説明

衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷き

【課題】本発明は、履物下敷きのクッション材になる履物用中敷きに関するものであり、より詳細には、かかとから足裏の外側面を経ってツマ先に至るまで空の空間としての緩衝空間を中敷きの底面または上部面に形成させる一方、履物用中敷きや靴敷き(インソール:Insole)に歩行荷重が作用する場合縦足弓部分に行くほど圧縮率が低くなって、かかととツマ先部分に行くほど圧縮率が高くなるように緩衝空間の面積を調整することで、歩行荷重が主に作用する足裏部位が緩衝空間によって楽に支持されるようにすると同時に、歩行経路に沿って中敷き部分が足裏の長さが方向にかけて曲面形状で撓うようにして、これにより履物を履いた人々にとってさらに楽で自然でありながら能率的な転がり歩行を遂行するようにすることで、足首と膝部位の関節をさらに安全に保護するようにすると同時に、足裏全体の疲れをさらに軽減させることができるようにした衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷きを提供する。
【解決手段】 本発明は、履物の底敷き10に適用されて歩行荷重を支持するクッション材としての役割を遂行する履物用中敷き(Mid−sole)11において、前記中敷き11の底部にはかかと部分から足裏の外側部分に沿ってツマ先部分に至るまで空の空間としての緩衝空間12が形成されて、前記緩衝空間12は足裏の縦足弓部分を中心にかかととツマ先部分に行くほどその平断面積が増加されるように形成されることを特徴として、前記緩衝空間12が中敷き11の上部面に形成されるようにした状態で、前記中敷き11の底部には中敷き11の長さ方向に沿って一定な間隔を置いて切開溝18が形成されるようにして、前記緩衝空間12には切開溝18と対応される部分に沿ってリブ(Rib)17が突出形成されるようにすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物下敷きのクッション材になる履物用中敷きの底面または上部面にかかとから足裏の外側面を経ってツマ先に至るまで空の空間としての緩衝空間を形成させる一方、履物用中敷きや靴敷き(インソール:Insole)に歩行荷重が作用する場合縦足弓部分に行くほど圧縮率が低くなって、かかととツマ先部分に行くほど圧縮率が高くなるように緩衝空間の面積を調整することで、歩行荷重が主に作用する足裏部位が緩衝空間によって楽に支持されるようにすると同時に、歩行経路に沿って中敷き部分が足裏の長さ方向にかけて曲面形状でしなうようにした衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷きに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、履物は、人体の足部位を保護するために着するものであり、非常に多様な形態と種類で製作されて市販されているが、一般的には足元と足首部位を覆って保護する甲皮と、足裏を保護しながら地面との摩擦力を高めて歩行性を向上させるようにすると同時に、歩行時足裏に加えられる衝撃を緩和させるようにする履物の底敷きで構成されている。
前記のような一般的な履物の場合、歩行時地面から足裏と伝わる衝撃を吸収できるように、履物の内側底面に靴敷きを敷くか、または履物の底敷きとかかと部分を緩衝力が優秀なゴム及び発泡スポンジ材質で製作するか、またはエアバッグ(Air bag)やスプリングなどの弾性復元体を履物の底敷きに内蔵させるようにしたものが知られている。
前記のようにゴムや発泡スポンジ材質で履物の底敷きを製造するか、またはエアバッグやスプリングなどの弾性復元体を履物の底敷きに内蔵させた場合には、単純な衝撃吸収の機能のみを遂行できるだけであり、歩行者のかかとから足指に至るまで略円弧形状を有しながら地面と接触するようになる歩行経路を基準にする場合、従来の一般的な履物の底敷きは自然的で能率的な歩行を遂行するようにする側面にほとんど寄与することができない問題点があった。
特に、最近になっては、生活水準の向上と週5日制勤務の拡散で野外活動を楽しむ人口が大きく増加しているし、これにより野外活動を楽しむ人々がさらに優れた着心地を感じるようにすると同時に、着用者の膝と足部位の関節及び足裏部分に無理が加えられないようにして、履物を着して歩くだけでも健康増進に寄与できるようにする機能性履物の開発事業に履物製造業社らが多くの時間と努力を投資している。
前記のように履物に適用させることができる各種機能として、すべり防止機能と衝撃吸収機能及び通風による水虫防止と悪臭除去機能は、既に活発に適用されているし、歩行時の衝撃吸収と併せて球が平面上を転がるように自然で能率的な推進式歩行(以下、‘転がり歩行’という)を行うことができるようにする機能性履物も提供されている。
前記のように転がり歩行を可能にさせる機能性履物及びこれに適用されることができる歩行推進部材として、本出願人が2005年韓国特許出願第120288号で先出願(出願日:2005年12月09日)し、韓国特許第10−560367号(特許文献1)で特許登録(登録日付:2006年03月07日)された歩行推進部材及びその歩行推進部材を内蔵した履物が知られている。
本出願人による特許文献1の前記歩行推進部材は、靴かかとの形状で上、下部胴体が具備されて、前記上、下部胴体の間には隔壁が一定な間隔で設置されて、前記隔壁は上、下部胴体の3/5〜4/5支点に垂直で形成される基準隔壁と、該基準隔壁を中心にして両側に遠くなるほど傾斜度が拡がって上、下部胴体の両側末端部で16〜20度傾くように形成される第1、第2圧縮隔壁でなされるようになる。
よって、特許文献1による歩行推進部材を通じて一定な圧力をかけるようになれば、歩行推進部材の一側末端部は圧縮率が高くなって、歩行推進部材の中間部分に行くほど圧縮率が低くなるようになってから、歩行推進部材の中間部分で他側末端部に行くほど圧縮率が再び高くなるようになって、これにより歩行推進部材の外観形状が全体的に見て円弧上にしなうようになる。
前記のような特許文献1による歩行推進部材を履物下敷きの後かかと部分に内蔵させるか、または歩行推進部材自体を後かかとで設置するようになれば、着用者の歩行時後かかとに沿って順次に作用する人体の荷重によって特許文献1による歩行推進部材が転がり歩行に好適な曲面形態で圧縮されて、これにより歩行時の衝撃吸収は勿論で自然的で能率的な歩行を通じて歩行者の膝及び足部位の関節保護と足裏の疲れ軽減を成し出すことができるようになる。
しかし、特許文献1による歩行推進部材は、履物下敷きの後かかと部分のみに適用されることによって、かかとが地面と触れ合う歩行の初期時点には短期的な転がり歩行を成し出すことができたが、着用者の縦足弓(足裏中央部に凹に入って行った部分)からツマ先(トー:toe)部分に至るまでの歩行進行及び歩行終了時点にかけて足裏に加えられる荷重を適切に分散させると同時に連続的な転がり歩行を提供する側面ではすこし不足な面があった。
これにより、着用者の歩行時足裏長さ全体にかけてさらに合理的で能率的な荷重の分散及び転がり歩行がなされることができない、歩行者の膝及び足部位の関節保護と足裏の疲れ軽減効果がすこし低下される問題点があり、特許文献1による歩行推進部材の場合にもエアバッグやスプリングと同じく、履物敷きとは別途の部品で製造されて履物の底敷きに内蔵することで、履物下敷きの製造による工程上の煩雑さにより履物の製造単価を上昇させる要因になったりした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国特許第10−560367号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した従来及び先出願の問題点を改善して歩行荷重の分散及び転がり式推進歩行側面にさらに好適な履物用中敷きを提供するために案出されたものであり、本発明による衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷きはクッション材になる中敷きの底部にかかとから足裏の外側面を経ってツマ先に至るまで空の空間としての緩衝空間または緩衝溝を形成させることで、歩行時の荷重が実質的に集中される足裏部位が緩衝空間または緩衝溝によって楽に支持されることができるようにするし、これにより歩行時足裏に加えられる疲れをさらに軽減させることができるようにすることを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、履物用中敷きに歩行荷重が作用する場合、縦足弓部分に行くほど圧縮率が低くなって、かかととツマ先部分に行くほど圧縮率が高くなるように緩衝空間または緩衝溝の面積を調整することで、歩行経路に沿って中敷き部分が足裏の長さ方向にかけて曲面形状でしなうようにして、これにより履物を履いた人々にとってさらに楽で自然でありながら能率的な転がり歩行を遂行するようにすることで、足首と膝部位の関節をさらに安全に保護できるようにすることを第2の技術的課題とする。
これと併せて、本発明は、前記緩衝空間を中敷きの上部面に形成させる一方、前記中敷きの底部には長さ方向に沿って一定な間隔を置いて切開溝を形成させて、前記緩衝空間には切開溝と対応される部分に沿ってリブが突出形成されるようにすることで、履物用中敷きに靴敷きを敷いて履物の底敷きを製造する場合にも靴敷きと中敷きによって歩行荷重の分散及び推進式転がり歩行がなされることもできるようにすることは勿論、切開溝を除いた中敷きの底面にアウトソールを接着させて履物下敷きの外観を向上させる側面にも寄与できるようにすることを第3の技術的課題とする。
最後に、本発明は履物の底敷きに適用される原素材である中敷きを製造する過程で前記緩衝空間や緩衝溝及び切開溝やリブが形成されるようにすることで、別途の追加的な工程なしに既存の方式どおり転がり歩行が可能な機能性履物の底敷きを容易に製造するようにして、これにより機能性履物の生産性を向上させることによって機能性履物の製造原価を節減させる側面にも寄与するようにすることを第4の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の技術的課題を解決するための手段としての本発明は、履物の底敷きに適用されて歩行荷重を支持するクッション材としての役割を遂行する履物用中敷きにおいて、前記中敷きの底部にはかかと部分から足裏の外側部分に沿ってツマ先部分に至るまで空の空間としての緩衝空間が形成されて、前記緩衝空間は足裏の縦足弓部分を中心にかかととツマ先部分に行くほどその平断面積が増加されるように形成されることを特徴として、前記緩衝空間の内側縁部分に該当する中敷きの底部には緩衝溝が一定な間隔を置いて形成されることを特徴とする。
また、本発明は、前記緩衝空間が複数個の緩衝溝に分割形成されることを特徴として、前記緩衝溝は縦足弓部分では中敷きに対して垂直方向に形成されて、かかととツマ先部分では中敷きに対して傾くように形成されることを特徴とするか、または前記緩衝空間が中敷きの上部面に形成されるようにした状態で、中敷きの底部には中敷きの長さ方向に沿って一定な間隔を置いて切開溝が形成されて、前記緩衝空間には切開溝と対応される部分に沿ってリブが突出形成されることを特徴として、前記切開溝も縦足弓部分では中敷きに対して垂直方向に形成されて、かかととツマ先部分では中敷きに対して傾くように形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
前記のような本発明によれば、着用者のかかとから足裏の外側面を経ってツマ先部分に至るまで歩行時の荷重が実質的に集中される足裏の下部に緩衝空間または緩衝溝が位置するようにすることで、足裏部位が中敷き部分によってさらに楽に支持されるようにする効果があり、これにより歩行時足裏に加えられる疲れをさらに軽減させる効果がある。
これと併せて、着用者の歩行時かかとからツマ先に至る足裏全体面にわたって中敷き部分または中敷きの上部に設置される靴敷き部分が歩行経路に沿って略円弧上に圧縮変形されることで、さらに自然で能率的な推進式転がり歩行がなされるようにする効果があり、これにより着用者らの膝と足首部位の関節をさらに安全に保護できることは勿論であり、本発明の中敷きが適用された履物を着して歩くだけでも着用者の健康増進に貢献する効果がある。
併せて、履物の底敷きと別途の部品で製造されて履物の底敷きと組み立てされた特許文献1による歩行推進部材や従来のエアバッグまたはスプリングなどとは異なり、履物の底敷きに適用される原素材である中敷きを製造する過程で前記緩衝空間または緩衝溝や切開溝またはリブが中敷き自体に形成されるようにすることで、別途の追加的な工程なしに既存の方式どおりに転がり歩行が可能な機能性履物の底敷きを容易に製造できるようにする効果があり、これにより機能性履物の生産性を向上させることによって機能性履物の製造原価を節減させる側面にも寄与できるようにする効果がある。
最後に、中敷きの底面に切開溝を形成させた場合、前記切開溝を除いた中敷きの底面にアウトソールを接着させて履物の底敷きを製造できるようになれば、履物下敷きの側面部と底面を通じて切開溝部分がそのまま表現されることができるし、これにより履物下敷きの外観を向上させる側面にも寄与することができるなどの非常に有用な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷きを含む履物下敷きの分解斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は、本発明による履物の中敷きの他の実施例を示す背面斜視図である。
【図3】本発明による履物の中敷きの背面図である。
【図4】(a)ないし(b)は、図3のA−A線とB−B線及びC−C線断面図である。
【図5】本発明による履物の中敷きの側断面図である。
【図6】本発明のまた他の実施例による履物の中敷きの斜視図である。
【図7】図6の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、前記の目的を達成するための本発明を添付された図面を参照して詳細に説明すれば次のようである。
本発明による履物用中敷き11は、図1に示されているところのように、ノンスリップ面14を具備するアウトソール(Outsole)13と共に履物の底敷き10の製造に使用されるものであり、前記中敷き11は天然ゴムや合成ゴムまたはポリウレタンフォームやポリプロピレンなどの合成樹脂を使って歩行時足裏に加えられる衝撃を吸収するようにするクッション材になる。
本発明による履物用中敷き11は、人体の足裏を基準にする場合、かかとに該当する部分から足裏の外側に該当する部分に沿ってツマ先に該当する部分に至るまで空の空間としての緩衝空間12が中敷き11の底部に所定の深さで形成される。
前記緩衝空間12は、図1及び図3により明確に示されているところのように、足裏の縦足弓(足裏中央部に凹に入って行った部分)に該当する部分を中心にして、かかととツマ先に該当する部分に行くほどその平断面積が増加されるように形成されて、緩衝空間12の深さは、中敷き11全体厚さの1/2〜2/3範囲内になるようにすることが望ましい。
前記緩衝空間12は、図3の歩行荷重経路(P)に沿って人体の荷重を弾力的に支持する中敷き11の実質的な体積を縮めて、該当部分で人体の荷重に対する中敷き11の支持力を減少させるようにすることによって、人体の荷重による中敷き11の圧縮変形量が緩衝空間12によって足裏部位別にお互いに異なるように発現されるようにしたものであり、荷重が除去される場合圧縮変形された中敷き11部分は元の状態に復元される。
言い替えれば、図4の(a)ないし(c)に示されたところのように、歩行荷重経路(P)に沿って人体の荷重が作用する場合、かかと部分とツマ先部分で中敷き11の圧縮変形量が大きくなって、かかととツマ先から縦足弓に該当する足裏の中央部に行くほど圧縮変形量が少なくなることで、人体の荷重による中敷き11の変形線図が歩行荷重経路(P)に沿って推進式転がり歩行に好適な円弧上で形成されるというものである。
これと併せて、図2の(a)に示されているところのように、前記緩衝空間12の内側縁に沿って一定な間隔を置いて緩衝溝16を追加で形成させることもできて、図2の(b)に示されているところのように、前記緩衝空間12自体が複数個の緩衝溝16に分割形成されるようにすることもできるところ、図面上前記緩衝溝16は円形溝で形成されている。
しかし、前記緩衝溝16は、図面に示された円形以外にも四角形や三角形または卵円形やその長さが長くなる長空の形態のような異なるさまざまな形態の穴になることができることは勿論であり、緩衝空間12や緩衝溝16が形成される面積も該当部位の中敷き12の厚さ及びこれによる圧縮程度などを考慮して適切に調整することが一番望ましい。
表1:足裏部位による緩衝空間や緩衝溝が占める平断面積
【0009】
【表1】

【0010】
前記表1でツマ先部分の面積を3部分に分割させて、かかと部分の面積を2部分に分割させた理由は、通常人体の足裏は縦足弓を基準に見る時ツマ先側がさらに長いために、それぞれの部位別に分けられる基準面積がお互いに類似な面積になるようにしたものである。
また、中敷き11の場合足指側に行くほどその厚さが薄くなってかかと側に行くほどその厚さが厚くなるものが大部分であるので、緩衝空間12や緩衝溝16が占める面積もツマ先部分に沿っては部位別に小さな偏差を有するようにする一方、かかと部分に沿っては部位別に大きい偏差を有するようにしたものである。
しかし、前記表1で適用された例は、一つの代表的な実施様態に過ぎないものであり、表1に記載した数値の範囲内で本発明が限定されるものではないことを明らかにしておくところであり、中敷き11の材質と弾性及び該当部位の厚さなどを考慮して緩衝空間12や緩衝溝16が形成される面積と深さは製造業者によって任意に調整が可能であることを明らかにしておくところである。
そして、図5に示されているところのように、本発明による履物用中敷き11に緩衝溝16を形成させる場合、縦足弓またはこれと隣接した位置では前記緩衝溝16が中敷き11に対して垂直方向に形成されるようにして、足きびすとツマ先に該当する部分では前記緩衝溝16が外側方向に向けて中敷き11と傾くように形成されるようにすることが望ましい。
前記のようにかかととツマ先に該当する部分で緩衝溝16が中敷き11に対して傾くように形成されるようにすれば、緩衝溝16の個数や直径(面積)を小さくしても該当部位で転がり歩行に十分な中敷き11の圧縮変形量を確保することができるという長所があるところ、緩衝溝16の傾斜角度は着用者の歩行時に足と地面がなす16〜20度の範囲内になるようにすることが転がり歩行側面で一番望ましい。
併せて、本発明のまた他の実施例による履物用中敷き11は、図6及び図7にそれぞれ示されているところのように、上で説明された緩衝空間12が中敷き11の上部面に形成されるようにした状態で、前記中敷き11の底部には中敷き11の長さ方向に沿って一定な間隔を置いて切開溝18が形成されるようにすると同時に、前記緩衝空間12には、切開溝18と対応される部分に沿ってリブ(Rib)17が突出形成されるようにしたものである。
言い替えれば、前記緩衝空間12を中敷き11の上部面にも適用させることができるようにする一方、履物の底敷き10において一般的に中敷き11の上部に覆わせられる図示されなかった履物用靴敷き(インソール:Insole)がリブ17によってさらに堅固に支持されるようにすることで、履物を履いた人の歩行に差し支えをもたらさないようにしながらも上で説明された緩衝空間12による荷重の分散機能及び推進式転がり歩行機能が達成されるようにしたものである。
前記リブ17は図7により明確に示されているところのように、それぞれの切開溝18が中敷き11の底幅にわたって均一な形状の溝をなすことができるように、切開溝18の上端部と対応される形状を有しながら緩衝空間12上に突出形成されるようにすることが望ましい。
前記のように中敷き11の底部に切開溝18を形成させることは、歩行時履物の底敷き10が歩行経路に沿って容易にしなうようにする一方、それぞれの切開溝18が履物の底敷き10の側面部と底部を通じて露出するようにすることで中敷き11の構造が履物の底敷き10を通じて発現されるようにして、これにより履物の底敷き10の外観をさらに向上させる一方、消費者らが履物の底敷き10の構造をさらに理解しやすいようにしたものである。
このために、図7に示されたところのように前記アウトソール13は切開溝18を除いた中敷き11の底面に分割式で付着されるようにすることが望ましくて、これとは異なり中敷き11の底面全体にかけて一つのアウトソール13を被せようとする場合には、前記切開溝18を別に形成させないで、緩衝空間12とリブ17だけで中敷き11を製造しても構わないことを明らかにしておくところである。
そして、前記切開溝18の場合も上で説明された緩衝溝16と同じく、縦足弓またはこれと隣接した位置では前記切開溝18が中敷き11に対して垂直方向に形成されるようにして、かかととツマ先に該当する部分では前記切開溝18が外側方向を向けて中敷き11と傾くように形成されるようにすることが望ましくて、切開溝18と対応されるリブ17も、これと同一な構造を有するようにすることが望ましい。
前記のような本発明の履物用中敷き11を履物の底敷き10に適用させるようになれば、着用者の歩行時に歩行荷重が実質的に加えられる足裏部分、すなわち、かかとから足裏の外側面を経ってツマ先に至るまでの部分が緩衝空間12または緩衝溝16によってさらに楽に支持されることができるし、これにより着用者の歩行過程で足裏に加えられる疲れをさらに軽減させることができるようになる。
特に、前記緩衝空間12または緩衝溝16によって着用者のかかとから縦足弓とツマ先に至る足裏全体面にわたってさらに自然で能率的な推進式転がり歩行を遂行できることによって、着用者らの膝と足首部位の関節をさらに安全に保護することができるようになるし、これにより着用者らの健康増進側面にさらに寄与することができるようになるものである。
併せて、履物の底敷き10と別途の部品で製造されて履物の底敷き10と組み立てされた特許文献1による歩行推進部材や従来のエアバッグまたはスプリングなどとは異なり、履物の底敷き10に適用される原素材である中敷き11を成形する過程で、前記緩衝空間12や緩衝溝16または切開溝18やリブ17を容易に形成させることができるようになることで、転がり歩行が可能な機能性履物の生産性を向上させて機能性履物の製造原価を節減させる側面にも寄与することができるようになるものである。
前記の説明のうちで未説明された図面符号“15”はアウトソール13の内部に中敷き11を挿入させて、履物用甲皮と一体で仕立てするためのわく部を示すものであり、前記中敷き11とアウトソール13の外観形態も図面に示された形態で限定されるものではなくて、各種履物に適用されることができる他の形態の中敷きとアウトソールになることができることは勿論である。
【符号の説明】
【0011】
10 履物の底敷き
11 中敷き
12 緩衝空間
13 アウトソール
14 ノンスリップ面
15 わく部
16 緩衝溝
17 リブ
18 切開溝
P 歩行荷重経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の底敷き10に適用されて着用者の起立時および歩行または走行時の荷重を支持するクッション材としての役割を遂行する履物用中敷き(Mid−sole)11において、
前記中敷き11の底部にはかかと部分から足裏の外側部分に沿ってツマ先部分に至るまで空の空間としての緩衝空間12が形成されて、
前記緩衝空間12は、足裏の縦足弓部分を中心にかかととツマ先部分に行くほどその平断面積が増加されるように形成されることを特徴とする衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷き。
【請求項2】
前記緩衝空間12の内側縁部分に該当する中敷き11の底部には緩衝溝16が一定な間隔を置いて形成されることを特徴とする衝撃分散機能と転がり歩行機能を有することを特徴とする請求項1に記載の履物の中敷き。
【請求項3】
前記緩衝空間12は、複数個の緩衝溝16に分割形成されることを特徴とする請求項1に記載の衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷き。
【請求項4】
前記緩衝溝16は、縦足弓部分では中敷き11に対して垂直方向に形成されて、かかととツマ先部分では中敷き11に対して鋭角で傾くように形成されることを特徴とする衝撃分散機能と転がり歩行機能を有することを特徴とする請求項2または3に記載の履物の中敷き。
【請求項5】
履物の底敷き10に適用されて着用者の起立時および歩行または走行時の荷重を支持するクッション材としての役割を遂行する履物用中敷き(Mid−sole)11において、
前記中敷き11の上部面にはかかと部分から足裏の外側部分に沿ってツマ先部分に至るまで空の空間としての緩衝空間12が形成されて、
前記緩衝空間12は、足裏の縦足弓部分を中心にかかととツマ先部分に行くほどその平断面積が増加されるように形成されて、
前記中敷き11の底部には、中敷き11の長さ方向に沿って一定な間隔を置いて切開溝18が形成されて、
前記緩衝空間12には、切開溝18と対応される部分に沿ってリブ(Rib)17が突出形成されることを特徴とする衝撃分散機能と転がり歩行機能を有する履物の中敷き。
【請求項6】
前記切開溝18は、縦足弓部分では中敷き11に対して垂直方向に形成されて、かかととツマ先部分では中敷き11に対して鋭角で傾くように形成されることを特徴とする衝撃分散機能と転がり歩行機能を有することを特徴とする請求項5に記載の履物の中敷き。

【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図3】
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【図4(A)】
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【図4(B)】
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【図4(C)】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−501717(P2012−501717A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525991(P2011−525991)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【国際出願番号】PCT/KR2009/005069
【国際公開番号】WO2010/027235
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511061349)ジワン エフアールエス コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】