芝刈機
【課題】1つの操作で芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整する。
【解決手段】操作摘み部25を回転操作して回転体24を回転すると雄ねじ部26に雌ねじ部27aを螺合した上下移動体27が上下方向に移動する。この上下移動体27の上下移動に連動してクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動しながら隙間29内を前後方向に移動する。この中間軸部31aの動きはクランク軸31のフレーム14の軸受け部を中心にした回転運動であり、このため、クランク軸31はフレーム14の軸受け部を中心に回動する。クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、車輪取付け板32の他端部が回転中心となった車輪1aがクランク軸31の端部を回転中心として回動することで、芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置が調整される。
【解決手段】操作摘み部25を回転操作して回転体24を回転すると雄ねじ部26に雌ねじ部27aを螺合した上下移動体27が上下方向に移動する。この上下移動体27の上下移動に連動してクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動しながら隙間29内を前後方向に移動する。この中間軸部31aの動きはクランク軸31のフレーム14の軸受け部を中心にした回転運動であり、このため、クランク軸31はフレーム14の軸受け部を中心に回動する。クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、車輪取付け板32の他端部が回転中心となった車輪1aがクランク軸31の端部を回転中心として回動することで、芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置が調整される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝刈り高さを調整できる芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芝刈機本体への車輪の取付け位置を調整して、芝刈機本体の芝刈り高さを調整するものが従来から特許文献1により知られている。
【0003】
この特許文献1に示された従来例にあっては、調整ノブを回転して挟持によるロックを解除し、その後、調整ノブを縦溝に沿って移動して芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整し、その後、調整ノブを回転してロックをするという3段階の操作により、無段階で芝刈機本体に対する車輪の高さ位置調整を行って接地面からの芝刈刃の高さ調整、つまり、芝刈り高さ調整を行うようになっている。
【0004】
ところがこの特許文献1に示された従来例においては、芝刈り高さ調整を行うには、調整ノブの回転によるロック解除操作→調整ノブを縦溝に沿って移動する操作→調整ノブの回転によるロック操作の3操作が必要であり、操作が面倒であるという問題があった。また、無段階で調整できる上記従来例にあっては、調整ノブの縦溝に沿った移動で刈込み高さが急激に変化し、微妙な高さ調整がし難いという問題がある。
【0005】
一方、回転操作という1操作のみで無段階で芝刈り高さ調整を行うものが特許文献2により知られている。この特許文献2に示された従来例にあっては、芝刈機本体に回転体を回転自在に取付け、接地面に接地するための皿状をした底板から上方に突出した刈り高さ調整ねじの上端部に設けた雌ねじ部を上記回転体の下部に設けた雄ねじ部に螺合し、回転体の上部の芝刈機本体の上面に突出した操作用摘み部を手で摘んで回転操作することで、底板を回転しながら上下移動し、これにより芝刈高さを調整するようにしている。
【0006】
この特許文献2に示された従来例にあっては、操作用摘み部の回転操作のみで無段階で芝刈高さを調整できるが、接地面に皿状をした底板を接地させ、この底板を上下して刈り高さ調整を行うもので、芝刈時に底板を接地させた状態で芝刈機を移動させて芝刈を行わねばならず、車輪だけが接地して移動するものに比べて抵抗が大きくて芝刈時のスムーズな移動がし難いという問題がある。
【0007】
上記のように無段階で芝刈り高さを調整するものは知られているが、回転操作という簡単な1操作のみで芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整するものは今だ提案されていないのが現状である。
【特許文献1】特開平11−103634号公報
【特許文献2】特開2004−159621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、1つの操作で芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整できる芝刈機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る芝刈機は、芝刈刃2を備えた芝刈機本体3に中間部がコ字状に突曲したクランク軸31の両端部を回転自在に取付け、該クランク軸31の両端部にそれぞれ車輪取付け板32の一端部を固定し、該車輪取付け板32の他端部に車輪1aの中心に設けた回転軸33を回転自在に取付け、芝刈機本体3に回転体24を回転自在で且つ上下方向に移動しないように取付け、該回転体24の上部の芝刈機本体3の上面側に露出した部分に操作用摘み部25を設け、回転体24の下部に上下移動体27を回転はしないが上下方向に移動自在に螺合し、上下移動体27の下端部に前後方向に長くなった隙間29を形成し、該隙間29に上記クランク軸31の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部31aを前後方向に移動自在に挿入して成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、操作用摘み部25を回転操作するのみで、回転体24が回転し、回転体24の回転により回転体24に螺合した上下移動体27が回転はしないが上下方向に移動し、上下移動体27の上下移動によりクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動すると共に隙間29内を前後方向に移動し、中間軸部31aの上下方向及び前後方向の移動によりクランク軸31が芝刈機本体3への軸支部分を中心に回動し、クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、この車輪取付け板32の回動により車輪1aの中心に設けた回転軸33がその高さ位置を変えながら回動することで芝刈機本体3に対する車輪1aの高さ位置が無段階で調整される。このように操作用摘み部25の回転操作という1操作で芝刈機本体3に設けた芝刈刃2の芝刈り高さが無段階で調整でき、また、操作用摘み部25の回転操作で調整するので、調整時に芝刈り高さが急激な変化するおそれがなく、微妙な高さ調整が容易に行えることになる。
【0011】
また、回転体24の下部と上下移動体27とが多条ねじによる螺合となっていることが好ましい。
【0012】
このような構成とすることで、多条ねじの少ない回転角度で、車輪高さの大きな調整寸法が得られ、また、多条ねじの回転操作のみで無段階で芝刈刃2の高さ調整ができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整するに当たって、操作用摘み部の回転操作のみで調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
芝刈機6は、図1乃至図4に示すように、走行用輪体1と芝刈刃2を備えた芝刈機本体3にハンドル4を回動自在に設けると共に集草かご5を着脱自在に取付けて構成してある。
【0016】
芝刈機本体3は内部にフレーム14が設けてあり、このフレーム14に走行用輪体1が取付けてある。走行用輪体1としては前の走行用輪体1となる車輪1aと、後の走行用輪体1となるローラ1bとがあり、車輪1aはローラ1bよりも大径であって芝刈機本体3の前部の両側部に設けてある。ローラ1bは芝刈機本体3の後部に設けてある。
【0017】
芝刈刃2はフレーム14に回転自在に取付けられたリール刃2aと、フレーム14に固定された固定刃2bとで構成してある。
【0018】
フレーム14にはモータ16が固定してあり、モータ16に固定した小プーリ17と、フレーム14に回転自在に取付けた中間プーリ18とにベルト19が掛け回してあり、更に、中間プーリ18とリール刃2aの端部に固定した大プーリ20とにベルト21が掛け回してあり、モータ16の回転を小プーリ17、ベルト19、中間プーリ18、大プーリ20を介してリール刃2aに伝達して回転するようになっている。
【0019】
芝刈機本体3の前部には図3に示すように上下に開口する上部又は全体が筒状をした挿入部22が設けてあり、この挿入部22の上端開口部に軸支部23が設けてあり、回転体24の下部を上記挿入部22内に挿入して上記軸支部23に回転自在に軸支してある。回転体24の上部は挿入部22の上端開口部より芝刈機本体3の前部上面側に突出している。回転体24の上部は手で掴んで回転操作するための操作摘み部25となっており、下部は外周に雄ねじを刻設した雄ねじ部26となっており、操作摘み部25の下面部と雄ねじ部26の上面部とで軸支部23を回転自在に上下方向から挟持することで回転体24が上記軸支部23に回転自在に軸支してある。挿入部22内の下部には内周に雌ねじ部27aを設けた筒状をした上下移動体27が挿入部22に対して回転はできないが上下移動はできるように挿入してあって、雌ねじ部27aが回転体24の雄ねじ部26に螺合してある。
【0020】
図3、図8に示すように、上下移動体27の下面側には前後方向に隙間29を介して対向する二対のリブ28が下方に向けて垂設してあり、二対のリブ28の下面間に架け渡すように下プレート30をねじにより固定してある。
【0021】
図4、図8に示すように、フレーム14には芝刈機本体3の前部の左右に位置するフレーム14に設けた軸受け部となる孔に中間部がコ字状に突曲したクランク軸31の両端部を回転自在に嵌挿してあり、該クランク軸31の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部31aが上記上下移動体27の隙間29に隙間29内で上下方向には移動しないが回転自在且つ前後方向に移動自在に挿入してある。
【0022】
図2、図8に示すように、上記クランク軸31の両端部にはそれぞれ車輪取付け板32の一端部が固定してあり、該車輪取付け板32の他端部に車輪1aの中心に設けた回転軸33が回転自在に取付けある。
【0023】
ここで操作摘み部25を回転操作して回転体24を回転すると雄ねじ部26に雌ねじ部27aを螺合した上下移動体27が上下方向に移動する。この上下移動体27の上下移動に連動してクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動しながら隙間29内を前後方向に移動する。この中間軸部31aの動きはクランク軸31のフレーム14の軸受け部を中心にした回転運動であり、このため、クランク軸31はフレーム14の軸受け部を中心に回動する。クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、車輪取付け板32の他端部が回転中心となった車輪1aがクランク軸31の端部を回転中心として回動することで、芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置が調整されることになる。
【0024】
つまり、本発明においては、操作摘み部25を手で摘んで回転操作するという1操作のみで芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置を無段階で調整し、この芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置の無段階の調整により、車輪1aを接地面15に接地した際における芝刈機本体3の下面側に設けた芝刈刃2の高さ位置を無段階で調整できて芝刈り高さの無段階の調整ができるのである。
【0025】
上記、雄ねじ部26、雌ねじ部27aはいずれも多条ねじ(つまり多条雄ねじ部26、多条雌ねじ部27a)となっており、このように多条ねじによる螺合であるため、操作摘み部25を回転操作する場合、多条ねじの少ない回転角度で、車輪高さの大きな調整寸法が得られ、また、多条ねじの回転操作のみで無段階で芝刈刃2の高さ調整ができていっそう芝刈り高さの調整が簡単且つ素早く行える。
【0026】
車輪1a、リール刃2a、ローラ1bはいずれも外周部の一部が芝刈機本体3の下開口部34より下方に突出している。リール刃2aの外周下端は車輪1aの外周下端とローラ1bの外周下端とを結ぶ線よりもやや上に位置しており、この条件を満たしながら車輪1aを上記のように上下高さ調整を行うことで、リール刃2aの接地面15からの高さ、つまり芝の刈り高さを調整するようになっている。
【0027】
図2に示すように、芝刈機本体3の後部の上部にはハンドル4の下端部が回動自在に取付けてある。ハンドル4は、図1に示すように、棒状をした一対のアーム部35の上端を上横バー部36により連結し、更に、上横バー部36の両端部上面部にコ字状をしたグリップ部37の両端部を連結部37aで連結し、グリップ部37にはグリップ部37に対して上下方向に移動自在にスイッチハンドル39を重ねて取付け、更に、一対のアーム部35の上部間(上横バー部36よりもやや下方位置)にハンドルステー38を架設して構成してある。上記スイッチハンドル39はモータ16をオン、オフするためのスイッチ(図示せず)を操作するための部材である。
【0028】
ハンドル4の一対のアーム部35の下端には軸部40が設けてあり、芝刈機本体3の後部の両側上部に設けた軸受け部41に上記一対のアーム部35の下端の軸部40を回動自在に取付けてある。
【0029】
芝刈機本体3の後面に図5に示すように芝刈刃2で刈った芝を排出するための排出開口部12を設けてある。芝刈機本体3の後面には前面側が開口した集草かご5が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0030】
芝刈機本体3の上面部の後端縁には図1、図3、図5、図6に示すように上方に向けて立ち上がり壁47が突設してあり、この立ち上がり壁47は芝刈機本体3の左右方向の中間部において切欠き部48が形成してあり、立ち上がり壁47の前面の左右方向の複数箇所に集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で下方にガイドするための上下方向に長い線状をしたガイド突条47aが突設してある。
【0031】
また、芝刈機本体3の上面部の左右方向の中間部の上記立ち上がり壁47よりも少し前位置に切欠き部48の左右巾よりも巾広の突部49が上方に向けて突設してある。上記切欠き部48と対向する突部49の後面との間に挿入孔50が形成してある。ここで突部49の後部中央には挿入孔50の上開口の前半部に上下方向に連通する上下及び後方に開口した凹所50aとなっており、凹所50aの両側及び前内面はそれぞれ上方に行くほど外側となるように傾斜した傾斜面よりなる誘い込み部45となっている。
【0032】
芝刈機本体3の内部の後上部には図7に示すようにスイッチ60が設けてあり、スイッチ60の左右方向の側部にはスイッチ60をオン、オフさせる操作釦61が前後方向にスライド自在に設けてある。操作釦61の後端が上記挿入孔50内に突出するようにばね62によりばね力が付与してある。
【0033】
図10(b)に示すように、操作釦61の後端の挿入孔50への突出位置は上記切欠き部48よりも下方に位置していて、切欠き部48から指を入れても操作釦61を操作できないようになっている。しかも、スイッチ60は挿入孔50に直接面していないので、挿入孔50からごみ等の異物がスイッチ60に侵入し難いようになっている。
【0034】
上記スイッチ60はスイッチハンドル39によりオン、オフ操作されるモータ16の電源回路の途中に設けてあって、スイッチ60がオフの場合は電源回路に給電されず、スイッチハンドル39を操作してもモータ16が駆動できないようになっており、一方、スイッチ60がオンの場合は電源回路に給電され、スイッチハンドル39を操作することでモータ16を駆動できるようになっている。
【0035】
集草かご5は図1、図11に示すようにかご枠52に変形性を有する袋65を取付けて構成してある。かご枠52は線材により形成してあり、矩形状をした上枠部54の前端部の両端部から下方に向けて側枠部55を突出し、両側枠部55の下端から前方に向けて略コ字状をした下枠部56を突出して構成してある。上枠部54の前枠部54aの左右方向の中央部には把手57が取付けてあり、把手57に下方に向けて突出部58aが突設してあり、この突出部58aは前枠部54aよりも下方に突出している。かご枠52に袋65を取付けるには、前方が開口した袋65の上面を矩形状の上枠部54に取付け、更に、袋65の前開口部13の左右の側縁部、下縁部をそれぞれ左右の側枠部55、下枠部56にそれぞれ取付けてある。したがって、袋65の後面、側面、下面は一部しかかご枠52に取付けてないので、上枠部54が上となるような姿勢では自重で垂れ下がるため袋を広げた状態となるが、外力を加えて袋65の後面、側面、下面をかご枠52側に重ねるように折り畳むことができるようになってなっている。
【0036】
図2、図3に示すように、芝刈機本体3の後部に集草かご5を着脱自在に取付けた状態で、ハンドル4のグリップ部37を手で掴んで押しながら芝刈機6を移動させると共にスイッチハンドル39を操作してモータ16を駆動して芝刈刃2により芝刈りを行い、芝刈刃2で刈り取った芝は排出開口部12から集草かご5内に溜められるようになっている。
【0037】
ここで、使用時に芝刈機本体3の後部に集草かご5を着脱自在に取付けるには、集草かご5の突出部58aを挿入孔50に上方より挿入係止すると共に前枠部54aを立ち上がり壁47と突部49との間に嵌め込んで係止し、更に、左右の側枠部55を芝刈機本体3の後面の左右両端部の受け部51に嵌め込んで係止することで、排出開口部12に前開口部13を連通させるように集草かご5を取付ける。突出部58aを挿入孔50に上方から挿入係止するに当たっては、突出部58aの下端部を突部49の後部中央に設けた凹所50aに挿入して誘い込み部45をガイドとして突出部58aを挿入孔50に上方から挿入することができる。この場合、突出部58aを凹所50aに上方から直接差し込んでもよいが、立ち上がり壁47の突部49の後面部に対向する位置に切欠き部48が設けてあるので、図9の矢印に示すように突出部58aを上記切欠き部48から前方に差しこむようにして突出部58aを凹所50aに挿入し、この状態で下方に落とし込むようにすることで、上記誘い込み部45にガイドされて挿入孔50により一層スムーズに挿入することができる。
【0038】
上記のようにして集草かご5に設けた前枠部54a、左右両側枠部55、突出部58aよりなる被支持部59を、芝刈機本体3に設けた挿入孔50、立ち上がり壁47、突部49、受け部51等よりなる支持部7に着脱自在に取付けるのであるが、突部49が挿入孔50に挿入されると図3、図10(a)に示すように操作釦61が押され、スイッチ60がオンになって、集草かご5の芝刈機本体3への取付けが検知され、このようにスイッチ60がオンになることで集草かご5の取付けが検知された場合にスイッチハンドル39を操作してモータ16が駆動できる状態となっている。したがって、芝刈機本体3から集草かご5を取外した状態や、支持部7に被支持部59を正しく取付けていない状態(芝刈機本体3に集草かご5を正しく取付けてない状態)では、スイッチハンドル39を操作してもモータ16を駆動できないようになっていて、安全性を確保している。
【0039】
ところで、上記のように集草かご5の突出部58aを挿入孔50に上方より挿入係止すると共に前枠部54aを立ち上がり壁47と突部49との間に嵌め込んで係止し、更に、左右の側枠部55を芝刈機本体3の後面の左右両端部の受け部51に嵌め込んで係止することで、集草かご5を上方からの差し込みにより芝刈機本体3に取付けるのであるが、立ち上がり壁47の前面の上下方向の途中に集草かご5の左右に長い前枠部54aが係止されたまま非正規取付け状態で取付けられる場合がる。これは、立ち上がり壁47の前面に沿って集草かご5の左右に長い前枠部54aを落とし込む際に、前枠部54aが左右に長いため、立ち上がり壁47の前面との摩擦抵抗が大きくて、下方への落とし込みの途中で止まってしまい、使用者にはあたかも正規の取付け状態であるかのように感じさせてしまい、そのまま、使用されるおそれがある。したがって、本発明においては、突出部58aが正規の挿入状態でないと上記のように操作釦61を押せないように構成してあり、これにより、集草かご5を正規の状態で正しく取付けてない場合は、スイッチハンドル39を操作してもモータ16を駆動できないようになっていて、安全性を確保している。
【0040】
また、本発明においては、立ち上がり壁47の前面に集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で下方にガイドするためのガイド突条47aを突設してあるので、ガイド突条47aをガイドとして集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で接触させ、途中で引っ掛かることなく自重でスムーズに正規の取付け位置まで下降させて取付けることができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の芝刈機の分解斜視図である。
【図2】同上の一部破断した側面図である。
【図3】同上の側断面図である。
【図4】同上の下面図である。
【図5】同上の集草かごを取外した状態の背面図である。
【図6】同上の集草かごを取外した状態の平面図である。
【図7】同上の要部の平断面図である。
【図8】同上の芝刈機本体の分解斜視図である。
【図9】同上の集草かごの取付けを示す斜視図である。
【図10】(a)は同上の集草かごを取付けた状態を示す要部断面図であり、(b)は集草かごを取外した状態の要部断面図である。
【図11】同上に用いる集草かごを示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1a 車輪
2 芝刈刃
3 芝刈機本体
24 回転体
25 操作用摘み部
27 上下移動体
29 隙間
31 クランク軸
31a 中間軸部
32 車輪取付け板
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝刈り高さを調整できる芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
芝刈機本体への車輪の取付け位置を調整して、芝刈機本体の芝刈り高さを調整するものが従来から特許文献1により知られている。
【0003】
この特許文献1に示された従来例にあっては、調整ノブを回転して挟持によるロックを解除し、その後、調整ノブを縦溝に沿って移動して芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整し、その後、調整ノブを回転してロックをするという3段階の操作により、無段階で芝刈機本体に対する車輪の高さ位置調整を行って接地面からの芝刈刃の高さ調整、つまり、芝刈り高さ調整を行うようになっている。
【0004】
ところがこの特許文献1に示された従来例においては、芝刈り高さ調整を行うには、調整ノブの回転によるロック解除操作→調整ノブを縦溝に沿って移動する操作→調整ノブの回転によるロック操作の3操作が必要であり、操作が面倒であるという問題があった。また、無段階で調整できる上記従来例にあっては、調整ノブの縦溝に沿った移動で刈込み高さが急激に変化し、微妙な高さ調整がし難いという問題がある。
【0005】
一方、回転操作という1操作のみで無段階で芝刈り高さ調整を行うものが特許文献2により知られている。この特許文献2に示された従来例にあっては、芝刈機本体に回転体を回転自在に取付け、接地面に接地するための皿状をした底板から上方に突出した刈り高さ調整ねじの上端部に設けた雌ねじ部を上記回転体の下部に設けた雄ねじ部に螺合し、回転体の上部の芝刈機本体の上面に突出した操作用摘み部を手で摘んで回転操作することで、底板を回転しながら上下移動し、これにより芝刈高さを調整するようにしている。
【0006】
この特許文献2に示された従来例にあっては、操作用摘み部の回転操作のみで無段階で芝刈高さを調整できるが、接地面に皿状をした底板を接地させ、この底板を上下して刈り高さ調整を行うもので、芝刈時に底板を接地させた状態で芝刈機を移動させて芝刈を行わねばならず、車輪だけが接地して移動するものに比べて抵抗が大きくて芝刈時のスムーズな移動がし難いという問題がある。
【0007】
上記のように無段階で芝刈り高さを調整するものは知られているが、回転操作という簡単な1操作のみで芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整するものは今だ提案されていないのが現状である。
【特許文献1】特開平11−103634号公報
【特許文献2】特開2004−159621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、1つの操作で芝刈機本体に対する車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整できる芝刈機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る芝刈機は、芝刈刃2を備えた芝刈機本体3に中間部がコ字状に突曲したクランク軸31の両端部を回転自在に取付け、該クランク軸31の両端部にそれぞれ車輪取付け板32の一端部を固定し、該車輪取付け板32の他端部に車輪1aの中心に設けた回転軸33を回転自在に取付け、芝刈機本体3に回転体24を回転自在で且つ上下方向に移動しないように取付け、該回転体24の上部の芝刈機本体3の上面側に露出した部分に操作用摘み部25を設け、回転体24の下部に上下移動体27を回転はしないが上下方向に移動自在に螺合し、上下移動体27の下端部に前後方向に長くなった隙間29を形成し、該隙間29に上記クランク軸31の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部31aを前後方向に移動自在に挿入して成ることを特徴とするものである。
【0010】
このような構成とすることで、操作用摘み部25を回転操作するのみで、回転体24が回転し、回転体24の回転により回転体24に螺合した上下移動体27が回転はしないが上下方向に移動し、上下移動体27の上下移動によりクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動すると共に隙間29内を前後方向に移動し、中間軸部31aの上下方向及び前後方向の移動によりクランク軸31が芝刈機本体3への軸支部分を中心に回動し、クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、この車輪取付け板32の回動により車輪1aの中心に設けた回転軸33がその高さ位置を変えながら回動することで芝刈機本体3に対する車輪1aの高さ位置が無段階で調整される。このように操作用摘み部25の回転操作という1操作で芝刈機本体3に設けた芝刈刃2の芝刈り高さが無段階で調整でき、また、操作用摘み部25の回転操作で調整するので、調整時に芝刈り高さが急激な変化するおそれがなく、微妙な高さ調整が容易に行えることになる。
【0011】
また、回転体24の下部と上下移動体27とが多条ねじによる螺合となっていることが好ましい。
【0012】
このような構成とすることで、多条ねじの少ない回転角度で、車輪高さの大きな調整寸法が得られ、また、多条ねじの回転操作のみで無段階で芝刈刃2の高さ調整ができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車輪の高さ位置を無段階で調整して芝刈り高さを無段階で調整するに当たって、操作用摘み部の回転操作のみで調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
芝刈機6は、図1乃至図4に示すように、走行用輪体1と芝刈刃2を備えた芝刈機本体3にハンドル4を回動自在に設けると共に集草かご5を着脱自在に取付けて構成してある。
【0016】
芝刈機本体3は内部にフレーム14が設けてあり、このフレーム14に走行用輪体1が取付けてある。走行用輪体1としては前の走行用輪体1となる車輪1aと、後の走行用輪体1となるローラ1bとがあり、車輪1aはローラ1bよりも大径であって芝刈機本体3の前部の両側部に設けてある。ローラ1bは芝刈機本体3の後部に設けてある。
【0017】
芝刈刃2はフレーム14に回転自在に取付けられたリール刃2aと、フレーム14に固定された固定刃2bとで構成してある。
【0018】
フレーム14にはモータ16が固定してあり、モータ16に固定した小プーリ17と、フレーム14に回転自在に取付けた中間プーリ18とにベルト19が掛け回してあり、更に、中間プーリ18とリール刃2aの端部に固定した大プーリ20とにベルト21が掛け回してあり、モータ16の回転を小プーリ17、ベルト19、中間プーリ18、大プーリ20を介してリール刃2aに伝達して回転するようになっている。
【0019】
芝刈機本体3の前部には図3に示すように上下に開口する上部又は全体が筒状をした挿入部22が設けてあり、この挿入部22の上端開口部に軸支部23が設けてあり、回転体24の下部を上記挿入部22内に挿入して上記軸支部23に回転自在に軸支してある。回転体24の上部は挿入部22の上端開口部より芝刈機本体3の前部上面側に突出している。回転体24の上部は手で掴んで回転操作するための操作摘み部25となっており、下部は外周に雄ねじを刻設した雄ねじ部26となっており、操作摘み部25の下面部と雄ねじ部26の上面部とで軸支部23を回転自在に上下方向から挟持することで回転体24が上記軸支部23に回転自在に軸支してある。挿入部22内の下部には内周に雌ねじ部27aを設けた筒状をした上下移動体27が挿入部22に対して回転はできないが上下移動はできるように挿入してあって、雌ねじ部27aが回転体24の雄ねじ部26に螺合してある。
【0020】
図3、図8に示すように、上下移動体27の下面側には前後方向に隙間29を介して対向する二対のリブ28が下方に向けて垂設してあり、二対のリブ28の下面間に架け渡すように下プレート30をねじにより固定してある。
【0021】
図4、図8に示すように、フレーム14には芝刈機本体3の前部の左右に位置するフレーム14に設けた軸受け部となる孔に中間部がコ字状に突曲したクランク軸31の両端部を回転自在に嵌挿してあり、該クランク軸31の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部31aが上記上下移動体27の隙間29に隙間29内で上下方向には移動しないが回転自在且つ前後方向に移動自在に挿入してある。
【0022】
図2、図8に示すように、上記クランク軸31の両端部にはそれぞれ車輪取付け板32の一端部が固定してあり、該車輪取付け板32の他端部に車輪1aの中心に設けた回転軸33が回転自在に取付けある。
【0023】
ここで操作摘み部25を回転操作して回転体24を回転すると雄ねじ部26に雌ねじ部27aを螺合した上下移動体27が上下方向に移動する。この上下移動体27の上下移動に連動してクランク軸31の中間軸部31aが上下方向に移動しながら隙間29内を前後方向に移動する。この中間軸部31aの動きはクランク軸31のフレーム14の軸受け部を中心にした回転運動であり、このため、クランク軸31はフレーム14の軸受け部を中心に回動する。クランク軸31の回動により車輪取付け板32が回動し、車輪取付け板32の他端部が回転中心となった車輪1aがクランク軸31の端部を回転中心として回動することで、芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置が調整されることになる。
【0024】
つまり、本発明においては、操作摘み部25を手で摘んで回転操作するという1操作のみで芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置を無段階で調整し、この芝刈機本体3に対する車輪1aの相対的な上下高さ位置の無段階の調整により、車輪1aを接地面15に接地した際における芝刈機本体3の下面側に設けた芝刈刃2の高さ位置を無段階で調整できて芝刈り高さの無段階の調整ができるのである。
【0025】
上記、雄ねじ部26、雌ねじ部27aはいずれも多条ねじ(つまり多条雄ねじ部26、多条雌ねじ部27a)となっており、このように多条ねじによる螺合であるため、操作摘み部25を回転操作する場合、多条ねじの少ない回転角度で、車輪高さの大きな調整寸法が得られ、また、多条ねじの回転操作のみで無段階で芝刈刃2の高さ調整ができていっそう芝刈り高さの調整が簡単且つ素早く行える。
【0026】
車輪1a、リール刃2a、ローラ1bはいずれも外周部の一部が芝刈機本体3の下開口部34より下方に突出している。リール刃2aの外周下端は車輪1aの外周下端とローラ1bの外周下端とを結ぶ線よりもやや上に位置しており、この条件を満たしながら車輪1aを上記のように上下高さ調整を行うことで、リール刃2aの接地面15からの高さ、つまり芝の刈り高さを調整するようになっている。
【0027】
図2に示すように、芝刈機本体3の後部の上部にはハンドル4の下端部が回動自在に取付けてある。ハンドル4は、図1に示すように、棒状をした一対のアーム部35の上端を上横バー部36により連結し、更に、上横バー部36の両端部上面部にコ字状をしたグリップ部37の両端部を連結部37aで連結し、グリップ部37にはグリップ部37に対して上下方向に移動自在にスイッチハンドル39を重ねて取付け、更に、一対のアーム部35の上部間(上横バー部36よりもやや下方位置)にハンドルステー38を架設して構成してある。上記スイッチハンドル39はモータ16をオン、オフするためのスイッチ(図示せず)を操作するための部材である。
【0028】
ハンドル4の一対のアーム部35の下端には軸部40が設けてあり、芝刈機本体3の後部の両側上部に設けた軸受け部41に上記一対のアーム部35の下端の軸部40を回動自在に取付けてある。
【0029】
芝刈機本体3の後面に図5に示すように芝刈刃2で刈った芝を排出するための排出開口部12を設けてある。芝刈機本体3の後面には前面側が開口した集草かご5が着脱自在に取付けられるようになっている。
【0030】
芝刈機本体3の上面部の後端縁には図1、図3、図5、図6に示すように上方に向けて立ち上がり壁47が突設してあり、この立ち上がり壁47は芝刈機本体3の左右方向の中間部において切欠き部48が形成してあり、立ち上がり壁47の前面の左右方向の複数箇所に集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で下方にガイドするための上下方向に長い線状をしたガイド突条47aが突設してある。
【0031】
また、芝刈機本体3の上面部の左右方向の中間部の上記立ち上がり壁47よりも少し前位置に切欠き部48の左右巾よりも巾広の突部49が上方に向けて突設してある。上記切欠き部48と対向する突部49の後面との間に挿入孔50が形成してある。ここで突部49の後部中央には挿入孔50の上開口の前半部に上下方向に連通する上下及び後方に開口した凹所50aとなっており、凹所50aの両側及び前内面はそれぞれ上方に行くほど外側となるように傾斜した傾斜面よりなる誘い込み部45となっている。
【0032】
芝刈機本体3の内部の後上部には図7に示すようにスイッチ60が設けてあり、スイッチ60の左右方向の側部にはスイッチ60をオン、オフさせる操作釦61が前後方向にスライド自在に設けてある。操作釦61の後端が上記挿入孔50内に突出するようにばね62によりばね力が付与してある。
【0033】
図10(b)に示すように、操作釦61の後端の挿入孔50への突出位置は上記切欠き部48よりも下方に位置していて、切欠き部48から指を入れても操作釦61を操作できないようになっている。しかも、スイッチ60は挿入孔50に直接面していないので、挿入孔50からごみ等の異物がスイッチ60に侵入し難いようになっている。
【0034】
上記スイッチ60はスイッチハンドル39によりオン、オフ操作されるモータ16の電源回路の途中に設けてあって、スイッチ60がオフの場合は電源回路に給電されず、スイッチハンドル39を操作してもモータ16が駆動できないようになっており、一方、スイッチ60がオンの場合は電源回路に給電され、スイッチハンドル39を操作することでモータ16を駆動できるようになっている。
【0035】
集草かご5は図1、図11に示すようにかご枠52に変形性を有する袋65を取付けて構成してある。かご枠52は線材により形成してあり、矩形状をした上枠部54の前端部の両端部から下方に向けて側枠部55を突出し、両側枠部55の下端から前方に向けて略コ字状をした下枠部56を突出して構成してある。上枠部54の前枠部54aの左右方向の中央部には把手57が取付けてあり、把手57に下方に向けて突出部58aが突設してあり、この突出部58aは前枠部54aよりも下方に突出している。かご枠52に袋65を取付けるには、前方が開口した袋65の上面を矩形状の上枠部54に取付け、更に、袋65の前開口部13の左右の側縁部、下縁部をそれぞれ左右の側枠部55、下枠部56にそれぞれ取付けてある。したがって、袋65の後面、側面、下面は一部しかかご枠52に取付けてないので、上枠部54が上となるような姿勢では自重で垂れ下がるため袋を広げた状態となるが、外力を加えて袋65の後面、側面、下面をかご枠52側に重ねるように折り畳むことができるようになってなっている。
【0036】
図2、図3に示すように、芝刈機本体3の後部に集草かご5を着脱自在に取付けた状態で、ハンドル4のグリップ部37を手で掴んで押しながら芝刈機6を移動させると共にスイッチハンドル39を操作してモータ16を駆動して芝刈刃2により芝刈りを行い、芝刈刃2で刈り取った芝は排出開口部12から集草かご5内に溜められるようになっている。
【0037】
ここで、使用時に芝刈機本体3の後部に集草かご5を着脱自在に取付けるには、集草かご5の突出部58aを挿入孔50に上方より挿入係止すると共に前枠部54aを立ち上がり壁47と突部49との間に嵌め込んで係止し、更に、左右の側枠部55を芝刈機本体3の後面の左右両端部の受け部51に嵌め込んで係止することで、排出開口部12に前開口部13を連通させるように集草かご5を取付ける。突出部58aを挿入孔50に上方から挿入係止するに当たっては、突出部58aの下端部を突部49の後部中央に設けた凹所50aに挿入して誘い込み部45をガイドとして突出部58aを挿入孔50に上方から挿入することができる。この場合、突出部58aを凹所50aに上方から直接差し込んでもよいが、立ち上がり壁47の突部49の後面部に対向する位置に切欠き部48が設けてあるので、図9の矢印に示すように突出部58aを上記切欠き部48から前方に差しこむようにして突出部58aを凹所50aに挿入し、この状態で下方に落とし込むようにすることで、上記誘い込み部45にガイドされて挿入孔50により一層スムーズに挿入することができる。
【0038】
上記のようにして集草かご5に設けた前枠部54a、左右両側枠部55、突出部58aよりなる被支持部59を、芝刈機本体3に設けた挿入孔50、立ち上がり壁47、突部49、受け部51等よりなる支持部7に着脱自在に取付けるのであるが、突部49が挿入孔50に挿入されると図3、図10(a)に示すように操作釦61が押され、スイッチ60がオンになって、集草かご5の芝刈機本体3への取付けが検知され、このようにスイッチ60がオンになることで集草かご5の取付けが検知された場合にスイッチハンドル39を操作してモータ16が駆動できる状態となっている。したがって、芝刈機本体3から集草かご5を取外した状態や、支持部7に被支持部59を正しく取付けていない状態(芝刈機本体3に集草かご5を正しく取付けてない状態)では、スイッチハンドル39を操作してもモータ16を駆動できないようになっていて、安全性を確保している。
【0039】
ところで、上記のように集草かご5の突出部58aを挿入孔50に上方より挿入係止すると共に前枠部54aを立ち上がり壁47と突部49との間に嵌め込んで係止し、更に、左右の側枠部55を芝刈機本体3の後面の左右両端部の受け部51に嵌め込んで係止することで、集草かご5を上方からの差し込みにより芝刈機本体3に取付けるのであるが、立ち上がり壁47の前面の上下方向の途中に集草かご5の左右に長い前枠部54aが係止されたまま非正規取付け状態で取付けられる場合がる。これは、立ち上がり壁47の前面に沿って集草かご5の左右に長い前枠部54aを落とし込む際に、前枠部54aが左右に長いため、立ち上がり壁47の前面との摩擦抵抗が大きくて、下方への落とし込みの途中で止まってしまい、使用者にはあたかも正規の取付け状態であるかのように感じさせてしまい、そのまま、使用されるおそれがある。したがって、本発明においては、突出部58aが正規の挿入状態でないと上記のように操作釦61を押せないように構成してあり、これにより、集草かご5を正規の状態で正しく取付けてない場合は、スイッチハンドル39を操作してもモータ16を駆動できないようになっていて、安全性を確保している。
【0040】
また、本発明においては、立ち上がり壁47の前面に集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で下方にガイドするためのガイド突条47aを突設してあるので、ガイド突条47aをガイドとして集草かご5の前開口部13の上縁部を上下方向の線接触で接触させ、途中で引っ掛かることなく自重でスムーズに正規の取付け位置まで下降させて取付けることができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の芝刈機の分解斜視図である。
【図2】同上の一部破断した側面図である。
【図3】同上の側断面図である。
【図4】同上の下面図である。
【図5】同上の集草かごを取外した状態の背面図である。
【図6】同上の集草かごを取外した状態の平面図である。
【図7】同上の要部の平断面図である。
【図8】同上の芝刈機本体の分解斜視図である。
【図9】同上の集草かごの取付けを示す斜視図である。
【図10】(a)は同上の集草かごを取付けた状態を示す要部断面図であり、(b)は集草かごを取外した状態の要部断面図である。
【図11】同上に用いる集草かごを示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1a 車輪
2 芝刈刃
3 芝刈機本体
24 回転体
25 操作用摘み部
27 上下移動体
29 隙間
31 クランク軸
31a 中間軸部
32 車輪取付け板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝刈刃を備えた芝刈機本体に中間部がコ字状に突曲したクランク軸の両端部を回転自在に取付け、該クランク軸の両端部にそれぞれ車輪取付け板の一端部を固定し、該車輪取付け板の他端部に車輪の中心に設けた回転軸を回転自在に取付け、芝刈機本体に回転体を回転自在で且つ上下方向に移動しないように取付け、該回転体の上部の芝刈機本体の上面側に露出した部分に操作用摘み部を設け、回転体の下部に上下移動体を回転はしないが上下方向に移動自在に螺合し、上下移動体の下端部に前後方向に長くなった隙間を形成し、該隙間に上記クランク軸の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部を前後方向に移動自在に挿入して成ることを特徴とする芝刈機。
【請求項2】
回転体の下部と上下移動体とが多条ねじによる螺合となっていることを特徴とする請求項1記載の芝刈機。
【請求項1】
芝刈刃を備えた芝刈機本体に中間部がコ字状に突曲したクランク軸の両端部を回転自在に取付け、該クランク軸の両端部にそれぞれ車輪取付け板の一端部を固定し、該車輪取付け板の他端部に車輪の中心に設けた回転軸を回転自在に取付け、芝刈機本体に回転体を回転自在で且つ上下方向に移動しないように取付け、該回転体の上部の芝刈機本体の上面側に露出した部分に操作用摘み部を設け、回転体の下部に上下移動体を回転はしないが上下方向に移動自在に螺合し、上下移動体の下端部に前後方向に長くなった隙間を形成し、該隙間に上記クランク軸の中間部のコ字状に屈曲した先端の中間軸部を前後方向に移動自在に挿入して成ることを特徴とする芝刈機。
【請求項2】
回転体の下部と上下移動体とが多条ねじによる螺合となっていることを特徴とする請求項1記載の芝刈機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−116955(P2007−116955A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−312011(P2005−312011)
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月26日(2005.10.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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