説明

製膜性が改善されたポリイミド樹脂及び光学フィルム

【課題】本発明は、良好な製膜性を有する低線膨張かつ有機溶剤可溶性を有する材料および光学フィルムを提供することを目的とする。さらに、当該光学フィルムを用いて耐熱性や低線熱膨張係数の要求の高い製品又は部材を提供することを目的とする。特に、本発明の光学フィルムを透明基板、さらにはそれらを含む画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】フッ素原子を含有するポリアミドイミド及び特定のポリイミドの繰り返し単位からなるポリイミド樹脂により、製膜時の白化現象が抑制された低線膨張係数を有する可溶性のポリイミド樹脂及び光学フィルムを提供することが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低線膨張性と可溶性が両立されたポリイミド樹脂及び光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶や有機EL、電子ペーパー等のディスプレイや、太陽電池、タッチパネル等のエレクトロニクスの急速な進歩に伴い、デバイスの薄型化や軽量化、更には、フレキシブル化が要求されるようになってきた。これらのデバイスにはガラス基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、このガラス材料をフィルム材料に変えることにより、パネル自体の薄型化や軽量化、更にはフレキシブル化が図れる。
【0003】
しかしながら、ガラス代替となるフィルム材料には透明性に加えて、無機材料からなる微細な電子素子をフィルム上に形成する場合には高温プロセスが必要となることから高度な耐熱性を有する必要があること、更には、無機材料とフィルムの線熱膨張係数の違いにより、電子素子の形成後にフィルムの反りや電子素子が破壊されてしまう恐れがあることから、無機材料と同程度の低線熱膨性が求められる。
【0004】
一方、ポリイミド樹脂は耐熱性と共に高い絶縁性能を有することから、FPC等の電子部品材料への適用が進められてきた。その用途においては、シリコンや銅などの金属と積層される場合が多く、ポリイミド樹脂の線熱膨張係数をシリコンや金属並に小さくする試みが従来から行われてきた。
【0005】
しかしながら、このような電子部品材料用のポリイミド樹脂は高度な耐熱性と低線膨張性を有しているものの、一般的には透明性が低く、ガラス代替となる光学フィルムとして用いることができなかった。
【0006】
そこで、透明性を向上させる試みとして、ポリイミド樹脂の原料であるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン双方で種々の構造が提案され、特にポリイミド樹脂中にフッ素置換基を含有するポリイミド、例えば、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下、TFMBとする)から得られるポリイミド樹脂は、耐熱性や線熱膨張係数に加えて、有機溶媒への溶解性及び透明性にも比較的優れていることがわかってきた(例えば、特許文献1〜4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−106225
【特許文献2】米国特許5071997
【特許文献3】米国特許5194579
【特許文献4】特表平8−511812
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、光学フィルムとして用いるには、フィルムの透明性ならびに表面平滑性が必要であるが、特許文献1にはTFMBとアミド基を有するテトラカルボン酸二無水物からなる可溶性ポリイミド樹脂が開示されているものの、有機溶剤に溶解させて実際に製膜を行う場合には、製膜中にフィルム表面が白化し、フィルムの平滑性に問題が生じる場合があった。
【0009】
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、良好な製膜性を有する低線膨張かつ有機溶剤可溶性を有する材料および光学フィルムを提供することを目的とする。さらに、当該光学フィルムを用いて耐熱性や低線熱膨張係数の要求の高い製品又は部材を提供することを目的とする。特に、本発明の光学フィルムを、ガラス、金属、金属酸化物及びシリコン等の無機物表面に形成する用途に適用した製品、及び部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題である、製膜時に白化することなく良好に製膜可能であり、かつ、透明性や耐熱性、更には有機溶媒への可溶性及び低熱膨張係数に優れた光学フィルムを得るためには、フッ素原子を含有するポリアミドイミド及び特定のポリイミドの繰り返し単位からなるポリイミド樹脂が有効であることを見出した。
【0011】
本願発明は以下の構成を有するものである。
1.下記式(1)及び下記式(2)で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂であり、下記式(1)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の50モル%以上95モル%以下、かつ、下記式(2)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の5モル%以上50モル%未満であることを特徴とするポリイミド樹脂。
【0012】
【化1】

【0013】
【化2】

【0014】
2.1記載のポリイミド樹脂からなることを特徴とする光学フィルム。
3.2記載の光学フィルムからなることを特徴とする透明基板。
4.2記載の光学フィルムを含むことを特徴とする画像表示装置。
5.2記載の光学フィルムを含むことを特徴とする太陽電池。
【発明の効果】
【0015】
本発明のポリイミド樹脂は、有機溶剤に対して可溶性であり、また、製膜時の白化現象が抑制されることから、表面が均一な光学フィルムを容易に製造できることに加えて、低線膨張性(寸法安定性)が必要とされる公知の全ての部材用のフィルムや塗膜として好適である。また、本発明に係るポリイミド樹脂は種々の有機溶媒に可溶なため、各種基板へ容易に塗工することができる。本発明の光学フィルムは、例えば、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー、反射防止膜、ホログラム、太陽電池基板、光学部材又は建築材料や構造物として好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下において本発明を詳しく説明する。
【0017】
本発明におけるポリイミド樹脂は、下記式(1)および下記式(2)で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂であり、下記式(1)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の50モル%以上95モル%以下、かつ、下記式(2)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の5モル%以上50モル%未満であることを特徴とする。
【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
式(1)中の繰り返し単位は、任意の方法により形成されるが、ジアミン成分である2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下、TFMB)とカルボン酸二無水物成分である下記式(3)で表されるアミド基を含有するテトラカルボン酸二無水物(以下、TATFMB)とをイミド化することにより容易に形成される。
【0021】
【化5】

【0022】
また、式(2)中の繰り返し単位も同様に任意の方法により形成されるが、TFMBとピロメリット酸二無水物(以下、PMDA)とをイミド化することにより容易に形成される。
【0023】
本発明のポリイミド樹脂は式(1)及び式(2)以外の繰り返し単位を有するポリイミドも本発明の効果を損なわない限りにおいて共重合させることが可能である。
【0024】
例えば、ジアミン成分としてはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4'−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4,4'−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3'−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6'−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン、6,6'−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3',3'−テトラメチル−1,1'−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、trans−1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,4−ジアミノ−2−フルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジフルオロベンゼン、1、4−ジアミノ−2,6−ジフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリフルオロベンゼン、1、4−ジアミノ、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ヘンゼン、1,4−ジアミノ−2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1、4−ジアミノ−2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジアミノ−2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1、4−ジアミノ、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2−フルオロベンジジン、3−フルオロベンジジン、2,3−ジフルオロベンジジン、2,5−ジフルオロベンジジン、2、6−ジフルオロベンジジン、2,3,5−トリフルオロベンジジン、2,3,6−トリフルオロベンジジン、2,3,5,6−テトラフルオロベンジジン、2,2’−ジフルオロベンジジン、3,3’−ジフルオロベンジジン、2,3’−ジフルオロベンジジン、2,2’,3−トリフルオロベンジジン、2,3,3’−トリフルオロベンジジン、2,2’,5−トリフルオロベンジジン、2,2’,6−トリフルオロベンジジン、2,3’,5−トリフルオロベンジジン、2,3’,6,−トリフルオロベンジジン、2,2’,3,3’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,5,5’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,6,6’−テトラフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,6,6’−ヘキサフルオロベンジジン、2,2’,3,3’,5,5’、6,6’−オクタフルオロベンジジン、2−(トリフルオロメチル)ベンジジン、3−(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2、6−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,5,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3,3’−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,5−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,3’,6,−トリス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,3,3’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,5,5’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン、2,2’,6,6’−テトラキス(トリフルオロメチル)ベンジジン等が挙げられる。
【0025】
カルボン酸二無水物成分として、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス[(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル]ベンゼン二無水物、1,4−ビス[(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル]ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、4,4'−ビス[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]ビフェニル二無水物、4,4'−ビス[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]ビフェニル二無水物、ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−[4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−[3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ]フェニル}−1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
これら、ジアミン成分及びカルボン酸二無水物成分は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0027】
本発明のポリイミド樹脂は熱イミド化、化学イミド化やジイソシアネート化合物の脱炭酸を経由する手法等、公知の技術によって製造される。
【0028】
本発明のポリイミド樹脂の重量平均分子量は、その用途にもよるが、5,000〜500,000の範囲であることが好ましく、10,000〜300,000の範囲であることがさらに好ましく、30,000〜200,000の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5,000以下であると、塗膜又はフィルムとした場合に十分な強度が得られにくい。一方、500,000を超えると粘度が上昇し、溶解性が低下するため、表面が平滑で膜厚が均一な塗膜又はフィルムが得られにくい。ここで用いている分子量とは、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレンオキサイド換算の値のことをいう。
【0029】
本発明の光学フィルムを製造する方法としては、従来公知の手法を適用することができる。特に、テトラカルボン酸二無水物とジアミンから前駆体であるポリアミド酸を合成し、脱水触媒とイミド化剤を添加したポリアミド酸ワニスを、反応溶媒中でイミド化を完結した後、反応溶媒中に貧溶媒を投入し、ポリイミド樹脂固形物を単離し、単離したポリイミド樹脂を有機溶媒に溶解させて樹脂溶液としたのち、基板上に塗工して乾燥させる方法が、不純物を低減させることが可能なこと、塗工する基板に合わせて各種有機溶媒を選定できること、線熱膨張係数や寸法安定性の良好なフィルムを得ることができることから好ましい。
【0030】
上記の式(1)の繰り返し単位はフィルムの透明性や製膜性の観点から、ポリマー全体の50モル%以上95モル%以下であり、さらには50モル%以上90モル%以下であることが好ましい。50モル%未満の場合、フィルムの透明性や溶剤への溶解性が著しく低下し、製膜性が低下する。また、式(1)の繰り返し単位が95モル%を超えると、フィルム製膜時に白化現象が生じやすく、製膜時に白化が生じた場合、フィルムの表面平滑性が得られない。
【0031】
上記の式(2)の繰り返し単位はフィルムの表面平滑性や製膜性の観点から、ポリマー全体の5モル%以上50モル%未満であり、さらには10モル%以上50モル%未満であることが好ましい。5モル%未満の場合、フィルムの製膜時に白化現象が生じやすく、製膜時に白化が生じた場合、フィルムの表面平滑性が得られない。また、式(2)の繰り返し単位が50モル%を超えると有機溶剤への溶解性が著しく低下し、製膜性が低下する。
【0032】
ポリイミド樹脂溶液を塗工する基板としては、ガラス基板、SUS等の金属基板あるいは金属ベルト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリイミド等のプラスチックフィルム等が使用されるがこれに限定されるものではない。プラスチックフィルムを基板材料として使用する場合、本発明のポリイミド樹脂を塗工液として溶解させる有機溶媒はプラスチックフィルム塗工基板を溶解または膨潤しない材料を適宜選択する。
【0033】
本発明のポリイミド樹脂は、光学フィルムとして好適に使用される。本発明の光学フィルムは、低熱膨張特性と加熱前後の寸法安定性を有することを特徴としており、例えば熱機械分析(TMA)によりこれらの値を測定する場合、10mm×3mmのフィルム試料に加重を3.0gとし、10℃/minの昇温速度で測定したときに、100〜200℃の範囲での線熱膨張係数が20ppm/K以下、好ましくは15ppm/K以下、さらに好ましくは10ppm/K以下の光学フィルムを得ることができる。
【0034】
ガラス転移温度は、耐熱性の観点からは高ければ高いほど良いが、示差走査熱量分析(DSC)または動的粘弾性分析(DMS)において、昇温速度10℃/minの条件で測定したときのガラス転移温度が、250℃以上が好ましく、熱処理温度を高くできるという点において、更に好ましくは300℃以上であるとよい。
【0035】
光学フィルムの透明性は、例えば、JIS K7105−1981に従った全光線透過率で表される。全光線透過率は85%以上、さらに好ましくは87%以上であるとよい。このように透明性を付与することで、光学フィルムとして、使用することができる。本発明の光学フィルムは、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、偏光子保護フィルム、ガラス代替となる透明基板等が挙げられる。本発明の光学フィルムは、特に耐熱性及び線熱膨張係数に優れていることから、ガラス代替フィルムのような透明基板として、好適に使用することができる。
【0036】
本発明に係るポリイミド樹脂は、そのまま製品や部材を作製するためのコーティングや成形プロセスに供してもよいが、フィルム状に成形された成形物にさらにコーティング等の処理を行い積層物として用いることが出来る。コーティングあるいは成形プロセスに供するために、該ポリイミド樹脂を必要に応じて溶剤に溶解又は分散させ、さらに、光又は熱硬化性成分、本発明に係るポリイミド樹脂以外の非重合性バインダー樹脂、その他の成分を配合して、ポリイミド樹脂組成物を調製してもよい。
【0037】
本発明に係る樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子、増感剤等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であってもよい。また、その機能又は形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
【0038】
本発明に係る光学フィルムは、その表面に金属酸化物や透明電極等の各種無機薄膜を形成していても良い。これら無機薄膜の製膜方法は特に限定されるものではなく、例えばCVD法、スパッタリング法や真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法であっても良い。
【0039】
本発明に係る光学フィルムは、耐熱性、絶縁性等のポリイミド本来の特性に加えて、高い寸法安定性及び高い有機溶媒への溶解性を有することから、これらの特性が有効とされる分野・製品、例えば、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー、液晶表示装置、有機EL及び電子ペーパー等の画像表示装置、あるいは太陽電池に使用される。さらには現在ガラスが使用されている部分の代替材料とすることもできる。
【実施例】
【0040】
(評価方法)
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)ポリイミド樹脂の分子量
表1の条件にて重量平均分子量(Mw)を求めた。
【0041】
【表1】

【0042】
(2)ポリイミド樹脂の有機溶剤への溶解性試験
樹脂0.7gに対し、ジメチルアセトアミド(以下、DMAc)9.3g(固形分濃度5%)をサンプル管に入れ、溶解の有無を確認した。室温にて完全に溶解したものを○、完全溶解に加温(80℃)が必要なものを△、加温(80℃)しても溶け残りがあるもの、又は不溶なものを×とした。
【0043】
(3)製膜性の評価
ポリイミド樹脂をDMAcに固形分として7wt%となるよう溶解し、0.7mm厚のガラス板上に最終膜厚として20μmとなるよう50mm×50mmのエリアに塗布した。室温にて溶解しないものについては80℃に加温して溶解し、加温状態のままガラス板上に塗布した。その後、23℃55%RHにて放置し、フィルム表面の白化現象を観察した。3分以上白化が認められない場合を○、1分以上3分未満で白化が認められる場合を△、1分未満で白化が認められる場合を×とした。
【0044】
(4)光学フィルムの線熱膨張係数
100〜200℃の線膨張係数の測定は、セイコー電子(株)社製TMA120Cを用いて(サンプルサイズ 幅3mm、長さ10mm)、荷重3gで10℃/minで10〜260℃まで一旦昇温させた後、10℃まで冷却し、さらに10℃/minで昇温させて2回目の昇温時の100℃および200℃における熱膨張率から平均値として計算した。
【0045】
(5)光学フィルムのガラス転移温度
窒素雰囲気下、セイコー電子(株)社製TMA120Cを用いて(フィルムサンプルサイズ 幅3mm、長さ10mm)、荷重5gでの引張荷重法により、昇温速度10℃/分でフィルムサンプルを昇温し、得られた熱膨張曲線の変曲点をガラス転移温度とした。
【0046】
(6)光学フィルムの全光線透過率
日本電色工業製積分球式ヘイズメーター300Aにより、JIS K7105−1981記載の方法により測定した。
【0047】
(7)アミド基含有テトラカルボン酸の融点
セイコー電子工業製示差走査熱量計DSC220CによりJIS K−7121に記載の方法にて測定した。
【0048】
(合成参考例1)
<アミド基含有テトラカルボン酸二無水物(TATFMB)の合成(下記式(3))>
【0049】
【化6】

【0050】
ポリテトラフルオロエチレン製のシール栓に4枚羽根撹拌翼を具備したステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた、500mLのガラス製セパラブルフラスコに、トリメリット酸無水物クロライド67.4gを入れ、酢酸エチル190gとn−ヘキサン190gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、溶液Aを調製した。更に別の容器に2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(以下、TFMB)25.6gを酢酸エチル72gとn−ヘキサン72gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、脱酸剤としてプロピレンオキサイド9.2gを加えて溶液Bを調製した。
【0051】
エタノールアイスバス中で−20℃程度に冷却下で、溶液Aに攪拌下溶液Bを滴下して3時間攪拌し、その後室温で12時間攪拌した。析出物を濾別し、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒(体積比1:1)でよく洗浄した。その後、濾別し、60℃で12時間、さらに120℃で12時間真空乾燥して収率70%で白色の生成物を得た。FT−IRにて3380cm−1(アミド基NH伸縮振動)、3105cm−1(芳香族C−H伸縮振動)、1857cm−1、1781cm−1(酸無水物基C=O伸縮振動)、1677cm−1(アミド基C=O伸縮振動)のピーク、また、H−NMRで、δ11.06ppm(s、NH、2H)、δ8.65ppm(s、フタルイミド上、3位CaromH、2H)、δ8.37ppm(フタルイミド上、5および6位CaromH、4H)、δ7.46ppm(d、中央ビフェニル上、6および6’位CaromH、2H)、δ8.13ppm(d、中央ビフェニル上、5および5’位CaromH、2H)、δ8.27ppm(s、中央ビフェニル上、3および3’位CaromH、2H)のピークを確認することができたことから、目的物であるTATFMBが得られたことを確認した。この化合物の融点をDSCで測定したところ、274℃であった。
【0052】
(実施例1)
<ポリイミド樹脂の合成>
50mlのスクリュー管にDMFを13.2gならびにジアミン成分としてTFMBを0.714g入れ、窒素雰囲気下、スターラーにて撹拌して溶解させた。その後、上記合成参考例で合成したTATFMBを1.12gならびにPMDAを0.097g加えて溶解させた。重合触媒として酢酸を1.467g添加し、室温にて5時間重合を行った。重合終了後、DMFを2.44g追加し、イミド化触媒としてピリジン0.352gと無水酢酸0.545gを追加して、100℃12時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、IPA40gへ重合溶液を滴下し、目的とする生成物を沈澱させた。その後、桐山ロートにより、吸引ろ過し、40gのIPAにて洗浄した。この洗浄を2回繰り返し、桐山ロートにより、吸引ろ過し100℃に設定した真空オーブンで一晩乾燥させることで、目的生成物を得た。
【0053】
<光学フィルムの作製>
得られたポリイミド樹脂をDMAcに溶解し、ポリイミド樹脂が7重量%含有されているポリイミド樹脂溶液を作製し、ガラス板上に均一な膜厚を持ったポリイミド樹脂溶液膜として塗布した。その後60℃で10分間乾燥させ、さらに150℃で60分間乾燥させた。その後ガラス板からフィルムを剥がし、厚さ20μmの光学フィルムを得た。得られた光学フィルムの評価結果は表2に記載した。
【0054】
(実施例2)
<ポリイミド樹脂の合成>
実施例1において、TFMBを0.750g、TATFMBを1.096g、PMDAを0.153gとした以外は全て同様の操作を行い、目的生成物を得た。(PMDA:30モル%)
<光学フィルムの作製>
実施例1と同様の操作を行い、光学フィルムを作製した。また、得られた光学フィルムの評価結果を表2に記載した。
【0055】
(実施例3)
<ポリイミド樹脂の合成>
実施例1において、TFMBを0.792g、TATFMBを0.992g、PMDAを0.216gとした以外は全て同様の操作を行い、目的生成物を得た。(PMDA:40モル%)
<光学フィルムの作製>
実施例1と同様の操作を行い、光学フィルムを作製した。また、得られた光学フィルムの評価結果を表2に記載した。
【0056】
(実施例4)
<ポリイミド樹脂の合成>
実施例1において、TFMBを0.679g、TATFMBを1.275g、PMDAを0.046gとした以外は全て同様の操作を行い、目的生成物を得た。(PMDA:10モル%)
<光学フィルムの作製>
実施例1と同様の操作を行い、光学フィルムを作製した。また、得られた光学フィルムの評価結果を表2に記載した。
【0057】
(比較例1)
<ポリイミド樹脂の合成>
50mlのスクリュー管にDMFを13.2gならびにジアミン成分としてTFMBを0.648g入れ、窒素雰囲気下、スターラーにて撹拌して溶解させた。その後、上記合成参考例で合成したTATFMBを1.352g加えて溶解させた。重合触媒として酢酸を1.467g添加し、室温にて5時間重合を行った。重合終了後、DMFを2.44g追加し、イミド化触媒としてピリジン0.352gと無水酢酸0.545gを追加して、100℃12時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、イソプロピルアルコール(以下、IPAと略)40gへ重合溶液を滴下し、目的とする生成物を沈澱させた。その後、桐山ロートにより、吸引ろ過し、40gのIPAにて洗浄した。この洗浄を2回繰り返し、桐山ロートにより、吸引ろ過し100℃に設定した真空オーブンで一晩乾燥させることで、目的生成物を得た。
【0058】
<光学フィルムの作製>
実施例1と同様の操作を行い、光学フィルムを作製した。また、得られた光学フィルムの評価結果を表2に記載した。
【0059】
(比較例2)
実施例1において、TFMBを0.839g、TATFMBを0.875g、PMDAを0.286gとした以外は全て同様の操作を行ったところ、イミド化触媒としてピリジン0.352gと無水酢酸0.545gを追加して、100℃にて撹拌中にゲル化した。評価結果を表2に記載した。
【0060】
(比較例3)
50mlのスクリュー管にDMFを13.2gならびにジアミン成分としてTFMBを0.701g加えて、窒素雰囲気下、スターラーにて撹拌して溶解させた。その後、上記合成参考例で合成したアミド基含有テトラカルボン酸二無水物(式(3))を1.17gならび3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)に加えて溶解させた。重合触媒として酢酸を1.467g添加し、室温にて5時間重合を行った。重合終了後、DMFを2.44g追加し、イミド化触媒としてピリジン0.352gと無水酢酸0.545gを追加して、100℃12時間撹拌した。その後、室温まで冷却した後、IPA40gへ重合溶液を滴下し、目的とする生成物を沈澱させた。その後、桐山ロートにより、吸引ろ過し、40gのIPAにて洗浄した。この洗浄を2回繰り返し、桐山ロートにより、吸引ろ過し100℃に設定した真空オーブンで一晩乾燥させることで、目的生成物を得た。
【0061】
<光学フィルムの作製>
実施例1と同様の操作を行い、光学フィルムを作製した。また、得られた光学フィルムの評価結果を表2に記載した。
【0062】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)及び下記式(2)で表される繰り返し単位を含むポリイミド樹脂であり、下記式(1)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の50モル%以上95モル%以下、かつ、下記式(2)で表されるポリイミドの繰返し単位がポリマー全体の5モル%以上50モル%未満であることを特徴とするポリイミド樹脂。
【化1】

【化2】

【請求項2】
請求項1記載のポリイミド樹脂からなることを特徴とする光学フィルム。
【請求項3】
請求項2記載の光学フィルムからなることを特徴とする透明基板。
【請求項4】
請求項2項に記載の光学フィルムを含むことを特徴とする画像表示装置。
【請求項5】
請求項2項に記載の光学フィルムを含むことを特徴とする太陽電池。


【公開番号】特開2013−28688(P2013−28688A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164825(P2011−164825)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】