説明

脱穀機

【課題】 揺動選別装置21のチャフシーブにおけるチャフリップ板41の開閉調節が少ない手間で行うことができるようにする。
【解決手段】 複数枚のチャフリップ板41は、シーブケース25に上下揺動開閉自在に支持されているとともに感知ばね56によって上昇閉じ側に揺動付勢されている。複数枚のチャフリップ板41を連動させている連動帯板53、連動帯板53に連結ピン52を介して連動している揺動リンク55、操作ケーブル51を介して各チャフリップ板41にチャフ調節具60が連動されている。チャフ調節具60は、シーブケース25の側壁25aの後端部に設置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動自在な揺動選別装置のチャフシーブに開閉自在なチャフリップ板を備えてある脱穀機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記脱穀機は、脱穀処理する作物の種類や濡れ具合いなどによってチャフシーブの開度調節を行なうことができるようになったものである。
この種の脱穀機において、従来、例えば特許文献1に示されるように、揺動選別装置のシーブケース6における左側壁24の横外側に配備された操作レバー32、脱穀機の左側壁の前部に設けた点検口27を備え、点検口27から操作レバー32を操作してチャフシーブを開閉調節するものを開発した。
【0003】
【特許文献1】特開2003−9642号公報(〔0019〕、〔0036〕、図4,7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、チャフシーブの開閉調節を行なうには、点検口の蓋を工具を使用して開ける必要があり、手間が掛かっていた。また、脱穀機にあっては一般に横側壁の外側に伝動構造を覆うカバーが装備されることから、このカバーも開ける必要があり、この面からも手間が掛かっていた。
【0005】
本発明の目的は、チャフシーブの開閉調節に必要な手間が少なくて済む脱穀機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第1発明にあっては、駆動自在な揺動選別装置のチャフシーブに開閉自在なチャフリップ板を備えてある脱穀機において、
前記チャフリップ板を開閉調節するようにチャフリップ板に連動手段を介して連動されたチャフ調節具を、揺動選別装置のシーブケースの後端部に設置してある。
【0007】
すなわち、チャフ調節具をシーブケースの後端部に設置したものだから、脱穀機体の後部に選別処理後の塵埃を排出するように設けられる排塵口からチャフ調節具を操作することができる。
【0008】
脱穀機体の後部に設けた排ワラ処理装置を備えたものであっても、排ワラ処理装置は揺動開閉自在に装備されて、閉じロックを解除することによって排ワラ処理装置を開いて排塵口を開放することができるように構成され、かつ、閉じロック手段は、特別な工具を使用せずとも操作簡単に解除することができるように構成される場合が多く、脱穀機の排塵口を操作容易に開放することができるようになっている。
【0009】
従って、本第1発明によれば、チャフシーブを開閉調節するに当たり、脱穀機横側壁の点検口を開放する必要があった従来のものに比して楽にあるいは少ない手間を掛けるだけでチャフ調節具を操作することができ、チャフシーブの開閉調節による処理調節が楽にかつ迅速に行うことができる。
【0010】
本第2発明にあっては、本第1発明の構成において、チャフ調節具とシーブケースが各別に備える係合突起と位置決め凹部の係合により、チャフリップ板を調節状態に保持するようにチャフ調節具のシーブケースに対する位置決めを行う位置決め機構を設け、チャフ調節具の弾性変形によって係合突起と位置決め凹部の係合が解除されるように、チャフ調節具の弾性復元によって係合突起と位置決め凹部が係合されるようにチャフ調節具を弾性変形自在に構成してある。
【0011】
すなわち、チャフ調節具を弾性変形させることにより、係合突起と位置決め凹部の係合が外れて位置決め機構によるチャフ操作具の位置決めが解除され、チャフ調節具を操作してチャフリップ板を調節することが可能になる。チャフリップ板の調節を終えると、チャフ操作具を弾性復元させることにより、係合突起と位置決め凹部が係合して位置決め機構によるチャフ調節具の位置決めが行われ、チャフリップ板が調節状態に保持されてチャフシーブを調節状態に保持することができる。
【0012】
従って、本第2発明によれば、係合突起と位置決め凹部の係合によってチャフシーブを調節状態に強固に保持することができるものでありながら、チャフ調節具を弾性変形や弾性復元するように操作するだけで、位置決め機構を作用状態と解除状態に切り換えることができて、この面からも楽にかつ迅速にチャフシーブ調節を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、クローラ式走行装置1、運転座席2が装備された運転部などを備えた自走機体の機体フレーム3の前部に、刈取り前処理部4の前処理部フレーム4aの基部を回動自在に連結するとともに前処理部フレーム4aにリフトシリンダ5を連動させ、前記機体フレーム3の後側に脱穀機6及び穀粒タンク7を設けるとともに脱穀機6の後部に排ワラ処理装置8を連結して、コンバインを構成してある。
【0014】
このコンバインは、稲、麦などの穀粒を収穫するものであり、リフトシリンダ5を伸縮操作すると、このリフトシリンダ5が前処理部フレーム4aを機体フレーム3に対して上下に揺動操作して刈取り前処理部4を引起し装置4bの始端部やバリカン形の刈取装置4cが地面上近くに位置した下降作業状態と、引起し装置4bや刈取装置4cが地面上から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降操作する。刈取り前処理部4を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り前処理部4は、引起し装置4bによって植立穀稈を引き起こし処理するとともに刈取装置4cによって刈取り処理し、刈取装置4cからの刈取穀稈を搬送装置4dによって機体後方向きに搬送して脱穀機6の脱穀フィードチェーン11の始端部に供給する。脱穀機6は、刈取穀稈を脱穀フィードチェーン11によって搬送しながら脱穀処理し、穀粒タンク7は、脱穀機6からの脱穀粒を回収して貯留していく。排ワラ処理装置8は、脱穀機6からの脱穀排ワラを細断して排出する細断処理を行なうか、あるいは長ワラ状態のままで排出する長ワラ排出処理を行なう。
【0015】
脱穀機6について詳述すると、図2に示すように、脱穀機6は、前記脱穀フィードチェーン11、扱室12などを備えた脱穀部10、扱室12の下方に前端側が位置した揺動選別装置21などを備えた選別部20、揺動選別装置21の下方に設けた1番スクリューコンベヤ31及び2番スクリューコンベヤ32などを備えて構成してある。
【0016】
脱穀部10は、脱穀フィードチェーン11によって刈取穀稈の株元側を挟持搬送し、刈取穀稈の穂先側を扱室12に供給して回動する扱胴13によって脱穀処理し、脱穀排ワラを扱室12の後端部に位置する送塵口14から排出して排塵ファン22の上方を通して前記排ワラ処理装置8に供給する。
【0017】
選別部20は、扱室12の受網15から落下した脱穀処理物を偏芯カム36aが装備された駆動機構36によって駆動揺動される揺動選別装置21によって受け止めてこの揺動選別装置21によって脱穀機体後方向きに搬送しながら選別処理して、これとともに揺動選別装置21の前端部の下方に位置する唐箕23からの選別風を作用させて、精粒や未処理粒の穀粒と、ワラ屑などの塵埃とに選別処理し、精粒や未処理粒を揺動選別装置21から落下させ、塵埃を排塵ファン22によって選別風と共に吸引して脱穀機体外に排出したり、脱穀機体後部に位置する排塵口24から脱穀機体外に排出する。
【0018】
揺動選別装置21から落下した精粒は、1番スクリューコンベヤ31によって脱穀機体の横外側に搬出して1番スクリューコンベヤ31の終端部から前記穀粒タンク7に搬送する。揺動選別装置21から落下した未処理粒は、2番スクリューコンベヤ32によって脱穀機体の横外側に搬出して2番スクリューコンベヤ32の終端部から揚送コンベヤ33によって脱穀機体の還元口34に揚送し、この還元口34から脱穀機体内に投入して揺動選別装置21の前端部に還元するようになっている。
【0019】
図2に示すように、揺動選別装置21は、シーブケース25の内側に、揺動選別装置21の前後方向や上下方向に並んだグレンパン26、チャフシーブ40、ストローラック28、グレンシーブ29などを設けて構成してある。
【0020】
図2に示すように、チャフシーブ40は、このチャフシーブ40のうちの揺動選別装置前端側に位置する大部分を構成するように揺動選別装置21の前後方向に並べてシーブケース25に姿勢変化可能に支持された複数枚の可動チャフリップ板41と、チャフシーブ40の残りの部分を構成するように揺動選別装置21の前後方向に並べてシーブケース25に姿勢変化不能に支持された複数枚の固定チャフリップ板42とを備えて構成してある。
【0021】
図6,7などに示すように、各可動チャフリップ板41の揺動選別装置横幅方向での両端側は、シーブケース25の側壁25aが有する支持枠25bに連結ピン43を介して回動自在に連結されており、各可動チャフリップ板41は、連結ピン43の軸芯まわりでシーブケース25に対して上下揺動して隣り合う一対の可動チャフリップ板41どうしの間の処理物落下通路を開閉するようになっている。
【0022】
図3に示すように、各可動チャフリップ板41に操作ケーブル51などを備えた連動手段50を介して連動されたチャフ調節具60をシーブケース25の側壁25aの後端部の外面側に設置してある。
チャフ調節具50を脱穀機体や運転部などに設置すれば、揺動選別装置21が駆動されることを許容する長さを操作ケーブル51に備えさせる必要があるが、チャフ調節具60は、シーブケース25に支持されていて揺動選別装置21が駆動されてもシーブケース25と共に移動することから、連動手段50を操作ケーブル51が短いコンパクトなものに済ませることができる。
【0023】
図4〜7に示すように、前記連動手段50は、前記各可動チャフリップ板41の一端側に連結ピン52で相対回動自在に連結されて複数枚の可動チャフリップ板41を連動して上下揺動するように連動させている一枚の連動帯板53、シーブケース25の側壁25aに設けたシーブケース長孔25cを挿通するように構成した一枚の可動チャフリップ板41の前記連結ピン52、シーブケース25の側壁25aの外面側に支点ピン54を介して揺動自在に連結された揺動リンク55、この揺動リンク55に設けたリンク長孔55aから突出した前記連結ピン52の端部と揺動リンク55が備えるばねホルダー55bとにわたって装着した感知ばね56、揺動リンク55に連結したリターンばね57、揺動リンク55と前記チャフ調節具60をインナーケーブル51aによって連結している前記操作ケーブル51を備えて構成してある。
【0024】
揺動リンク55が支点ピン54の軸芯まわりで揺動操作されると、揺動リンク55のリンク長孔55aがシーブケース長孔25cに対して移動することにより、かつ、リンク長孔55aの長さがシーブケース長孔25cの長さよりも短いことにより、揺動リンク55の操作位置によっては、シーブケース長孔25cの上端、あるいはリンク長孔55aの上端が連結ピン52の上昇限界を設定して各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界を設定し、シーブケース長孔25cの下端、あるいはリンク長孔55aの下端が連結ピン52の下降限界を設定して各可動チャフリップ板41の下降開き限界を設定し、リンク長孔55aが単独で、あるいはリンク長孔55aとシーブケース長孔25cが両方で連結ピン52の昇降範囲を規制して各可動チャフリップ板41の揺動範囲を規制するようになっている。
すなわち、リンク長孔55aの上端がシーブケース長孔25cの上端と同一の配置高さまたはそれ以上の配置高さに位置し、リンク長孔55aの下端がシーブケース長孔25cの下端よりも高い配置高さに位置した場合、シーブケース長孔25cの上端が連結ピン52の上昇限界を設定して各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界を設定し、リンク長孔55aの下端が連結ピン52の下降限界を設定して各可動チャフリップ板41の下降開き限界を設定し、リンク長孔55aが連結ピン52の昇降範囲を設定して各可動チャフリップ板41の昇降範囲を設定する。リンク長孔55aの上端がシーブケース長孔25cの上端よりも低い配置高さに位置し、リンク長孔55aの下端がシーブケース長孔25cの下端よりも高い配置高さに位置した場合、リンク長孔55aの上端が連結ピン52の上昇限界を設定して各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界を設定し、リンク長孔55aの下端が連結ピン52の下降限界を設定して各可動チャフリップ板41の下降開き限界を設定し、リンク長孔55aが連結ピン52の昇降範囲を設定して各可動チャフリップ板41の昇降範囲を設定する。リンク長孔55aの上端がシーブケース長孔25cの上端よりも低い配置高さに位置し、リンク長孔55aの下端がシーブケース長孔25cの下端よりも低い配置高さに位置した場合、リンク長孔55aの上端が連結ピン52の上昇限界を設定して各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界を設定し、シーブケース長孔25cの下端が連結ピン52の下降限界を設定して各可動チャフリップ板41の下降開き限界を設定し、リンク長孔55aとシーブケース長孔25cとが両方で連結ピン52の昇降範囲を設定して各可動チャフリップ板41の昇降範囲を設定する。
これにより、揺動リンク55が揺動操作されて操作位置に保持されると、各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界及び下降開き限界が変化するように各可動チャフリップ板41を開閉調節される。
【0025】
感知ばね56は、連結ピン52を引き上げ付勢することにより、各可動チャフリップ板41をリンク長孔55aやシーブケース長孔25cによって設定される昇降範囲での上昇限界、すなわち上昇閉じ側に揺動付勢しており、チャフシーブ40に堆積した選別処理物の重量によって可動チャフリップ板41を下降開放させるように、かつ、選別処理物の重量が大になるほど可動チャフリップ板41をより大きく下降開放させるようになっている。
【0026】
図5などに示すバランスウエイト58は、取り付け板58aで前記支点ピン54に回動自在に支持されており、かつ、取り付け板58aで前記連結ピン52にウエイト荷重を掛けるようになっている。
【0027】
図8,9に示すように、チャフ調節具60は、チャフ調節具60が備える取り付け長孔61を挿通するように構成してシーブケース側壁25aに固設した支持ピン62を介してシーブケース側壁25aに支持されており、支持ピン62に沿わせて揺動選別装置前後方向に移動操作されて操作ケーブル51を引っ張り及び緩め操作するようになっている。
【0028】
図9などに示すように、チャフ調節具60の前記取り付け長孔61と操作部63との間に折り曲げ片を形成して設けた係合突起71、及び、シーブケース側壁25aに揺動選別装置前後方向に並べて設けた複数個の貫通孔で成る位置決め凹部72を備えさせて位置決め機構70を構成してある。
【0029】
チャフ調節具60は、弾性変形操作することができるようにばね鋼板やステンレス鋼板など、弾性変形しやすい素材で作製してあり、図9に二点鎖線で示すように、チャフ調節具60を前記支持ピン62によって支持される部位を揺動支点にして揺動するように弾性変形操作することにより、係合突起71を位置決め凹部72から抜き外すことができるようになっている。
【0030】
すなわち、チャフ調節具60が弾性変形操作されると、係合突起71が位置決め凹部72から抜け外れ、これにより、位置決め機構70は、係合突起71と位置決め凹部72の係合によるチャフ調節具60の位置決めを解除するように解除状態になり、チャフ調節具60の弾性変形操作が解除されると、チャフ調節具60の弾性復元によって係合突起71が位置決め凹部72に入り込んで係合し、これにより、位置決め機構70は、チャフ調節具60をリターンばね57に抗して操作位置に保持して各可動チャフリップ板41をチャフ調節具60の操作位置に対応した調節状態に保持するべくチャフ調節具60のシーブケース25に対する位置決めを行うように作用状態になる。
【0031】
つまり、チャフシーブ40は、グレンパン26などからの選別処理物を各チャフリップ板41,42によって受け止めて揺動選別装置後端側に向けて搬送しながら穀粒と塵埃に選別処理して穀粒を隣り合う一対のチャフリップ板41,42どうしの間の処理物落下通路から落下させる。チャフシーブ40の前端側では、堆積した選別処理物の重量によっては、処理物重量のために可動チャフリップ板41が自ずと下降揺動開放して可動チャフリップ板41どうしの間の処理物落下通路が広くなり、選別処理物が落下しやすくなる。
そして、選別処理物の量や濡れ具合などが変化した場合、図10に示す如く排ワラ処理装置8を自走機体上下向きの軸芯Xまわりで揺動開放して脱穀機体の前記排塵口24を開放し、この排塵口24からチャフ調節具60を操作することにより、連動手段50による連動作用によって、各可動チャフリップ板41の上昇閉じ限界がより閉じ側や開き側に変化するように、かつ、各可動チャフリップ板41の下降開き限界がより閉じ側や開き側に変化するように各可動チャフリップ板41を開閉調節することができ、チャフシーブ40を選別処理物が迅速に落下するように、あるいは塵埃が落下しにくくなるように調節することができる。この場合、チャフ調節具60の操作部63がシーブケース側壁25aから離れるようにチャフ調節具60を弾性変形操作することにより、位置決め機構70によるチャフ調節具60の位置決めが解除されてチャフ調節具60を移動操作することができ、チャフ調節具60を所定の操作位置に操作した後にチャフ調節具60の弾性変形操作を解除すると、チャフ調節具60の弾性復元力によって位置決め機構70が作用状態になってチャフ調節具60が操作位置に位置決めされ、各可動チャフリップ板41を調節状態に保持することができる。
【0032】
図11は、別の実施形態を備えたチャフシーブ操作部構造を示し、このチャフシーブ操作部構造にあっては、脱穀機の側壁6aの後端部に設けた切欠き6bを備えてある。この切欠き6bは、脱穀機の排塵口24から前記チャフ調節具60を操作する際、チャフ調節具60の取り扱いを容易にする作業用スペースをチャフ調節具60の横側方に形成するためのものである。
【0033】
図12は、さらに別の実施形態を備えたチャフシーブ操作部構造を示し、このチャフシーブ操作部構造にあっては、チャフ調節具60の中央部が連結ピン64を介してシーブケース側壁25aに回動自在に支持されており、チャフ調節具60を連結ピン64の軸芯まわりで回動操作して操作ケーブル51を引っ張り及び緩め操作するようになっている。
【0034】
チャフ調節具60の位置決め機構70は、チャフ調節具60の連結ピン64と操作部63の間に折り曲げ片を形成して設けた係合突起71、この係合突起71の回動軌跡に沿って並ぶように配置してシーブケース側壁25aに設けた複数個の位置決め凹部72を備えて構成してある。そして、チャフ調節具60は、ばね鋼材で作製してあり、図13に二点鎖線で示す如くチャフ調節具60を連結ピン64による支持部位を揺動支点にして揺動するように弾性変形操作することにより、係合突起71が位置決め凹部72から抜け外れ、位置決め機構70が係合突起71と位置決め凹部72の係合によるチャフ調節具60の位置決めを解除するように解除状態になる。
【0035】
〔別実施形態〕
上記各実施形態の如く、係合突起71をチャフ調節具60に設け、位置決め凹部72をシーブケース25に設けて位置決め機構70を構成する他、係合突起71をシーブケース25の方に設け、位置決め凹部72をチャフ調節具60の方に設けて位置決め機構70を構成して実施してもよい。いずれによっても本発明の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】脱穀機の断面図
【図3】揺動選別装置全体の側面図
【図4】揺動リンク配設部のチャフリップ板下降開き状態での側面図
【図5】可動チャフリップ板の開閉構造の分解斜視図
【図6】可動チャフリップ板取り付け構造の横断平面図
【図7】可動チャフリップ板取り付け構造の縦断正面図
【図8】チャフ調節具配設部の側面図
【図9】チャフ調節具配設部の平面図
【図10】チャフ調節具の操作要領を示す斜視図
【図11】別の実施形態を備えた脱穀機のチャフ調節具配設部での側面図
【図12】別の実施形態を備えたチャフ調節具の配設部での側面図
【図13】別の実施形態を備えたチャフ調節具の断面図
【符号の説明】
【0037】
21 揺動選別装置
25 シーブケース
40 チャフシーブ
41 チャフリップ板
50 連動手段
60 チャフ調節具
70 位置決め機構
71 係合突起
72 位置決め凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動自在な揺動選別装置のチャフシーブに開閉自在なチャフリップ板を備えてある脱穀機であって、
前記チャフリップ板を開閉調節するようにチャフリップ板に連動手段を介して連動されたチャフ調節具を、揺動選別装置のシーブケースの後端部に設置してある脱穀機。
【請求項2】
チャフ調節具とシーブケースが各別に備える係合突起と位置決め凹部の係合により、チャフリップ板を調節状態に保持するようにチャフ調節具のシーブケースに対する位置決めを行う位置決め機構を設け、チャフ調節具の弾性変形によって係合突起と位置決め凹部の係合が解除されるように、チャフ調節具の弾性復元によって係合突起と位置決め凹部が係合されるようにチャフ調節具を弾性変形自在に構成してある請求項1記載の脱穀機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−174737(P2006−174737A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−369668(P2004−369668)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】