脱穀装置用の選別部
【課題】グレンシーブの構成に改良を加えることで、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能でありながらも、構成の簡素化によりコスト低減が可能となる脱穀装置用の選別部を提供する。
【解決手段】脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブ81が備えられ、このグレンシーブ81が、外周部を囲う枠体96とその枠体96にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材97とを備えて構成され、且つ、処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域Z1,Z2を備えるとともに、各漏下作用領域Z1,Z2の夫々に各別に多孔状部材97を着脱可能に支持する状態で備えて構成されている。
【解決手段】脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブ81が備えられ、このグレンシーブ81が、外周部を囲う枠体96とその枠体96にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材97とを備えて構成され、且つ、処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域Z1,Z2を備えるとともに、各漏下作用領域Z1,Z2の夫々に各別に多孔状部材97を着脱可能に支持する状態で備えて構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されている脱穀装置用の選別部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脱穀装置では、グレンシーブが、枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材として、枠体にて囲われる漏下領域の全域に亘って一連に連なる状態で同じ大きさの透過孔が形成され且つ枠体と一体的に固定される1つの多孔状部材を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−95287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、同じ大きさの透過孔が全域にわたって形成された1つの多孔状部材と枠体とが一体的に固定される構成となっていたから、例えば、大きめの透過孔が形成された多孔状部材が枠体に一体的に固定されたグレンシーブ、あるいは小さめの透過孔が形成された多孔状部材が枠体に一体的に固定されたグレンシーブ等、異なる種類のグレンシーブを予め用意しておき、収穫対象作物の種類の違い等の作業条件の違いに応じて、その作業条件に適した大きさの透過孔を備えたグレンシーブに交換するようにしている。
【0005】
例えば、脱穀処理物の量が多くなるような作業条件では、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いるようにして穀粒の漏下処理を能率よく行えるようにしたり、脱穀処理物の量がそれほど多くない作業条件では、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いるようにして、選別した穀粒に細かなワラ屑が混入し難い状態で選別を行えるようにしている。
【0006】
しかしながら、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いる場合には、漏下領域の全域に亘って大きめの透過孔が形成されているので、穀粒の漏下選別処理は良好に行うことはできるが、大きめの透過孔を通してワラ屑が漏下し易くなり、回収される穀粒にワラ屑が多く混入する不利がある。
【0007】
又、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いる場合には、漏下領域の全域に亘って小さめの透過孔が形成されているので、ワラ屑が漏下し難く、回収される穀粒にワラ屑が多く混入する不利はないが、ワラ屑の量が多い場合においては、処理物移送方向の下手側端部にまでワラ屑が移送されるとともに、穀粒が多孔状部材を漏下せずに処理物移送方向の下手側端部にまでワラ屑と移送されて、ワラ屑と共に外部に排出される穀粒が多くなり、本来回収されるべき穀粒が多く外部に排出されて損失となる不利がある。
【0008】
しかも、上記従来構成では、枠体と多孔状部材とが一体的に固定されたグレンシーブとして、異なる種類のものを予め用意する必要があるから、それだけコスト高を招く不利があり、この点でも改善の余地があった。
【0009】
本発明の目的は、グレンシーブの構成に改良を加えることで、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能でありながらも、構成の簡素化によりコスト低減が可能となる脱穀装置用の選別部を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る脱穀装置用の選別部は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されているものであって、前記枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に前記多孔状部材を着脱可能に備えて、前記グレンシーブが構成されている点にある。
【0011】
第1特徴構成によれば、枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に多孔状部材を着脱可能に支持する状態で備えてグレンシーブが構成されているから、作業条件の違いに応じて適切な状態で選別作業を行えるようにすることが可能となる。
【0012】
説明を加えると、作業条件の違いに応じて以下のような異なる作業形態を採ることができる。
例えば、脱穀処理物の全体量が多く、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合が少ない作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域と処理物移送方向下手側の漏下作用領域の夫々に、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、穀粒の漏下処理を効率よく行える。
【0013】
脱穀処理物の全体量が多く、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合が多い作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域に小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着し、処理物移送方向下手側の漏下作用領域に大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、処理物移送方向上手側の漏下作用領域に多くの脱穀処理物が供給されることがあっても、小さめの透過孔が形成された多孔状部材が備えられるので、回収される穀粒にワラ屑が混入され難いものとなる。処理物移送方向下手側の漏下作用領域では、揺動移送によって脱穀処理物が均されるので、大きめの透過孔が形成された多孔状部材によりワラ屑の漏下を避けながら穀粒を無駄なく回収することができる。
【0014】
脱穀処理物の全体量が少なく、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合がそれほど多くない作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域と処理物移送方向下手側の漏下作用領域の夫々に、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、穀粒の漏下処理を効率よく行えるようにしながら、ワラ屑の混入を抑制できるものとなる。
【0015】
このように、そのときの作業条件の違いに応じて適切な穀粒の漏下処理状態が得られる作業形態を選択することができる。つまり、作業条件が異なっても、作業条件に適した作業形態のグレンシーブを使用して適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0016】
又、各漏下作用領域の夫々に各別に多孔状部材を着脱可能に支持する状態で備えて構成されるものであるから、枠体を共用して多孔状部材だけを取り替えればよく、枠体はそのまま共用しながら複数の多孔状部材を用意すればよく、枠体と多孔状部材とを一体的に備えるグレンシーブを複数種用意する場合に比べて、使用者の費用負担を低く抑えることが可能となる。
【0017】
従って、グレンシーブの構成に改良を加えることで、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能でありながらも、費用負担を低く抑えることが可能となる脱穀装置用の選別部を提供できるに至った。
【0018】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記各漏下作用領域のうち前記処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔が、前記処理物移送方向の下手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔よりも小さく設定されている点にある。
【0019】
第2特徴構成によれば、脱穀処理物量が多い場合に、処理物移送方向下手側の漏下作用領域に大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着することで、穀粒の漏下選別を良好に行えるようにしながら、脱穀処理によって多量の脱穀処理物が漏下し易く、ワラ屑が多く存在するおそれが大きい処理物移送方向上手側の漏下作用領域では、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着することで、穀粒へのワラ屑の混入を抑制し易いものとなる。
【0020】
従って、脱穀処理物の量が多めとなる作業条件において、作業条件に適したグレンシーブを用いて適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0021】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記複数の漏下作用領域のうち少なくとも前記処理物移送方向の最上手側の漏下作用領域に、処理物の漏下を阻止する遮蔽部材が着脱自在に備えられている点にある。
【0022】
第3特徴構成によれば、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域、特に最上手側の漏下作用領域では、下手側の漏下作用領域に比べてワラ屑が多く発生し易いものであるが、特に、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件であれば、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に遮蔽部材を装着することにより、ワラ屑が穀粒に混入することを適切に回避できるようにしながら、処理物移送方向の下手側の漏下作用領域にて穀粒を適切に漏下させることができる。
【0023】
従って、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件において、作業条件に適したグレンシーブを用いて適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0024】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材が、前記枠体における両側枠体部分に亘って架設支持される状態で備えられている点にある。
【0025】
第4特徴構成によれば、複数の漏下作用領域に各別に装着される多孔状部材の夫々を、複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材によって支持することができ、複数の多孔状部材同士の境界における多孔状部材の端縁を安定的に枠体に支持することができる。
【0026】
その結果、例えば、多孔状部材の端縁が不安定な状態で振動する等の不利がなく、適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0027】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記漏下作用領域として、前記処理物移送方向上手側に位置する上手側漏下作用領域と、前記処理物移送方向下手側に位置する下手側漏下作用領域との2つが形成され、前記上手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅が、前記下手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されている点にある。
【0028】
第5特徴構成によれば、上手側漏下作用領域の処理物移送方向に沿う幅が下手側漏下作用領域における処理物移送方向に沿う幅よりも短いものとなるが、例えば、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件であれば、処理物移送方向に沿う長さが長い下手側漏下作用領域に作業条件に適した大きさの透過孔を備えた多孔状部材を装着することで、処理物移送方向の下手側の漏下作用領域にて穀粒を適切に漏下させることができる。このとき、処理物移送方向に沿う幅が短い上手側漏下作用領域には、作業条件に適した大きさの透過孔に比べて小さめの透過孔を備えた多孔状部材を装着したり、あるいは、遮蔽部材を備えて切れワラが穀粒に混入することを回避させ易い状態に設定することができる。
【0029】
又、脱穀処理物の量が多めとなる作業条件であれば、下手側漏下作用領域だけでなく、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域にも作業条件に適した大きさの透過孔を備えた多孔状部材を装着しておくことで、穀粒の漏下性能を向上させて、ワラ屑と共に外部に排出される穀粒を少なくすることが可能となる。
【0030】
このように、漏下作用領域として2つの漏下作用領域を形成するという簡単な構成でありながらも、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】脱穀装置の縦断側面図である。
【図3】グレンシーブ装着部の縦断側面図である。
【図4】グレンシーブ装着部の縦断正面図である。
【図5】グレンシーブの平面図である。
【図6】グレンシーブの分解斜視図である。
【図7】揚送コンベヤの後面図である。
【図8】図7のVIII―VIII線断面図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】揚送コンベヤの側面図である。
【図11】2番還元用搬送装置の上部の後面図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】2番還元用搬送装置の下部の側面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】駆動機構の一部切欠平面図である。
【図16】2番唐箕の一部切欠正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を普通型(全稈投入型)コンバインに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、普通型コンバインは、走行車体1の走行に伴って収穫対象の穀稈を刈り取って搬送する刈取搬送装置2が走行車体1の前部に昇降揺動可能に装備され、刈取搬送装置2からの刈取穀稈に扱き処理を施し、扱き処理で得た脱穀処理物に選別処理を施す脱穀装置3と、脱穀装置3での扱き処理及び選別処理で得た単粒化した穀粒を貯留して籾袋への詰め込みを可能にする袋詰装置4とが走行車体1に搭載されて構成されている。
【0033】
走行車体1は、車体フレーム5の下部に左右一対のクローラ式走行装置6を備え、車体フレーム5の前部右側領域に搭乗運転部7が備えられている。
刈取搬送装置2は、走行車体1の走行に伴って、その前部の左右両端に配備したデバイダ8により未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分け、刈取搬送装置2の前部上方に配備した回転リール9により収穫対象穀稈の穂先側を後方に掻き込み、刈取搬送装置2の底部に装備したバリカン型の切断機構10により収穫対象穀稈の株元側を切断して収穫対象穀稈を取り込むように構成されている。そして、取り込んだ収穫対象穀稈である刈取穀稈を切断機構10の後方に配備したスクリュー搬送式のオーガ11により左右方向の所定箇所に寄せ集めて後方に送り出し、その所定箇所から脱穀装置3にわたるように架設した掻上げ搬送式のフィーダ12により脱穀装置3に供給搬送するように構成されている。
【0034】
図1に示すように、脱穀装置3の左側部には、複数のカバー13〜16の夫々を開閉操作可能となるように装備してあり、脱穀装置3のメンテナンス作業を容易に行えるように構成されている。
【0035】
図2に示すように、脱穀装置3は、上部にフィーダ12が供給する刈取穀稈に扱き処理を施す脱穀部17を備え、下側に脱穀部17での扱き処理で得た選別対象の脱穀処理物に選別処理を施す選別部18、及び、その選別処理で得た回収対象の脱穀処理物を回収する回収部19を備えて構成されている。脱穀装置3の後端下部には、扱き処理に伴って脱穀部17の排稈口20から流出した脱粒穀稈や選別処理によって揺動選別機構21の後方に搬出した長いワラ屑などを細断して機外に排出する細断装置22を備えている。
【0036】
脱穀部17は、扱室23の内部に、前後向きの扱胴軸24を中心に回転することで刈取搬送装置2からの刈取穀稈に扱き処理を施すバータイプの扱胴25と、その下方に沿って配備される前後方向視U字状の受網26とを備えて構成されている。扱室23の上部カバー27の内部には、扱胴25が扱胴軸24を中心に回転するのに伴って扱室23の上部に移動した刈取穀稈や脱穀処理物を車体後方に案内する複数の送塵弁28が、前後方向に設定間隔をあけて並ぶ状態で備えられている。
【0037】
選別部18は、受網26から漏下した脱穀処理物を機体後方側に向けて移送しながら揺動選別する揺動選別機構21、揺動選別機構21に精選別用の選別風を供給する唐箕29、揺動選別機構21に粗選別用の選別風を供給する副唐箕30、及び、揺動選別機構21に2番物選別用の選別風を供給する2番唐箕31などを備えて構成されている。つまり、この実施形態では機体前後方向が処理物移送方向に対応することになる。
【0038】
回収部19は、揺動選別機構21の下方に、揺動選別機構21の前部側から漏下して唐箕29からの選別風を受けながら流下する単粒化穀粒を1番物として回収する1番回収部32と、揺動選別機構21の後部側から漏下して2番唐箕31からの選別風を受けながら流下する枝梗付き穀粒等を2番物として回収する2番回収部33とが、その順で前後に並ぶ状態で配備されて構成されている。
【0039】
1番回収部32には回収した1番物を左右方向一方側に搬送する1番搬送スクリュー34が備えられ、この1番搬送スクリュー34の搬送終端部には、1番搬送スクリュー34が搬送した1番物を袋詰装置4の上部に揚送するバケット式の揚送コンベヤ35が連動連結されている。
【0040】
図7に示すように、揚送コンベヤ35は、後述する2番還元用搬送装置36との干渉を避けるために、脱穀装置3の右側の側壁37から所定距離離間した位置に設けられ、1番搬送スクリュー34が脱穀装置3の側壁37から外方に突出して中継用搬送部38を備える構成となっている。
【0041】
そして、図7及び図8に示すように、中継用搬送部38における円筒状の外筒部39には、点検用の開口40が外筒部39の略半周にわたって形成され、その開口40を覆う蓋体41が取り外し自在に装着されている。蓋体41は、円筒状の外筒部39の半周部を形成するように半円筒状に形成されており、その下端部に形成された係合部42を外筒部39に形成された被係合部43に係合させた状態で、開口40を閉じる閉じ姿勢にて蝶ボルト44で締め付け固定する構成となっている。つまり、作業者は工具を使わなくても、手で蝶ボルト44を外すことで蓋体41を開放させることができる。
【0042】
図7に示すように、揚送コンベヤ35の搬送始端部における下部ケース45の底部側の外周面に点検用の開口45aが形成され、図7、図9及び図10に示すように、開口45aを覆う蓋体46が取り外し自在に装着されている。この蓋体46は、両側端部が夫々バックル機構48により下部ケース45に対して着脱自在に装着されている。
【0043】
図9に示すように、前記下部ケース45における底部側の右側部に点検用の開口45bが形成され、図7及び図10に示すように、その開口45bを覆う蓋体47が取り外し可能な状態でノブボルト49で締め付け固定する状態で備えられている。蓋体47は、下端側の端縁が略く字状に折り曲げた形状となっている。
【0044】
図7に示すように、下部ケース45における上部側の後側部にも点検用の開口45cが形成され、その開口45cを覆う蓋体50が取り外し可能な状態で、溶接ボルト51と取り外し可能なナット52とで締め付け固定する状態で備えられている。
【0045】
図7及び図10に示すように、揚送コンベヤ35の縦向き搬送経路を構成する筒体53にも、上下2箇所に点検用の開口54が形成され、その開口54を覆う蓋体55が取り外し可能な状態でノブボルト56で締め付け固定する状態で備えられている。
【0046】
図7及び図10に示すように、揚送コンベヤ35の上部には、上部に揚送してきた1番物を袋詰装置4の貯留ホッパー4Aの内部に向けて横送り搬送するスクリュー式の横送り搬送部35Aが、横方向に突出する状態で設けられている。この横送り搬送部35Aは、詳述はしないが、例えば、コンバインを輸送するとき等において、ケース同士のボルト連結を解除することにより、取り外すことができるように構成されている。
【0047】
図2に示すように、2番回収部33には、回収した2番物を左右方向一方側に搬送する2番搬送スクリュー57が備えられ、この2番搬送スクリュー57の搬送終端部には、2番搬送スクリュー57が搬送した2番物に再び扱き処理を施す再処理機構58、及び、この再処理機構58による再処理後の2番物を粗選別用のグレンパン59の上部に還元搬送するスクリュー式の2番還元用搬送装置36が連動連結されている。
【0048】
図13に示すように、再処理機構58と2番還元用搬送装置36の搬送始端部とを接続する接続ケース部60の上部面には、点検用の開口61が形成され、その開口61を覆う蓋体62が取り外し可能な状態で溶接ボルト63aと蝶ナット63bとで締め付け固定する状態で備えられている。
【0049】
又、図13及び図14に示すように、2番還元用搬送装置36の搬送始端部における外筒ケース部64には、点検用の開口65が形成され、その開口65を覆う円弧状の蓋体66が取り外し自在に装着されている。この蓋体66は、両側端部がL形に折り曲げ形成され、固定側のフランジ部67に対して取り外し可能な状態で蝶ボルト68で締め付け固定される構成となっている。
【0050】
図11に示すように、2番還元用搬送装置36の斜め上方に向けて延びる長尺の搬送経路を構成する筒体69にも上下2箇所に点検用の開口70が形成され、その2つの開口70を覆う1つの蓋体71が筒体69の長手方向に沿う軸芯P1周りで揺動開閉自在に備えられ、点検用の開口70及び蓋体71は筒体69の長手方向に沿って長尺状に形成されている。
又、図11及び図12に示すように、蓋体71を閉状態で位置保持する保持状態と蓋体71を開放自在な開放状態とにわたり切り換え自在な閉止部材72が、筒体69の長手方向に沿って長尺状に形成される状態で、且つ、筒体69の長手方向に沿う軸芯P2周りで揺動自在に支持される状態で備えられている。
【0051】
閉止部材72は、長手方向にて間隔をあけて備えられる複数の蝶ボルト73により、筒体69に一体的に形成された取り付け座74に対して固定することで、蓋体71を閉状態で位置保持することができるように構成され、蝶ボルト73を取り外して開放状態に切り換えて、蓋体71を開放状態に切り換えることができるように構成されている。又、閉止部材72には、作業者が袋詰装置4側から手を伸ばして手動操作による開閉操作が行い易くなるように、一体回動自在な操作杆75が設けられている。
【0052】
次に、揺動選別機構21の構成について説明する。
図2に示すように、揺動選別機構21は、後部下方側に備えた偏心カム式の駆動機構76の作動で前後揺動するシーブケース77を備え、そのシーブケース77における上部側箇所に、粗選別用のグレンパン59と、チャフシーブ78と、ストローラック79とを、その順でシーブケース77の前端から後方に向けて連なるように配備し、シーブケース77の下部側箇所に、傾斜案内板80とグレンシーブ81とをその順で前後に連接配備し、かつ、グレンシーブ81の後方にグレンシーブ81と連なるように2番物選別用のチャフシーブ82(以下、2番チャフシーブという)を配備して構成されている。
【0053】
前記偏心カム式の駆動機構76は、図2及び図15に示すように、脱穀装置3の左右両側の側壁37に亘って架設支持され、且つ、回転軸芯P3に対して偏芯した状態で設けられる偏芯クランク軸83と、シーブケース77に連結されたケース連結軸84とが一対の連結アーム85により枢支連結され、又、左右両側の側壁37に夫々位置固定自在で支持された支点軸86とケース連結軸84とが一対の連結アーム87により枢支連結されている。そして、偏芯クランク軸83が回転軸芯P3周りで回転駆動されることによりケース連結軸84すなわちシーブケース77が支点軸86を中心に往復揺動移動するように構成されている。
【0054】
そして、図15に示すように、偏芯クランク軸83には、回転軸芯P3に対して直径方向の反対側に延設される状態でコの字形の支持アーム88が連結され、この支持アーム88にバランスウエイト89が取り付けられている。このように構成することで重心位置を回転軸芯P3に近づけて、偏芯クランク軸83の回転に伴う重心位置の移動に起因して発生する振動をできるだけ少なくするようにしている。
【0055】
図2に示すように、粗選別用のグレンパン59は、縦断側面形状が鋸刃状になるように屈曲形成した板金材からなり、シーブケース77とともに前後揺動することで、受網26の前端部から漏下した脱穀処理物を比重差選別して比重の小さいワラ屑などの塵埃と比重の大きい穀粒とに上下に層分けしながら後方のチャフシーブ78に移送する。
【0056】
チャフシーブ78は、複数のチャフリップ板78Aを前後方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、シーブケース77とともに前後揺動することで、受網26の前部側及びグレンパン59からの脱穀処理物に篩い選別処理を施して、穀粒などをチャフリップ板78Aの間から漏下させながら、チャフリップ板78Aの間から漏下しなかった脱穀処理物を後方のストローラック79に移送するように構成されている。
【0057】
ストローラック79は、鋸刃状に形成した複数のラック板79Aを後上がりの傾斜姿勢で後向きに延出する片持ち状態で左右方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、シーブケース77とともに前後揺動することで、穀粒などをラック板79Aの間から漏下させながら、ラック板79Aの間から漏下しなかったワラ屑等を後端から流下させるように構成されている。
【0058】
2番チャフシーブ82は、複数のチャフリップ板82Aを前後方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、その後端がシーブケース77の後端に近接するように後上がりの傾斜姿勢でシーブケース77の後部に配備してあり、シーブケース77とともに前後揺動することで、枝梗付き穀粒等を2番物としてチャフリップ板82Aの間から漏下させながら、漏下しない長いワラ屑などの脱穀処理物をシーブケース77の後方に移送するように構成されている。
【0059】
グレンシーブ81は、チャフシーブ78の下方に後上がり傾斜姿勢で配備され、シーブケース77とともに前後揺動することで、チャフシーブ78から漏下した脱穀処理物に篩い選別処理を施して、単粒化穀粒を1番物として漏下させながら、漏下しない枝梗付き穀粒などを2番物としてワラ屑などとともに後方の2番チャフシーブ82に移送するように構成されている。
【0060】
副唐箕30は、粗選別用のグレンパン59の底面に備えた後下がり傾斜姿勢の上側風向板91と、傾斜案内板80に連なるように設けられた下側風向板92との間、チャフシーブ78とグレンシーブ81との間、並びに、ストローラック79と2番チャフシーブ82との間を吹き抜ける選別風を供給するように構成されている。
【0061】
2番唐箕31は、上下風向板93にて形成された先細り形状の吹出口94から2番チャフシーブ82の下方を通過して2番チャフシーブ82の後端部から後上方に吹き抜ける選別風を、揺動選別機構21の後縦壁であるシーブケース77の後端に向けて供給するように構成されている。
【0062】
図16に示すように、2番唐箕31の下方には、下方に位置するクローラ式走行装置6により跳ね上げられる泥土が2番唐箕31に飛散することを防止するためのカバー体95が備えられており、このカバー体95は、図示はしないが、選別風を供給するために多孔状に形成されており、メンテナンスのために取り外すことが可能なように、脱穀装置3の左右両側の側壁37にボルト95aにより連結する構成となっている。
【0063】
次に、グレンシーブ81の構成について説明する。
図5及び図6に示すように、グレンシーブ81は、外周部を囲う枠体96と、その枠体96にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材としてのクリンプ網97とを備えて構成され、且つ、枠体96が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別にクリンプ網97を着脱可能に備えて構成されている。
【0064】
図5に示すように、漏下作用領域として、処理物移送方向上手側すなわち、機体前部側に位置する上手側漏下作用領域としての前部側領域Z1、処理物移送方向下手側すなわち、機体後部側に位置する下手側漏下作用領域としての後部側領域Z2との2つが形成され、前部側領域Z1に小さめの透過孔t1が形成されたクリンプ網97Aが装着され、後部側領域Z2に大きめの透過孔t2が形成されたクリンプ網97Bが装着されて構成されている。
【0065】
説明を加えると、図3及び図4にも示すように、枠体96は、断面形状略L字型に形成された前後両側の横向き枠部96a,96b及び左右両側の前後向き枠部96c,96dを平面視で矩形枠状に一体的に連結して構成され、その枠体96における前後方向中央部よりも前側に寄った位置において、左右両側の前後向き枠部96c,96dに亘って断面コの状に形成された中継用の支持部材98が架設連結されている。枠体96によって形成される矩形状の漏下作用領域が中継用の支持部材98によって前部側領域Z1と後部側領域Z2とに区画形成される構成となっている。
【0066】
前部側領域Z1と後部側領域Z2とを仕切る仕切り部分が、グレンシーブ81における処理物移送方向の沿う全長の中央部よりも処理物移送方向上手側に片寄った位置に形成されている。ちなみに、この実施形態では、前部側領域Z1はグレンシーブ81の前後方向の全幅の約1/4程度の前後幅に設定され、後部側領域Z2はグレンシーブ81の前後方向の全幅の約3/4程度の前後幅に設定されている。
【0067】
前部側領域Z1には、小さめの透過孔t1が形成された前側のクリンプ網97Aが、前側の横向き枠部96aにおける水平面部分96a1、左右両側の前後向き枠部96c,96dにおける水平面部分96c1,96d1、支持部材98の上部面98aにおける前部側部分の夫々に載置支持され、且つ、上方側から当て板99により挟み込み、枠体96と当て板99とをボルト100とナット101で固定することで、各クリンプ網97Aを挟持して固定状態で保持することができるように構成されている。
【0068】
後部側領域Z2においても、前部側領域Z1と同様にして、大きめの透過孔t2が形成された後側のクリンプ網97Bが、後側の横向き枠部96bにおける水平面部分96b1、左右両側の前後向き枠部96c,96dにおける水平面部分96c1,96d1、支持部材98の上部面98aにおける後部側部分の夫々に載置支持され、且つ、上方側から当て板99により挟み込み、枠体96と当て板99とをボルト100とナット101で固定することで、クリンプ網97Bを挟持して固定状態で保持することができるように構成されている。
【0069】
中継用の支持部材98の上部に設けられる当て板99は、前側のクリンプ網97Aと後側のクリンプ網97Bとの夫々に共用する状態で設けられ、各クリンプ網97A,97Bを夫々保持するように構成されている。
【0070】
すなわち、前側の横向き枠部96aにおける水平面部分96a1、後側の横向き枠部96bにおける水平面部分96b1、及び、支持部材98の上部面98aの夫々に、左右方向に適宜間隔をあけて上向きに突出する状態で複数のボルト100を予め溶接固定してあり、クリンプ網97A,97Bを載置している状態で上方側から当て板99で挟み込むように、当て板99に形成された挿通孔102を通してボルト100を挿通させ、上方側からナット101を螺合させて締め付け固定することができるように構成されている。
【0071】
上記したようにボルト100とナット101で締め付け固定することにより、枠体96と各クリンプ網97A,97Bとがユニット状に組み付けられた状態となり、そのようにユニット状に組み付けられたグレンシーブ81をシーブケース77に対して着脱自在に装着することが可能な構成となっている。
【0072】
つまり、図6に示すように、シーブケース77における左右方向一方側の側面77Aには、グレンシーブ81を着脱させるための挿通孔103が形成され、この挿通孔103を蓋体104にて覆うように構成されている。蓋体104は、周囲の4箇所をボルト105でシーブケース77に固定するように構成され、かつ、ユニット状に組み付けられたグレンシーブ81における枠体96の左右方向一方側箇所にボルト106で固定するように構成されている。
【0073】
図6に示すように、シーブケース77には、グレンシーブ81を挿通孔103を通してグレンシーブ81をスライド自在に案内する前後一対のガイドレール107が備えられ、蓋体104とグレンシーブ81とを一体的にガイドレール107に沿ってスライドさせて、シーブケース77の横側外方に引き抜いたり、内方側に差し込んだりすることができるように構成されている。
尚、図示はしていないが、グレンシーブ81の着脱作業は、脱穀装置3の側壁37に形成され且つ着脱自在な蓋体にて覆われる開口を通して行うことになる。
【0074】
又、シーブケース77の左右方向他方側(グレンシーブ81の差し込み方向先端側)の側面77Bには、ケース内方側に向けて突出する一対の支持ピン108が形成されており、グレンシーブ81には、シーブケース77に対して適正装着位置にスライドした状態において、各支持ピン108に対してスライド移動方向に沿って挿脱自在に嵌まり合い係合する係合ボス部109が形成されている。
【0075】
シーブケース77にグレンシーブ81を装着するときは、蓋体104をユニット状のグレンシーブ81に固定している状態で、グレンシーブ81を挿通孔103を通して挿入して、前後一対のガイドレール107によって受止めて案内しながら差し込み挿入し、係合ボス部109の係合孔110を支持ピン108に嵌め合い係合させて、蓋体104の周囲4箇所をシーブケース77の側面にボルト105で固定する。
グレンシーブ81を取り外すときは、ボルト105を取り外し、グレンシーブ81を蓋体104と一緒に、ガイドレール107によって案内しながらシーブケース77の外方に引き抜くことができる。
【0076】
又、グレンシーブ81における前部側領域Z1に、脱穀処理物の漏下を阻止する遮蔽部材としての遮蔽板111が着脱自在に備える構成となっている。すなわち、図3及び図6に示すように、前記一対のガイドレール107のうち前部側に位置するガイドレール107に、下方に向けて突出する状態で長手方向に間隔をあけて複数のボルト112が予め溶接する状態で備えられ、このボルト112を挿通する挿通孔113が形成された遮蔽板111をグレンシーブ81の下方側から装着して、蝶ナット114で締め付けて固定することができ、又、容易に取り外すことができるように構成されている。
【0077】
このような構成のグレンシーブ81では、作業条件の違いに応じて、透過孔の大きさが異なるクリンプ網97に交換する必要がある場合には、枠体96や当て板99等をそのまま共用してクリンプ網97だけを取り替えることで対応できるものとなる。その結果、使用者は、複数のクリンプ網97を用意すればよく、枠体96とクリンプ網97とが一体的に備えられるグレンシーブに比べて、費用負担を軽減できるものとなる。
【0078】
又、遮蔽板111に形成される挿通孔113が前後方向に長孔に形成され、遮蔽板111の前後位置を変更調節することが可能に設けられ、前部側領域Z1を全閉する最大遮蔽位置から遮蔽面積を設定範囲にわたり減少させるように前後位置を変更できるように構成されている。
【0079】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、グレンシーブ81は、漏下作用領域として、処理物移送方向上手側すなわち、機体前部側に位置する上手側漏下作用領域としての前部側領域Z1、処理物移送方向下手側すなわち、機体後部側に位置する下手側漏下作用領域としての後部側領域Z2との2つが形成され、前部側領域Z1に小さめの透過孔t1が形成されたクリンプ網97Aが装着され、後部側領域Z2に大きめの透過孔t2が形成されたクリンプ網97Bが装着されて構成されるものを示したが、このような構成に代えて、漏下作用領域として、グレンシーブ81を処理物移送方向に沿って3つ以上に分割して3個以上の漏下作用領域を備える構成としてもよく、各漏下作用領域にいずれかのクリンプ網97を装着する構成としてもよい。又、クリンプ網97に代えて、透過孔を打ち抜き加工によって形成したパンチングメタル等を用いるものでもよい。
【0080】
(2)上記実施形態では、グレンシーブ81は、前部側領域Z1の処理物移送方向に沿う幅が後部側領域Z2の処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されているものを示したが、前部側領域Z1の処理物移送方向に沿う幅が後部側領域Z2の処理物移送方向に沿う幅と略同じになるように形成されるものでもよい。
【0081】
(3)上記実施形態では、グレンシーブ81における複数の漏下作用領域のうち前部側領域Z1に処理物の漏下を阻止する遮蔽部材111をシーブケース77におけるガイドレール107に着脱自在に取り付ける構成としたが、遮蔽部材111を固定状態でガイドレール107に取り付ける構成としてもよく、シーブケース77に取り付ける構成に代えて、グレンシーブ81の枠体96に取り付ける構成としてもよい。又、このような遮蔽部材111を備えない構成としてもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では、グレンシーブ81における複数の漏下作用領域を仕切る仕切り部分に、枠体96における両側枠体部分96c,96dに亘って架設支持される状態で支持部材98を備える構成としたが、このような支持部材98を備えない構成としてもよい。
【0083】
(5)上記実施形態では、穀粒を貯留して籾袋への詰め込みを可能にする袋詰装置4を備える普通型コンバインに装着される脱穀装置を示したが、例えば、穀粒を貯留するとともに、貯留している穀粒を外部に排出させる穀粒排出装置を備えた穀粒タンクを備えるコンバインでもよく、又、刈取穀稈の株元を挟持しながら穂先部を扱き処理する自脱型コンバインに装着される脱穀装置でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられている脱穀装置用の選別部に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
21 揺動選別機構
81 グレンシーブ
96 枠体
96c,96d 両側枠体部分
97,97A,97B 多孔状部材
98 支持部材
111 遮蔽部材
t1,t2 透過孔
Z1 上手側の漏下作用領域
Z2 下手側の漏下作用領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されている脱穀装置用の選別部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の脱穀装置では、グレンシーブが、枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材として、枠体にて囲われる漏下領域の全域に亘って一連に連なる状態で同じ大きさの透過孔が形成され且つ枠体と一体的に固定される1つの多孔状部材を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−95287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来構成では、同じ大きさの透過孔が全域にわたって形成された1つの多孔状部材と枠体とが一体的に固定される構成となっていたから、例えば、大きめの透過孔が形成された多孔状部材が枠体に一体的に固定されたグレンシーブ、あるいは小さめの透過孔が形成された多孔状部材が枠体に一体的に固定されたグレンシーブ等、異なる種類のグレンシーブを予め用意しておき、収穫対象作物の種類の違い等の作業条件の違いに応じて、その作業条件に適した大きさの透過孔を備えたグレンシーブに交換するようにしている。
【0005】
例えば、脱穀処理物の量が多くなるような作業条件では、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いるようにして穀粒の漏下処理を能率よく行えるようにしたり、脱穀処理物の量がそれほど多くない作業条件では、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いるようにして、選別した穀粒に細かなワラ屑が混入し難い状態で選別を行えるようにしている。
【0006】
しかしながら、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いる場合には、漏下領域の全域に亘って大きめの透過孔が形成されているので、穀粒の漏下選別処理は良好に行うことはできるが、大きめの透過孔を通してワラ屑が漏下し易くなり、回収される穀粒にワラ屑が多く混入する不利がある。
【0007】
又、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を備えたグレンシーブを用いる場合には、漏下領域の全域に亘って小さめの透過孔が形成されているので、ワラ屑が漏下し難く、回収される穀粒にワラ屑が多く混入する不利はないが、ワラ屑の量が多い場合においては、処理物移送方向の下手側端部にまでワラ屑が移送されるとともに、穀粒が多孔状部材を漏下せずに処理物移送方向の下手側端部にまでワラ屑と移送されて、ワラ屑と共に外部に排出される穀粒が多くなり、本来回収されるべき穀粒が多く外部に排出されて損失となる不利がある。
【0008】
しかも、上記従来構成では、枠体と多孔状部材とが一体的に固定されたグレンシーブとして、異なる種類のものを予め用意する必要があるから、それだけコスト高を招く不利があり、この点でも改善の余地があった。
【0009】
本発明の目的は、グレンシーブの構成に改良を加えることで、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能でありながらも、構成の簡素化によりコスト低減が可能となる脱穀装置用の選別部を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る脱穀装置用の選別部は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されているものであって、前記枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に前記多孔状部材を着脱可能に備えて、前記グレンシーブが構成されている点にある。
【0011】
第1特徴構成によれば、枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に多孔状部材を着脱可能に支持する状態で備えてグレンシーブが構成されているから、作業条件の違いに応じて適切な状態で選別作業を行えるようにすることが可能となる。
【0012】
説明を加えると、作業条件の違いに応じて以下のような異なる作業形態を採ることができる。
例えば、脱穀処理物の全体量が多く、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合が少ない作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域と処理物移送方向下手側の漏下作用領域の夫々に、大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、穀粒の漏下処理を効率よく行える。
【0013】
脱穀処理物の全体量が多く、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合が多い作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域に小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着し、処理物移送方向下手側の漏下作用領域に大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、処理物移送方向上手側の漏下作用領域に多くの脱穀処理物が供給されることがあっても、小さめの透過孔が形成された多孔状部材が備えられるので、回収される穀粒にワラ屑が混入され難いものとなる。処理物移送方向下手側の漏下作用領域では、揺動移送によって脱穀処理物が均されるので、大きめの透過孔が形成された多孔状部材によりワラ屑の漏下を避けながら穀粒を無駄なく回収することができる。
【0014】
脱穀処理物の全体量が少なく、しかも、穀粒の量に対してワラ屑の割合がそれほど多くない作業条件であれば、処理物移送方向上手側の漏下作用領域と処理物移送方向下手側の漏下作用領域の夫々に、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着する作業形態を採用することで、穀粒の漏下処理を効率よく行えるようにしながら、ワラ屑の混入を抑制できるものとなる。
【0015】
このように、そのときの作業条件の違いに応じて適切な穀粒の漏下処理状態が得られる作業形態を選択することができる。つまり、作業条件が異なっても、作業条件に適した作業形態のグレンシーブを使用して適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0016】
又、各漏下作用領域の夫々に各別に多孔状部材を着脱可能に支持する状態で備えて構成されるものであるから、枠体を共用して多孔状部材だけを取り替えればよく、枠体はそのまま共用しながら複数の多孔状部材を用意すればよく、枠体と多孔状部材とを一体的に備えるグレンシーブを複数種用意する場合に比べて、使用者の費用負担を低く抑えることが可能となる。
【0017】
従って、グレンシーブの構成に改良を加えることで、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能でありながらも、費用負担を低く抑えることが可能となる脱穀装置用の選別部を提供できるに至った。
【0018】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記各漏下作用領域のうち前記処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔が、前記処理物移送方向の下手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔よりも小さく設定されている点にある。
【0019】
第2特徴構成によれば、脱穀処理物量が多い場合に、処理物移送方向下手側の漏下作用領域に大きめの透過孔が形成された多孔状部材を装着することで、穀粒の漏下選別を良好に行えるようにしながら、脱穀処理によって多量の脱穀処理物が漏下し易く、ワラ屑が多く存在するおそれが大きい処理物移送方向上手側の漏下作用領域では、小さめの透過孔が形成された多孔状部材を装着することで、穀粒へのワラ屑の混入を抑制し易いものとなる。
【0020】
従って、脱穀処理物の量が多めとなる作業条件において、作業条件に適したグレンシーブを用いて適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0021】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記複数の漏下作用領域のうち少なくとも前記処理物移送方向の最上手側の漏下作用領域に、処理物の漏下を阻止する遮蔽部材が着脱自在に備えられている点にある。
【0022】
第3特徴構成によれば、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域、特に最上手側の漏下作用領域では、下手側の漏下作用領域に比べてワラ屑が多く発生し易いものであるが、特に、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件であれば、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に遮蔽部材を装着することにより、ワラ屑が穀粒に混入することを適切に回避できるようにしながら、処理物移送方向の下手側の漏下作用領域にて穀粒を適切に漏下させることができる。
【0023】
従って、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件において、作業条件に適したグレンシーブを用いて適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0024】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材が、前記枠体における両側枠体部分に亘って架設支持される状態で備えられている点にある。
【0025】
第4特徴構成によれば、複数の漏下作用領域に各別に装着される多孔状部材の夫々を、複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材によって支持することができ、複数の多孔状部材同士の境界における多孔状部材の端縁を安定的に枠体に支持することができる。
【0026】
その結果、例えば、多孔状部材の端縁が不安定な状態で振動する等の不利がなく、適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【0027】
本発明の第5特徴構成は、第1特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、前記漏下作用領域として、前記処理物移送方向上手側に位置する上手側漏下作用領域と、前記処理物移送方向下手側に位置する下手側漏下作用領域との2つが形成され、前記上手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅が、前記下手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されている点にある。
【0028】
第5特徴構成によれば、上手側漏下作用領域の処理物移送方向に沿う幅が下手側漏下作用領域における処理物移送方向に沿う幅よりも短いものとなるが、例えば、脱穀処理物の量が少なめとなる作業条件であれば、処理物移送方向に沿う長さが長い下手側漏下作用領域に作業条件に適した大きさの透過孔を備えた多孔状部材を装着することで、処理物移送方向の下手側の漏下作用領域にて穀粒を適切に漏下させることができる。このとき、処理物移送方向に沿う幅が短い上手側漏下作用領域には、作業条件に適した大きさの透過孔に比べて小さめの透過孔を備えた多孔状部材を装着したり、あるいは、遮蔽部材を備えて切れワラが穀粒に混入することを回避させ易い状態に設定することができる。
【0029】
又、脱穀処理物の量が多めとなる作業条件であれば、下手側漏下作用領域だけでなく、処理物移送方向の上手側の漏下作用領域にも作業条件に適した大きさの透過孔を備えた多孔状部材を装着しておくことで、穀粒の漏下性能を向上させて、ワラ屑と共に外部に排出される穀粒を少なくすることが可能となる。
【0030】
このように、漏下作用領域として2つの漏下作用領域を形成するという簡単な構成でありながらも、作業条件が異なっても適正な状態で選別作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】脱穀装置の縦断側面図である。
【図3】グレンシーブ装着部の縦断側面図である。
【図4】グレンシーブ装着部の縦断正面図である。
【図5】グレンシーブの平面図である。
【図6】グレンシーブの分解斜視図である。
【図7】揚送コンベヤの後面図である。
【図8】図7のVIII―VIII線断面図である。
【図9】図7のIX−IX線断面図である。
【図10】揚送コンベヤの側面図である。
【図11】2番還元用搬送装置の上部の後面図である。
【図12】図11のXII−XII線断面図である。
【図13】2番還元用搬送装置の下部の側面図である。
【図14】図13のXIV−XIV線断面図である。
【図15】駆動機構の一部切欠平面図である。
【図16】2番唐箕の一部切欠正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を普通型(全稈投入型)コンバインに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、普通型コンバインは、走行車体1の走行に伴って収穫対象の穀稈を刈り取って搬送する刈取搬送装置2が走行車体1の前部に昇降揺動可能に装備され、刈取搬送装置2からの刈取穀稈に扱き処理を施し、扱き処理で得た脱穀処理物に選別処理を施す脱穀装置3と、脱穀装置3での扱き処理及び選別処理で得た単粒化した穀粒を貯留して籾袋への詰め込みを可能にする袋詰装置4とが走行車体1に搭載されて構成されている。
【0033】
走行車体1は、車体フレーム5の下部に左右一対のクローラ式走行装置6を備え、車体フレーム5の前部右側領域に搭乗運転部7が備えられている。
刈取搬送装置2は、走行車体1の走行に伴って、その前部の左右両端に配備したデバイダ8により未刈り穀稈を収穫対象の穀稈と収穫対象外の穀稈とに梳き分け、刈取搬送装置2の前部上方に配備した回転リール9により収穫対象穀稈の穂先側を後方に掻き込み、刈取搬送装置2の底部に装備したバリカン型の切断機構10により収穫対象穀稈の株元側を切断して収穫対象穀稈を取り込むように構成されている。そして、取り込んだ収穫対象穀稈である刈取穀稈を切断機構10の後方に配備したスクリュー搬送式のオーガ11により左右方向の所定箇所に寄せ集めて後方に送り出し、その所定箇所から脱穀装置3にわたるように架設した掻上げ搬送式のフィーダ12により脱穀装置3に供給搬送するように構成されている。
【0034】
図1に示すように、脱穀装置3の左側部には、複数のカバー13〜16の夫々を開閉操作可能となるように装備してあり、脱穀装置3のメンテナンス作業を容易に行えるように構成されている。
【0035】
図2に示すように、脱穀装置3は、上部にフィーダ12が供給する刈取穀稈に扱き処理を施す脱穀部17を備え、下側に脱穀部17での扱き処理で得た選別対象の脱穀処理物に選別処理を施す選別部18、及び、その選別処理で得た回収対象の脱穀処理物を回収する回収部19を備えて構成されている。脱穀装置3の後端下部には、扱き処理に伴って脱穀部17の排稈口20から流出した脱粒穀稈や選別処理によって揺動選別機構21の後方に搬出した長いワラ屑などを細断して機外に排出する細断装置22を備えている。
【0036】
脱穀部17は、扱室23の内部に、前後向きの扱胴軸24を中心に回転することで刈取搬送装置2からの刈取穀稈に扱き処理を施すバータイプの扱胴25と、その下方に沿って配備される前後方向視U字状の受網26とを備えて構成されている。扱室23の上部カバー27の内部には、扱胴25が扱胴軸24を中心に回転するのに伴って扱室23の上部に移動した刈取穀稈や脱穀処理物を車体後方に案内する複数の送塵弁28が、前後方向に設定間隔をあけて並ぶ状態で備えられている。
【0037】
選別部18は、受網26から漏下した脱穀処理物を機体後方側に向けて移送しながら揺動選別する揺動選別機構21、揺動選別機構21に精選別用の選別風を供給する唐箕29、揺動選別機構21に粗選別用の選別風を供給する副唐箕30、及び、揺動選別機構21に2番物選別用の選別風を供給する2番唐箕31などを備えて構成されている。つまり、この実施形態では機体前後方向が処理物移送方向に対応することになる。
【0038】
回収部19は、揺動選別機構21の下方に、揺動選別機構21の前部側から漏下して唐箕29からの選別風を受けながら流下する単粒化穀粒を1番物として回収する1番回収部32と、揺動選別機構21の後部側から漏下して2番唐箕31からの選別風を受けながら流下する枝梗付き穀粒等を2番物として回収する2番回収部33とが、その順で前後に並ぶ状態で配備されて構成されている。
【0039】
1番回収部32には回収した1番物を左右方向一方側に搬送する1番搬送スクリュー34が備えられ、この1番搬送スクリュー34の搬送終端部には、1番搬送スクリュー34が搬送した1番物を袋詰装置4の上部に揚送するバケット式の揚送コンベヤ35が連動連結されている。
【0040】
図7に示すように、揚送コンベヤ35は、後述する2番還元用搬送装置36との干渉を避けるために、脱穀装置3の右側の側壁37から所定距離離間した位置に設けられ、1番搬送スクリュー34が脱穀装置3の側壁37から外方に突出して中継用搬送部38を備える構成となっている。
【0041】
そして、図7及び図8に示すように、中継用搬送部38における円筒状の外筒部39には、点検用の開口40が外筒部39の略半周にわたって形成され、その開口40を覆う蓋体41が取り外し自在に装着されている。蓋体41は、円筒状の外筒部39の半周部を形成するように半円筒状に形成されており、その下端部に形成された係合部42を外筒部39に形成された被係合部43に係合させた状態で、開口40を閉じる閉じ姿勢にて蝶ボルト44で締め付け固定する構成となっている。つまり、作業者は工具を使わなくても、手で蝶ボルト44を外すことで蓋体41を開放させることができる。
【0042】
図7に示すように、揚送コンベヤ35の搬送始端部における下部ケース45の底部側の外周面に点検用の開口45aが形成され、図7、図9及び図10に示すように、開口45aを覆う蓋体46が取り外し自在に装着されている。この蓋体46は、両側端部が夫々バックル機構48により下部ケース45に対して着脱自在に装着されている。
【0043】
図9に示すように、前記下部ケース45における底部側の右側部に点検用の開口45bが形成され、図7及び図10に示すように、その開口45bを覆う蓋体47が取り外し可能な状態でノブボルト49で締め付け固定する状態で備えられている。蓋体47は、下端側の端縁が略く字状に折り曲げた形状となっている。
【0044】
図7に示すように、下部ケース45における上部側の後側部にも点検用の開口45cが形成され、その開口45cを覆う蓋体50が取り外し可能な状態で、溶接ボルト51と取り外し可能なナット52とで締め付け固定する状態で備えられている。
【0045】
図7及び図10に示すように、揚送コンベヤ35の縦向き搬送経路を構成する筒体53にも、上下2箇所に点検用の開口54が形成され、その開口54を覆う蓋体55が取り外し可能な状態でノブボルト56で締め付け固定する状態で備えられている。
【0046】
図7及び図10に示すように、揚送コンベヤ35の上部には、上部に揚送してきた1番物を袋詰装置4の貯留ホッパー4Aの内部に向けて横送り搬送するスクリュー式の横送り搬送部35Aが、横方向に突出する状態で設けられている。この横送り搬送部35Aは、詳述はしないが、例えば、コンバインを輸送するとき等において、ケース同士のボルト連結を解除することにより、取り外すことができるように構成されている。
【0047】
図2に示すように、2番回収部33には、回収した2番物を左右方向一方側に搬送する2番搬送スクリュー57が備えられ、この2番搬送スクリュー57の搬送終端部には、2番搬送スクリュー57が搬送した2番物に再び扱き処理を施す再処理機構58、及び、この再処理機構58による再処理後の2番物を粗選別用のグレンパン59の上部に還元搬送するスクリュー式の2番還元用搬送装置36が連動連結されている。
【0048】
図13に示すように、再処理機構58と2番還元用搬送装置36の搬送始端部とを接続する接続ケース部60の上部面には、点検用の開口61が形成され、その開口61を覆う蓋体62が取り外し可能な状態で溶接ボルト63aと蝶ナット63bとで締め付け固定する状態で備えられている。
【0049】
又、図13及び図14に示すように、2番還元用搬送装置36の搬送始端部における外筒ケース部64には、点検用の開口65が形成され、その開口65を覆う円弧状の蓋体66が取り外し自在に装着されている。この蓋体66は、両側端部がL形に折り曲げ形成され、固定側のフランジ部67に対して取り外し可能な状態で蝶ボルト68で締め付け固定される構成となっている。
【0050】
図11に示すように、2番還元用搬送装置36の斜め上方に向けて延びる長尺の搬送経路を構成する筒体69にも上下2箇所に点検用の開口70が形成され、その2つの開口70を覆う1つの蓋体71が筒体69の長手方向に沿う軸芯P1周りで揺動開閉自在に備えられ、点検用の開口70及び蓋体71は筒体69の長手方向に沿って長尺状に形成されている。
又、図11及び図12に示すように、蓋体71を閉状態で位置保持する保持状態と蓋体71を開放自在な開放状態とにわたり切り換え自在な閉止部材72が、筒体69の長手方向に沿って長尺状に形成される状態で、且つ、筒体69の長手方向に沿う軸芯P2周りで揺動自在に支持される状態で備えられている。
【0051】
閉止部材72は、長手方向にて間隔をあけて備えられる複数の蝶ボルト73により、筒体69に一体的に形成された取り付け座74に対して固定することで、蓋体71を閉状態で位置保持することができるように構成され、蝶ボルト73を取り外して開放状態に切り換えて、蓋体71を開放状態に切り換えることができるように構成されている。又、閉止部材72には、作業者が袋詰装置4側から手を伸ばして手動操作による開閉操作が行い易くなるように、一体回動自在な操作杆75が設けられている。
【0052】
次に、揺動選別機構21の構成について説明する。
図2に示すように、揺動選別機構21は、後部下方側に備えた偏心カム式の駆動機構76の作動で前後揺動するシーブケース77を備え、そのシーブケース77における上部側箇所に、粗選別用のグレンパン59と、チャフシーブ78と、ストローラック79とを、その順でシーブケース77の前端から後方に向けて連なるように配備し、シーブケース77の下部側箇所に、傾斜案内板80とグレンシーブ81とをその順で前後に連接配備し、かつ、グレンシーブ81の後方にグレンシーブ81と連なるように2番物選別用のチャフシーブ82(以下、2番チャフシーブという)を配備して構成されている。
【0053】
前記偏心カム式の駆動機構76は、図2及び図15に示すように、脱穀装置3の左右両側の側壁37に亘って架設支持され、且つ、回転軸芯P3に対して偏芯した状態で設けられる偏芯クランク軸83と、シーブケース77に連結されたケース連結軸84とが一対の連結アーム85により枢支連結され、又、左右両側の側壁37に夫々位置固定自在で支持された支点軸86とケース連結軸84とが一対の連結アーム87により枢支連結されている。そして、偏芯クランク軸83が回転軸芯P3周りで回転駆動されることによりケース連結軸84すなわちシーブケース77が支点軸86を中心に往復揺動移動するように構成されている。
【0054】
そして、図15に示すように、偏芯クランク軸83には、回転軸芯P3に対して直径方向の反対側に延設される状態でコの字形の支持アーム88が連結され、この支持アーム88にバランスウエイト89が取り付けられている。このように構成することで重心位置を回転軸芯P3に近づけて、偏芯クランク軸83の回転に伴う重心位置の移動に起因して発生する振動をできるだけ少なくするようにしている。
【0055】
図2に示すように、粗選別用のグレンパン59は、縦断側面形状が鋸刃状になるように屈曲形成した板金材からなり、シーブケース77とともに前後揺動することで、受網26の前端部から漏下した脱穀処理物を比重差選別して比重の小さいワラ屑などの塵埃と比重の大きい穀粒とに上下に層分けしながら後方のチャフシーブ78に移送する。
【0056】
チャフシーブ78は、複数のチャフリップ板78Aを前後方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、シーブケース77とともに前後揺動することで、受網26の前部側及びグレンパン59からの脱穀処理物に篩い選別処理を施して、穀粒などをチャフリップ板78Aの間から漏下させながら、チャフリップ板78Aの間から漏下しなかった脱穀処理物を後方のストローラック79に移送するように構成されている。
【0057】
ストローラック79は、鋸刃状に形成した複数のラック板79Aを後上がりの傾斜姿勢で後向きに延出する片持ち状態で左右方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、シーブケース77とともに前後揺動することで、穀粒などをラック板79Aの間から漏下させながら、ラック板79Aの間から漏下しなかったワラ屑等を後端から流下させるように構成されている。
【0058】
2番チャフシーブ82は、複数のチャフリップ板82Aを前後方向に設定間隔をあけて整列配備して構成され、その後端がシーブケース77の後端に近接するように後上がりの傾斜姿勢でシーブケース77の後部に配備してあり、シーブケース77とともに前後揺動することで、枝梗付き穀粒等を2番物としてチャフリップ板82Aの間から漏下させながら、漏下しない長いワラ屑などの脱穀処理物をシーブケース77の後方に移送するように構成されている。
【0059】
グレンシーブ81は、チャフシーブ78の下方に後上がり傾斜姿勢で配備され、シーブケース77とともに前後揺動することで、チャフシーブ78から漏下した脱穀処理物に篩い選別処理を施して、単粒化穀粒を1番物として漏下させながら、漏下しない枝梗付き穀粒などを2番物としてワラ屑などとともに後方の2番チャフシーブ82に移送するように構成されている。
【0060】
副唐箕30は、粗選別用のグレンパン59の底面に備えた後下がり傾斜姿勢の上側風向板91と、傾斜案内板80に連なるように設けられた下側風向板92との間、チャフシーブ78とグレンシーブ81との間、並びに、ストローラック79と2番チャフシーブ82との間を吹き抜ける選別風を供給するように構成されている。
【0061】
2番唐箕31は、上下風向板93にて形成された先細り形状の吹出口94から2番チャフシーブ82の下方を通過して2番チャフシーブ82の後端部から後上方に吹き抜ける選別風を、揺動選別機構21の後縦壁であるシーブケース77の後端に向けて供給するように構成されている。
【0062】
図16に示すように、2番唐箕31の下方には、下方に位置するクローラ式走行装置6により跳ね上げられる泥土が2番唐箕31に飛散することを防止するためのカバー体95が備えられており、このカバー体95は、図示はしないが、選別風を供給するために多孔状に形成されており、メンテナンスのために取り外すことが可能なように、脱穀装置3の左右両側の側壁37にボルト95aにより連結する構成となっている。
【0063】
次に、グレンシーブ81の構成について説明する。
図5及び図6に示すように、グレンシーブ81は、外周部を囲う枠体96と、その枠体96にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材としてのクリンプ網97とを備えて構成され、且つ、枠体96が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別にクリンプ網97を着脱可能に備えて構成されている。
【0064】
図5に示すように、漏下作用領域として、処理物移送方向上手側すなわち、機体前部側に位置する上手側漏下作用領域としての前部側領域Z1、処理物移送方向下手側すなわち、機体後部側に位置する下手側漏下作用領域としての後部側領域Z2との2つが形成され、前部側領域Z1に小さめの透過孔t1が形成されたクリンプ網97Aが装着され、後部側領域Z2に大きめの透過孔t2が形成されたクリンプ網97Bが装着されて構成されている。
【0065】
説明を加えると、図3及び図4にも示すように、枠体96は、断面形状略L字型に形成された前後両側の横向き枠部96a,96b及び左右両側の前後向き枠部96c,96dを平面視で矩形枠状に一体的に連結して構成され、その枠体96における前後方向中央部よりも前側に寄った位置において、左右両側の前後向き枠部96c,96dに亘って断面コの状に形成された中継用の支持部材98が架設連結されている。枠体96によって形成される矩形状の漏下作用領域が中継用の支持部材98によって前部側領域Z1と後部側領域Z2とに区画形成される構成となっている。
【0066】
前部側領域Z1と後部側領域Z2とを仕切る仕切り部分が、グレンシーブ81における処理物移送方向の沿う全長の中央部よりも処理物移送方向上手側に片寄った位置に形成されている。ちなみに、この実施形態では、前部側領域Z1はグレンシーブ81の前後方向の全幅の約1/4程度の前後幅に設定され、後部側領域Z2はグレンシーブ81の前後方向の全幅の約3/4程度の前後幅に設定されている。
【0067】
前部側領域Z1には、小さめの透過孔t1が形成された前側のクリンプ網97Aが、前側の横向き枠部96aにおける水平面部分96a1、左右両側の前後向き枠部96c,96dにおける水平面部分96c1,96d1、支持部材98の上部面98aにおける前部側部分の夫々に載置支持され、且つ、上方側から当て板99により挟み込み、枠体96と当て板99とをボルト100とナット101で固定することで、各クリンプ網97Aを挟持して固定状態で保持することができるように構成されている。
【0068】
後部側領域Z2においても、前部側領域Z1と同様にして、大きめの透過孔t2が形成された後側のクリンプ網97Bが、後側の横向き枠部96bにおける水平面部分96b1、左右両側の前後向き枠部96c,96dにおける水平面部分96c1,96d1、支持部材98の上部面98aにおける後部側部分の夫々に載置支持され、且つ、上方側から当て板99により挟み込み、枠体96と当て板99とをボルト100とナット101で固定することで、クリンプ網97Bを挟持して固定状態で保持することができるように構成されている。
【0069】
中継用の支持部材98の上部に設けられる当て板99は、前側のクリンプ網97Aと後側のクリンプ網97Bとの夫々に共用する状態で設けられ、各クリンプ網97A,97Bを夫々保持するように構成されている。
【0070】
すなわち、前側の横向き枠部96aにおける水平面部分96a1、後側の横向き枠部96bにおける水平面部分96b1、及び、支持部材98の上部面98aの夫々に、左右方向に適宜間隔をあけて上向きに突出する状態で複数のボルト100を予め溶接固定してあり、クリンプ網97A,97Bを載置している状態で上方側から当て板99で挟み込むように、当て板99に形成された挿通孔102を通してボルト100を挿通させ、上方側からナット101を螺合させて締め付け固定することができるように構成されている。
【0071】
上記したようにボルト100とナット101で締め付け固定することにより、枠体96と各クリンプ網97A,97Bとがユニット状に組み付けられた状態となり、そのようにユニット状に組み付けられたグレンシーブ81をシーブケース77に対して着脱自在に装着することが可能な構成となっている。
【0072】
つまり、図6に示すように、シーブケース77における左右方向一方側の側面77Aには、グレンシーブ81を着脱させるための挿通孔103が形成され、この挿通孔103を蓋体104にて覆うように構成されている。蓋体104は、周囲の4箇所をボルト105でシーブケース77に固定するように構成され、かつ、ユニット状に組み付けられたグレンシーブ81における枠体96の左右方向一方側箇所にボルト106で固定するように構成されている。
【0073】
図6に示すように、シーブケース77には、グレンシーブ81を挿通孔103を通してグレンシーブ81をスライド自在に案内する前後一対のガイドレール107が備えられ、蓋体104とグレンシーブ81とを一体的にガイドレール107に沿ってスライドさせて、シーブケース77の横側外方に引き抜いたり、内方側に差し込んだりすることができるように構成されている。
尚、図示はしていないが、グレンシーブ81の着脱作業は、脱穀装置3の側壁37に形成され且つ着脱自在な蓋体にて覆われる開口を通して行うことになる。
【0074】
又、シーブケース77の左右方向他方側(グレンシーブ81の差し込み方向先端側)の側面77Bには、ケース内方側に向けて突出する一対の支持ピン108が形成されており、グレンシーブ81には、シーブケース77に対して適正装着位置にスライドした状態において、各支持ピン108に対してスライド移動方向に沿って挿脱自在に嵌まり合い係合する係合ボス部109が形成されている。
【0075】
シーブケース77にグレンシーブ81を装着するときは、蓋体104をユニット状のグレンシーブ81に固定している状態で、グレンシーブ81を挿通孔103を通して挿入して、前後一対のガイドレール107によって受止めて案内しながら差し込み挿入し、係合ボス部109の係合孔110を支持ピン108に嵌め合い係合させて、蓋体104の周囲4箇所をシーブケース77の側面にボルト105で固定する。
グレンシーブ81を取り外すときは、ボルト105を取り外し、グレンシーブ81を蓋体104と一緒に、ガイドレール107によって案内しながらシーブケース77の外方に引き抜くことができる。
【0076】
又、グレンシーブ81における前部側領域Z1に、脱穀処理物の漏下を阻止する遮蔽部材としての遮蔽板111が着脱自在に備える構成となっている。すなわち、図3及び図6に示すように、前記一対のガイドレール107のうち前部側に位置するガイドレール107に、下方に向けて突出する状態で長手方向に間隔をあけて複数のボルト112が予め溶接する状態で備えられ、このボルト112を挿通する挿通孔113が形成された遮蔽板111をグレンシーブ81の下方側から装着して、蝶ナット114で締め付けて固定することができ、又、容易に取り外すことができるように構成されている。
【0077】
このような構成のグレンシーブ81では、作業条件の違いに応じて、透過孔の大きさが異なるクリンプ網97に交換する必要がある場合には、枠体96や当て板99等をそのまま共用してクリンプ網97だけを取り替えることで対応できるものとなる。その結果、使用者は、複数のクリンプ網97を用意すればよく、枠体96とクリンプ網97とが一体的に備えられるグレンシーブに比べて、費用負担を軽減できるものとなる。
【0078】
又、遮蔽板111に形成される挿通孔113が前後方向に長孔に形成され、遮蔽板111の前後位置を変更調節することが可能に設けられ、前部側領域Z1を全閉する最大遮蔽位置から遮蔽面積を設定範囲にわたり減少させるように前後位置を変更できるように構成されている。
【0079】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、グレンシーブ81は、漏下作用領域として、処理物移送方向上手側すなわち、機体前部側に位置する上手側漏下作用領域としての前部側領域Z1、処理物移送方向下手側すなわち、機体後部側に位置する下手側漏下作用領域としての後部側領域Z2との2つが形成され、前部側領域Z1に小さめの透過孔t1が形成されたクリンプ網97Aが装着され、後部側領域Z2に大きめの透過孔t2が形成されたクリンプ網97Bが装着されて構成されるものを示したが、このような構成に代えて、漏下作用領域として、グレンシーブ81を処理物移送方向に沿って3つ以上に分割して3個以上の漏下作用領域を備える構成としてもよく、各漏下作用領域にいずれかのクリンプ網97を装着する構成としてもよい。又、クリンプ網97に代えて、透過孔を打ち抜き加工によって形成したパンチングメタル等を用いるものでもよい。
【0080】
(2)上記実施形態では、グレンシーブ81は、前部側領域Z1の処理物移送方向に沿う幅が後部側領域Z2の処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されているものを示したが、前部側領域Z1の処理物移送方向に沿う幅が後部側領域Z2の処理物移送方向に沿う幅と略同じになるように形成されるものでもよい。
【0081】
(3)上記実施形態では、グレンシーブ81における複数の漏下作用領域のうち前部側領域Z1に処理物の漏下を阻止する遮蔽部材111をシーブケース77におけるガイドレール107に着脱自在に取り付ける構成としたが、遮蔽部材111を固定状態でガイドレール107に取り付ける構成としてもよく、シーブケース77に取り付ける構成に代えて、グレンシーブ81の枠体96に取り付ける構成としてもよい。又、このような遮蔽部材111を備えない構成としてもよい。
【0082】
(4)上記実施形態では、グレンシーブ81における複数の漏下作用領域を仕切る仕切り部分に、枠体96における両側枠体部分96c,96dに亘って架設支持される状態で支持部材98を備える構成としたが、このような支持部材98を備えない構成としてもよい。
【0083】
(5)上記実施形態では、穀粒を貯留して籾袋への詰め込みを可能にする袋詰装置4を備える普通型コンバインに装着される脱穀装置を示したが、例えば、穀粒を貯留するとともに、貯留している穀粒を外部に排出させる穀粒排出装置を備えた穀粒タンクを備えるコンバインでもよく、又、刈取穀稈の株元を挟持しながら穂先部を扱き処理する自脱型コンバインに装着される脱穀装置でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられている脱穀装置用の選別部に適用できる。
【符号の説明】
【0085】
21 揺動選別機構
81 グレンシーブ
96 枠体
96c,96d 両側枠体部分
97,97A,97B 多孔状部材
98 支持部材
111 遮蔽部材
t1,t2 透過孔
Z1 上手側の漏下作用領域
Z2 下手側の漏下作用領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されている脱穀装置用の選別部であって、
前記枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に前記多孔状部材を着脱可能に備えて、前記グレンシーブが構成されている脱穀装置用の選別部。
【請求項2】
前記各漏下作用領域のうち前記処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔が、前記処理物移送方向の下手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔よりも小さく設定されている請求項1記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項3】
前記複数の漏下作用領域のうち少なくとも前記処理物移送方向の最上手側の漏下作用領域に、処理物の漏下を阻止する遮蔽部材が着脱自在に備えられている請求項1又は2記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項4】
前記複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材が、前記枠体における両側枠体部分に亘って架設支持される状態で備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項5】
前記漏下作用領域として、前記処理物移送方向上手側に位置する上手側漏下作用領域と、前記処理物移送方向下手側に位置する下手側漏下作用領域との2つが形成され、
前記上手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅が、前記下手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項1】
脱穀処理物を揺動移送しながら選別処理する揺動選別機構に穀粒を漏下選別するグレンシーブが備えられ、このグレンシーブが、外周部を囲う枠体とその枠体にて支持される穀粒漏下用の多孔状部材とを備えて構成されている脱穀装置用の選別部であって、
前記枠体が処理物移送方向に沿って分割される複数の漏下作用領域を備えるとともに、各漏下作用領域の夫々に各別に前記多孔状部材を着脱可能に備えて、前記グレンシーブが構成されている脱穀装置用の選別部。
【請求項2】
前記各漏下作用領域のうち前記処理物移送方向の上手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔が、前記処理物移送方向の下手側の漏下作用領域に設けた前記多孔状部材の透過孔よりも小さく設定されている請求項1記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項3】
前記複数の漏下作用領域のうち少なくとも前記処理物移送方向の最上手側の漏下作用領域に、処理物の漏下を阻止する遮蔽部材が着脱自在に備えられている請求項1又は2記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項4】
前記複数の多孔状部材同士の境界を支持する支持部材が、前記枠体における両側枠体部分に亘って架設支持される状態で備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の脱穀装置用の選別部。
【請求項5】
前記漏下作用領域として、前記処理物移送方向上手側に位置する上手側漏下作用領域と、前記処理物移送方向下手側に位置する下手側漏下作用領域との2つが形成され、
前記上手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅が、前記下手側漏下作用領域の前記処理物移送方向に沿う幅よりも短くなるように形成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱穀装置用の選別部。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−21973(P2013−21973A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159891(P2011−159891)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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