説明

苗移植機

【課題】
機体の走行により圃場の面積を算出し、算出した面積から苗の植付作業の進捗具合、苗や施肥肥料の使用量、作業に要する時間等を算出可能な苗移植機を提供する。
【解決手段】
後輪2,2の駆動回転を検出する回転検出部材1を設け、回転検出部材1が検出する後輪2,2の回転数から走行距離を算出する走行車体3に苗植装置4を設けた苗移植機において、回転検出部材1の検出結果と、走行車体3の前側に設ける前輪5,5の操向旋回を検出する操向検出部材6の検出結果によって、各植付走行条の走行距離Bと、植付走行条の端部での折返旋回距離Cを算出し、走行距離Bと折返旋回距離Cから苗植付条面積Eを算出する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
苗植走行しながら、植付作業中の圃場における植付作業の進捗度合等を測定する作業測定装置を備えた苗移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
苗移植機に走行車輪の回転を検出する回転センサや、操向角を検出する操向センサ等を設ける技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−51280号公報(第1頁、図1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
苗移植機の苗タンクに多量のマット苗を補給しながら苗の植付作業を行う作業者は、作業時の天候やスケジュール等により、運転途中等で植付作業の進捗具合や作業終了までの時間等を把握したいことがある。
【0005】
しかしながら、圃場が正方形や長方形でない、所謂変形田である場合には面積の算出が非常に難しく、また作業条件によって苗の消耗ペースや走行速度は異なるため、正確な作業の進捗度合や作業収容までの時間等は予測し難く、作業者はストレスを覚えながら作業せねばならない問題があると共に、天候の変化等により、植付作業を中途半端なところで中断せざるを得なくなる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、後輪(2,2)の駆動回転を検出する回転検出部材(1)を設け、該回転検出部材(1)が検出する後輪(2,2)の回転数から走行距離を算出する走行車体(3)に植付装置(4)を設けた苗移植機において、前記回転検出部材(1)の検出結果と、走行車体(3)の前側に設ける前輪(5,5)の操向旋回を検出する操向検出部材(6)の検出結果によって、各植付走行条の走行距離(B)と、該植付走行条の端部での折返旋回距離(C)を算出し、該走行距離(B)と折返旋回距離(C)から苗植付条面積(E)を算出する構成としたことを特徴とする苗移植機とした。
【0007】
苗移植機を圃場に入れて植付作業を行う前に、圃場の畦際枕地を横方向に沿って走行させる。このとき、回転検出部材(1)で後輪(2,2)の植付直進開始時から植付直進終了時までの回転数を検出することにより、この圃場の横方向の植付走行距離(A)を計測することができる。
【0008】
そして、苗移植機を該横端部から圃場の縦方向に沿って走行させる。このときは、植付装置(4)を下降させて植付作業を行わせる状態とする。そして、苗移植機がこの最初の植付走行条の植付作業を行いながら植付終了部に到達すると、前記回転検出部材(1)によって、この苗植走行条の縦方向の植付走行距離(B)を測定することができる。
【0009】
従って、前記回転検出部材(1)が検出した横方向の植付走行距離(A)と、縦方向の植付走行距離(B)を苗移植機の制御装置に入力することにより、この苗移植機がこれから植付作業を行うための圃場全体の面積(AB)を算出して、運転者に報知することができる。
【0010】
苗移植機が最初の植付走行条の終端部(圃場端)に至ると、苗移植機を旋回させて隣接条に移動した後、植付装置(4)の植付開始位置を隣接条の植付終了位置に合わせて植付作業を再開する。このとき、旋回操作による前輪(5,5)の操向動作を操向検出部材(6)よって検出し、旋回移動中の後輪(2,2)の回転を回転検出部材(1)で検出することにより、圃場端の旋回距離(C)を測定することができる。
【0011】
前記縦方向の植付走行距離(B)とこの旋回距離(C)により、苗の植付作業を行いながら、一条分の植付条ごとの面積が算出されるので、苗植付条面積(E)を算出することができる。
【0012】
方形状の圃場であれば、前記単位苗植走行条の苗植付条面積(E)が検出、算出された後は、苗移植機の各苗植走行条の終端部で折返旋回操向される旋回回数(X)を、前記操向検出部材(6)の検出に基づいて算出することができ、各苗植付条面積(E)と旋回回数(X)から植付作業を行った面積を集計して、前記最初に検出して圃場の全面積に対する苗の植付作業を行った苗植付条面積(E)の比を算出することができると共に、これを運転者に報知させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、前記縦方向の植付走行距離(B)の移動に要する時間(TB)と、旋回距離(C)の移動に要する時間(TC)によって、単位植付走行条を作業走行する際に要する作業時間(T)を算出して、作業終了時間や、作業終了時刻等を予測する形態とする。
【0014】
前記のような苗移植機の植付作業により、植付作業を行う圃場の面積や、現在まで苗植を行ってきた部分の苗植付面積等を検出測定して知ることができるが、これと同時に、前記縦方向の植付走行距離(B)の移動に要した時間(TB)と、旋回距離(C)の移動に要した時間(TC)をタイマー等で検出測定することによって、単位植付走行条の作業時間(T)を算出することができ、更には、これに基づいて、植付作業終了時間や、終了時刻等を予測することができる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明は、後輪(2,2)の駆動回転を検出する回転検出部材(1)や、前輪(5,5)の操向動作を検出する操向検出部材(6)を用いた簡潔な構成で圃場及び植付作業面積等を随時に検出や算出することができるので、植付作業の進度や、終了時、残余面積等を的確に予測しながら植付作業を効率的に行うことができるので、作業者は天候の変化や作業当日のスケジュールに合わせて作業速度を変更することができるので、雨や強風等の悪天候を避けて苗の植付作業を行えるため、作業能率が向上すると共に、作業者の労力が軽減される。
【0016】
また、苗の植付作業を途中で中断せざるを得ない場合でも、作業再開時に必要となる苗の量を予測できるので、用意し過ぎた苗が無駄になることや、苗が足りず作業が途中で中断されることが防止される。
【0017】
さらに、再開後の作業にどの程度の時間を要するかを予測できるので、長時間を要するときは作業日を変更し、短時間で終わるときは悪天候の合間を縫って作業する等、作業者が作業スケジュールを柔軟に設定できるようになり、作業能率が向上すると共に、作業環境が良好な段階で作業を行える。
【0018】
特に、植付装置(4)の苗タンクに補給するための補給用マット苗量の準備や、施肥装置を使用する場合の施肥量の管理、監視等を行い易くすることができるので、苗や肥料の補充を適切なタイミングで行なえるため、苗や肥料が完全に無くなってから補充に向かうような無駄な移動工程が削減され、作業能率が向上すると共に、苗の植付が行なわれない地点や施肥が行なわれない地点が生じにくくなり、苗の生育が安定する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、単位苗植走行条の苗植付条面積(E)を算出すると共に、縦方向の植付走行距離(B)の移動に要する時間(TB)と、旋回距離(C)の移動に要する時間(TC)を測定することによって作業時間(T)を算出する構成としたことにより、作業時間の測定、算出制御を簡単化して、植付作業の進捗状況を簡明に知らせることができるので、苗や肥料の補充を適切なタイミングで行なえるため、苗や肥料が完全に無くなってから補充に向かうような無駄な移動工程が削減され、作業能率が向上すると共に、苗の植付が行なわれない地点や施肥が行なわれない地点が生じにくくなり、苗の生育が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】苗移植機の側面図
【図2】苗移植機の平面図
【図3】植付装置の部分平面図
【図4】植付装置の植付作業工程を示す圃場の平面図
【図5】植付作業面の検出制御部のブロック図
【図6】植付作業面の検出制御のフローチャート
【図7】植付作業面の作業時間の検出制御部のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1〜図7に基づく苗移植機は、乗用四輪走行形態の走行車体3の後側に、リフトシリンダ16によって昇降されるリフトリンク17を介して、センタフロート55、及びサイドフロート56や、苗タンク51、植付装置52等から構成される植付装置4を装着している。走行車体3の運転席14下のエンジンカバー15内にエンジン8を搭載し、このエンジン8から前側に配置の油圧無段変速装置18の入力軸19をベルト掛け連動している。この油圧無段変速装置18から下側のミッションケース20の連動機構を経て前記左右両側の前輪5を有する前輪軸21を連動駆動できる構成としている。又、このミッションケース20からは後輪連動軸22を介して、後輪2の後輪軸23を軸装のリヤアクスルハウジング24の連動機構を連動して、これら後輪2、又は後輪2と前輪5を伝動回転して走行する形態である。
【0022】
さらに、前記ミッションケース20の後部にはPTO軸を設けて、このPTO軸から車体3後部のリヤケース25の連動機構を連動し、このリヤケース25の連動機構から車体3後側上部に装着の施肥装置26や、前記植付装置4等を連動する。前記運転席14、及びこの前方のステアリングハンドル13を有するステアリングポスト27の左右両側部に沿ってサイドフロア28を設け、この外側部に補助苗棚枠29を配置し、植付作業ではこの補助苗棚枠29に積載しておくマット苗を取出しながら後方の苗タンク51に補給することができる。
【0023】
前記リヤアクスルハウジング24は、車体3後端部に対してセンタ軸37周りに上下揺動(ローリング)自在にして設けるアクスルケース30の左右両端部に取り付けられて、左右シーソ状に上下回動のローリング可能の形態としている。又、これらリヤアクスルハウジング24部の上下回動には、前記車体3部との間にスプリングダンパ等を設けて、これら左右の後輪2が土壌耕盤部の凹凸面を踏むことによって、リヤアクスルハウジング24を上下回動、乃至左右へローリングして、車体9後部を緩衝的に揺動できる形態とすることもできる。
【0024】
前記植付装置4は、多条植形態の苗タンク51と、この苗タンク51の後側下端部に形成される苗取口53に作用する植付装置52と、これら苗タンク51と植付装置52を取付配置する苗植伝動ケース32と、この苗植伝動ケース32等を支持して土壌面を滑走均平するセンタフロート55、サイドフロート56と等を有し、これら苗タンク51の上面に供給されるマット形態の苗を苗取口53へ繰出しながら、ダブルクランク形態に作動して側面視で楕円形状の苗植付軌跡線Dを描いて植付作動する植付装置52の苗植爪33によって、所定本数の苗を分離保持して前記各フロート55、56で均平の土壌面へ植付ける。
【0025】
また、前記フロートは苗植幅方向中央部に配置のセンタフロート55の上下動によって土壌深さを検出して、前記リフトシリンダ16を伸縮して、植付装置4を昇降制御し、苗植付深さを一定に維持するようにピッチング制御を行う形態としている。又、苗植伝動ケース32のリフトリンク17に対する連結部は、ローリング軸34の周りにローリング自在の連結形態で、植付装置4が左右へ大きく傾斜すると、この植付装置4が制御シリンダによってローリング軸34の周りに回動されて、左右のサイドフロート56の滑走接地圧を均一化して、全苗植付幅にわたる苗植深さを一定に維持するようにローリング制御の形態としている。
【0026】
上記のような植付装置4の各フロート55、56の前側に、代掻ロータであるセンタロータ35、サイドロータ36を配置して、各フロート55、56で均平する土壌面を予め代掻する。センタフロート55の前側にセンタロータ35を配置し、左右の各サイドフロート56の前側にサイドロータ36を配置する。
【0027】
該代掻ロータ35,36は、前記リヤケース25側から連動軸31を経て連動し、駆動回転することができる。又、代掻ロータ35、36は、植付装置4の前側に吊下げられて、この植付装置4と共に昇降される。又、この植付装置4には、昇降機構の操作によって、この植付装置4に対する代掻ロータ35、36の代掻位置を高さを調節できるように構成している。
【0028】
前記植付作業測定制御のコントローラ9は、入力側に、この制御を起動するための電源スイッチ7を設け、前記車体3の後輪2を連動する連動機構の後輪軸23の回転を検出する回転センサ1や、ステアリングハンドル13の操作によって操向回動される前輪5の操向角を検出する操向センサ6等を配置する。
【0029】
また、前記コントローラ9には、マイコンからなる演算装置10や、タイマー12等によって、走行距離や、植付作業の植付作業面積、作業時間等を算出する演算ソフトを有して、苗植圃場Hの横方向の辺長行程であるA辺の走行距離Aや、縦方向の辺長行程であるB辺の走行距離B、苗植付条の終端部において横側の隣接条へ折返旋回走行する旋回距離C、単位苗植付条面積E、この単位苗植付条面積Eを走行しながら植付作業を行うに要した作業時間T、前記A辺の距離を走行するためのA辺走行時間TA、B辺の距離を走行するためのB辺走行時間TB、苗植付条端で旋回して往行程から復行程に旋回走行するための旋回走行時間TC、及び、この操向旋回を行った旋回回数X等を算出乃至カウントするものである。
【0030】
また、該コントローラ9の出力側には、デジタル表示器38や、報知器11等を設けて、前記各出力値、情報、警報等を運転者に報知することができるので、作業者は苗や肥料の補充のタイミングや、残り作業時間等の情報を聞いて知ることができるため、ディスプレイ等に視線を集中させる必要が無く、作業の安全性や機体の直進性が向上する。
【0031】
これにおいて、回転センサ1を有して後輪2の駆動回転による走行距離を検出しながら走行する車体3に、多条苗植形態の植付装置4を装着して、この苗植走行条の終端部で折返旋回しながら植付作業する苗移植機において、前記後輪2の回転数を検出する回転センサ1と、前輪5の操向旋回を検出する操向センサ6の検出によって、各苗植走行条方向の走行距離Bと、折返旋回距離Cを検出して、各苗植走行条の苗植付条面積Eを算出する植付作業測定装置の構成とする。
【0032】
苗移植機を圃場に入れて苗植を行う前に、圃場の畦際枕地を横方向のA辺に沿って走行する(ステップS1)。このとき回転センサ1による検出によってこの圃場の横方向の走行距離A(A辺の長さ)を計測することができる。続いて苗移植機をこの横端部から圃場の縦方向のB辺に沿って走行させる(S2)。このときは植付装置4を下降させて植付作業を行わせる状態とする。
【0033】
そして、苗移植機がこの最初の苗植走行条の苗植作用を行いながら終端部に達すると、前記回転センサ1による検出によってこの苗植走行条の行程距離B(B辺の長さ)を測定することができる(S3)。従って、この時点で、この回転センサ1から苗移植機のコントローラへの入力によって、この苗移植機がこれから植付作業を行うための圃場全体の面積を算出して、運転者に報知することができる。
【0034】
苗移植機が最初の苗植走行条距離Bの終端部に至ると折返えして隣接条土壌面の植付作業を行う(S4)。このとき苗移植機の走行で往行程から復行程へ折返旋回する旋回操向によって、操向センサ6と回転センサ1との検出によって、横方向の旋回距離Cを測定することができる。
【0035】
このため、前記走行距離Bと、この旋回距離Cとにより、各単位苗植走行条の植付作業が行われることによって、この単位苗植走行条の苗植付条面積Eを算出することができる。
【0036】
方形状の圃場であれば、前記単位苗植走行条の苗植付条面積Eが検出、算出された後は、苗移植機の各苗植走行条の終端部で折返旋回操向される旋回回数Xを、前記操向センサ6の検出に基づいて算出することができ(S5)、これら苗植付条面積Eと旋回回数Xとによって、苗植作用を行った面積を集計して、前記最初に検出して圃場の全面積に対する苗植付作用を行った苗植付条面積Eの比を算出することができ、また、これを運転者に報知させることができる。
【0037】
植付作業を行うときは、作業者が運転席14に搭乗して運転操作しながら苗移植機を、農道40の走行から植付作業目的の圃場Hの一隅部に入る。この隅部の位置から農道40に沿う畦41際A辺の枕地を走行して、苗植付開始位置である隅部の位置に達する。ここで、苗移植機を直角の方向へ操向させて縦方向の畦42際B辺に沿わせる。
【0038】
そして苗移植機は、植付装置4を植付位置へ下降させて、各フロート55、56を接地滑走させて、植付装置4を駆動して苗植植付作業を行いながら、この隅部から奥側の畦43に向けて走行しながら植付作業を行い、縦方向の畦42際B辺に沿う所定幅(苗植付条の間隔と植付条数によって決まる単位幅)の苗植条面積Eの植付作業を行うことができる。
【0039】
苗移植機がこの縦方向の往行程の植付作業条の終端部に達する毎に、複行程の植付作業条の始端部へ折返し旋回する。この旋回距離Cは現実に後輪2の走行回転によって計測されるものであるが、前記植付装置4の全苗植条幅に基づいて、略一致した距離に、または、これよりも所定幅広い幅に決められる。
【0040】
また、このとき苗植付条数が一部の条数に少なくなれば旋回距離Cも狭くなる。このような縦方向の苗植走行と、横方向の旋回走行を繰返しながら、畦42側から、反対側の畦44側へ順次苗植走行して植付作業を進める。
【0041】
また、前記苗植走行条の走行距離Bに要する時間TBと、旋回距離Cに要する時間TCによって、単位苗植走行条を作業走行するに要する作業時間Tを算出して、作業終了時間や、作業終了時刻等を予測する形態とする。
【0042】
前記のような苗移植機の苗植走行によって植付作業を行う圃場の面積や、現在まで苗植を行ってきた部分の苗植付面積等を検出測定して知ることができるが、これと同時に、前記走行距離Bに要した時間TBと、旋回距離Cに要した時間TCをタイマー12等で検出測定することによって、単位苗植走行条の作業時間Tを算出することができ(S6)、更には、これに基づいて、植付作業終了時間や、終了時刻等を予測することができる(S7)。
【0043】
前記コントローラ9に所定の計算ソフトを設定しておくことによって、前記各測定データを得ることにより、現在の作業時点における植付作業の進頻度、苗植付面が、圃場面積に対して何%に達したか等を知ることができる。又、現在の作業能率、乃至作業走行速度で作業継続した場合に、作業完了までに何時間を要するか、又は何時頃作業終了するか等を知ることができる。又、逆に何時までに作業を完了するためには、苗移植機の走行速度を何kmに設定すればよいか等を算出して表示させることもできる。
【符号の説明】
【0044】
1 回転センサ
2 後輪
3 車体
4 植付装置
5 前輪
6 操向センサ
A 圃場の横方向辺の走行距離
B 圃場の縦方向辺(又は、苗植付条)の走行距離
C 旋回走行距離(各苗植付条の端部で折返し旋回走行する横方向の走行距離)
E 苗植付条面積
T 作業時間
TA A辺走行時間(圃場の枕地を横方向へ、A辺走行距離を走行するに要する時間)
TB B辺走行時間(圃場の縦方向辺、又は、苗植付条のB辺走行距離を走行するに要する時間)
TC 旋回走行時間(旋回走行距離を走行するに要する時間)
X 旋回回数(植付作業において行われる折返し操向旋回の回数)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後輪(2,2)の駆動回転を検出する回転検出部材(1)を設け、該回転検出部材(1)が検出する後輪(2,2)の回転数から走行距離を算出する走行車体(3)に苗植装置(4)を設けた苗移植機において、
前記回転検出部材(1)の検出結果と、走行車体(3)の前側に設ける前輪(5,5)の操向旋回を検出する操向検出部材(6)の検出結果によって、各植付走行条の走行距離(B)と、該植付走行条の端部での折返旋回距離(C)を算出し、該走行距離(B)と折返旋回距離(C)から苗植付条面積(E)を算出する構成としたことを特徴とする苗移植機。
【請求項2】
前記苗植走行条の走行距離(B)の移動に要する植付走行時間(TB)と、旋回距離(C)の移動に要する旋回走行時間(TC)を計測し、該植付走行時間(TB)と旋回走行時間(TC)から単位苗植走行条を作業走行するに要する単位作業時間(T)を算出し、作業終了までの時間(T3)等を予測する構成としたことを特徴とする請求項1記載の苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−29600(P2012−29600A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170673(P2010−170673)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】