自走式根菜類収穫機
【課題】
本発明は、従来の自走式根菜類収穫機において、補助作業者が満杯になった収容容器を楽に空の収容容器と交換できるようにして作業性を改良しようとすることを課題とする。
【解決手段】
圃場の根菜類を抜き取る収穫部Cと該収穫部Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部Eに送り、この選別搬送部Eの側部に座った補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、選別搬送部Eの選別搬送コンベア78の終端下部に収容容器83を載置する収容容器置台84を設け、この収容容器置台84の片側に収容容器積載台86を設けると共に他側に予備収容容器置台85を設け、前記収容容器置台84に収容容器83の収容容器置台84側への引き出しを補助する引出補助機構Hを設けて構成する。
本発明は、従来の自走式根菜類収穫機において、補助作業者が満杯になった収容容器を楽に空の収容容器と交換できるようにして作業性を改良しようとすることを課題とする。
【解決手段】
圃場の根菜類を抜き取る収穫部Cと該収穫部Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部Eに送り、この選別搬送部Eの側部に座った補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、選別搬送部Eの選別搬送コンベア78の終端下部に収容容器83を載置する収容容器置台84を設け、この収容容器置台84の片側に収容容器積載台86を設けると共に他側に予備収容容器置台85を設け、前記収容容器置台84に収容容器83の収容容器置台84側への引き出しを補助する引出補助機構Hを設けて構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の根菜類を引き抜いて選別部に送り、補助作業者が選別して収穫する自走式根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機としては、特許文献1で示すとおり、機体前部で圃場の根菜類を引き抜いて後方へ搬送する収穫部とこの収穫部から引継搬送部を経て選別搬送部に送り、この選別搬送部で補助作業者が選別してコンテナ等の収容容器に根菜類を納める構成の自走式根菜類収穫機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−141414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の自走式根菜類収穫機では、補助作業者は補助作業座席に座って選別搬送部を送られる根菜類を選別して収容容器に送るので選別作業が楽であるが、やがて収容容器が満杯になるとその収容容器を空の収容容器と交換しなければならない。この満杯になった収容容器を収容容器積載台へ移動して空の収容容器と交換する作業は満杯の収容容器が重くて移動が容易でなく、作業性を悪くしていた。
【0005】
そこで、本発明は、従来の自走式根菜類収穫機において、補助作業者が満杯になった収容容器を楽に空の収容容器と交換できるようにして作業性を改良しようとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、圃場の根菜類を抜き取る収穫部Cと該収穫部Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部Eに送り、この選別搬送部Eの側部に座った補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、選別搬送部Eの選別搬送コンベア78の終端下部に収容容器83を載置する収容容器置台84を設け、この収容容器置台84の片側に収容容器積載台86を設けると共に他側に予備収容容器置台85を設け、前記収容容器置台84に収容容器83の収容容器積載台86側への引き出しを補助する引出補助機構Hを設けたことを特徴とする自走式根菜類収穫機とする。
【0007】
この構成で、補助作業者は、引出補助機構Hを使って収容容器置台84上の満杯になった収容容器83を収容容器積載台86側へ引出し、空の収容容器83を予備収容容器置台85から収容容器置台84に移動して交換作業を行う。
【0008】
請求項2記載の発明は、引出補助機構Hを収容容器83の底部を持上げて収容容器積載台86側に傾けるように先端に押上ローラ95を設けた押上アーム90と収容容器83の底部を受けるガイドローラ91で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0009】
この構成で、収容容器83を引き出す際に押上アーム90を起立すると、収容容器83の底部が押上ローラ95とガイドローラ91で傾斜状態に受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【0010】
請求項3記載の発明は、補助作業者の下部に足踏みペダル92を設け、該足踏みペダル92と押上アーム90をワイヤ93で連結して、足踏みペダル92の踏み込みで押上アーム90を起立すべくしたことを特徴とする請求項2に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0011】
この構成で、補助作業者は、選別作業を続けながら、足踏みペダル92を踏込んで収容容器83を引き出し易くする。
請求項4記載の発明は、先端に押上ローラ95a,95bを設けた押上アーム90a,90bを収容容器置台84に複数設けたことを特徴とする請求項2或いは請求項3に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0012】
この構成で、収容容器83の引き出しの際に、奥側の押上ローラ95aが外れても次の押上ローラ95bで収容容器83の底部を受けて収容容器積載台86に向けて傾いた姿勢を持続させるので、引き出し易さが持続する。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の押上アーム90a,90bは奥側から順次起立すべく足踏みペダルに連結したことを特徴とする請求項4に記載の自走式根菜類収穫機とする。
この構成で、収容容器83の底部が最奥の押上アーム90で傾けられた後で他の押上アーム90が作用するので、収容容器83の傾きが不安定になることが無い。
【0014】
請求項6記載の発明は、収容容器置台84の全体或いは略全体を収容容器積載台86に向けて傾斜可能に構成すると共に、前記収容容器83の底部を受けるガイドローラ91を設けて引出補助機構Hを構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫とする。
【0015】
この構成で、収容容器83を引き出す際に収容容器置台84を傾けると、収容容器83の底部が収容容器置台84とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明で、補助作業者は、引出補助機構Hを使って収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せるので、作業が楽で効率的に行える。
請求項2記載で、補助作業者は、収容容器83の底部が押上ローラ95とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【0017】
請求項3記載の発明で、請求項2の発明の効果に加えて、足踏みペダル92を踏込むと押上ローラ95が起立して収容容器83を傾けて引き出し易くする。
請求項4記載の発明で、複数の押上ローラ95a,95bで収容容器83の底部を受けて収容容器積載台86に向けて傾いた姿勢を持続させるので、引き出し易さが持続する。
【0018】
請求項5記載の発明で、請求項4の発明の効果に加えて、複数の押上アーム90a,90bが奥側から起立することで収容容器83の傾きが不安定になることが無い。
請求項6記載の発明で、収容容器83の底部が収容容器置台84とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】自走式根菜類収穫機の全体側面図である。
【図2】自走式根菜類収穫機の全体平面図である。
【図3】自走式根菜類収穫機の全体背面図である。
【図4】自走式根菜類収穫機の先端部拡大側面図である。
【図5】引抜搬送装置の先端部拡大平面図である。
【図6】土落しバーの拡大側面図である。
【図7】回転切断刃の拡大側面図である。
【図8】尾部切断装置の拡大側面図である。
【図9】尾部切断装置の要部側面図である。
【図10】(a)ガイドカバーの正面図である。(b)ガイドカバーの背面図である。
【図11】尾部切断装置の正面図である。
【図12】選別部の側面図である。
【図13】第一実施例の収容容器置台の平面図である。
【図14】第一実施例の収容容器置台の側面図である。
【図15】第二実施例の収容容器置台の平面図である。
【図16】第二実施例の収容容器置台の側面図である。
【図17】第三実施例の収容容器置台の平面図である。
【図18】第三実施例の収容容器置台の側面図である。
【図19】コンテナ容器置台の別構成例の平面図である。
【図20】コンテナ容器置台の別構成例の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施例の一つとして示す自走式根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0021】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを機体フレーム1に取り付ける。
【0022】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1及び図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
【0023】
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0024】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。
【0025】
そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な掘取フレーム20を取り付け、該掘取フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と掘取フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
【0026】
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を縦ラグ25aで引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を横ラグ26aで掬い上げる横引起し装置26と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設ける。
【0027】
さらに、図4〜図6で示すように、前記引抜フレーム15,15の機体前側下部から機体前後方向おいて略中間位置に亘って左右のソイラフレーム32,32を取り付け、該ソイラフレーム32,32の前側端部に左右の振動アーム33,33の前側端部を取り付ける。そして、前記機体フレーム1の前側にエンジン7の駆動力を受けて回転する振動シャフト34を引抜搬送装置24側に向けて延出し、該振動シャフト34と該振動アーム33,33の後側端部との間に振動アーム33,33を振動させる側面視V字形状の振動ロッド35を取り付けて伝動装置Gを構成する。機体内側の振動アーム33は、振動ロッド35の下端側に回動自在に取り付ける。
【0028】
そして、前記振動アーム33,33の前後方向の略中央位置に人参の周囲の土を切り解す左右のソイラ37,37を機体前側に向けて取り付け、振動アーム33,33の該ソイラ37,37の基部を取り付けた箇所の内側に人参に付着した土を落とす側面視でU字形状の左右の土落しバー38,38の基部を取り付け、該土落しバー38,38の端部側の作用部を圃場面に対して略水平姿勢に配置して、振動装置36を構成する。
【0029】
そして、前記左右のソイラ37,37の前端部に圃場面に垂れている茎葉を掬い上げる左右の掬上突起40,40を先端部が前記横引起し装置26の横ラグ26aよりも前方に位置するように配置する。また、該掬上突起40,40の前側に掬上突起40,40で掬い上げられた茎葉を引抜搬送装置24の挟持始端部に案内する左右の案内バー41,41を、平面視で「ハ」の字型となるように機体後側に向かうほど案内バー41,41同士の左右間隔が小さくなるように取り付ける。
【0030】
なお、該案内バー41,41はピアノ線などの柔軟性に富み、且つある程度の硬さを有する円柱形の弾性材で構成すると、振動幅が大きくなり、茎葉の絡み付き防止効果が向上する。
【0031】
また、図7〜図11で示すように、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ土落しバー38,38の後端部よりも後方の掘取フレーム20の機体左右一側(機体外側)にアウターフレーム43を、該アウターフレーム43の下部に後下り傾斜姿勢の長孔43h,43hを形成した接続部43jをボルト等の固定部材43vを介して上下高さ調節自在に取り付け、該アウターフレーム43の機体左右他側(機体内側)に複数のスリット44s…を形成した円弧形状のガイドカバー44を取り付ける。
【0032】
そして、該ガイドカバー44の内側に、複数のスポーク45s…を有し該スポーク45s…以外の部分を扇形に肉抜きした略円形の回転部45と該回転部45の外周部に所定角度ずつ間隔を空けて正面視(または背面視)L字形状の複数の切断刃46…を取り付けて構成した正面視(または背面視)でコの字形状の回転切断刃47を配置する。
【0033】
本実施例では、切断刃46を回転部45に三本、約120度ずつ間隔を空けて設けているが、切断刃46は三本以上に増やしてもよい。その場合、例えば切断刃46を四本設けるのであれば約90度ずつ間隔を空け、六本設けるのであれば約60度ずつ間隔を空けて設けると、切断刃46が等間隔で人参のひげ根に当たるので能率的にひげ根の切除作業が行える。
【0034】
さらに、前記回転部45の内側に、回転部45と略同形状となるように扇形に肉抜きをした取付フランジ48を、切断刃46…を接続した位置から位相をずらした位置に形成した孔部48h…にボルト等の固定部材48vで介して取り付ける。
【0035】
本実施例では、取付フランジ48の孔部48hに取り付ける固定部材48vは、切断刃46を接続した位置からから円周方向に約60度位相をずらして取り付けている。言い換えれば、二つの切断刃46,46の間の略中間位置に、固定部材48vを取り付ける孔部48hを夫々形成している。
【0036】
なお、取付フランジ48を取り付ける固定部材48vの長さや重量を変えたり、ナットやワッシャー(図示せず)の重量や径を変更したりすると、回転切断刃47はフライホイール効果により慣性力で回転しやすくなり、土質の硬軟や土塊の多少に応じて回転力を調整することができ、作業能率が向上する。
【0037】
そして、回転切断刃47の回転軸47aの機体左右他側(機体内側)端部に円周の内側に無数の歯を有するリングギア50を軸着し、該リングギア50の外周にベアリング49を取り付け、前記ガイドカバー44の機体左右他側(機体内側)にインナーフレーム51を取り付ける。さらに、該回転切断刃47の内側に駆動力を供給する駆動モータ52を、前記インナーフレーム51に固定して設け、該駆動モータ52の出力軸52aの機体左右他側の端部に前記リングギア50に噛み合って回転切断刃47を回転させる駆動力を伝達する伝動ギア53を軸着する。
【0038】
なお、上記駆動モータ52は、平面視では回転切断刃47を引抜搬送装置24の人参の搬送方向と同一方向に、側面視では時計回り(右回り)に回転させる。この駆動モータ52は機体のバッテリから電力を受け、操縦部Bからの操作で駆動する電動モータを用いているが、油圧モータ等を用いてもよい。
【0039】
加えて、変速レバー13の切換による走行速度の変化に合わせて該駆動モータ52の回転数が変化する構成としてもよい。これにより、走行速度を上げて引抜搬送装置24に引抜搬送される人参の数が多くなると駆動モータ52の回転数が増大し、回転切断刃47の回転速度が増加するので、人参のひげ根を確実に切断することができ、作業能率が向上するとともに、ひげ根の切り残しが減少するので、後工程で作業者がひげ根を切除する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
【0040】
そして、該駆動モータ52の外周部に駆動モータ52を覆うモータカバー54aを設け、該モータカバー54aの機体左右一側(機体外側)の端部をアウターフレーム43の内側近傍まで接近させる。また該モータカバー54aの上部に側面視逆V字型(山型)の延長カバー54bを取り付ける。
【0041】
なお、延長カバー54bはポリ塩化ビニル(PVC)やゴム等の弾性を有する軟質部材で構成し、延長カバー54bの上端部が切断刃46の内側面に接触する構成とすると、延長カバー54bで切断刃46…の内側面に付着した土を落とすことができ、切断刃46…の切断性能が土の付着で妨げられにくく、人参のひげ根の切断能率が低下することを防止できる。
【0042】
また、延長カバー54bの傾斜角度を鋭角(約30〜60度)とし、外側線部を直線ではなく僅かながら曲線状に形成すると、上方から降り注ぐ土が延長カバー54bの傾斜部を滑り落ちやすく、延長カバー54b上に土が溜まることを防止でき、ひげ根切断装置57の内部に堆積した土を取り除く必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0043】
また、前記切断刃46は、人参の下部のひげ根に接触して切断する切断作用面46aを略直線状に形成し、搬送方向上手側の非切断作用面46bは機体内側から機体外側に向かうに連れて前後幅が狭くなるテーパ状に形成すると共に、L字形状の切断刃46の機体左右一側(機体外側)の端部を回転切断刃47の回転方向に対して略直線状に形成する。
【0044】
さらに、前記切断作用面46aを非切断作用面46bよりも上方に位置させ、切断刃46を非切断作用面46bから切断作用面46aに向かって上方傾斜する構成としている。
また、前記ガイドカバー44の搬送方向下手側に、搬送方向上手側から下手側に向かって下方傾斜する直線部44aを形成し、該直線部44aの搬送方向下手側の端部に、該直線部44aの下方傾斜角度よりも緩やかな下方傾斜角度の終端直線部44bを形成する。
【0045】
そして、複数のスリット44s…を終端直線部44bまで延長する。
そして、前記アウターフレーム43とインナーフレーム51との前側上部に、ガイドカバー44の円弧に沿った長穴55,55を夫々切り欠き、該長穴55,55に人参及び人参のひげ根に付着している土等を落とすスクレーパ56の左右両端部を貫入させてボルト等の固定部材56vで取り付ける。該スクレーパ56は長穴の方向に沿って移動可能である。
【0046】
なお、該スクレーパ56はゴム等の弾性体で構成する。
さらに、前記アウターフレーム43の接続部43jに、アウターフレーム43の上下位置を視覚的に判別可能なポイントマーカ43p…を設けることにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根(尾部)を切断するひげ根切断装置57が形成される。
【0047】
なお、ポイントマーカ43pは、アウターフレーム43の接続部43jの後端部を略等間隔に切り欠く、目盛りを刻む、目盛りを塗料で描く、シールを貼る等の方法で形成する。
【0048】
そして、前記引抜搬送装置24の後下部には、左右挟持搬送ベルト18,18によって搬送されてきた人参を引き継ぎ、人参の茎葉部の切断位置を揃える左右位置揃え装置58,58と、該左右位置揃え装置58,58から茎葉部を引き継いで挟持して機体後方まで搬送する左右茎葉搬送装置59,59と、茎葉部を切断する左右茎葉切断装置60,60と、該左右茎葉切断装置60,60によって切断された茎葉を左右茎葉搬送装置59,59の終端部から圃場に排出する排葉シュータ61とを設けて排葉搬送装置62を構成することにより、収穫部Cが構成される。
【0049】
次に、引継搬送部Dについて説明する。
図1〜図3で示すように、前記茎葉切断装置60,60の下方に前後残葉処理フレーム63,63を設け、該前後残葉処理フレーム63,63の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ64,64を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ64,64にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト65を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト65の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト65と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ66を取り付けて、収穫部Cから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体の左右一側から左右他側に搬送する残葉処理装置67を構成する。
【0050】
また、該残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置60,60よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台68を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台68よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ69を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ70を設ける。そして、前記残葉処理装置67よりも機体前側で且つ残葉処理装置67に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ69と汲上搬送従動ローラ70とに汲上搬送ベルト71を無端状に巻回して、前記残葉処理装置67と受け台68とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア72が構成される。
【0051】
前記残葉処理装置67と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア72とから、汲上搬送部Dが構成される。
上記構成により、残葉処理装置67を構成する残葉処理ローラ66が、茎葉切断装置60,60で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア72に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0052】
また、残葉処理装置67を構成する残葉処理ベルト65をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置60,60で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト66が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0053】
そして、残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台68を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア72に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0054】
次に、選別搬送部Eについて説明する。
図2、図3及び図12で示すように、操縦部Bの後部に左右選別搬送フレーム73,73を取り付け、該左右選別搬送フレーム73,73の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ74を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ74よりも機体後側に選別搬送従動ローラ75を回転自在に取り付ける。
【0055】
また、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75との間に選別搬送テンションローラ76を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75と選別搬送テンションローラ76とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト77を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア78が構成される。さらに、該選別コンベア78を始端部が汲上搬送部Dの汲上コンベア72の終端下方に位置するように配置する。
【0056】
また、前記選別搬送従動ローラ75の回転軸にシュータ79を上下回動自在に取り付け、該シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けることによって、選別搬送部Eが構成される。
【0057】
上記のように、シュータ79を上下回動自在に設けたことによって、シュータ79を下方回動させると選別搬送コンベア78の終端下部に設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器83に人参を緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0058】
また、シュータ79を上方に回動させると、選別搬送コンベア78の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア78を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア78の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0059】
また、シュータ79を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア78を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア78の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア72の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア78の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0060】
さらに、シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席88に座ったままシュータ79を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0061】
次に、収容部Fについて説明する。
図13、図14で示すように、前記左右選別搬送フレーム73,73の下部に収容容器置台84を設け、この収容容器置台84に載せた収容容器83に選別搬送コンベア78の終端から落下する人参を収容する。
【0062】
引出補助機構Hの第一実施例として、収容容器置台84の機体中央側に前後方向の枢支軸96で枢支した押上アーム90を設け、収容容器置台84の右外側部に前後方向の軸で枢支したガイドローラ91を設けている。押上アーム90は、側面視で「へ」の字状に形成し、収容容器83の底部に接する側の先端に押上ローラ95を回動可能に枢支し、他端に収容容器置台84との間に引張スプリング98を連結すると共に、補助作業座席88の底部で補助作業者の左側に設ける足踏みペダル92とワイヤ93で連結している。
【0063】
引張スプリング98は、押上ローラ95を収容容器置台84の下方へ引き下げ、足踏みペダル92を踏込むと押上アーム90が起立して収容容器83の底部を押し上げるようになる。押上ローラ95は収容容器83を収容容器積載台86側へのみ回動案内するようにしても良く、また、収容容器積載台8の底部に重心位置よりも機体内側で作用して浮き上がらせる。
【0064】
収容容器83が満杯になると、補助作業座席88に座った補助作業者が足踏みペダル92を踏んで収容容器83を収容容器積載台86側へ傾けて引き出し易くして片手で引き出せるようになる。
【0065】
図15、図16には、引出補助機構Hの第二実施例を示し、第一押上アーム90aと第二押上アーム90bを前後方向に並設けている。そして、第一押上アーム90aの下端と第二押上アーム90bの下端を緩めた第二ワイヤ99で連結して、足踏みペダル92を踏込むと、まず、第一押上アーム90aが起立しその後に第二押上アーム90bが起立するようにしている。
【0066】
第一押上アーム90aの第一押上ローラ95aと第二押上アーム90bの第二押上ローラ95bは、収容容器83の重心位置を左右に挟んで底部に作用し、第二押上ローラ95bの上昇高さは第一押上ローラ95aの上昇高さよりも低くして収容容器83を傾斜姿勢以上に突き上げない。また、第一押上ローラ95aと第二押上ローラ95bは、第一引張スプリング98aと第二引張スプリング98bで収容容器置台84の受け面より下方へ引き下げて空の収容容器83を引き込む邪魔にならないようにしている。
【0067】
図17、図18には、引出補助機構Hの第三実施例を示し、収容容器置台84に足踏みペダル92で起伏する昇降枠100を枢支している。この昇降枠100には、ガイドローラ101を設けて収容容器83を引き出し易くしている。また、昇降枠100の下方アーム102にワイヤ93と引張スプリング103を連結して、昇降枠100を起伏させる。
【0068】
図13から図18の実施例で、収容容器置台84の後端部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を上下回動自在で且つ収容容器置台84に向けて下り傾斜姿勢で取り付ける。収容容器置台84の後部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を設けたことによって、人参が満載された収容容器83が収容容器置台84から取り除かれると収容容器84が収容容器置台84に滑り落ちて設置されるので、収容容器83を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0069】
さらに、前記収容容器置台84や選別搬送コンベア78や右クローラ6Rよりも機体左右他側に人参を収容した収容容器83を積載する収容容器積載台86を機体前後方向に長くかつ機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。機体左右外側に収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台86を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0070】
そして、該収容容器積載台86の機体外側に、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87を取り付け、該支持フレーム87の上に補助作業者が着座する補助作業座席88を取り付ける。そして、前記収容容器積載台86の後部に予備の収容容器83を設置する第2予備収容容器置台89を取り付けて、収容部Fが構成される。
【0071】
収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87上に補助作業座席88を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア78に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器83が収容容器積載台86上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0072】
また、収容容器積載台86の後部に第2予備収容容器置台89を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器83を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0073】
図19と図20は、収容容器積載台86の別実施例で、収容容器積載台86を搬送ベルト112を前後方向に張設し、この搬送ベルト112の後部上方にサブ収容容器積載台109を設けている。また、収容容器積載台86の後部に凹部111を形成し、この凹部111に搬送ベルト105を張設したリフト台113を昇降シリンダ107とチェン108で昇降するようにしている。搬送ベルト105には送り突起106を設けて往復駆動で収容容器83を取り込んだり送り出したりする。
【0074】
リフト台113は、収容容器積載台86より低い位置で収容容器83を受け取りブ収容容器積載台09より高く上がって送り突起106で収容容器83をブ収容容器積載台09に送り出す。収容容器83の送り出しが終わると、送り突起106は元の位置に戻る。
【0075】
該リフト台113には二個のセンサ110aと110bを設け、両センサ110aと110bがオンすると上昇し、両センサ110aと110bがオフすると降下すると共に送り突起106がもとの位置に戻る。
【0076】
なお、ブ収容容器積載台09も搬送ベルトを設けて送り作用するようにする。
【符号の説明】
【0077】
C 収穫部
E 選別搬送部
H 引出補助機構
78 選別搬送コンベア
83 収容容器
84 収容容器置台
85 予備収容容器置台
86 収容容器積載台
90(90a,90b) 押上アーム
91 ガイドローラ
92 足踏みペダル
93 ワイヤ
95(95a,95b) 押上ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の根菜類を引き抜いて選別部に送り、補助作業者が選別して収穫する自走式根菜類収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の根菜類収穫機としては、特許文献1で示すとおり、機体前部で圃場の根菜類を引き抜いて後方へ搬送する収穫部とこの収穫部から引継搬送部を経て選別搬送部に送り、この選別搬送部で補助作業者が選別してコンテナ等の収容容器に根菜類を納める構成の自走式根菜類収穫機がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−141414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の自走式根菜類収穫機では、補助作業者は補助作業座席に座って選別搬送部を送られる根菜類を選別して収容容器に送るので選別作業が楽であるが、やがて収容容器が満杯になるとその収容容器を空の収容容器と交換しなければならない。この満杯になった収容容器を収容容器積載台へ移動して空の収容容器と交換する作業は満杯の収容容器が重くて移動が容易でなく、作業性を悪くしていた。
【0005】
そこで、本発明は、従来の自走式根菜類収穫機において、補助作業者が満杯になった収容容器を楽に空の収容容器と交換できるようにして作業性を改良しようとすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、圃場の根菜類を抜き取る収穫部Cと該収穫部Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部Eに送り、この選別搬送部Eの側部に座った補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、選別搬送部Eの選別搬送コンベア78の終端下部に収容容器83を載置する収容容器置台84を設け、この収容容器置台84の片側に収容容器積載台86を設けると共に他側に予備収容容器置台85を設け、前記収容容器置台84に収容容器83の収容容器積載台86側への引き出しを補助する引出補助機構Hを設けたことを特徴とする自走式根菜類収穫機とする。
【0007】
この構成で、補助作業者は、引出補助機構Hを使って収容容器置台84上の満杯になった収容容器83を収容容器積載台86側へ引出し、空の収容容器83を予備収容容器置台85から収容容器置台84に移動して交換作業を行う。
【0008】
請求項2記載の発明は、引出補助機構Hを収容容器83の底部を持上げて収容容器積載台86側に傾けるように先端に押上ローラ95を設けた押上アーム90と収容容器83の底部を受けるガイドローラ91で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0009】
この構成で、収容容器83を引き出す際に押上アーム90を起立すると、収容容器83の底部が押上ローラ95とガイドローラ91で傾斜状態に受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【0010】
請求項3記載の発明は、補助作業者の下部に足踏みペダル92を設け、該足踏みペダル92と押上アーム90をワイヤ93で連結して、足踏みペダル92の踏み込みで押上アーム90を起立すべくしたことを特徴とする請求項2に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0011】
この構成で、補助作業者は、選別作業を続けながら、足踏みペダル92を踏込んで収容容器83を引き出し易くする。
請求項4記載の発明は、先端に押上ローラ95a,95bを設けた押上アーム90a,90bを収容容器置台84に複数設けたことを特徴とする請求項2或いは請求項3に記載の自走式根菜類収穫機とする。
【0012】
この構成で、収容容器83の引き出しの際に、奥側の押上ローラ95aが外れても次の押上ローラ95bで収容容器83の底部を受けて収容容器積載台86に向けて傾いた姿勢を持続させるので、引き出し易さが持続する。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の押上アーム90a,90bは奥側から順次起立すべく足踏みペダルに連結したことを特徴とする請求項4に記載の自走式根菜類収穫機とする。
この構成で、収容容器83の底部が最奥の押上アーム90で傾けられた後で他の押上アーム90が作用するので、収容容器83の傾きが不安定になることが無い。
【0014】
請求項6記載の発明は、収容容器置台84の全体或いは略全体を収容容器積載台86に向けて傾斜可能に構成すると共に、前記収容容器83の底部を受けるガイドローラ91を設けて引出補助機構Hを構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫とする。
【0015】
この構成で、収容容器83を引き出す際に収容容器置台84を傾けると、収容容器83の底部が収容容器置台84とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明で、補助作業者は、引出補助機構Hを使って収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せるので、作業が楽で効率的に行える。
請求項2記載で、補助作業者は、収容容器83の底部が押上ローラ95とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【0017】
請求項3記載の発明で、請求項2の発明の効果に加えて、足踏みペダル92を踏込むと押上ローラ95が起立して収容容器83を傾けて引き出し易くする。
請求項4記載の発明で、複数の押上ローラ95a,95bで収容容器83の底部を受けて収容容器積載台86に向けて傾いた姿勢を持続させるので、引き出し易さが持続する。
【0018】
請求項5記載の発明で、請求項4の発明の効果に加えて、複数の押上アーム90a,90bが奥側から起立することで収容容器83の傾きが不安定になることが無い。
請求項6記載の発明で、収容容器83の底部が収容容器置台84とガイドローラ91で受けられて、軽い力で収容容器83を収容容器積載台86側へ引き出せる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】自走式根菜類収穫機の全体側面図である。
【図2】自走式根菜類収穫機の全体平面図である。
【図3】自走式根菜類収穫機の全体背面図である。
【図4】自走式根菜類収穫機の先端部拡大側面図である。
【図5】引抜搬送装置の先端部拡大平面図である。
【図6】土落しバーの拡大側面図である。
【図7】回転切断刃の拡大側面図である。
【図8】尾部切断装置の拡大側面図である。
【図9】尾部切断装置の要部側面図である。
【図10】(a)ガイドカバーの正面図である。(b)ガイドカバーの背面図である。
【図11】尾部切断装置の正面図である。
【図12】選別部の側面図である。
【図13】第一実施例の収容容器置台の平面図である。
【図14】第一実施例の収容容器置台の側面図である。
【図15】第二実施例の収容容器置台の平面図である。
【図16】第二実施例の収容容器置台の側面図である。
【図17】第三実施例の収容容器置台の平面図である。
【図18】第三実施例の収容容器置台の側面図である。
【図19】コンテナ容器置台の別構成例の平面図である。
【図20】コンテナ容器置台の別構成例の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施例の一つとして示す自走式根菜類収穫機の一種である人参収穫機は、機体を走行させる走行部Aと、操縦者が搭乗する操縦部Bと、機体左右一側で圃場から人参を引き抜いて機体後上側に搬送するとともに茎葉部を切断して人参の根部を収穫する収穫部Cと、該収穫部Cの後部から落下した人参を受けて残葉を処理しながら機体左右他側へ搬送する引継搬送部Dと、該引継搬送部Dから人参を引き継いで人参を機体後側へ搬送し、搬送中の人参を補助作業者が選別する選別搬送部Eと、選別搬送部Eから排出される人参を収容する収容部Fとから構成される。以下、各部の詳細を具体的に記載する。
【0021】
まず、走行部Aの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、機体フレーム1の下方に機体前部側の左右駆動スプロケット2,2と機体後部側の左右従動輪3,3と、該左右駆動スプロケット2,2と左右従動輪3,3との間に取り付けた複数の転輪4,4・・・の周りに左右ベルト5,5を巻き掛けて左右のクローラ6L,6Rを構成する。そして、該左右クローラ6L,6Rの左右駆動スプロケット2,2を、エンジン7の動力が伝動されるミッションケース8から左右両側に延出させた左右ドライブシャフト9,9に取り付け、一定の左右間隔を設けて左右クローラ6L,6Rを機体フレーム1に取り付ける。
【0022】
次に、操縦部Bの構成について説明する。
図1及び図2で示すように、前記機体フレーム1の右側上部に操縦部フレーム10を取り付け、該操縦部フレーム10には操縦座席11を取り付けると共に、機体前側に操縦パネル12を取り付ける。そして、該操縦パネル12に機体の前後進及び走行速度を切り換える変速操作レバー13を取り付けると共に、機体の左右旋回操作及び収穫部Cの作業高さを操作する昇降操作レバー14を取り付ける。
【0023】
上記構成により、変速操作レバー13や昇降操作レバー14のような、1本で複数の操作を行える操縦部材を設けることによって、機体の操縦が容易になるため操縦者の作業を軽減することができる。
【0024】
次に、収穫部Cの構成について説明する。
図1〜図3で示すように、左右引抜フレーム15,15の機体前側に左右従動プーリ16,16を回転自在に装着し、機体後側に左右駆動プーリ17,17を装着し、該左右従動プーリ16,16と左右駆動プーリ17,17との間に人参を引き抜き機体後部へと搬送する左右挟持搬送ベルト18,18を巻き掛けると共に、複数のテンションローラ19…によって該左右挟持搬送ベルト18,18を張圧し、左右挟持搬送ベルト18,18の機体内側面を互いに圧接させて人参の引抜搬送経路Rを構成する。
【0025】
そして、前記機体フレーム1の上方に左右横軸21を回動支点として上下方向に回動自在な掘取フレーム20を取り付け、該掘取フレーム20の後端部に前記左右駆動プーリ17,17に駆動力を伝動する伝動ケース22を、回動支点Xを中心として上下回動自在に取り付ける。また、前記機体フレーム1と掘取フレーム20とを昇降シリンダ23で連結し、該昇降シリンダ23を操縦部Bで操作可能に取り付けて引抜搬送装置24を構成する。
【0026】
また、該引抜搬送装置24の前方に人参の茎葉部を縦ラグ25aで引き起こす縦引起し装置25と、該縦引起し装置25が引起した茎葉部を横ラグ26aで掬い上げる横引起し装置26と、ハンドル29を回すと上下伸縮する伸縮ロッド30の下端部に引抜搬送装置24の下り過ぎを防止する回転自在なゲージ輪31を設ける。
【0027】
さらに、図4〜図6で示すように、前記引抜フレーム15,15の機体前側下部から機体前後方向おいて略中間位置に亘って左右のソイラフレーム32,32を取り付け、該ソイラフレーム32,32の前側端部に左右の振動アーム33,33の前側端部を取り付ける。そして、前記機体フレーム1の前側にエンジン7の駆動力を受けて回転する振動シャフト34を引抜搬送装置24側に向けて延出し、該振動シャフト34と該振動アーム33,33の後側端部との間に振動アーム33,33を振動させる側面視V字形状の振動ロッド35を取り付けて伝動装置Gを構成する。機体内側の振動アーム33は、振動ロッド35の下端側に回動自在に取り付ける。
【0028】
そして、前記振動アーム33,33の前後方向の略中央位置に人参の周囲の土を切り解す左右のソイラ37,37を機体前側に向けて取り付け、振動アーム33,33の該ソイラ37,37の基部を取り付けた箇所の内側に人参に付着した土を落とす側面視でU字形状の左右の土落しバー38,38の基部を取り付け、該土落しバー38,38の端部側の作用部を圃場面に対して略水平姿勢に配置して、振動装置36を構成する。
【0029】
そして、前記左右のソイラ37,37の前端部に圃場面に垂れている茎葉を掬い上げる左右の掬上突起40,40を先端部が前記横引起し装置26の横ラグ26aよりも前方に位置するように配置する。また、該掬上突起40,40の前側に掬上突起40,40で掬い上げられた茎葉を引抜搬送装置24の挟持始端部に案内する左右の案内バー41,41を、平面視で「ハ」の字型となるように機体後側に向かうほど案内バー41,41同士の左右間隔が小さくなるように取り付ける。
【0030】
なお、該案内バー41,41はピアノ線などの柔軟性に富み、且つある程度の硬さを有する円柱形の弾性材で構成すると、振動幅が大きくなり、茎葉の絡み付き防止効果が向上する。
【0031】
また、図7〜図11で示すように、前記引抜搬送通路Rの下方で且つ土落しバー38,38の後端部よりも後方の掘取フレーム20の機体左右一側(機体外側)にアウターフレーム43を、該アウターフレーム43の下部に後下り傾斜姿勢の長孔43h,43hを形成した接続部43jをボルト等の固定部材43vを介して上下高さ調節自在に取り付け、該アウターフレーム43の機体左右他側(機体内側)に複数のスリット44s…を形成した円弧形状のガイドカバー44を取り付ける。
【0032】
そして、該ガイドカバー44の内側に、複数のスポーク45s…を有し該スポーク45s…以外の部分を扇形に肉抜きした略円形の回転部45と該回転部45の外周部に所定角度ずつ間隔を空けて正面視(または背面視)L字形状の複数の切断刃46…を取り付けて構成した正面視(または背面視)でコの字形状の回転切断刃47を配置する。
【0033】
本実施例では、切断刃46を回転部45に三本、約120度ずつ間隔を空けて設けているが、切断刃46は三本以上に増やしてもよい。その場合、例えば切断刃46を四本設けるのであれば約90度ずつ間隔を空け、六本設けるのであれば約60度ずつ間隔を空けて設けると、切断刃46が等間隔で人参のひげ根に当たるので能率的にひげ根の切除作業が行える。
【0034】
さらに、前記回転部45の内側に、回転部45と略同形状となるように扇形に肉抜きをした取付フランジ48を、切断刃46…を接続した位置から位相をずらした位置に形成した孔部48h…にボルト等の固定部材48vで介して取り付ける。
【0035】
本実施例では、取付フランジ48の孔部48hに取り付ける固定部材48vは、切断刃46を接続した位置からから円周方向に約60度位相をずらして取り付けている。言い換えれば、二つの切断刃46,46の間の略中間位置に、固定部材48vを取り付ける孔部48hを夫々形成している。
【0036】
なお、取付フランジ48を取り付ける固定部材48vの長さや重量を変えたり、ナットやワッシャー(図示せず)の重量や径を変更したりすると、回転切断刃47はフライホイール効果により慣性力で回転しやすくなり、土質の硬軟や土塊の多少に応じて回転力を調整することができ、作業能率が向上する。
【0037】
そして、回転切断刃47の回転軸47aの機体左右他側(機体内側)端部に円周の内側に無数の歯を有するリングギア50を軸着し、該リングギア50の外周にベアリング49を取り付け、前記ガイドカバー44の機体左右他側(機体内側)にインナーフレーム51を取り付ける。さらに、該回転切断刃47の内側に駆動力を供給する駆動モータ52を、前記インナーフレーム51に固定して設け、該駆動モータ52の出力軸52aの機体左右他側の端部に前記リングギア50に噛み合って回転切断刃47を回転させる駆動力を伝達する伝動ギア53を軸着する。
【0038】
なお、上記駆動モータ52は、平面視では回転切断刃47を引抜搬送装置24の人参の搬送方向と同一方向に、側面視では時計回り(右回り)に回転させる。この駆動モータ52は機体のバッテリから電力を受け、操縦部Bからの操作で駆動する電動モータを用いているが、油圧モータ等を用いてもよい。
【0039】
加えて、変速レバー13の切換による走行速度の変化に合わせて該駆動モータ52の回転数が変化する構成としてもよい。これにより、走行速度を上げて引抜搬送装置24に引抜搬送される人参の数が多くなると駆動モータ52の回転数が増大し、回転切断刃47の回転速度が増加するので、人参のひげ根を確実に切断することができ、作業能率が向上するとともに、ひげ根の切り残しが減少するので、後工程で作業者がひげ根を切除する必要が無く、作業者の労力が軽減される。
【0040】
そして、該駆動モータ52の外周部に駆動モータ52を覆うモータカバー54aを設け、該モータカバー54aの機体左右一側(機体外側)の端部をアウターフレーム43の内側近傍まで接近させる。また該モータカバー54aの上部に側面視逆V字型(山型)の延長カバー54bを取り付ける。
【0041】
なお、延長カバー54bはポリ塩化ビニル(PVC)やゴム等の弾性を有する軟質部材で構成し、延長カバー54bの上端部が切断刃46の内側面に接触する構成とすると、延長カバー54bで切断刃46…の内側面に付着した土を落とすことができ、切断刃46…の切断性能が土の付着で妨げられにくく、人参のひげ根の切断能率が低下することを防止できる。
【0042】
また、延長カバー54bの傾斜角度を鋭角(約30〜60度)とし、外側線部を直線ではなく僅かながら曲線状に形成すると、上方から降り注ぐ土が延長カバー54bの傾斜部を滑り落ちやすく、延長カバー54b上に土が溜まることを防止でき、ひげ根切断装置57の内部に堆積した土を取り除く必要がなく、メンテナンス性が向上する。
【0043】
また、前記切断刃46は、人参の下部のひげ根に接触して切断する切断作用面46aを略直線状に形成し、搬送方向上手側の非切断作用面46bは機体内側から機体外側に向かうに連れて前後幅が狭くなるテーパ状に形成すると共に、L字形状の切断刃46の機体左右一側(機体外側)の端部を回転切断刃47の回転方向に対して略直線状に形成する。
【0044】
さらに、前記切断作用面46aを非切断作用面46bよりも上方に位置させ、切断刃46を非切断作用面46bから切断作用面46aに向かって上方傾斜する構成としている。
また、前記ガイドカバー44の搬送方向下手側に、搬送方向上手側から下手側に向かって下方傾斜する直線部44aを形成し、該直線部44aの搬送方向下手側の端部に、該直線部44aの下方傾斜角度よりも緩やかな下方傾斜角度の終端直線部44bを形成する。
【0045】
そして、複数のスリット44s…を終端直線部44bまで延長する。
そして、前記アウターフレーム43とインナーフレーム51との前側上部に、ガイドカバー44の円弧に沿った長穴55,55を夫々切り欠き、該長穴55,55に人参及び人参のひげ根に付着している土等を落とすスクレーパ56の左右両端部を貫入させてボルト等の固定部材56vで取り付ける。該スクレーパ56は長穴の方向に沿って移動可能である。
【0046】
なお、該スクレーパ56はゴム等の弾性体で構成する。
さらに、前記アウターフレーム43の接続部43jに、アウターフレーム43の上下位置を視覚的に判別可能なポイントマーカ43p…を設けることにより、引抜搬送装置24で搬送中の人参のひげ根(尾部)を切断するひげ根切断装置57が形成される。
【0047】
なお、ポイントマーカ43pは、アウターフレーム43の接続部43jの後端部を略等間隔に切り欠く、目盛りを刻む、目盛りを塗料で描く、シールを貼る等の方法で形成する。
【0048】
そして、前記引抜搬送装置24の後下部には、左右挟持搬送ベルト18,18によって搬送されてきた人参を引き継ぎ、人参の茎葉部の切断位置を揃える左右位置揃え装置58,58と、該左右位置揃え装置58,58から茎葉部を引き継いで挟持して機体後方まで搬送する左右茎葉搬送装置59,59と、茎葉部を切断する左右茎葉切断装置60,60と、該左右茎葉切断装置60,60によって切断された茎葉を左右茎葉搬送装置59,59の終端部から圃場に排出する排葉シュータ61とを設けて排葉搬送装置62を構成することにより、収穫部Cが構成される。
【0049】
次に、引継搬送部Dについて説明する。
図1〜図3で示すように、前記茎葉切断装置60,60の下方に前後残葉処理フレーム63,63を設け、該前後残葉処理フレーム63,63の左右両側の前後間に左右残葉処理ローラ64,64を回転自在に取り付ける。そして、該左右残葉処理ローラ64,64にゴムやウレタン等の弾性体で構成する残葉処理ベルト65を無端状に巻回し、該残葉処理ベルト65の上部に人参の根部に残った残葉を残葉処理ベルト65と共に挟み込んで回転して切除する残葉処理ローラ66を取り付けて、収穫部Cから引き継いだ人参の残葉を処理しながら機体の左右一側から左右他側に搬送する残葉処理装置67を構成する。
【0050】
また、該残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に茎葉切断装置60,60よりも機体前側に落下した作物を受ける格子状の受け台68を下り傾斜姿勢で設け、機体左右一側部で且つ該受け台68よりも機体内側に汲上搬送駆動ローラ69を設けると共に、左右他側部側に汲上搬送従動ローラ70を設ける。そして、前記残葉処理装置67よりも機体前側で且つ残葉処理装置67に隣接させて、汲上搬送駆動ローラ69と汲上搬送従動ローラ70とに汲上搬送ベルト71を無端状に巻回して、前記残葉処理装置67と受け台68とから人参を引き継いで機体左右他側に汲上搬送する汲上搬送コンベア72が構成される。
【0051】
前記残葉処理装置67と上り傾斜姿勢に設ける汲上搬送コンベア72とから、汲上搬送部Dが構成される。
上記構成により、残葉処理装置67を構成する残葉処理ローラ66が、茎葉切断装置60,60で切り残された人参の残葉を千切り取りながら汲上搬送コンベア72に人参を搬送するため、人参の商品価値が向上すると共に、収穫作業後に人手で残葉を切除する作業を省略することができ、作業能率が向上する。
【0052】
また、残葉処理装置67を構成する残葉処理ベルト65をゴムやウレタン等の弾性体で構成したことによって、茎葉切断装置60,60で茎葉部を切除されて人参が落下しても残葉処理ベルト66が落下の衝撃を軽減するので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の品質が向上する。
【0053】
そして、残葉処理装置67の始端側で且つ機体前側に格子状の受け台68を下り傾斜姿勢に設けたことによって、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で茎葉部が千切れる等して落下した人参を、機外に落とすことなく受け止めることができると共に、受けた人参を汲上搬送コンベア72に向かって移動させることができるので、収穫作業後に機外に落ちた人参を拾い集める作業が省略されて作業者の労力が軽減されると共に、茎葉切断装置60,60よりも機体前側で落下した人参を搬送経路に戻すことができるので、作業能率が向上する。
【0054】
次に、選別搬送部Eについて説明する。
図2、図3及び図12で示すように、操縦部Bの後部に左右選別搬送フレーム73,73を取り付け、該左右選別搬送フレーム73,73の機体前側の左右間に選別搬送駆動ローラ74を回転自在に取り付け、該選別搬送駆動ローラ74よりも機体後側に選別搬送従動ローラ75を回転自在に取り付ける。
【0055】
また、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75との間に選別搬送テンションローラ76を回転自在に取り付ける。そして、前記選別搬送駆動ローラ74と選別搬送従動ローラ75と選別搬送テンションローラ76とに複数の弾性体突起を備える弾性体ベルト77を無端状に巻回することによって、後上り傾斜姿勢の選別搬送コンベア78が構成される。さらに、該選別コンベア78を始端部が汲上搬送部Dの汲上コンベア72の終端下方に位置するように配置する。
【0056】
また、前記選別搬送従動ローラ75の回転軸にシュータ79を上下回動自在に取り付け、該シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けることによって、選別搬送部Eが構成される。
【0057】
上記のように、シュータ79を上下回動自在に設けたことによって、シュータ79を下方回動させると選別搬送コンベア78の終端下部に設置するコンテナやフレコンバッグ等の収容容器83に人参を緩やかに落とすことができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止され、人参の商品価値が向上する。
【0058】
また、シュータ79を上方に回動させると、選別搬送コンベア78の終端側を塞ぐストッパとなるため、人参が満杯になったコンテナを交換する際、選別搬送コンベア78を停止させなくても人参が終端部から落下することを防止することができるので、落下の衝撃で人参が傷付くことが防止されて人参の品質が向上すると共に、選別搬送コンベア78の動力の入切を頻繁に行う必要がなくなり、作業能率が向上する。
【0059】
また、シュータ79を上方回動させてストッパとし、選別搬送コンベア78を停止させないことによって、人参は選別搬送コンベア78の終端側に溜まるので、従来のように汲上搬送コンベア72の搬送終端部から落下してきた人参が選別搬送コンベア78の搬送始端部に滞留している人参に接触して傷付くことが防止されるので、人参の商品価値が向上する。
【0060】
さらに、シュータ79の機体左右外側にシュータ79を上下回動させる操作レバー80を取り付けたことによって、補助作業者は後述する補助作業座席88に座ったままシュータ79を上下回動させることができるので、補助作業者の労力が軽減される。
【0061】
次に、収容部Fについて説明する。
図13、図14で示すように、前記左右選別搬送フレーム73,73の下部に収容容器置台84を設け、この収容容器置台84に載せた収容容器83に選別搬送コンベア78の終端から落下する人参を収容する。
【0062】
引出補助機構Hの第一実施例として、収容容器置台84の機体中央側に前後方向の枢支軸96で枢支した押上アーム90を設け、収容容器置台84の右外側部に前後方向の軸で枢支したガイドローラ91を設けている。押上アーム90は、側面視で「へ」の字状に形成し、収容容器83の底部に接する側の先端に押上ローラ95を回動可能に枢支し、他端に収容容器置台84との間に引張スプリング98を連結すると共に、補助作業座席88の底部で補助作業者の左側に設ける足踏みペダル92とワイヤ93で連結している。
【0063】
引張スプリング98は、押上ローラ95を収容容器置台84の下方へ引き下げ、足踏みペダル92を踏込むと押上アーム90が起立して収容容器83の底部を押し上げるようになる。押上ローラ95は収容容器83を収容容器積載台86側へのみ回動案内するようにしても良く、また、収容容器積載台8の底部に重心位置よりも機体内側で作用して浮き上がらせる。
【0064】
収容容器83が満杯になると、補助作業座席88に座った補助作業者が足踏みペダル92を踏んで収容容器83を収容容器積載台86側へ傾けて引き出し易くして片手で引き出せるようになる。
【0065】
図15、図16には、引出補助機構Hの第二実施例を示し、第一押上アーム90aと第二押上アーム90bを前後方向に並設けている。そして、第一押上アーム90aの下端と第二押上アーム90bの下端を緩めた第二ワイヤ99で連結して、足踏みペダル92を踏込むと、まず、第一押上アーム90aが起立しその後に第二押上アーム90bが起立するようにしている。
【0066】
第一押上アーム90aの第一押上ローラ95aと第二押上アーム90bの第二押上ローラ95bは、収容容器83の重心位置を左右に挟んで底部に作用し、第二押上ローラ95bの上昇高さは第一押上ローラ95aの上昇高さよりも低くして収容容器83を傾斜姿勢以上に突き上げない。また、第一押上ローラ95aと第二押上ローラ95bは、第一引張スプリング98aと第二引張スプリング98bで収容容器置台84の受け面より下方へ引き下げて空の収容容器83を引き込む邪魔にならないようにしている。
【0067】
図17、図18には、引出補助機構Hの第三実施例を示し、収容容器置台84に足踏みペダル92で起伏する昇降枠100を枢支している。この昇降枠100には、ガイドローラ101を設けて収容容器83を引き出し易くしている。また、昇降枠100の下方アーム102にワイヤ93と引張スプリング103を連結して、昇降枠100を起伏させる。
【0068】
図13から図18の実施例で、収容容器置台84の後端部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を上下回動自在で且つ収容容器置台84に向けて下り傾斜姿勢で取り付ける。収容容器置台84の後部に予備の収容容器83を設置する予備収容容器置台85を設けたことによって、人参が満載された収容容器83が収容容器置台84から取り除かれると収容容器84が収容容器置台84に滑り落ちて設置されるので、収容容器83を手作業で設置する必要がなくなり、作業者の労力が軽減されると共に作業能率が向上する。
【0069】
さらに、前記収容容器置台84や選別搬送コンベア78や右クローラ6Rよりも機体左右他側に人参を収容した収容容器83を積載する収容容器積載台86を機体前後方向に長くかつ機体内側へ折り畳み自在に取り付ける。機体左右外側に収容容器積載台86を機体内側へ折り畳み自在に取り付けていることによって、圃場へ向かう際や圃場から帰る際には収容容器積載台86を機体内側に折り畳んで機体の左右幅をコンパクトにすることができるので、小型のトラックにも積み込みやすく、輸送性が向上する。
【0070】
そして、該収容容器積載台86の機体外側に、収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87を取り付け、該支持フレーム87の上に補助作業者が着座する補助作業座席88を取り付ける。そして、前記収容容器積載台86の後部に予備の収容容器83を設置する第2予備収容容器置台89を取り付けて、収容部Fが構成される。
【0071】
収容容器積載台86の上方を越えて且つ選別搬送コンベア78に向けて屈曲させた支持フレーム87上に補助作業座席88を設けたことによって、補助作業者は選別搬送コンベア78に近い位置で選別作業ができるので選別精度が向上すると共に、収容容器83が収容容器積載台86上を移動するのを妨げないため、作業能率が向上する。
【0072】
また、収容容器積載台86の後部に第2予備収容容器置台89を取り付けたことによって、機体に多くの収容容器83を搭載しておくことができるので、長時間連続して収穫作業を続けることができ、作業能率が向上する。
【0073】
図19と図20は、収容容器積載台86の別実施例で、収容容器積載台86を搬送ベルト112を前後方向に張設し、この搬送ベルト112の後部上方にサブ収容容器積載台109を設けている。また、収容容器積載台86の後部に凹部111を形成し、この凹部111に搬送ベルト105を張設したリフト台113を昇降シリンダ107とチェン108で昇降するようにしている。搬送ベルト105には送り突起106を設けて往復駆動で収容容器83を取り込んだり送り出したりする。
【0074】
リフト台113は、収容容器積載台86より低い位置で収容容器83を受け取りブ収容容器積載台09より高く上がって送り突起106で収容容器83をブ収容容器積載台09に送り出す。収容容器83の送り出しが終わると、送り突起106は元の位置に戻る。
【0075】
該リフト台113には二個のセンサ110aと110bを設け、両センサ110aと110bがオンすると上昇し、両センサ110aと110bがオフすると降下すると共に送り突起106がもとの位置に戻る。
【0076】
なお、ブ収容容器積載台09も搬送ベルトを設けて送り作用するようにする。
【符号の説明】
【0077】
C 収穫部
E 選別搬送部
H 引出補助機構
78 選別搬送コンベア
83 収容容器
84 収容容器置台
85 予備収容容器置台
86 収容容器積載台
90(90a,90b) 押上アーム
91 ガイドローラ
92 足踏みペダル
93 ワイヤ
95(95a,95b) 押上ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の根菜類を抜き取る収穫部(C)と該収穫部(Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部(E)に送り、該選別搬送部(E)の側部に居る補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、
前記選別搬送部(E)の選別搬送コンベア(78)の終端下部に収容容器(83)を載置する収容容器置台(84)を設け、この収容容器置台(84)の片側に収容容器積載台(86)を設けると共に他側に予備収容容器置台(85)を設け、前記収容容器置台(84)に収容容器(83)の収容容器積載台(86)側への引き出しを補助する引出補助機構(H)を設けたことを特徴とする自走式根菜類収穫機。
【請求項2】
引出補助機構(H)を収容容器(83)の底部を持上げて収容容器積載台(86)側に傾けるように先端に押上ローラ(95)を設けた押上アーム(90)と収容容器(83)の底部を受けるガイドローラ(91)で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項3】
補助作業者の下部に足踏みペダル(92)を設け、該足踏みペダル(92)と押上アーム(90)をワイヤ(93)で連結して、足踏みペダル(92)の踏み込みで押上アーム(90)を起立すべくしたことを特徴とする請求項2に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項4】
先端に押上ローラ(95a,95b)を設けた押上アーム(90a,90b)を収容容器置台(84)に複数設けたことを特徴とする請求項2或いは請求項3に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項5】
複数の押上アーム(90a,90b)は奥側から順次起立すべく足踏みペダル(92)に連結したことを特徴とする請求項4に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項6】
収容容器置台(84)の全体或いは略全体を収容容器積載台(86)に向けて傾斜可能に構成すると共に、前記収容容器(83)の底部を受けるガイドローラ(91)を設けて引出補助機構(H)を構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項1】
圃場の根菜類を抜き取る収穫部(C)と該収穫部(Cで掘り上げた根菜類を選別搬送部(E)に送り、該選別搬送部(E)の側部に居る補助作業者が根菜類を選別する自走式根菜類収穫機において、
前記選別搬送部(E)の選別搬送コンベア(78)の終端下部に収容容器(83)を載置する収容容器置台(84)を設け、この収容容器置台(84)の片側に収容容器積載台(86)を設けると共に他側に予備収容容器置台(85)を設け、前記収容容器置台(84)に収容容器(83)の収容容器積載台(86)側への引き出しを補助する引出補助機構(H)を設けたことを特徴とする自走式根菜類収穫機。
【請求項2】
引出補助機構(H)を収容容器(83)の底部を持上げて収容容器積載台(86)側に傾けるように先端に押上ローラ(95)を設けた押上アーム(90)と収容容器(83)の底部を受けるガイドローラ(91)で構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項3】
補助作業者の下部に足踏みペダル(92)を設け、該足踏みペダル(92)と押上アーム(90)をワイヤ(93)で連結して、足踏みペダル(92)の踏み込みで押上アーム(90)を起立すべくしたことを特徴とする請求項2に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項4】
先端に押上ローラ(95a,95b)を設けた押上アーム(90a,90b)を収容容器置台(84)に複数設けたことを特徴とする請求項2或いは請求項3に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項5】
複数の押上アーム(90a,90b)は奥側から順次起立すべく足踏みペダル(92)に連結したことを特徴とする請求項4に記載の自走式根菜類収穫機。
【請求項6】
収容容器置台(84)の全体或いは略全体を収容容器積載台(86)に向けて傾斜可能に構成すると共に、前記収容容器(83)の底部を受けるガイドローラ(91)を設けて引出補助機構(H)を構成したことを特徴とする請求項1に記載の自走式根菜類収穫機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−157268(P2012−157268A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18431(P2011−18431)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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