説明

給湯器リモコン

【課題】ノイズの影響を低減してFM文字多重放送を受信することができる給湯器リモコンを提供することを目的とする。
【解決手段】両面実装基板であるメイン基板110のA面に給湯器リモコンの作動を制御するマイコン50を実装し、メイン基板110のB面のマイコン50が実装された部分と対向する箇所に導電性金属ケース120を搭載し、導電性金属ケース120内に、FM文字多重放送の受信が可能であって金属シールドカバー76で覆われたチューナーモジュールとマイコン73とが実装されたチューナー基板70を装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FM文字多重放送の受信機能を備えた給湯器リモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FM放送の音声電波の隙間に、ニュースや天気予報等の文字情報を有するデータを重畳させて配信するFM文字多重放送が普及している。そして、FM文字多重放送により配信される文字情報には、現在時刻情報が含まれるものがあることから、FM文字多重放送を受信するデータ受信装置と、現在時刻を計時して表示を行なう時計装置とを備え、該データ受信装置により受信されるFM文字多重放送の受信信号に含まれる現在時刻情報に基づいて、時計装置による計時時刻を修正するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−289462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
FM文字多重放送の受信機能を給湯器を遠隔操作する給湯器リモコンに付加して、使用者にFM音声放送と共に文字情報を提供することにより、使用者の快適性の向上を図ることが考えられる。ここで、給湯器リモコンには、給湯器の作動状況等を表示するための比較的大きな表示手段が備えられているため、給湯器リモコンにFM文字多重放送のチューナーを備えて、該表示手段にFM文字多重放送による文字情報を表示することにより、該表示手段を有効に利用して、使用者にFM音声のみならず文字情報の提供も可能な給湯器リモコンを提供することができる。
【0004】
しかし、給湯器リモコンの電子基板には、マイコンやその周辺機器、表示器のバックライトを駆動するためのインバータ等、ノイズの発生源となる多くの電子部品が実装されている。そして、電子基板にFM文字多重放送のチューナーを実装する場合、給湯器リモコンのサイズの制限から、チューナーを他の電子部品に近接して配置せざるを得ない。この場合、他の電子部品から放射されるノイズの影響を受け易くなるため、チューナーの作動不良が生じ易くなる。
【0005】
そこで、本発明は、ノイズの影響を低減してFM文字多重放送を受信することができる給湯器リモコンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、給湯器を遠隔操作するリモコン装置であって、該リモコン装置の作動を制御する第1のマイコンが実装されたメイン基板と、該メイン基板に搭載された導電性金属ケースと、該導電性金属ケース内に収容され、FM文字多重放送の受信が可能なチューナーモジュールと、該チューナーモジュールにより受信されたFM文字多重放送から文字データを抽出する第2のマイコンとが実装されたチューナー基板とを備えたことを特徴とする。
【0007】
かかる本発明によれば、前記チューナー基板を前記導電性金属ケース内に装着することによって、前記メイン基板に実装された前記第1のマイコン等の電子部品から発生するノイズの伝播を前記導電性金属ケースにより遮蔽することができる。そのため、ノイズの影響を低減して、前記チューナー基板によりFM文字多重放送を受信することができる。
【0008】
また、前記メイン基板は表裏両面に部品が実装された両面実装基板であり、前記第1のマイコンと前記チューナー基板とは、前記メイン基板及び前記導電性金属ケースを介して対向して配置されていることを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、前記メイン基板の一方の面に実装された第1のマイコンは、前記メイン基板の他方の面に搭載された前記導電性金属ケースを介して、前記チューナー基板と対向する。これにより、前記第1のマイコンと前記チューナー基板の双方を前記メイン基板の片面に実装する場合に比べて、前記メイン基板のサイズを小型化することができると共に、前記第1のマイコン及びその周辺回路から発生するノイズを前記導電性金属ケースにより効率良く遮蔽して、前記チューナー基板における該ノイズの影響を低減することができる。
【0010】
また、前記メイン基板は、下ケースと該下ケースに装着される上ケースとからなる筐体内に、前記導電性金属ケースが搭載された面を該下ケースに向けて収納され、前記導電性金属ケースは、底面を前記メイン基板に接して搭載されて天面が開口し、前記下ケースは、前記メイン基板が収納されたときに、前記導電性金属ケースを収容して前記導電性金属ケースの天面を閉塞する導電性の収容部を備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記導電性金属ケースの上面が開口しているため、前記チューナー基板を前記導電性金属性ケース内に容易に収容することができる。そして、前記下ケースに前記メイン基板を収容することにより、前記導電性金属ケースの天面の開口部が前記導電性の収容部で閉塞されるため、前記導電性金属ケースによるノイズ遮蔽の効果を一層高めることができる。
【0012】
また、前記収容部は、前記導電性金属ケースの形状に合わせて、対向する内壁が底部に向かって互いに接近するように傾斜して形成され、前記導電性金属ケースは、側面が前記収容部の内壁と接して導通した状態で前記収容部に収容されていることを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記収容部の内壁が底部に向かって互いに接近するように傾斜しているため、前記導電性金属ケースを前記収容部に収容する際に、前記導電性金属ケースを該傾斜に沿って前記収容部内に導いて前記収容部の内壁と接触させ、前記収容部と確実に導通させることができる。
【0014】
また、前記導電性金属ケースは、前記導電性金属ケースに設けられた第1の係止部材を、前記メイン基板に該第1の係止部材に対応して穿設された第1の位置決め穴に挿入して係止することにより、前記メイン基板上の第1の所定位置に位置決めされていることを特徴とする。
【0015】
かかる本発明によれば、前記導電性金属ケースの前記第1の係止部材を、前記メイン基板の前記第1の位置決め穴に挿入して係止することによって、前記導電性金属ケースを、前記メイン基板の前記第1の所定位置に容易に搭載することができる。
【0016】
また、前記メイン基板は、前記第1の位置決め穴と所定の位置関係にある半田付けパッドを備え、前記導電性金属ケースは、前記メイン基板上の前記第1の所定位置に位置決めされたときに、前記半田付けパッドと対向する箇所に設けられた半田付けリード部を備えて、前記半田付けリード部が前記半田付けパッドに半田付けされていることを特徴とする。
【0017】
かかる本発明によれば、前記半田付けリード部と前記半田付けパッドを半田付けすることにより、前記導電性金属ケースを前記メイン基板に固定することができると共に、該半田付けパッドを介して前記導電性金属ケースを容易に所定電位とすることができる。
【0018】
また、前記チューナー基板は、前記導電性金属ケースに設けられた第2の係止部材を、前記チューナー基板に該第2の係止部材に対応して穿設された第2の位置決め穴に挿入して係止することにより、前記導電性金属ケース内の第2の所定位置に位置決めされていることを特徴とする。
【0019】
かかる本発明によれば、前記導電性金属ケースの前記第2の係止部材を、前記チューナー基板の前記第2の位置決め穴に挿入して係止することによって、前記チューナー基板を前記導電性金属ケースの前記第2の所定位置に容易に収容することができる。
【0020】
また、前記チューナーモジュールは、金属シールドカバーで覆われ、前記導電性金属ケースは、前記チューナー基板が収容されたときに前記金属シールドカバーと弾発的に接触して、前記導電性金属ケースと前記金属シールドカバーとを導通状態に維持すると共に、前記チューナー基板が前記導電性金属ケースに収容された状態を維持する導電性の圧接部を備えたことを特徴とする。
【0021】
かかる本発明によれば、前記圧接部を介して前記金属シールドカバーと前記導電性金属ケースとが導通すると共に、前記圧接部により前記チューナー基板が前記導電性金属ケース内に収容された状態を維持する。これにより、前記チューナー基板を前記収容部内に保持した上で、同電位となる部位の面積を増大させて、前記金属シールドカバー及び前記導電性金属ケースによるノイズの遮蔽効果を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。図1は本発明の給湯器リモコンである浴室リモコンの外観図、図2は図1に示した浴室リモコンの表示器におけるFM放送の選局状態と文字情報の表示状態を示した説明図、図3は図1に示した浴室リモコンの回路構成図、図4,図5は図1に示した浴室リモコンの分解斜視図、図6はメイン基板と導電性金属ケースの位置決め態様の説明図、図7は導電性金属ケースが搭載されたメイン基板の斜視図、図8は導電性金属ケースとチューナー基板の位置決め態様の説明図である。
【0023】
図1を参照して、浴室リモコン1(本発明の給湯器リモコンに相当する)は、給湯器を遠隔操作する機能の他に、FM文字多重放送を含むFM放送を受信する機能と、他のリモコンとの間で通話を行なうインターホン機能とを有しており、給湯器の作動状況やFM文字多重放送による文字情報を表示する表示器2と、第1の操作部3と、第2の操作部4と、第3の操作部5と、スピーカ6とを備えている。なお、図1の表示器2の表示状態は、給湯器の作動状態を示す「浴室リモコン画面」となっている。
【0024】
第1の操作部3には、FM放送の受信を行う「FM放送聴視モード」への移行と解除を指示するためのラジオ文字スイッチ10と、インターホン通話を行う「インターホンモード」への移行と解除を指示するための通話スイッチ11とが備えられている。なお、ラジオ文字スイッチ10には、「FM放送聴視モード」であるときに点灯するLED10aが内蔵されており、通話スイッチ11には、「インターホンモード」であるときに点灯するLED11aが内蔵されている。
【0025】
第2の操作部4には、スピーカ6の音量の増減や給湯温度の上げ下げ等を指示するためのDOWNスイッチ12及びUPスイッチ13と、「浴室リモコン画面」において機能選択モード(音量、省電力表示の設定等を行なう)への移行と解除を指示すると共に、後述する「ラジオ画面」においてラジオの選択モード(選局モード(オート/マニュアル)の設定、チャンネル設定等を行なう)への移行と解除を指示するための選択スイッチ14と、浴槽への足し湯及びFM放送の選局等を指示するための足し湯スイッチ15と、浴槽への足し水及びFM放送の選局等を指示するためのぬる湯スイッチ16とが備えられている。
【0026】
第3の操作部5には、浴槽に所定量の湯を供給する自動湯張り運転の開始と停止を指示するための自動スイッチ17と、浴槽内の湯を加熱する追焚き運転の開始と停止を指示するための追焚きスイッチ18と、給湯器を運転状態と待機状態に切替えるための運転スイッチ19とが備えられている。なお、運転状態においては各スイッチの操作が可能であって表示器2に各種の情報が表示され、待機状態においては運転スイッチ19以外の操作が不能となって表示器2は消灯する。
【0027】
また、自動スイッチ17には自動湯張り運転の実行中に点灯するLED17aが内蔵され、追焚きスイッチ18には追焚き運転の実行中に点灯するLED18aが内蔵され、運転スイッチ19には給湯器が運転状態にあるときに点灯するLED19aが内蔵されている。
【0028】
次に、図2(a)は、「FM放送聴視モード」で表示器2が「ラジオ画面」であるときに、使用者が選択スイッチ14を操作して「ラジオ選局モード(オート選局モード)」としたときの表示器2の表示状態を示している。この場合は、給湯器の作動状態を示す優先表示20、高温表示21、及び燃焼表示22と、時計表示25の他に、FM放送局の選局可能表示30,31、受信中のチャンネル番号32(プリセットされた周波数のチャンネル番号)、及び受信中の放送局名33が表示される。さらに、FM文字多重放送により緊急放送(ニュース速報、災害情報等)を受信したときに緊急情報番組表示23が表示される。
【0029】
そして、使用者は、足し湯スイッチ15とぬる湯スイッチ16を操作して、プリセットされた周波数の中から受信するFM放送局を選局することができる。なお、マニュアル選局モードが選択されたときには、チャンネル32は消灯し、放送局名33に変えて周波数が表示される。そして、使用者は、足し湯スイッチ15とぬる湯スイッチ16を操作して、FM放送の受信周波数を変更することができる。
【0030】
また、図2(b)は、「FM放送聴視モード」において、FM文字多重放送が受信されているときの表示器2の表示状態を示している。この場合は、FM文字多重放送の受信信号から抽出された文字データに含まれる文字情報41(ニュースや天気予報等)が、順次表示器2に表示される。また、文字情報41がFM音声信号の内容と連動したものであるときには、LINK表示40が表示される。
【0031】
次に、図3を参照して、浴室リモコン1の回路構成について説明する。浴室リモコン1の筐体内にはメイン基板110が収容され、メイン基板110に実装されたマイコン50(本発明の第1のマイコンに相当する)により浴室リモコン1の作動が制御される。そして、操作部3,4,5(図1参照)の各スイッチの操作信号がマイコン50に入力され、マイコン50から出力される制御信号により、表示器2の表示内容が変更されると共にLED10a,11a,17a,18a,19aの点灯/消灯が制御される。
【0032】
また、メイン基板110には、給湯器90との間で制御信号の送受信等を行なう通信回路60、台所リモコン91との間で音声信号の送受信を行なうインターホン回路61、音声を取り込んでインターホン回路61に入力するマイク62、マイコン50からの制御信号に応じて音声信号を合成する音声合成回路64、及びチューナー基板70が備えられている。
【0033】
チューナー基板70には、FM文字多重放送の受信が可能なチューナーモジュール72と、予め選択された周波数(プリセット周波数)が記憶されたメモリ74と、マイコン73(本発明の第2のマイコンに相当する)とが実装されている。マイコン73に備えられた文字データ抽出手段75は、チューナーモジュール72により受信されたFM文字多重放送の受信信号から文字データを抽出して、メイン基板110のマイコン50に出力する。
【0034】
チューナーモジュール72により受信された音声信号は音声出力回路63に入力される。そして、音声出力回路63は、マイコン50からの制御信号に応じて、インターホン回路61から入力される音声信号と、音声合成回路64から入力される音声信号と、チューナーモジュール72から入力される音声とのうちのいずれかを選択して、又はこれらを同時にスピーカ6から出力する。
【0035】
また、マイコン50には、現在時刻を計時する計時手段80と、計時手段80による計時時刻の時刻合わせを行なう時刻設定手段81と、計時手段80による時刻合わせの処理においてチューナーモジュール72の受信周波数が変更された場合に、メモリ74に記憶された直近の選択周波数に復帰させる選択周波数復帰手段82と、文字データ抽出手段75により抽出された文字データに含まれる情報を表示器2に文字表示する文字情報表示手段83とが備えられている。
【0036】
次に、図4〜図8を参照して、浴室リモコン1の組み付け態様について説明する。図4に示したように、メイン基板110は浴室リモコン1の筐体の上ケース100に取り付けられ、メイン基板110の表示器2が実装された箇所を避けて導電性金属ケース120が搭載される。そして、導電性金属ケース120内にチューナー基板70が収容される。
【0037】
ここで、チューナ基板70に実装されたチューナーモジュール72(図3参照)は、金属シールドカバー76で覆われて外来ノイズを防止している。また、チューナー基板70全体を導電性金属ケース120内に収容することで、チューナーモジュール72を二重にシールドして耐ノイズ性能を高めると共にマイコン73に対するノイズの影響を低減している。
【0038】
さらに、メイン基板110は、表裏(A面,B面)両面に部品が実装された両面実装基板であるが、メイン基板110のマイコン50(図3参照)はA面に実装され、導電性金属ケース120はメイン基板110のB面のマイコン50と対向する位置に搭載されている。そのため、メイン基板110に導電性金属ケース120とチューナー基板70とが組み付けられたときに、マイコン50とチューナー基板70が、メイン基板110及び導電性金属ケース120を介して対向する状態となる。これにより、マイコン50とチューナー基板70相互間のノイズの影響を、導電性金属ケース120の遮蔽効果により低減することができる。
【0039】
また、図5を参照して、浴室リモコン1の下ケース130には、導電性金属ケース120の形状に合わせた収容部131が形成されている。収容部131には導電性塗料が塗布されており、導電性金属ケース120とチューナー基板70とが搭載されたメイン基板110を上ケース100に取り付けて、下ケース130に装着したときに、導電性金属ケース120が収容部131内に収容されて導電性金属ケース120の天面を塞ぐ状態となる。
【0040】
また、収容部131の対向する側壁の内側132a,132bは、底面側に向かって互いに接近するように傾斜して形成されている。これにより、収容部131に導電性金属ケース120が挿入されたときに、導電性金属ケース120の側面の外側と側壁の内側132a,132bとが接触して導通状態となるようにしている。このように、導電性金属ケース120の天面も導電材(導電性塗料が塗布された収容部131)で覆うことにより、チューナー基板70の耐ノイズ性能が向上することが期待できる。
【0041】
なお、収容部131の他の対向する壁面の内側133a,133bについても、132a,132bと同様に、底面側に向かって互いに接近するように傾斜して形成し、収容部131に導電性金属ケース120が収容されたときに、導電性金属ケース120と接触するようにしてもよい。
【0042】
次に、図6を参照して、メイン基板110には、導電性金属ケース120をメイン基板110上の第1の所定位置に位置決めして搭載するための位置決め穴111a,111bが穿設されている。一方、導電性金属ケース120には、位置決め穴111aに対応して折り曲げ形成された爪部121a(本発明の第1の係止部に相当する)と、位置決め穴111bに対応して折り曲げ形成された爪部121b(本発明の第1の係止部に相当する)とが形成されている。
【0043】
そして、爪部121aを位置決め穴111aに挿入し、また、爪部121bを位置決め穴111bに挿入することによって、導電性金属ケース120がメイン基板110のB面の第1の所定位置に位置決めされて係止されるようにしている。また、導電性金属ケース120には、チューナー基板70を導電性金属ケース120内の第2の所定位置に位置決めして装着するために折り曲げ形成された爪部122a,122b(本発明の第2の係止部に相当する)と、導電性金属ケース120をメイン基板110に半田付けするための半田付けリード部123a,123b,123cとが形成されている。
【0044】
さらに、導電性金属ケース120の底面には、メイン基板110に実装された部品を逃げるための段差部124が形成され、該段差部124のメイン基板110と対向する面には絶縁フィルム126が貼られている。
【0045】
図7は、導電性金属ケース120の爪部121a,121bを、メイン基板110の位置決め穴111a,111bに挿入して係止した状態を示しており、このとき、導電性金属ケース120の半田付けリード部123a,123b,123cは、メイン基板110に設けられた半田付けパッド112a,112b,112cとそれぞれ接する状態となる。そのため、半田付けリード部123a,123b,123cを、半田付けパッド112a,112b,112cと容易に半田付けすることができる。
【0046】
そして、かかる半田付けにより、導電性金属ケース120をメイン基板110に固定することができる。また半田付けパッド112a,112b,112cは接地電位部と導通しているため、導電性金属ケース120を接地電位としてシールド効果を生じさせることができる。
【0047】
次に、図8に示したように、導電性金属ケース120に折り曲げ形成された爪部122a,122bをチューナー基板70に穿設された位置決め穴77a,77bにそれぞれ挿入して係止することにより、チューナー基板70が導電性金属ケース120内の第2の所定位置に位置決めして装着される。
【0048】
また、導電性金属ケース120の対向する側面には、側面の一部を板バネ形状に折り曲げ形成された圧接部125a,125b,125c,125dが備えられている。圧接部125a,125b,125c,125dは、導電性金属ケース120にチューナー基板70が挿入されたときに、チューナーモジュール72の金属シールドカバー76の側面に圧接されて接触する。
【0049】
これにより、導電性金属ケース120と金属シールドカバー76が導通して、接地電位となる部分の面積が大きくなるため接地電位が安定し、導電性金属ケース120及び金属シールドカバー76によるノイズの遮蔽性を向上させることができる。また、対向する圧接部125a,125bと圧接部125c,125dとにより、金属シールドカバー76の側面が両側から圧接されて挟持され、これによりチューナー基板70が導電性金属ケース120に固定される。
【0050】
なお、本実施の形態では、図5に示したように、導電性の収容部131内に導電性金属ケース120を収容して、導電性金属ケース120の天面を塞ぐことで、導電性金属ケース120によるノイズの遮蔽効果を高めたが、該収容部131を備えない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、メイン基板110を両面実装基板とし、メイン基板110のマイコン50と導電性金属ケース120を異なる面に実装して、マイコン50とチューナー基板70をメイン基板110及び導電性ケース120を介して対向する位置に配置したが、マイコン50をチューナー基板70と対向する位置以外の箇所に実装する場合でも、本発明の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、導電性金属ケース120において、爪部121a,121b及び爪部122a,122bを、導電性金属ケース120の一部を切り欠いて折り曲げ形成したが、これらの爪部を他の方法により備えてもよい。さらに、ピン形状等、他の形状としてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、導電性金属ケース120において、圧接部125a,125b,125c,125dを、導電性金属ケース120の側面の一部を切り欠いて折り曲げ形成したが、これらの圧接部を他の方法により備えてもよい。さらに、金属シールドカバー76の側面ではなく上面を圧接する等、他の圧接態様により金属シールドカバー76と導電性金属ケース120とを導通状態に維持すると共に、チューナー基板70を導電性金属ケース120に収容された状態に維持するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態では、導電性金属ケース120に設けた半田付けリード部123a,123b,123cを、メイン基板110に設けた半田付けパッド112a,112b,112cに半田付けすることで、導電性金属ケース120をメイン基板110に固定すると共に、導電性金属ケース120をメイン基板110の接地電位部と導通させたが、かかる半田付けを行なわない場合であっても、本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の給湯器リモコンである浴室リモコンの外観図。
【図2】図1に示した浴室リモコンの表示器におけるFM放送の選局状態と文字情報の表示情報を示した説明図。
【図3】図1に示した浴室リモコンの回路構成図。
【図4】図1に示した浴室リモコンの分解斜視図。
【図5】図1に示した浴室リモコンの分解斜視図。
【図6】メイン基板と導電性金属ケースの位置決め態様の説明図。
【図7】導電性金属ケースが搭載されたメイン基板の斜視図。
【図8】導電性金属ケースとチューナー基板の位置決め態様の説明図。
【符号の説明】
【0056】
1…浴室リモコン、2…表示器、50…(メイン基板の)マイコン、70…チューナー基板、72…チューナーモジュール、73…(チューナー基板の)マイコン、76…金属シールドカバー、77a,77b…(チューナー基板の)位置決め穴、100…上ケース、110…メイン基板、111a,111b…(メイン基板の)位置決め穴、112a,112b,112c…半田付けパッド、120…導電性金属ケース、121a,121b…爪部(第1の係止部)、122a,122b…爪部(第2の係止部)、123a,123b,123c…半田付けリード部、125a,125b,125c,125d…圧接部、130…下ケース、131…収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器を遠隔操作するリモコン装置であって、
該リモコン装置の作動を制御する第1のマイコンが実装されたメイン基板と、
該メイン基板に搭載された導電性金属ケースと、
該導電性金属ケース内に収容され、FM文字多重放送の受信が可能なチューナーモジュールと、該チューナーモジュールにより受信されたFM文字多重放送から文字データを抽出する第2のマイコンとが実装されたチューナー基板とを備えたことを特徴とする給湯器リモコン。
【請求項2】
前記メイン基板は表裏両面に部品が実装された両面実装基板であり、前記第1のマイコンと前記チューナー基板とは、前記メイン基板及び前記導電性金属ケースを介して対向して配置されていることを特徴とする請求項1記載の給湯器リモコン。
【請求項3】
前記メイン基板は、下ケースと該下ケースに装着される上ケースとからなる筐体内に、前記導電性金属ケースが搭載された面を該下ケースに向けて収納され、
前記導電性金属ケースは、底面を前記メイン基板に接して搭載されて天面が開口し、
前記下ケースは、前記メイン基板が収納されたときに、前記導電性金属ケースを収容して前記導電性金属ケースの天面を閉塞する導電性の収容部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の給湯器リモコン。
【請求項4】
前記収容部は、前記導電性金属ケースの形状に合わせて、対向する内壁が底部に向かって互いに接近するように傾斜して形成され、
前記導電性金属ケースは、側面が前記収容部の内壁と接して導通した状態で前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項3記載の給湯器リモコン。
【請求項5】
前記導電性金属ケースは、前記導電性金属ケースに設けられた第1の係止部材を、前記メイン基板に該第1の係止部材に対応して穿設された第1の位置決め穴に挿入して係止することにより、前記メイン基板上の第1の所定位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の給湯器リモコン。
【請求項6】
前記メイン基板は、前記第1の位置決め穴と所定の位置関係にある半田付けパッドを備え、
前記導電性金属ケースは、前記メイン基板上の前記第1の所定位置に位置決めされたときに、前記半田付けパッドと対向する箇所に設けられた半田付けリード部を備えて、
前記半田付けリード部が前記半田付けパッドに半田付けされていることを特徴とする請求項5記載の給湯器リモコン。
【請求項7】
前記チューナー基板は、前記導電性金属ケースに設けられた第2の係止部材を、前記チューナー基板に該第2の係止部材に対応して穿設された第2の位置決め穴に挿入して係止することにより、前記導電性金属ケース内の第2の所定位置に位置決めされていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の給湯器リモコン。
【請求項8】
前記チューナーモジュールは、金属シールドカバーで覆われ、
前記導電性金属ケースは、前記チューナー基板が収容されたときに前記金属シールドカバーと弾発的に接触して、前記導電性金属ケースと前記金属シールドカバーとを導通状態に維持すると共に、前記チューナー基板が前記導電性金属ケースに収容された状態を維持する導電性の圧接部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか1項記載の給湯器リモコン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−183957(P2006−183957A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379469(P2004−379469)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000129231)株式会社ガスター (277)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【出願人】(000100562)アール・ビー・コントロールズ株式会社 (97)
【Fターム(参考)】