説明

自動籾摺精米施設

【課題】自動籾摺精米施設において籾摺ロールの穀粒の残留を防止する。
【解決手段】料金を投入して原料投入ホッパ(2)に投入した原料籾を籾摺装置(7)で籾摺し次いで精米装置(10)で精米する自動籾摺精米施設であって、籾摺装置(7)には一対の籾摺ロール(7c,7c)を具備し、原料投入ホッパ(2)には投入穀粒の有無を検出する穀粒有無センサ(SE4)を設ける。そして、この穀粒有無センサ(SE4)の穀粒なし検出の所定時間後に、籾摺ロール(7c,7c)を停止する籾摺ロール第1停止手段を設け、籾摺ロール第1停止手段の籾摺ロール(7c,7c)停止後に更に籾摺ロール(7c,7c)を再起動して停止する籾摺ロール第2停止手段を設ける。前記構成によると、籾摺ロール(7c,7c)の内部の穀粒残留を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動籾摺精米施設に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動籾摺精米施設において、籾摺ロールの起動の所定時間経過後、あるいは、籾摺ロールの初期間隙設定制御の終了後に籾摺用昇降機を起動し、また、自動籾摺精米施設の停止時には、籾摺ロールよりも先に籾摺用昇降機の駆動を停止するものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平11−147044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来装置では、籾摺用昇降機の駆動を先に停止し、次いで籾摺ロールの駆動を停止するものであるが、籾摺ロールの作業終了後には籾摺ロールの内周部に穀粒が残留するという不具合があった。そこで、この発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明は、料金を投入して原料投入ホッパ(2)に投入した原料籾を籾摺装置(7)で籾摺し次いで精米装置(10)で精米する自動籾摺精米施設であって、前記籾摺装置(7)には一対の籾摺ロール(7c,7c)を具備し、籾摺精米処理する穀粒の有無を検出する穀粒有無センサ(SE4)を設け、該穀粒有無センサ(SE4)が穀粒無しを検出すると所定時間後に前記籾摺装置(7)を停止する籾摺ロール第1停止手段を設け、前記籾摺ロール第1停止手段の籾摺ロール(7c,7c)停止後に前記籾摺ロール(7c,7c)を再起動して停止する籾摺ロール第2停止手段を設けたことを特徴とする自動籾摺精米施設とする。
【0005】
前記構成によると、料金を投入し原料投入ホッパ(2)に原料籾を投入して籾摺精米作業が開始されると、原料籾はまず籾摺装置(7)の一対の籾摺ロール(7c,7c)により籾摺され、次いで、精米装置(10)により精米される。
【0006】
そして、穀粒有無センサ(SE4)により籾摺精米処理すべき穀粒の無いことを検出されると、所定時間後に籾摺ロール第1停止手段が作動して籾摺ロール(7c,7c)の回転が停止され、次いで、籾摺ロール第2停止手段が作動して籾摺ロール(7c,7c)が再起動され停止される。
【0007】
請求項2の発明は、料金を投入して原料投入ホッパ(2)に投入した原料籾を籾摺装置(7)で籾摺し次いで精米装置(10)で精米する自動籾摺精米施設であって、前記籾摺装置(7)には一対の籾摺ロール(7c,7c)を具備し、籾摺精米処理する穀粒の有無を検出する穀粒有無センサ(SE4)を設け、該穀粒有無センサ(SE4)が穀粒無しを検出すると所定時間後に前記籾摺装置(7)を停止する籾摺ロール第1停止手段を設け、前記籾摺ロール第1停止手段の籾摺ロール(7c,7c)停止後に前記籾摺ロール(7c,7c)を正転及び逆転させて停止させる籾摺ロール第2停止手段を設けたことを特徴とする自動籾摺精米施設とする。
【0008】
前記構成によると、料金を投入し原料投入ホッパ(2)に原料籾を投入して籾摺精米作業が開始されると、原料籾はまず籾摺装置(7)の一対の籾摺ロール(7c,7c)により籾摺され、次いで、精米装置(10)により精米される。穀粒有無センサ(SE4)により籾摺精米処理すべき穀粒が無いことを検出されると、所定時間後に籾摺ロール第1停止手段が作動して籾摺ロール(7c,7c)の回転が停止され、次いで、籾摺ロール第2停止手段が作動し、籾摺ロール(7c,7c)が正転及び逆転し停止される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明は、自動籾摺精米施設における籾摺装置(7)の籾摺ロール(7c,7c)内部に残留する穀粒をなくした状態で停止することができる。
請求項2の発明は、自動籾摺精米施設における籾摺装置(7)の籾摺ロール(7c,7c)内部に残留する穀粒をなくした状態で停止することができると共に、籾摺ロール(7c,7c)間隙部に穀粒の残留を防止し、次回の籾摺ロール(7c,7c)駆動開始時の過負荷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施の形態を図面に基づき説明する。
まず、自動籾摺精米施設の全体構成について説明する。
自動籾摺精米施設は、建屋H内を操作室Ha側と機械室Hb側とに仕切り壁1により仕切られている。この操作室Ha側には、原料投入ホッパ2、操作盤3、白米タンク4を設け、機械室Hb側には、籾摺用昇降機6、籾摺装置7、風選部8、石抜き機12、精米用昇降機9、精米装置10、糠処理部11等を設けている。
【0011】
また、操作室Ha側には機械室Hbに向かって、穀粒袋置き台16、原料投入ホッパ2の投入口2aをそれぞれ配置し、原料投入ホッパ2の底部には原料搬送手段である供給ラセン2bを設けている。また、供給ラセン2bの終端側を原料揚穀手段である籾摺用昇降機6のホッパ部6aに連通し、籾摺用昇降機6の上部を貯溜タンク7aに臨ませている。
【0012】
貯留タンク7の下方には籾摺用昇降機で揚穀された穀粒を籾摺装置7側に供給するか籾摺装置7を迂回して精米用昇降機9と連通する迂回通路50側の何れかに切り替わる切り替え弁51を設けている。
【0013】
籾摺装置7は、金属製の円形のドラム7dの周囲にゴム部7eを形成したゴム一対の籾摺ロール7c,7cを設け、籾摺装置7の下方には風選装置8、石抜き機12を配設している。一対の籾摺ロール7c,7cは、互いに逆方向に回転駆動され、籾摺ロール7c,7cのロール間隙がロール間隙調節モータM1の正逆回転により開閉調節できる周知の構成である。
【0014】
風選装置8は、選別風を生起する唐箕8bと、籾殻を機外に排出する排塵筒8eとを備えている。また、石抜き機12は、石抜きボックス12aと、石抜きボックス12aの上部に傾斜状態に設けた揺動選別板12bと、下部に配設している送風ファン12c等から構成されている。そして、揺動選別板12b下部の穀粒取出側を藁屑等を選別する粗選機13に連通し、粗選機13は摺落米搬送手段である精米用昇降機9の下部ホッパ9aに連通する構成とし、精米用昇降機9の揚穀取出部9bを精米装置10の玄米タンク10aに臨ませている。また、石抜き機12の上部の異物取出部には排出弁40を設けて排出弁作動手段40aにより開閉自在に構成し、排出弁40の下方には切替弁39を設け、籾摺用昇降機6側か廃棄ボックス52の何れかに石抜装置12の残米を供給できるよう切替えできる構成としている。
【0015】
精米装置10は、玄米タンク10aと、搗精部10bの精白金網(図示せず)と、精白ロール(図示せず)から構成される周知の構成である。また、搗精部10bの排出側は白米タンク4に連通し、操作室Ha側から白米を取り出すように構成している。
【0016】
糠処理装置11は、精米装置10の下方に設けられていている糠送風ファン11aと、糠送風ファン11aからサイクロン11bに糠を搬送する糠送風筒11cと、サイクロン11bの下部に落下した糠を収納する糠袋11g,11gにより構成されている。
【0017】
操作室Haの操作盤3には、コインメック(図示せず)、原料投入可ランプ20、コイン金額表示灯21、コイン投入口22、もち選択ボタン23a、白度選択ボタン24a,24b,24c、及び料金表25を設けている。前記コインメックには、投入コインの識別部(図示省略)やコインの投入毎に作動するコインセンサSE1等を備えている。そして、この操作盤3の内部には、各部駆動モータの駆動制御をする制御部(CPU)26を備えている。
【0018】
制御部26の入力側には、入力インターフェイスを経由して、白度選択ボタン24a,24b,24cの選択情報、コインセンサSE1の検出情報、籾摺装置7及び風選装置8駆動用モータM2の負荷電流センサSE2の検出負荷電流値、籾摺精米施設の過負荷を検出する過負荷電流値検出センサSE3の過負荷情報、自動/手動切替スイッチSW1、糠切替スイッチSW2の切替情報等が入力される。
【0019】
制御部26の出力側には出力インターフェイスを経由して、コイン引落用アクチュエータ27の駆動指令、ロール間隙調節モータM1への開閉指令信号、籾摺装置・風選装置駆動モータM2への駆動信号、供給ラセン駆動モータM3、籾摺昇降機駆動モータM4、精米昇降機駆動モータM5、精米装置駆動モータM6への駆動信号、白度調節モータM7への制御信号等が出力される。
【0020】
籾摺精米施設の原料投入ホッパ2には、穀粒の有無を検出する穀粒有無センサSE4と籾・玄米判別センサ30を設け、穀粒有無センサSE4と籾・玄米判別センサ30を前記制御部26の入力側にそれぞれ接続している。
【0021】
次に、前記籾摺精米施設の作用について説明する。
まず、原料が籾の場合について説明する。料金のコイン等を起動手段であるコインメック22の投入口に投入し、次に籾を原料投入ホッパ2に投入し、白度選択ボタン24a,24b,24cのいずれかを選択し、精白度を設定する。一方籾・玄米判別センサ30は原料投入ホッパ2内の穀粒を籾と判定し、コインセンサSE1はコインメック22へのコイン(例えば100円硬貨)の投入枚数を読み込み、所定の計算式により運転時間を算出決定する。
【0022】
次いで、籾摺ロール7c,7cのロール間隙初期設定制御が開始され、籾摺ロール7c,7cの初期間隙が設定される。ロール間隙の初期設定は、例えば次のように実行される。ロール間隙調節モータM1が開駆動されて籾摺ロール7c,7cのロール間隙が開調節され、負荷電流センサSE2が負荷電流値の変化を検出しなくなると、籾摺ロール7c,7cの非接触状態と判定して開調節が停止される。次いで、ロール間隙が閉調節され、負荷電流センサSE2が負荷電流値の増加を検出し籾摺ロール7c,7cの微接触と判定すると、閉調節を停止し、次いで、所定時間にわたりロール間隙の開調節がなされロール間隙の初期設定(例えば、0.7ミリ)がなされる。
【0023】
ロール間隙の初期設定が終了すると、駆動用モータが起動され、籾摺装置7、石抜き機12、籾摺用昇降機6、精米用昇降機9、供給ラセン2a、精米装置10が順次起動される。しかして、原料投入ホッパ2に投入された原料籾は供給ラセン2aにより籾摺用昇降機6に搬送され、籾摺用昇降機6で揚穀されて籾摺装置7の貯溜タンク7aに供給され、籾摺ロール7c,7cに供給され、既に駆動されている籾摺ロール7c,7cにより籾摺される。
【0024】
籾摺ロール7c,7cで籾摺された摺落米は、下方に風選装置8に供給され唐箕8bにより発生した選別風により風選され、籾・玄米の混合米は石抜き機12に供給される。また、石抜き機12に供給された混合米は揺動選別板12bで選別される。そこで、混合米に混入していた石等の異物は揺動選別板12bの揺上側に移動する。
【0025】
次いで、精米用昇降機9で揚穀された混合米は、精米装置10に供給され、精白ロール10bと精白金網10cとの間で設定精白度になるように籾殻・玄米表面の糠層が剥離精白される。次いで、精白された白米は、白米タンク4に搬送され、操作室ha側に回収される。また、精白作業の際に発生する糠は糠送風ファン11aにより糠処理装置11に空気搬送され、サイクロン11bを経て糠移送樋11d内を糠ラセン11eにより搬送され、糠排出部11f,11fを経て糠袋11gに回収される。
【0026】
穀粒有無センサSE4が穀粒無しを検出するか、料金分の運転時間が終了間際になると籾摺精米作業が終了間際であると判定し、まず供給ラセン5aが停止し、所定時間遅れて籾摺用昇降機6と精米用昇降機9が停止し、次いで、所定時間遅れて籾摺装置7、風選装置8及び石抜き機12が停止し、更に所定時間遅れて精米装置10が停止する。
【0027】
なお、石抜機12に残留する石は排出弁が開いて廃棄ボックス52に廃棄され、残留する穀粒を籾摺用昇降機6に還元されるように切替弁39を切り替える。そして、籾摺用昇降機6で揚穀され切り替え弁51が迂回通路50側に切り替わり、石抜機12の残留穀粒は迂回通路50を通過して精米用昇降機9に供給される構成である。
【0028】
そして、籾摺精米作業終了時において、コイン投入枚数に相当する運転時間よりも前記設定運転時間が少ない場合には、コイン引落用アクチュエータ27が作動し、釣銭が返却口(図示省略)から返却される。
【0029】
次に、原料玄米が供給された場合について説明する。玄米選択ボタン23bが押されて、白度選択ボタン24a,24b,24cを選択されると、籾摺ロール7c,7cのロール間隙が拡開調節され、玄米は籾摺作業をされずに籾摺ロール7c,7c間を通過し、石抜き機12に供給される。その後、精米用昇降機9、精米装置10を経て前記と同様に精米作業がなされて精白タンク4に取り出される。穀粒有無センサSE4による穀粒無しの検出あるいは料金分の運転時間の終了間際の検出以降の装置各部の停止順序及び石抜き機12の残留する石及び残留する穀粒の排出方法は籾摺精米作業時と同様である。
【0030】
次に、籾摺ロール7c,7cを停止する実施形態について説明する。
穀粒有無センサSE4が穀粒無しを検出するか、運転時間の終了間際を検出して所定時間経過後に籾摺装置7を停止するにあたり、籾摺装置7の停止後に再起動してから停止するようにし構成している。また、停止後の再起動停止を複数回繰り返すようにしてもよい。
【0031】
前記構成によると、籾摺装置7の停止後の再起動を繰り返すことにより、籾摺ロール7c,7cも再起動後に停止するので、籾摺ロール7c,7cそれぞれのドラム部7dの内部に残留している少量の穀粒pが風選装置8に落下し後工程の石抜き機12、精米機10に搬送され処理される。そのため、部品を追加せずにコストアップを回避しながら、籾摺ロール7c,7cのドラム部7d内部に残留している穀粒を排出することができる。
【0032】
また、籾摺装置7の停止後における再起動して停止する動作に代えて、籾摺ロール7c,7cの正回転と逆回転を繰り返すように構成することで、籾摺ロール7c,7cのドラム部7dの内部に残留している穀粒を排出することができながら、籾摺ロール7c,7cのロール間隙kの上方に残る穀粒も排出することができる。
【0033】
また、前述の石抜き機12の残留穀粒を排出するときに切り替え弁51を迂回通路側に切り替えた後に、籾摺装置7の停止し、更に再起動し停止するように構成してもよい。このようにすると、石抜き機12の残留穀粒が籾摺ロール7c,7cに供給されない状態で籾摺ロール7c,7cを再起動して停止する動作、または籾摺ロール7c,7cを正回転と逆回転を繰り返す動作を行なうことが出来るため、より確実に籾摺ロール7c,7cのドラム部7dの内部や籾摺ロール間隙kに穀粒が残留することを防止することが出来る。
【0034】
なお、穀粒有無センサSE4は玄米タンク10aに取り付けても良い。
本実施の形態により、不特定多数の利用者がそれぞれ持参する穀粒を籾摺精米作業あるいは精米作業を行なう籾摺り精米施設の場合に、前の利用者の残留穀粒が次の利用者の処理穀粒に混じる不具合を防止できるものである。
【0035】
次に、糠処理装置11の他の実施形態について説明する。
図13に示すように、糠処理装置11における糠送風ファン11aからサイクロン11bに糠を搬送する糠送風筒11cの中途部には、切替弁32を設け、この切替弁32から糠取出筒11hを分岐し、糠取出筒11hの先端を操作室Haの糠取出部11iに連通している。そして切替手段33により切替弁32を切り替え、糠を糠移送樋11e側に取り出したり、糠取出筒11h側に取り出すように構成している。
【0036】
そして、前記制御部26の指令信号により切替手段33を切替可能に構成し、精米装置10の精米作業開始時からの所定時間、及び、精米作業終了前の所定時間は、前記切替弁32を糠移送樋11e側にのみ切り替わり、糠取出筒11h側には切り替わらないように構成し、また、前記時間帯を除く中間時間帯にのみ糠取出筒11h側に切り替わるように構成している。
【0037】
また、制御部26の入力側に糠切替スイッチSW2を接続し、この糠切替スイッチSW2を所定短時間押す毎に、切替弁32の排出方向が切り替わり、また、糠切替スイッチSW2を所定長時間にわたり押すか、あるいは、所定時間内に複数回押すと、精米作業開始時からの所定時間、及び、精米作業終了前の所定時間でも糠取出筒11h側に切り替えできるように構成している。
【0038】
前記構成によると、玄米粉の混じっている所謂白糠が操作室Ha側から取り出されるのを防止し、白糠の混じっていない漬物用の所謂黒糠だけを操作室Ha側から取り出すことができる。
【0039】
次に、籾摺精米作業の終了時における精米装置10の停止の他の実施形態について説明する。
籾摺精米作業が終了すると所定時間後に、精米用昇降機9及び精米装置10を停止し、精米装置10に穀粒が残留しないようにしている。この実施形態では、白度選択ボタン24a,24b,24cによる白度の高低の選択に対応して、高白度選択時には低白度選択時に比較して、作業終了時から精米用昇降機9の停止までの時間、及び、精米装置10の停止までの時間を長く設定し、停止時間を遅らすようにしている。
【0040】
前記構成によると、例えば5分精白のときには、精米装置10での穀粒の流れが悪く、穀粒排出までに多くの時間を必要とするが、停止までの時間を長くすることにより精米装置10の残留穀粒をなくし、また、高白度のときには停止までの時間を短くすることにより、節電することができる。
【0041】
また、籾摺装置7の風選装置8と精米装置10とを次のように関連的に構成してもよい。精米装置10と白米タンク4を連通している白米取出流路41の中途部に排出切替弁42を設け、この排出切替弁42から排出流路43を分岐し、この排出流路43の終端側を前記風選装置8の唐箕8bの吸引部に連通していり。また、排出切替弁42の切替により、白米取出流路41の取り出しをを白米タンク4側にしたり、排出流路43側に切り替えるように構成している。
【0042】
そして、前記排出切替弁42を切り替える排出切替手段44を設け、前記制御部26の指令信号により排出切替手段44を作動可能に構成し、籾摺精米施設の作業終了時には、前記排出切替弁42を排出流路43側に切り替え、排出流路43の流入物を唐箕8bに吸引除去するように構成している。
【0043】
前記構成によると、籾摺精米作業の終了時には、排出切替弁42が白米取出流路41側から排出流路43側に切り替えられるので、精米装置10において作業終了時の精白圧力の低下により発生する籾殻類は、排出切替弁42を経て排出流路43、唐箕8bを経て機外に排出され、精米装置10の精白金網10bや白米取出流路41を清掃することができる。
【0044】
次に、図16に基づき精米装置10の白度調節構成について説明する。
精米装置10の精米箱体10d内には搗精部の精白金網(図示省略)及び精白ロール(図示省略)を配設し、精米箱体10dの上部前側に圧迫板46のアーム部46aを軸支している。この圧迫板46の押圧力を調節する圧迫板調節装置47は、白度調節モータM8により正逆回転する白度調節軸47aと、白度調節軸47aに巻装しているコイルバネ47bと、白度調節軸47aに固定されていてコイルバネ47bの前端を当接支持する座金47cと、白度調節軸47aにねじ嵌合している白度調節体47d等により構成されている。そして、圧迫板46の全開調節位置を検出するリミットスイッチ型の全開検出センサSE5と、全閉鎖調節位置を検出するリミットスイッチ型の全閉鎖検出センサSE6を設けている。
【0045】
また、精米装置10の作業終了時には、前記制御部26からの制御指令により白度調節モータM8を正逆回転し、圧迫板46を全開調節位置、あるいは、全閉鎖調節位置に復帰させるように構成している。そして、精米装置10の作業開始時には、白度選択ボタン24a,24b,24cの白度選択に関連して制御部26の制御指令により白度調節モータM8を正逆回転し、前記基準位置から圧迫板46を移動調節し設定白度に調節するように構成している。
【0046】
前記構成によると、精米装置10の圧迫板46の白度調節を全開調節位置あるいは全閉鎖調節位置を基準にして調節するので、白度設定の精度を高めることができる。
また、従来装置は白度調節軸に回転検出突起を設け、近接センサにより回転検出突起の回数を検出しながら白度設定をしていた。このような構成では、近接センサの誤作動により白度設定位置にずれが生じたり、累積誤差によりずれが拡大し、また、1回転単位の白度調節であるので、微妙な白度差をつけることができないという不具合があった。しかし、前記構成とすることにより、このような不具合も解消することができる。
【0047】
また、圧迫板46の前記調節制御装置において、例えば、白度調節モータM8が所定時間駆動される白度調節単位時間毎(あるいは1回転する毎)に、パイロットランプ(図示省略)を点滅するように構成してもよい。このように構成すると、メンテナンス時にパイロットランプの点滅回数により圧迫板46の白度調節位置を知ることができ、メンテナンスが容易となる。
【0048】
また、白度調節ダイヤル(図示省略)を設け、前記白度調節単位時間を長短に調節するように構成してもよい。このように構成することにより、圧迫板46に微妙な白度差をつけることができる。
【0049】
また、圧迫板46の前記調節制御装置において、白度調節開始時の基準位置を例えば上白位置とし、上白位置から8分白度、5分白度を調節するようにしてもよい。このように構成すると、精米作業開始時の白度設定を迅速にすることができる。
【0050】
また、次のように構成してもよい。圧迫板46の前記調節制御装置において、圧迫板46の白度を例えば、上白、標準、8分、5分に設定できる構成とする。そして、自動手動切替スイッチ(図示省略)を手動側に切り替え、圧迫板46を全開調節位置、あるいは、全閉鎖調節位置から白度調節モータM8を手動のON/OFF操作をして例えば上白位置に調節し、次いで、自動手動切替スイッチを自動側に切り替え、更に例えばリセットスイッチ(図示省略)をONすることにより、上白位置が設定記憶されるように構成する。また、上白位置から標準位置への白度調節時間を時間単位「2」とし、標準位置から8分位置までの調節時間を時間単位「1」、8分位置から5分位置までの調節時間を時間単位「3」で調節できるように設定する。このように構成すると、基準調節位置の上白位置を設定することにより、他の白度位置も自動的に設定され、白度設定を簡単にすることができる。
【0051】
また、圧迫板46の前記調節制御装置において、圧迫板46の白度を例えば、上白、標準、8分、5分に設定できる構成とし、自動手動切替スイッチ(図示省略)を手動側に切り替え、次いで、全開調節位置あるいは全閉鎖調節位置にある圧迫板46を、手動ON/OFF操作で白度調節モータM8を作動し例えば上白位置に調節する。次いで、自動手動切替スイッチを自動側に切り替え、更に例えばリセットスイッチ(図示省略)をONすると、上白位置が設定記憶されるように構成する。また、上白位置から標準位置への調節、標準位置から8分位置への調節、8分位置から5分位置までの調節を、白度調節モータM8の「モータ回転速度」×「回転数」により調節できるように設定してもよい。このように構成すると、基準調節位置の上白位置を設定することにより、他の白度位置も自動的に設定され、白度設定を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】自動籾摺精米施設の平面図
【図2】自動籾摺精米施設の工程図
【図3】籾摺装置、風選装置の斜視図
【図4】正面から見た操作室を示す図
【図5】操作盤の正面図
【図6】側面から見た精米装置の一部を示す図
【図7】ブロック図
【図8】籾摺ロールの斜視図
【符号の説明】
【0053】
2 原料投入ホッパ
7 籾摺装置
7c 籾摺ロール
8 風選装置
10 精米装置
12 石抜き機
26 籾摺ロール第1停止手段
26 籾摺ロール第2停止手段
39 切替弁
SE4 穀粒有無センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金を投入して原料投入ホッパ(2)に投入した原料籾を籾摺装置(7)で籾摺し次いで精米装置(10)で精米する自動籾摺精米施設であって、前記籾摺装置(7)には一対の籾摺ロール(7c,7c)を具備し、籾摺精米処理する穀粒の有無を検出する穀粒有無センサ(SE4)を設け、該穀粒有無センサ(SE4)が穀粒無しを検出すると所定時間後に前記籾摺装置(7)を停止する籾摺ロール第1停止手段を設け、前記籾摺ロール第1停止手段の籾摺ロール(7c,7c)停止後に前記籾摺ロール(7c,7c)を再起動して停止する籾摺ロール第2停止手段を設けたことを特徴とする自動籾摺精米施設。
【請求項2】
料金を投入して原料投入ホッパ(2)に投入した原料籾を籾摺装置(7)で籾摺し次いで精米装置(10)で精米する自動籾摺精米施設であって、前記籾摺装置(7)には一対の籾摺ロール(7c,7c)を具備し、籾摺精米処理する穀粒の有無を検出する穀粒有無センサ(SE4)を設け、該穀粒有無センサ(SE4)が穀粒無しを検出すると所定時間後に前記籾摺装置(7)を停止する籾摺ロール第1停止手段を設け、前記籾摺ロール第1停止手段の籾摺ロール(7c,7c)停止後に前記籾摺ロール(7c,7c)を正転及び逆転させて停止させる籾摺ロール第2停止手段を設けたことを特徴とする自動籾摺精米施設。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−301499(P2007−301499A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133944(P2006−133944)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】