説明

脚装具

【課題】下腿リンクの長さを変えたときにワイヤハーネスが余剰なくすっきりと配索される脚装具を提供する。
【解決手段】ユーザの足首関節の動きを補助する脚装具100は、大腿リンク10と下腿リンク12を備える。大腿リンク10はユーザの大腿に装着され、下腿リンク12はユーザの下腿に装着される。下腿リンク12は大腿リンク10に揺動可能に連結されており、大腿リンク10と下腿リンク12が動力によって相互に揺動する。脚装具100はさらに、大腿リンク10と下腿リンク12の連結部にハーネス収容部30を有する。電力又は信号を伝達するワイヤハーネス40がハーネス収容部30を通じて大腿リンク10から下腿リンク12へと配索されている。ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部内で周回湾曲もしくはS字状に湾曲するように配索されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの脚に装着し、膝関節、あるいは、足首関節にトルクを与えることによって脚の揺動動作を補助する脚装具に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの脚の関節にトルクを与える脚装具が開発されている。特許文献1には、ユーザの膝関節にトルクを与える脚装具が示されており、特許文献2には、ユーザの足首関節にトルクを与える脚装具が示されている。特許文献1の脚装具は、ユーザの大腿と下腿に夫々装着する大腿リンクと下腿リンクが揺動可能に連結された構造を有しており、アクチュエータによって大腿リンクと下腿リンクが相互に揺動する。特許文献2の脚装具は、ユーザの下腿と足の夫々に装着する下腿リンクと足リンクが揺動可能に連結された構造を有しており、アクチュエータによって下腿リンクと足リンクが相互に揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−301124号公報
【特許文献2】特開2005−500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の脚装具は、リンク連結部の揺動軸がユーザの脚関節の回転軸と同軸となるように構成されている方がよい。一方、脚の長さはユーザによって異なる。そのため、揺動軸をユーザの関節に同軸に配置するには、下腿リンクの長さが調整できる方がよい。他方、上記の脚装具はアクチュエータやセンサを備えるため、それらのためのワイヤハーネスを各リンクに沿って配索する必要がある。下腿リンクの長さを変えると、ワイヤハーネスに余剰が生じる。余剰部分をそのままにしておくとユーザ自身や環境に置かれた物体にワイヤハーネスを引っ掛けてしまう虞がある。他方、下腿リンクの長さに合わせてワイヤハーネスも交換するのでは効率が悪い。下腿リンクの長さを変えたときにワイヤハーネスが余剰なく(弛まず)すっきりと配索される技術が必要とされている。なお、ワイヤハーネスを必要とする従来の脚装具ではワイヤハーネスへの配慮が欠けていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術の一実施形態の脚装具は、大腿リンクと下腿リンクを備える。大腿リンクはユーザの大腿に装着され、下腿リンクはユーザの下腿に装着される。下腿リンクは大腿リンクに揺動可能に連結されており、動力によって大腿リンクと下腿リンクが相互に揺動する。その脚装具では、大腿リンクと下腿リンクの連結部にハーネス収容部が設けられている。そして、電力又は信号を伝達するワイヤハーネスがハーネス収容部を通じて大腿リンクから下腿リンクへと配索されている。ワイヤハーネスは、ハーネス収容部内で周回湾曲もしくはS字状に湾曲するように配索されている。
【0006】
上記した脚装具では、下腿リンクを短くすると(短いものに交換すると)、ワイヤハーネスのうち下腿リンク付近で余剰となった部分は、ハーネス収容部内で予め湾曲している部分に誘導されて、自然にハーネス収容部へと入り込む。逆に下腿リンクを長くすると(長いものに交換すると)、下腿リンクが長くなった分だけ、ワイヤハーネスのうちハーネス収容部内の湾曲部分が引き出される。ハーネス収容部を設けるとともにその内部にワイヤハーネスを上記のとおり予め湾曲させて収容しておくことで、下腿リンクの長さに応じてハーネス収容部からワイヤハーネスが出入りし、ワイヤハーネスの露出部分に余剰が生じず、ワイヤハーネスは弛まずにリンクに沿ってすっきりと配索される。
【0007】
本明細書が開示する技術は、足首関節の動きを補助する脚装具に具現化することも好適である。そのような脚装具は、下腿リンクと足リンクを備える。下腿リンクは、ユーザの下腿に装着され、靴状の足リンクはユーザの足に装着される。足リンクは下腿リンクに揺動可能に連結されており、動力によって下腿リンクと足リンクが相互に揺動する。脚装具は、下腿リンクと足リンクの連結部にハーネス収容部を有する。そして、電力又は信号を伝達するワイヤハーネスがハーネス収容部を通じて下腿リンクから足リンクへと配索されている。ワイヤハーネスは、ハーネス収容部内で周回湾曲もしくはS字状に湾曲するように配索されている。
【0008】
足首関節を補助する脚装具では、下腿リンク又は足リンクの長さが調整可能である。そのような脚装具も、上記した膝関節補助用の脚装具と同様にリンク長を調整してもワイヤハーネスに弛みが生じない。
【発明の効果】
【0009】
本明細書が開示する技術によれば、リンクの長さを変更したときにリンクに沿って露出しているワイヤハーネスが余剰なく(弛まず)すっきりと配索される脚装具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例の脚装具の側面図を示す。
【図2】ユーザが膝を曲げたときの脚装具の状態を示す。
【図3】ハーネス収容部周辺の拡大図である。
【図4】他の形態におけるハーネス収容部周辺の拡大図である。
【図5】さらに他の形態におけるハーネス収容部周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、脚装具100の側面図を示す。脚装具100は、機構的には主として、大腿リンク10と下腿リンク12と足リンク14から構成されている。大腿リンク10はユーザの大腿UAに装着され、下腿リンク12はユーザの下腿UBに装着され、足リンク14はユーザの足UCに装着される。図中の符号10aが大腿リンク10をユーザの大腿UAに固定するための固定具を示しており、符号12aが下腿リンク12をユーザの下腿UBに固定する固定具を示している。なお、足リンク14をユーザの足UCに固定する固定具は図示を省略している。
【0012】
大腿リンク10の下端に下腿リンク12の上端が揺動可能に連結しており、下腿リンク12の下端に足リンク14の上端が揺動可能に連結している。符号C1は下腿リンク12の揺動軸を示しており、符号C2は足リンク14の揺動軸を示している。下腿リンク12はモータ16によって大腿リンク10に対して揺動し、足リンク14はモータ18によって下腿リンク12に対して揺動する。足リンク14の底には接地センサ20a、20bが取り付けられている。接地センサ20aは足リンク14のつま先が接地したか否かを検知する。接地センサ20bは足リンク14の踵が接地したか否かを検知する。脚装具100のコントローラ(不図示)は、接地センサ20a、20bのセンサデータに基づいて、ユーザの脚の動きがスムーズな歩行動作となるようにモータ16、18を制御する。より具体的には、コントローラは、接地センサ20a、20bのセンサデータから、脚が遊脚期間にあるか立脚期間にあるかを判定し、遊脚が予め定められた動きとなるように、モータを制御する。ここで、予め定められた動きとは、ユーザの股関節と膝関節と足首関節の関節角の経時的な目標角データで記述される。目標角データはコントローラに記憶されている。経時的な目標角データの生成方法については説明を省略する。なお、目標角データは、接地センサ20aや20bのセンサデータからリアルタイムに生成されてもよい。
【0013】
コントローラは、ユーザの腰付近に装着される。コントローラとモータやセンサの間にワイヤハーネスが配索される。ワイヤハーネスは、センサ信号をコントローラに伝えたり、モータへ電力を供給したりするケーブルである。例えば、足リンク14の足底に設けられた接地センサ20a、20bのセンサデータをコントローラへ伝えるためのワイヤハーネス40が足リンク14、下腿リンク12、及び大腿リンク10に沿って配索される。符号40が示すワイヤハーネスには、モータ16やモータ18に電力を供給するためのケーブルも含まれる。
【0014】
大腿リンク10に対して下腿リンク12が揺動し、下腿リンク12に対して足リンク14が揺動するので、リンクの連結部では、ワイヤハーネスの長さに余裕を持たせる必要がある。ただし、周囲の物体に引掛かかる虞があるので、ワイヤハーネスの余剰部分は露出させずにカバーで覆うことが望ましい。脚装具100は、大腿リンク10と下腿リンク12の連結部に、ワイヤハーネス40を収容するハーネス収容部30を備えている。また、下腿リンク12と足リンク14の連結部に、ワイヤハーネス40を収容するハーネス収容部50を備えている。
【0015】
ハーネス収容部30の構造について詳しく説明する。ハーネス収容部30は、大腿リンク10と下腿リンク12の連結部において下腿リンク12側に固定されている。またハーネス収容部30は、下腿リンク12の揺動軸C1と重なるように配置されている。ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30を通じて大腿リンク10から下腿リンク12へと配索されている。図1に示すように、ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30の内部で、環を描くように周回湾曲させてある。符号40aが周回湾曲部を示す。周回湾曲部40aは、ハーネス収容部30に完全に覆われている。ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30内において、ピッチ軸(ユーザの体側方向)と交差する面内で周回湾曲させてある。また、ハーネス収容部30の内部には、ワイヤハーネス40の大腿リンク10から伸びている部分と周回湾曲部40aを仕切る仕切板31が設けられている。また、ワイヤハーネス40は、周回湾曲部40aの両側で固定されている。周回湾曲部40aの大腿リンク側はハーネス収容部30の内部で固定されており、下腿リンク側は下腿リンク12に固定されている。符号32と33がハーネス固定具を示している。
【0016】
下腿リンク12が揺動すると、下腿リンク12とともにハーネス収容部30も揺動する。図2にユーザが膝を曲げたときの脚装具の状態を示す。図1と図2に示すように、ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30の内部で、揺動軸C1の前方を通っている。そのため、ユーザが膝を曲げるとき、別言すれば下腿リンク12が後方へ揺動するとき、ワイヤハーネス40には引き伸ばす方向の力が加わる。このとき、図2に示すように、周回湾曲部40aの環が小さくなり、ワイヤハーネスに無理な力が加わることがない。別言すれば、下腿リンク12の揺動に伴って周回湾曲部40aの環の直径が大きくなったり小さくなったりすることで、ワイヤハーネスに無理な力が加わることが防止される。また、周回湾曲部40aはハーネス収容部30の内部で直径が変化するので、露出している部分で弛むことがない。別言すれば、ワイヤハーネス40はリンクに沿って露出している部分は常にリンク近くに沿っており、リンクが揺動してもリンクから離れる余剰部分が生じることがない。この効果は、膝関節のピッチ軸に交差する面内で周回する周回湾曲40aがハーネス収容部30内に形成されていることに起因する。
【0017】
また、仕切板31は、周回湾曲部40aのカーブに沿って湾曲するように形成されており、周回湾曲部40aの環がハーネス収容部30の内部でスムーズに拡大縮小できるように周回湾曲部40aをガイドする。以上説明したとおり、大腿リンク10と下腿リンク12の連結部において、ワイヤハーネス40をハーネス収容部30内に収容するとともに、その内部でワイヤハーネス40をピッチ軸交差面内で一巡周回するように湾曲させることによって、下腿リンク12が揺動してもワイヤハーネス40は露出している部分で弛むことがない。
【0018】
下腿リンク12が揺動してもワイヤハーネス40が緩むことがないという上記の効果は、リンク長さを調整するときにも有効に作用する。脚装具100をユーザに装着すると、下腿リンク12の揺動軸C1はユーザの膝関節の軸線と同軸に位置し、足リンク14の揺動軸C2は足首関節の軸線と同軸に位置することが好ましい。そのような同軸配置が実現されていれば、下腿リンク12が揺動する際ユーザの下腿との平行を保てるからである。しかし、脚の長さはユーザによって異なる。そのため、下腿リンク12の長さを調整しないと、揺動軸C1をユーザの膝関節の軸線と同軸に位置させることができない。そこで、脚装具100は、下腿リンク12の一部が交換可能になっている。下腿リンク12は、その一部を構成するスペーサ13が着脱可能になっている。スペーサ13を、長さの異なる別のスペーサに交換することによって、下腿リンク12の全長をユーザの脚の長さに適合させることができる。
【0019】
下腿リンク12を短くすると、ワイヤハーネス40に余剰分が生じ、下腿リンク12に沿って配索されているワイヤハーネス40が弛んでしまう虞があるが、脚装具100では、ハーネス収容部30が、ワイヤハーネス40が弛むことを防止している。図3に、ハーネス収容部30の拡大図を示す。なお図3では図面を見易くするために、ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30に収容されている部分も実線で描いてあることに留意されたい。ワイヤハーネス40はハーネス収容部30の内部で周回湾曲している。前述したように、周回湾曲部40aの大腿リンク側はハーネス固定具33によってハーネス収容部30内で固定されており、周回湾曲部40aの下腿リンク側は、スペーサ13のすぐ下でハーネス固定具32によって下腿リンク12に固定されている。スペーサ13を取り外すとハーネス固定具33と32の間が短くなる。このとき下腿リンク12の揺動の場合と同様に、ワイヤハーネス40のうちスペーサ13に相当する長さだけ余剰となるが、余剰となった部分は、ハーネス収容部30内で予め湾曲している周回湾曲部40aに誘導されて、自然にハーネス収容部30へと入り込む。図3の二点鎖線40dが、スペーサ13の分だけ直径が大きくなった周回湾曲部を示している。スペーサ13をもとに戻すと、下腿リンク12が長くなった分だけ、ワイヤハーネス40のうちハーネス収容部30内の湾曲部分が引き出される。下腿リンク12の長さに応じてハーネス収容部30からワイヤハーネス40が出入りし、余剰部分が露出せず、ワイヤハーネス40は弛まずにリンクに沿ってすっきりと配索される。このときも、周回湾曲部40aに合わせて湾曲している仕切板31が、湾曲しているワイヤハーネスをガイドするとともに、大腿リンク側に伸びているハーネス部分との干渉を防止する。
【0020】
図4に、脚装具の他の実施形態の例を示す。図4の脚装具150は、ハーネス収容部30付近におけるハーネス固定具の配置が図3の脚装具とは異なっている。図4の脚装具150では、周回湾曲部40aの大腿リンク側が、ハーネス固定具33の他に、ハーネス固定具34によってハーネス収容部30内で固定されている。ハーネス固定具33と34によって、ユーザが膝を曲げたとき、ハーネス固定具33と34の間でワイヤハーネス40の曲げ半径が変化する。このことによって、脚装具150は、ワイヤハーネス40に無理な力が加わらないようにしている。ハーネス固定具34以外の構成は脚装具100と同じである。この脚装具150も、スペーサ13を外して下腿リンク12を短くしたときのワイヤハーネスの余剰分は、図3の脚装具100と同様に、ハーネス収容部30内で予め湾曲している周回湾曲部40aに誘導されて、自然にハーネス収容部30へと入り込む。
【0021】
図5に、脚装具のさらに他の実施形態の例を示す。図5の脚装具200は、ハーネス収容部30内部でのワイヤハーネス40の配置が図3の脚装具とは異なっている。図5に示すように、脚装具200のワイヤハーネス40は、ハーネス収容部30の内部でS字状に湾曲させて配索されている。ワイヤハーネス40は、下腿リンク12の揺動面内(揺動軸C1に交差する面内)で、大腿リンク10側から下方へ向かって伸び、一旦上方に折り返され、次いで下方に折り返されるS字状に湾曲してから下腿リンク12へ伸びている。S字湾曲部40eは、ハーネス収容部30に完全に覆われている。S字湾曲部40eの大腿リンク側は、ハーネス収容部30の内部でハーネス固定具34によって固定されている。ワイヤハーネス40はさらに、ハーネス固定具33によって大腿リンク10にも固定されている。S字湾曲部40eの下腿リンク側は、スペーサ13のすぐ下でハーネス固定具32によって下腿リンク12に固定されている。この脚装具200も、スペーサ13を外して下腿リンク12を短くしたときのワイヤハーネスの余剰分は、自然にS字湾曲部が大きくなってハーネス収容部30内に導かれる。図5の符号40fが、スペーサ13を外したときのS字湾曲部を示している。図5の脚装具200も、図4の脚装具150と同様の効果を奏する。
【0022】
大腿リンク10と下腿リンク12の連結部に配置されたハーネス収容部30について説明した。図1に戻って、下腿リンク12と足リンク14の連結部に配置されたハーネス収容部50を説明する。なお、図1の符号C2は、足リンク14の揺動軸を示している。ハーネス収容部50は、足リンク14の揺動軸C2よりも後方に配置されている。ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部50の内部で周回湾曲して収納されている。周回湾曲部40bは、足首関節のピッチ軸に交差する面内(即ち、足リンク14の揺動面内)で一巡して配索されている。符号53はスペーサを示している。スペーサ53を異なる長さのものに交換すると揺動軸C2に対する足リンク14の位置を調整することができる。足リンク14の位置や下腿リンク12の長さを調整するとき、ワイヤハーネス40の長さの変化分はハーネス収容部50内で吸収され、露出している部分では弛まない。足リンク14と下腿リンク12の連結部に配置されたハーネス収容部50も、ハーネス収容部30と同様の効果を奏する。ワイヤハーネス40は、図4の場合と同様に、ハーネス収容部50の内部でS字状に湾曲するように配索されてもよい。図1の符号51と52は、ハーネス固定具を示している。ワイヤハーネス40は、ハーネス収容部50の上側においてはハーネス固定具52によって下腿リンク12に固定され、ハーネス収容部50の下側においてはハーネス固定具51によって足リンク14に固定されている。
【0023】
以上、実施例の脚装具を説明した。本明細書が開示する技術は、足リンクを備えず、大腿リンクと下腿リンクが揺動可能に連結された脚装具に適用することも好適である。或いは、大腿リンクを備えず、下腿リンクと足リンクが揺動可能に連結された脚装具(いわゆる短下肢装具)に適用することも好適である。また、リンクの長さを調整するスペーサは、様々な長さのスペーサで交換可能であってよい。また、スペーサの代わりに、下腿リンクは、2本のサブリンクがスライド可能に連結した構造を有しており、サブリンク同士を伸縮させてリンク全体の長さを調整する構造であってもよい。さらに、実施例の脚装具ではハーネス収容部30が下腿リンク側に固定されていたが、大腿リンク側に固定されていてもよい。
【0024】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0025】
10:大腿リンク
12:下腿リンク
13:スペーサ
14:足リンク
16、18:モータ
20a、20b:接地センサ
30:ハーネス収容部
31:仕切板
32、33:ハーネス固定具
40:ワイヤハーネス
40a、40b:周回湾曲部
40e:S字湾曲部
50:ハーネス収容部
51、52:ハーネス固定具
53:スペーサ
100、150、200:脚装具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの大腿に装着される大腿リンクとユーザの下腿に装着される下腿リンクが揺動可能に連結されており、大腿リンクと下腿リンクが動力によって相互に揺動する脚装具であり、
大腿リンクと下腿リンクの連結部にハーネス収容部が設けられており、
電力又は信号を伝達するワイヤハーネスが、前記ハーネス収容部を通じて大腿リンクから下腿リンクへと配索されており、ハーネス収容部内で周回湾曲もしくはS字状に湾曲していることを特徴とする脚装具。
【請求項2】
下腿リンクの長さが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の脚装具。
【請求項3】
ユーザの下腿に装着される下腿リンクとユーザの足に装着される足リンクが揺動可能に連結されており、下腿リンクと足リンクが動力によって相互に揺動する脚装具であり、
下腿リンクと足リンクの連結部にハーネス収容部が設けられており、
電力又は信号を伝達するワイヤハーネスが、前記ハーネス収容部を通じて下腿リンクから足リンクへと配索されており、ハーネス収容部内で周回湾曲もしくはS字状に湾曲していることを特徴とする脚装具。
【請求項4】
下腿リンク又は足リンクの長さが調整可能であることを特徴とする請求項3に記載の脚装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−172683(P2011−172683A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38051(P2010−38051)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】