説明

脱穀装置

【課題】扱胴の回転軸芯方向に分割した受網の隙間にワラ屑等が挟み込まれることを回避することが可能な脱穀装置を提供する。
【解決手段】扱胴の下方に沿って配備された受網が、扱胴の回転軸芯方向に沿って分割された複数の受網構成体17A,17Bにて構成されるとともに、装置枠体に対して着脱自在に支持され、複数の受網構成体17A,17Bのうち回転軸芯方向一端側に位置する一端側の受網構成体17Aと回転軸芯方向他端側に位置する他端側の受網構成体17Bとの間に、それらの隙間を埋める隙間埋め部材63が装置枠体に固定される状態で設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱胴の下方に沿って配備された受網が、扱胴の回転軸芯方向に分割された複数の受網構成体にて構成されるとともに、装置枠体に対して着脱自在に支持されている脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記脱穀装置において、従来では、例えば特許文献1に示されるように、扱室の横一側箇所に点検用の開口が形成され、受網構成体をその開口を通して着脱させることができる構成とし、扱胴の回転軸芯方向に分割した受網構成体同士の間に隙間が発生しないように、それらを接当させて位置固定させる状態で、装置枠体としての脱穀フレームに対して着脱自在に支持するように構成したものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−311820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の脱穀装置は、受網を扱胴の回転軸芯方向に沿って複数の受網構成体に分割することで、1つの受網構成体を小型で且つ軽量なものにして着脱作業を楽に行えるようにしたものであるが、上記従来構成では、前記回転軸芯方向に分割した受網構成体同士を接当させた状態で装置枠体に支持させる構成であるから、次のような不利があった
【0005】
分割した受網構成体は夫々、各別に装置枠体に支持される構成であり、しかも、分割した受網構成体同士の間には何も部材が存在しないので、例えば、回転軸芯方向に分割した受網構成体のうちのいずれか一方を先に装着させたのちに他方の受網構成体を装着させるような場合に、夫々の受網構成体の装置枠体に対する組み付け誤差に差があり、それらが回転軸芯方向に互いに離れる方向に位置ずれが生じると、そのことに起因してそれらの間に軸芯方向に沿ってワラ屑等が入り込むことができる程度の隙間が発生することがある。このような隙間が発生している状態で脱穀作業を行うと、上記したような隙間にワラ屑等が入り込むことがある。
【0006】
そして、回転軸芯方向に分割した受網構成体同士が接当する箇所は、脱穀処理物には着粒状態の穀稈も多く存在しており、このような着粒状態の穀稈は突起部分等があると引っ掛かり堆積し易いので、前記隙間にワラ屑等が入り込むと、そのワラ屑に着粒状態の穀稈が引っ掛かって処理物が滞留して短期間の使用で扱室内部で詰まりが発生するおそれがあり、又、前記隙間に入り込んだワラ屑が受網から下方に突出すると、受網の下方に設けられる選別装置による選別処理物に引っ掛かり選別処理を阻害するおそれもあった。
【0007】
本発明の目的は、扱胴の回転軸芯方向に分割した受網の隙間にワラ屑等が入り込むことを回避することが可能な脱穀装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る脱穀装置は、扱胴の下方に沿って配備された受網が、扱胴の回転軸芯方向に分割された複数の受網構成体にて構成されるとともに、装置枠体に対して着脱自在に支持されているものであって、その第1特徴構成は、前記複数の受網構成体のうち前記回転軸芯方向一端側に位置する一端側の受網構成体と前記回転軸芯方向他端側に位置する他端側の受網構成体との間に、それらの隙間を埋める隙間埋め部材が前記装置枠体に固定される状態で設けられている点にある。
【0009】
第1特徴構成によれば、扱胴の回転軸芯方向に分割されている一端側の受網構成体と他端側の受網構成体との間に、それらの隙間を埋める隙間埋め部材が設けられているから、各受網構成体同士の回転軸芯方向に沿う隙間は隙間埋め部材によって埋めることができ、一端側の受網構成体と他端側の受網構成体との間の隙間にワラ屑等が入り込んで脱穀処理物が滞留したり、前記隙間に入り込んだワラ屑が受網から下方に突出して受網の下方に設けられる選別装置による選別処理物に引っ掛かり選別処理を阻害すること等を回避することが可能となる。
【0010】
又、隙間埋め部材は装置枠体に固定される状態で設けられるので、一端側の受網構成体と他端側の受網構成体とを各別に装着する場合であっても、各受網構成体は夫々、装置枠体に固定されている隙間埋め部材を基準にして適正な取り付け位置にて装着することができ、組み付け誤差に起因した隙間の発生を抑制できるものとなる。
【0011】
ところで、隙間埋め部材を、いずれか一方の受網構成体に備えさせて、隙間を上方側から覆うように設けることも考えられるが、そのような構成であれば、隙間埋め部材が受網の内周面から径方向内方側に突出する状態で設けられることになるので、脱穀処理物が引っ掛かり堆積するおそれがある。
これに対して、第1特徴構成によれば、隙間埋め部材が装置枠体に固定されるので、隙間埋め部材の径方向内方側端部を受網の内周側端縁と略面一になるように設けることが可能であり、ワラ屑が入り込むおそれが少ないものになる。
【0012】
従って、第1特徴構成によれば、扱胴の回転軸芯方向に分割した受網の隙間にワラ屑等が入り込むことを回避することが可能な脱穀装置を提供できるに至った。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記隙間埋め部材が前記受網の周方向に全域又は略全域にわたって設けられている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、隙間埋め部材が受網の周方向に全域又は略全域にわたって設けられるので、受網の周方向の全域又は略全域において良好に扱胴の回転軸芯方向に分割した受網の隙間にワラ屑等が入り込むことを回避することが可能となる。
【0015】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、扱室の横一側箇所に点検用の開口が形成され、前記一端側の受網構成体と前記他端側の受網構成体の夫々が、周方向に沿って前記開口に近い側に位置する手前側の受網構成体と前記開口から遠い側に位置する奥側の受網構成体とに分割されるとともに前記開口を通して着脱可能に設けられている点にある。
【0016】
第3特徴構成によれば、一端側の受網構成体と他端側の受網構成体の夫々が、さらに周方向に沿って分割されるので、分割された受網構成体は、夫々、小型軽量化されるものとなり、点検用の開口を通して着脱する作業を楽に行えるものとなる。しかも、点検用の開口は扱室の横一側箇所に形成されるので、例えば、脱穀装置の天井部を開閉させるようなものに比べて装置横側の低い位置で作業を楽に行える。
【0017】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、前記装置枠体が、前記扱胴の前記開口形成側に位置して前記回転軸芯方向に沿って延びる第1支持フレームと、前記扱胴の前記開口形成側とは反対側に位置して前記回転軸芯方向に沿って延びる第2支持フレームとを備えて構成され、前記回転軸芯方向一端側において前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとにわたって連結される一端部側仕切り板と、前記回転軸芯方向他端側において前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとにわたって連結される他端部側仕切り板と、前記一端部側仕切り板と前記他端部側仕切り板とにわたって連結される中継用支持体と、前記第2支持フレームと前記中継用支持体とにわたって連結支持される円弧状のガイドレールとが備えられ、前記奥側の受網構成体が前記ガイドレールにて支持され、前記手前側の受網構成体の一端部が前記中継用支持体に着脱自在に連結されるとともに、前記手前側の受網構成体の他端部が前記第1支持フレームに着脱自在に連結され、前記隙間埋め部材が、前記第1支持フレーム及び前記第2支持フレームに夫々固定されている点にある。
【0018】
第4特徴構成によれば、一端部側仕切り板及び他端部側仕切り板は、夫々、第1支持フレームと第2支持フレームとにわたって連結されており、中継用支持体は一端部側仕切り板と他端部側仕切り板とにわたって連結される。一方、ガイドレールは第2支持フレームと中継用支持体とにわたって連結支持される。又、隙間埋め部材が、第1支持フレーム及び第2支持フレームに夫々固定される。
【0019】
このように受網を支持するための各部材を扱胴の両側に振り分けて配備される第1支持フレーム及び第2支持フレームにより安定的に支持することができ、しかも、隙間埋め部材も安定的に支持することができ、一端側の受網構成体と他端側の受網構成体との間の隙間を良好に埋めることができる。
【0020】
奥側の受網構成体はガイドレールにて支持され、手前側の受網構成体は、一端部が中継用支持体に着脱自在に連結され且つ他端部が第1支持フレームに着脱自在に連結されるので、手前側の受網構成体は中継用支持体と第2支持フレームとによって固定されることになる。つまり、ガイドレールは、受網の周方向のうち第2支持フレーム側の一部の領域にのみ設けられ、第1支持フレーム側の領域にはガイドレールが存在しないことになる。
【0021】
そして、手前側の受網構成体の中継用支持体及び第2支持フレームとの連結を解除すると、手前側の受網構成体を点検用の開口を通して容易に取り外すことができる。又、手前側の受網構成体の下側にはガイドレールがなく、手前側の受網構成体を取り外すと、手前側の受網構成体が存在していた箇所には何も部材が存在しないので、奥側の受網構成体は、ガイドレールに沿って開口側に引き出して前記開口から取り出すことが可能となる。
【0022】
従って、手前側の受網構成体を支持するための専用のガイド部材が不要であり、それだけ構成を簡素なものにできるとともに、手前側の受網構成体だけでなく奥側の受網構成体も扱室の横一側に形成された点検用の開口を通して着脱させることが可能となって着脱作業を容易に行うことができる。
【0023】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記手前側の受網構成体、前記奥側の受網構成体、及び、前記中継用支持体の夫々が、取り外し可能な締結手段にて共締め連結される点にある。
【0024】
第5特徴構成によれば、取り外し可能な締結手段による締結を行うと、手前側の受網構成体、奥側の受網構成体、及び、中継用支持体の夫々が共締め状態でそれらが連結されるので、一回の締結作業により、手前側の受網構成体と奥側の受網構成体の夫々を中継用支持体に連結することができる。
【0025】
又、締結手段の締結を解除すると、手前側の受網構成体と奥側の受網構成体の夫々を一挙に連結解除することができ、一回の締結解除作業により、手前側の受網構成体と奥側の受網構成体の夫々を中継用支持体との連結を解除することができる。
【0026】
つまり、手前側の受網構成体と奥側の受網構成体とを各別に締結するような場合に比べて、受網の着脱作業を能率よく行うことが可能となる。
【0027】
本発明の第6特徴構成は、第3特徴構成〜第5特徴構成のいずれかに加えて、前記開口を閉じる側部カバーが、前記回転軸芯方向一端側の縦軸芯周りで揺動開閉自在に前記装置枠体に支持されている点にある。
【0028】
第6特徴構成によれば、側部カバーが回転軸芯方向一端側の縦軸芯周りで揺動することで開閉するものであるから、閉状態及び開状態のいずれにおいても、自重により戻り付勢されることがなく、側部カバーの姿勢をそのまま保持することができるので、着脱作業が行い易いものでありながら、特別な位置保持供給が不要であり支持構造を簡素なものにできる。
【0029】
説明を加えると、例えば、側部カバーを上部側の横軸芯周りで開閉操作させるものであれば、自重による戻り付勢力に抗して開状態で姿勢を維持するための位置保持機構が必要となり、下部側の横軸芯周りで開閉操作させるものでは、開操作された側部カバーが作業の邪魔になる不利があるが、これに対して、第6特徴構成によれば、側部カバーを開放させた状態では、開口の外方側には側部カバーは存在しないので、着脱作業の邪魔になることはなく、又、開状態で姿勢を維持するための特別な位置保持機構等が不要であり、側部カバーの支持構造を簡素なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】コンバインの全体側面図である。
【図2】コンバインの全体平面図である。
【図3】脱穀装置の縦断側面図である。
【図4】(a)は棒状部材の縦断正面図を示す図であり、(b)は扱歯を備えた棒状部材の一部斜視図である。
【図5】脱穀装置の縦断正面図である。
【図6】受網の分解斜視図である。
【図7】受網の縦断側面図である。
【図8】側部カバーの開放状態での支持部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて、本発明に係る脱穀装置用の扱胴を全稈投入形コンバインの脱穀装置に適用した場合について説明する。
図1には、稲や麦などを収穫対象とする全稈投入形コンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、車体フレーム1にエンジン2や図外の変速装置などを搭載し、車体フレーム1の下部に、変速装置などを介して伝達されるエンジン2からの動力で駆動される左右一対のクローラ式走行装置3を装備し、車体フレーム1の前部に、収穫対象の植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置4を昇降揺動可能に連結し、車体フレーム1の左半部に、刈取搬送装置4からの刈取穀稈に対して脱穀処理を施すとともに、その脱穀処理で得られた処理物に対して選別処理を施す脱穀装置5を搭載し、車体フレーム1の右半部に、脱穀装置5からの穀粒を貯留するとともにその貯留した穀粒の袋詰めを可能にする袋詰装置6を搭載し、車体フレーム1における袋詰装置6の前方箇所に搭乗運転部7を備えて構成されている。
【0032】
図1,2に示すように、刈取搬送装置4は、車体の走行に伴って、その前部左右両端に装備したデバイダ9が植立穀稈を収穫対象の植立穀稈と収穫対象外の植立穀稈とに梳き分け、その前部上方に配備した回転リール10が、左右のデバイダ9で梳き分けられた収穫対象の植立穀稈を後方に向けて掻き込み、その底部に装備したバリカン形の切断機構11が収穫対象の植立穀稈の株元側を切断し、切断機構11の後方に配備したオーガ12が、切断機構11による切断後の刈取穀稈を左右方向の所定箇所に寄せ集めるとともに、その所定箇所において後方に向けて送り出し、その所定箇所から脱穀装置5の前上部にわたる搬送コンベヤからなるフィーダ13が、オーガ12からの刈取穀稈を脱穀装置5に向けて搬送するように構成されている。
【0033】
図3,5に示すように、脱穀装置5は、その上部に形成した扱室14に、刈取穀稈の搬送方向に沿って架設した前後向きの支軸15を支点にして回転する扱胴16と、その扱胴16の下方に位置して円弧状に形成される受網17とが備えられ、扱室14の機体後方側箇所には排稈口18が形成されている。
受網17の下方には、受網17から漏下した処理物の選別を行う揺動選別機構19、選別用の風を送風する唐箕20、揺動選別機構19にて選別された穀粒を回収する一番回収部21、枝梗付き穀粒やワラ屑などの混在物である二番物を回収する二番回収部22等が備えられ、揺動選別機構19の機体後方側には吹き飛ばされた細かなワラ屑等を機外に排出するための排出口23が形成されている。
【0034】
扱室14は、扱胴16を覆う受網17や天板24などによって区画形成され、その前端下方部位に供給口25が形成され、その供給口25にフィーダ13の後端部が接続され、そのフィーダ13で搬送された刈取穀稈の全体が脱穀処理物として供給口25から投入供給される。
【0035】
天板24の内面には、扱胴16の回転作動に伴って、扱室14の上部に搬送された脱穀処理物を処理物移送方向下手側(機体後方側)に向けて案内する複数の送塵弁49が、前後方向に所定間隔を隔てて並ぶ状態で備えられている。
【0036】
扱胴16は、その支軸15が脱穀装置5の前壁26と後壁27とにわたって回転可能に架設され、エンジン2からの動力で支軸15を支点にして回転駆動されることで、扱室14に供給された刈取穀稈に対して脱穀処理を施して、送塵弁49により案内して処理物を回転軸芯方向一端側から他端側、言い換えると機体前方側から機体後方側に向けて移送しながら脱穀処理を行うように構成されている。
【0037】
受網17は、格子状に形成されたコンケーブ受網であり、扱室14に供給された刈取穀稈を受け止めて、刈取穀稈に対する扱胴16の脱穀処理を補助し、その脱穀処理で得られた単粒化穀粒や枝梗付き穀粒、あるいは、脱穀処理で発生したワラ屑などを下方の揺動選別機構19に向けて漏下させる一方で、脱粒穀稈などの揺動選別機構19への漏下を防止する。
【0038】
揺動選別機構19は、カム式の駆動機構28によって前後方向に揺動駆動されるシーブケース29の上部に、粗選別用のグレンパン30とチャフシーブ31とストローラック32とを備え、シーブケース29の下部に、精選別用のグレンパン33とグレンシーブ34とを備えて構成されている。そして、単粒化穀粒やワラ屑などが混在する状態で受網17から漏下した選別処理物を、上部のグレンパン30やチャフシーブ31あるいはストローラック32で受け止めて、篩い選別による粗選別処理を施し、かつ、単粒化穀粒や枝梗付き穀粒などが混在する状態でチャフシーブ31から漏下した選別処理物を、下部のグレンパン33やグレンシーブ34で受け止めて、篩い選別による精選別処理を施して、選別処理物を、単粒化穀粒(一番物)と、枝梗付き穀粒やワラ屑などの混在物(二番物)と、細かなワラ屑などの塵埃とに選別する。
【0039】
唐箕20は回転駆動されることで選別風を生起し、その選別風が、受網17から漏下した選別処理物や、揺動選別機構19で選別される選別処理物などに向けて供給されることで、選別処理物に対して風力選別処理を施して、選別処理物から比重の小さいワラ屑などを吹き分けて、脱穀処理方向下手側すなわち機体後部側の排出口23に向けて搬送する。
【0040】
一番回収部21は、唐箕20からの選別風でワラ屑などの塵埃が除去された状態で、揺動選別機構19のグレンシーブ34から漏下した単粒化穀粒を回収し、回収した単粒化穀粒を、その底部に左右向きに配備した一番スクリュー36にて脱穀装置5の横側外方に搬送するように構成されている。又、搬送された穀粒は揚送スクリュー(図示せず)にて袋詰装置6の上部に備えた穀粒タンク40に向けて搬送する。
【0041】
二番回収部22は、揺動選別機構19により選別された枝梗付き穀粒やワラ屑などの混在物(二番物)を回収し、回収した混在物を二番スクリュー38にて脱穀装置5の横側外方に搬送するように構成されている。又、搬送された混在物は再処理部(図示せず)による再脱穀処理を行った後に揺動選別機構19に還元するように構成されている。
【0042】
図3に示すように、扱胴16は、その前端部に装備した掻込部16Aと、その掻込部16Aの後端に連接した脱穀処理部16Bとを備えて構成されている。掻込部16Aの外周面には、扱胴16の回転作動時に、供給口25から供給された刈取穀稈を後方の脱穀処理部16Bに向けて掻き込み搬送する2枚の螺旋羽根43が一体装備されている。
【0043】
図3,5に示すように、脱穀処理部16Bは、支軸15の前部に溶接固定された第1プレート44、支軸15の前後中間部に溶接固定された第2プレート45、支軸15の後端部に溶接固定された第3プレート46、回転軸芯方向に沿う前後向きの姿勢で扱胴16の周方向に一定間隔を隔てて並ぶ状態で配備された6本の棒状部材47、及び、各棒状部材47に扱胴16の径方向外方に向けて突出する姿勢で処理物移送方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶように装備した複数の扱歯48などによって構成されている。
【0044】
各プレート44〜46は、支軸15を中心とする円形で、その外周側における支軸15からの等距離の位置に各棒状部材47がボルト連結されており、各プレート44〜46と6本の棒状部材47が一体的に連結されて略円筒状の扱胴16が構成されている。
【0045】
そして、図4,5に示すように、棒状部材47は四角形の角パイプ状に形成されており、この棒状部材47の平坦面に形成される4つの表面のうちの扱胴16の回転方向Q(図5参照)の下手側に位置する表面47Aに丸棒部材にて形成される扱歯48が溶接固定されている。すなわち、扱歯48は、長手方向が扱胴16の径方向に沿うような姿勢で棒状部材47の上記表面47Aに基端側を当てつけた状態で溶接固定されている。扱歯48は、棒状部材47の上記表面47Aのほぼ全幅にわたって長い範囲で接しており、その長い接触範囲の全領域で溶接が行われており、充分な耐久性を有するものとなっている。
【0046】
図3に示すように、扱歯48が、機体前後方向後端側(脱穀処理物の移送方向終端側)に対応する箇所では、機体前後方向前端側(移送方向の始端側)に対応する箇所よりも扱胴回転軸芯に沿う方向(機体前後方向)での間隔が狭い状態で棒状部材47に取り付けられている。
このように構成することで、多くの穀粒が着粒状態となっている搬送始端側では間隔を広めにして扱歯48の個数をできるだけ少なくして、構成の簡素化並びに駆動負荷の軽減を図りながら、多くの穀粒が既に脱粒している搬送終端側では、扱歯48の間隔を狭くして扱歯48による打撃作用の頻度を高めて、脱粒茎稈等の処理物の間にササリ込む穀粒を分離させて良好な脱穀作用を発揮できるようにしている。
【0047】
扱胴16は、その外方に向けて突出する複数の扱歯48が、脱穀処理部16Bの周方向と前後方向とに間隔を隔てて並ぶように配備され、又、脱穀処理部16Bの内部空間Sが扱室14における扱胴16の外方側の空間に連通して、その内部空間Sへの脱穀処理物の入り込みを許容するようになっている。その結果、扱胴16の回転作動時には、その外周側の脱穀処理物と内部空間Sに入り込んだ脱穀処理物とを攪拌しながら、それらの脱穀処理物に対して、棒状部材47や扱歯48の打撃や梳き込みなどによる脱穀処理を施すことになる。つまり、扱胴16の回転作動時には、複数の扱歯48だけでなく、扱胴16の脱穀処理部16Bを形成する6本の棒状部材47までもが、脱穀処理物に作用する部材として機能することから、脱穀性能の向上を図ることができる。
【0048】
又、脱穀処理部16Bの内部空間Sが扱室14における扱胴16の外方側に連通することで、大量の刈取穀稈が扱室14に供給された場合であっても、扱胴16の外方側の空間だけでなく脱穀処理部16Bの内部空間Sも脱穀処理用の処理空間として有効利用することができる。
【0049】
扱室14の左側を覆う側部カバー50が機体後部側(扱胴の軸芯方向一端部側)の縦軸芯周りで開閉揺動自在に機体左側に位置する第1支持フレーム51に支持されており、この側部カバー50を縦軸芯周りで揺動させて扱室14を開放させると、点検用の開口Kが形成されるようになっている。そして、この点検用の開口Kから受網17をメンテナンスのために脱着することができるようになっている。
【0050】
前記側部カバー50は、前後方向に長尺に形成されており、枢支部分のガタと自重による片持ち荷重によって揺動端側が少し下方に傾斜するのを防止するために、揺動端側が予め少し斜め上方に向くように支持構造が構成されている。
【0051】
つまり、図8に示すように、側部カバー50は、第1支持フレーム51の後部に連結された縦フレーム64に形成された上下一対の支持アーム65a,65bに対して、側部カバー50側に設けられた上下一対の支持ブラケット66a,66bが夫々縦向きの枢支ピン67a.67bによって枢支連結されている。そして、図1に示すように、これらの上下2つの枢支ピン67a,67bのうち上部側の枢支ピン67aが下側の枢支ピン67bに対して、所定量だけ後方側に位置ずれさせた状態で設けられている。
このように構成することで、揺動端側が予め少し斜め上方に位置するように構成されており、側部カバー50を閉じるときに、枢支部分のガタや自重による片持ち荷重に起因して揺動端側が少し下方に傾斜することを防止して、適正な位置で閉じることができるようになっている。
【0052】
図2に示すように、受網17は、周方向並びに軸芯方向の夫々に二分割された4個の受網構成体17A,17B,17C,17Dにて構成されるとともに、横側部に形成された点検用の開口Kを通して着脱可能に設けられている。4個の受網構成体17A,17B,17C,17Dのうち開口Kから遠い側に位置する2個の奥側の受網構成体17A,17Bの軸芯方向両側部を受け止め支持する円弧状の複数のガイドレール52が備えられ、4個の受網構成体17A,17B,17C,17Dのうち開口側に位置する2個の手前側の受網構成体17C,17Dの一端部が奥側の受網構成体17A,17Bの端部に着脱自在に連結されるとともに、他端部が開口Kの上縁に沿って設けられた第1支持フレーム51に着脱自在に連結されている。
【0053】
以下、受網17の構成並びにその取り付け構造について具体的に説明する。
4個の受網構成体17A,17B,17C,17Dは同一形状であり、図6に示すように、円周方向の両側部に設けられた断面略L字形の基枠53Aに、帯状板からなる複数の縦桟53Bを、扱胴16の周方向に一定間隔を隔てる状態で前後向きに整列配備し、円弧状に湾曲形成した帯状板からなる複数の第1横桟53Cを、扱胴16の支軸方向となる前後方向に所定間隔を隔てる状態で左右向きに整列配備し、円弧状に湾曲形成した丸棒の線材からなる複数の第2横桟53Dを、隣接する第1横桟53Cの間において、前後方向に一定間隔を隔てる状態で左右向きに整列配備して、その網目が、扱胴16の周方向に沿う方向の長さが前後方向に沿う方向の長さよりも長くなる横長の矩形に形成されている。
【0054】
前記基枠53Aは、断面形状が略L字状であって径方向外方に突出する形状としてあり、この外方に突出する部分に適宜間隔をあけてボルト挿通孔59を形成してあり、この基枠53Aにより、後述するように他の部材との間でボルト連結することが可能な連結部60が構成されている。
【0055】
図5に示すように、扱室14の左右両側には、機体前後方向に沿って延びる状態で断面コの字状の第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54が備えられ、天板24はそれら第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54夫々の上部に連結固定されている。
図7に示すように、受網17の機体前部側箇所には、供給口25を備えるとともに受網17と揺動選別機構19との間の隙間を覆うように構成された前部側仕切り板56が、左右両側の第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54に亘って連結される状態で備えられており、この前部側仕切り板56に複数のガイドレール52のうちの機体前部側の受網支持用のガイドレール52Aが溶接固定されている。
【0056】
又、図5,6,7に示すように、受網17の機体後部側箇所には、受網17の形状に沿うように円弧状に形成された後部側仕切り板57が左右両側の第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54に亘って連結される状態で備えられており、この後部側仕切り板57に、複数のガイドレール52のうちの機体後部側の受網支持用のガイドレール52Bが溶接固定されている。
【0057】
図6に示すように、奥側の受網構成体17A,17Bと手前側の受網構成体17C,17Dとの連結箇所に対応する位置(受網17の最下端位置に対応する位置)に、前部側仕切り板56と後部側仕切り板57とに亘って中継用支持体58が架設連結されており、受網17の前後方向中間位置において、第2支持フレーム54と中継用支持体58とに亘って、複数のガイドレバー52のうちの前後方向中間部の受網支持用のガイドレール52Cがボルト連結される状態で取り付けられている。つまり、ガイドレール52Cの開口側の端部を中継用支持体58によって支持する構成となっている。
【0058】
図5に示すように、奥側の受網構成体17A,17Bは、奥側の端部が第2支持フレーム54に接当し且つ開口側端部に形成された連結部60(基枠53A)が中継用支持体58に接当する状態で前後両側のガイドレール52によって受止め支持される。そして、図5,7に示すように、手前側の受網構成体17C,17Dにおける奥側の端部に形成された連結部60が、奥側の受網構成体17A,17Bの連結部60と中継用支持体58と共にボルトBoで共締め連結する構成となっている。尚、ボルトBoに締結されるナットNtは中継用支持体58の奥側箇所に予め溶接して固定されている。つまり、作業者が開口Kを通して機体外部からボルトBoを締結並びに解除することで着脱自在に、手前側の受網構成体17C,17D、奥側の受網構成体17A,17Bを中継用支持体58と共締め連結することができるように構成されている。
【0059】
説明を加えると、図5,6に示すように、中継用支持体58は、上下方向に延びる中央の縦板部58Aと、その縦板部58Aの上端部から奥側に向けて突出する上側水平面部58Bと、縦板部58Aの下端部から開口側に向けて突出する下側水平面部58Cとを備えて構成されている。
【0060】
そして、奥側の受網構成体17A,17Bの開口側端部に形成された連結部60(基枠53Aの外方延設部分)と、手前側の受網構成体17C,17Dにおける奥側の端部に形成された連結部60(基枠53Aの外方延設部分)とが中継用支持体58の縦壁部58Aの開口側側面に受止め支持されるとともに、それらをボルトBoで共締め連結するのである。
又、奥側の受網構成体17A,17Bの縦桟53Bが、中継用支持体58の上側水平面部58Bの上面部に載置支持されており、手前側の受網構成体17C,17Dにおける基枠53Aの外方延設部分の先端が、中継用支持体58の下側水平面部58Cの上面部に載置支持される構成となっている。
【0061】
又、手前側の受網構成体17C,17Dは、開口側の端部に位置する連結部60が第1支持フレーム51にボルトBoで連結されることになる。このようにして手前側の受網構成体17C,17Dは奥側の端部及び開口側の端部の両端部で固定支持される。一方、奥側の受網構成体17A,17Bは、奥側端部が第2支持フレーム54に当て付けた状態で開口側の端部が中継用支持体58にボルト連結されることになるので、全ての受網構成体17A,17B,17C,17Dを位置固定状態で取り付けることができる。
【0062】
つまり、受網17は、装置枠体62としての第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54によって着脱自在に支持される構成となっている。
【0063】
メンテナンスのために受網17を着脱させるときは、側部カバー50を開放させて点検用の開口Kを通して作業者が着脱作業を行うことになる。つまり、手前側の受網構成体17C,17Dの第1支持フレーム51に対するボルト締結と中継用支持体58に対するボルト締結とを夫々解除して、開口Kを通して手前側の受網構成体17C,17Dを取り外すことができる。又、手前側の受網構成体17C,17Dと中継用支持体58とのボルト締結を解除すると、奥側の受網構成体17A,17Bと中継用支持体58とのボルト締結も合わせて解除されるから、奥側の受網構成体17A,17Bも開口Kを通して取り外すことができる。
【0064】
そして、4個の受網構成体17A,17B,17C,17Dのうち機体前部側(軸芯方向一端側に対応)に位置する前部側(一端側に対応)の受網構成体17A,17Cと、機体後部側(軸芯方向他端側に対応)に位置する後部側(他端側に対応)の受網構成体17B,17Dとの間にそれらの隙間を埋める隙間埋め部材63が、中継用支持体58、第1支持フレーム51及び第2支持フレーム54に支持される状態で設けられている。そして、この隙間埋め部材63は受網17の周方向の全域又は略全域にわたって設けられており、奥側の端部が右側の支持フレーム54に連結固定され、中間部が中継用支持体58に連結固定され、さらに、開口側の端部が第1支持フレーム51に連結固定されている。
【0065】
説明を加えると、図6に示すように、隙間埋め部材63は、板体を略弓形の円弧形状となるように形成して構成されており、奥側の受網構成体17A,17Bに対応する奥側の隙間埋め部材63Aと、手前側の受網構成体17C,17Dに対応する手前側の隙間埋め部材63Bとで構成されている。
【0066】
奥側の隙間埋め部材63Aは、前後方向中間部の受網支持用のガイドレール52Cにおける中間仕切り体を兼用するものであり、上述したように両側端部が、第2支持フレーム54と中継用支持体58とに夫々ボルト連結されて固定されており、この隙間埋め部材63Aの両側にガイドレール52Cが固定されている。そして、この奥側の隙間埋め部材63Aは、奥側の受網構成体17A,17Bにおける第1横桟53Cの内周側縁部とほぼ面一になるように構成されている。
【0067】
手前側の隙間埋め部材63Bは、奥側の端部が中継用支持体58にボルト連結され、開口側の端部が第1支持フレーム51にボルト連結される状態で取り付けられており、図7に示すように、手前側の受網構成体17C,17Dにおける第1横桟53Cの内周側縁部とほぼ面一になるように構成されている。尚、奥側の隙間埋め部材63Aの手前側端部と手前側の隙間埋め部材63Bの奥側端部は、中継用支持体58を挟んでそれらがボルトBoにて共締め連結されている。
そして、奥側の隙間埋め部材63Aの開口側端部が中継用支持体58の断面形状に沿うように切欠形成されており、その端縁が縦板部58Aと上側水平面部58Bとに接当する状態で支持されている。又、手前側の隙間埋め部材63Bも同様に、奥側の端縁が縦板部58Aと下側水平面部58Cとに接当する状態で支持されている。
【0068】
図7に示すように、手前側の隙間埋め部材63Bと奥側の隙間埋め部材63Aとが、それらに一体的に設けられたフランジ部63cを介して中継用支持体58を挿通するボルトBoにより共締め連結する構成となっている。ちなみに、各受網構成体17A,17B,17C,17Dの基枠53Aには、隙間埋め部材63Bと隙間埋め部材63Aとを連結するために設けられるフランジ部63cを除けるために両側部にL字形の切欠kが形成されている。
【0069】
図5,6に示すように、後部側仕切り板57の内周側は受網17の形状に沿うように円弧状に形成されるが、外周側は複数の直線部分からなる折れ線形状に構成されている。開口K側の端縁57aは側部カバー50の内面に沿うような縦向きに形成され、中継用支持体58に対向する下方側端縁57bは中継用支持体58よりも下方に大きく突出しないように水平向きの直線形状に構成されている。奥側の端縁57cは図示しない側壁に沿うような縦向きに形成されている。
又、隙間埋め部材63は、扱胴16の軸芯方向視(前後方向視)で後部側仕切り板57と同じような形状となっており、外周側は複数の直線部分からなる折れ線形状に構成されている。
【0070】
隙間埋め部材63を設けることによって、前部側の受網構成体17A,17Cと後部側の受網構成体17B,17Dとの間の端部の第1横桟53C同士の間に隙間が形成されてワラ屑等が入り込むことを回避できる。その結果、引っ掛かったワラ屑により脱穀処理物の移送が阻害されることを回避し易いものにできる。
【0071】
又、後部側の受網構成体17B,17Dと後部側仕切り板57との間に、隙間を覆う隙間覆い部材68が後部側仕切り板57に溶接されて支持される状態で設けられている。つまり、図6,7に示すように、この後部側に位置する隙間覆い部材68は、後部側の受網構成体17B,17dと後部側仕切り板57との間の隙間を上方から覆うように後部側仕切り板57から前方に向けて突出する状態で設けられている。又、この隙間覆い部材68は、扱胴16の最下端部に相当する位置の近傍に受網17の周方向の一部の領域に設けられている。
【0072】
後部側の受網構成体17B,17Dと後部側仕切り板57との間は、受網17における処理物移送方向終端部に相当する位置であり、この箇所を通過すると排稈口18が形成されるので、処理物が滞留するおそれは少ないが、この位置に長めのワラが入り込んで下方に向けて突出すると、下方側のストローラック32上のワラ屑に引っ掛かり、処理の邪魔になるおそれがあるので、隙間覆い部材68を設けて、このようなワラの詰まりを回避できるようにしている。
【0073】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、手前側の受網構成体17C,17D、奥側の受網構成体17A,17B、及び、中継用支持体58がボルトBoにて共締め連結する構成としたが、手前側の受網構成体17C,17Dと奥側の受網構成体17A,17Bとを各別に中継用支持体58に連結するようにしてもよい。
【0074】
(2)上記実施形態では、前部側の受網構成体17A,17Cと後部側の受網構成体17B,17Dの夫々が、周方向に沿って手前側の受網構成体17C,17Dと奥側の受網構成体17A,17Bとに分割されるものを示したが、前部側の受網構成体17A,17Cと後部側の受網構成体17B,17Dの夫々が、周方向に沿って一連に連なる状態で設けられるものでもよい。
【0075】
(3)上記実施形態では、扱室14の横一側方に点検用の開口Kを形成して、受網17の着脱を行えるようにしたが、扱室14の天板24を開放して上方に点検用の開口Kを形成してこの開口Kから着脱する構成としてもよい。
【0076】
(4)上記実施形態では、隙間埋め部材63が受網17の周方向の全域にわたって設けられる構成としたが、受網17の周方向の一部の領域に設けるものでもよく、周方向に間隔をあけて複数設ける構成としてもよい。
【0077】
(5)上記実施形態では、側部カバー50が機体後部側の縦軸芯周りで揺動開閉自在に構成されるものを示したが、この構成に代えて、側部カバー50が機体前部側の縦軸芯周りで揺動開閉自在に構成されるものや、側部カバー50が下部側の前後軸芯周りで揺動開閉自在に構成されるもの、あるいは、側部カバー50が上部側の前後軸芯周りで揺動開閉自在に構成されるもの等でもよい。
【0078】
(6)上記実施形態では、全稈投入型のコンバインに備えられる脱穀装置に備えられる扱胴を示したが、自脱型のコンバインに備えられる脱穀装置に備えられる扱胴でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、扱胴の下方に沿って配備された受網が、扱胴の回転軸芯方向に分割されるとともに、装置枠体に対して着脱自在に支持されている脱穀装置に適用できる。
【符号の説明】
【0080】
14 扱室
16 扱胴
17 受網
17A,17C 一端側の受網構成体
17B,17D 他端側の受網構成体
17A,17B 奥側の受網構成体
17C,17D 手前側の受網構成体
50 側部カバー
51 第1支持フレーム
52 ガイドレール
54 第2支持フレーム
56 一端部側仕切り板(前部側仕切り板)
57 他端部側仕切り板(後部側仕切り板)
58 中継用支持体
62 装置枠体
63 隙間埋め部材
Bo 締結手段(ボルト)
K 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱胴の下方に沿って配備された受網が、扱胴の回転軸芯方向に沿って分割された複数の受網構成体にて構成されるとともに、装置枠体に対して着脱自在に支持されている脱穀装置であって、
前記複数の受網構成体のうち前記回転軸芯方向一端側に位置する一端側の受網構成体と前記回転軸芯方向他端側に位置する他端側の受網構成体との間に、それらの隙間を埋める隙間埋め部材が前記装置枠体に固定される状態で設けられている脱穀装置。
【請求項2】
前記隙間埋め部材が前記受網の周方向に全域又は略全域にわたって設けられている請求項1記載の脱穀装置。
【請求項3】
扱室の横一側箇所に点検用の開口が形成され、
前記一端側の受網構成体と前記他端側の受網構成体の夫々が、周方向に沿って前記開口に近い側に位置する手前側の受網構成体と前記開口から遠い側に位置する奥側の受網構成体とに分割されるとともに、前記開口を通して着脱可能に設けられている請求項1又は2記載の脱穀装置。
【請求項4】
前記装置枠体が、前記扱胴の前記開口形成側に位置して前記回転軸芯方向に沿って延びる第1支持フレームと、前記扱胴の前記開口形成側とは反対側に位置して前記回転軸芯方向に沿って延びる第2支持フレームとを備えて構成され、
前記回転軸芯方向一端側において前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとにわたって連結される一端部側仕切り板と、前記回転軸芯方向他端側において前記第1支持フレームと前記第2支持フレームとにわたって連結される他端部側仕切り板と、前記一端部側仕切り板と前記他端部側仕切り板とにわたって連結される中継用支持体と、前記第2支持フレームと前記中継用支持体とにわたって連結支持される円弧状のガイドレールとが備えられ、
前記奥側の受網構成体が前記ガイドレールにて支持され、
前記手前側の受網構成体の一端部が前記中継用支持体に着脱自在に連結されるとともに、前記手前側の受網構成体の他端部が前記第1支持フレームに着脱自在に連結され、
前記隙間埋め部材が、前記第1支持フレーム及び前記第2支持フレームに夫々固定されている請求項3記載の脱穀装置。
【請求項5】
前記手前側の受網構成体、前記奥側の受網構成体、及び、前記中継用支持体の夫々が、取り外し可能な締結手段にて共締め連結されている請求項4記載の脱穀装置。
【請求項6】
前記開口を閉じる側部カバーが、前記回転軸芯方向一端側の縦軸芯周りで揺動開閉自在に前記装置枠体に支持されている請求項3〜5のいずれか1項に記載の脱穀装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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