説明

苗移植機

【課題】圃場に車輪の跡が窪みを残さないで苗の植付け姿勢を乱さないで、高速で苗移植可能な苗移植機を提供すること。
【解決手段】走行車体10の後側に苗植付装置9を設け、走行車体10の後輪12の跡の土壌を均平化する回転体45を苗移植機前進方向に対して苗植付部9の前方に設けた苗移植機であり、後輪12の跡の土壌を回転体45で砕土することで土壌面の均平化が図れるので、苗の植付姿勢や植付深さ等の植付精度を良好に維持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、畑地の移植圃場に苗を移植する畑用苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1などに記載されている畑地の移植圃場に苗を移植する苗移植機は、従来、作溝手段と苗植付け手段と覆土手段とを備え、作溝手段により移植圃場の表土に植付け用の溝を連続的に形成し、そして、苗植付け手段によって苗を植付け用の溝の中に移動し、その後、植付け用の溝を埋めるように覆土して苗を圃場に植付けていく機構を備えている。
【特許文献1】特開2002−17118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の苗移植機は、移植機の前進方向に向かって左右方向の狭い間隔に多数条の苗を植付ける構成であるため、車輪の跡が窪みとして圃場に残っていると苗の植付精度が良くないことがある。
そこで、本発明は、圃場に車輪の跡が窪みを残さないで苗の植付け姿勢を乱さないで、高速で苗移植可能な苗移植機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記本発明の課題は、次の解決手段で解決される。
請求項1記載の発明は、走行体(11,12)を有する走行車体(10)の後側に苗植付部(9)を設けた苗移植機(8)において、走行車体(10)の走行体(12)の跡の土壌を砕土する砕土装置(41)を苗移植機前進方向に対して苗植付部(9)の前方に設けた苗移植機である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、走行体(12)の跡の土壌を砕土する砕土装置(41)を苗植付部(9)の前方に設けたため、前記走行跡を砕土し、土壌面の均平化が図れるので、苗の植付姿勢や植付深さ等の植付精度を良好に維持できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
この発明の一実施例としての玉ねぎの苗の苗移植機8を以下に説明する。
苗移植機8は、図1の左側面図、図2の平面図、及び、図3の苗移植機後半部の左側面図に示すように、移植装置9を走行車体10に装着した構成として、該走行車体10により自走しながら移植装置9が圃場に苗を移植していくようになっている。
なお、本明細書では苗移植機8の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進側を前、後進側を後ろと言うことにする。
【0007】
走行車体10は、いわゆる農用トラクタといわれるもので、左右一対の駆動回転する前輪11,11と左右一対の駆動回転する後輪12,12を備え、操縦者が座る座席13と、該座席13の前方に配置されて操縦者が走行車体10の進行方向を変更操作するために左右一対の前輪11,11を左右に変向操作する操縦ハンドル14を備えている。エンジン2の動力は伝動ベルト3を介して油圧ポンプ4に伝達され、油圧ポンプ4からの圧油が送られて後述する砕土装置41が駆動される。走行車体10の後部に昇降シリンダ15により上下回動する一対のリンク16a,16bを備え、該リンク16a,16bにより移植装置9を昇降動可能に装着している。
【0008】
移植装置9にはPTO軸43から移植装置9の伝動軸42を介してエンジン動力が伝達される(図3)。また、移植装置9は、苗箱Cを収容して搬送する苗箱供給手段17と該苗箱供給手段17が供給する苗箱Cの各セル1(図5)から順次苗Nを取出す苗取出し手段PU(図5)と該苗取出し手段PUが取出した苗Nを一つ一つ圃場に植付けていく苗植付け手段PT(図1、図3参照)を設けた構成としている。したがって、上記のごとく各セル1で育成した苗Nを有する苗箱Cを苗箱供給手段17に装填すれば、苗箱Cの各セル1の苗Nは苗取出し手段PUによって順次自動的に苗Nが取出されていって、そして、その取出された苗Nは苗植付け手段PTによって一つ一つ畑圃場に植付けられていく。
【0009】
なお、苗箱供給手段17に収容して搬送する苗箱C内には、玉ねぎの苗を入れた小さなポット状のセル1を多数縦横に整列してあり、この苗箱Cは、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体的に成型した可とう性のものである。このため、苗箱Cを苗箱供給手段17で移送するとき、該苗箱供給手段17の屈曲部でも曲がりながら移送可能となる。
【0010】
移植装置9は、具体的には、以下のような構成から成る。
苗箱供給手段17は、具体的には、機体側面視で走行車体10の座席13の後側近傍に配置され、走行車体10に搭乗した作業者が苗箱Cを装填する個所となる苗箱装填部17aと、該苗箱装填部17aに装填された苗箱Cを後下がりに搬送し、続いて屈曲搬送し、更に、図5の苗箱供給手段17の下半分の側面図に示すように、苗取出し手段PUによる苗取出し位置p1に向けて下方に搬送する苗箱供給搬送部17bと、該苗箱供給搬送部17bにより搬送され苗取出し手段PUにより苗が取出されて空になった苗箱CをU字状に屈曲搬送し、更に苗箱装填部17aの下方位置に向けて上方に搬送する空箱搬送部17cを設けた構成としている。
【0011】
苗箱装填部17aに装填される苗箱Cは、その苗箱Cの長手方向が前後方向に向く姿勢で、しかも、上面側(セル1の開口部)が上方に向く姿勢で装填される。したがって、装填された苗箱Cはその苗箱Cの長手方向に搬送されるものとなり、また、装填された苗箱Cの各セル1に収容された苗Nは、苗箱装填部17aでは葉茎部Nbが上方に向って伸びる姿勢となり、苗取出し位置p1では葉茎部Nbが後方に向って伸び且つ床部Naが葉茎部Nbに対して前側に位置する姿勢となるように搬送される。
また、苗箱供給手段17には、空箱搬送部17cにより搬送されて、その搬送端部から排出される空の苗箱Cを受けて収容する空箱収容部17d(図1)を設けたものとしている。
【0012】
苗箱供給手段17は支持フレーム18に支持され、該支持フレーム18は、その基部が植付部伝動ケース19に支持され、該植付部伝動ケース19には連結部材21が連結されている。該連結部材21は走行車体10に苗植付装置9を昇降自在に支持する単一の上リンク16aと一対の下リンク16bからなる3点リンク機構の苗植付装置9側の端部を上下方向に連結する上下部材22に連結している。
【0013】
図5に示すように苗取出し手段PUは、苗をセル1の底部側から押出して取出す構成としている。具体的には、棒状に設けた苗押出し用のピン24を、苗箱供給手段17の下側のU字状搬送部分の中にあってピン24の先端部分が後方に向かうように配置し、ピン24の先端部が後方に向かって突出し又前方に向かって引っ込むよう適宜タイミングで往復動するように設けている。これにより、苗押出しピン24が、苗取出し位置p1まで供給された苗箱Cのセル1の底部側からその底部に設けた底孔内に突入してセル1内の床部Naを後方に押し出して、苗Nをセル1から後方に取出すようになっている。
【0014】
また、この苗取出し手段PUは、苗Nを列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す構成としている。即ち、苗取出し位置p1に供給されてきた苗箱Cの左右横一列(苗箱Cの短手方向)のセル1・・・のそれぞれに対応して前記の苗押出し用のピン24を横並びに複数設けて、苗取出し位置p1の横一列の苗を同時に押し出して取出すように設けている。なお、図5に示すように該苗取出し手段PUにより取出した複数の苗N・・・は、苗供給ベルト36と苗下降送りベルト37を有する苗供給手段NT1によって順次一つづつ苗植え付けディスク27を有する苗植付け手段PTに供給する構成とする。また、苗植え付けディスク27はPTO軸43からの駆動力が伝達される伝動軸42により駆動する植付ディスク駆動スプロケット26により回動される。
【0015】
苗植付け手段PTは、左右の植付ディスク27で苗Nを挟んで(具体的には、苗Nの葉部を挟んで)畑地の移植圃場の土中に移動し植え付けるよう構成したものである。
【0016】
苗植付け手段PTの具体的な駆動構成は以下のようになっている。
まず、エンジン2からの動力が走行車体10の後部に突出させたPTO軸43から自在継手44を備えた伝動軸42を介して移植装置9の前記連結部材21に設けた伝動機構から植付部伝動ケース19内に入力され、該伝動ケース19内の伝動機構を介して苗箱供給手段17の下部の下方近傍に配置された伝動ケース19内の機体左右方向に長い伝動軸33に伝動し、該伝動ケース19から後方に伸びるように設けた複数の苗供給手段NT1を回動させる構成である。
【0017】
複数の苗供給手段NT1から苗植付け手段PTに苗が受け渡されて、植付伝動ケース19内の伝動機構からの駆動で駆動する植付ディスク駆動スプロケット26により回転する植付ディスク27を備えた苗植付け手段PTなどによる苗の植付のための具体的な駆動構成の説明は省略する。
【0018】
図6の苗箱供給手段17の要部背面図に示すように、前記苗供給手段NT1は、具体的には、左右両端側に駆動回転するように設けた一対の駆動ローラ34,34と左右中央側に回転自在に設けた一対の従動ローラ35,35と両ローラ34,34、35,35に巻き掛けた一対の苗供給ベルト36,36とを備えた構成としている。これにより、前記苗取出し手段PUにより取出されて左右横一列に列状に並んだ状態の複数個の苗N・・・を左右に並設された左右の供給ベルト36,36の上に載せ、そして、横一列の苗N・・・の左半分を左側の供給ベルト36の駆動回転で左方に搬送し、右半分を右側の供給ベルト36の駆動回転で右方に搬送し、左右の駆動ローラ34,34の左右外側方に各々設けた左右一対の苗下降送りベルト37の上端部側(苗供給部26c,26c、但し、図6には左側苗供給部26cのみを図示する。)に、苗Nの床部Naを一つづつ供給する。
【0019】
このようにして一つづつ供給された苗Nを左右の各苗供給部26c,26cに対応してそれぞれ設けた左右の苗植付け手段PT,PTの植付ディスク27,27が、供給されてきた苗N,Nを挟んで移植圃場の土壌中に移動させて苗を植付けていく。
【0020】
なお、苗供給ベルト36の外周面の前端部側には、ベルト回転方向に設定間隔で突起36aを設けていて、該突起36aの左右間のベルト上面に苗Nの床部Naが一つづつ載せられるようになっていて、これにより苗供給ベルト36の上面に載せた苗を適確に一つづつ苗供給部26cに供給できるものとなっている。
【0021】
ところで、苗取出し手段PUにより取出した苗Nが苗供給手段NT1の苗供給ベルト36,36上に直接載るように設ける構成もあるが、この実施例では、苗供給手段NT1が苗箱供給手段17の下方に入り込むように配置し、そのように配置した苗供給手段NT1に苗取出し手段PUにより取出した苗N・・・を移送する苗移送手段NT2(図5)を設けて、苗供給手段NT1が苗箱供給手段17の後方に突出せず移植装置9の前後長が短くなるように構成している。
【0022】
上記苗移送手段NT2は、苗取出し手段PUの苗押出しピン24・・・によって押出された横一列の苗N・・・の各床部Na・・・が係合する苗係合部56a・・・を備えた苗ホルダ56を設けていて、この苗ホルダ56を駆動回動するリンク38にて前記苗取出し位置p1と苗供給ベルト36,36の上方前方側近傍の苗受け渡し位置p4(図5、図6)とを矢印Yのように往復移動させるように設けている。これにより、苗押出しピン24・・・が苗押出し作動により横一列の苗N・・・が各セル1・・・から押出されると、苗取出し位置p1に位置する苗ホルダ56の各苗係合部56a・・・に苗Nの床部Na・・・が係合して保持される。
【0023】
そして、苗ホルダ56がリンク38の回動により下方回動して前記苗受け渡し位置p4に移動する。このとき各苗係合部56a内に水平後方に軸心が向く姿勢で固定された第二の苗押出しピン39・・・の先端部が入り込んで各苗係合部56a・・・内に係合された苗Nの床部Na・・・が後方に押出されて、植付部伝動ケース19と一体のベルト支持部58に支持された苗供給ベルト36,36上に落とされるようになる。なお、第二の苗押出しピン39・・・により各苗係合部56a・・・内に係合された苗Nの床部Na・・・が後方に押出されたとき、くし状に設けた苗押し下げ部材40(図6)が下降して、該部材40が押出された各苗Nの床部Na・・・を押し下げ、迅速且つ適確に苗が苗供給ベルト36,36上に載置されるように設けている。なお、苗押し下げ部材40は、植付部伝動ケース19に支持されている。
【0024】
図3の苗移植機8の要部側面図に示すように、各苗植付け手段PTによる各苗植付け位置前方の移植圃場の表土面を均平する前鎮圧輪28が固定部材20に懸架されている。また固定部材20に懸架され、後輪12の踏み跡に案内されて移植装置9を支持する転動輪30が設けられている。さらに、上記移植装置9は一つの苗箱供給手段17に、該苗箱供給手段17に装填された苗箱Cから横一列づつ苗N・・・を取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出された苗N・・・を苗供給手段NT1に受け渡す苗受け渡し手段NT2と、該苗受け渡し手段NT2により受け渡された横一列の苗N・・・を左右に設けた苗植付け手段PT,PTに供給する苗供給手段NT1と、そして、該苗供給手段NT1により供給された苗Nを移植圃場に植付けていく左右の苗植付け手段PT,PTとを備えて一つの苗箱Cから2条植えする構成としたものであり、このように構成した移植ユニットを左右に2体設けることで、4条植えに構成でき、また、n体設けることで2×n条植えに構成できるものとなっている。
【0025】
固定部材20には前記前鎮圧輪28の後側に土ほぐし体29が設けられている。該土ほぐし体29は植付部フレーム25(図4)に支持され、該土ほぐし体29は植付ディスク27に対応した数で横一列に各植付ディスク27に対応した位置に配置されている。該土ほぐし体29でほぐされた圃場の土に苗が植付ディスク27により植え付けられる。植付ディスク27により植え付けられた各苗Nの周囲の土は覆土輪31で覆われる。なお植付ディスク27と覆土輪31は植付部フレーム25(図4)に上下回動可能に取り付けられた覆土輪・植付ディスク支持フレーム32に支持される。なお、覆土輪・植付ディスク支持フレーム32を上下動案内するプレート23が固定部材20に取り付けられている。
【0026】
本実施例の苗移植機8の走行車体10には圃場にできる後輪12で形成される凹み部の溝を砕土する砕土装置41を設けている。砕土装置41は縦軸の周りを回転する回転体45で前記溝をほぐし、溝が圃場面と略均等になるようにした、タイヤ跡を消すための装置である。回転体45は油圧ポンプ4からホース4aを経由して供給される作動油により駆動する油圧モータ46で駆動される。前記油圧ポンプ4からの動力に換えてエンジン2の動力を伝達する機械的な手段により回転体45を駆動させても良いし、独立した単独の駆動源で回転体45を駆動させても良い。
【0027】
本実施例の8条植の玉ねぎ苗の苗移植機8では後輪12の走行跡の近傍にも苗を植え付けるので、砕土装置41の回転する回転体45によりタイヤの走行跡を耕耘することにより、溝が消されると共に砕土されるので、圃場面が均平化されて苗の植付姿勢や植付深さ等の精度を良好に維持できる。
【0028】
従来、タイヤ跡の溝部はカルチ爪等の牽引装置で耕耘していたが、土塊が粗いと溝が消えないことがあったが、本実施例の砕土装置41は縦軸の周りを回転する回転体45であるので、水平方向に回転するか又は揺動する縦軸の周りを回転する回転体により圃場面を耕耘することができ、溝が消されると共に砕土される。
【0029】
また、図7(a)の砕土装置部分の平面図に示すように、回転体45の両側部に耕耘した圃場部分に土を寄せる一対の培土板47,47を設けている。この一対の培土板47,47により、図7(b)の溝部分の圃場の断面図に示すように、回転体45で耕耘した溝部分に土を寄せることができるので、地表面が沈下するのが防止される。
【0030】
もし培土板47により溝部分に土を寄せないと、溝部分を均平化しても、その部分は地面より低く、また軟らかいため、雨等により土が流され、作物が流されるおそれがある。
【0031】
なお、本実施例の培土板47は上下方向に向くその平面の角度を変更調整自在に連結部材21に取り付けている。
【0032】
また、図4(a)の本実施例の8条またぎの移植機8の要部平面図、図4(b)の背面略図に示すように、左右後輪の中間部で一対の後輪12,12の中心軸と略一致する位置の後輪ローリングフレーム48にセンター輪49を設けている。
【0033】
従来、8条またぎで苗を移植すると、全面が均一な平面となり、植付条数幅の半分(4条分の幅)で作業を行う作業機により管理作業等を行う場合、走行車体が傾斜した状態で行うことになり、良好な苗植付け作業ができなかった。しかし、後輪12の中心軸と略一致する位置にセンター輪49を設けると上記従来の欠点が解消される。
【0034】
センター輪49は、後車軸の後輪伝動ケース50に設けたブラケット51に移植装置9の昇降に連動して上下位置調節できるようにアーム54の先端部に支持され、センター輪49が走行車体10の重量により、地面を押し付けられるようになっている。また、センター輪49の揺動中心を後輪12の中心軸と略一致させると、センター輪49による溝付け作業が安定する。こうして進路変更した際に、センター輪49は後輪12と略同じように移動するので、引きずる等の障害を起こすことがない。
【0035】
前述のようにセンター輪49は移植装置9の昇降に連動して上下に回動する構成になっているが、移植装置9を昇降させる下リンク16bに支点を設け、センター輪49を上下させるスプリング52付きのロッド53の下端にセンター輪49を連結し、該ロッド53の上端を下リング16bに取り付ける(図3)。
【0036】
上記構成によると移植装置9を上昇させる場合にセンター輪49が連動して上昇するので移植装置9のメンテナンスが容易に行える。
【0037】
また、走行車体10と移植装置9の前後方向の略中間部で走行車体10の両側部の取付フレーム55にフック55aを介して空苗箱Cの外寸法と略同等またはそれより少し大きめのサイズの空苗箱収納台57を走行車体10ひいては機体12に対して着脱できるように設けた。そのため移植され、空になった苗箱Cを収納台57に落とし込むだけで、空苗箱収納台57の内部に空苗箱Cを整然と重ねることができるので、一枚ずつ重ねて別置した苗枠に運ぶ手間が省け、移植作業に集中することができる。
【0038】
また、図8の平面図に示すように、空苗箱収納台57は外方へ開く扉57aを有し、扉を開くことにより一度に空苗箱を取り出せる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、畑用苗移植機に利用可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例の苗移植機の左側面図である。
【図2】図1の苗移植機の平面図である。
【図3】図1の苗移植機の要部左側面図である。
【図4】図1の苗移植機の要部平面図(図4(a))と要部背面図(図4(b))である。
【図5】図1の苗移植機の苗供給手段の要部左側面図である。
【図6】図1の苗移植機の苗供給手段の要部背面図である。
【図7】図1の苗移植機の砕土装置部分の平面略図(図7(a))と該砕土装置を用い圃場面の均平化の様子を示す図である。
【図8】図1の苗移植機の空苗箱収納台の平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 セル 2 エンジン
3 伝動ベルト 4 油圧ポンプ
4a ホース 8 苗移植機
9 移植装置 10 走行車体
11 前輪 12 後輪
13 座席 14 操縦ハンドル
15 昇降シリンダ
16a 上リンク 16b 下リンク
17 苗箱供給手段
17a 苗箱装填部 17b 苗箱供給搬送部
17c 空箱搬送部 17d 空箱収容部
18 支持フレーム 19 植付部伝動ケース
20 固定部材 21 連結部材
22 上下部材 23 プレート
24 苗押出し用のピン 25 植付部フレーム
26 植付ディスク駆動スプロケット
26c 苗供給部
27 植付ディスク 28 前鎮圧輪
29 土ほぐし体 30 転動輪
31 覆土輪 32 覆土輪・植付ディスク支持フレーム
34 駆動ローラ 33 伝動軸
35 従動ローラ
36 苗供給ベルト 36a 突起
37 苗下降送りベルト 38 リンク
39 苗押出しピン 40 苗押し下げ部材
41 砕土装置 42 伝動軸
43 PTO軸 44 自在継手
45 回転体 46 油圧モータ
47 培土板 48 後輪ローリングフレーム
49 センター輪 50 後輪伝動ケース
51 ブラケット 52 スプリング
53 ロッド 54 アーム
55 取付フレーム 55a フック
56 苗ホルダ 56a 苗係合部
57 空苗箱収納台 57a 扉
58 ベルト支持部
C 苗箱 N 苗
PU 苗取出し手段 PT 苗植付け手段
Na 床部 Nb 葉茎部
NT1 苗供給手段 NT2 苗移送手段
p1 苗取出し位置 p4 苗受け渡し位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体(11,12)を有する走行車体(10)の後側に苗植付部(9)を設けた苗移植機(8)において、
走行車体(10)の走行体(12)の跡の土壌を砕土する砕土装置(41)を苗移植機前進方向に対して苗植付部(9)の前方に設けたことを特徴とする苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−222079(P2007−222079A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47503(P2006−47503)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】