説明

産業用ロボット制御装置

【課題】接続された複数のロボットのサーボ電源をロボット毎にON/OFFする際に少ない手順で効率よく且つ省エネルギー効果を有する産業用ロボット制御装置を提供する。
【解決手段】サーボ制御信号Sjに応じて複数のロボット各々に接続されたサーボ電源のON/OFFを切替えるサーボ制御手段と、手動運転の対象となるロボットを選択するためのロボット選択信号Rsを出力するロボット選択部RSと、デッドマンスイッチDSと、移動方向信号Mdを出力する移動方向指示部MDと、デッドマンスイッチDSからのON操作信号及び移動方向信号Mdが入力されたときはロボット選択信号Rsによって選択されたロボットに対応するサーボ電源をONに切り替えるサーボ制御信号Sjを出力するサーボ状態遷移制御部SJを備えたことを特徴とする産業用ロボット制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続された複数のロボットのサーボ電源を、ロボット毎にON/OFF制御する産業用ロボット制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車部品等の製造工場で加工・運搬作業を行わせるための産業用ロボットが広く採用されている。そして、1台のロボット制御装置に1台のロボットを接続して制御する形態から、1台のロボット制御装置に複数のロボットを接続し、同時に稼働させる形態に移行してきたことによって生産性がさらに向上してきている。複数のロボットが接続されている形態のロボットにおいては、教示作業時、ツール交換作業時等、ロボットの手動運転が必要な場合、ティーチペンダントに設けられた手動運転ロボット選択キーで手動運転するロボットを都度選択することが行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方で、手動運転時の安全性を向上させるために、手で触れている間はロボットを動作させるためのサーボ電源をONし、手を離したときにはサーボ電源をOFFするデッドマンスイッチをティーチペンダントに設けることが一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。デッドマンスイッチは、1台のロボット制御装置に複数のロボットを接続している場合でも全てのロボットのサーボ電源に対して有効な唯一のスイッチとして機能するものである。すなわち、手で触れている間は全てのロボットのサーボ電源がONし、手を離したときには全てのサーボ電源がOFFする。
【0004】
近年、作業者に対する安全性向上が強く望まれる中、動かす必要のあるロボットのサーボ電源のみをON状態にし、動かす必要のないその他のロボットのサーボ電源はOFF状態にするロボット制御装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、ロボット制御装置の一部として設けた操作パネルに、各ロボットのサーボ電源をON/OFFするためのサーボON/OFFボタンを設けた構成例が開示されている。そして、ロボットの手動運転が必要な場合は、手動運転するに先立って、上記ボタンを用いて動かしたいロボットのサーボ電源のみをON状態にし、その他のロボットのサーボ電源はOFF状態にする、という作業を行う。
【0005】
しかしながら、一般的にロボット制御装置はロボットから離れた位置に設置されていることが多い。一方、教示作業に用いるティーチペンダントは、ロボットに近い位置まで持ち込まれる。すなわち、教示作業を行う場合、作業者は、まずロボットから離れた位置に設置されたロボット制御装置に移動してロボットのサーボ電源をON/OFFを切り替えてから、ティーチペンダントをロボットの近くまで運んで教示作業を行う、という工程が必要になる。このために、無駄時間が多いという問題があった。
【0006】
そこで、手動運転ロボット選択キー及びデッドマンスイッチを有するティーチペンダントに、サーボ電源ON/OFFの対象となるロボットを選択するためのサーボ切換ロボット選択キーをさらに備えることによって、作業者の手元でロボット毎にサーボ電源をON/OFFする提案がなされている。以下、この従来技術について説明する。
【0007】
図5は、ティーチペンダントからの入力に従って行われるロボット制御装置の処理の流れを説明するためのフローチャートである。ステップS1〜S3、及びステップS6は、ティーチペンダントからの入力を示している。
【0008】
同図のステップS1において、まず、サーボ切換ロボット選択キーからサーボ電源ONの対象となるロボットが入力される。ステップS2において、手動運転ロボット選択キーから手動運転の対象となるロボットが入力される。ステップS3において、デッドマンスイッチの操作結果が入力される。一般的にデッドマンスイッチは、握ったときにサーボON操作、離すとサーボOFF操作が行われたと認識され、状態に応じた操作信号(ON操作信号又はOFF操作信号)が入力される仕組みになっている。
【0009】
ステップS4において、デッドマンスイッチからON操作信号が入力されたか否かを判定する。入力された場合(Yesの場合)は、ステップS5に移る。入力されていない場合(Noの場合)は、ON操作が行われていないものとして、何もしない。ステップS5において、サーボONの対象になっているロボットのサーボ電源をONにし、その他のロボットのサーボ電源をOFFにするためのサーボ制御信号を出力する。ステップS6において、移動方向指示キーからロボットの移動方向信号が入力される。ステップS7において、手動運転の対象になっているロボットを動かすための制御信号を出力する。このようにして、作業者が選択したロボットのサーボ電源を個別にON/OFFしている。
【0010】
以上説明した従来技術は、ロボットから離れた位置に設置されたロボット制御装置まで行かなくても、作業者の手元にあるティーチペンダントのみでサーボ電源のON/OFFを切り替えることができるという利点があるが、後述する課題を有している。
【0011】
【特許文献1】特開平6−198584号公報
【特許文献2】特開平6−134685号公報
【特許文献3】特開平6−318108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述した従来技術では、ティーチペンダントにサーボ切換ロボット選択キーと手動運転ロボット選択キーとが備えられている。これら2つの独立した選択手段が設けられていることによって、サーボ電源をON/OFFするまでの操作ステップが2段階になっているために、無駄な作業時間が生じるという問題がある。また、作業者の操作ミスにより、サーボ電源をOFFにしたロボットを手動運転しようとして選択してしまうことがある。この場合は、エラーメッセージ等が出力されてしまうために、エラーを解除するための作業が必要になるという問題がある。
【0013】
さらに、作業者はこれらの無駄な操作やエラー解除作業を行わないようにするために、接続されている全てのロボットのサーボ電源を予めONの状態にしておくという手段を講じることが多い。すなわち、安全への配慮を忘れてしまい、ロボット毎のサーボON/OFF操作を行なわないことがある。このことによって、誤って意図しないロボットを動かしてしまうことがある。また、動かさないロボットのサーボ電源をONにすることによって、無駄なエネルギーが使用されてしまうという問題がある。
【0014】
本発明は、接続された複数のロボットのサーボ電源をロボット毎にON/OFFして手動運転するにあたり、少ない手順で効率よくON/OFFできると共に、サーボ電源が無駄にONされることがない省エネルギー効果を有する産業用ロボット制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、第1の発明は、
接続された複数のロボットの内から手動運転するロボットを選択し、この選択されたロボットのサーボ電源をON制御する産業用ロボット制御装置において、
サーボ制御信号に応じて前記複数のロボット各々に接続されたサーボ電源のON/OFFを切替えるサーボ制御手段と、
手動運転の対象となるロボットを選択するためのロボット選択信号を出力するロボット選択部と、
スイッチ操作状態に応じてON操作信号又はOFF操作信号を出力するデッドマンスイッチと、
ロボットの移動方向を指示するための移動方向信号を出力する移動方向指示部と、
前記デッドマンスイッチからのON操作信号及び前記移動方向信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットに対応するサーボ電源をONに切り替え、他のロボットに対応するサーボ電源をOFFに切り替えるサーボ制御信号を出力するサーボ状態遷移制御部と、
を備えたことを特徴とする産業用ロボット制御装置である。
【0016】
第2の発明は、
前記ロボット毎に設けられ、前記複数のロボット各々に接続されたサーボ電源がサーボON状態、サーボOFF状態、又はサーボONが可能な状態を示すサーボON準備状態のいずれの状態にあるのかを判別するための報知手段と、
前記デッドマンスイッチからのON操作信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットの前記報知手段にサーボON準備状態を報知し、その他のロボットの前記報知手段にサーボOFF状態を報知し、前記デッドマンスイッチからのON操作信号及び前記移動方向信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットの前記報知手段にサーボON状態を報知し、その他のロボットの前記報知手段にサーボOFF状態を報知し、前記デッドマンスイッチからのOFF操作信号が入力されたときは全ての報知手段にサーボOFF状態を報知するための報知制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする第1の発明に記載の産業用ロボット制御装置である。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明によれば、サーボ電源の切換対象となるロボットを選択する手段を省略した代わりに、手動運転対象のロボットを選択した後、デッドマンスイッチのON操作信号及び移動方向信号が入力された段階で初めてサーボ電源をONするようにしている。このことによって、従来よりも少ない手順で効率よくサーボ電源をONすることができる。また、ロボットの選択手段を1つにしたことによって操作ミスによるエラー発生の可能性が低くなり、無駄なエラー解除操作が不要となる。さらに、移動方向信号の入力があった段階でサーボ電源をONするようにしている。このことによって、ロボットを動かさない間のサーボ電源ONが省略され、省エネルギー化を図ることができる。
【0018】
第2の発明によれば、サーボ電源の状態を識別するための報知手段をロボット毎に設けている。このことによって、各々のロボットのサーボ電源がサーボON状態なのか、OFF状態なのか、又はサーボONが可能な状態を示すサーボON準備状態なのかを容易に把握できる。例えば、デッドマンスイッチのON操作を行った段階でサーボON可能な状態を示すサーボON準備状態であることが上記報知手段に示されるので、作業者は移動方向指示部の操作を行う際に予めどのロボットが動くのかを容易に判断できる。すなわち、安全性をより向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
【0020】
図1は、本発明の第1実施形態を示す産業用ロボットのブロック図である。1台のロボット制御装置に接続可能なロボットの台数に制限があるわけではないが、以下の説明を簡略化するために、同図では2台のロボットが1台のロボット制御装置に接続されている場合を示している。
【0021】
同図において、ティーチペンダントTPは、ロボット選択キーRS、デッドマンスイッチDS及び移動方向指示キーMDを有しており、これらを作業者が操作することによって各信号が出力される。より具体的には、ロボット選択キーRSからロボット選択信号Rsが出力され、デッドマンスイッチDSから操作信号Ds(ON操作信号又はOFF操作信号)が出力され、移動方向指示キーMDから移動方向信号Mdが出力される。そして、これらの信号は、ロボット制御装置RCのティーチペンダントインタフェースTifを介してサーボ状態遷移制御部SJに入力される。
【0022】
サーボ状態遷移制御部SJは、後述する処理を施して、サーボ制御信号Sj1をサーボアンプSC1に、サーボ制御信号Sj2をサーボアンプSC2に出力する。サーボアンプSC1〜SC2は、ロボットR1及びロボットR2それぞれのサーボ電源をON/OFFしたり、駆動させるための動作制御指令を出力したりするサーボ制御手段である。サーボアンプSC1は、サーボ制御信号Sj1に従ってサーボ電源をON/OFFするための信号Sc1をロボットR1に出力する。同様に、サーボアンプSC2は、サーボ制御信号Sj2に従ってサーボ電源をON/OFFするための信号Sc2をロボットR2に出力する。
【0023】
図2は、サーボ状態遷移制御部SJの処理を示すフローチャートである。ステップS1〜S3は、ティーチペンダントからの入力を示している。
【0024】
同図のステップS1において、手動運転の対象となるロボットを選択するためのロボット選択信号Rsが入力される。ステップS2において、デッドマンスイッチDSの操作信号Ds(ON操作信号またはOFF操作信号)が入力される。ステップS1とステップS2は、逆の順番でも構わない。
【0025】
ステップS3において、移動方向指示キーMDからロボットの移動方向信号Mdが入力される。そして、ステップS4において、デッドマンスイッチDSからのON操作信号及び移動方向指示キーMDからの移動方向信号Mdが入力されたか否かを判定する。入力された場合(Yesの場合)は、ステップS5に移る。入力されていない場合(Noの場合)は、ON操作が行われていないものとして、何もしない。
【0026】
ステップS5において、ステップS1で選択されたロボットのサーボ電源をONに、その他のロボットのサーボ電源をOFFにするためのサーボ制御信号Sjを、サーボアンプSCに出力する。例えば、ロボットR1が選択されているのであれば、ロボットR1をサーボONするためのサーボ制御信号Sj1をサーボアンプSC1に、ロボットR2をサーボOFFにするためのサーボ制御信号Sj2をサーボアンプSC2に出力する。
【0027】
そして、ステップS6において、ステップS1で選択されたロボットを移動方向指示キーMDで指定された方向に駆動するためのサーボ制御信号SjをサーボアンプSCに出力する。
【0028】
このように、サーボ電源の切換対象となるロボットをティーチペンダントで選択する手段を省略し、手動運転対象のロボットを選択した後、デッドマンスイッチのON操作信号及び移動方向信号が入力された段階で初めてサーボ電源をONするようにしている。このことによって、従来よりも少ない手順で効率よくサーボ電源をONすることができる。また、ロボットの選択手段を1つにしたことによって操作ミスによるエラー発生の可能性が低くなり、無駄なエラー解除操作が不要となる。さらに、移動方向信号の入力があった段階でサーボ電源をONするようにしている。このことによって、ロボットを動かさない間のサーボ電源ONが省略され、省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
なお、本実施形態では、デッドマンスイッチからのON操作信号及び移動方向信号Mdが入力された段階で、選択されたロボットのサーボ電源をONするようにしている。この後の処理として、サーボ電源をONした後、移動方向信号Mdの入力が解除された場合を考慮する必要がある。この場合は、すぐにサーボ電源をOFFにするようにしてもよいし、サーボ電源ONを維持するようにしてもよい。
【0030】
移動方向信号Mdの入力が解除されたときにサーボ電源をOFFにする場合は、移動方向信号Mdの入力を所定時間監視して解除されたと判断したときにサーボOFFにするためのサーボ制御信号SjをサーボアンプSCに出力すればよい。移動方向信号Mdの入力が解除されてもサーボ電源ONを維持する場合は、移動方向信号Mdが解除されたと判断してもサーボ制御信号Sjを出力しなければよい。そしてデッドマンスイッチからのOFF操作信号が入力されたときにサーボOFFにするサーボ制御信号SjをサーボアンプSCに出力すればよい。
[実施の形態2]
【0031】
図3は、本発明の第2実施形態を示す産業用ロボットのブロック図である。同図において、表示灯PL1〜PL2、報知制御部SP及びサーボ状態信号Sp1〜Sp2以外は、図1と同符号を付与したものと同一であるので説明を省略する。以下、図1と異なる構成について説明する。
【0032】
表示灯PL1〜PL2は、各ロボットの適所に設けられた回転灯であり、各ロボットのサーボ電源の状態を作業者に認識させるためのものである。報知制御部SPは、ロボット選択キーRSからのロボット選択信号Rs、デッドマンスイッチDSからの操作信号Ds(ON操作信号又はOFF操作信号)、及び移動方向指示キーMDからの移動方向信号Mdを入力として、サーボON状態、サーボOFF状態及びサーボON準備状態を示すサーボ状態信号Sp1〜Sp2を生成して表示灯PL1〜PL2にそれぞれ出力する。
【0033】
次に報知制御部SPの動作について説明する。デッドマンスイッチからON操作信号が入力された場合は、サーボON準備状態であることを報知するために、ロボット選択信号Rsによって選択されたロボットの表示灯PLに電源をパルス供給し、表示灯PLを点滅させる。その他のロボットはサーボOFF状態であることを報知するために、表示灯PLを消灯させる。デッドマンスイッチからのON操作信号が入力された状態で移動方向信号Mdが入力された場合は、サーボON状態であることを報知するために、ロボット選択信号Rsによって選択されたロボットの表示灯PLに電源を連続供給し、表示灯PLを点灯させる。その他のロボットはサーボOFF状態であることを報知するために、表示灯PLを消灯させる。デッドマンスイッチからのOFF操作信号が入力された場合は、全てのロボットがサーボOFF状態であることを報知するために、全ての表示灯PLを消灯させる。
【0034】
図4は、ティーチペンダントからの入力と表示灯の表示態様の関係を説明するための図である。同図は、ティーチペンダントからのロボット選択信号Rs、操作信号Ds及び移動方向信号Mdの入力の組合せによって、表示灯PLの表示態様(消灯・点滅・点灯)をどのように決定するのかを示している。
【0035】
例えば、同図のパターン1は、ロボットR1が選択され、デッドマンスイッチがOFF操作されており、かつ移動方向信号Mdが入力されていない場合の表示灯PLの表示態様を示している。この場合の表示態様は、表示灯PL1、PL2共に「消灯」とし、サーボOFF状態であることを示す。そしてパターン2では、パターン1の状態からデッドマンスイッチがON操作された場合を示している。この場合の表示態様は、表示灯PL1を「点滅」、表示灯PL2を「消灯」とし、ロボットR1がサーボON準備状態、ロボットR2がサーボOFF状態であることを示す。さらに、パターン3では、パターン2の状態から移動方向信号Mdが入力された場合を示している。この場合の表示態様は、表示灯PL1を「点灯」、表示灯PL2を「消灯」とし、ロボットR1がサーボON状態、ロボットR2がサーボOFF状態であることを示す。パターン4〜5は、パターン1〜3において選択されたロボットがロボットR2に変わっただけであるので説明を省略する。
【0036】
なお、表示灯PL1〜PL2は、各ロボットのサーボ電源の状態を作業者に認識させるためのものであるから、ロボットP1〜P2が作業者の視野に入る任意の位置から点灯状態が作業者に容易且つ確実に認識できる位置であれば、ロボットP1〜P2の任意の位置に表示灯PL1〜PL2を取り付けてもよい。また、表示灯PL1〜PL2の表示態様として消灯、点灯、点滅を示したが、表示灯を、例えば「青」から「赤」のように点灯色を変えて報知しても良いし、音声によって聴覚的に報知するようにしてもよい。さらに、表示灯は回転灯に限られず、ランプ、LEDなど発光素子群からなる発光体などの各種の光源を用いてもよい。
【0037】
このように、サーボ電源の状態を識別するための報知手段をロボット毎に設けている。このことによって、各々のロボットのサーボ電源がサーボON状態なのか、OFF状態なのか、又はサーボONが可能な状態を示すサーボON準備状態なのかを容易に把握できる。例えば、デッドマンスイッチのON操作を行うとサーボON可能な状態を示すサーボON準備状態が上記報知手段にて示されるので、作業者は移動方向指示キーの操作を行う際に予めどのロボットが動くのかを容易に判断できる。すなわち、安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態を示す産業用ロボットのブロック図である。
【図2】サーボ状態遷移制御部の処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態を示す産業用ロボットのブロック図である。
【図4】ティーチペンダントからの入力と表示灯の表示態様の関係を説明するための図である。
【図5】ティーチペンダントからの入力に従って行われるロボット制御装置の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
Ds 操作信号
MD 移動方向指示キー
Md 移動方向信号
PL1 表示灯
PL2 表示灯
R1 ロボット
R2 ロボット
RC ロボット制御装置
RS ロボット選択キー
Rs ロボット選択信号
SC1 サーボアンプ
SC2 サーボアンプ
Sc1 信号
Sc2 信号
SJ サーボ状態遷移制御部
Sj1 サーボ制御信号
Sj2 サーボ制御信号
SP 報知制御部
Sp1 サーボ状態信号
Sp2 サーボ状態信号
Tif ティーチペンダントインタフェース
TP ティーチペンダント



【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された複数のロボットの内から手動運転するロボットを選択し、この選択されたロボットのサーボ電源をON制御する産業用ロボット制御装置において、
サーボ制御信号に応じて前記複数のロボット各々に接続されたサーボ電源のON/OFFを切替えるサーボ制御手段と、
手動運転の対象となるロボットを選択するためのロボット選択信号を出力するロボット選択部と、
スイッチ操作状態に応じてON操作信号又はOFF操作信号を出力するデッドマンスイッチと、
ロボットの移動方向を指示するための移動方向信号を出力する移動方向指示部と、
前記デッドマンスイッチからのON操作信号及び前記移動方向信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットに対応するサーボ電源をONに切り替え、他のロボットに対応するサーボ電源をOFFに切り替えるサーボ制御信号を出力するサーボ状態遷移制御部と、
を備えたことを特徴とする産業用ロボット制御装置。
【請求項2】
前記ロボット毎に設けられ、前記複数のロボット各々に接続されたサーボ電源がサーボON状態、サーボOFF状態、又はサーボONが可能な状態を示すサーボON準備状態のいずれの状態にあるのかを判別するための報知手段と、
前記デッドマンスイッチからのON操作信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットの前記報知手段にサーボON準備状態を報知し、その他のロボットの前記報知手段にサーボOFF状態を報知し、前記デッドマンスイッチからのON操作信号及び前記移動方向信号が入力されたときは前記ロボット選択信号によって選択されたロボットの前記報知手段にサーボON状態を報知し、その他のロボットの前記報知手段にサーボOFF状態を報知し、前記デッドマンスイッチからのOFF操作信号が入力されたときは全ての報知手段にサーボOFF状態を報知するための報知制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の産業用ロボット制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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