脱穀装置
【課題】扱胴の外周部の多数の扱歯は、この扱胴の回転方向に対して略直角に設けられているため、多量の藁屑等が発生すると、過負荷になることがある。
【解決手段】穀稈を脱穀する脱穀室（６）内へ回転自在に軸支する扱胴（７）の外周部に植設する扱歯（７ａ）を、送り方向に所定角度に傾斜させる。そして、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続する。さらに排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設ける。
【解決手段】穀稈を脱穀する脱穀室（６）内へ回転自在に軸支する扱胴（７）の外周部に植設する扱歯（７ａ）を、送り方向に所定角度に傾斜させる。そして、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続する。さらに排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、穀稈を脱穀する脱穀装置に関し、特に脱穀室に軸支内装する扱胴に関する。
【背景技術】
【０００２】
特開２００５−２５３３８８号公報で示すように、脱穀装置の脱穀室内に回転自在に軸支した扱胴ドラムの外周面には、円周方向に所定ピッチで、かつ、扱胴軸心方向に多数列に亘って扱歯群を植設すると共に、扱胴ドラムの適所に蓋板によって開閉される点検口を形成した脱穀装置の扱胴において、前記点検口の扱胴周方向に対する開口端辺をそれぞれ扱胴軸心方向に対して傾斜させて設けた脱穀装置の扱胴が公知である。この扱胴ドラムの穀稈移送終端部へ植設する扱歯は、この扱胴ドラムの円周方向に対して略垂直状に植設されている。
【特許文献１】特開２００５−２５３３８８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
穀稈を脱穀する脱穀装置の脱穀室内へ回転自在に軸支内装した扱胴の外径部には、多数の扱歯が植設され、この扱歯により、脱穀されるが、扱胴へ植設する扱歯は、この扱胴の円周方向に対して略垂直状に植設されていることにより、移送終端部で穀稈の送りに対して、抵抗を掛けない構成である。このために、四番口に至る穀粒量が多くなったり、又、穀稈に穀粒がささった状態のままで排出される所謂ささり粒が増加する。この発明はこれらの課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、請求項１に記載の発明においては、前後方向軸心廻りに回転する扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）を上記軸心に沿う送り方向に対して傾斜させて設け、該扱胴（７）を内装した脱穀室（６）は、前側板（５ａ）と後側板（６ｂ）との間に設け、該後側板（６ｂ）の前側の中側板（６ａ）と後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設け、該排塵処理室（８）内には、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９ａ）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装すると共に、該排塵処理室（８）の前側には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した二番処理室（２４）等を設けた脱穀装置において、前記脱穀室（６）の下部に設けた扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設けたことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【０００５】
刈取り済みの穀稈の脱穀は、脱穀装置の前側板（５ａ）と、後側板（６ｂ）との間に脱穀室（６）を形成し、この脱穀室（６）内には、扱胴（７）を軸支して設け、この扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）が送り方向に傾斜させて設けられ、この各扱歯（７ａ）で脱穀される。該後側板（６ｂ）の前部に設けた中側板（６ａ）と、該後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内で脱穀処理されなかった未脱穀処理の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設けて供給する。該排塵処理室（８）内には、排塵物を再脱穀処理すべく外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装して設け、排塵物を再脱穀処理する。
【０００６】
又、前記排塵処理室（８）の前側には、該脱穀室（６）内で脱穀されなかった未脱穀処理の二番物を再脱穀処理すべく外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した、二番処理室（２４）を設け、二番物を再脱穀処理する。
【０００７】
更に、前記脱穀室（６）内の下部に設けた、扱室網（７ｄ）に前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）前後に設けた扱歯（７ａ）、及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）を該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設け、該排塵物引継部（６ｃ）で排塵物内に混入する穀粒の漏下の向上を図っている。
【０００８】
請求項２に記載の発明においては、前記中側板（６ａ）の後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する箇所の該扱胴（７）外周部に設けた該各扱歯（７ａ）内側に、板状扱歯（７ｊ）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀装置としたものである。
【０００９】
前記中側板（６ａ）後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する、箇所の該扱胴（７）外径部に植設した該各扱歯（７ａ）内には、板状扱歯（７ｊ）を植設して、該各扱歯（７ａ）に藁屑の引掛りを防止している。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１に記載の発明においては、穀稈を脱穀処理する多種類で多数の扱歯（７ａ）等を、送り方向に傾斜させて植設した、扱胴（７）を軸支内装した脱穀室（６）を設け、この脱穀室（６）の扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）、及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該脱穀室（６）と、排塵処理室（８）とが、連接する排塵物引継部（６ｃ）に設けた、扱室網（７ｄ）の目合（イ）を、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より、大きくして設けたことにより、該排塵物引継部（６ｃ）から排塵処理室（８）への未脱穀処理の排塵物は、スムーズに引継ぎされる。又、この排塵物引継部（６ｃ）の扱室網（７ｅ）の目合（イ）を、其の他の箇所の目合（ロ）より大きくして設けたことにより、この目合（イ）部より、排塵物内に混入する穀粒が多く漏下することにより、三番口、及び四番口飛散穀粒の減少を図ることができ、穀粒のロスを防止できる。
【００１１】
請求項２に記載の発明においては、前記中側板（６ａ）後側の該排塵物引継部（６ｃ）に、位置する箇所の該扱胴（７）外径部に植設した該各扱歯（７ａ）内には、板状扱歯（７ｊ）を植設したことにより、該排塵物引継部（６ｃ）から該排塵処理室（８）内へ移送される排塵物内の藁屑等は、該各扱歯（７ａ）に引掛ることを防止でき、このために、該排塵物引継部（６ｃ）の移送能力の低下防止ができる。又、移送がスムーズである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン１の走行装置２の上側には、走行車台３を設け、この走行車台３の前側に設けた刈取装置４から刈取り穀稈の供給を受け、この刈取り穀稈を脱穀して選別する脱穀処理装置である脱穀装置５を載置して設けている。この脱穀装置５は、扱胴７を内装軸支した脱穀室６と、この脱穀室６内で脱穀処理できなかった未脱穀処理物の供給を受けて、再脱穀処理する排塵処理胴９を軸支内装した排塵処理室８等とを設けた構成であり、この脱穀装置５の各部構成と、扱胴７に植設する扱歯７ａ等の植設方法とを主に図示して説明する。
【００１３】
前記コンバイン１の走行車台３の下側には、図４で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ２ａを張設した走行装置２を配設し、走行車台３の上側面に脱穀装置５を載置している。走行車台３の前方部の刈取装置４で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、脱穀装置５のフィードチェン１０ａと、挟持杆１０ｂとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀装置５の右横側へ配設した穀粒貯留タンク１１内へ供給され、一時貯留される。この脱穀装置５の詳細については、後述する。
【００１４】
前記走行車台３の前方部には、図４で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド１２ａ、及び分草体１２ｂと、立毛穀稈を引起す引起装置１３と、引起された穀稈を掻込み移送する穀稈掻込移送装置１４の各掻込装置１４ａと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置１５と、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀装置５のフィードチェン１０ａと挟持杆１０ｂとへ受渡しする穀稈掻込移送装置１４の根元・穂先移送装置１６ａ・１６ｂ等からなる刈取装置４を設けている。該刈取装置４は、油圧駆動による伸縮シリンダ１７により、圃場面に対して昇降する。
【００１５】
前記刈取装置４の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆１８ａの上端部に設ける支持パイプ杆１８ｂを走行車台３の上側面に設けた支持装置１８ｃで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ１７を作動させると、支持杆１８ａと共に、刈取装置４が上下回動する。
【００１６】
前記刈取装置４の穀稈掻込移送装置１４によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置５への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ４ａを設けている。
【００１７】
前記穀粒貯留タンク１１側の前部には、図４で示すように、コンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置１９ａと、操縦席１９ｂとを設け、この操縦席１９ｂの下側にエンジン２０を載置している。
【００１８】
前記走行車台３の前端部に装架した走行用のミッションケース２１内の伝動機構２１ａの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ２１ｂを設けている。
【００１９】
前記穀粒貯留タンク１１内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク１１の後側には、図４で示すように、縦移送螺旋２２ａを軸支内装した縦移送筒２２を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒２２の上端部には、その全長がコンバイン１の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋２３ａを伸縮自在に内装した排出オーガ２３を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【００２０】
前記脱穀装置５は、図１〜図３で示すように、前側板５ａ、後面側板５ｂ、及び左・右側板５ｃ、５ｄで略箱形状に形成し、この上端前部には、扱胴カバー５ｅを設けると共に、上端後部には、上カバー５ｆを設けている。
【００２１】
前記脱穀装置５の上部の穀稈供給口の外側上下には、挟持杆１０ｂ、フィードチェン１０ａを設け、穀稈を挟持移送する。脱穀室６内には、多数本の扱歯７ａを外径部へ植設した扱胴７を、扱胴軸７ｂで回転自在に、前側板５ａと、中側板６ｂとの間へ軸支して設けている。この扱胴７の扱歯７ａ等の回転外周の下側で、前側板５ａと、中側板６ａとの間には、扱室網７ｅを張設し、脱穀処理物を漏下させる。又、脱穀室６内には、中側板６ａと、後側板６ｂとを設け、これらの間には、未脱穀処理物である排塵物を、この脱穀室６から排塵処理室８内へ移送供給する、底部を供給ガイド板６ｄで形成する排塵物引継部６ｃを設けている。
【００２２】
前記排塵処理室８内には、図２で示すように、供給を受けた排塵物を再脱穀処理すべく、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート９ａを設けた排塵処理胴９を排塵軸９ｄに軸支して設けている。該排塵処理螺旋プレート９ａで再脱穀された排塵処理物は、排塵網９ｂから下側の選別室２５内に設けた揺動選別装置２６上へ供給され、揺動移送中に揺動移送選別される。選別済み排藁等を排出する排塵排出口９ｃを設けている。この揺動選別装置２６は、ローラ具２６ａ、カム具２６ｂにより、揺動回転駆動される。
【００２３】
前記排塵処理室８の前側には、脱穀室６内で脱穀処理されなかった、未脱穀処理の二番物の供給を受けて、図２で示すように、再脱穀処理する、二番処理室２４内には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート２４ｂを設けた二番処理胴２４ａを同じ軸である排塵軸９ｄの前方部へ軸支内装して設け、該二番処理螺旋プレート９ｂで再脱穀された二番処理物は、二番網２４ｃとは、移送終端部の二番排出口２４ｄとから、下側の揺動選別装置２６上へ供給され、揺動移送中に揺動移送選別される。
【００２４】
前記脱穀室６の扱胴７の各扱歯７ａ等の回転外周下部には、扱室網７ｅを張設して設け、この扱室網７ｅには、該扱胴７の４条列目と、５条列目との間と、７条列目と、８条列目との間に位置する箇所には、前・後仕切金７ｆ、７ｈを個別に装着して設け、該脱穀室６内で脱穀される、脱穀処理物の選別処理の向上を図っている。
【００２５】
前記脱穀室６の扱室網７ｅの前仕切金７ｆ、及び中側板６ａの前の扱歯７ｃは、図１、及び図２で示すように、送り方向に所定角度である、送り方向（θ１）に傾斜させて設けている。該前仕切金７ｆの後の該各扱歯７ｃ、及び該中側板６ａの前後の該各扱歯７ｃの傾斜を前側より、後側の送り方向に所定角度である、大きい送り方向（θ２）にして設けると共に、該排塵物引継部６ｃに設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板６ａより、前側の該扱室網７ｅの目合（ロ）より、大きくして設けた構成である。
【００２６】
穀稈を脱穀処理する多種類で多数の前記扱歯７ａ等を、送り方向に傾斜させて植設した扱胴７を軸支内装した脱穀室６を設け、この脱穀室６の扱室網７ｅには、前・後仕切金７ｆ、７ｈを設け、該後仕切金７ｈの前後の該各扱歯７ｃ、及び該中側板６ａの前後の該扱歯７ｃの傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該脱穀室６と、排塵処理室８とが連通する排塵物引継部６ｃに設けた、扱室網７ｄの目合（イ）を、該中側板６ａより前側の該扱室網７ｅの目合（ロ）より、大きくして設けたことにより、該排塵物引継部６ｃから排塵処理室８への未脱穀処理の排塵物は、スムーズに引継ぎされる。又、この排塵物引継部６ｃの扱室網７ｅの目合（イ）を、其の他の箇所の目合（ロ）より大きくして設けたことにより、この目合（イ）部より、排塵物内に混入する穀粒が多く漏下することにより、三番飛散穀粒の減少を図ることができ、穀粒のロスを防止できる。
【００２７】
前記中側板６ａ後側の該排塵物引継部６ｃに、位置する箇所の該扱胴７外径部に植設した該各扱歯７ｃ内には、図１、及び図２で示すように、板状扱歯７ｊを植設して、該扱歯７ｃに藁屑等の引掛りを防止している。又は、図１で示すように、１列目以外の全ての扱歯７ｂ、７ｃに、該板状扱歯７ｊを設けた構成とするもよい。
【００２８】
前記中側板６ａ後側の該排塵物引継部６ｃに、位置する箇所の該扱胴７外径部に植設した該各扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設したことにより、該排塵物引継部６ｃから該排塵処理室８内へ移送される排塵物内の藁屑等は、該各扱歯７ｃに引掛ることを防止でき、このために、該排塵物引継部６ｃの移送能力の低下防止ができる。又、移送がスムーズである。詰りを防止できる。
【００２９】
前記扱胴７の外径部には、図１で示すように、移送始端と、移送終端との両外部に所定巾を設け、その間を１列から１５列の所定巾に分割し、１３列目と、１５列目とには、８個の扱歯を植設し、其の他の条列は４個を植設している。１列目には、広巾の扱歯７ａと、この広巾の扱歯７ａ内には、補助扱歯７ｍとを、送り方向（θ１）に傾斜させて植設している。２列目と、３列目とには、中巾の扱歯７ｂを送り方向（θ１）に傾斜させて植設し、４列目から１５列目までは、狭巾の扱歯７ｃを送り方向（θ１）に傾斜させて植設している。
【００３０】
選別風を起風して送風する送風装置２７を揺動選別装置の前方下部に設け、この送風装置２７の後側には、一番選別装置２８を設け、この一番選別装置２８には、一番選別棚２８ａと接続する一番受桶２８ｂを設け、この一番受桶２８ｂ内には、一番移送螺旋２８ｃを回転自在に軸支して設け、一番口穀粒を右外側へ設けた揚穀装置２８ｄ内へ移送供給し、この揚穀装置２８ｄで機外の穀粒貯留タンク１１内へ供給する。
【００３１】
前記一番選別装置２８の後側には、二番選別装置２９を設け、この二番選別装置２９は、二番選別棚２９ａと、前側の一番選別棚２８ａとを接続する二番受桶２９ｂを設け、この二番受桶２９ｂ内には、二番移送螺旋２９ｃを回転自在に軸支して設け、二番物を右外側へ設けた二番還元装置２９ｄ内へ移送供給し、この二番還元装置２９ｄで二番処理室２４内へ還元する。
【００３２】
前記脱穀室６の後方部で、揺動選別装置２６ａの上側の一方側には、脱穀処理時に発生した、藁屑、稈切、及び塵埃等を機外へ排出する吸引装置３０を設けている。
図５で示すように前記前仕切金７ｆが位置する箇所の後側で、扱胴７に設けた扱歯７ｃは、送り方向に所定角度の送り方向（θ２）に傾斜して設けると共に、中側板６ａより、後方部の移送終端部までの間に設ける扱歯７ｃは戻し方向に所定角度の戻し方向（θ４）に傾斜させて設け、この戻し方向（θ４）を送り方向（θ２）より大きな角度にして設けている。又は、小さい角度にして設けてもよい。
【００３３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯７ｃは、仕切金７ｆの前側までの該扱歯７ｃの送り方向（θ２）角度に傾斜させて設け、排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃの戻し方向（θ４）角度を大きく傾斜させて設ける。又は小さく傾斜させて設けている。
【００３４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯７ｃは、中側板６ａの前側までの該扱歯７ｃの送り方向（θ２）に傾斜させて設け、排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃの戻し方向（θ４）角度に構成し、送り方向（θ２）より、戻し角度（θ４）を小さくして設け、又、引継部６ｃの目合を該引継部６ｃより、前の目合より大きくした構成である。又は、戻し角度（θ４）を大きくした構成である。該排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３５】
これにより、四番口飛散粒の減少、及び前記引継部６ｃの該扱歯７ｃに藁屑、稈切れの引掛りが防止できる。
図６で示すように、前記扱胴７の移送始端部から移送終端部の間に植設する扱歯７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｍは全て送り方向に所定角度に傾斜させて設けると共に、仕切金７ｆと、中側板６ａとの前後に植設する該扱歯７ｃ、７ｃは、前側は送り方向（θ１）に傾斜させ、又、後側は送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、前側より、後側の傾斜角度を大きくして設けている。又、中側板６ａより、後方部の引継部６ｃに植設した該扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３６】
これにより、四番口飛散粒の減少と、藁屑、稈切れの引掛りが防止できる。
排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチは、図２で示すように、引継部６ｃでは、螺旋ピッチ（Ｐ１）とし、該引継部６ｃより後方部では、螺旋ピッチ（Ｐ２）とし、該螺旋ピッチ（Ｐ１）を該螺旋ピッチ（Ｐ２）より広く形成している。
【００３７】
これにより、前記引継部６ｃでは、排塵物の送りが早くなり、詰りの防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯の植設は、移送始端から引継部６ｃの前側部迄は、送り方向（θ２）に傾斜させて設けると共に、該引継部６ｃは戻し方向（θ４）に傾斜させて設けると共に、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）の傾斜を小さくして設け、内側に板状扱歯７ｊを設けている。又は、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）を大きくすると共に、該引継部６ｃに植設した各扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３８】
これにより、四番口飛散粒の減少を図る。又、藁屑の引掛りを防止できる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９外径部の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋プレートピッチを引継部６ｃを後側板６ｂ部より、狭くして設け、二番処理胴２４ａの二番処理螺旋プレート２４ｂも連続プレートで形成し、扱胴７の各扱歯は送り方向（θ２）に傾斜させて設け、又、仕切金７ｆ、７ｈの前後の扱歯、及び中側板６ａの前後の扱歯の傾斜を変え、前側より後側を大きくして設けている。又、該引継部６ｃ側の扱室網７ｅの目合を中側板６ａより、前の該扱室網７ｅの目合を大きくして設けている。更に引継部６ｃ部の扱歯７ｃ内に板状扱歯７ｊを植設している。
【００３９】
これにより、四番口飛散粒の減少と、前記引継部６ｃ部の各扱歯７ｃに藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する各扱歯は、送り方向（θ２）に傾斜させて設け、中側板６ａより、前側と、後側とでは、前側より、後側の傾斜を大きくして設けている。又は、小さくして設けている。
【００４０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図る。
図６で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、送り方向（θ２）で傾斜させて、中側板６ａより、前後のこの扱歯の傾斜を変え、前側より後側の傾斜を大きくし、該中側板６ａから後の引継部６ｃの扱歯には、板状扱歯６ｊを植設している。又は小さくし、同じように、板状扱歯６ｊを植設している。
【００４１】
これにより、四番口飛散防止と、藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、中側板６ａの前側部まで送り方向（θ２）に傾斜させ、該中側板６ａより後方部は戻し方向（θ４）に傾斜させて設け、送り傾斜より、戻し方向傾斜を大きくして設けると共に、又は、小さくして設けると共に、扱室網７ｅは引継部６ｃ側を、該中側板６ａより前側の目合を大きくして設けている。
【００４２】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の各扱歯を中側板６ａ側までは、送り方向（θ２）に傾斜させ、仕切金の前後で傾斜をこの仕切金の後側の、又は前後の傾斜が大きくなるようにし、又は、小さくなるようにすると共に、中側板６ａの後側の引継部６ｃでは、該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させ、この仕切金から後の送りの傾斜より、戻し傾斜を大きくし、引継部６ｃに植設した扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合は、該中側板６ａの前側の目合より大きくして設けている。
【００４３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７の各扱歯を中側板６ａ側までは、送り方向（θ２）に傾斜させ、該中側板６ａの後方部の引継部６ｃの扱歯は、戻し方向（θ４）に傾斜させて、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）の傾斜を大きく、又は小さくして植設すると共に、該引継部６ｃに植設した扱歯内側には、板状扱歯７ｊを植設している。該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合は、該中側板６ａの前側の目合より大きくして設けている。
【００４４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図７で示すように、前記扱胴７には、移送始端部から中側板６ａ間には、扱歯７ａ、７ｂ、７ｃ、補助扱歯７ｍを送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、又、中側板６ａから移送終端部までの間の引継部６ｃには、扱歯７ｃは、該扱胴７に対して略直角（平行）に植設している。
【００４５】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図８で示すように、前記仕切金６ｆから中側板６ａ間に植設する扱歯７ｃは送り方向（θ２）に傾斜させて植設すると共に、中側板６ａから移送終端部の間の引継部６ｃ間に植設する扱歯７ｃは、該扱胴７に対して略直角（平行）に植設している。又、該引継部６ｃ間の該扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設した。
【００４６】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図８で示すように、前記引継部６ｃの排塵処理螺旋プレート９ａのピッチが、後側より広く形成して設け、扱胴７の扱歯は、仕切金６ｆより後方部は送り方向（θ２）に傾斜させて設け、中側板６ａより前側のこの扱歯より、後側のこの扱歯の傾斜を大きくして設けた。又は小さくして設けた。
【００４７】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、中側板６ａまでは送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、仕切金７ｆの前後で傾斜を変えて、後側の傾斜を大きくし、引継部６ｃ部は戻し方向（θ４）に傾斜させ、該仕切金７ｆの後の送り傾斜より、戻し傾斜大きくして設ける。又は小さくして設けている。
【００４８】
図５で示すように、前記仕切金７ｆから前の送り傾斜より、戻し傾斜を大きくして設けている。又は小さくして設けている。
これらにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
【００４９】
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは、送り方向に傾斜させ、仕切金の前後で傾斜を、この仕切金の後側の傾きが大きくなるように変え、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向に傾斜した構成とし、該仕切金から後の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくし、又は小さくし、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを設けた構成で、該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合を、該中側板６ａより前の該扱室網７ｅの目合より大きくして設けている。
【００５０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図７で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より広くして設け、扱室網７ｅには、仕切金６ｆを設けると共に、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは送り方向（θ２）に傾斜させて設け、該中側板６ａより後方の引継部６ｃに植設する扱歯は、中側板６ａに対して平行に植設している。扱室網７ｅの目合は、上記と同じである。
【００５１】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図８で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より広くして設け、扱室網７ｅには、仕切金６ｆを設けると共に、この仕切金６ｆから中側板６ａまでの扱歯を送り方向（θ２）に傾斜させて設け、この中側板６ａから後側に設ける扱歯は、この中側板６ａと平行に設け、この扱歯内には、板状扱歯６ｊを設けている。扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５２】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図２、及び図６で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より、広くして設け、扱胴７の扱歯を送り方向に傾斜させて設け、中側板６ａより前と、後の扱歯の傾斜を変え、前より、後側の傾斜を大きくし、又は、小さくし、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾斜させて設け、仕切金の前後で傾斜を、該仕切金の後側の傾斜が大きくなるように変え、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させた構成とし、該仕切金から後の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくした、又は小さくした構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾斜させて設け、仕切金の前後で傾斜を、該仕切金の後側の傾斜が大きくなるように変え、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させた構成であり、該仕切金の前の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくしたり、又は、小さくしたりした構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。更に、中側板６ａのより後方の引継部６ｃの各扱歯７ｃには、板状扱歯７ｊを植設している。
【００５５】
これらにより、四番口飛散粒の減少と、藁屑の引掛り防止ができる。
図２、及び図７で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは、送り方向（θ２）に傾斜させて設け、この中板前６ａより後方部の引継部６ｃは、この中板前６ａと略平行に設けた構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。又、該扱胴７の扱室網７ｅに仕切金７ｆを設け、この仕切金７ｆから中板前６ａまでの扱歯は送り方向（θ２）に傾け、該中側板６ａから後のこの扱歯は、この扱胴の扱歯をこの中側板６ａの前まで送り方向に傾け、又、この中側板６ａと略平行に設け、この扱歯内には板状扱歯７ｊを設けている。更に、該扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５６】
これらにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾け、仕切金７ｆの後側の傾きが大きくなるように変え、該中側板６ａから後側の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾けた構成とし、該仕切金７ｆから前の送りの傾きより戻しの傾きを大きくし、又は、小さくし、該中側板６ａから後の該引継部６ｃの該扱歯に板状扱歯７ｊを設ける。又、扱室網７ｅの目合は上述と同じである。
【００５７】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を送り方向（θ２）に傾け、中側板６ａより前と後の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの扱歯に板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５８】
これにより、前記引継部６ｃで排塵物の詰り防止ができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を送り方向（θ２）に傾け、中板前６ａより前と後の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの扱歯に板状扱歯７ｊを植設している。又は、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５９】
これにより、前記引継部６ｃで排塵物の詰り防止ができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾け、仕切金６ｆの前後で傾きを、この仕切金６ｆの後側の傾き大きくなるように変え、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾け、該仕切金６ｆから前の送りの傾きより戻しの傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後の該引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００６０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯は送り方向（θ２）に傾け、中側板６ａより前と後の該扱歯の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００６１】
これにより、前記引継部６ｃに排塵物の詰りを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】扱胴の拡大展開図
【図２】脱穀装置の拡大側断面図
【図３】図２のＡ−Ａ―Ａ断面図
【図４】コンバインの左側全体側面図
【図５】扱胴の拡大展開図
【図６】扱胴の拡大展開図
【図７】扱胴の拡大展開図
【図８】扱胴の拡大展開図
【図９】扱胴の拡大展開図
【符号の説明】
【００６３】
（５ａ） 前側板
（６） 脱穀室
（６ａ） 中側板
（６ｂ） 後側板
（６ｃ） 排塵物引継部
（７） 扱胴
（７ａ） 扱歯
（７ｃ） 扱室網
（７ｆ） 前仕切金
（７ｈ） 後仕切金
（７ｊ） 板状扱歯
（８） 排塵処理室
（９） 排塵処理胴
（９ａ） 排塵処理螺旋プレート
（２４） 二番処理室
（２４ａ）二番処理胴
（２４ｂ）二番処理螺旋プレート
（イ） 目合
（ロ） 目合
【技術分野】
【０００１】
この発明は、穀稈を脱穀する脱穀装置に関し、特に脱穀室に軸支内装する扱胴に関する。
【背景技術】
【０００２】
特開２００５−２５３３８８号公報で示すように、脱穀装置の脱穀室内に回転自在に軸支した扱胴ドラムの外周面には、円周方向に所定ピッチで、かつ、扱胴軸心方向に多数列に亘って扱歯群を植設すると共に、扱胴ドラムの適所に蓋板によって開閉される点検口を形成した脱穀装置の扱胴において、前記点検口の扱胴周方向に対する開口端辺をそれぞれ扱胴軸心方向に対して傾斜させて設けた脱穀装置の扱胴が公知である。この扱胴ドラムの穀稈移送終端部へ植設する扱歯は、この扱胴ドラムの円周方向に対して略垂直状に植設されている。
【特許文献１】特開２００５−２５３３８８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
穀稈を脱穀する脱穀装置の脱穀室内へ回転自在に軸支内装した扱胴の外径部には、多数の扱歯が植設され、この扱歯により、脱穀されるが、扱胴へ植設する扱歯は、この扱胴の円周方向に対して略垂直状に植設されていることにより、移送終端部で穀稈の送りに対して、抵抗を掛けない構成である。このために、四番口に至る穀粒量が多くなったり、又、穀稈に穀粒がささった状態のままで排出される所謂ささり粒が増加する。この発明はこれらの課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、請求項１に記載の発明においては、前後方向軸心廻りに回転する扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）を上記軸心に沿う送り方向に対して傾斜させて設け、該扱胴（７）を内装した脱穀室（６）は、前側板（５ａ）と後側板（６ｂ）との間に設け、該後側板（６ｂ）の前側の中側板（６ａ）と後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設け、該排塵処理室（８）内には、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９ａ）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装すると共に、該排塵処理室（８）の前側には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した二番処理室（２４）等を設けた脱穀装置において、前記脱穀室（６）の下部に設けた扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設けたことを特徴とする脱穀装置としたものである。
【０００５】
刈取り済みの穀稈の脱穀は、脱穀装置の前側板（５ａ）と、後側板（６ｂ）との間に脱穀室（６）を形成し、この脱穀室（６）内には、扱胴（７）を軸支して設け、この扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）が送り方向に傾斜させて設けられ、この各扱歯（７ａ）で脱穀される。該後側板（６ｂ）の前部に設けた中側板（６ａ）と、該後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内で脱穀処理されなかった未脱穀処理の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設けて供給する。該排塵処理室（８）内には、排塵物を再脱穀処理すべく外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装して設け、排塵物を再脱穀処理する。
【０００６】
又、前記排塵処理室（８）の前側には、該脱穀室（６）内で脱穀されなかった未脱穀処理の二番物を再脱穀処理すべく外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した、二番処理室（２４）を設け、二番物を再脱穀処理する。
【０００７】
更に、前記脱穀室（６）内の下部に設けた、扱室網（７ｄ）に前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）前後に設けた扱歯（７ａ）、及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）を該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設け、該排塵物引継部（６ｃ）で排塵物内に混入する穀粒の漏下の向上を図っている。
【０００８】
請求項２に記載の発明においては、前記中側板（６ａ）の後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する箇所の該扱胴（７）外周部に設けた該各扱歯（７ａ）内側に、板状扱歯（７ｊ）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀装置としたものである。
【０００９】
前記中側板（６ａ）後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する、箇所の該扱胴（７）外径部に植設した該各扱歯（７ａ）内には、板状扱歯（７ｊ）を植設して、該各扱歯（７ａ）に藁屑の引掛りを防止している。
【発明の効果】
【００１０】
請求項１に記載の発明においては、穀稈を脱穀処理する多種類で多数の扱歯（７ａ）等を、送り方向に傾斜させて植設した、扱胴（７）を軸支内装した脱穀室（６）を設け、この脱穀室（６）の扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）、及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該脱穀室（６）と、排塵処理室（８）とが、連接する排塵物引継部（６ｃ）に設けた、扱室網（７ｄ）の目合（イ）を、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より、大きくして設けたことにより、該排塵物引継部（６ｃ）から排塵処理室（８）への未脱穀処理の排塵物は、スムーズに引継ぎされる。又、この排塵物引継部（６ｃ）の扱室網（７ｅ）の目合（イ）を、其の他の箇所の目合（ロ）より大きくして設けたことにより、この目合（イ）部より、排塵物内に混入する穀粒が多く漏下することにより、三番口、及び四番口飛散穀粒の減少を図ることができ、穀粒のロスを防止できる。
【００１１】
請求項２に記載の発明においては、前記中側板（６ａ）後側の該排塵物引継部（６ｃ）に、位置する箇所の該扱胴（７）外径部に植設した該各扱歯（７ａ）内には、板状扱歯（７ｊ）を植設したことにより、該排塵物引継部（６ｃ）から該排塵処理室（８）内へ移送される排塵物内の藁屑等は、該各扱歯（７ａ）に引掛ることを防止でき、このために、該排塵物引継部（６ｃ）の移送能力の低下防止ができる。又、移送がスムーズである。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン１の走行装置２の上側には、走行車台３を設け、この走行車台３の前側に設けた刈取装置４から刈取り穀稈の供給を受け、この刈取り穀稈を脱穀して選別する脱穀処理装置である脱穀装置５を載置して設けている。この脱穀装置５は、扱胴７を内装軸支した脱穀室６と、この脱穀室６内で脱穀処理できなかった未脱穀処理物の供給を受けて、再脱穀処理する排塵処理胴９を軸支内装した排塵処理室８等とを設けた構成であり、この脱穀装置５の各部構成と、扱胴７に植設する扱歯７ａ等の植設方法とを主に図示して説明する。
【００１３】
前記コンバイン１の走行車台３の下側には、図４で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ２ａを張設した走行装置２を配設し、走行車台３の上側面に脱穀装置５を載置している。走行車台３の前方部の刈取装置４で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、脱穀装置５のフィードチェン１０ａと、挟持杆１０ｂとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀装置５の右横側へ配設した穀粒貯留タンク１１内へ供給され、一時貯留される。この脱穀装置５の詳細については、後述する。
【００１４】
前記走行車台３の前方部には、図４で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド１２ａ、及び分草体１２ｂと、立毛穀稈を引起す引起装置１３と、引起された穀稈を掻込み移送する穀稈掻込移送装置１４の各掻込装置１４ａと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置１５と、刈取りされた穀稈を挟持移送して脱穀装置５のフィードチェン１０ａと挟持杆１０ｂとへ受渡しする穀稈掻込移送装置１４の根元・穂先移送装置１６ａ・１６ｂ等からなる刈取装置４を設けている。該刈取装置４は、油圧駆動による伸縮シリンダ１７により、圃場面に対して昇降する。
【００１５】
前記刈取装置４の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆１８ａの上端部に設ける支持パイプ杆１８ｂを走行車台３の上側面に設けた支持装置１８ｃで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ１７を作動させると、支持杆１８ａと共に、刈取装置４が上下回動する。
【００１６】
前記刈取装置４の穀稈掻込移送装置１４によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置５への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ４ａを設けている。
【００１７】
前記穀粒貯留タンク１１側の前部には、図４で示すように、コンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置１９ａと、操縦席１９ｂとを設け、この操縦席１９ｂの下側にエンジン２０を載置している。
【００１８】
前記走行車台３の前端部に装架した走行用のミッションケース２１内の伝動機構２１ａの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ２１ｂを設けている。
【００１９】
前記穀粒貯留タンク１１内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク１１の後側には、図４で示すように、縦移送螺旋２２ａを軸支内装した縦移送筒２２を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒２２の上端部には、その全長がコンバイン１の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋２３ａを伸縮自在に内装した排出オーガ２３を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【００２０】
前記脱穀装置５は、図１〜図３で示すように、前側板５ａ、後面側板５ｂ、及び左・右側板５ｃ、５ｄで略箱形状に形成し、この上端前部には、扱胴カバー５ｅを設けると共に、上端後部には、上カバー５ｆを設けている。
【００２１】
前記脱穀装置５の上部の穀稈供給口の外側上下には、挟持杆１０ｂ、フィードチェン１０ａを設け、穀稈を挟持移送する。脱穀室６内には、多数本の扱歯７ａを外径部へ植設した扱胴７を、扱胴軸７ｂで回転自在に、前側板５ａと、中側板６ｂとの間へ軸支して設けている。この扱胴７の扱歯７ａ等の回転外周の下側で、前側板５ａと、中側板６ａとの間には、扱室網７ｅを張設し、脱穀処理物を漏下させる。又、脱穀室６内には、中側板６ａと、後側板６ｂとを設け、これらの間には、未脱穀処理物である排塵物を、この脱穀室６から排塵処理室８内へ移送供給する、底部を供給ガイド板６ｄで形成する排塵物引継部６ｃを設けている。
【００２２】
前記排塵処理室８内には、図２で示すように、供給を受けた排塵物を再脱穀処理すべく、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート９ａを設けた排塵処理胴９を排塵軸９ｄに軸支して設けている。該排塵処理螺旋プレート９ａで再脱穀された排塵処理物は、排塵網９ｂから下側の選別室２５内に設けた揺動選別装置２６上へ供給され、揺動移送中に揺動移送選別される。選別済み排藁等を排出する排塵排出口９ｃを設けている。この揺動選別装置２６は、ローラ具２６ａ、カム具２６ｂにより、揺動回転駆動される。
【００２３】
前記排塵処理室８の前側には、脱穀室６内で脱穀処理されなかった、未脱穀処理の二番物の供給を受けて、図２で示すように、再脱穀処理する、二番処理室２４内には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート２４ｂを設けた二番処理胴２４ａを同じ軸である排塵軸９ｄの前方部へ軸支内装して設け、該二番処理螺旋プレート９ｂで再脱穀された二番処理物は、二番網２４ｃとは、移送終端部の二番排出口２４ｄとから、下側の揺動選別装置２６上へ供給され、揺動移送中に揺動移送選別される。
【００２４】
前記脱穀室６の扱胴７の各扱歯７ａ等の回転外周下部には、扱室網７ｅを張設して設け、この扱室網７ｅには、該扱胴７の４条列目と、５条列目との間と、７条列目と、８条列目との間に位置する箇所には、前・後仕切金７ｆ、７ｈを個別に装着して設け、該脱穀室６内で脱穀される、脱穀処理物の選別処理の向上を図っている。
【００２５】
前記脱穀室６の扱室網７ｅの前仕切金７ｆ、及び中側板６ａの前の扱歯７ｃは、図１、及び図２で示すように、送り方向に所定角度である、送り方向（θ１）に傾斜させて設けている。該前仕切金７ｆの後の該各扱歯７ｃ、及び該中側板６ａの前後の該各扱歯７ｃの傾斜を前側より、後側の送り方向に所定角度である、大きい送り方向（θ２）にして設けると共に、該排塵物引継部６ｃに設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板６ａより、前側の該扱室網７ｅの目合（ロ）より、大きくして設けた構成である。
【００２６】
穀稈を脱穀処理する多種類で多数の前記扱歯７ａ等を、送り方向に傾斜させて植設した扱胴７を軸支内装した脱穀室６を設け、この脱穀室６の扱室網７ｅには、前・後仕切金７ｆ、７ｈを設け、該後仕切金７ｈの前後の該各扱歯７ｃ、及び該中側板６ａの前後の該扱歯７ｃの傾斜を前側より、後側の傾斜を大きくして設けると共に、該脱穀室６と、排塵処理室８とが連通する排塵物引継部６ｃに設けた、扱室網７ｄの目合（イ）を、該中側板６ａより前側の該扱室網７ｅの目合（ロ）より、大きくして設けたことにより、該排塵物引継部６ｃから排塵処理室８への未脱穀処理の排塵物は、スムーズに引継ぎされる。又、この排塵物引継部６ｃの扱室網７ｅの目合（イ）を、其の他の箇所の目合（ロ）より大きくして設けたことにより、この目合（イ）部より、排塵物内に混入する穀粒が多く漏下することにより、三番飛散穀粒の減少を図ることができ、穀粒のロスを防止できる。
【００２７】
前記中側板６ａ後側の該排塵物引継部６ｃに、位置する箇所の該扱胴７外径部に植設した該各扱歯７ｃ内には、図１、及び図２で示すように、板状扱歯７ｊを植設して、該扱歯７ｃに藁屑等の引掛りを防止している。又は、図１で示すように、１列目以外の全ての扱歯７ｂ、７ｃに、該板状扱歯７ｊを設けた構成とするもよい。
【００２８】
前記中側板６ａ後側の該排塵物引継部６ｃに、位置する箇所の該扱胴７外径部に植設した該各扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設したことにより、該排塵物引継部６ｃから該排塵処理室８内へ移送される排塵物内の藁屑等は、該各扱歯７ｃに引掛ることを防止でき、このために、該排塵物引継部６ｃの移送能力の低下防止ができる。又、移送がスムーズである。詰りを防止できる。
【００２９】
前記扱胴７の外径部には、図１で示すように、移送始端と、移送終端との両外部に所定巾を設け、その間を１列から１５列の所定巾に分割し、１３列目と、１５列目とには、８個の扱歯を植設し、其の他の条列は４個を植設している。１列目には、広巾の扱歯７ａと、この広巾の扱歯７ａ内には、補助扱歯７ｍとを、送り方向（θ１）に傾斜させて植設している。２列目と、３列目とには、中巾の扱歯７ｂを送り方向（θ１）に傾斜させて植設し、４列目から１５列目までは、狭巾の扱歯７ｃを送り方向（θ１）に傾斜させて植設している。
【００３０】
選別風を起風して送風する送風装置２７を揺動選別装置の前方下部に設け、この送風装置２７の後側には、一番選別装置２８を設け、この一番選別装置２８には、一番選別棚２８ａと接続する一番受桶２８ｂを設け、この一番受桶２８ｂ内には、一番移送螺旋２８ｃを回転自在に軸支して設け、一番口穀粒を右外側へ設けた揚穀装置２８ｄ内へ移送供給し、この揚穀装置２８ｄで機外の穀粒貯留タンク１１内へ供給する。
【００３１】
前記一番選別装置２８の後側には、二番選別装置２９を設け、この二番選別装置２９は、二番選別棚２９ａと、前側の一番選別棚２８ａとを接続する二番受桶２９ｂを設け、この二番受桶２９ｂ内には、二番移送螺旋２９ｃを回転自在に軸支して設け、二番物を右外側へ設けた二番還元装置２９ｄ内へ移送供給し、この二番還元装置２９ｄで二番処理室２４内へ還元する。
【００３２】
前記脱穀室６の後方部で、揺動選別装置２６ａの上側の一方側には、脱穀処理時に発生した、藁屑、稈切、及び塵埃等を機外へ排出する吸引装置３０を設けている。
図５で示すように前記前仕切金７ｆが位置する箇所の後側で、扱胴７に設けた扱歯７ｃは、送り方向に所定角度の送り方向（θ２）に傾斜して設けると共に、中側板６ａより、後方部の移送終端部までの間に設ける扱歯７ｃは戻し方向に所定角度の戻し方向（θ４）に傾斜させて設け、この戻し方向（θ４）を送り方向（θ２）より大きな角度にして設けている。又は、小さい角度にして設けてもよい。
【００３３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯７ｃは、仕切金７ｆの前側までの該扱歯７ｃの送り方向（θ２）角度に傾斜させて設け、排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃの戻し方向（θ４）角度を大きく傾斜させて設ける。又は小さく傾斜させて設けている。
【００３４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯７ｃは、中側板６ａの前側までの該扱歯７ｃの送り方向（θ２）に傾斜させて設け、排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃの戻し方向（θ４）角度に構成し、送り方向（θ２）より、戻し角度（θ４）を小さくして設け、又、引継部６ｃの目合を該引継部６ｃより、前の目合より大きくした構成である。又は、戻し角度（θ４）を大きくした構成である。該排塵物引継部６ｃに植設した扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３５】
これにより、四番口飛散粒の減少、及び前記引継部６ｃの該扱歯７ｃに藁屑、稈切れの引掛りが防止できる。
図６で示すように、前記扱胴７の移送始端部から移送終端部の間に植設する扱歯７ａ、７ｂ、７ｃ、７ｍは全て送り方向に所定角度に傾斜させて設けると共に、仕切金７ｆと、中側板６ａとの前後に植設する該扱歯７ｃ、７ｃは、前側は送り方向（θ１）に傾斜させ、又、後側は送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、前側より、後側の傾斜角度を大きくして設けている。又、中側板６ａより、後方部の引継部６ｃに植設した該扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３６】
これにより、四番口飛散粒の減少と、藁屑、稈切れの引掛りが防止できる。
排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチは、図２で示すように、引継部６ｃでは、螺旋ピッチ（Ｐ１）とし、該引継部６ｃより後方部では、螺旋ピッチ（Ｐ２）とし、該螺旋ピッチ（Ｐ１）を該螺旋ピッチ（Ｐ２）より広く形成している。
【００３７】
これにより、前記引継部６ｃでは、排塵物の送りが早くなり、詰りの防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯の植設は、移送始端から引継部６ｃの前側部迄は、送り方向（θ２）に傾斜させて設けると共に、該引継部６ｃは戻し方向（θ４）に傾斜させて設けると共に、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）の傾斜を小さくして設け、内側に板状扱歯７ｊを設けている。又は、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）を大きくすると共に、該引継部６ｃに植設した各扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設している。
【００３８】
これにより、四番口飛散粒の減少を図る。又、藁屑の引掛りを防止できる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９外径部の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋プレートピッチを引継部６ｃを後側板６ｂ部より、狭くして設け、二番処理胴２４ａの二番処理螺旋プレート２４ｂも連続プレートで形成し、扱胴７の各扱歯は送り方向（θ２）に傾斜させて設け、又、仕切金７ｆ、７ｈの前後の扱歯、及び中側板６ａの前後の扱歯の傾斜を変え、前側より後側を大きくして設けている。又、該引継部６ｃ側の扱室網７ｅの目合を中側板６ａより、前の該扱室網７ｅの目合を大きくして設けている。更に引継部６ｃ部の扱歯７ｃ内に板状扱歯７ｊを植設している。
【００３９】
これにより、四番口飛散粒の減少と、前記引継部６ｃ部の各扱歯７ｃに藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する各扱歯は、送り方向（θ２）に傾斜させて設け、中側板６ａより、前側と、後側とでは、前側より、後側の傾斜を大きくして設けている。又は、小さくして設けている。
【００４０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図る。
図６で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、送り方向（θ２）で傾斜させて、中側板６ａより、前後のこの扱歯の傾斜を変え、前側より後側の傾斜を大きくし、該中側板６ａから後の引継部６ｃの扱歯には、板状扱歯６ｊを植設している。又は小さくし、同じように、板状扱歯６ｊを植設している。
【００４１】
これにより、四番口飛散防止と、藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、中側板６ａの前側部まで送り方向（θ２）に傾斜させ、該中側板６ａより後方部は戻し方向（θ４）に傾斜させて設け、送り傾斜より、戻し方向傾斜を大きくして設けると共に、又は、小さくして設けると共に、扱室網７ｅは引継部６ｃ側を、該中側板６ａより前側の目合を大きくして設けている。
【００４２】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７の各扱歯を中側板６ａ側までは、送り方向（θ２）に傾斜させ、仕切金の前後で傾斜をこの仕切金の後側の、又は前後の傾斜が大きくなるようにし、又は、小さくなるようにすると共に、中側板６ａの後側の引継部６ｃでは、該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させ、この仕切金から後の送りの傾斜より、戻し傾斜を大きくし、引継部６ｃに植設した扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合は、該中側板６ａの前側の目合より大きくして設けている。
【００４３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図５で示すように、前記扱胴７の各扱歯を中側板６ａ側までは、送り方向（θ２）に傾斜させ、該中側板６ａの後方部の引継部６ｃの扱歯は、戻し方向（θ４）に傾斜させて、送り方向（θ２）より、戻し方向（θ４）の傾斜を大きく、又は小さくして植設すると共に、該引継部６ｃに植設した扱歯内側には、板状扱歯７ｊを植設している。該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合は、該中側板６ａの前側の目合より大きくして設けている。
【００４４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図７で示すように、前記扱胴７には、移送始端部から中側板６ａ間には、扱歯７ａ、７ｂ、７ｃ、補助扱歯７ｍを送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、又、中側板６ａから移送終端部までの間の引継部６ｃには、扱歯７ｃは、該扱胴７に対して略直角（平行）に植設している。
【００４５】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図８で示すように、前記仕切金６ｆから中側板６ａ間に植設する扱歯７ｃは送り方向（θ２）に傾斜させて植設すると共に、中側板６ａから移送終端部の間の引継部６ｃ間に植設する扱歯７ｃは、該扱胴７に対して略直角（平行）に植設している。又、該引継部６ｃ間の該扱歯７ｃ内には、板状扱歯７ｊを植設した。
【００４６】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図８で示すように、前記引継部６ｃの排塵処理螺旋プレート９ａのピッチが、後側より広く形成して設け、扱胴７の扱歯は、仕切金６ｆより後方部は送り方向（θ２）に傾斜させて設け、中側板６ａより前側のこの扱歯より、後側のこの扱歯の傾斜を大きくして設けた。又は小さくして設けた。
【００４７】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図５で示すように、前記扱胴７に植設する扱歯は、中側板６ａまでは送り方向（θ２）に傾斜させて植設し、仕切金７ｆの前後で傾斜を変えて、後側の傾斜を大きくし、引継部６ｃ部は戻し方向（θ４）に傾斜させ、該仕切金７ｆの後の送り傾斜より、戻し傾斜大きくして設ける。又は小さくして設けている。
【００４８】
図５で示すように、前記仕切金７ｆから前の送り傾斜より、戻し傾斜を大きくして設けている。又は小さくして設けている。
これらにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
【００４９】
図５で示すように、前記扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは、送り方向に傾斜させ、仕切金の前後で傾斜を、この仕切金の後側の傾きが大きくなるように変え、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向に傾斜した構成とし、該仕切金から後の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくし、又は小さくし、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを設けた構成で、該引継部６ｃの扱室網７ｅの目合を、該中側板６ａより前の該扱室網７ｅの目合より大きくして設けている。
【００５０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図７で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より広くして設け、扱室網７ｅには、仕切金６ｆを設けると共に、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは送り方向（θ２）に傾斜させて設け、該中側板６ａより後方の引継部６ｃに植設する扱歯は、中側板６ａに対して平行に植設している。扱室網７ｅの目合は、上記と同じである。
【００５１】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図８で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より広くして設け、扱室網７ｅには、仕切金６ｆを設けると共に、この仕切金６ｆから中側板６ａまでの扱歯を送り方向（θ２）に傾斜させて設け、この中側板６ａから後側に設ける扱歯は、この中側板６ａと平行に設け、この扱歯内には、板状扱歯６ｊを設けている。扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５２】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。又、藁屑の引掛り防止ができる。
図２、及び図６で示すように、前記排塵処理胴９の排塵処理螺旋プレート９ａの螺旋ピッチの引継部６ｃは、この引継部６ｃの後方部より、広くして設け、扱胴７の扱歯を送り方向に傾斜させて設け、中側板６ａより前と、後の扱歯の傾斜を変え、前より、後側の傾斜を大きくし、又は、小さくし、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５３】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾斜させて設け、仕切金の前後で傾斜を、該仕切金の後側の傾斜が大きくなるように変え、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させた構成とし、該仕切金から後の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくした、又は小さくした構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５４】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾斜させて設け、仕切金の前後で傾斜を、該仕切金の後側の傾斜が大きくなるように変え、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾斜させた構成であり、該仕切金の前の送りの傾斜より、戻しの傾斜を大きくしたり、又は、小さくしたりした構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。更に、中側板６ａのより後方の引継部６ｃの各扱歯７ｃには、板状扱歯７ｊを植設している。
【００５５】
これらにより、四番口飛散粒の減少と、藁屑の引掛り防止ができる。
図２、及び図７で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでは、送り方向（θ２）に傾斜させて設け、この中板前６ａより後方部の引継部６ｃは、この中板前６ａと略平行に設けた構成であり、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。又、該扱胴７の扱室網７ｅに仕切金７ｆを設け、この仕切金７ｆから中板前６ａまでの扱歯は送り方向（θ２）に傾け、該中側板６ａから後のこの扱歯は、この扱胴の扱歯をこの中側板６ａの前まで送り方向に傾け、又、この中側板６ａと略平行に設け、この扱歯内には板状扱歯７ｊを設けている。更に、該扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５６】
これらにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾け、仕切金７ｆの後側の傾きが大きくなるように変え、該中側板６ａから後側の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾けた構成とし、該仕切金７ｆから前の送りの傾きより戻しの傾きを大きくし、又は、小さくし、該中側板６ａから後の該引継部６ｃの該扱歯に板状扱歯７ｊを設ける。又、扱室網７ｅの目合は上述と同じである。
【００５７】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を送り方向（θ２）に傾け、中側板６ａより前と後の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの扱歯に板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５８】
これにより、前記引継部６ｃで排塵物の詰り防止ができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を送り方向（θ２）に傾け、中板前６ａより前と後の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの扱歯に板状扱歯７ｊを植設している。又は、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００５９】
これにより、前記引継部６ｃで排塵物の詰り防止ができる。
図２、及び図５で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯を中側板６ａまでを送り方向（θ２）に傾け、仕切金６ｆの前後で傾きを、この仕切金６ｆの後側の傾き大きくなるように変え、該中側板６ａから後の引継部６ｃの該扱歯を戻し方向（θ４）に傾け、該仕切金６ｆから前の送りの傾きより戻しの傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後の該引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００６０】
これにより、四番口飛散粒の減少を図ることができる。
図２、及び図９で示すように、前記排塵処理胴９は上述の構成において、扱胴７の扱歯は送り方向（θ２）に傾け、中側板６ａより前と後の該扱歯の傾きを変え、前側より後側の傾きを大きく、又は小さくし、該中側板６ａから後方の引継部６ｃの該扱歯内には、板状扱歯７ｊを植設している。又、扱室網７ｅの目合は、上述と同じである。
【００６１】
これにより、前記引継部６ｃに排塵物の詰りを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００６２】
【図１】扱胴の拡大展開図
【図２】脱穀装置の拡大側断面図
【図３】図２のＡ−Ａ―Ａ断面図
【図４】コンバインの左側全体側面図
【図５】扱胴の拡大展開図
【図６】扱胴の拡大展開図
【図７】扱胴の拡大展開図
【図８】扱胴の拡大展開図
【図９】扱胴の拡大展開図
【符号の説明】
【００６３】
（５ａ） 前側板
（６） 脱穀室
（６ａ） 中側板
（６ｂ） 後側板
（６ｃ） 排塵物引継部
（７） 扱胴
（７ａ） 扱歯
（７ｃ） 扱室網
（７ｆ） 前仕切金
（７ｈ） 後仕切金
（７ｊ） 板状扱歯
（８） 排塵処理室
（９） 排塵処理胴
（９ａ） 排塵処理螺旋プレート
（２４） 二番処理室
（２４ａ）二番処理胴
（２４ｂ）二番処理螺旋プレート
（イ） 目合
（ロ） 目合
【特許請求の範囲】
【請求項１】
前後方向軸心廻りに回転する扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）を上記軸心に沿う送り方向に対して傾斜させて設け、該扱胴（７）を内装した脱穀室（６）は、前側板（５ａ）と後側板（６ｂ）との間に設け、該後側板（６ｂ）の前側の中側板（６ａ）と後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設け、該排塵処理室（８）内には、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９ａ）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装すると共に、該排塵処理室（８）の前側には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した二番処理室（２４）等を設けた脱穀装置において、前記脱穀室（６）の下部に設けた扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設けたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記中側板（６ａ）の後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する箇所の該扱胴（７）外周部に設けた該各扱歯（７ａ）内側に、板状扱歯（７ｊ）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀装置。
【請求項１】
前後方向軸心廻りに回転する扱胴（７）の外径部に多数の扱歯（７ａ）を上記軸心に沿う送り方向に対して傾斜させて設け、該扱胴（７）を内装した脱穀室（６）は、前側板（５ａ）と後側板（６ｂ）との間に設け、該後側板（６ｂ）の前側の中側板（６ａ）と後側板（６ｂ）との間には、該脱穀室（６）の移送終端部と、排塵処理室（８）とを接続して、該脱穀室（６）内の排塵物を供給する排塵物引継部（６ｃ）を設け、該排塵処理室（８）内には、外径部に連続する排塵処理螺旋プレート（９ａ）を設けた排塵処理胴（９）を軸支内装すると共に、該排塵処理室（８）の前側には、外径部に連続する二番処理螺旋プレート（２４ｂ）を設けた二番処理胴（２４ａ）を軸支内装した二番処理室（２４）等を設けた脱穀装置において、前記脱穀室（６）の下部に設けた扱室網（７ｅ）には、前・後仕切金（７ｆ）、（７ｈ）を設け、該後仕切金（７ｈ）の前後の該各扱歯（７ａ）及び該中側板（６ａ）の前後の該各扱歯（７ａ）の傾斜を前側より後側の傾斜を大きくして設けると共に、該排塵物引継部（６ｃ）に設けた該扱室網（７ｅ）の目合（イ）は、該中側板（６ａ）より前側の該扱室網（７ｅ）の目合（ロ）より大きくして設けたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項２】
前記中側板（６ａ）の後側の該排塵物引継部（６ｃ）に位置する箇所の該扱胴（７）外周部に設けた該各扱歯（７ａ）内側に、板状扱歯（７ｊ）を設けたことを特徴とする請求項１に記載の脱穀装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２００８−１３６３５９（Ｐ２００８−１３６３５９Ａ）
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−３２２４４３（Ｐ２００６−３２２４４３）
【出願日】平成１８年１１月２９日（２００６．１１．２９）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年６月１９日（２００８．６．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１１月２９日（２００６．１１．２９）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]