構成を変えることなく実現できるのでより好ましい。
【0098】
なお、上述した実施の形態では、電磁波を波動として用いた場合について説明したが、波動は電磁波に限られるものではなく、光や超音波などを波動として用いてもよい。波動が光の場合は、送信手段としてレーザ光照射手段、LED、電球などを用い、受信手段として太陽電池やフォトダイオードなどを用いる。また、波動が超音波の場合は、送受信手段としてピエゾ式振動子や電歪式振動子などを用いる。
【0099】
また、上述した実施の形態では、全使用直流電力量と供給可能直流電力量とを比較するために電力量に換算したが、電力量に換算せずにエネルギーで比較しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の無線電力動作型機器は、電磁波などの波動を受信し、この受信した波動から取り出される電力を自己の動作電源とする無線電力動作型機器として、建物だけではなく、工場の執務室や作業場、プラントなど様々な場所で利用することが可能である。
【符号の説明】
【0101】
1…室内空間、2…無線電力供給装置、2A…安定化電源部、2B…システム制御部、2C…配電レベル制御部、2D…送受信部、2E…受信制御部、3…無線電力配電内蔵電動操作器(電動操作器)、3A…モータ、3B…減速部、3C…ドライバ部、3D…位置検出部、3E…制御部、3F…受信部、3G…送信部、3H…整流部、3I…蓄電部、3J…安定化電源部、DS…駆動軸、MD…駆動部、4…外部電源、5…外部コントローラ、ANT1,ANT2…アンテナ、2−1…スケジュール記憶部、2−2…在/不在判断部、2−3…配電レベル決定部、3−1…動作量積算部、3−2…動作量予測部、3−3…全使用電力量予測部、3−4…蓄電電力量算出部、3−5…配電電力量算出部、3−6…供給可能電力量算出部、3−7…電力量比較部、3−71…第1の電力量比較部、3−72…第2の電力量比較部、3−8…報知部、3−9…動作モード切替部、3−10…動作スケジュール記憶部、6…ダクト、21…制御部、22…送受信部、23…電力送信部、ANT11…送受信用アンテナ、ANT12…送電用アンテナ、ANT21…送受信用アンテナ、ANT22…受電用アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線によって送信されてくる波動を受信する受波部と、この受波部によって受信された波動をエネルギーとして取り出すエネルギー取出部と、このエネルギー取出部によって取り出されたエネルギーを蓄える蓄電部と、この蓄電部に蓄えられたエネルギーの供給を受けて駆動される駆動部とを備える無線電力動作型機器において、
予め定められた所定の期間を前記駆動部の動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間として、その予測対象動作期間中の前記駆動部の全動作量を予測する動作量予測手段と、
この動作量予測手段によって予測された前記駆動部の全動作量に基づいて前記予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用エネルギー量を予測する全使用エネルギー量予測手段と、
前記予測対象動作期間に入る前に、前記蓄電部に現在残されているエネルギー量と現在から前記予測対象動作期間の終了時までに前記エネルギー取出部が前記波動から取り出すと推測されるエネルギー量とを合計し、その合計エネルギー量を前記予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能エネルギー量として求める供給可能エネルギー量算出手段と、
前記全使用エネルギー量予測手段によって予測された前記予測対象動作期間中の全使用エネルギー量と前記供給可能エネルギー量算出手段によって求められた前記予測対象動作期間中の供給可能エネルギー量とを比較するエネルギー量比較手段と、
このエネルギー量比較手段での比較結果に基づく情報を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項2】
無線によって送信されてくる波動を受信する受波部と、この受波部によって受信された波動を整流して直流電力を取り出す整流部と、この整流部によって取り出された直流電力を蓄える蓄電部と、この蓄電部に蓄えられた直流電力の供給を受けて駆動される駆動部とを備える無線電力動作型機器において、
予め定められた所定の期間を前記駆動部の動作期間とし、この動作期間に入る前にその動作期間を予測対象動作期間として、その予測対象動作期間中の前記駆動部の全動作量を予測する動作量予測手段と、
この動作量予測手段によって予測された前記駆動部の全動作量に基づいて前記予測対象動作期間中の自己の機器内の全使用直流電力量を予測する全使用電力量予測手段と、
前記予測対象動作期間に入る前に、前記蓄電部に現在残されている直流電力量と現在から前記予測対象動作期間の終了時までに前記整流部が前記波動から取り出すと推測される直流電力量とを合計し、その合計直流電力量を前記予測対象動作期間中に供給することが可能な供給可能直流電力量として求める供給可能電力量算出手段と、
前記全使用電力量予測手段によって予測された前記予測対象動作期間中の全使用直流電力量と前記供給可能電力量算出手段によって求められた前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量とを比較する電力量比較手段と、
この電力量比較手段での比較結果に基づく情報を報知する報知手段と
を備えることを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項3】
請求項2に記載された無線電力動作型機器において、
前記駆動部の前記動作期間中の動作量を計測して積算する動作量積算手段を備え、
前記動作量予測手段は、
前記動作量積算手段によって積算された前記動作期間中の全動作量に基づいて前記予測対象動作期間中の前記駆動部の全動作量を予測する
ことを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項4】
請求項2に記載された無線電力動作型機器において、
前記駆動部の前記動作期間中の動作スケジュールを記憶する動作スケジュール記憶手段を備え、
前記動作量予測手段は、
前記動作スケジュール記憶手段に記憶されている前記動作期間中の動作スケジュールに基づいて前記予測対象動作期間中の前記駆動部の全動作量を予測する
ことを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項5】
請求項2〜4の何れか1項に記載された無線電力動作型機器において、
前記報知手段は、
前記電力量比較手段での比較結果に基づいて、前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量が前記予測対象動作期間中の全使用直流電力量よりも小さかった場合、前記送信されてくる波動のエネルギーレベルを上げる旨の要求を報知する
ことを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項6】
請求項2〜4の何れか1項に記載された無線電力動作型機器において、
定常動作モードとこの定常動作モードより小電力で動作可能な省エネ動作モードとの動作モード切替手段を備え、
前記動作モード切替手段は、
前記電力量比較手段での比較結果に基づき、前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量が前記予測対象動作期間中の全使用直流電力量よりも小さかった場合、前記定常動作モードから前記省エネ動作モードへ動作モードを切り替える
ことを特徴とする無線電力動作型機器。
【請求項7】
請求項6に記載された無線電力動作型機器において、
前記電力量比較手段での比較結果に基づき、前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量が前記予測対象動作期間中の全使用直流電力量よりも小さかった場合、
前記動作量予測手段は、
前記省エネ動作モードで動作した場合の前記予測対象動作期間中の前記駆動部の全動作量を省エネ動作モード時の全動作量として予測し、
前記全使用電力量予測手段は、
前記動作量予測手段によって予測された前記駆動部の省エネ動作モード時の全動作量に基づいて前記予測対象動作期間中の自己の機器内の省エネ動作モード時の全使用直流電力量を予測し、
前記電力量比較手段は、
前記全使用電力量予測手段によって予測された前記予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量と前記供給可能電力量算出手段によって求められた前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量とを比較し、
前記報知手段は、
前記電力量比較手段での比較結果に基づいて、前記予測対象動作期間中の供給可能直流電力量が前記予測対象動作期間中の省エネ動作モード時の全使用直流電力量よりも小さかった場合、前記送信されてくる波動のエネルギーレベルを上げる旨の要求を報知する
ことを特徴とする無線電力動作型機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55730(P2013−55730A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190449(P2011−190449)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】