説明

移動通信端末、通信システム、プログラム、通信方法

【課題】移動通信端末のサイズを維持したまま、コンテンツデータを自動受信できる移動通信端末を提供する。
【解決手段】この移動通信端末は、第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、第1アンテナによって受信された第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、第2アンテナによって受信された第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、第2アンテナの取り付け状態に応じて、第2アンテナとの接触状態が変化する検出部と、検出部の接触状態に基づいて、第2アンテナが第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、第2受信回路の受信動作を停止させると共に、サーバに対し第1送信データを送信するようデータ要求を行う制御回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末、通信システム、プログラム、通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2012年に、音声・映像等のコンテンツのストリーミング配信及びダウンロード配信を行うマルチメディア放送が開始される。これに対し、携帯電話等の移動通信端末に、配信されるコンテンツを自動でダウンロードする機能を搭載することが企画されている。ここで、移動通信端末でマルチメディア配信されたコンテンツを受信するためには、移動通信端末にマルチメディア放送の周波数帯域の電波を受信することができるロッドアンテナやイヤホンアンテナ等を設ける必要がある。
【0003】
しかしながら、ロッドアンテナが収納されていたり、イヤホンアンテナが付いていない等、アンテナがコンテンツデータを受信できない場合がある。この場合、受信回路を動作させてもコンテンツデータを正常に受信することができず、ユーザが気づかないうちに、電池を消費してしまうという問題がある。
【0004】
特許文献1には、MIMO(Multiple Input Multiple Output)無線通信システムを搭載したコンピュータが開示されている。このコンピュータは、送信側と受信側のそれぞれに複数のアンテナを設置し、送信データをアンテナ数だけ分割して同一周波数で変調し、同時に並列的に送信することによって、同時に送信できるデータの容量を増大させている。
【0005】
受信側コンピュータは、複数の受信回路のそれぞれから受信信号強度を検出し、いずれかの受信回路から検出された第1の受信信号強度値と他の受信回路から検出された第2の受信信号強度値との間に有意差があるか否かを判断する。そして、両者に有意差があると判断された場合、受信信号強度値が小さい方の受信回路にアンテナが接続されていないと判断し、この受信回路の動作を停止する。このように、受信側コンピュータは、同じ周波数の電波を複数のアンテナによって受信し、受信状態のよいアンテナを用いて通信を行う。
【0006】
また、特許文献2には、着脱式のアンテナと、無線送受信を行う無線部と、アンテナの着脱状態を検出する検出部を備えた携帯端末が開示されている。この携帯端末は、電源投入時に、検出部によってアンテナが取り外されていると判断されると、無線部を非活性化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−290264号公報
【特許文献2】特開2008−98982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムを移動通信端末に適用させた場合、良好な受信状態のアンテナを選択するために、同じ周波数の電波を受信する複数のアンテナが設ける必要がある。ここで、マルチメディア放送に用いられる周波数帯域は、携帯電話の通話やメール、インターネット閲覧といったデータ通信に用いられる周波数帯域とは異なる。そのため、特許文献1に開示されたシステムを移動通信端末に適用した場合、移動通信端末に、データ通信に用いられるアンテナとは別に、マルチメディア放送で使用される周波数帯域の電波を受信する複数のアンテナを設けなければならず、移動通信端末の小型化を図ることができない。
【0009】
一方、特許文献2に開示された携帯電話では、アンテナが取り外されていると判断されると、通話やメールなど全ての通信を行う無線部が非活性化されてしまうため、アンテナが取り外されていると判断された場合には、サーバからコンテンツデータを一切受信することができない。
【0010】
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、移動通信端末のサイズを維持したまま、コンテンツのダウンロードの機会を損なわずに、コンテンツデータをサーバから取得することができる移動通信端末、通信システム、プログラム、通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る移動通信端末は、サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナの接続部との接触状態が変化する検出部と、前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う制御回路と、を有する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る通信システムは、サーバと、移動通信端末を有する通信システムであって、前記移動通信端末は、サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部と、前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う制御回路と、を備え、前記サーバは、前記移動通信端末からの前記データ要求に応じて、前記第1送信データを送信する、ことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る移動通信端末の通信方法は、サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部とを備えた移動通信端末の通信方法であって、前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定させ、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合に、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る移動通信端末及び通信システム、プログラム及び通信方法によれば、移動通信端末のサイズを維持したまま、コンテンツのダウンロードの機会を損なわずに、コンテンツデータをサーバから取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る移動通信端末の全体構成を示す概要図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る移動通信端末の通信方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1に係る移動通信端末の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る移動通信端末の全体構成を示す概要図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る移動通信端末の全体構成を示す概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの全体構成を示すブロック図である。この通信システムは、コンテンツ配信サーバ8、データ配信サーバ9、及び移動通信端末11を備えている。コンテンツ配信サーバ8は、例えば、マルチメディア放送の放送局であり、映像や音声等のデータ(以下、コンテンツデータという)を一斉配信するサーバである。一方、データ配信サーバ9は、特定の移動通信端末11とデータ通信を行うことにより、移動通信端末11に搭載された通話機能、メール機能、インターネット閲覧機能を実現させている。また、コンテンツ配信サーバ8によって配信されるコンテンツデータは、データ配信サーバ9にも保持されているものとする。
【0017】
移動通信端末11は、コンテンツ配信サーバ8から一斉に配信されるコンテンツデータという)を受信する機能を備えている。移動通信端末11のユーザは、予め移動通信端末11の入力キーを操作することにより、マルチメディア放送により提供される映像や音声等によって構成される特定の番組のコンテンツデータを自動受信するように設定することができる。
【0018】
移動通信端末11は、データ通信用アンテナ18、データ通信用送受信回路17、放送波用アンテナ14、放送波用受信回路13、検出部15、及び制御回路12を備えている。
【0019】
データ通信用アンテナ18は、データ配信サーバ9によって送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する。第1送信データとは、データ配信サーバ9から特定の移動通信端末に対して送信されるデータである。また、第1周波数帯は、データ配信サーバ9バから特定の移動通信端末11に対して送信されるデータを送受信するために割り当てられた周波数帯域である。通常、第1周波数帯を用いて、移動通信端末11の通話やメールや、インターネット閲覧等に関するデータが送受信される。また、後述するように、本発明では、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信できない状況では、受信できなかったコンテンツデータが、データ配信サーバ9から第1周波数帯を介して移動通信端末11に送信される。
【0020】
このデータ通信用アンテナ18は、データ通信用送受信回路17に接続されている。データ通信用送受信回路17は、データの送信機能と受信機能を備えている。データ通信用送受信回路17は、データ通信用アンテナ18によって受信された第1周波数帯の変調波を復調し、第1受信データを生成する。データ通信用送受信回路17によって生成された第1受信データは、一時的又は非一時的な記憶手段(図示せず)に格納される。また、データ通信用送受信回路17は、制御回路12によって生成された送信データを、第1周波数帯の変調波によって変調し、データ通信用アンテナ18を介して、データ配信サーバ9に送信することができる。
【0021】
放送波用アンテナ14は、コンテンツ配信サーバ8によって第2送信データが変調された第2周波数帯の変調波を受信する。第2送信データは、コンテンツ配信サーバ8によって一斉配信されるデータである。具体的には、第2送信データは、マルチメディア放送により提供される映像や音声等によって構成される特定の番組のコンテンツデータである。第2周波数帯は、第1周波数帯域とは異なる周波数帯域であり、映像や音声といったコンテンツデータを一斉配信するために割り当てられたマルチメディア放送用の周波数帯である。
【0022】
放送波用アンテナ14は、放送波用受信回路13に接続されている。放送波用受信回路13は、放送波用アンテナ14によって受信された第2周波数帯の変調波を復調し、第2受信データを生成する。第2受信データは、一時的又は非一時的な記憶手段(図示せず)に格納される。保存された第2受信データは、移動通信端末11に設けられたスピーカーやディスプレイ装置(図示せず)に出力される。これにより、スピーカーやディスプレイ装置によって、放送波によって配信された映像や音声が再生される。
【0023】
検出部15は、放送波用アンテナ14が正常にコンテンツデータを受信することができるか否かを検出するよう構成されている。具体的には、検出部15は、放送波用アンテナ14の取り付け状態に応じて、放送波用アンテナ14との接触状態が変化するように構成されている。検出部15は、放送波用アンテナ14との接触状態に応じて、検出信号を制御回路12に出力する。なお、検出部15の具体的な検出方法については後述する。
【0024】
制御回路12は、バス16を介して、検出部15、放送波用受信回路13及びデータ通信用送受信回路17に接続されている。制御回路12は、検出部15の検出結果に応じて、放送波用アンテナ14が正常に第2周波数帯の変調波を受信することができるか否かを判定する。制御回路12は、放送波用アンテナ14が、第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合には、放送波用アンテナ14の受信動作を停止させると共に、データ配信サーバ9に対し、第1送信データとしてコンテンツデータを送信するよう、データ要求を行う。
【0025】
例えば、制御回路12は、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信できない状況であると判定した場合には、データ通信用送受信回路17を起動し、データ配信サーバ9に対し、第1送信データを送信するようデータ要求を行う。このデータ要求に応じて、データ配信サーバ9は、移動通信端末11が受信できなかったコンテンツデータを、第1送信データとして移動通信端末11に対して送信する。例えば、移動通信端末11から、データ配信サーバ9に対しデータ要求を行う場合には、ユーザがコンテンツの自動受信を設定した番組の識別情報を送るように構成してもよい。これにより、移動通信端末11は、放送波用アンテナ14によって自動受信し損ねた番組のコンテンツデータを、データ配信サーバ9から自動で取得することができる。
【0026】
なお、データ要求に対してデータ配信サーバ9から移動通信端末11に送信されるコンテンツデータは、直近の所定の期間内に一斉配信されたコンテンツデータのみであってもよく、データ要求後に、コンテンツ配信サーバ8から一斉配信されるコンテンツデータであってもよい。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態1に係る移動通信端末11の全体構成を示す概要図である。データ通信用アンテナ18は、図2に示すように、移動通信端末11の筺体の内部に内蔵されている。一方、放送波用アンテナ14は、データ通信用アンテナ18よりも低い周波数帯域の電波を受信するため、アンテナとして使用する際に、所定の長さが確保できるように構成されている。例えば、実施の形態1に係る移動通信端末では、放送波用アンテナ14が、円柱形状の伸縮可能な伸縮式アンテナによって構成されている。
【0028】
この放送波用アンテナ14は、アンテナとして使用しない場合には、移動通信端末11の筺体内に収容される。また、放送波用アンテナ14は、アンテナとして使用される場合には、筺体から引き出されて伸ばされた状態となる。
【0029】
検出部15は、放送波用アンテナ14の底面に設けられている。検出部15は、放送波用アンテナ14が筐体に収容された状態で、放送波用アンテナ14の底面と接触し、放送波用アンテナ14が筐体から引き出された状態で、放送波用アンテナ14と非接触となる。このように、検出部15は、放送波用アンテナ14の状態に応じて、放送波用アンテナ14との接触状態が切り替わるよう構成されている。検出部15は、接触状態に応じて変化する信号を、検出信号として制御回路12に出力する。これにより、制御回路12は、放送波用アンテナ14の取り付け状態を検出することができる。
【0030】
次に、このように構成された実施の形態1に係る移動通信端末の制御方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る移動通信端末の制御方法を示すフローチャートである。
【0031】
図3に示すように、制御回路12は、コンテンツの自動受信要求があるか否かを判定する(ステップS11)。前述したように、コンテンツの自動受信要求は、ユーザが予め入力キー(図示せず)を操作することにより設定することができる。そのため、制御回路12は、この設定情報を参照することにより、コンテンツの自動受信要求があるか否かを判定することができる。コンテンツの自動受信要求がある場合(ステップS11:YES)、ステップS12に進む。コンテンツの自動受信要求がない場合(ステップS11:NO)、処理を終了する。
【0032】
ステップS12において、制御回路12は、検出部15から入力される検出信号(接触状態)に基づいて、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能な状態であるか判定する。放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能な状態であるとき(ステップS12:YES)、制御回路12は、放送波用受信回路13を起動する(ステップS13)。これにより、放送波用アンテナ14は、第2周波数帯のコンテンツデータを受信する。これにより、サーバからコンテンツデータが放送波用アンテナ14を介してダウンロードされ(ステップS14)、処理が終了する。
【0033】
一方、ステップS12において、制御回路12が、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能な状態でないと判断した場合(ステップS12:NO)、制御回路12は、データ通信用送受信回路17を起動する(ステップS15)。そして、制御回路12は、データ配信サーバ9に対し、データ通信用アンテナ18を介して、データを送信するようデータ要求を行う。これにより、データ配信サーバ9から移動通信端末11を指定して、コンテンツデータが第1送信データとして送信される。これにより、移動通信端末11は、データ通信用アンテナ18を介してコンテンツデータをダウンロードすることができる(ステップS16)。
【0034】
次に、このように構成された移動通信端末11の効果について説明する。本実施の形態1に係る移動通信端末11は、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能でない状態であると判定した場合には、放送波用受信回路16の受信動作を停止させると共に、サーバに対し、第1周波数帯域を用いてコンテンツデータを送信するようデータ要求を行う。
【0035】
以上のように、本実施の形態1は、アンテナが十分に伸ばされていない等、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能でない場合であっても、放送波用受信回路13が無駄に動作して、ユーザが知らない間に電池が消費されてしまう事態を回避することができる。また、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能でない場合には、データ通信用送受信回路17を起動することにより、データ通信用アンテナ18及びデータ通信用送受信回路17を用いて、データ配信サーバ9からコンテンツデータをダウンロードすることができる。これにより、アンテナが十分に伸ばされていない状況にあっても、筺体に内蔵されたデータ通信用アンテナ18を介して、コンテンツデータをダウンロードすることができる。
【0036】
また、本実施の形態1では、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能でない場合には、従来の移動通信端末11に設けられていたデータ通信用アンテナ18及びデータ通信用送受信回路17を用いてコンテンツデータをダウンロードする。そのため、追加してアンテナや受信回路を設ける必要がなく、移動通信端末11のサイズを維持したまま、上記の効果を得ることができる。
【0037】
なお、検出部15は、放送波用アンテナ14の設置状態を検出することができればどのような方法・位置に設置してもよい。例えば、図2の例では、検出部15は、放送波用アンテナ14の一部と接触可能に設けられているが、放送波用アンテナ14の設置状態を検出することができれば、放送波用アンテナ14に直接又は間接的に接続された接続部品に接触可能となるように構成してもよい。
【0038】
また、実施の形態1では、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能でない場合に、検出部15と接触するよう構成されているが、放送波用アンテナ14がコンテンツデータを受信可能である場合に検出部15に接触するよう構成してもよい。
【0039】
なお、上記の説明では、本発明の実施の形態1をコンテンツ配信サーバ8、データ配信サーバ9及び移動通信端末を備えた通信システムとして構成したが、本発明は、これに限られるものではない。例えば、本発明は、図4に示すように制御回路12、データ通信用送受信回路17、データ通信用アンテナ18、放送波用受信回路13及び放送用アンテナ14を備えた移動通信端末として実施することができる。なお、各構成要素については、上記で説明した通りであるため、同一符号を付すことによりその説明を省略する。
【0040】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る移動通信端末21の構成を示す概要図である。実施の形態2に係る移動通信端末21の特徴は、放送波用アンテナ24が、折りたたみ式アンテナによって構成されている点にある。この放送波用アンテナ24は、アンテナとして使用しない場合には、折りたたんだ状態で筺体の側面に収容され、アンテナとして使用される場合には、筺体に取り付けられた部分の反対側の端部が、筺体の外側に開く(突出する)状態となる。放送波用アンテナ24は、折りたたまれた状態で、先端部が検出部15と接触し、筐体の外側に開いた状態で検出部15と非接触になる。
【0041】
このように、本発明は、折りたたみ式アンテナを有する移動通信端末にも適用することができる。なお、全体構成のブロック図及びフローチャートについては、図1及び図3と略同一であるため、その説明を省略する。
【0042】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る移動通信端末の構成を示す概要図である。実施の形態3に係る移動通信端末31の特徴は、放送波用受信アンテナ34が、イヤホン式アンテナとして構成されている点にある。放送波用受信アンテナ34は、図6に示すように、先端に二股に分かれた左右のイヤホンが取り付けられている。放送波用受信アンテナ34は、アンテナとして使用しない場合には、筺体から取り外され、アンテナとして使用される場合には、筐体の外側に接続された装着部に装着される。
【0043】
実施の形態3に係る移動通信端末31では、検出部15が、放送波用受信アンテナ34が装着される装着部に設けられている。放送波用受信アンテナ34は、筺体から取り外された状態で、検出部15と非接触となり、筐体の側面に装着された常態で検出部15と接触する。このように、本発明は、イヤホン式アンテナを有する移動通信端末にも適用することができる。
【0044】
なお、本発明は、上記の実施の形態1乃至3の態様に限られず、種々の設計変更を行うことができる。例えば、図1では、コンテンツ配信サーバ8とデータ配信サーバ9がそれぞれ設けられているが、コンテンツ配信サーバ8とデータ配信サーバ9の機能を、1つのサーバに集約させてもよい。
【0045】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、図3の任意の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0046】
このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【符号の説明】
【0047】
11、21、31 移動通信端末
13 放送波用受信回路
14 放送波用アンテナ
15 検出部
16 バス
17 データ通信用送受信回路
18 データ通信用アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、
前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、
前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、
前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、
前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部と、
前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う制御回路と、を有する移動通信端末。
【請求項2】
前記第1受信回路は、第1周波数帯の変調波を生成する送信機能を備えたデータ通信用送受信回路であって、
前記制御回路は、前記データ通信用送受信回路を用いて前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う、請求項1に記載の移動通信端末。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記データ通信用送受信回路を起動する、請求項2に記載の移動通信端末。
【請求項4】
前記第2アンテナは、伸縮式アンテナ、折りたたみ式アンテナ、及びイヤホン式アンテナのうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項5】
前記データ要求に際し、ユーザによって予め指定された特定の番組の識別情報を前記サーバに送信する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の移動通信端末。
【請求項6】
サーバと、移動通信端末を有する通信システムであって、
前記移動通信端末は、
サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、
前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、
前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、
前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、
前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部と、
前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う制御回路と、を備え、
前記サーバは、前記移動通信端末からの前記データ要求に応じて、前記第1送信データを送信する、通信システム。
【請求項7】
サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部とを備えた移動通信端末のコンピュータに、
前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定させ、
前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合に、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う処理を実行させるプログラム。
【請求項8】
前記移動通信端末は、第1周波数帯の変調波を生成する第1送信回路を備え、
前記コンピュータに、前記第1送信回路を用いて前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータに、
前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合、前記第1受信回路を起動する処理を実行させるための請求項7又は8に記載のプログラム。
【請求項10】
サーバから特定の移動通信端末に対して送信される第1送信データが変調された第1周波数帯の変調波を受信する第1アンテナと、前記サーバから一斉配信される第2送信データが変調された、前記第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の変調波を受信する第2アンテナと、前記第1アンテナによって受信された前記第1周波数帯の変調波を復調し第1受信データを生成する第1受信回路と、前記第2アンテナによって受信された前記第2周波数帯の変調波を復調し第2受信データを生成する第2受信回路と、前記第2アンテナの取り付け状態に応じて、前記第2アンテナ又は前記第2アンテナに接続された接続部との接触状態が変化する検出部とを備えた移動通信端末の通信方法であって、
前記検出部の接触状態に基づいて、前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定させ、
前記第2アンテナが前記第2周波数帯の変調波を受信できる状態でないと判定した場合に、前記第2受信回路の受信動作を停止させると共に、前記サーバに対し前記第1送信データを送信するようデータ要求を行う通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−222686(P2012−222686A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88143(P2011−88143)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】