説明

表示制御装置及びプログラム

【課題】テキスト全体についての暗記学習を効率良く行う。
【解決手段】電子辞書1は、文字列を記憶するフラッシュROM80と、ユーザ操作に基づいて、フラッシュROM80により記憶された文字列を表示させるCPU20と、ユーザから文字列の入力を受ける音声入力部60とを備える。CPU20は、表示された表示文字列と、入力文字列とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した場合に、表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して隠し表示させ、一致しないと判定した場合に、隠し表示を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、情報表示装置には、学習効率を高める様々な技術が搭載されている。例えば、このような情報表示装置では、テキスト内で暗記したい箇所をユーザが指定すると、その箇所が隠されてテキストが穴埋め問題として再表示される結果、テキスト内容の暗記学習が可能となっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−62792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術を用いてテキスト全体を暗記しようとすると、テキストにおける個々の部分を一々、暗記対象として指定していく必要があり、操作が煩わしくなるため、効率が悪い。
【0005】
本発明の課題は、テキスト全体についての暗記学習を効率良く行うことのできる表示制御装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、表示制御装置において、
文字列を記憶する文字列記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶手段により記憶された文字列を表示させる文字列表示制御手段と、
ユーザから文字列の入力を受ける文字列入力手段と、
前記文字列表示制御手段により表示制御された表示文字列と、前記文字列入力手段により入力された入力文字列とが一致するか否かを判定する比較手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致すると前記比較手段により判定された場合に、前記表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して表示させる隠し表示制御手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致しないと前記比較手段により判定された場合に、前記隠し表示制御手段による表示制御を解除する隠し表示解除手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、テキスト全体についての暗記学習を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
【図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
【図3】暗唱学習処理を示すフローチャートである。
【図4】隠しパターンの設定内容を説明するための図である。
【図5】表示部の表示内容を示す図である。
【図6】表示部の表示内容を示す図である。
【図7】表示部の表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明に係る表示制御装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11、マイク13及びキー群2を備えている。
【0011】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、いわゆるタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0012】
マイク13は、ユーザから発せられる音声を取り込む部分である。
【0013】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、カーソルキー2e等とを有している。
【0014】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。
【0015】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。
【0016】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構造について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、音声入力部60、記録媒体読取部50、CPU(Central Processing Unit)20、フラッシュROM(Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)90を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0018】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0019】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0020】
音声入力部60は、上述のマイク13を備えており、CPU20から入力される信号に基づいてマイク13に音声データの入力を行わせるようになっている。
【0021】
記録媒体読取部50は、着脱自在に装着されるSDカードやUSBメモリ、CD等の記録媒体50Aから情報を読み取るものである。
【0022】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果をRAM90に保存するとともに、当該処理結果を表示部40に適宜出力させる。
【0023】
フラッシュROM80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM80は、本発明に係る情報表示プログラム81と、テキストコンテンツ群7と、暗唱帳データベース82等とを記憶している。
【0024】
情報表示プログラム81は、後述の暗唱学習処理(図3参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0025】
テキストコンテンツ群7は、文字列からなるテキストコンテンツ71を少なくとも1つ有している。
【0026】
暗唱帳データベース82は、後述の暗唱学習処理(図3参照)において使用されたテキストコンテンツ71について、ユーザが誤って暗唱した時点での表示状態を記憶するようになっている。より具体的には、本実施の形態における暗唱帳データベース82では、テキストコンテンツ71の全体の文字列と、ユーザが誤って暗唱した時点での当該文字列の表示対象範囲と、当該文字列のうち、ユーザが誤って暗唱した時点で潜像化して隠し表示されていた部分、及び赤枠で識別表示されていた部分の位置情報とを合わせて記憶することにより、表示状態を記憶するようになっている。ここで、文字列を潜像化して隠し表示するとは、文字列を塗り潰すこととしても良いし、文字列と文字列周囲との表示色を近似させることとしても良い。文字列と文字列周囲との表示色を近似させるとは、文字列の表示色を周囲の表示色に近似させても良いし、周囲の表示色を文字列の表示色に近似させても良い。
【0027】
RAM90は、CPU20が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えている。
【0028】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図3を参照しつつ説明する。
【0029】
図3は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行する暗唱学習処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施の形態においては、テキストコンテンツ群7における何れかのテキストコンテンツ71、或いは暗唱帳データベース82に表示状態の記憶された何れかのテキストコンテンツ71がユーザ操作により指定されてメインディスプレイ10に表示された後、ユーザが所定の操作を行うことにより、暗唱学習処理が実行されるようになっている。暗唱帳データベース82に表示状態の記憶されたテキストコンテンツ71が表示される場合には、記憶された表示状態を再現するようにテキストコンテンツ71が表示されることとなる。具体的には、暗唱帳データベース82に記憶された表示対象範囲からテキストコンテンツ71の文字列が表示されるとともに、当該文字列のうち、潜像化されていた部分として暗唱帳データベース82に記憶された文字列が潜像化され、識別表示されていた部分として記憶された文字列が識別表示された状態で表示されることとなる。
【0030】
この暗唱学習処理においては、まずCPU20はメインディスプレイ10の端部に暗唱学習アイコンA1(図5(a)参照)を表示させた後、この暗唱学習アイコンA1に対してユーザからタッチ操作が行われると(ステップS1)、文字列の隠しパターンの設定を行うための隠し位置設定アイコンA5と、隠し範囲設定アイコンA6とをメインディスプレイ10の端部に表示させた後(図5(b)参照)、これらのアイコンA5,A6に対するユーザ操作に基づいて隠しパターンの設定を行う(ステップS2)。
【0031】
ここで、隠し位置設定アイコンA5は、潜像化すべき文字列の位置を設定するためのトグルボタンであり、「文頭から」及び「ランダム」の何れかを選択して設定することができるようになっている。そして、「文頭から」が設定されると、テキストの文字列のうち、まだ潜像化されていない最も先頭側の文字列部分が潜像化されることとなる。一方、「ランダム」が設定されると、テキストの文字列がランダムに選択されて潜像化されることとなる。
【0032】
また、隠し範囲設定アイコンA6は、潜像化すべき文字列の範囲を設定するためのトグルボタンであり、「1文字」、「文節」及び「一文」の何れかを選択して設定することができるようになっている。そして、「1文字」が設定されると、テキストの文字列が1文字だけ潜像化されることとなり、「文節」が設定されると、テキストの文字列が1文節だけ潜像化されることとなり、「一文」が設定されると、テキストの文字列が一文だけ潜像化されることとなる。
【0033】
これにより、例えば図4に示すように、潜像化すべき文字列の位置が「文頭から」、潜像化すべき文字列の範囲が「1文字」として設定されると、後述のステップS4が繰り返し行われて各回の暗唱が正しく行われた場合に、図中左上欄に示すように、テキストの先頭から順に1文字ずつ潜像化されて表示されることとなる。同様に、潜像化すべき文字列の位置,範囲が他の組合せで設定された場合には、各回の暗唱が正しく行われたときに、図中の他の欄に示したように所定の部分が潜像化されて表示されることとなる。
【0034】
次に、CPU20は、図3に示すように、メインディスプレイ10の端部にスタートアイコンA2を表示させた後(図5(b)参照)、このスタートアイコンA2に対してユーザからタッチ操作が行われると(ステップS3)、ユーザから入力される入力文字列と、メインディスプレイ10に表示されている表示文字列とを比較する(ステップS4)。具体的には、このときCPU20は、マイク13を介してユーザから音声入力を受け、入力された音声を音声認識によって文字列に変換する一方、表示文字列を形態素解析によって仮名読みに変換する。そして、CPU20は、文字列が入力される毎に、現時点までに入力された入力文字列と、入力文字列の末尾に相当する部分までの表示文字列とを比較する。なお、入力音声を音声認識する技術や、表示文字列を形態素解析する技術としては、従来より公知の技術を用いることができる。また、このときCPU20は、テキストコンテンツ71の全体がメインディスプレイ10の表示領域に収まらない場合には、当該テキストコンテンツ71の文字列のうち、入力文字列の末尾に相当する部分が少なくとも表示されるよう、テキストコンテンツ71における表示対象範囲を随時切り替えて表示させるようになっている。
【0035】
次に、CPU20は、テキストコンテンツ71の末尾までユーザから文字列の入力が完了したら、メインディスプレイ10に表示された表示文字列と、ユーザから音声入力された入力文字列とが完全に一致していたか否かを判定し(ステップS5)、一致していたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、ステップS2での設定内容に従って表示文字列中の所定箇所を、ユーザから視認されないよう潜像化して隠し表示させる(ステップS6)。
【0036】
そして、CPU20は、隠し位置設定アイコンA5と、隠し範囲設定アイコンA6とをメインディスプレイ10の端部に表示させた後(ステップS7)、上述のステップS2に移行する。
【0037】
また、ステップS5において表示文字列と、入力文字列とが完全には一致していなかったと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU20は、その旨をユーザに報知し、表示文字列のうち、入力文字列と一致しなかった部分、つまりユーザが誤って暗唱した部分を識別して表示させるとともに、メインディスプレイ10での表示文字列の表示状態(隠し表示されている部分の位置情報、識別表示されている部分の位置情報、表示対象範囲など)を暗唱帳データベース82に記憶させた後(ステップS8)、上述のステップS7に移行する。
【0038】
より詳細には、このステップS8においてCPU20は、ブザー音を出力することで、表示文字列と入力文字列とが一致しない旨を報知するようになっているが、他の手法によってユーザへの報知を行うこととしても良い。
【0039】
また、このステップS8においてCPU20は、ユーザが誤って暗唱した部分を赤枠で囲うことにより識別表示を行うようになっているが、他の手法によって識別表示を行うこととしても良い。また、このときCPU20は、ユーザが誤って暗唱した部分が既に赤枠で囲まれている場合、つまり前回の暗唱の際に既に誤って暗唱していた場合には、枠の線を太くして表示させるようになっている。また、このときCPU20は、ユーザが誤って暗唱した部分が潜像化して表示されている場合には、この部分についての潜像化を解除して表示させるようになっている。
【0040】
(動作例)
続いて、図5〜図7を参照しつつ、上記の暗唱学習処理を具体的に説明する。
【0041】
まず、図5(a)に示すように、テキストコンテンツ群7における「我輩は猫である」のテキストコンテンツ71がメインディスプレイ10に表示された状態で暗唱学習処理が実行されると、メインディスプレイ10の端部に暗唱学習アイコンA1が表示される。
【0042】
次に、この暗唱学習アイコンA1に対してユーザがタッチ操作を行うと(ステップS1)、図5(b)に示すように、隠し位置設定アイコンA5と、隠し範囲設定アイコンA6とがメインディスプレイ10の端部に表示される。
【0043】
次に、潜像化すべき文字列の位置を「ランダム」、潜像化すべき文字列の範囲を「分節」としてユーザが隠しパターンの設定を行い(ステップS2)、スタートアイコンA2に対してタッチ操作を行って(ステップS3)、文字列を音声入力(暗唱)すると、図5(c)に示すように、入力文字列と、表示文字列とが比較される(ステップS4)。
【0044】
次に、メインディスプレイ10に表示された表示文字列と、ユーザから音声入力された入力文字列とが完全に一致していたと判定されると(ステップS5;Yes)、ステップS2での設定内容に従って表示文字列中の所定箇所が潜像化されて隠し表示される(ステップS6)。
【0045】
そして、以上の操作を複数回繰り返すことにより、図5(d)に示すように、表示文字列における複数の箇所が潜像化されて隠し表示されていき、最終的には図5(e)に示すように、表示文字列の全体が潜像化されて隠し表示される。
【0046】
一方、図6(a)に示した状態から、ユーザがスタートアイコンA2に対してタッチ操作を行って(ステップS3)、誤った文字列を音声入力(暗唱)すると、入力文字列と、表示文字列とが比較された後(ステップS4)、表示文字列と、入力文字列とが完全には一致していなかったと判定され(ステップS5;No)、その旨がユーザに報知されて、図6(b)に示すように、表示文字列のうち、ユーザが誤って暗唱した部分(ここでは「記憶している」の部分)の潜像化が解除され、当該部分が赤枠で識別されて表示される(ステップS8)。また、メインディスプレイ10での表示文字列の表示状態(隠し表示されている部分の位置情報、識別表示されている部分の位置情報、表示対象範囲など)が暗唱帳データベース82に記憶される。
【0047】
なお、図6(b)に示した状態から、ユーザがスタートアイコンA2に対してタッチ操作を行って(ステップS3)、正しい文字列を音声入力(暗唱)した場合には(ステップS5;Yes)、図6(c)に示すように、赤枠で識別表示されていた部分が改めて潜像化されることが好ましい。
【0048】
また、図7(a)に示した状態から、ユーザがスタートアイコンA2に対してタッチ操作を行って(ステップS3)、赤枠の部分について誤った文字列を音声入力(暗唱)した場合には(ステップS5;Yes)、図7(b)に示すように、赤枠の線幅を太くして表示されることが好ましい。
【0049】
そして、図6(b)の状態が表示された後にユーザが暗唱学習処理を終了してから、図7(c)に示すように、改めてユーザが暗唱帳データベース82における「我輩は猫である」のテキストコンテンツ71を表示させると、図7(d)に示すように、暗唱帳データベース82に記憶された表示対象範囲からテキストコンテンツ71の文字列が表示されるとともに、当該文字列のうち、潜像化されていた部分として暗唱帳データベース82に記憶された文字列が潜像化され、識別表示されていた部分として記憶された文字列が識別表示された状態で表示されることとなる。
【0050】
以上の電子辞書1によれば、図3のステップS4〜S6や、図5等に示したように、表示文字列と、入力文字列とが一致するか否かが判定され、一致すると判定された場合には、表示文字列における所定部分が潜像化されて表示されるので、ユーザが正しい文字列を入力すると、表示文字列が段階的に自動で隠し表示されていくことになる。従って、表示文字列における個々の部分を一々、暗記対象として指定していく必要がないため、文字列全体についての暗記学習を効率良く行うことができる。
また、図3のステップS8や図6(a),(b)等に示したように、表示文字列と、入力文字列とが一致しないと判定された場合には、隠し表示が解除されるので、表示文字列の内容を把握し直すことができる。
【0051】
また、図3のステップS8や、図7(c),(d)等に示したように、表示文字列の表示状態が暗唱帳データベース82に記憶され、文字列が表示される場合に、潜像化されていたと暗唱帳データベース82に記憶された部分が潜像化して表示されるので、時間をあけて暗記学習を進めることができる。
【0052】
また、図3のステップS4等に示したように、ユーザから入力された音声が文字列に変換されて入力されるので、文字列全体についての暗唱学習を行うことができる。
【0053】
また、図3のステップS8や図6(b)等に示したように、入力文字列と表示文字列とが不一致である場合に、不一致箇所の文字列が赤枠で識別表示されるので、間違い易い箇所を把握して暗記学習を行うことができる。
【0054】
また、図3のステップS8や図7(c),(d)等に示したように、入力文字列と表示文字列とが不一致であると判定された時点でのテキストコンテンツ71の表示対象範囲が記憶され、記憶された表示対象範囲からテキストコンテンツ71が表示されるので、暗唱学習を前回終了した箇所から改めて再開することができる。
【0055】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0056】
例えば、本発明に係る表示制御装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る情報表示プログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な記録媒体50Aに記憶されることとしてもよい。
【0057】
また、マイク13を介してユーザから入力される音声を音声認識して文字列の入力を受けることとして説明したが、入力部30のキー群2やタッチパネル110を介して直接的に文字列の入力を受けることとしても良い。
【0058】
また、入力文字列と表示文字列とが不一致である場合に、不一致箇所の文字列を赤枠で識別表示することとして説明したが、入力文字列と表示文字列とが不一致であり、かつ、不一致箇所が隠し表示されていない場合に、当該不一致箇所の文字列を赤枠で識別表示することとしても良い。
また、入力文字列と表示文字列とが不一致である場合に、不一致箇所が潜像化して表示されている場合には、この部分についての潜像化を解除して表示させることとして説明したが、表示文字列内で潜像化されている全ての部分について潜像化を解除して表示させることとしても良い。
【0059】
また、テキストコンテンツ71の末尾までユーザから文字列の入力が完了した後に、表示文字列と入力文字列とが完全に一致していたか否かを判定することとして説明したが、ユーザからの文字列の入力中、例えば1文字単位や1単語単位等の文字列の一部分の入力を検知する毎にリアルタイムで表示文字列と入力文字列とが一致しているか否かを判定することとしても良い。この場合には、表示文字列と入力文字列とが不一致であると判定された場合に、この不一致箇所について潜像化を解除するとともに、ユーザによる文字列の入力を中止させることが好ましい。不一致箇所についての潜像化が解除される場合には、記憶のあやふやな箇所の内容を把握し直すことができる。
【0060】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
文字列を記憶する文字列記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶手段により記憶された文字列を表示させる文字列表示制御手段と、
ユーザから文字列の入力を受ける文字列入力手段と、
前記文字列表示制御手段により表示制御された表示文字列と、前記文字列入力手段により入力された入力文字列とが一致するか否かを判定する比較手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致すると前記比較手段により判定された場合に、前記表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して表示させる隠し表示制御手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致しないと前記比較手段により判定された場合に、前記隠し表示制御手段による表示制御を解除する隠し表示解除手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項2>
請求項1記載の表示制御装置において、
前記表示文字列の表示状態を記憶する表示状態記憶手段を備え、
前記隠し表示制御手段は、
前記文字列表示制御手段により文字列が表示される場合に、前記文字列記憶手段により記憶された文字列のうち、潜像化されていたと前記表示状態記憶手段により記憶された部分を、潜像化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項3>
請求項1または2記載の表示制御装置において、
前記文字列入力手段は、
ユーザから音声入力を受ける音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力された音声を文字列に変換する文字列変換手段とを有することを特徴とする表示制御装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記隠し表示制御手段は、
前記文字列入力手段に対して文字列の入力が完了した後に、前記表示文字列における所定部分を潜像化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項5>
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記比較手段は、
前記文字列入力手段により文字列が入力される毎に、現時点までに入力された入力文字列と、当該入力文字列の末尾に相当する部分までの前記表示文字列とが一致するか否かを判定し、
前記隠し表示解除手段は、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定された場合に、この不一致箇所について前記隠し表示制御手段による表示制御を解除するとともに、前記文字列入力手段による文字列の入力を中止させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項6>
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記隠し表示解除手段は、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定され、かつ、この不一致箇所が前記隠し表示制御手段により表示制御されていない場合に、当該不一致箇所の文字列を識別表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項7>
請求項1〜6の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記文字列表示制御手段は、
前記表示文字列が表示領域に収まらない場合には、当該表示文字列のうち、前記入力文字列の末尾に相当する部分が少なくとも表示されるよう、当該表示文字列の表示対象範囲を随時切り替えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項8>
請求項7記載の表示制御装置において、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定された時点での前記表示文字列の表示対象範囲を記憶する表示対象範囲記憶手段を備え、
前記文字列表示制御手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶手段により記憶された文字列を、前記表示対象範囲記憶手段により記憶された表示対象範囲から表示させることを特徴とする表示制御装置。
<請求項9>
コンピュータに、
文字列を記憶する文字列記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶機能により記憶された文字列を表示させる文字列表示制御機能と、
ユーザから文字列の入力を受ける文字列入力機能と、
前記文字列表示制御機能により表示制御された表示文字列と、前記文字列入力機能により入力された入力文字列とが一致するか否かを判定する比較機能と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致すると前記比較機能により判定された場合に、前記表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して表示させる隠し表示制御機能と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致しないと前記比較機能により判定された場合に、前記隠し表示制御機能による表示制御を解除する隠し表示解除機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0061】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 情報表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列を記憶する文字列記憶手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶手段により記憶された文字列を表示させる文字列表示制御手段と、
ユーザから文字列の入力を受ける文字列入力手段と、
前記文字列表示制御手段により表示制御された表示文字列と、前記文字列入力手段により入力された入力文字列とが一致するか否かを判定する比較手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致すると前記比較手段により判定された場合に、前記表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して表示させる隠し表示制御手段と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致しないと前記比較手段により判定された場合に、前記隠し表示制御手段による表示制御を解除する隠し表示解除手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示制御装置において、
前記表示文字列の表示状態を記憶する表示状態記憶手段を備え、
前記隠し表示制御手段は、
前記文字列表示制御手段により文字列が表示される場合に、前記文字列記憶手段により記憶された文字列のうち、潜像化されていたと前記表示状態記憶手段により記憶された部分を、潜像化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の表示制御装置において、
前記文字列入力手段は、
ユーザから音声入力を受ける音声入力手段と、
前記音声入力手段により入力された音声を文字列に変換する文字列変換手段とを有することを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記隠し表示制御手段は、
前記文字列入力手段に対して文字列の入力が完了した後に、前記表示文字列における所定部分を潜像化して表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記比較手段は、
前記文字列入力手段により文字列の一部分が入力される毎に、現時点までに入力された入力文字列と、当該入力文字列の末尾に相当する部分までの前記表示文字列とが一致するか否かを判定し、
前記隠し表示解除手段は、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定された場合に、この不一致箇所について前記隠し表示制御手段による表示制御を解除するとともに、前記文字列入力手段による文字列の入力を中止させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記隠し表示解除手段は、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定され、かつ、この不一致箇所が前記隠し表示制御手段により表示制御されていない場合に、当該不一致箇所の文字列を識別表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記文字列表示制御手段は、
前記表示文字列が表示領域に収まらない場合には、当該表示文字列のうち、前記入力文字列の末尾に相当する部分が少なくとも表示されるよう、当該表示文字列の表示対象範囲を随時切り替えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項8】
請求項7記載の表示制御装置において、
前記比較手段により前記入力文字列と前記表示文字列とが不一致であると判定された時点での前記表示文字列の表示対象範囲を記憶する表示対象範囲記憶手段を備え、
前記文字列表示制御手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶手段により記憶された文字列を、前記表示対象範囲記憶手段により記憶された表示対象範囲から表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項9】
コンピュータに、
文字列を記憶する文字列記憶機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記文字列記憶機能により記憶された文字列を表示させる文字列表示制御機能と、
ユーザから文字列の入力を受ける文字列入力機能と、
前記文字列表示制御機能により表示制御された表示文字列と、前記文字列入力機能により入力された入力文字列とが一致するか否かを判定する比較機能と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致すると前記比較機能により判定された場合に、前記表示文字列における所定部分を、ユーザから視認されないよう潜像化して表示させる隠し表示制御機能と、
前記表示文字列と前記入力文字列とが一致しないと前記比較機能により判定された場合に、前記隠し表示制御機能による表示制御を解除する隠し表示解除機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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