説明

草刈機

【課題】モアデッキの回転刃によって刈り取られた草の排出能力を向上させること。
【解決手段】草刈機1は、回転刃によって草を刈り取って放出するとともに、昇降できるように車体2の下部に取り付けられるモアデッキ20と、モアデッキ20が刈り取った草を収納する集草容器41と、モアデッキ20とともに昇降し、かつモアデッキ20から放出された草を通過させる通路を有し、さらに、モアデッキ20と集草容器41との間に車体2側に曲がる曲がり部54を有する放出体50と、車体2に取り付けられ、かつ放出体50を通過した草を集草容器41まで案内する案内体70と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芝、草等の草類を刈り取る草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
草や芝を刈り取る芝刈機には、内燃機関あるいは電動機を動力発生源として、自走しながら草あるいは芝を刈り取るものがある。このような芝刈機として、回転刃を収納したモアデッキを備えたものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4311118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、モアデッキ自体の加工を容易にすること、モアデッキの排出通路から排出された草や芝の集草容器への回収を容易にすることを課題としており、モアデッキの草の排出能力を向上することについては言及されていない。このため、モアデッキの草の排出能力を向上させることについては改善の余地がある。
【0005】
また、特許文献1の技術は、モアデッキが上昇することにより草が通過する箱型断面の通路の断面積が狭くなり、モアデッキが下降すると前記通路の断面積が広くなる。このため、モアデッキの昇降によってモアデッキから集草容器への草の排出能力が変化することがある。
【0006】
本発明は、モアデッキの回転刃によって刈り取られた草の排出能力を向上させることと、モアデッキの昇降に起因する草の排出能力の変化を抑制すること、との少なくとも一方を達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、車体(2)及び前記車体(2)に取り付けられた複数の車輪(4L、4R、5L、5R)を有し、走行しながら草を刈り取るものであり、回転刃(27)によって前記草を刈り取って放出するとともに、昇降できるように前記車体(2)の下部に取り付けられるモアデッキ(20)と、前記モアデッキ(20)が刈り取った前記草を収納する集草容器(41)と、前記モアデッキ(20)とともに昇降し、かつ前記モアデッキ(20)から放出された前記草を通過させ、さらに前記モアデッキ(20)と前記集草容器(41)との間に前記車体(2)側に曲がる曲がり部(54;54a)を有する放出体(50;50a)と、前記車体(2)に取り付けられ、かつ前記放出体(50;50a)を通過した前記草を前記集草容器(41)まで案内する案内体(70)と、を含むことを特徴とする草刈機である。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記放出体(50a)は、前記モアデッキ(20)側の第1放出体(52a)と、前記第1放出体(52a)と一部が重なり合うとともに、前記第1放出体(52a)に対して回動できるように連結された前記案内体(70)側の第2放出体(53a)と、前記第2放出体(53a)が前記第1放出体(52a)側へ回動する力を前記第2放出体(53a)に付与して前記曲がり部(54a)を形成する保持体(57)と、を含むことが好ましい。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記保持体(57)は、前記第1放出体(52a)と前記第2放出体(53a)との回動軸を跨いでいることが好ましい。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記第1放出体(52a)は、平面視で前記モアデッキ(20)側よりも前記第2放出体(53a)との連結部の方が広がっており、前記第2放出体(53a)は、平面視で長方形形状であることが好ましい。
【0011】
本発明の望ましい態様として、前記放出体(50;50a)は、前記回転刃(27)が前記草に投擲力を付与することが可能な領域に前記曲がり部(54;54a)を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、モアデッキの回転刃によって刈り取られた草の排出能力を向上させることと、モアデッキの昇降に起因する草の排出能力の変化を抑制すること、との少なくとも一方を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態1に係る草刈機の側面図である
【図2】図2は、実施形態1に係る草刈機の平面図である。
【図3】図3は、モアデッキのハウジングを示す斜視図である。
【図4】図4は、ハウジングの分解図である。
【図5】図5は、ハウジングの平面図である。
【図6】図6は、モアデッキから集草容器までの経路を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施形態1に係る放出体の斜視図である。
【図8】図8は、実施形態1に係る放出体の側面図である。
【図9】図9は、実施形態1の比較例に係る放出体を用いた場合における草刈時の状態を示す模式図である。
【図10】図10は、実施形態1に係る放出体を用いた場合における草刈時の状態を示す模式図である。
【図11】図11は、回転刃と放出体の曲がり部との関係を示す模式図である。
【図12】図12は、回転刃の投擲力が及ぶ領域の説明図である。
【図13】図13は、モアデッキとともに放出体が上昇したときの状態を示す説明図である。
【図14】図14は、放出体の平面図である。
【図15】図15は、実施形態2に係る放出体の斜視図である。
【図16】図16は、モアデッキが最も低い位置にあるときにおける放出体の状態を示す説明図である。
【図17】図17は、モアデッキとともに放出体が上昇したときの状態を示す説明図である。
【図18】図18は、実施形態2に係る放出体の組み立て方の一例を示す説明図である。
【図19】図19は、案内体の底板を押し下げた状態を解除する機構の説明図である。
【図20】図20は、案内体の底板を押し下げた状態を解除する機構の説明図である。
【図21】図21は、集草ユニットに取り付ける台車の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る草刈機の側面図である。図2は、実施形態1に係る草刈機の平面図である。草刈機1は、車体2及び車体2に取り付けられた複数の車輪(前輪4L、4R及び後輪5L、5R)を有し、動力発生源が発生する動力によって走行しながら草を刈り取る作業用車両である。本実施形態において、草刈機1は、作業者が搭乗して操作しながら草あるいは芝を刈り取る乗用の草刈機である。
【0016】
本実施形態において、草刈機1は、次に説明するモアデッキ20と、集草容器41と、放出体50と、案内体70とを含む点に特徴がある。モアデッキ20は、車体2の下部(地面L側)に昇降できるように取り付けられ、図2に示す回転刃27によって草を刈り取って放出する。集草容器41は、モアデッキ20が刈り取った草を収納する。放出体50は、モアデッキ20とともに昇降し、かつモアデッキ20から放出された草を通過させる構造体であり、草が通過する通路は、モアデッキ20から集草容器41へ向かう間に、車体2側に曲がる曲がり部を有している。案内体70は、車体2に取り付けられ、かつ放出体50を通過した草を集草容器41まで案内する。これらについては、草刈機1の全体構成を説明した後により詳細に説明する。
【0017】
上述したモアデッキ20、集草容器41等の他に、草刈機1は、車体2と、車体2に搭載された動力発生源としての内燃機関(例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン)3と、車体2に取り付けられる車輪としての前輪4L、4R及び後輪5L、5Rと、を含む。前輪4L、4Rが草刈機1の操舵輪であり、後輪5L、5Rが駆動輪である。
【0018】
内燃機関3の動力は、変速装置6及びチェーンケース7に収納された動力伝達手段を介して後輪5L、5Rへ伝達される。変速装置6は、段階的に入力回転数と出力回転数との比(変速比)を変更できる方式の装置又は無段階に前記変速比を変更できる方式の装置を用いることができる。前記動力伝達手段としては、例えば、チェーン又はタイミングベルトを用いることができる。このような構造によって、内燃機関3の動力が地面Lに伝えられて、草刈機1を走行させる。このように、草刈機1は、後輪を駆動する後輪駆動方式を用いるが、草刈機1の駆動方式はこれに限定されるものではない。例えば、前輪駆動方式又は全輪駆動方式が草刈機1の駆動方式として用いられてもよい。
【0019】
草刈機1は、フロア8の右側前部に設けた前後進操作ペダル9によって前後進の操作が行われる。操舵輪である前輪4L、4Rは、草刈機1の運転者が着座する運転席10と対向し、かつ前輪4L、4R側に配置されたハンドル11を回動操作させることによって操舵される。このようにハンドル11を回転操作することにより、草刈機1の進行方向を変更することができる。
【0020】
草刈機1は、草や芝を刈り取るため、モアデッキ20を有する。モアデッキ20は、図2に示す回転刃27を有しており、回転刃27を回転させることによって草や芝を刈り取る装置である。モアデッキ20は、前輪4L、4Rと後輪5L、5Rとの間、かつ車体2の下部に配置されている。車体2の下部とは、車体2の地面L側である。モアデッキ20は、図1に示すリンク機構15F、15Rを介して車体2の下部に取り付けられる。このような構造により、モアデッキ20は、車体2の地面Lと対向する側で昇降できるようになっている。すなわち、モアデッキ20は、車体2の下側において、地面Lから遠ざかりかつ車体2に接近する動作(上昇)と、車体2から遠ざかりかつ地面Lへ接近する動作(下降)との両方が可能である。モアデッキ20は、例えば、リンク機構15F、15Rに連結されたレバーの操作、電動モータ又は油圧シリンダ等のアクチュエータによるリンク機構15F、15Rの操作によって昇降される。次に、モアデッキ20についてより詳細に説明する。
【0021】
モアデッキ20は、ハウジング21と、ハウジング21内に配置された回転刃27とを含む。図2に示すように、平面視において、ハウジング21は、略円形形状の第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとを連結した形状である。第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとは、それぞれ第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとを備えている。第1ハウジング21Lと第1回転刃27Lとは草刈機1の進行方向左側に配置され、第2ハウジング21Rと第2回転刃27Rとは草刈機1の進行方向右側に配置される。草刈機1の進行方向とは、草刈機1の直進時において、草刈機1の運転席10からハンドル11に向かう方向である。以下において、第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとを区別する必要がある場合を除き、単にハウジング21という。また、第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとを区別する必要がある場合を除き、単に回転刃27という。
【0022】
第1回転刃27Lは第1回転シャフト32Lを有し、第2回転刃27Rは第2回転シャフト32Rを有する。第1回転シャフト32Lから第1回転刃27Lに、第2回転シャフト32Rから第2回転刃27Rにそれぞれ動力が伝達され、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは回転する。第1回転シャフト32Lは第1ハウジング21Lによって回転できるように支持され、第2回転シャフト32Rは第2ハウジング21Rによって回転できるように支持される。第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rは、いずれも椀形状の構造体であり、それぞれの内部に第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとが収納される。このような構造により、第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとは、第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとに覆われる。
【0023】
第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、それぞれ回転方向に刃を有している。そして、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、回転しながら草あるいは芝等を刈り取る。回転する第1回転刃27L及び第2回転刃27Rによって刈り取られた草や芝(以下刈草という)は、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rが回転することによって運動エネルギを与えられて、後述する排出通路24L、24Rから放出(投擲)される。
【0024】
第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、回転方向後側が第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rに向かって曲げられている。また、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rが地面Lに生えた草あるいは芝を刈り取るため、これらを収納する第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rは、いずれも開口を有している。このような構造により、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rが回転すると、第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rの前記開口から空気を吸引する。吸引された空気は、刈草とともに、後述する排出通路24L、24Rから排出される。このように、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、空気を吸引して排出するブロアとしての機能も有する。
【0025】
このように、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、これらが回転することによって得られる刈草の投擲機能と、ブロアとしての吸引・排気機能とを有する。これらの機能により、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、刈草を第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rから放出体50及び案内体70に向かって放出し、集草容器41へ収納させる。
【0026】
図3は、モアデッキのハウジングを示す斜視図である。ハウジング21の回転刃27が配置される側、すなわちハウジング21の内部側には、刈草を排出するため、回転刃27の回転方向に沿って次第に隆起する排出通路24L、24Rが形成されている。排出通路24Lは第1ハウジング21Lに、排出通路24Rは第2ハウジング21Rに形成される。それぞれの排出通路24L、24Rは、第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとの間で合流して、草刈機1の進行方向とは反対側(後方)が開放された1つの排出通路24となる。
【0027】
本実施形態では、第1回転刃27Lは平面視で時計方向に回転し、第2回転刃27Rは反時計方向に回転するようになっている。このため、図3に示すように、第1ハウジング21Lは、草刈機1の進行方向側から後方側に向かって排出通路24Lが徐々に隆起し、第2ハウジング21Rも同様に、草刈機1の進行方向側から後方側に向かって排出通路24Rが徐々に隆起するようになっている。
【0028】
第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rは、それぞれ側板28Sを有する。一対の側板28S、28Sは、排出通路24L、24Rが合流した排出通路24の出口側に配置される。一対の側板28S、28Sは、底板28Bで連結される。側板28S、28Sには、両者をまたがって放出体50が配置される。放出体50と、一対の側板28S、28Sと、必要に応じて底板28Bとで囲まれる空間に、図2に示す回転刃27が刈り取った刈草が放出される。
【0029】
図3及び図2に示すように、放出体50は、ヒンジ51を介してハウジング21に取り付けられている。ヒンジ51は、排出通路24の出口において、ハウジング21と放出体50の一方の端部とを連結している。このような構造により、放出体50は、ヒンジ51を中心として回動できるようになっている。図1に示すように、放出体50とハウジング21との間には、圧縮ばね(圧縮力に対して反発力を発生するばね)26が介在している。圧縮ばね26は、放出体50に対して、車体2側に向かう力を与える。放出体50は、ヒンジ51側とは反対側の端部が案内体70に差し込まれるが、前述した圧縮ばね26の作用により、案内体70の車体2側に押し付けられる。圧縮ばね26は、放出体50の幅方向(刈草が放出体50を通過する方向と直交する方向)両側にそれぞれ設けられる。このような構造により、放出体50は、モアデッキ20とともに昇降できるようになっている。
【0030】
図4は、ハウジングの分解図である。図5は、ハウジングの平面図である。図4、図5は、ハウジング21を図1に示す地面L側から見た状態を示している。本実施形態において、ハウジング21は、第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとがそれぞれ別個に製造される。第1ハウジング21L及び第2ハウジング21Rの排出通路24L、24Rの終端部においては、内方部分Sと後方部分Tとが開放されている。第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとをそれぞれの内方部分S、Sを対向させて配置する。そして、両者の突合せ面を溶接等により接合することによって、第1ハウジング21Lと第2ハウジング21Rとが互いに連結されて、内方部分S、Sが接合された箇所に1つの排出通路24が形成される。
【0031】
排出通路24の後方部分Tには、図1に示す車体2側を開放した状態で、一対の側板28S、28Sが後方へ延設するように取り付けられる。また、図3、図5に示すように、一対の側板28S、28Sの車体2側には、放出体50が設けられる。一対の側板28S、28Sと、放出体50とで囲まれる空間DAは、モアデッキ20から放出された刈草を通過させる。このように、一対の側板28S、28Sと、放出体50とで、刈草を通過させるダクト部が形成される。なお、本実施形態において、ダクト部の一部(図1に示す案内体70側)には、底板28Bが設けられる。このような構造により、それぞれの排出通路24L、24Rを通過した刈草は、排出通路24及び空間DAを通って、案内体70へ放出される。なお、底板28Bは設けなくてもよいが、底板28Bを設けることによって、案内体70と空間DAとの距離を小さくできるので、刈草は、より確実に案内体70へ導かれる。次に、図1、図2を用いてこのモアデッキ20の第1回転シャフト32L、第2第1回転シャフト32R及び回転刃27を回転させる回転刃駆動機構について説明する。次の説明では、適宜図1、図2を参照する。
【0032】
モアデッキ20が有する回転刃27を回転させる動力は、内燃機関3が発生する動力の一部である。この動力は、車体2の進行方向側(前方)の動力取り出しシャフト16から取り出される。この動力は前輪4L、4R間、かつ草刈機1の進行方向と平行な方向に沿わせて設けられた1本の自在継手軸17により、モアデッキ20側の動力入力部22に伝達される。自在継手軸17と動力入力部22とは、動力入力部22から草刈機1の前側に突出した入力軸23と連結されている。このため、自在継手軸17から伝達される前記動力は、入力軸23を介して動力入力部22へ入力される。このような構造により、回転刃27を回転させる動力は、内燃機関3から動力取り出しシャフト16、自在継手軸17及び入力軸23を介して動力入力部22へ伝達される。この動力は、動力入力部22内のベベルギヤ機構を介して図2に示す駆動プーリ30に伝達される。
【0033】
第1ハウジング21Lに支持されている第1回転シャフト32Lは、第1回転刃27Lの取付側とは反対側に、第1入力プーリ31Lが取り付けられている。同様に、第2ハウジング21Rに支持されている第2回転シャフト32Rは、第2回転刃27Rの取付側とは反対側に、第2入力プーリ31Rが取り付けられている。第1入力プーリ31Lと、第2入力プーリ31Rと、駆動プーリ30との間には、表面と裏面とに歯を有する両歯かつ無端の伝動ベルト36が巻き掛けられている。伝動ベルト36は、第1入力プーリ31L及び第2入力プーリ31Rへの巻き掛け部分を大きくして滑りを低減するために、図2に示すような構造で巻き掛けられている。
【0034】
まず、第1入力プーリ31Lの外周部外側の異なる位置に、アイドルプーリ33と中継プーリ34とを配置する。中継プーリ34の回転軸は、第1入力プーリ31Lの回転軸よりもモアデッキ20の中央側かつ草刈機1の進行方向後側に配置され、アイドルプーリ33の回転軸は、第1入力プーリ31Lの回転軸よりもモアデッキ20の外側に配置される。また、第2入力プーリ31Rの外周部外側には、テンションプーリ35が配置される。テンションプーリ35の回転軸は、第2入力プーリ31Rの回転軸よりもモアデッキ20の中央側かつ草刈機1の進行方向前側に配置される。このような構造により、第1入力プーリ31L及び第2入力プーリ31Rは、それぞれ伝動ベルト36が半周以上巻き掛けられるようになる。
【0035】
両歯の伝動ベルト36は、駆動プーリ30に内側が巻き掛けられ、第1入力プーリ31Lに外側が巻き掛けられ、第2入力プーリ31Rに内側が巻き掛けられる。このようにすることで、第2入力プーリ31Rと駆動プーリ30とは同じ方向に回転し、第1入力プーリ31Lは、第2入力プーリ31R及び駆動プーリ30とは反対方向に回転する。このため駆動プーリ30が回転すると、第1回転シャフト32Lを介して第1入力プーリ31Lに連結されている第1回転刃27Lと、第2回転シャフト32Rを介して第2入力プーリ31Rに連結されている第2回転刃27Rとは、それぞれ反対方向に回転する。本実施形態においては、第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとは、互いに90度の位相差を維持した状態で回転するようになっている。このような構造により、回転刃27が刈り取った刈草は、それぞれの排出通路24L、24Rから両者が合流した排出通路24に放出される。
【0036】
次に、図1に示す集草容器41及び案内体70について説明する。集草容器41は、草刈機1の進行方向後部に取り付けられる。車体2は、前後方向に沿って設けられたメインフレーム12と、メインフレーム12の後部に取り付けられた縦フレーム13と、縦フレーム13の後部に取り付けられた、中央を矩形に切り欠いた板材14と、板材14に取り付けられた支柱18とを有する。なお、板材14は2枚であり、これらが対向して縦フレーム13に取り付けられる。また、支柱18は2本であり、これらはそれぞれ板材14に取り付けられる。
【0037】
集草容器41を含む集草ユニット40は、支柱18に取り付けられて支持される。集草容器41とモアデッキ20との間には、案内体70が配置されている。案内体70は、モアデッキ20のダクト部と集草容器41とを連結し、かつモアデッキ20から排出された刈草を集草容器41内に導くための通路を有する構造体である。案内体70は、後輪5L、5Rと2枚の板材14、14との間に配置される。
【0038】
集草ユニット40は、集草容器41と、カバー42と、底板43とを含む。集草容器41は、網状の構造体であり、例えば、パンチングメタルあるいは金網体を組み合わせて構成されている。このような構造により、集草容器41は、通風が良好である。集草容器41は、上部と後部とがカバー42で覆われる。底板43は、全面が金属(例えば、鋼又はアルミニウム合金等)の板材である。
【0039】
集草ユニット40は、ブラケット19を介して支柱18に支持される。なお、ブラケット19は2個であり、これらがそれぞれの支柱18に支持される。具体的には、一対の支柱18間に架け渡した横軸19Sが一対のブラケット19を貫通している。このような構造により、集草ユニット40は、横軸19Sを中心として回動できるように支柱18に支持される。本実施形態においては、集草ユニット40に連結した草排出レバー44を操作することにより、集草ユニット40は、車体2から離れるように回動する。すると、集草容器41の入口と出口とを兼ねる開口部から、集草容器41内に収納された草が放出される。また、集草ユニット40が車体2へ接近するように草排出レバー44を操作することにより、集草容器41の開口部と案内体70の出口とが合体する。なお、集草ユニット40は、草排出レバー44の代わりに、例えば、油圧シリンダ等のアクチュエータを用いて回動されてもよい。次に、モアデッキ20から集草容器41までの経路をより詳細に説明する。
【0040】
図6は、モアデッキから集草容器までの経路を示す斜視図である。モアデッキ20は、ハウジング21(第1ハウジング21L及び第2ハウジング21R)にカバー20Cが取り付けられている。このカバー20Cにより、上述した回転刃駆動機構が保護される。また、モアデッキ20は、リンク機構15Fが取り付けられる支持部材29FL、29FRと、図1に示すリンク機構15Rが取り付けられる支持部材29RL、29RRとを有する。モアデッキ20は、支持部材29FL、29FR、29RL、29RRとリンク機構15F、15Rとを介して図1に示す車体2に取り付けられて、支持される。
【0041】
上述したように、放出体50と側板28Sとは、刈草を通過させ、案内体70へ導くダクト部を形成する。案内体70は、図1、図2に示す草刈機1の車体2に取り付けられる。案内体70は、4個の板状部材71、72、73、74を組み合わせて製造される筒状かつ両端部に開口を有する構造体である。板状部材71は、図1に示す車体2側に配置され、板状部材72は板状部材71と対向して配置される。また、板状部材73、74はそれぞれ対向して配置されるとともに、板状部材71、72を連結する。案内体70は、一方の端部の開口が案内体の入口(案内体入口)75となり、他方の端部の開口が案内体70の出口(案内体出口)76となる。放出体50と側板28Sで形成されるダクト部は、案内体入口75に差し込まれる。なお、少なくとも放出体50が案内体入口75に差し込まれていればよく、側板28Sは必ずしも差し込まれる必要はない。また、案内体出口76は、集草ユニット40が有する集草容器41の開口部45と合体して、集草容器41内に刈草を導く。次に、放出体50について説明する。
【0042】
図7は、実施形態1に係る放出体の斜視図である。図8は、実施形態1に係る放出体の側面図である。放出体50は、上述したように、図1、図2に示すモアデッキ20とともに昇降可能であり、モアデッキ20、より具体的には、図3、図5に示す排出通路24から排出された刈草を通過させる構造体である。
【0043】
図7に示すように、放出体50は、第1放出体52と、第2放出体53と、曲がり部54とを有する構造体である。第2放出体53は、案内体70の案内体入口75に差し込まれている。以下においては、放出体50のみが案内体入口75に差し込まれる構造を説明するが、図6に示す側板28Sが案内体入口75に差し込まれる構造であっても同様である。第1放出体52は、放出体50をモアデッキ20のハウジング21に取り付けるためのヒンジ51を有する。また、第1放出体52の側部52SLは、図1に示す圧縮ばね26の圧縮力を受けるばね受け55を有する(側部52SRも同様)。
【0044】
第1放出体52は図6に示すモアデッキ20側の部分であり、第2放出体53は図6に示す集草容器41側の部分である。本実施形態において、第1放出体52と第2放出体53とは一体であり、両者の相対的な位置関係は変化しない。第1放出体52は、対向する側部52SL、52SRと、側部52SL、52SR同士を連結する頂部52Tとを含んでいる。本実施形態において、頂部52Tと、側部52SL、52SRとは、いずれも板状の部材である。また、第2放出体53は、対向する側部53SL、53SRと、側部53SL、53SR同士を連結する頂部53Tとを含んでいる。本実施形態において、頂部53Tと、側部53SL、53SRとは、いずれも板状の部材である。
【0045】
第1放出体52の対向する側部52SL、52SRと、頂部52Tとで囲まれる空間と、第2放出体53の対向する側部53SL、53SRと、頂部53Tとで囲まれる空間とは、モアデッキ20から放出された刈草を通過させる通路になる。また、第1放出体52及び第2放出体53は、断面(刈草の通過方向に直交する断面)が略コの字形状になる。放出体50は、第1放出体52の側部52SL、52SRと、頂部52Tとで囲まれた第1開口部50Hと、第2放出体53の側部53SL、53SRと、頂部53Tとで囲まれる第2開口部50Eとを有する。第1開口部50Hは、モアデッキ20から放出された刈草を放出体50内に導き、第2開口部50Eは、前記刈草を案内体70に放出する。なお、刈草は、第1放出体52の頂部52Tと対向する位置の開口部50Iからも放出体50内に導かれる。
【0046】
第1放出体52の頂部52Tと第2放出体53の頂部53Tとは、いずれも板状の部材であるが、図8に示すように、両者は角度θmを有している。角度θmは、第1放出体52の頂部52Tと第2放出体53の頂部53Tとのなす角度であって、車体2側の角度であり、その大きさは180度未満である。すなわち、頂部52Tと頂部53Tとは、同一平面上に存在しない。このような構造により、放出体50は、第1放出体52と第2放出体53との間に上述した曲がり部54を有する。そして、図8に示すように、放出体50は、刈草を通過させる通路50Cが、モアデッキ20と集草容器41との間で、車体2側に曲がった構造になる。
【0047】
このような構造によって、放出体50は、モアデッキ20側の第1放出体52の第1開口部50Hにおける立ち上がり角度θiよりも、集草容器41側の第2放出体53の第2開口部50Eにおける立ち上がり角度θeの方が大きくなる。立ち上がり角度θi及び立ち上がり角度θeは、いずれも頂部52T、53Tと基準面BPとのなす角度のうち小さい方である。基準面BPは、第1開口部50Hと第2開口部50Eとで互いに平行であればよい。そして、第1開口部50Hにおける立ち上がり角度θiは、放出体50の内部側に設定された基準面BPから頂部52Tへ向かう角度である。また、第2開口部50Eにおける立ち上がり角度θeは、放出体50の外側に設定された基準面BPから頂部53Tへ向かう角度である。
【0048】
図9は、実施形態1の比較例に係る放出体を用いた場合における草刈時の状態を示す模式図である。比較例に係る放出体150は、曲がり部を有さず、第1開口部150Hにおける立ち上がり角度θiが放出体150の第1開口部150Hから第2開口部150Eにわたって一定である。放出体150は、図1に示す車体2の下部に配置され、またモアデッキ20とともに昇降するため、放出体150の高さを大きくすることには限界がある。このため、曲がり部を有さない放出体150は、回転刃27から離れた刈草Gは低い角度で飛んでいくことになり(図9中の矢印Toで示す方向)、飛行距離が短くなることがあった。その結果、刈草Gが案内体70の内部に落下して、集草容器41まで到達しないことがあった。このように、曲がり部を有さない放出体150は、回転刃27の投擲力(排出力)を有効に利用できず、モアデッキ20の排出能力を高くすることが困難であった。
【0049】
図10は、実施形態1に係る放出体を用いた場合における草刈時の状態を示す模式図である。本実施形態の放出体50は、上述した構造により、回転面RPに対する第2放出体53の頂部53Tの角度を、回転刃27の回転面RPに対する第1放出体52の頂部52Tの角度よりも大きくすることができる。第2放出体53の頂部53Tの角度、すなわち第2開口部50Eにおける立ち上がり角度θeを大きくすることにより、回転刃27から離れた刈草Gが頂部53Tあるいは案内体70の頂部70T(図6の板状部材71に相当する)に接触するおそれを低減できる。このため、第2放出体53の頂部53Tの角度を大きくすることにより、刈草Gが回転刃27を離れた後においても、刈草Gの運動エネルギの減少が抑制されるので、刈草Gをより遠くに飛ばすことができる。このように、第2放出体53の頂部53Tの角度を大きくすることで、回転刃27の投擲力を有効に利用できる。また、刈草Gが投擲される方向(図10中の矢印Tで示す方向)は、放出体50の角度、特に、第2放出体53の頂部53Tの角度に影響を受ける。このため、回転面RPに対する頂部53Tの角度を所定の大きさ(例えば、45度前後)までの範囲で大きくすることにより、回転刃27の投擲力を有効に利用して、回転刃27から離れた刈草Gをより遠くへ飛ばすことができる。
【0050】
また、回転刃27は、上述したブロアとして機能することにより、回転刃27から放出体50及び案内体70を通って集草容器41まで至る空気の流れを形成する。本実施形態の放出体50は、回転刃27の回転面RPに対する第1放出体52の頂部52Tの角度を、回転面RPに対する第2放出体53の頂部53Tの角度よりも小さくすることができる。このため、放出体50は、第1放出体52内における刈草Gの通路の断面積を小さく抑えることができるので、前記通路における空気の流速の低下を抑制することができる。回転刃27が排出する空気の流れによっても刈草Gが搬送されるが、放出体50は、前記通路における空気の流速の低下を抑制することができるので、前記空気の流れをより有効に利用できる。その結果、放出体50は、回転刃27によるブロアの機能を有効に利用して、刈草Gをより遠くまで搬送することができる。
【0051】
上述したように、放出体50は、回転刃27の投擲力と、回転刃27によるブロアの機能とを有効に利用することによって、モアデッキ20による刈草Gの排出能力を向上させることができる。その結果、放出体50は、案内体70の内部に落下して集草容器41まで到達しない刈草Gの量を低減することができる。本実施形態においては、第2放出体53の頂部53Tと、案内体70の頂部70Tとが平行又は平行に近いことが好ましい。このようにすれば、回転刃27から離れた刈草Gが投擲される方向は、放出体50から案内体70まで一直線でつながる。このため、回転刃27の投擲力を有効に利用して、回転刃27から離れた刈草Gをより遠くへ飛ばすことができる。その結果、モアデッキ20による刈草Gの排出能力をさらに向上させることができる。
【0052】
図11は、回転刃と放出体の曲がり部との関係を示す模式図である。本実施形態において、放出体50は、回転刃27の投擲力が及ぶ領域に曲がり部54を有することが好ましい。このようにすれば、回転刃27を離れた刈草Gは、回転刃27の回転面RPに対する頂部53Tの角度が大きい第2放出体53へ放出されるので、回転刃27の投擲力を有効に利用できる。その結果、モアデッキ20による刈草Gの排出能力を向上させることができる。
【0053】
図12は、回転刃の投擲力が及ぶ領域の説明図である。図12の矢印Eは、側板28S、28Sと放出体50とによって囲まれる空間を刈草が進行する方向を示す。第1回転刃27Lと第2回転刃27Rとは、回転中心Zl、Zrを中心として回転する。このときの回転半径はrである。図12の一点鎖線で示す円Cl、Crは、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの径方向外縁部27Lt、27Rtの軌跡である。また、図12の矢印Eは、放出体50の長手方向と平行な方向を示す。第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの投擲力は、径方向外縁部27Lt、27Rtまで及ぶ。すなわち、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、径方向外縁部27Lt、27Rtを離れた刈草には、投擲力を与えることはできないからである。したがって、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの投擲力が及ぶ領域は、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rが刈草Gに投擲力を付与することが可能な領域である。
【0054】
また、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rは、図5に示す一対の側板28S、28Sで挟まれる領域に刈草Gを投擲する。このため、側板28S及び第1回転刃27Lの径方向外縁部27Ltの軌跡が交差する点と、側板28S及び第2回転刃27Rの径方向外縁部27Rtの軌跡が交差する点とを結ぶ直線teが、刈草Gが放出体50へ投擲される際において、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの投擲力が及ぶ範囲の境界となる。すなわち、直線teよりも案内体70側においては、第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの投擲力は及ばないと見なすことができる。
【0055】
したがって、放出体50は、直線teよりも第1回転刃27L及び第2回転刃27Rの回転中心Zl、Zr側に曲がり部54を有することが好ましい。なお、放出体50の曲がり部54が回転中心Zl、Zrに接近し過ぎると、図9に示す、曲がり部を有さない放出体150に近い形状になり、上述したような曲がり部54による効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。このため、曲がり部54は、直線teから回転中心Zl、Zrに向かってr/3以内、好ましくはr/4以内に配置されることが好ましい。このような範囲であれば、回転刃27の投擲力を有効に利用しつつ、上述したような曲がり部54による効果を得ることができる。
【0056】
図13は、モアデッキとともに放出体が上昇したときの状態を示す説明図である。図1に示すモアデッキ20が最も低い位置(最も地面Lに近い位置)にあるときにおいて、図13に示す放出体50の頂部51Tの第1開口部50Hにおける端部の位置(モアデッキ側端部位置)をPLとする。また、モアデッキ20が最も高い位置(最も車体2側の位置)にあるときにおけるモアデッキ側端部位置をPUとする。モアデッキ20が上昇し、モアデッキ側端部位置がPLからPUの位置に変化したときにおいて、本実施形態の放出体50の頂部53Tは、案内体入口75における、案内体70の頂部70Tに接する。このとき、案内体70の内部において、底部70B(図6の板状部材72に相当する)から頂部53Tの端部までの高さはHaとなる。また、モアデッキ側端部位置がPUの位置に変化し、曲がり部を有さない放出体150(図9)の頂部150Tが、案内体入口75における案内体70の頂部70Tに接したとき、案内体70の内部において、底部70Bから頂部150Tの端部までの高さはHbとなる。
【0057】
図13から分かるように、Ha>Hbとなる。案内体70の幅方向(刈草が案内体70内を通過する方向と直交する方向)における寸法が同じであれば、案内体70の内部において、放出体50の開口面積は、曲がり部54を有さない放出体150の開口面積よりも大きくなる。これは、曲がり部54によって、案内体70の内部においては放出体50の頂部53Tを案内体70の頂部70Tに接近させる作用があるためである。このため、曲がり部54を有する放出体50は、曲がり部54を有さない放出体150と比較して、モアデッキ20の昇降に起因する案内体70の内部における放出体50の開口面積の変化を抑制できる。その結果、モアデッキ20の昇降に起因するモアデッキ20の排出能力変化を抑制することができる。
【0058】
また、曲がり部54を有さない放出体150を用いて、モアデッキ20が上昇したときに曲がり部54を有する放出体50と同程度の開口面積を得ようとすると、放出体150の高さを大きくする必要がある。放出体50は、曲がり部54を有するので、モアデッキ20が上昇したときにおいても、高さの増加を抑制しつつ案内体70の内部において開口面積を確保できる。その結果、放出体50は、モアデッキ20が昇降した場合でも排出能力の変化を抑制できる。また、モアデッキ20は車体2の下部に配置されるので、放出体50の高さをできる限り抑制する必要がある。曲がり部54を有する放出体50は、高さを抑制しつつ排出能力の変化を抑制できるので、車体2の下部に配置される用途に好適である。
【0059】
図14は、放出体の平面図である。図14のCLは、放出体50の幅方向(刈草が放出体50内を通過する方向と直交する方向)中心を示す。放出体50の第1放出体52は、平面視でモアデッキ20側、すなわち第1開口部50Hよりも第2放出体53との連結部(曲がり部54)の方が広がっている台形形状である。また、第2放出体53は、平面視で長方形形状である。第1放出体52をこのような形状とすることで、刈草が通過しやすくなるという利点がある。
【0060】
以上、実施形態1は、モアデッキとともに昇降し、かつモアデッキから放出された刈草を通過させ、さらにモアデッキと集草容器との間に車体側に曲がる曲がり部を有する放出体を用いて、モアデッキから案内体へ刈草を放出する。このため、モアデッキが有する回転刃の投擲力と、回転刃によるブロアの機能とを有効に利用することができるので、モアデッキによる刈草の排出能力を向上させることができる。また、曲がり部により、モアデッキの昇降に起因して発生する、案内体内における放出体の開口面積の変化を抑制できるので、モアデッキの昇降に起因する刈草の排出能力の変化を抑制できる。実施形態1の構成は、以下においても適宜適用することができる。
【0061】
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と同様であるが、第1放出体と第2放出体とを異なる構造体とするとともに、第2放出体は第1放出体に対して回動できるように連結され、さらに、第2放出体が第1放出体側へ回動する力を第2放出体に付与する点が異なる。他の構成は実施形態1と同様である。
【0062】
図15は、実施形態2に係る放出体の斜視図である。放出体50aは、第1放出体52aと第2放出体53aと曲がり部54aとを含む。第1放出体52aと第2放出体53aとは、それぞれが異なる構造体である。すなわち、放出体50aは、実施形態1の放出体50において、第1放出体52と第2放出体53とを分割した構造である。第1放出体52aは、対向する側部52SLa、52SRaと、側部52SLa、52SRa同士を連結する頂部52Taとを含む。本実施形態において、頂部52Taと、側部52SLa、52SRaとは、いずれも板状の部材である。また、第2放出体53aは、対向する側部53SLa、53SRaと、側部53SLa、53SRa同士を連結する頂部53Taとを含む。本実施形態において、頂部53Taと、側部53SLa、53SRaとは、いずれも板状の部材である。第1放出体52aがヒンジ51を有する点、第2放出体53aが案内体70の案内体入口75に差し込まれる点は、実施形態1と同様である。
【0063】
第1放出体52aと第2放出体53aとは、連結手段であるヒンジ55によって連結されている。より具体的には、第1放出体52aの頂部52Taと第2放出体53aの頂部53Tとにヒンジ55が取り付けられて、第1放出体52aと第2放出体53aとを連結している。このような構造により、第1放出体52aと第2放出体53aとは、それぞれの頂部52Ta、53Ta同士が接近又は離れるように、ヒンジ55の回動軸を中心として回動することができる。前記回動軸は、頂部52Ta、53Taと平行かつ放出体50aの長手方向(刈草の通過する方向)と直交する軸であり、第1放出体52aと第2放出体53aとの回動軸となる。このような構造により、放出体50aは、第1放出体52aと第2放出体53aとが連結される部分を曲がり部54aとして折れ曲がるようになっている。
【0064】
第1放出体52aと第2放出体53aとの間には、第2放出体53aが第1放出体52a側へ回動する力を第2放出体53aに付与する保持体としての引っ張りばね(引っ張り力に対して反発力を発生するばね)57が設けられる。引っ張りばね57を設けるため、第1放出体52aの頂部52Taと第2放出体53aの頂部53Taとには、それぞればね支持部材56が取り付けられている。引っ張りばね57のそれぞれの端部は、一対のばね支持部材56、56にそれぞれが取り付けられて、両者を連結する。このような構造により、第2放出体53aは、第1放出体52aに向かって回動する力を与えられる。すなわち、引っ張りばね57は、第1放出体52aの頂部52Taと第2放出体53aの頂部53Taとがそれぞれ接近するような力を両者に与えている。
【0065】
保持体としての引っ張りばね57は、上述するような力を第1放出体52aと第2放出体53aとに付与すればよい。このため、引っ張りばね57と同様の機能を有していれば、保持体として他の部材又は装置を用いてもよい。例えば、エアシリンダ又はダンパー等を保持体として用いることができる。また、図15に示すように、引っ張りばね57は、第1放出体52aと第2放出体53aとの回動軸を跨いでいる。このようにすることで、放出体50aの構造を簡単にできるとともに、引っ張り力のバランスも適切になる。なお、放出体50aの少なくとも一方の側部に引っ張りばね57を設けてもよい。
【0066】
第2放出体53aは、第1放出体52aと一部が重なり合っている。より具体的には、第2放出体53aの側部53SLa、53SRaの一部が、第1放出体52aの側部52SLa、52SRaの一部と重なり合っている。本実施形態では、第2放出体53aの側部53SLa、53SRaが第1放出体52aの側部52SLa、52SRaの外側に配置される。このようにすることで、刈草が第1放出体52aから第2放出体53aへ移動するときには、刈草が両者の隙間に入り込むおそれを低減できるので好ましい。なお、第2放出体53aの側部53SLa、53SRaが第1放出体52aの側部52SLa、52SRaの内側に配置される構造を排除するものではない。
【0067】
本実施形態の放出体50aは、上述したような構造とすることで、第1放出体52aがヒンジ51によって図1、図2に示すモアデッキ20のハウジング21に取り付けられると、案内体70の案内体入口75に差し込まれる第2放出体53aは、引っ張りばね57によって案内体70の頂部70Tに向かって押し付けられる。そして、モアデッキ20が昇降した場合も、引っ張りばね57は、第2放出体53aが案内体70の頂部70Tに向かって押し付けられた状態を維持する。このように、放出体50aは、モアデッキ20の昇降に追従して第1放出体52aと第2放出体53aとの位置関係が変化する。このため、放出体50aが昇降しても、第2放出体53aと案内体70との位置関係はほとんど変化しないので、案内体70の内部における第2放出体53aの開口部(後述する図16に示す第2開口部50E)の開口面積は、モアデッキ20の昇降によってはほとんど変化しない。その結果、実施形態2の放出体50aは、モアデッキ20の昇降に起因するモアデッキ20の排出能力変化をさらに抑制することができる。
【0068】
図16は、モアデッキが最も低い位置にあるときにおける放出体の状態を示す説明図である。図17は、モアデッキとともに放出体が上昇したときの状態を示す説明図である。図16に示すように、モアデッキ側端部位置がPLの位置、すなわち、図1、図2に示すモアデッキ20が最も低い位置にある場合、放出体50aの第2放出体53aは、引っ張りばね57によって案内体70の頂部70Tに押し付けられる。
【0069】
図17に示すように、モアデッキ20が上昇し、モアデッキ側端部位置がPLからPUの位置に変化したときにおいては、モアデッキ20のハウジング21と連結される第1放出体52aもモアデッキ20とともに上昇する。このとき、第2放出体53aは、引っ張りばね57によって第1放出体52aに向かって引っ張られるので、放出体50aはヒンジ55の部分で折れ曲がるとともに、第2放出体53aの頂部53Taは、案内体70の頂部70Tに押し付けられた状態を維持する。これは、モアデッキ20が下降して、モアデッキ側端部位置がPUからPLの位置に変化した場合でも同様である。このように、放出体50aは、モアデッキ20が昇降しても、第2放出体53aと案内体70との位置関係はほとんど変化しない。その結果、放出体50aは、モアデッキ20の昇降に起因するモアデッキ20の排出能力変化をさらに抑制することができる。
【0070】
実施形態1と同様に、放出体50aの第1放出体52aは、平面視でモアデッキ20側、すなわち第1開口部50H(図15参照)よりも第2放出体53aとの連結部(曲がり部54a)の方が広がっている。また、第2放出体53aは、平面視で長方形形状である。第1放出体52aをこのような形状とした場合、第1放出体52aと第2放出体53aとを曲がり部54aで別個の構造体とすることで、金属板の曲げ加工のみで第1放出体52a及び第2放出体53aを製造できるので好ましい。
【0071】
図18は、実施形態2に係る放出体の組み立て方の一例を示す説明図である。放出体50aの第1放出体52aと第2放出体53aとが重なる部分に、両者を貫通する孔58を設けてもよい。そして、放出体50aを図1、図2に示すモアデッキ20のハウジング21に取り付けたり、図15に示す案内体70の案内体入口75に差し込んだりする場合には、孔58にピン59を差し込んで、第1放出体52aと第2放出体53aとの相対的な動きを規制する。そして、放出体50aの組み付けが終了したら、ピン59を孔58から抜き取る。このようにすることで、放出体50aが引っ張りばね57によって曲がり部54aで折れ曲がることを抑制できるので、放出体50aの組み付けが容易になる。
【0072】
以上、実施形態2は、第1放出体と第2放出体とを別個の構造体として両者を連結し、第1放出体側に第2放出体が回動する力を付与する保持体を両者の間に取り付ける。このようにすることで、モアデッキの昇降とともに放出体が昇降した場合には、第1放出体と第2放出体との位置関係が前記昇降に追従して変化するので、第2放出体と案内体との相対的な位置関係はほとんど変化しない。その結果、実施形態2は、モアデッキの昇降に起因する刈草の排出能力の変化をさらに効果的に抑制できる。また、保持体により第1放出体と第2放出体との動きがある程度規制されるので、放出体をモアデッキに組み付ける際の作業が容易になる。実施形態2の構成は、以下においても適宜適用することができる。
【0073】
(実施形態3)
図19、図20は、案内体の底板を押し下げた状態を解除する機構の説明図である。実施形態3は、案内体70の地面側に設けられた底板61を自動的に案内体70側に引き上げる機構に関する。実施形態3においては、上述した実施形態2の放出体50aを用いているが、実施形態1の放出体50も同様に適用できる。案内体70の地面側には、案内体70の保護等を目的として底板61が設けられている。底板61は、案内体70の板状部材73に、底板取付部材62と、締結手段64と、支持軸63とを介して取り付けられている。底板61は、断面が略コの字形状の構造体であり、側部に円弧状の第1長孔68Aを有している。第1長孔68Aには、案内体70の板状部材73に取り付けられた案内ピン80が貫通している。このような構造により、底板61は、支持軸63を中心として揺動するとともに、その揺動範囲は、第1長孔68Aと案内ピン80とによって規制される。なお、板状部材73と対向する側部も同様の構造である。
【0074】
モアデッキ20を図1、図2に示す車体2から取り外すとき又は取り付けるときには、これらの作業を容易にするため、底板61を地面側に押し下げた状態とする。図19、図20は、底板61を押し下げた状態である。底板61が押し下げられた状態で草刈機1が走行すると、底板61が地面と干渉するおそれがある。このため、モアデッキ20を車体2へ取り付けた後は、底板61を案内体70まで引き上げる必要がある。
【0075】
底板61の引き上げをより確実なものとするため、案内体70は、図19、図20に示す底板戻し機構60を備えることが好ましい。底板戻し機構60は、底板引っ張りばね66と、ストッパ67と、係合ピン69と、スライダ82と、スライダ押し部材81とを含む。底板引っ張りばね66は、底板61に案内体70へ向かう力を付与する底板戻し手段である。ストッパ67は、底板61が押し下げられた状態で係合ピン69と係り合って保持する。係合ピン69は、案内体70の板状部材73に設けられて、底板61が押し下げられた状態でストッパ67と係り合う。スライダ82は、案内体70の板状部材73に設けられてストッパ67を押す。スライダ押し部材81は、放出体50aの第2放出体53aの側部53SLaに取り付けられて、放出体50aが案内体入口75に差し込まれるとスライダ82を押す。
【0076】
図19、図20に示すように、ストッパ67は、揺動軸67Sを介して底板61の側部に取り付けられる。このような構造により、ストッパ67は、揺動軸67Sを介して揺動できる。図20に示すように、ストッパ67は、係合ピン69と係り合う係合部67Cと、スライダ82と当接する入力部67Tとを有する。また、ストッパ67は、ばね67Bによってスライダ82へ向かう力が付与される。
【0077】
図20に示すように、係合ピン69は、底板61の側部に設けられる円弧状の第2長孔68Bを貫通している。なお、案内ピン80を係合ピン69と共用してもよい。スライダ82は、ストッパ67と当接する当接部82Aと、長孔83とを有している。スライダ82は、スライダ支持手段であるボルト及びナット84によって、案内体70の板状部材73に、長孔83の形成方向に向かってしゅう動できるように支持されている。スライダ押し部材81は、スライダ82の当接部82Aとは反対側と当接するスライダ押し部81Aを有している。底板引っ張りばね66の両端部は、案内体70の板状部材73と底板61の側部とにそれぞれが設けられたばね取付部65a、65bに取り付けられる。
【0078】
底板61を押し下げると、ストッパ67の係合部67Cが係合ピン69と接しながら、スライダ82から離れる方向に移動する。係合部67Cが係合ピン69の位置を超えると、ばね67Bによってストッパ67が係合ピン69に向かって移動し、係合部67Cと係合ピン69とが係り合う。この状態になると、ストッパ67と係合ピン69とによって、底板61が案内体70に向かう動きが規制されるので、底板61は押し下げられた状態を維持できる。
【0079】
図1、図2に示すモアデッキ20を車体2に取り付ける際に、放出体50aの第2放出体53aが案内体70の案内体入口75に差し込まれると、スライダ押し部材81がスライダ82を押す。すると、スライダ81は、ストッパ67の入力部67Tを押すので、ストッパ67は、係合ピン69から離れる方向に移動する。この動作によって、ストッパ67の係合部67Cが係合ピン69から外れると、底板61が案内体70に接近する動きの規制が解除される。すると、底板引っ張りばね66によって底板61は案内体70まで引き上げられる。底板戻し機構60は、このような動作によって底板61が押し下げられた状態を維持するとともに、モアデッキ20が車体2に取り付けられたときには底板61を案内体70まで自動的に引き上げる。その結果、底板61が押し下げられた状態で図1、図2に示す草刈機1が走行することを回避できるので、安全性が向上する。なお、底板戻し機構60は、底板61の少なくとも一方の側部に設けられていればよい。
【0080】
(実施形態4)
図21は、集草ユニットに取り付ける台車の説明図である。集草ユニット40は、集草容器41を保持する底板43に、第1台車90Lと第2台車90Rとを取り付ける台車取付部46、46を有している。図21に示す例では、一方の側部の台車取付部46、46を示しているが、この側部と対向する側部についても同様である。第1台車90Lは、フレーム91と、一対の支柱92、92と、補強部材93と、2個のキャスターローラ95、95とを有する。一対の支柱92、92は、フレーム91に取り付けられる。それぞれの支柱92、92のフレーム91とは反対側には、台車取付部材であるボルト96が貫通する貫通孔94が穿孔されている。また、2個のキャスターローラ95、95は、一対の支柱92、92とは反対側におけるフレーム91に取り付けられる。補強部材93は、一対の支柱92、92を連結する。
【0081】
底板43が有する台車取付部46、46は、雌ねじ孔46S、46Sを有する。第1台車90Lを集草ユニット40に取り付ける場合、ボルト96を貫通孔94に通し、台車取付部46の雌ねじ孔46Sにねじ込むことで、第1台車90Lを集草ユニット40の底板43に固定する。第2台車90Rの構造及び集草ユニット40への取付方法は第1台車90Lと同様である。このように、集草ユニット40に第1台車90L及び第2台車90Rを取り付けることで、集草ユニット40の移動が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
以上のように、本発明に係る草刈機は、自走車両の前後輪の間に昇降自在に装着されるモアデッキを有する草刈機に有用である。
【符号の説明】
【0083】
1 草刈機
2 車体
4L、4R 前輪
5L、5R 後輪
10 運転席
11 ハンドル
20 モアデッキ
21 ハウジング
21L 第1ハウジング
21R 第2ハウジング
24、24L、24R 排出通路
26 圧縮ばね
27 回転刃
27L 第1回転刃
27R 第2回転刃
27Lt、27Rt 径方向外縁部
28S 側板
28B 底板
40 集草ユニット
41 集草容器
42 カバー
43 底板
45 開口部
46 台車取付部
50、50a、150 放出体
50H 第1開口部
50E、150E 第2開口部
50C 通路
51T、52T、53T、52Ta、53Ta、150T 頂部
52、52a 第1放出体
52SL、52SR、52SLa、52SRa、53SL、53SR、53SLa、53SRa 側部
53、53a 第2放出体
54、54a 曲がり部
60 底板戻し機構
61 底板
67 ストッパ
69 係合ピン
70 案内体
70T 頂部
70B 底部
75 案内体入口
80 案内ピン
81 スライダ押し部材
90L 第1台車
90R 第2台車
BP 基準面
G 刈草
L 地面
RP 回転面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体及び前記車体に取り付けられた複数の車輪を有し、走行しながら草を刈り取るものであり、
回転刃によって前記草を刈り取って放出するとともに、昇降できるように前記車体の下部に取り付けられるモアデッキと、
前記モアデッキが刈り取った前記草を収納する集草容器と、
前記モアデッキとともに昇降し、かつ前記モアデッキから放出された前記草を通過させ、さらに前記モアデッキと前記集草容器との間に前記車体側に曲がる曲がり部を有する放出体と、
前記車体に取り付けられ、かつ前記放出体を通過した前記草を前記集草容器まで案内する案内体と、
を含むことを特徴とする草刈機。
【請求項2】
前記放出体は、
前記モアデッキ側の第1放出体と、
前記第1放出体と一部が重なり合うとともに、前記第1放出体に対して回動できるように連結された前記案内体側の第2放出体と、
前記第2放出体が前記第1放出体側へ回動する力を前記第2放出体に付与して前記曲がり部を形成する保持体と、
を含む請求項1に記載の草刈機。
【請求項3】
前記保持体は、前記第1放出体と前記第2放出体との回動軸を跨いでいる請求項2に記載の草刈機。
【請求項4】
前記第1放出体は、平面視で前記モアデッキ側よりも前記第2放出体との連結部の方が広がっており、前記第2放出体は、平面視で長方形形状である請求項2又は3に記載の草刈機。
【請求項5】
前記放出体は、前記回転刃が前記草に投擲力を付与することが可能な領域に前記曲がり部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載の草刈機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−125163(P2012−125163A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277467(P2010−277467)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】