説明

番組録画再生装置

【課題】 大容量のハードディスクを使用したテレビ番組録画再生装置で多量に録画された番組から毎日又は毎週同時刻に放送されたシリーズ番組を続けて見るとき、快適な操作性の録画再生装置を提供する。
【解決手段】 録画する番組及び番組情報に番組IDを付してデータベース化して記録媒体に番組を録画させるデータベース化録画手段(録画番組情報データベース部5)と、記録媒体に録画された番組の中から選択した番組を再生した際には、選択した番組と同一の番組IDを記録媒体に録画されている番組の中から検索して共通IDとして設定する番組ID設定手段(録画予約情報データベース部12)と、共通IDを検出して記録媒体に録画されている番組を再生する再生手段(画像音声デコーダ6)と、を有する録画再生装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ番組等を大量に録画したものを再生する際の番組選択の利便性を改良した番組録画再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従来のテレビ放送にBS放送(Broadcast Satellite)やCS放送(Communication Satellite)等が加わりテレビ番組が多様化されてきたのに合わせて、テレビ番組録画再生装置のタイマー録画予約機能も使い勝手をよくする工夫がいろいろ成されている。
下記特許文献1では、キーワードを入力することでCS放送の多チャンネル番組の中から使用者の関心のある番組を自動的に選択し、簡単で確実に録画予約する手段が提供されている。又、毎日又は毎週同時刻に放送されるシリーズ番組も一度の設定で継続して録画予約できる手段も提供されている。
【0003】
一方、テレビ番組録画再生装置は、記録メディアに大容量のハードディスクを使用して多量のテレビ番組を録画できる装置が普及してきている。
このようなハードディスクを使用した録画再生装置の使い勝手の面で、これまでのビデオカセットを用いた録画再生装置と大きく異なる点の一つは、ハードディスクを使用した録画再生装置では記録した番組を装置内部に大量に保存して置き、再生するときに使用者は画面に表れた保存番組の一覧表から見たい番組を選択する操作を行うことである。
ハードディスクを使用した録画再生装置の一例として、内蔵するハードディスクの容量が250GB(ギガバイト)のものでは、標準モードで100時間以上、長時間モードでは200時間以上が記録できるので、装置内部に保存できる番組数は数十本から数百本と膨大な数になる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−187328号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したように、大容量のハードディスクを使用したテレビ番組録画再生装置では、録画した番組を再生するに当り、まず保存番組リストを呼び出し、その中から再生したい番組を選択する必要がある。しかし、録画した番組数が数十本から数百本になるとその中から特定の番組を見つけ出すのは大変である。
ことに毎日又は毎週同時刻に放送される比較的短時間のシリーズ番組を続けて見たいときに、1本見終わる毎に一々リストを呼び出したり、又そのリストもその間に他の番組が録画されていると並んで表示されていないために続きの番組を探したりするなど不便なことが多い。
【0006】
このように、近年録画予約については特許文献1に見られるように使用者の使い勝手をよくする工夫が成されているが、しかしながら、録画した番組を再生するときの使用者の利便性はあまり図られていない。上記特許文献1も再生時の操作性の改良に関しては何ら触れていない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、大容量のハードディスクを使用したテレビ番組録画再生装置で、多量に録画された番組から毎日又は毎週同時刻に放送されたシリーズ番組を続けて見たいときの利便性を考慮した録画再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決する手段として、以下の(1)(2)(3)に記載の構成からなる。すなわち、
(1)放送される番組及び前記番組に関する番組情報の録画を記録媒体に行った後、前記記録媒体から読み出して再生を行う番組録画再生装置において、前記番組及び前記番組情報に番組IDを付してデータベース化して前記記録媒体に複数個の番組を録画させるデータベース化録画手段と、前記記録媒体に録画された前記複数個の番組の中から選択した番組を再生した際には、前記選択した番組と同一の番組IDを前記記録媒体に録画されている前記複数個の番組の中から検索して共通IDとして設定する番組ID設定手段と、前記共通IDを検出して前記記録媒体に録画されている番組を再生する再生手段と、を有する番組録画再生装置。
(2)放送される番組及び前記番組に関する番組情報の録画を記録媒体に行った後、前記記録媒体から読み出して再生を行う番組録画再生装置において、前記番組及び前記番組情報に番組IDを付してデータベース化して前記記録媒体に複数個の番組を録画させるデータベース化録画手段と、前記記録媒体に録画された前記複数個の番組の中の定期的に放送される番組を再生した際には、前記定期的に放送される番組と同一の番組IDを前記記録媒体に録画されている前記複数個の番組の中から検索して共通IDとして設定する番組ID設定手段と、前記共通IDを検出して前記記録媒体に録画されている番組を再生する再生手段と、を有する番組録画再生装置。
(3)前記共通IDの検索を行って、前期選択した番組から過去に録画された番組に遡って順次再生を行う操作を行う操作手段を有する上記(1)(2)に記載の番組録画再生装置である。
【発明の効果】
【0008】
大容量のハードディスクを使用したテレビ番組録画再生装置で、多量に録画された番組から毎日又は毎週同時刻に放送されたシリーズ番組を続けて見るとき、1本の番組を見終わる毎に一々保存番組リストを呼び出し、大量のリストの中から次の番組を探し出して選択する手間がなくなるので、番組の視聴に没頭できるなどの快適な操作性が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面と共に説明する。
図1は本発明に係る録画再生装置の構成を示すブロック図、図2は録画予約情報データベースの内容を説明する図、図3は録画番組情報データベースの内容を説明する図、図4は修正した録画番組情報データベースの内容を説明する図である。
【0010】
まず、図1に示す本発明に係る録画再生装置の構成を説明する。チューナ1で受信したテレビ放送電波は復調されて画像音声信号になり、次の画像音声エンコーダ2に供給されてMPEG信号等の所定のデジタル圧縮信号に変換される。変換されてできたデジタル圧縮信号は、次に内部にハードディスクを有する大容量記憶装置3に供給され、画像音声データ部4に記録される。このとき同時に、日時等の各種情報を録画番組情報データベース部5に記録する。次いで画像音声データ部4に記録されたデジタル圧縮信号は読み出され、次の画像音声デコーダ6に入り、ここでデジタル圧縮信号が復号されて元の画像音声信号に戻る。デジタル圧縮信号から元に戻った画像音声信号は、次いで後述のオンスクリーン表示13からの表示信号とで適宜切替えられ画像音声出力部7を経て外部に出力される。
【0011】
一方、図1に示す録画再生装置にはマイコン10があり、本体の操作部8及びリモコン9からの入力命令に応じて装置内の各部を制御している。又、録画予約の操作性を向上させるために、一度入力した予約情報を録画予約情報データベース部12に記憶しておくための記憶装置11を有している。又録画予約情報データベース部12の録画予約情報や録画番組情報データベース部5の録画番組情報を画面表示するために表示画像信号を生成するオンスクリーン表示13が用意されている。
【0012】
次に、録画予約の操作と録画再生装置の動作を説明する。
使用者は、まず操作部8又はリモコン9を操作してテレビ番組の録画予約設定を行う。使用者が入力する録画予約データとしては、録画開始日、録画開始時刻、録画終了日、録画終了時刻、放送局のチャンネル数が基本であるが、この中で録画開始日と録画終了日は日付でなく毎日又は毎週(曜日)と指定することもできる。又新聞等の番組表にある番組コードを入力する方法もあり、この場合でも入力された番組コードは録画再生装置の内部では上記各種のデータに変換されて使用される。
【0013】
入力された録画予約データはマイコン10を経由してオンスクリーン表示13で表示画像信号に生成され画像音声出力部7を経て出力され外部のテレビ画面に表示される。又同時に録画予約データは記憶装置11の録画予約情報データベース部12に登録される。
登録されている録画予約内容を見るときには、操作部8又はリモコン9の操作により、録画予約情報データベース12の内容をマイコン10が読み出し、リスト形式にしてオンスクリーン表示13に供給する。オンスクリーン表示13では表示画像信号を生成し、画像音声出力部7を経て外部のテレビ画面に表示画像信号が出力され表示される。図2は登録されている録画予約内容を表示した一例である。
【0014】
次に本発明の中心である「番組ID」の付加について説明する。図2において、項目欄の最後に「番組ID」が設けられている。この欄の数値は使用者が入力するものではなく録画再生装置が規則に則って自動的に挿入するものである。
番組IDは毎日又は毎週等の周期で継続して録画予約する番組に対して付加するIDであり、同一の番組に対しては同一の数値を当てはめる。図2の例では、毎週月曜日20:00〜21:00チャンネル1の番組には番組IDとして「01」を、同じく毎週火曜日21:00〜22:00 チャンネル4の番組には「02」を付けている。又周期的でなく単発の録画予約番組は「00」が当てはめられる。この番組IDは後述するように、各番組が録画されたときに録画日時等の各種情報と一緒に録画番組情報データベース部5に記録されるようになっている。
【0015】
次に録画動作の説明に戻る。マイコン10は、録画予約情報データベース12の内容を監視しており、録画開始日の録画開始時刻になるとチューナ1の放送局チャンネルを設定し、大容量記憶装置3の画像音声データ部4にデジタル圧縮信号を記録保存するとともに、録画番組情報データベース部5に録画した番組の録画開始日、録画開始時刻、録画終了日、録画終了時刻、放送局のチャンネル、番組ID等を記録する。
【0016】
次に録画した番組を再生するときの動作を説明する。録画した番組を見るときには、録画番組情報データベース5に記録されている録画番組情報を画面表示させ、その中から見たい番組を選んで再生する。図3に録画番組情報の表示例を示す。
ここで、今再生していた番組が終了したときには、マイコン10は録画番組情報データベース5を検索し、その番組と同じ番組IDで録画開始日時が次に新しいものを探し出し続けてその番組を再生するように制御する。この動作により、使用者が一々録画番組情報から続きの番組を選択しなくとも良いことになる。
【0017】
又、番組を見ている最中に操作部8又はリモコン9に用意された「NEXT」ボタンを操作したきには、マイコン10は録画番組情報データベース5を検索し、今見ていた番組と同じ番組IDで録画開始日時が次に新しいものを見つけ、現在見ている番組を停止して検索した番組を再生することができる。
更に、番組を見ている最中に操作部8又はリモコン9に用意された「PREV」ボタンを操作したきには、マイコン10は録画番組情報データベース5を検索し、今見ていた番組と同じ番組IDで録画開始日時が次に古いものを見つけ、現在見ている番組を停止して検索した番組を再生することもできる。
このようにシリーズ番組については共通の番組IDが割り当てられているので、録画番組情報をその都度表示して選択することなく操作でき、使用者は番組の視聴に没頭できるなどの快適な操作性が可能となる。
【0018】
次に、毎日又は毎週の継続録画予約中に所定の放送時間が変更になった場合の対処を説明する。例えば毎週火曜日21:00〜22:00 チャンネル4の録画予約で、2004/12/21の該当日に特別番組の影響で所定番組が23:00〜24:00の放送時間に変更になった場合について述べる。
この場合は、図2の下段に示すように、新たに録画日時等の予約情報を入力し直して録画予約することになる。このとき、番組IDは単発の録画予約番組と判断されるので「00」となりシリーズ番組の共通IDでなくなる。
この状態で録画すると、2004/12/21は21:00からと23:00からの2回録画が行われ、そのときの録画番組情報データベース12の内容は図3に示すようになる。
【0019】
ここで、2004/12/21の21:00から録画した番組は特別番組であり、本来録画するつもりでない番組なので操作部8又はリモコン9を操作して削除する。2004/12/21 23:00から録画した番組は、本来火曜日の21:00から録画するつもりでいた番組なので、操作部8又はリモコン9を操作して番組IDを「02」に付け直すようにする。このように修正したときの録画番組情報データベース12の内容を図4に示す。
このように番号IDを付け直すことによって、シリーズ番組として扱うことができるようになる。
【0020】
以上詳述したように、本発明に係る番組録画再生装置では、毎日又は毎週同時刻に放送されるシリーズ番組に共通の番組IDを付加して録画番組の管理をすることにより、再生時に一連のシリーズ番組を見るとき、1本見終わる毎に一々保存番組リストを表示させて大量のリストの中から次の番組を探し出して選択することなく続けて再生することができるようになるので番組の視聴に没頭できるなどの快適な操作性が可能となる。
なお、本実施例では、録画予約データとして録画開始日、録画開始時刻、録画終了日、録画終了時刻、放送局のチャンネル数を用いたが、これに限ることなく、例えばEPG(Electronic Programming Guide)を用いて入力しても良いことは当然である。この場合もEPGから番組を選択した後に毎日又は毎週等の周期情報を追加指定することで共通の番組IDが設定されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る録画再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】録画予約情報データベースの内容を説明する図である。
【図3】録画番組情報データベースの内容を説明する図である。
【図4】修正した録画番組情報データベースの内容を説明する図である。
【符号の説明】
【0022】
1 チューナ
2 画像音声エンコーダ
3 大容量記憶装置
4 画像音声データ部
5 録画番組情報データベース部
6 画像音声デコーダ
7 画像音声出力部
8 操作部
9 リモコン
10 マイコン
11 記憶装置
12 録画予約情報データベース部
13 オンスクリーン表示


【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組及び前記番組に関する番組情報の録画を記録媒体に行った後、前記記録媒体から読み出して再生を行う番組録画再生装置において、
前記番組及び前記番組情報に番組IDを付してデータベース化して前記記録媒体に複数個の番組を録画させるデータベース化録画手段と、
前記記録媒体に録画された前記複数個の番組の中から選択した番組を再生した際には、前記選択した番組と同一の番組IDを前記記録媒体に録画されている前記複数個の番組の中から検索して共通IDとして設定する番組ID設定手段と、
前記共通IDを検出して前記記録媒体に録画されている番組を再生する再生手段と、
を有することを特徴とする番組録画再生装置。
【請求項2】
放送される番組及び前記番組に関する番組情報の録画を記録媒体に行った後、前記記録媒体から読み出して再生を行う番組録画再生装置において、
前記番組及び前記番組情報に番組IDを付してデータベース化して前記記録媒体に複数個の番組を録画させるデータベース化録画手段と、
前記記録媒体に録画された前記複数個の番組の中の定期的に放送される番組を再生した際には、前記定期的に放送される番組と同一の番組IDを前記記録媒体に録画されている前記複数個の番組の中から検索して共通IDとして設定する番組ID設定手段と、
前記共通IDを検出して前記記録媒体に録画されている番組を再生する再生手段と、
を有することを特徴とする番組録画再生装置。
【請求項3】
前記共通IDの検索を行って、前期選択した番組から過去に録画された番組に遡って順次再生を行う操作を行う操作手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の番組録画再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−180058(P2006−180058A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369409(P2004−369409)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】