説明

産業用車輛のボンネット操作装置

【課題】段差部や運転席には露出部材が存在せず、係脱手段を直接に離脱操作できる産業用車輛のボンネット操作装置を提供する。
【解決手段】車体2側のフロアボード20上に開閉揺動自在なボンネット22を設け、ボンネット22と車体2側の内部間にリンクレバー式の係脱手段30を設けた。フロアボード20に、係脱手段30の操作レバー41に対向して操作用孔21を形成した。フロアボード20上に敷設するフロアマット25の一部25aを、操作用孔21の上方を開閉可能に形成した。係脱手段が係合姿勢のとき、フロアマットの一部により操作用孔の上方を閉塞でき、露出部材が存在しないことで操作者や他物の接触を皆無にできる。ボンネットを開動させるとき、フロアマットの一部を上方へ移動することで操作用孔の上方を開放でき、操作用孔を通して操作レバーを操作することで、係脱手段による係合を離脱でき、係脱手段を直接に離脱操作できて全体の構造を簡素化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばフォークリフトなど産業用車輛のボンネット操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、次のような構成が提供されている。すなわち、運転席において、車体側にはフロアボードが設けられ、このフロアボード上には、車体側に対して開閉揺動自在なエンジンフード(ボンネット)が設けられるとともに、エンジンフードと車体側との間にエンジンフード開閉装置(係脱手段)が設けられている。そしてエンジンフード開閉装置は、その開放用レバーの握り部が、タンク上方部材の段差部を形成する低い位置の下側板部の上部に露出して配置されており、握り部を介して開放用レバーを操作することによって、エンジンフード開閉装置を離脱操作している。または、運転席に設けられているグリップを引き操作することによって、インナーケーブルを介して離脱操作している(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−192287号公報(第2−4頁、第1−2、6図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし上記した従来構成によると、前者では、開放用レバーの握り部が露出しており、この握り部に、段差部を利用しての乗り降り時に足が、或いは他物が接触する恐れがある。また後者では、運転席のグリップは露出しており、そしてグリップからエンジンフード開閉装置までケーブルが配設されることで、全体の構造が複雑になる。
【0004】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、段差部や運転席などに露出部材は存在せず、そして係脱手段を直接に離脱操作し得る産業用車輛のボンネット操作装置を提供することを目的としたものである。
【0005】
また本発明の請求項2記載の発明は、段差部や運転席などに露出部材は存在せず、そして係脱手段を直接に離脱操作し得るとともに、第三者が係脱手段を操作することを防止し得る産業用車輛のボンネット操作装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の産業用車輛のボンネット操作装置は、車体側のフロアボード上には開閉揺動自在なボンネットが設けられるとともに、このボンネットと車体側との内部間にはリンクレバー式の係脱手段が設けられ、前記フロアボードには、係脱手段の操作レバーに対向して操作用孔が形成され、フロアボード上に敷設されるフロアマットの一部は、前記操作用孔の上方を開閉可能に形成されていることを特徴としたものである。
【0007】
したがって請求項1の発明によると、通常の運転時において、ボンネットは閉動しており、そして係脱手段は係合姿勢にある。またフロアマットの一部により操作用孔の上方を閉塞している。このような状態からボンネットを開動させるとき、まずフロアマットの一部を上方へ移動して、操作用孔の上方を開放させる。次いで、指を操作用孔に差し込んで操作レバーを操作することにより、係脱手段による係合を離脱し得る。
【0008】
このような離脱姿勢を維持した状態で、ボンネットを開放揺動させる。その後に、指を操作レバーから外すとともに操作用孔から引き抜くことで、操作レバーに対する操作力を開放させ、そしてフロアマットの一部を復元動させて操作用孔の上方を閉塞する。このようにボンネットを開放揺動した状態で、露出したフロアボード側から所期の保守点検などを行う。その後にボンネットを閉塞揺動することで、係脱手段を係合姿勢とし得る。
【0009】
また本発明の請求項2記載の産業用車輛のボンネット操作装置は、車体側のフロアボード上には開閉揺動自在なボンネットが設けられるとともに、このボンネットと車体側との内部間にはリンクレバー式の係脱手段が設けられ、前記フロアボードには、係脱手段の操作レバーに対向して操作用孔が形成され、フロアボード上には前記操作用孔を開閉可能なカバー体が設けられるとともに、このカバー体の閉塞姿勢をロック可能なロック手段が設けられていることを特徴としたものである。
【0010】
したがって請求項2の発明によると、通常の運転時において、ボンネットは閉動しており、そして係脱手段は係合姿勢にある。また、カバー体により操作用孔の上方を閉塞するとともに、このカバー体の閉塞姿勢をロック手段によりロックしている。このような状態からボンネットを開動させるとき、まずロック手段の解除を行ったのち、カバー体を開放動して、操作用孔の上方を開放させる。次いで、指を操作用孔に差し込んで操作レバーを操作することにより、係脱手段による係合を離脱し得る。
【0011】
このような離脱姿勢を維持した状態で、ボンネットを開放揺動させる。その後に、指を操作レバーから外すとともに操作用孔から引き抜くことで、操作レバーに対する操作力を開放させ、そしてカバー体を閉動させて操作用孔の上方を閉塞する。このようにボンネットを開放揺動した状態で、露出したフロアボード側から所期の保守点検などを行う。その後にボンネットを閉塞揺動することで、係脱手段を係合姿勢とし得る。その後にロック手段をロック操作することで、カバー体をロックし得る。
【発明の効果】
【0012】
上記した本発明の請求項1によると、閉動したボンネットに係脱手段が係合姿勢にあり、そしてフロアマットの一部により操作用孔の上方を閉塞している状態からボンネットを開動させるとき、まずフロアマットの一部を上方へ移動することで操作用孔の上方を開放でき、次いで、指を操作用孔に差し込んで操作レバーを操作することにより、係脱手段による係合を離脱できる。このような離脱姿勢を維持した状態で、ボンネットを開放揺動させ、その後に、指を操作レバーから外すとともに操作用孔から引き抜くことで、操作レバーに対する操作力を開放でき、そしてフロアマットの一部を復元動させて操作用孔の上方を閉塞できる。このようにボンネットを開放揺動した状態で、露出したフロアボード側から所期の保守点検などを行った後にボンネットを閉塞揺動することで、係脱手段を係合姿勢にできる。
【0013】
このように本発明の請求項1によると、運転席などに露出部材が存在しないことから、操作者や他物の接触を皆無にでき、しかも係脱手段を直接に離脱操作できることになって全体の構造を簡素化できる。
【0014】
また上記した本発明の請求項2によると、閉動したボンネットに係脱手段を係合姿勢にした状態で、カバー体により操作用孔の上方を閉塞できるとともに、この閉塞姿勢のカバー体をロック手段によりロックできる。この状態からボンネットを開動させるとき、まずロック手段の解除を行ったのち、カバー体を開放動させることで操作用孔の上方を開放でき、次いで、指を操作用孔に差し込んで操作レバーを操作することにより、係脱手段による係合を離脱できる。このような離脱姿勢を維持した状態で、ボンネットを開放揺動させ、その後に、指を操作レバーから外すとともに操作用孔から引き抜くことで、操作レバーに対する操作力を開放でき、そしてカバー体を閉動させて操作用孔の上方を閉塞できる。このようにボンネットを開放揺動した状態で、露出したフロアボード側から所期の保守点検などを行った後にボンネットを閉塞揺動することで、係脱手段を係合姿勢にできる。その後にロック手段をロック操作することで、カバー体をロックできる。
【0015】
このように本発明の請求項2によると、運転席などに露出部材が存在しないことから、操作者や他物の接触を皆無にでき、しかも係脱手段を直接に離脱操作できることになって全体の構造を簡素化できる。さらに操作用孔の上方を閉塞しているカバー体を、ロック手段によりロックしていることで、第三者が係脱手段を操作してボンネットを開けることを防止でき、以て産業用車両へのいたずらや産業用車両の盗難などを防止できるとともに、車両知識のない者が触れることを防いで事故などを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[実施の形態1]
以下に、本発明の実施の形態1を、カウンタータイプのフォークリフトに採用した状態として、図1〜図6に基づいて説明する。
【0017】
図2において、フォークリフト(産業用車輌の一例)1は、その車体2の前部に左右一対の前車輪(駆動車輪)3が設けられるとともに、後部に左右一対の後車輪4が設けられ、そして車体2の前部で上方には運転席5が設けられる。前記車体2の前端部には上下方向で伸縮自在なマスト6が、車幅方向の連結軸7を介して前後方向に回動自在に取り付けられるとともに、前後回動を行わせるティルトシリンダー8が車体2とマスト6との間に設けられる。
【0018】
前記マスト6は、フォークリフト1側の左右一対の外枠9と、この外枠9に案内されて昇降自在な左右一対の内枠10とからなり、外枠9と内枠10との間にリフトシリンダー11が設けられている。また内枠10側に案内されて昇降自在なリフトブラケット12が設けられるとともに、このリフトブラケット12に上下一対のフィンガーバを介して、左右一対のフォーク13が設けられている。前記運転席5には、座席14や、この座席14の前方に位置されるハンドル15などが配設され、そして上方にはヘッドガード16が配設されている。さらに座席14の後方で本体2上にはカウンターウエイト17が設けられ、また車体2側にはエンジン18が設けられている。
【0019】
図1〜図4に示すように、前記運転席5において、車体2側にはフロアボード20が設けられ、そして前記エンジン18の上方でフロアボード20上には、車体2側に対して開閉揺動自在なボンネット22が設けられるとともに、このボンネット22上に前記座席14が設けられている。すなわち、ボンネット22の後部かつ上部は揺動連結具23を介して車体2側に連結され、以てボンネット22は車体2側に対して、左右方向(車幅方向)の横軸心の回りで上下方向に開閉揺動自在に連結されている。
【0020】
前記ボンネット22と車体2側との内部間には、リンクレバー式の係脱手段30が設けられている。すなわち、フロアボード20の下方において車体2側には、連結具(ボルトなど)31を介して支持プレート体32が連結され、この支持プレート体32には、左右方向の連結ピン33を介してリンク体34が前後方向(車長方向)に揺動自在に設けられている。このリンク体34は、その中間部が筒状の軸受け部35を介して連結ピン33に揺動自在に支持され、そして上部は、前方へ向いたフック部36に形成されている。なおフック部36は、その上面側が凸円弧状の係合案内面36aに形成され、下面側が凹円弧状の係合面36bに形成されている。
【0021】
前記リンク体34が係脱自在な被係止体37は平面視においてU字形であり、前方へ向く一対の端が支持プレート体38に連結されるとともに、この支持プレート体38は連結具(ボルトなど)39を介してボンネット22の内面側に連結されている。そして、ボンネット22を下方へ閉揺動させたときに、被係止体37に対してリンク体34が係合離脱自在に構成され、その際にフック部36が前方へ係合付勢されるように、支持プレート体32とリンク体34との間には巻きばね体(付勢体の一例)40が設けられている。前記リンク体34の下部からは、前方へと伸びる操作レバー41が設けられ、この操作レバー41の遊端には操作部41aが設けられている。
【0022】
したがって、操作部41aを介して操作レバー41を上方へと引き上げ操作することで、巻きばね体40の付勢力に抗してリンク体34を連結ピン33の回りに揺動させ、以て被係止体37に対してリンク体34のフック部36が離脱されるように構成されている。以上の31〜41などにより係脱手段30の一例が構成される。
【0023】
前記フロアボード20には、前記操作レバー41に対向して操作用孔21が形成されている。ここで操作用孔21は、操作部41aに対向されかつ操作者の指を差し込み得る矩形形状とされている。前記フロアボード20上には可撓性のフロアマット25が敷設され、このフロアマット25の一部は、前記操作用孔21の上方を開閉可能に形成されている。すなわち、フロアマット25には、U字状の切り込み26により舌片部(一部の一例)25aが形成され、この舌片部25aは前記操作用孔21の上方に位置され、非切り込み部分の曲げを利用して上下に撓み動させることで操作用孔21の上方を開閉可能に形成されている。そして舌片部25aの遊端側には、開閉操作孔27が丸形形状で形成されている。
【0024】
以下に、上記した実施の形態1における作用を説明する。
フォークリフト1は、運転席5の座席14に座った作業者が、たとえば、リフト用レバーを操作しリフトシリンダー11を作動させることで、リフトブラケット12などを介してフォーク13をマスト6に沿って昇降動させ得、以て所期のフォーク作業を行える。またティルト用レバーを操作しティルトシリンダー8を作動させることで、マスト6を連結軸7の周りで回動(傾倒)させ得、以てリフトブラケット12などを介してフォーク13の姿勢を変化させ得る。
【0025】
このような運転作業時において、ボンネット22は閉動されて、その下端面をフロアボード20上に当接(接近)させており、そして係脱手段30は係合姿勢にある。すなわち係脱手段30は、図1に示すように、被係止体37に対してリンク体34のフック部36を係合させており、その際に巻きばね体40の付勢力によってリンク体34を、そのフック部36が前方へ位置するように揺動付勢して係合姿勢を維持している。そして、フロアマット25の舌片部25aを、その弾性力により下方へ復元動させることで、図1、図5(a)に示すように、フロアマット25の他の部分と面一状として操作用孔21の上方を閉塞している。これにより係脱手段30は、露出部材が存在しない状態で配設し得る。
【0026】
このような状態からボンネット22を開動させるとき、まずフロアマット25の舌片部25aを、その弾性力に抗して上方へ撓み動させ、以て図3、図4、図5(b)に示すように、操作用孔21の上方を開放させる。その際に上方への撓み動は、操作者が一方の手の指を開閉操作孔27に差し込んで、舌片部25aを引き上げることにより行える。次いで図5(b)の仮想線に示すように、他方の手の指を操作用孔21に差し込んで操作部41aに引掛けたのち、この操作部41aを介して操作レバー41を上方へ引き上げる。これにより図3の仮想線に示すように、巻きばね体40の弾性付勢力に抗してリンク体34を連結ピン33の回りに揺動させ、その際にリンク体34の揺動は、下部が前方でかつ上部が後方となるように行われ、以てフック部36の係合面36bを被係止体37から外して、係脱手段30による係合を離脱し得る。
【0027】
このような離脱姿勢を維持した状態で、一方の手によってボンネット22の前部に引き上げ力を作用させることにより、図6に示すように、このボンネット22を揺動連結具23による左右方向の横軸心の回りに上方へ開放揺動し得る。その後に、他方の手の指を操作部41aから外すとともに操作用孔21から引き抜くことで、操作レバー41に対する上方への引き上げ力を開放させる。
【0028】
これにより、巻きばね体40の弾性付勢力によりリンク体34を連結ピン33の回りに逆揺動させ、その際にリンク体34の逆揺動は、下部が後方でかつ上部が前方となるように行われ、以てフック部36を係合位置とし得る。またフロアマット25の舌片部25aは、その弾性力により下方へ復元動して操作用孔21の上方を閉塞する。上述したようにボンネット22を開放揺動した状態で、露出したフロアボード20側から、たとえばエンジン18に対する所期の保守点検などを行う。
【0029】
その後に、ボンネット22の前部に引き下げ力を作用させることにより、このボンネット22を揺動連結具23による左右方向の横軸心の回りに下方へ閉塞揺動し得る。このとき、ボンネット22の下端面がフロアボード20上に当接する少し前に、図1の仮想線に示すように、被係止体37がフック部36の係合案内面36aに上方から当接し、引き続いての下げ力により、被係止体37が係合案内面36a上を滑動する状態になって、被係止体37に対してリンク体34のフック部36を係合させ、以て係脱手段30を係合姿勢とし得る。このときボンネット22の下端面はフロアボード20上に当接している。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、図7〜図11に基づいて説明する。
【0030】
この実施の形態2においては、図7に示すように、フロアボード20上に操作用孔21を開閉可能なカバー体50が設けられるとともに、このカバー体50の閉塞姿勢をロック可能なロック手段53が設けられている。
【0031】
すなわち図7〜図9に示すように、カバー体50は矩形板状であって、フロアボード20側に揺動連結具51を介して開閉揺動可能に連結され、そして閉塞揺動によって前記操作用孔21を上方から覆うように形成されている。また、ロック手段53はキー操作形式であって、フロアボード20側に設けられたロック部54と、カバー体50側に設けられた被ロック部55とからなり、前記ロック部54に被ロック部55を嵌入させた状態で、被ロック部55側からキー56を差し込み操作することで、ロック操作またはロック解除操作が行えるように構成されている。なおフロアマット25には、カバー体50の形状に相当する切り欠き28が形成されている。
【0032】
以下に、上記した実施の形態2における作用を説明する。
フォークリフト1の運転作業時において、ボンネット22は閉動されて、その下端面をフロアボード20上に当接(接近)させており、そして係脱手段30は係合姿勢にある。すなわち係脱手段30は、図7に示すように、被係止体37に対してリンク体34のフック部36を係合させており、その際に巻きばね体40の付勢力によってリンク体34を、そのフック部36が前方へ位置するように揺動付勢して係合姿勢を維持している。そして、カバー体50を、揺動連結具51を介して閉塞揺動させることで、図7、図10(a)に示すように、切り欠き28内に位置させかつフロアマット25と面一状として、操作用孔21の上方を閉塞している。またロック手段53はロック状態にある。
【0033】
これにより係脱手段30は、露出部材が存在しない状態で配設し得る。さらに操作用孔21の上方を閉塞しているカバー体50を、ロック手段53によりフロアボード20側に固定(ロック)していることで、第三者が係脱手段30を操作してボンネット22を開けることができなくなり、フォークリフト(産業用車両)1へのいたずらやフォークリフト1の盗難などを防止し得るとともに、車両知識のない者が触れることを防いで事故などを防止し得る。
【0034】
このような状態からボンネット22を開動させるとき、まず被ロック部55側からキー56を差し込んでロック手段53の解除を行ったのち、カバー体50を、図8、図9、図10(b)に示すように、揺動連結具51を介して開放揺動させる。そして上述した実施の形態1と同様にして、図11に示すように、係脱手段30の係合解除やボンネット22の開放揺動を行うことで、たとえばエンジン18に対する所期の保守点検などを行える。
【0035】
その後にボンネット22の閉塞揺動や係脱手段30の係合を行うことにより、ボンネット22の下端面をフロアボード20上に当接し得る。そしてカバー体50を、揺動連結具51を介して閉塞揺動させることで、このカバー体50を切り欠き28内に位置させかつフロアマット25と面一状として、操作用孔21の上方を閉塞し得る。このときロック手段53においては、ロック部54に被ロック部55を嵌入させており、したがって、被ロック部55側からキー56を差し込んでロック操作することで、カバー体50をフロアボード20側に固定(ロック)し得る。
【0036】
上記した実施の形態2において、フロアマット25には、カバー体50の形状に相当する切り欠き28が形成されているが、この切り欠き28の部分に、上述した実施の形態1と同様に舌片部が設けられた形式などであったもよい。
【0037】
上記した実施の形態1,2では、産業用車輌としてカウンタータイプのフォークリフト1が示されているが、産業用車輌としては、大型の運搬車、ローダ、サイドフォークリフトなどであっても同様に作用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1を示し、産業用車輛のボンネット操作装置における係合状態での縦断側面図である。
【図2】同産業用車輛の側面図である。
【図3】同産業用車輛のボンネット操作装置における操作孔開放時の要部の縦断側面図である。
【図4】同産業用車輛のボンネット操作装置における操作孔開放時の要部の横断平面図である。
【図5】同産業用車輛のボンネット操作装置におけるフロアマット部で、(a)は操作孔閉塞時の要部の斜視図、(b)は操作孔開放時の要部の斜視図である。
【図6】同産業用車輛のボンネット操作装置におけるボンネット開放揺動状態での縦断側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2を示し、産業用車輛のボンネット操作装置における係合状態での縦断側面図である。
【図8】同産業用車輛のボンネット操作装置における操作孔開放時の要部の縦断側面図である。
【図9】同産業用車輛のボンネット操作装置における操作孔開放時の要部の横断平面図である。
【図10】同産業用車輛のボンネット操作装置におけるフロアマット部で、(a)は操作孔閉塞時の要部の斜視図、(b)は操作孔開放時の要部の斜視図である。
【図11】同産業用車輛のボンネット操作装置におけるボンネット開放揺動状態での縦断側面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 フォークリフト(産業用車輌)
2 車体
5 運転席
6 マスト
13 フォーク
14 座席
15 ハンドル
18 エンジン
20 フロアボード
21 操作用孔
22 ボンネット
23 揺動連結具
25 フロアマット
25a 舌片部(一部)
26 切り込み
27 開閉操作孔
28 切り欠き
30 係脱手段
33 連結ピン
34 リンク体
36 フック部
36a 係合案内面
36b 係合面
37 被係止体
40 巻きばね体(付勢体)
41 操作レバー
41a 操作部
50 カバー体
51 揺動連結具
53 ロック手段
56 キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側のフロアボード上には開閉揺動自在なボンネットが設けられるとともに、このボンネットと車体側との内部間にはリンクレバー式の係脱手段が設けられ、前記フロアボードには、係脱手段の操作レバーに対向して操作用孔が形成され、フロアボード上に敷設されるフロアマットの一部は、前記操作用孔の上方を開閉可能に形成されていることを特徴とする産業用車輛のボンネット操作装置。
【請求項2】
車体側のフロアボード上には開閉揺動自在なボンネットが設けられるとともに、このボンネットと車体側との内部間にはリンクレバー式の係脱手段が設けられ、前記フロアボードには、係脱手段の操作レバーに対向して操作用孔が形成され、フロアボード上には前記操作用孔を開閉可能なカバー体が設けられるとともに、このカバー体の閉塞姿勢をロック可能なロック手段が設けられていることを特徴とする産業用車輛のボンネット操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−21750(P2006−21750A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−117619(P2005−117619)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】