説明

複数のオンオフ検出端の状態信号の遠隔検知装置

【課題】多数のオンオフ検出端1を広い面積に分散して設置し、それら検出端の状態信号を共通の電線9を使用して遠隔監視場所2に伝送してモニターする設備において、簡便で保守をあまり必要とせず、かつ低コストである信号伝送、モニター方法及び装置を提供する。
【解決手段】検出端のオンオフ信号に検出端によって個々に異なる抵抗器を接続してラダー回路を構成し、ラダー回路の入力抵抗を測定して特定の抵抗値が計測された場合にその抵抗値を接続した検出端に変化を生じたことを特定する場合、ラダー回路に多数検出端が接続されると、オンオフ信号間の絶縁抵抗が影響して特定が困難になる。本発明は絶縁抵抗の影響を排除してラダー回路の抵抗測定によって検出端の状態変化を検知特定するものであって、オンオフ信号に並列に抵抗器を接続することにより絶縁抵抗の影響を軽減する方法と、トランスファー接点により、絶縁抵抗を短絡する方法がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数箇所に設置したオンオフ信号を発生する検出端の状態の監視をおこない、検出端の状態変化を検知する装置に関連し、特に複数検出端と遠隔監視場所の間を接続する電線数を減少させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のオンオフ検出端、すなわち検出対象がとるべき状態を2種類に限定し、第一の状態(第1状態と呼ぶ)と第二の状態(第2状態と呼ぶ)を内蔵するディジタル信号のオン又はオフの信号として出力する検出端、例えば漏水検出スイッチ、温度スイッチ等の状態を監視し、状態変化を生じた特定の検出端を検知し遠隔監視場所に伝送し、必要により警報あるいは表示を行う装置に関する発明である。設置する検出端の数が多く、また遠隔監視場所から遠い場所に設置しなければならない場合には、複数の検出端と遠隔監視場所を接続する電線量が膨大になる。典型的な例としては、水密構造のタンクを多数結合して海上に浮かべ、土砂埋め立てにかわる人工地盤を形成し、空港などの建設を行う工法(以下メガフロート工法と呼ぶ)があり、本工法により空港建設を行う場合には長さ300m、幅60m程度の箱状の水密構造物(メガフロートユニットと呼ぶ)を200個程度繋いで4000mの滑走路を構成することになる。さらに各ユニット下部は100区画程度に仕切られている。かかる工法による空港の安全性確保には各区画の漏水検出が重要であり、遠隔監視場所において、どの区画に漏水が発生したかを検知、表示する装置が必須である。このような巨大構造物の建造にあたっては、個々の区画に設置された検出端と遠隔監視場所を接続する膨大な数量の電線を削減することが、建設費用と運用中の保守費用に大きい影響を及ぼす。さらに、多数設置される検出端自体も出来る限り簡易な構造、構成のものであり、信頼性が高く、保守作業節減が可能なものであり、かつ低コストであることも前記と同様の理由により重要である。
【0003】
多数のディジタル検出端を分散して設置し、それらの状態変化の発生しを検知し、状態変化を生じた検出端の特定を遠隔監視場所で行う他の用途としては、コンテナ船における冷凍コンテナの温度上昇監視がある。この種船舶は全長が300メートル、監視を必要とするコンテナ数も数百個以上となる場合もあり、更に限定された配線スペースしかない船舶において個々の冷凍コンテナに設置した温度検出端と遠隔監視場所(通常は船尾部に位置する船橋に設置される)の間の接続電線量減少の必要性は大きい。
【0004】
複数の検出端と遠隔監視場所とを接続する電線量を減少させる技術としては共通の伝送線を使用した多重伝送技術が実用化されている。検出端設置場所近くにリモート伝送ユニットを設置して信号を多重化あるいは、時分割化し、共通の伝送線で遠隔監視場所の受信ユニットに伝送するものであり、伝送線の電線量減少が図られる。しかし、メガフロートによる空港滑走路あるいはコンテナ船等の環境は波浪、海水侵食等苛酷、劣悪であり、また点検保守の機会も限定されていることから、多重伝送と比べさらに簡単、堅固で、コストの安い方法が求められていた。
【0005】
前記した多重伝送以外に、共通の伝送線により複数のディジタル検出端の状態を遠隔監視場所へ伝送する方法として特許文献1に掲げた考案によって開示された技術がある。本考案は図7に示す回路構成を有し、検出端1の内部のディジタル信号2(通常はOFFであるとする)と、それぞれの検出端毎に異なる抵抗4を直列接続し、更に該直列接続回路を全検出端について並列接続してラダー回路を構成し、該ラダー回路の両端A,Bを定電圧源26に接続した構成である。図7では監視対象検出端がn個であるとする。遠隔監視場所において定電圧源26から前記ディジタル信号2と抵抗器4の直列接続回路に流れる電流Ifを電流計測手段27によって監視する。いずれか1つの検出端1のディジタル信号2が閉(ON)になった時、抵抗器4の値で決まる電流としてIfが計測されるので、該検出端に異常が発生したことを検知できる。あるいは図7のラダー回路の両端A,B間の抵抗変化の計測によっても同様の機能が実現される可能性がある。
【0006】
特許文献1に開示された技術は構成が簡単であり、前記した空港建設工事などにおける使用に適し、伝送線電線量の減少にも役立つ。しかし、検出端内部のディジタル信号2や伝送線間の絶縁抵抗の大きさによって検出端の状態検知が困難な場合があり、実際の適用上制約がある。すなわち、図7の回路構成では、ディジタル信号2が開(OFF)の時は、絶縁抵抗Rd(図7において2点鎖線で表示)が接続されていると考えなければならない。ディジタル信号2の個々については絶縁抵抗Rdの影響は小さいとしても、多数の検出端1が並列接続されるので電流計測手段27による計測値に大きい誤差を生ずることになる。接点間における絶縁抵抗Rdの影響により該並列接続回路全体に流れる電流値Ifが変動し、同一検出端の接点信号の閉(ON)に対して異なる電流値を示すことになる。つまり、いずれの検出端の接点信号が閉(ON)になったかを特定できない場合がある。
【0007】
一例として、図7において検出端1を10個並列接続した回路を想定し、検出端のそれぞれについて順次に1KΩ、2KΩ、6KΩ、10KΩ、15KΩ、21KΩ、27KΩ、34KΩ、40KΩ、及び50KΩの抵抗値を有する抵抗器4を選択適用する。そして、絶縁抵抗Rdを700KΩ、1000KΩ及び1500KΩの3種類に変化させた場合について、検出端1が全て第1状態(ディジタル信号2が全てOFFの状態)にあるときのラダー回路のA、B端子間の抵抗に対する、いずれか1の検出端が第2状態(ディジタル信号2のいずれかがONである場合)になった場合のA、B間の抵抗の比を縦軸に、検出端識別番号を横軸し、絶縁抵抗をパラメータにとって描いたグラフを図8aに示す。図8aから明らかなように、絶縁抵抗Rdの変化により同一の検出端の第2状態への変化であっても前記した比の値が大きく変化することが理解できる。従って、図7を目的とする用途に使用するには絶縁抵抗を一定に保持する必要があるが、そのようなことは多数検出端を広大な範囲に設置された状況を対象とする場合には極めて困難なことである。なお、図7において抵抗器4の値を数10Ω程度にすれば、絶縁抵抗の影響は減少するが、本発明の用途では、検出端と遠隔表示場所の間の距離が離れており、従って図7の回路における接続電線長が長い場合を想定しなければならず、それら電線自体の抵抗値が100Ωを越える場合もあるので、抵抗器4の値を小さく選定すると図7に示すラダー回路の端子A、B間の抵抗値、すなわちラダー回路に流れる電流値Ifにも大きく影響する。従って検出端のディジタル信号に直列に接続する抵抗4の値は前記電線抵抗と比較して十分に大きいことが必要であり、上記の如く1KΩ、2kΩ等の値を選択した。なお図8aはラダー回路の入力抵抗について、全ての検出端が第1状態の場合と、それら検出端のいづれか1が第2状態に変化した場合の比の値を示すが、ラダー回路を流れる電流値Ifについても絶縁抵抗の影響は同様に生ずる。従って図7に示す装置の適用範囲はディジタル信号接点間絶縁抵抗があまり変化しない場合にのみ使用可能である。
【0008】
特許文献2に開示された技術を図9の回路で示す。図9において検出端の接点信号の開閉状態を2進ディジタル信号のビット状態とみなし、該2進ディジタル数とみなした接点信号状態を抵抗素子で構成したDA変換手段(ディジタルアナログ変換手段)40でアナログ信号に変換した後、該アナログ信号を遠隔監視場所へ伝送し、遠隔監視場所において再度AD変換手段41により2進数に再度変換し、そのビット状態を判定して検出端の状態を検出するものである。図9においてRは適宜の抵抗値を有する基準抵抗であり、2Rは前記Rの2倍の抵抗値を有する抵抗を示す。
【0009】
図9において、検出端のオンオフ状態を表す2進数をDA変換した結果のアナログ出力電圧Voutは下記式1のように表される。但し基準電圧の電圧Vrefは1(Volt)とする。
式1
Vout=(1/2)・X0+(1/2)2・X1+(1/2)3・X2+----+(1/2)n・Xn
式1から明らかなとおり、DA変換後の出力電圧Voutは検知対象の検出端個数により基準電圧Vrefの1/2から(1/2)(nは検出端個数)の間を変化する。例えば10個の検出端の検知を行う場合でも、基準電圧の0.5から0.001の範囲にまたがるDA変換及びAD変換を正確に行う装置が必要である。結局図9に示す回路1組により検知できる検出端の数はDA変換およびDA変換の精度に依存することになり、実用上は多くの検出端の状態検知には困難がある。
【特許文献1】実開平06−41292公報
【特許文献2】特開04―171599公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
複数のオンオフ検出端の状態を遠隔監視場所で検知、表示する方法および装置について、検出端と遠隔監視場所の間の接続電線量を少なくでき、かつ検出端設置場所に電子機器回路を使用しない簡便な回路でありながら検出端内のディジタル信号間や伝送電線間の絶縁抵抗Rdの影響を受け難い安定した検知が可能な装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
図7に示す検出端内蔵のディジタル信号2がOFFであるときの該信号の両端の間の絶縁抵抗は数百KΩから数千KΩの範囲で不定の値をとることが多いが、保守によってそれを特定の値に保持することは実用上困難である。そしてそのような絶縁抵抗の変動の存在のもとで、それからの影響を少なくする手段を講ずることが本発明の主眼である。その一つの方法はディジタル信号2の両端子間で想定される絶縁抵抗に比べて十分に小さい抵抗器をディジタル信号2に常時平列接続し、結果としてディジタル信号がOFFである時の実効的絶縁抵抗の変動を減少させることである。図1ないし図4における並列抵抗器3はその目的であって、例えば並列抵抗器3を40KΩとし、絶縁抵抗を700kΩ、1000KΩ、1500KΩとした場合、並列抵抗3(40KΩ)とそれら絶縁抵抗のいずれかを並列接続した場合の等価的抵抗は37〜38KΩ程度となり絶縁抵抗の影響を軽減できる。しかも、検出端と遠隔監視場所の間を接続する電線本数は2本で良く、使用電線数量の低減に大きい効果がある。
【0012】
図1に示めすラダー回路9において、複数の検出端の全てが第1状態である場合を状態1にあるとし、複数の検出端のうち一個だけが第2状態であって、他の検出端が第1状態である場合を状態2にあると呼ぶ。監視対象とする複数検出端1のなかの1が第2状態にあり、他がすべて第1状態にある(すなわちラダー回路9が状態2にある)ときに前記ラダー回路9の共通線の一方に挿入した電流計測手段27で計測した電流値か、同様の状態に対して電流計測手段27で計測されるべき計算値をあらかじめ求めて、第2状態となる1の検出端の識別番号と該電流値を対応させたデータを記憶手段11に記憶しておく。そして、検出端の状態を監視する場合には常時又は周期的に電流計測手段27から得た計測値を、記憶手段11に記憶した電流値と比較手段12により比較し、合致するデータも持つ検出端が状態2に変化したものと特定することにより目的の機能を達成できる。ここで比較手段12により記憶手段11に記憶した電流値と電流計測手段27により計測した電流値が合致するとは、ラダー回路9を構成する抵抗器の誤差、検出端と遠隔監視場所間を接続する電線の抵抗、計測手段の誤差等をに起因する計測電流値の誤差を考慮した幅の範囲での合致を言う。以下において合致という場合は同様である。
【0013】
図1の2点鎖線で表された回路は、電流計測手段27による電流値と検出端を対応させることに代えて、ラダー回路9のA、B間入力抵抗を電流計測手段27、電圧源26の電圧値から入力抵抗演算手段10により得て、該入力抵抗と状態2に変化した検出端を対応させて記憶手段11に記憶することも可能である。この場合は常時、又は周期的に電流計測、電圧源の電圧値計測を行い演算手段10で入力抵抗に演算し、記憶手段11のデータとの比較照合で状態2に変化した検出端を特定する。
【0014】
図1に示したラダー回路9による状態2への変化と第2状態に変化した検出端の特定方法は、絶縁抵抗(図7のRd)が大きく変動する場合には精度が低下する。また検出端が多数である場合にもラダー回路9の並列回路が増加し、結果として絶縁抵抗の影響が増し、第2状態への変化を生じた検出端の特定が困難になる。そこでこのような場合にもラダー回路9にもとずく検知方法を適用するためには以下に説明する方法を採用する必要がある。
例えば図2aのラダー回路9においてディジタル信号がOFFであるときの絶縁抵抗が700KΩ、1000KΩおよび1500KΩと変化した場合を想定し、全検出端が第1状態である場合(ラダー回路が状態1にある)の端子A、B間の入力抵抗を記号R0とする。個別の検出端に(1),(2),(3)--(i)--(n)の識別番号を付し、検出端番号(1)、(2)---(i)---(n)のそれぞれ一個のみが第2状態2に変化し他は第1状態である場合(ラダー回路9は状態2に変化)について、A、B間の入力抵抗値をR(1)、R(2)---R(i)---R(n)とし比の値R(1)/R(0)、R(2)/R(0)---R(i)/R(0)---R(n)/R(0)を縦軸に、検出端番号を横軸に、絶縁抵抗をパラメータとしてグラフに表したものを図8bに示す。但し図8bは検出端の数を8個とし(n=10)、図2aに示めす直列抵抗4の個々の値(R1、R2、R2,----R10の値)順次に1KΩ、2KΩ、6KΩ、10KΩ、15KΩ、21KΩ、27KΩ、34KΩ、40KΩ、及び50KΩとし、並列抵抗3を45KΩとして計算したものである。図8bから、絶縁抵抗の変動に関わらず同一の検出端についての前記入力抵抗の比の変化が殆どないことが分かる。図8bの縦軸は入力抵抗の比の値であるが、この比の値をラダー回路9が状態1である場合において図2aに図示した電流計測手段27による電流計測値(図2aに於ける各種抵抗の値が既知であれば電流計測手段27のより計測されるべき電流値の計算値でも良い)に対する、個々の検出端が一個づつ第2状態に変化した場合の電流計測手段27による計測値との比に置き換えて同様にプロットしても類似の関係が得られるので第2状態に変化した検出端の特定に利用できる。
【0015】
図8bに示された検出端―抵抗値比の値の対応データ(前述の検出端―電流の比の値でもよい)を記憶手段11にメモリする。そして実際の検知を行う場合は、全検出端が第1状態(ラダー回路9が状態1)の時の入力抵抗計測値を基準値とし、監視中に計測した実際の入力抵抗との比の値を計算して、記憶手段11のデータと比較すれば、状態1から状態2に変化した検出端の特定が可能である。ただし、図8bに示めす前記入力抵抗の比の値は、絶縁抵抗値により若干変化するので、それぞれの検出端を特定する比較手段12の設定値としては、中心値の前後に比の値の変動をカバーする幅を設定ことが必要である。図8bのデータは実際の計測値から作成してもよいが、諸データ、例えば伝送電線抵抗値、絶縁抵抗変動範囲等が既知の場合は計算値により作成することも可能である。
検出端―電流値、検出端―電流の比の値、検出端―入力抵抗、検出端―入力抵抗の比の値のいずれのデータを記憶装置に記憶して使用する場合でも、比較手段12には前述の幅を設定しておくことが必要である。
【0016】
絶縁抵抗の影響を軽減する他の方法は、図5に示すものであって、通常はトランスファー型接点信号21の接点a、b間がONとなり、絶縁抵抗を短絡する。そして検出端の状態が変化した時は接点c、a間を通じて検出端毎に特有の抵抗値の抵抗器22を経由して電流を流すよう構成したものであり、接点間の絶縁抵抗に全く影響されないで状態変化した検出端を特定し検知できる。しかも、検出端と遠隔監視場所の間を接続する電線本数は3本で良く、使用電線数量の低減に大きい効果がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明は多数のオンオフ検出端の状態変化を遠隔監視場所で検知、表示する極めて簡便、安価な装置を実現するものであり、長期の使用による回路の絶縁抵抗変化に対しても安定に動作し、併せて検出端と遠隔監視場所間を接続する電線を減少させるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図6は本発明の請求項7をメガフロートユニットで構成する施設に適用する形態である。図6において50は水密の区画であって、個々の区画の漏水検出の目的で漏水検出器51が設置される。メガフロートユニットの区画53に漏水が発生して海水が浸入した時は、漏水検出器51のトランスファー接点52が切り替わる。漏水検出器51内蔵のトランスファー接点52は通常はb接点が閉(ON)であり、a接点は開(OFF)である。漏水時は逆にa接点閉(ON)、b接点開(OFF)となる。
【0019】
個々の漏水検出器51の電線接続用端子箱53内には可変抵抗52aが配置されており、本発明に関わる検出端状態検出装置に接続される漏水検出器51の個数等の条件により、可変抵抗52aを個々に設定できるようにする。可変抵抗52aの使用により、漏水検出器51ごとに予め異なる抵抗値の抵抗を組み込んでおく手間が省ける。なお、前記電線接続用端子箱は漏水検出器51に付属するものでも、それらと別置きの箱であっても、その中に抵抗器53aを組み込むことができるものであれば良い。
【0020】
遠隔監視場所44には本検出装置の電源、コンピュータ等を含むモニターユニット55が設置されて、同ユニットと漏水検出器51との間は3本の電線56のみで接続される。そして全体として図5に示す回路と等価な構成をなす。モニターユニット55は記憶手段11、比較手段12その他警報表示装置等の機能を有するコンピュータ装置又は類似の機器とする。
【実施例1】
【0021】
図1は請求項1に記載した発明は前記した並列抵抗3の効果をそのまま利用した構成であって、検出端個数が少ない場合や、絶縁抵抗管理が容易な適用例には利用できる。
図1において、検出端1内に組み込まれたディジタル信号2の動作は、検出端1のとるべき二つの状態のうちの第1状態にあるときには該ディジタル信号2はOFFとなり、第2状態の時はON信号を発するものである。該ディジタル信号には並列に抵抗器3が接続され、そのようなディジタル信号2と抵抗器3の並列接続に対して、さらに直列に抵抗器4が接続される。これらディジタル信号と抵抗器の並列、直列接続回路は検出端1の数に相当して用意されるとともに、それら回路は2本の共通線7,8に並列接続されてラダー回路9を構成する。なお、並列接続する抵抗器3はディジタル信号がOFF状態のときに想定される絶縁抵抗と比較して小さいことが望ましいが、一方本発明装置が適用させる場合の検出端と遠隔監視場所間または検出端同士を接続する電線の抵抗に対しては十分(10倍以上)大きい必要がある。直列抵抗4は検出端毎に相違した値であって、A,、B間の入力抵抗値又は電流計測手段27による計測値が接続電線の抵抗や抵抗器4の誤差によって他の検出端と混同されない程度に違う値である必要がある。前述の抵抗器3、抵抗器4の選定の観点は全ての実施例について共通である。
【0022】
請求項1に記載した発明はラダー回路9の端部回路に挿入した電流計測手段27による計測値又は抵抗器3,4の値や絶縁抵抗Rdや接続電線の抵抗等が事前に明らかである場合にはあらかじめ計算で検出端の識別番号に対応する状態変化時電流値のデータを作成し記憶装置11に保持しておき、電流計測手段27の実計測電流値が前記データに記憶された電流値に合致する場合(比較手段12による)合致した電流値に対応する検出端に状態変化が生じたことを特定する。請求項2では、電流値の比較に代えてラダー回路9のA、B間の抵抗の変化を監視するものである。電流計測手段27、電圧源26の電圧値(電圧値計測手段は図示せず)により、入力抵抗演算手段10によりA、B間入力抵抗を得る。記憶手段11には、請求項1が検出端番号―電流値対応データであったが、請求項2では検出端番号―A、B間入力抵抗値のデータになっている。請求項1と請求項2に機能に大きい差はないが、請求項1では電流計測値を使用するので、電圧源26が一定の電圧に保持できることが必要である。請求項2では電圧源26の電圧の正確さを要求しない。
【実施例2】
【0023】
請求項3及び請求項4に記載した発明に対応する実施例である。
請求項3に対応する図2aのラダー回路9において全ての検出端が第1状態である場合のA、B間の入力抵抗と、検出端1のうちの1個のみを第2状態に変化させた場合のA、B間の入力抵抗の比の値を縦軸に、検出端番号を横軸にプロットしたデータ又はそれと等価のデータを記憶手段11に記憶し、一方全検出端1の全部が第1状態である時のA、B間入力抵抗を基準抵抗の記憶手段13に記憶しておく。常時又は周期的な電流計測手段27の電流計測値と電圧源26の電圧値から入力抵抗演算手段10によりA、B間の入力抵抗を得て、該得た入力抵抗値と記憶手段13に記憶した入力抵抗基準値の比を演算する。該演算値と記憶手段11の記憶したデータから入力抵抗の比の値の等しいものの存在を比較手段12で検索し、合致する場合は、その入力抵抗の比の値に相当する検出端を第2状態に変化したと特定する。前記入力抵抗の比の値は、絶縁抵抗値により若干変化するので、それぞれの検出端を特定する比較手段12の設定値としては、中心値の前後に比の値の変動をカバーする余裕を設定ことが必要である。検出端番号―入力抵抗の比の値のデータは実際の計測値から作成してもよいが、諸データ、例えば伝送電線抵抗値、絶縁抵抗変動範囲等が既知の場合は計算値により作成することも可能である。
【0024】
さらに図2bは請求項4に対応する回路を示すものである。請求項3が検出端番号―入力抵抗の比の値のデータを記憶手段11に記憶したのに対し、請求項4では検出端番号―電流値の比の値のデータを記憶させる。電流計測は電流計測手段27によるが、電圧源+26は定電圧源であることを必要とする。また、記憶手段13には、全検出端が第1状態であるときの電流値を基準電流値として記憶する。常時もしくは周期的に電流計測手段27で電流を計算し、記憶手段13に記憶した電流値との比を計算し、記憶手段11のデータと照合して電流値の比の値が合致する検出端に状態2への変化が生じたと特定する。なお、計算データが整っている場合には、記憶手段11、同13の記憶データは計算によって求めうる。
【実施例3】
【0025】
全検出端が第1状態であるとしてもラダー回路9の端子A、B間の入力抵抗が絶縁抵抗の変化により経時的に変化することは避けられない。絶縁抵抗が環境などの影響で低下することが多いためである。ところで、全検出端が第1状態である時のA、B間入力抵抗値が変化すると、同一の検出端が第2状態に変化した時の入力抵抗値との比もわずかではあるが変化するので検知精度が低下する可能性がある。そこで計測した入力抵抗との比を取る基準である基準抵抗の記憶装置13に記憶した値は、更新することが望ましい。その方法は図3に示すものである。すなわち絶縁抵抗の変化は非常に緩慢であるから、その結果としてのA、B間入力抵抗の変化も緩慢である。それに対して検出端の状態変化に起因する入力抵抗の変化は急激である。そこで入力抵抗の周期的計測を行い、既に記憶手段13に記憶してある基準抵抗のデータからの変化量を計算する。該変化量計算結果が緩慢な入力抵抗変化とされた場合には絶縁抵抗の変化が生じているものとして、最近に取得した入力抵抗値で以前の基準抵抗値を置換し新たな基準抵抗値として記憶手段13に記憶する。この場合に緩慢な変化とは例えば1時間あたりの変化が10Ω程度以下であることを言う。急激な変化とは、ディジタル信号がスナップアクションで変化する場合であるから1秒以内に1KΩ以上の程度の変化が生ずるので区別できる。急激な入力抵抗の変化については基準抵抗の記憶手段13のデータの更新は行わないで、最新の入力抵抗と、記憶手段13が以前から保持している基準抵抗との比の値を計算する。他の機能は請求項3の説明である実施例2と同様である。本項における記載の機能は請求項5に対応する。
【0026】
請求項6は図4に示めす発明であって、請求項4についての説明と同様な方法(0024項記載参照)で電流検出を行い、記憶手段13には全検出端が第1状態であるときの電流値を基準電流として記憶することによって請求項5において、入力抵抗値を基準抵抗値として記憶手段13に記憶したことに相当する。図4に示す回路によると、常時又は周期的な電流検出(請求項4に対する説明―0024項と同様な方法による)により得た最新の電流値の記憶手段13に記憶した基準電流値からの変化量を評価し、変化が緩慢であれば基準電流の更新のみを行い、変化が急激な場合には記憶手段13に記憶されている基準電流との比の値を計算し、請求項4に記載した方法(0024項に記載)により状態変化の生じた検出端を特定する。
【実施例4】
【0027】
図5は請求項7に対応する構成を示めす。
図5において、2値の状態を有する複数の検出端1はトランスファー型接点信号21を内蔵し、該検出端1の第1状態においては該ディジタル信号21のc、b間でONでありc、a間でOFFとなり、逆に第2状態ではc,b間がOFFでありc、a間がONとなる機能を有する。全ての検出端が第1状態にある状況から、該検出端1のうちの1のみが第1状態から第2状態に変化したことを検知し、かつ、状態変化を生じた検出端を特定することが可能となるよう接点信号21の共通接点cには検出端1各々について異なる値を有する抵抗器22を接続する。そして該抵抗器22のc接点との反接続側端子は複数の検出端1の全てについて共通線23一括接続する。また、c,a接点を構成するa接点側は全て共通線24に接続する。一方検出端1が状態1にある時にONであるc、b接点のb接点側は共通線25に接続する。従って検出端第1状態にある時はディジタル信号21の接点間に存在する絶縁抵抗は完全に短絡されて影響しなくなる。
【0028】
前記共通線23は定電源装置26の一方の極に接続し、共通線24は該線を流れる電流を検知する手段27を経由して電源装置26の反対側極に接続させる。共通線25は抵抗器28を経由して電源装置26の共通線23接続側とは反対極に接続される。抵抗器28は定電圧源26から流出する電流値の限定の為であり、定電圧源に電流リミット機能があれば、抵抗器28は0Ω(あるいは短絡状態)とすることも可能である。
【0029】
検出端1が全て第1状態にある場合は共通線24には電流は検出されない。検出端1のうちの1が状態変化して、第2状態に切り替わると該検出端内臓のディジタル信号はc、a間でONとなりその検出端特有の値を持つ抵抗器22を含む回路を作り、その回路に流れる電流値を電流検知手段27によって検知する。このように検知した電流値と、あらかじめ特定の検出端の1個に状態変化した時に流れる電流値のデータとして記憶手段11に記憶した電流値を相互に比較して状態変化を生じた検出端を特定し検知するものである。
なお、抵抗器22はc接点と共通線23の間に挿入することは必須ではなく、a接点と共通線24の側に挿入するでも同じ機能を果たす。
【0030】
図5において、複数の検出端1の何れかが第2状態に変化した時に共通線24を経由して流れる電流値として予め計算した電流値又は実際に計測した値を記憶手段11にメモリし、電流検出手段27により実際に共通線24に流れた電流値と前記記憶手段11のメモリ値を比較手段12で比較して、該計測した電流値がメモリ値と等しい時に、そのメモリ値に対応する検出端に状態変化を生じたことを自動的に特定するように配置するものである。抵抗器22の値、接続電線の抵抗値、電圧源26の電圧値が十分正確なデータとして事前に確認されている場合には検出端に対応する状態変化時の電流値データをあらかじめ計算でもとめることは容易である。
【0031】
図5に示すとおり、検出端1のディジタル信号21は通常の場合は常にb接点が閉じて、共通線25に接続されるから、接点間の絶縁抵抗の影響を避けることができる。従って、複数の検出端1のいずれに状態変化を生じたかを判定するには、ディジタル信号21に直列接続した抵抗器22として検出端各々に対して異なる抵抗値のものを使用すればよく、検知対象の検出端の数に格別な制限はなく、また、接点信号21の絶縁抵抗の変化が検知機能に悪影響を及ぼすこともない。さらに、検出端1と遠隔監視場所間を接続する電線の本数は検出端の数に関係なく3本で良い。また、直列接続される抵抗22の精度、定電圧源26の電圧変動、電流検出手段27の精度等は、検知対象検出端の状態変化が検出端相互間で識別できる程度であれば十分であり、例えば特許文献2におけるような高精度の抵抗や電源装置、AD変換手段等を必要としない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
多数のオンオフ検出端を広大なエリアに分散して設置し、それら検出端の状態変化を遠隔監視場所においてモニター、表示する設備において、簡単な回路構成で、保守の手間がかからず、回路の絶縁抵抗の低下の影響が少なく、かつ低コストでありながら、検出端と遠隔監視場所間の電線を減少させる効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項1の機能を示す回路図である。
【図2a】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項3の機能を示す回路図である。
【図2b】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項4の機能を示す回路図である。
【図3】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項5の機能を示す回路図である。
【図4】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項6の機能を示す回路図である。
【図5】本発明によるオンオフ検出端状態検知伝送装置の請求項7の機能を示す回路図である。
【図6】本発明によるオンオフ検出端状態検知装置の実際的用例を示す配置図である(実施例4)。
【図7】従来のオンオフ検出端状態を検知する方法の1例を示す回路図である。
【図8a】従来のオンオフ検出端状態検知装置の特性を示すグラフである。
【図8b】本発明による検出端状態検知装置の特性を示すグラフである。
【図9】従来のオンオフ検出端状態を検知する方法の他の例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0034】
1 検出端
2 検出器内部ディジタル信号
3 並列抵抗器
4 抵抗器
9 ラダー回路
10 入力抵抗演算手段
11 記憶手段(検出端―入力抵抗値対応データ、検出端―電流対応データ、検出端―抵抗の比の値対応データ、又は検出端―電流の比の値対応データ記憶用)
12比較手段
13 記憶手段(基準抵抗又は基準電流記憶用)
21 接点信号
22 抵抗器
26 電圧源
27 電流計測手段
28 抵抗器
40 DA変換器
41 AD変換器
44 遠隔監視場所
50 メガフロートユニットの区画
51 漏水検出器
52 トランスファー型ディジタル信号
52a 可変抵抗器
53 電線接続用端子箱
55 モニターユニット
56 電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オン又はオフいずれかの2値状態をとる複数の検出端1の全てがオフである状態(状態1)から、それら検出端のうちの1がオンになった状態(状態2)への変化が発生した時に、該変化した検出端を遠隔監視場所において特定して検出する装置であって、
前記検出端1を構成する部分であるオン又はオフの2値信号を生ずるディジタル信号2の個々には抵抗値が既知である並列抵抗3を接続し、
前記ディジタル信号2と並列抵抗3により構成した並列回路の一方側は、個々の検出端毎に固有の値を有する抵抗値既知の直列抵抗4を経由して共通線7に接続し、該並列回路の他方は共通線8に接続してラダー回路9を構成し、
前記ラダー回路9の共通線7又は8のうち一方は電流計測手段27を経由して定電圧源26の一方の極に接続し、ラダー回路9の他の共通線は定電圧源26の他方の極に接続し、
記憶手段11には、複数検出端の1のみがオンで他の検出端がオフである状態(状態2)になった場合に電流計測手段27により計測されるべき電流値を、該検出端に付した識別番号に対応させて記憶し、他の全ての検出端についても同様に前記した電流値を検出端識別番号―電流値対応データとして記憶手段11に記憶させ、
常時又は周期的に前記電流計測手段27により電流を計測し、前記計測した電流値と前記記憶手段11に記憶した電流値に合致するものが存在するかを比較手段12により判定し、合致するものが存在するとき、その値に対応する識別番号を有する検出端がオンとなって状態1から状態2への状態変化を生じたことを特定して検知する装置(図1参照。但し2点鎖線で描かれた部分は除外)。
【請求項2】
請求項1に記載したラダー回路9において、入力抵抗演算手段10によりラダー回路9の端子A、B間の入力抵抗を計測できるように構成し、
記憶手段11には、複数検出端の1のみがオンで他の検出端がオフである状態(状態2)になった場合に入力抵抗演算手段10より出力されるべき入力抵抗値を、該検出端に付した識別番号と対応させて記憶し、他の全ての検出端についても同様に前記した入力抵抗値を検出端番号―入力抵抗値対応データとして記憶手段11に記憶させ、
常時又は周期的に前記入力抵抗演算手段10を利用してA、B間の入力抵抗値を計測して、記憶手段11に記憶した入力抵抗値に合致するかどうかを比較手段12により判定し、合致するものが存在するとき、その値に対応する識別番号を有する検出端がオンとなって状態1から状態2への状態変化を生じたことを特定して検知することを特徴とする請求項1に記載の装置(図1参照。同図中の2点鎖線で表現した部分も含む)。
【請求項3】
請求項1に記載したラダー回路9において、記憶手段13を設けて、全ての検出端1がオフである状態(状態1)において入力抵抗演算手段10から出力されるべき端子A、B間の入力抵抗を基準抵抗値として記憶し、
記憶手段11には、複数検出端の1のみがオンであって他の検出端はオフである状態(状態2)において入力抵抗演算手段10から出力されるべき端子A、B間の入力抵抗値と前記記憶手段13に記憶された基準抵抗値との比を、該検出端に付した識別番号と対応して記憶し、さらに他の全ての検出端についても同様に前記した比を検出端識別番号と対応させたデータとして記憶手段11に記憶し、
常時又は周期的にラダー回路9のA、B端子間の入力抵抗を入力抵抗演算手段10により計測し、該計測した入力抵抗値と前記記憶手段13に記憶された基準抵抗値との比の値を計算し、該計算した比の値を、前記した検出端番号に対応して記憶手段11に記憶された比の値を比較手段12によって比較し、合致するものが存在する時、合致した値に対応する識別番号を有する検出端がオンとなって状態1から状態2への変化が生じたことを特定し検知することを特徴とする請求項1に記載の装置(図2a参照)。
【請求項4】
請求項1に記載したラダー回路9において、共通線7又は8の一方は電流計測手段27を経由して定電圧電源26の一方の極に接続し、共通線の他方を定電圧源26の他方の極に接続した構成とし、
記憶手段13を設けて全ての検出端1がオフである状態(状態1)において電流計測手段27により計測されるべき電流値を基準電流値として記憶し、
記憶手段11を設けて、複数検出端の1のみがオンであって他の検出端はオフである状態(状態2)において電流検出手段27から出力されるべき電流値と前記記憶手段13に記憶された基準電流値との比を、該検出端に付した識別番号と対応して記憶し、さらに他の全ての検出端についても同様に前記した比を検出端識別番号と対応させたデータとして記憶手段11に記憶し、
常時又は周期的に電流計計測手段27による電流計測値を求め、該計測した電流値と前記記憶手段13に記憶された基準電流値との比の値を計算し、該計算した比の値を、前記した検出端番号に対応して記憶手段11に記憶された比の値を比較手段12によって比較し、合致するものが存在する時、合致した値に対応する識別番号を有する検出端がオンとなって状態1から状態2への変化が生じたことを特定し検知することを特徴とする請求項1に記載の装置(図2b参照)。
【請求項5】
請求項3に記載した入力抵抗演算手段10により、常時又は周期的に請求項1に記載したラダー回路9のA、B間の入力抵抗の計測を行う都度、最新の入力抵抗計測値と記憶手段13に記憶された基準抵抗の抵抗値を比較し、両者の変化率が規定値より小さい場合には、前記最新の入力抵抗計測値を記憶手段13に既に記憶されていた値と置換して記憶して新たな基準抵抗値とし、
前述の両者の変化率が規定値より大きい時は、記憶手段13に記憶されてあった基準抵抗値の置換を行わず基準値の記憶を保持することを特徴とする、請求項3に記載の装置(図3参照)。
【請求項6】
請求項4に記載した電流計測手段27により、常時又は周期的に請求項1に記載したラダー回路9の入力電流の計測を行う都度、最新の電流計測値と記憶手段13に記憶された基準電流の値を比較し、両者の変化率が規定値より小さい場合には、前記最新の電流計測値を記憶手段13に既に記憶されていた値と置換して記憶して新たな基準電流値とし、
前述の両者の変化率が規定値より大きい時は、記憶手段13に記憶されてあった基準電流値の置換を行わず基準値の記憶を保持することを特徴とする、請求項4に記載の装置(図4参照)。
【請求項7】
第1及び第2の2値状態を有する複数の検出端1について、全ての前記検出端が第1状態にある状況から、そのうちの1のみが第2状態に変化したことを検知しかつ、状態変化を生じた検出端を特定する装置であって、
前記検出端は第1状態では接点c、b間がオンかつ接点c、a間がオフであり、逆に第2状態ではc,b間がオフかつc、a間がオンとなる接点信号21を有し、
接点信号21の接点cは前記検出端の各々ついてそれぞれ異なる抵抗値を有する抵抗器22を経由して共通線23に並列接続し、共通線23はさらに電圧源26の一方の極に接続され、
前記検出端が第1状態にあるときにオフである接点信号21のa接点は複数の検出端の全てについて共通線24に並列接続され、電流計測手段27を経由して電源装置26の極であって共通線23が接続されたとは反対の極に接続され、
前記検出端が第1状態にあるときにオンである接点信号21のb接点は複数の検出端の全てについて共通線25に並列接続され、共通線25はさらに電源装置26の極であって共通線24と同一の極に接続され、
記憶装置11は、前記検出端の1が第2状態にあり、他の検出端が第1状態にある条件で電流計測手段27により共通線24を流れるべき電流を、該検出端に付した識別番号との対応で記憶するよう構成し、他の検出端についても前記と同様に検出端識別番号と前記電流値の対応データを記憶手段11に記憶し、
電流計測手段27による常時又は周期的な電流計測値と前記記憶手段11に記憶した電流値のデータとを比較手段12により比較し、記憶手段11の電流データの中に該計測された電流値と合致するものが発見された場合にはその電流データに対応する検出端に第1状態から第2状態への変化が生じたことを特定し検知し伝送する複数検出端の状態検知伝送装置(図5を参照)。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−66122(P2007−66122A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−252944(P2005−252944)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(591124488)エムイーシーエンジニアリングサービス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】