説明

田植機

【課題】簡易な構造で整地装置のロータ側端部を収納可能にするとともに、収納時にサイドロータを中央ロータ軸上に固定可能とした田植機を提供する。
【解決手段】左右方向に軸線を向けた整地装置本体35のロータ軸39を、中央ロータ軸39aと、サイドロータ軸39bとから形成し、サイドロータ40bをサイドロータ軸39bと共に中央ロータ軸39aと正面視回動可能に軸支した。また、前記中央ロータ軸39aの外側端部に設けた固定側動力伝達部材49aと、サイドロータ軸39bの内側端部に設けた被動力伝達部材49bに、相互に軸線方向に突き合う突き合わせ面を形成し、嵌合孔53aと嵌合ピン53bとを突き合わせて嵌合させるようにするとともに、平面視略J字状の回動支点軸82上を正面視回動可能に配置して、該サイドロータ軸39b及びサイドロータ40bを作業位置、収納位置に固定可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整地装置を具備する田植機に関し、詳しくは整地装置の収納技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、田植機の一形態として、走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、該植付部に整地装置を取り付けたものがある。
該整地装置は、左右方向に軸線を向けたロータ軸と、該ロータ軸の外周に同軸的に取り付けた複数のロータと、左右に隣接するロータ間にてロータ軸に連動連結して走行部に設けた原動機部からの動力をロータ軸に伝動する伝動ケースとを具備しており、該ロータ軸は、植付部の左右幅と略同一幅に形成して、該ロータ軸の外周に複数のロータを同軸的に取り付けている。このようにして、ロータを回動させながら圃場面を移動させることにより、該ロータにより圃場面を整地(均す)することができるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−78503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記した整地装置では、ロータ軸を植付部の左右幅と略同一の広幅に形成しているために、田植機を運搬車の荷台に載せて搬送する際の積み降ろし作業に整地装置が支障となることがある。つまり、4条や5条等の田植機ではトラックの荷台に積み込むことができるが、8条以上では荷台からはみ出してしまい積み込むことができない。そこで、両側の条を折りたたむようにしている。
そして、整地装置の左右幅を短幅化するためにロータの側端部(サイドロータ)を取り外すことができる場合でも、取り外したサイドロータを保管するスペースが必要となり、田植機を収納している間に該サイドロータを紛失する等の虞もあった。
本発明は上記の課題を解決するために、簡易な構造でサイドロータを収納可能にするとともに、収納時に該サイドロータを中央ロータ軸上部に固定可能とした田植機を低コストで提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
即ち、請求項1においては、走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、該植付部のフロート前方に圃場面を整地する整地装置本体を左右方向に配置する田植機において、整地装置本体を中央整地体と、該中央整地体の左右一側または両側に設けるサイド整地体とから構成し、前記中央整地体外側上部にサイド整地体の内側上部を上下回動可能に枢支し、該サイド整地体を上方に回動して収納可能に構成したものである。
【0006】
請求項2においては、前記整地装置本体は、左右方向に軸線を有するロータ軸と、該ロータ軸に動力を伝達する伝動ケースと、該ロータ軸上に取り付けたロータと、該ロータ上方を覆うロータケースより構成し、中央整地体のロータ軸の端部に円板状の動力伝達部材を配置し、サイド整地体のロータ軸の端部に円板状の被動力伝達部材を配置し、該動力伝達部材と被動力伝達部材の対向面の一方には嵌合凹部を形成し、他方には嵌合凸部を形成して、該嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌合させて動力伝達するようにしたものである。
【0007】
請求項3においては、前記中央整地体の主フレームの外側と、サイド整地体のサイドフレームの内側を回動支点軸により枢支し、該回動支点軸に一体的にロック部を形成するとともに、該ロック部を主フレームに形成した作業位置嵌合部または収納位置嵌合部に嵌合可能に構成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0009】
請求項1においては、中央整地体外側上部にサイド整地体の内側上部を上下回動可能に枢支し、該サイド整地体を上方に回動して収納可能に構成したので、田植機を運搬車の荷台に載せて搬送する際の積み降ろし作業時や収納時に、左右どちらか一方または両側のサイド整地体を機体内側に回動させ、整地装置の左右幅を短幅化して収納することができる。
【0010】
請求項2においては、サイドロータ軸と中央ロータ軸の結合部材を該嵌合凹部と嵌合凸部とを突き合わせて嵌合させることにより、該中央ロータ軸とサイドロータ軸を同軸状に強固に結合させることができ、ロータ駆動時に相互にぶれたり、芯ずれを起こしたりすることなく着実に回動を伝えることができる。
【0011】
請求項3においては、整地装置作業時及び収納時に、サイド整地体を作業位置及び収納位置に簡単な構造かつワンタッチで固定することができ、コストを下げることができる。また、該サイドロータ等は機体と分離することがないので、長期間収納した場合でも紛失等の虞がなく、さらに固定時に工具を必要としないので、作業者の負担を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
図1は本発明に係る田植機の側面図である。
図2は田植機の整地装置の側面図である。
図3は整地装置本体の正面図である。
図4は整地装置本体の回動連結部分の正面図である。
図5は整地装置本体の回動連結部分の平面図である。
図6は整地装置本体の回動連結部分の収納位置での斜視図である。
図7は整地装置本体の別実施例の正面断面図である。
【0013】
図1に示すAは、本発明に係る田植機であり、該田植機Aは、走行部1の後方に昇降機構3を介して植付部2を昇降自在に連結し、該植付部2に整地装置4を取り付けている。
【0014】
走行部1は、機体フレーム10の前部に原動機部11を配設し、該原動機部11の後方に運転部12を配設すると共に、機体フレーム10の前部下方にフロントアクスルケース(図示せず)を介して左右一対の前車輪13・13を取り付ける一方、機体フレーム10の後部にリヤアクスルケース14を介して左右一対の後車輪15・15を取り付けている。16は、運転部12に設けたハンドル、17は、運転部12に設けた運転席である。
【0015】
植付部2は、横送りケース25の前部より上方へ植付フレーム26を立設して、該植付フレーム26に苗載台27を左右往復移動自在に取り付け、横送りケース25の後部に設けた植付爪28により苗載台27上に載置した苗マットから苗株を切り取り圃場に植え付けるようにしている。29はフロートである。
【0016】
昇降機構3は、走行部1の機体フレーム10の後部に設けた立ち上がりフレーム形成体30と、植付部2の植付フレーム26との間に介設しており、トップリンク31とロワリンク32と、該ロワリンク32を昇降させる昇降シリンダ(図示せず)とを具備している。このようにして、昇降シリンダによりトップリンク31とロワリンク32を介して植付部2を昇降させることができるようにしている。
【0017】
整地装置4は、図2に示すように、植付部2の直前方に配置した整地装置本体35と、走行部1のリヤアクスルケース14の前壁に取り付けた伝動機構部36と、該伝動機構部36と上記整地装置本体35との間に介設した整地伝動シャフト37とを具備している。
【0018】
整地装置本体35は、中央整地体と、該中央整地体の左右一側または両側に設けるサイド整地体とから構成し、フロート29の前方に左右方向に配置され、図2及び図3に示すように、植付部2の植付フレーム26に取り付けた昇降支持機枠38・38と、該昇降支持機枠38・38の下端部間に横架した左・右側ロータ軸39・39と、各ロータ軸39・39の外周に同軸上に取り付けた複数のロータ40と、略中央部において左右に隣接するロータ40・40間にて各ロータ軸39・39に連動連結して、走行部1に設けた原動機部11からの動力を各ロータ軸39・39に伝動する伝動ケース41と、ロータ40上方を覆うロータケース34・34から構成している。ロータ40はロータ軸39から放射状に支持体を突設し、該支持体先端に羽根体を左右方向に取り付けて、回転させることにより圃場面を攪拌して均す構成としている。
【0019】
前記伝動ケース41内には、整地伝動シャフト37の後部にユニバーサルジョイントを介して連結される軸線を前方に向けた入力軸と、ロータ軸と連結される軸線を左右に向けた出力軸が、歯車を噛合させる等の伝動伝達機構により連結され配置されている。これにより、原動機部11からの回動を伝動機構部36→整地伝動シャフト37→入力軸→出力軸→ロータ軸39・39と伝達し、各ロータ軸39・39の外周に取り付けたロータ40・40を回動させて整地作業を行うことができるようにしている。
【0020】
ここで、昇降支持機枠38・38は、植付フレーム26に左右一対の枢支ブラケット42・42を介して左右方向に伸延する回動支軸43を回動自在に横架し、該回動支軸43の左右側部より前方へ向けて左右一対の昇降アーム44・44を突設し、各昇降アーム44・44の先端部に上下方向に伸延して枢支されるリンク45・45を介して上下方向に伸延する左右一対の摺動ロッド46・46の上端部を枢結している。そして、左右一対の摺動ロッド46・46は、植付フレーム26に取り付けた左右一対のガイド体47・47に中途部を上下摺動自在にガイドさせており、下端部にて左・右側ロータ軸39・39の各左右中途部を枢支している。また、回動支軸43の中央部には、前後方向に伸延する昇降操作レバー48の基端部を取り付けている。
【0021】
このようにして、昇降操作レバー48を上下方向に回動操作することにより、左右一対の摺動ロッド46・46を上下方向に摺動させて、左・右側ロータ軸39・39に取り付けたロータ40を、圃場面に接地させた使用位置と、圃場面から離隔させた不使用位置との間で昇降させることができるようにしている。
【0022】
ロータ軸39・39は、植付部2に前記昇降支持機枠38・38を介して支持された中央ロータ軸39a・39aと、各中央ロータ軸39a・39aの外側端部の少なくとも左右いずれか一側端部に連結したサイドロータ軸39b・39bとから形成している。そして、該中央ロータ軸39a・39aの外周には、同軸上にそれぞれ複数の中央側ロータ40aが取り付けられ、サイドロータ軸39b・39bの外周には、同軸上にそれぞれ複数のサイドロータ40bを取り付けている。該中央ロータ軸39a・39aは、昇降支持機枠38・38の一部を形成する摺動ロッド46・46の下端部に設けた中央ロータ軸支持部材52・52に枢支されている。
【0023】
本発明の実施例1に係る整地装置本体35のサイド整地体の収納構成について説明する。図3及び図6に示すように、摺動ロッド46・46には主フレーム81a・81aが機体外側に向かって延設されており、該主フレーム81a・81aの先端部にサイドフレーム81b・81bが回動支点軸82・82を介して回動可能に軸支されている。そして、該サイドフレーム81b・81bの下面には前方及び下方を開放した箱型に形成したサイドロータケース54・54が固設されており、該サイドロータケース54・54にサイドロータ軸39b・39bの両側が回転自在に枢支されている。
【0024】
図4乃至図6を用いて、前記サイドロータ軸39b及びサイドロータ40bの構造について説明する。図4は整地装置本体の回動連結部分の正面図、図5は整地装置本体の回動連結部分の平面図、図6は整地装置本体の回動連結部分の収納位置での斜視図である。なお、図6においては中央側ロータ40a及びサイドロータ40bは省略してある。
前記中央ロータ軸39aの外側端部には円板状に構成した動力伝達部材49aの中心部が固設され、サイドロータ軸39bの内側端部には円板状に構成した被動力伝達部材49bの中心部が固設されている。そして、本実施例では被動力伝達部材49bと対向する側の動力伝達部材49aの突き合わせ面の中心部分には嵌合孔84aが開口され、該嵌合孔84aを挟んでその両側に嵌合孔53a・53aが開口されている。
一方、被動力伝達部材49bの動力伝達部材49aと対向する面には、中心部分に前記嵌合孔84aに挿入可能な嵌合ピン84bが突出され、該嵌合ピン84bを挟んでその両側に前記嵌合孔53a・53aに挿入可能な嵌合ピン53b・53bが突設されている。こうして、整地装置本体35を拡幅して作業状態とする場合は、該嵌合孔84aと嵌合ピン84bを嵌合させて軸中心の位置決めを行い、嵌合孔53a・53aと嵌合ピン53b・53bをそれぞれ嵌合させることで、中央ロータ軸39aからサイドロータ軸39bに動力を伝達可能としている。
【0025】
なお、動力伝達部材49aの嵌合孔53a・53aの他に、角度を変えて他の嵌合孔53c・53cや53d・53d等を設けることにより、該動力伝達部材49aと被動力伝達部材49bを付き合わせる際の回転角の自由度を高めることができる。また、嵌合孔と嵌合ピンを配置する側は実施例に限定されるものではなく、動力伝達部材49aに嵌合ピンを、被動力伝達部材49bに嵌合孔を形成する構成としてもよく、また、嵌合孔と嵌合ピンの代わりに、溝形状の凹部と該凹部に嵌合する凸部等を設ける構成としても良い。
【0026】
前記サイドフレーム81bと主フレーム81aを回動自在に連結する回動支点軸82は、平面視略J字状に形成され、該回動支点軸82の長軸側82aが主フレーム81aの先端に設けた軸孔に挿入して回動自在に枢支され、回動支点軸82の短軸側82c先端をロック部として一体的に構成している。該ロック部となる短軸側82c先端は、主フレーム81aの先端に開口した作業位置嵌合部となる固定孔87、または、主フレーム81aの前記軸孔の斜め上部に固定した収納位置嵌合部となる固定用ボス88に挿入可能としている。長軸側82aと短軸側82cの間のU字部分82bは把手として容易に操作できるようにしている。そして、長軸側82aは主フレーム81a及びサイドフレーム81bに摺動自在、かつ、回動自在に貫入され、主フレーム81aと長軸側82a先端との間にバネ86が介装されて、回動支点軸82をロック方向に付勢している。
【0027】
そして、整地装置本体35を拡幅した作業状態とする場合は、サイドフレーム81b、サイドロータケース54、サイドロータ軸39b及びサイドロータ40bを回動支点軸82の長軸側82aを中心に機体外側に水平方向に回動し、正面視で主フレーム81aとサイドフレーム81bを一直線上に配置した状態で、回動支点軸82の短軸側82cを固定ピンとしてサイドフレーム81b及び主フレーム81aに開口された固定孔87に貫入することで、該サイドロータ40b等を作業位置に固定することができるのである。
一方、トラックの荷台に載せたり、格納したり、路上走行する場合などで、整地装置本体35を短幅化してサイド整地体を収納する場合は、回動支点軸82をバネ86に抗して前方へ引っ張ることで、短軸側82cを主フレーム81aの固定孔87から抜き、この状態で、サイドフレーム81b、サイドロータケース54、サイドロータ軸39b及びサイドロータ40bを長軸側82aを中心に上方に回動し、短軸側82cを主フレーム81a上面に固定した固定用ボス88に挿入することで、サイドロータ40b等を収納位置に保持してロックすることができるのである。
【0028】
以上により、サイドロータ軸39b等が正面視回動自在に軸支されているので、田植機Aを運搬車の荷台に載せて搬送する際には、左右のロータ側端部を機体内側に回動させて収納し、整地装置本体35の左右幅を短幅化して収めることができる。また、中央ロータ軸39aとサイドロータ軸39bを嵌合孔84a・53a・53aと嵌合ピン84b・53b・53bとを突き合わせて嵌合させることにより、該中央ロータ軸39aとサイドロータ軸39bを同軸上に強固に結合させることができ、ロータ40の駆動時に相互にぶれたり、芯ずれを起こしたりすることなく確実に回動を伝えることができる。さらに、整地装置本体35の作業時及び収納時に、サイドロータ40b等を作業位置及び収納位置に簡単な構造かつワンタッチで固定することができ、コストを下げることができる。また、該サイドロータ40bは機体と分離することがないので、長期間収納した場合でも紛失等の虞がなく、さらに固定時に工具を必要としないので、作業者の負担を軽減できる。
【0029】
次に、図7を用いて本発明の実施例2について説明する。図7は整地装置本体の別実施例の正面断面図である。本実施例において、実施例1と同一部品は同一符号を付して説明は省略する。
本実施例では、中央ロータ軸39a及びサイドロータ軸39bは中空管として構成されており、中央ロータ軸39aの外側端内には杆状の連結部材93が挿入配置されている。該連結部材93の端面からは雌ネジ部93aが形成されている。また、前記サイドロータ軸39bの内外両端部にはパイプ状の内側ガイド部材95a及び外側ガイド部材95bが固設され、該ガイド部材95a、95bの軸心部に外側から連結杆91が該サイドロータ軸39bを貫通して配置されている。また該連結杆91には、外側ガイド部材95bの機体外側に位置するように該外側ガイド部材95bの孔より径を大きく形成した平座金94が溶接配置され、内側ガイド部材95aの機体内側に位置するように該内側ガイド部材95aの孔より径を大きく形成した図示しない止め輪が配置される。このように構成することで、連結杆91の雄ネジ部91aを連結部材93の雌ネジ部93aから外した際に該止め輪が内側ガイド部材95aに当接し、連結杆91がサイドロータ軸39bから抜け出るのを防止している。さらに該連結杆91の外端に把持部92が固設され、内側端部外周に雄ネジ部91aが形成される。そして、該連結杆91はサイドロータ軸39bよりも長く形成して、雄ネジ部91aが雌ネジ部93aに螺合固定するようにしている。
こうして、格納時や荷台に載せて搬送するために、整地装置本体35の幅を短くする場合には、把持部92を手で回動させて連結杆91の雄ネジ部91aを連結部材93の雌ネジ部93aから外すことにより、該連結杆91、サイドロータ軸39b、サイドロータ40b、被動力伝達部材49b及び嵌合ピン53b・53bを組立部品として一体的に取り外すことができる。
逆に作業をする場合には、嵌合孔53a・53aと嵌合ピン53b・53bを突き合わせて嵌合させ、把持部92を手動で回動させることにより、連結杆91の雄ネジ部91aと連結部材93の雌ネジ部93aを螺合させ、前記平座金94が外側ガイド部材95bに当接するまで締め付けるのである。こうして、該連結杆91、サイドロータ軸39b、サイドロータ40b、被動力伝達部材49b及び嵌合ピン53b・53bを組立部品として一体的に作業位置に固定するのである。なお、ロータケースは取り付けることも、なくす構成とすることも可能である。
【0030】
以上により、田植機Aを運搬車の荷台に載せて搬送する際の積み降ろし作業時や収納時に、少なくとも左右どちらか一方、または、両方のロータを取り外して整地装置本体35の左右幅を短幅化して収めることができる。また、中央ロータ軸39aとサイドロータ軸39bを嵌合孔53a・53aと嵌合ピン53b・53bとを突き合わせて嵌合させることにより、該中央ロータ軸39aとサイドロータ軸39bを同軸状に強固に結合させることができ、ロータ40の駆動時に相互にぶれたり、芯ずれを起こしたりすることなく確実に回動を伝えることができる。さらに、整地装置本体35の操作時に、サイドロータ40b等を作業位置に簡単な構造で固定することができ、コストを下げることができる。さらに固定時に工具を必要としないので、作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る田植機の側面図。
【図2】田植機の整地装置の側面図。
【図3】整地装置本体の正面図。
【図4】整地装置本体の回動連結部分の正面図。
【図5】整地装置本体の回動連結部分の平面図。
【図6】整地装置本体の回動連結部分の収納位置での斜視図。
【図7】整地装置本体の別実施例の正面断面図。
【符号の説明】
【0032】
A 田植機
1 走行部
2 植付部
3 昇降機構
4 整地装置
35 整地装置本体
36 伝動機構部
37 整地伝動シャフト
38 昇降支持機枠
39 ロータ軸
40 ロータ
82 回動支点軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行部の後方に植付部を昇降自在に連結し、該植付部のフロート前方に圃場面を整地する整地装置本体を左右方向に配置する田植機において、整地装置本体を中央整地体と、該中央整地体の左右一側または両側に設けるサイド整地体とから構成し、前記中央整地体外側上部にサイド整地体の内側上部を上下回動可能に枢支し、該サイド整地体を上方に回動して収納可能に構成したことを特徴とする田植機。
【請求項2】
前記整地装置本体は、左右方向に軸線を有するロータ軸と、該ロータ軸に動力を伝達する伝動ケースと、該ロータ軸上に取り付けたロータと、該ロータ上方を覆うロータケースより構成し、中央整地体のロータ軸の端部に円板状の動力伝達部材を配置し、サイド整地体のロータ軸の端部に円板状の被動力伝達部材を配置し、該動力伝達部材と被動力伝達部材の対向面の一方には嵌合凹部を形成し、他方には嵌合凸部を形成して、該嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌合させて動力伝達するようにした、請求項1に記載の田植機。
【請求項3】
前記中央整地体の主フレームの外側と、サイド整地体のサイドフレームの内側を回動支点軸により枢支し、該回動支点軸に一体的にロック部を形成するとともに、該ロック部を主フレームに形成した作業位置嵌合部または収納位置嵌合部に嵌合可能に構成した、請求項1に記載の田植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−61560(P2008−61560A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242163(P2006−242163)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】