複数のRFアンテナを使用するインテリジェントステーションを組み込んだ在庫制御システム
【課題】本発明に関するある態様と両立する方法、システム、および製造品によって、在庫の品目に取り付けられたRFIDタグから品目情報が収集され、収集された品目情報が、様々な在庫管理プロセスを実行するのに使用される。
【解決手段】一態様で、在庫管理プロセスに、在庫の品目の枯渇、在庫の品目の設計の変更、1つまたは複数の品目の欠陥、誤配置された品目、時間の短い期間内の異常な数の品目の移動(すなわち減耗)、および環境に含まれる1つまたは複数の構成要素の誤動作の少なくとも1つに関連する1つまたは複数のイベントの判定、報告、および/またはそれに関する訂正処置の提供を含めることができる。
【解決手段】一態様で、在庫管理プロセスに、在庫の品目の枯渇、在庫の品目の設計の変更、1つまたは複数の品目の欠陥、誤配置された品目、時間の短い期間内の異常な数の品目の移動(すなわち減耗)、および環境に含まれる1つまたは複数の構成要素の誤動作の少なくとも1つに関連する1つまたは複数のイベントの判定、報告、および/またはそれに関する訂正処置の提供を含めることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、RFID(radio frequency identification)タグを用いてタグ付けされた品目(item)を追跡するのにインテリジェントステーション内の複数のRF(radio frequency)アンテナを使用することの分野に関する。より一般的には、本発明は、RFIDタグを用いてタグ付けされた品目を追跡し、在庫目録を作成するのにインテリジェントステーションを使用する、在庫制御の方法およびシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2002年1月9日出願の仮出願番号60/346388および2002年1月23日出願の仮出願番号60/350023の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張する。これらの出願の開示全体を本明細書に援用する。
【0003】
RFID(radio frequency identification)システムでは、通常は、1つまたは複数のリーダーアンテナを使用して、RFIDタグを用いてタグ付けされた品目(item)にRF(radio frequency)信号を送る。品目または人を識別するのにそのようなRFIDタグを使用することが、当技術分野で周知である。リーダーアンテナからのRF信号に応答して、RFIDタグは、励起された時に、磁界(または電界)の外乱を作り、これがリーダーアンテナによって検出される。通常、そのようなタグは、タグがリーダーアンテナの検出範囲内にある時に、リーダーアンテナからのRF信号に応答して励起されるか共振する、受動タグである。適当なRFアンテナの詳細を含むそのようなRFIDシステムの1つの例が、米国特許第6094173号に記載されている。この特許の内容全体を本明細書に援用する。検出範囲を改善し、「カバレッジ」を広げるために、位相はずれの同一平面アンテナを使用することが既知である。そのようなアンテナの例が、米国特許第6166706号に記載されている。
【0004】
RFIDシステムの検出範囲は、通常は、信号強度によって短い範囲に制限され、たとえば、しばしば、13.56MHzシステムで、約1フィート(0.3048m)未満である。したがって、ポータブルリーダーユニットは、タグ付けされた品目のすべてを検出するために、タグ付けされた品目のグループを超えて移動される。というのは、タグ付けされた品目が、通常は、静止のまたは固定された単一のリーダーアンテナの検出範囲よりかなり広い空間に保管されるからである。別法として、より多数のタグ付けされた品目を検出するのに十分な出力および範囲を有するより大きいリーダーアンテナを使用することができる。しかし、そのようなアンテナは、非実際的である場合があり、許容可能限度を超えて放射される出力の範囲が広がる可能性がある。さらに、これらのリーダーアンテナは、しばしば、店内または空間が貴重である他の位置に配置され、そのように大きいリーダーアンテナを使用することが、高価で不便である。もう1つの可能な解決策では、複数の小さいアンテナを使用することができるが、この構成は、しばしばスペースが貴重であることを念頭においてセットアップするのが難しい場合がある。
【0005】
しかし、複数のアンテナ(または構成要素)の使用は、リーダーユニットを複数のアンテナに接続するのに複数の伝送ケーブルが使用されること、および/または複数のアンテナのすべてがリーダーユニットへの単一の伝送ケーブルによって接続される時に、複数のアンテナを個別に制御できないことという短所を有する。
【0006】
背景として、図1は、従来技術のRFIDシステムの基礎を示すブロック図である。リーダーユニット100は、通常は、RS-232または類似するデジタル通信を介して、コンピュータ端末などの端末102に接続することができる。リーダーユニット100は、ケーブル203によってリーダーアンテナ200に接続される。リーダーアンテナ200は、通常は、少なくとも1つのループ201および同調回路202からなる。同調回路202は、図1では局所化された部分に示されているが、当業者は、これをループ201に沿って分配できることを理解するであろう。リーダーアンテナ200は、低出力無線波105によって1つまたは複数のRFIDタグ106と通信し、このRFIDタグ106は、通常は、RFIDシステムによって追跡される品目、オブジェクト(動物または非動物)、または人に関連する。
【0007】
伝送ケーブル203は、通常は、そのインピーダンスによって特性を表され、インピーダンスは、単純化された形では、伝送ケーブルのインダクタンスLをキャパシタンスCで割った値の平方根にほぼ等しい。同軸ケーブルの場合に、インピーダンスは、一般に50Ωまたは75Ωである。
【0008】
一般に、伝送ケーブル203、アンテナループ201、および同調回路202は、所望の周波数でRF出力を最も効率的に利用する形で一緒に接続され、この所望の周波数は、アンテナ200などのループアンテナを使用するRFIDシステムでは、通常は13.56MHzなどの「高い」周波数である。しばしばRFIDシステムに使用される、もう1つの一般的な「低い」周波数が、125kHzである。RF範囲内の900MHzまたは2.45GHzなどの「超高」(UHF)周波数も、異なるアンテナ設計と共に使用される。
【0009】
単一のリーダーユニットによって電力を与えられ、マルチプレクサスイッチを使用してアンテナの間で交番する複数のアンテナを使用するシステムも、既知である。そのようなシステムを、概念的に図2に示すが、図2では、2つの別々のアンテナ200aおよび200bが、それぞれの伝送ケーブル203aおよび203bを介してリーダーおよびマルチプレクサユニット101に接続される。複数のアンテナの使用によって、通常は、複数のリーダーユニットを必要とせずに、タグを読み取る時の空間カバレッジが改善される。図2に開示された配置の主な短所は、アンテナのそれぞれへの別々の伝送ケーブルの必要である。しばしば、空間が貴重なので、この別々のケーブルの使用は、これらの別々のケーブルのそれぞれを設置するか配置するのに追加の空間が必要になるので、不利である。この短所は、3つ以上のアンテナが1つのリーダーユニットと共に使用される時に、強調される。というのは、これらの複数のアンテナのすべてが、別々の伝送ケーブルを必要とするからである。
【特許文献1】米国特許第6094173号
【特許文献2】米国特許第6166706号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様で、本発明は、RFIDタグを追跡するインテリジェントステーションであって、RF信号を送受信するリーダーユニットと、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによって1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された1つまたは複数の追加RFアンテナとを含むインテリジェントステーションを提供する。本明細書で使用される用語「インテリジェント」は、システムが、無線周波数信号の伝送を介して、追跡可能品目に関連する一意の識別子を取り込み、保管し、データをルックアップし、監視することができることを意味する。
【0011】
もう1つの態様で、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナがそれぞれ、ループおよび同調回路を含む。
【0012】
本発明のもう1つの態様で、前記リーダーユニットは、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナの同調回路を含み、前記同調回路は、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナに接続される。
【0013】
もう1つの態様で、本発明は、RF信号を生成し、受信するリーダーユニットと、動作可能に前記リーダーユニットならびに第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチに接続された制御ユニットとを含み、前記制御ユニットは、前記リーダーをそれぞれ前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続するために前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを選択的に操作するように構成される。前記リーダーユニットおよび前記制御ユニットは、別々のデバイスとするか、単一のユニットに組み合わせることができる。
【0014】
本発明のもう1つの態様では、前記インテリジェントステーションが、さらに、前記リーダーユニットを補助RFアンテナループに接続する第2伝送ケーブルを含み、前記補助RFアンテナループのそれぞれが、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナの対応する1つの近くに配置される。前記補助アンテナは、前記タグに電力を与える変調されないRF信号を受信し、前記タグは、通常、RF信号の不在時に電力を与えられない。本明細書で使用する「変調されないRF信号」は、重畳されたデーがないRF信号である。「変調されたRF信号」は、重畳されたデータを搬送するRF信号である。
【0015】
もう1つの態様で、前記リーダーユニットが、前記リーダーユニットの近くの、前記第2伝送ケーブルを介して前記補助RFアンテナループに接続された第2同調回路を含む。前記第2同調回路は、前記補助RFアンテナループを同調させるように構成される。
【0016】
もう1つの態様で、本発明は、前記リーダーユニットを、それぞれ前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続する第2伝送ケーブルを提供する。前記リーダーユニットは、前記第2伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されないRF信号を送り、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1アンテナおよび1つまたは複数の追加アンテナに変調されたRF信号を送る。
【0017】
本発明のもう1つの態様では、前記第1スイッチが、3つの状態すなわち、前記第1スイッチが、前記変調されたRF信号を前記第1RFアンテナに送るだけである第1状態、前記第1スイッチが、前記変調されないRF信号を前記第1RFアンテナに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が前記第1RFアンテナをバイパスする第3状態だけで動作するように構成される。前記第2スイッチは、3つの状態すなわち、前記第2スイッチが、前記変調されたRF信号を前記関連する第2RFアンテナに送るだけである第1状態、前記第2スイッチが、前記変調されないRF信号を前記第2の関連するRFアンテナに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が前記関連する第2RFアンテナをバイパスする第3状態だけで動作するように構成された多極スイッチを含む。前記スイッチのそれぞれを、互いに独立に制御することができ、したがって、たとえば前記第1および第2のスイッチを、同時に、それぞれ変調された信号および変調されない信号を送るようにセットすることができる。さらに、2つの状態(一方の状態は、変調されたRF信号を前記関連するアンテナに渡し、他方の状態は、前記関連するアンテナに信号を渡さない)の1つで動作するように構成された2極スイッチを使用することができる。
【0018】
もう1つの態様では、本発明は、前記同一の第1伝送ケーブルを介して前記リーダーユニットに接続された追加RFアンテナと、それぞれ前記第1伝送ケーブルと前記追加RFアンテナの間に配置される追加スイッチとを提供する。
【0019】
1つの態様で、RF伝送ケーブルは、すべてのアンテナにサービスする単一の枝を有する、すなわち、アンテナは、直列配置でRF伝送ケーブルを介してリーダーユニットに接続される。
【0020】
もう1つの態様で、RF伝送ケーブルは、複数の枝を有し、各枝は、1つまたは複数のアンテナにサービスする。すなわち、アンテナは、並列直列配置で前記RF伝送ケーブルを介して前記リーダーユニットに接続され、前記RF伝送ケーブルの各枝は、スイッチの使用を介して選択可能である。
【0021】
もう1つの態様で、インテリジェントステーションは、そうでなければ前記リーダーによって行われる信号処理の一部を実行するためにRF信号処理エレクトロニクスを含む。
【0022】
もう1つの態様で、前記1つまたは複数の追加スイッチのそれぞれが、PIN型ダイオードを含む。
【0023】
もう1つの態様で、本発明は、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定するのにRFIDタグを使用するインテリジェント在庫制御システムであって、1つまたは複数のインテリジェントステーションを含むインテリジェント在庫制御システムを提供する。各インテリジェントステーションは、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続される第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによってそれぞれの1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続される1つまたは複数の追加RFアンテナを含む。前記リーダーユニットは、前記インテリジェントステーションの1つから離れてまたは前記1つの中に配置することができる。前記在庫制御システムは、さらに、データストアに接続された、在庫目録を作成される前記品目に関する在庫情報を更新するために前記インテリジェントステーションから品目情報を受け取る、在庫制御処理ユニットを含む。
【0024】
もう1つの態様で、本発明は、RFIDタグによってタグ付けされる品目の在庫制御の方法であって、複数のインテリジェントステーションを設けることであって、各インテリジェントステーションが、RF信号を送受信するリーダーユニットと、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによってそれぞれの1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された1つまたは複数の追加RFアンテナとを含むことと、前記それぞれのインテリジェントステーションに配置される品目の品目情報を判定するために、前記インテリジェントステーションのそれぞれの前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに選択的にエネルギーを与えることによって、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定することと、在庫目録を作成される前記品目の在庫情報を更新するために前記判定された品目情報を処理することとを含む方法を提供する。
【0025】
一態様で、各ステーションは、それ自体のリーダーユニットを有する。しかし、1つのリーダーユニットが、多数のステーションにサービスすることもできる。
【0026】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチにエネルギーを与え、前記それぞれのエネルギーを与えられた1つまたは複数の追加RFアンテナの範囲内にあるRFIDタグを有する品目から品目情報を検出するために、前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを選択的に制御することを含む。
【0027】
本発明のもう1つの態様によれば、在庫制御方法が、前記リーダーユニットによって生成されるRF出力レベルのソフトウェア制御を含む。好ましい実施形態では、テストが、各接続されたアンテナの最適の結果を達成するためにリーダーユニットが供給しなければならないRF出力を判定し、前記各接続されたアンテナは、前記RFケーブルに沿った異なる距離に配置される。この情報は、たとえば、ルックアップテーブルまたは他の同等のインデクシングされるデータ保管手段に保管される。その後、動作中に、各アンテナの出力レベルが、前記ルックアップテーブルに保管されたこの所定の出力レベルに基づいてセットされ、その結果、前記RF伝送ケーブルに沿った異なる距離にあるアンテナが、すべて、本質的に同等の出力で動作できるようになる。
【0028】
代替実施形態では、各アンテナに供給される前記出力が、たとえばアンテナのタイプなど、追加の要因にも依存することができる。したがって、代替実施形態では、前記アンテナの前記距離およびタイプを使用して、特定のアンテナに関する最適出力レベルを判定し、保管することができる。
【0029】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、RFフィルタアンプなど、RF信号強度を上げるためにN番目のステーションごとなど、前記RF伝送ケーブルに沿って周期的に配置されるRF増幅器デバイスを含む。
【0030】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、品目の前記判定された品目情報をデータストア内で更新することを含む。
【0031】
もう1つの態様で、本発明は、前記在庫管理方法が、インテリジェントステーションごとに、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つの近くに配置された1つまたは複数の補助アンテナループに前記リーダーユニットを接続する第2伝送ケーブルを設けることを含み、前記リーダーユニットが、前記第1伝送ケーブルを介して変調されたRF信号を送り、前記第2伝送ケーブルを介して変調されないRF信号を送ることを提供する。
【0032】
もう1つの態様で、本発明による在庫制御方法は、インテリジェントステーションごとに、前記リーダーユニットを、それぞれ第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続する第2伝送ケーブルを設けることを含み、前記リーダーユニットは、前記第2伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されないRF信号を送り、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されたRF信号を送る。
【0033】
もう1つの態様で、本発明の在庫制御方法は、インテリジェントステーションごとに、3つだけの状態すなわち、変調されたRF信号を前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つに送るだけである第1状態、変調されないRF信号を前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つをバイパスする第3状態の1つで動作するように前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加のスイッチを構成することを提供する。
【0034】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面に、本発明の現在の好ましい実施形態を、上で与えた全般的な説明および本発明の原理を説明するように働く下で示す好ましい実施形態の詳細な説明と共に、制限なしに示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
特に指定がない限り、「a」または「an」は、1つまたは複数を意味する。本発明は、複数のアンテナを使用してRFIDタグを検出できる1つまたは複数のインテリジェントステーションを含むインテリジェント在庫制御システムを提供する。RFIDタグは、検出または追跡される品目に取り付けられる。本明細書で説明するある好ましい実施形態では、インテリジェントステーションシステムが、インテリジェント「棚」システムとして指定される。というのは、本発明によって提供されるインテリジェントステーションシステムが、在庫制御または他の追跡目的のために店および倉庫の棚の上の品目を追跡するのに適するからである。しかし、本発明が、インテリジェント棚システムに制限されないことを理解されたい。というのは、当業者が、たとえば閉ざされた貯蔵所、他のストレージボリューム(storage volume)、および特定の空間内の品目の追跡など、他の用途への本発明の適用可能性を理解するからである。そのような閉ざされた貯蔵所またはストレージボリュームの例に、制限なしに、部屋、クローゼット、キャビネット、食器棚、冷蔵庫、冷凍庫、ペグボード、衣類ラック、トレイラ、倉庫、パレット、カウンタ、および他の類似する囲い、空間、またはラックが含まれる。本発明は、扉、通路および他の玄関、床または床マット、あるいは天井で使用することができる。また、インテリジェントステーションを、通常は棚に関連する水平方位以外の方位で使用できることを理解されたい。たとえば、インテリジェント棚を、たとえばコンテナの壁、あるいはストレージボリュームの後ろまたは横の区域、または表面で、垂直の方位で使用することができる。
【0036】
衣類ラックでの使用について、直線または円形のラックを含む、様々な実施形態が想定されている。特に円形のラックについて、円形ラックの中央で2つの垂直平面に直角に配置された2つのアンテナを使用できることが想定されている。アンテナは、単一のリーダーによって駆動できるが、リードインケーブルの長さが、好ましくはRF波長の1/4だけ異なり、あるいは、別法として、2ウェイ90°出力スプリッタを使用して(たとえば、MiniCircuits社のPSCQ-2-13)、2つのアンテナを90°位相はずれにする。その結果、2つのアンテナによってセットアップされる磁界方位が、RF波の各サイクルで1回「回転」し、その結果、円形ラックの周囲のすべてのRFIDタグを読み取ることができる。
【0037】
衣類ラックと共に使用することに関して、もう1つの実施形態では、衣類ラック上に、たとえば衣類ラックの一端または両端に位置決めされるかぶら下がる、あるいは衣類の真中のハンガとして分散される、1つまたは複数のアンテナループが設けられる。アンテナループが、ハンガの形で設けられる場合に、これらを、狭い(たとえば、直径1/4インチ(6.35mm)から3/8インチ(9.525mm))熱可塑性管を通って導電ワイヤを走らせ、管を熱形成してハンガ形のアンテナを作成することによって、製造することができる。同一の方法を使用して、任意の形状の自己支持型アンテナを作成することができる。
【0038】
平面アンテナは、アンテナによって作られる磁力線に平行に向けられたタグを読み取る能力が制限される可能性がある。RF電力を供給されるアンテナ(リーダーに接続されるアンテナ)およびリーダーに直接には接続されない1つまたは複数の受動的に結合されたアンテナを設けることによって、読取範囲を拡大し、タグ方位の制限を克服することができる。この受動的に接続されたアンテナは、電力を与えられるアンテナとの誘導結合を介して励起されるか電力を与えられる。受動的に結合されたアンテナは、好ましくは能動的に結合されたアンテナと180°位相がずれた、磁界を有する。したがって、結果の磁界の方位が、発振し、その結果、そうでなければ望ましくない方位のRFIDタグも、読み取ることができるようになる。一実施形態で、受動的に結合されたアンテナを、棚自体の中に設けることができ、たとえば、能動的に電力を与えられるアンテナを棚の前に、受動的に結合されるアンテナを棚の後ろに設け、すべてのアンテナを棚の平面内にすることができる。他の実施形態に、受動的に結合されるアンテナを、棚の端または後ろで垂直面内に置くことが含まれる。他の実施形態に、箱、キャビネット、通路などの囲い内の少なくとも1つの能動的に電力を与えられるアンテナを、1つまたは複数の受動的に結合されるアンテナと共に使用して、任意の方位に配置されたタグを読み取る際のよりよい読取範囲またはよりよい柔軟性をもたらすことができる。他の実施形態に、受動的に結合されるアンテナを、棚の端または後ろで垂直面内に置くことが含まれる。他の実施形態に、所与の棚について、水平面内で棚の上のある距離、好ましくは次の上の棚の真下に、受動的に結合されるアンテナを置くことが含まれる。
【0039】
好ましい実施形態では、複数のアンテナを、自己支持型の棚に置くことができ、あるいは、既存の店の棚に置くことができる薄いマットの中に実施することができる。
【0040】
たとえば、図3Aのブロック図からわかるように、独立の棚システム501a、501b、...、501nおよび502a、502b、...、502nは、それぞれ、伝送ケーブル222によってリーダーユニット120にそれぞれ接続される複数のアンテナ200を設けられる。各リーダーユニット120は、任意の時にどのアンテナがアクティブになるかを選択する際に制御ケーブル221を使用するコントローラまたは制御ユニット124を有する。棚の間で、ケーブル221および222を、コネクタ526を使用して相互接続することができる。図3Aに開示された実施形態には、棚の各グループが、複数のアンテナ200に接続されたリーダーユニット120と共にRFIDシステムを有するものして図示されているが、当業者は、単一のリーダーユニットを、互いに近くに配置される複数の棚の複数のアンテナに接続するように構成することができ、あるいは、各棚を、それ自体のリーダーユニットを有するように構成できることを理解するであろう。
【0041】
図3Bのブロック図に、各棚503a、503b、...、503nに複数のアンテナ200が設けられる、代替実施形態を示す。複数のアンテナ200は、それぞれ、伝送ケーブル222によってリーダーユニット120に接続される。各リーダーユニット120は、任意の時にどのアンテナがアクティブであるかを選択するコントローラ124を有する。このコントローラ124は、マイクロコントローラとすることができる。さらに、棚は、コントローラ124と協同してアンテナを選択する副コントローラ125を有することができる。副コントローラ125は、関連する棚内のすべてのアンテナを制御し、価格決定などの情報を表示するために棚の端のディスプレイなどの出力装置510を制御するのに十分な出力を有するマイクロプロセッサとすることができる。出力装置510は、当業者が理解するように、可視信号および可聴信号を使用して情報を表示することができる。副コントローラ125を使用することによって、棚の間のコネクタ526に必要なワイヤの数を減らすことができる。
【0042】
制御ユニット124は、たとえばDallas Semiconductor社のDS2405「1-Wire(登録商標)」アドレス可能スイッチを使用することによって可能になるように、たとえば各スイッチに関連する一意のアドレスを送ることによって、デジタルデータ通信ケーブル221を介してコマンドを送ることによって任意のまたはすべてのスイッチを選択的に操作することができる。そのようなアドレス可能スイッチのそれぞれが、単一のアンテナの切替に使用できる単一の出力を供給する。制御ユニット124は、1つまたは複数の副制御ユニット125を使用することによって、任意のまたはすべてのスイッチを選択的に操作できることが好ましい。たとえば、副制御ユニット125は、副制御ユニット125の近くのすべてのアンテナなど、複数のアンテナを切り替える複数の出力を供給することができる、Microchip Technology Incorporated社のPICmicro(登録商標)Microcontrollerなどのマイクロプロセッサとすることができる。制御ユニット124は、MicroChip Technology Incorporated社のPICmicro(登録商標)Microcontrollerなどのマイクロプロセッサとすることができる。制御ユニット124と副制御ユニット125の間の通信は、RS-232、RS-485シリアルプロトコルあるいはイーサネット(登録商標)プロトコルまたはトークンリングネットワーキングプロトコルなどの周知の通信プロトコルに従って、デジタル通信信号を使用することによって実施することができる。副制御ユニット125を介するそのような通信には、所望のアンテナを選択することのほかに、追加の特徴を操作するコマンドも含まれる。そのような特徴の例に、アンテナの近くのディスプレイ(たとえば、光LED)の提供、適当な視覚ディスプレイを介する英数字テキストの表示、またはアンテナの近くでの可聴情報の出力が含まれる。
【0043】
好ましい実施形態では、インテリジェント棚システムが、電子ネットワークを介して制御される。インテリジェント棚システムを制御する制御システムは、RS-232または類似するプロトコルを介して制御ユニット124にコマンドデータを送信する。このコマンドには、リーダーユニット120を操作する命令、アンテナスイッチを操作する命令、およびたとえばライト、視覚ディスプレイ、または音声を用いて棚によって表示される補助情報が含まれるが、これに制限はされない。制御ユニット124は、これらのコマンドを解釈するようにプログラムされる。コマンドが、リーダーユニット120宛である場合に、制御ユニット124は、そのコマンドをリーダーユニット120に渡す。他のコマンドは、アンテナ選択または情報表示に関するものである可能性があり、これらのコマンドは、必要な場合に、制御ユニット124によって処理されて、どのデータをデジタルデータ通信ケーブル221を介して副制御ユニット125に渡さなければならないかが判定される。同様に、副制御ユニット125は、リーダーユニット120と同様に、コントローラ124にデータを渡すことができる。コントローラ124は、結果データを、電子ネットワークを介して制御システムに中継する。図3Aおよび3Bに示された在庫制御処理ユニット550が、そのような制御システムの1例である。本明細書でインテリジェント棚システムに関してさらに説明するように、電子ネットワークおよび制御システムは、電子ネットワークを介してインテリジェント棚システムに接続される制御システムによってインテリジェント棚システムを制御できることを示すために、交換可能に使用される。
【0044】
最小限でも、制御ユニット124は、電子ネットワークからのコマンドを、リーダーユニット120に送らなければならないかどうか、またはデジタル通信ケーブル221で送らなければならないかどうかを判定しなければならない。また、制御ユニット124は、デジタル通信ケーブル221およびリーダーユニット120から受け取るデータを、電子ネットワークに中継しなければならない。たとえば、最小限の構成で、電子ネットワークは、たとえば、単一のアンテナを読み取るコマンドを発行する。制御ユニット124は、a)そのアンテナの正しいスイッチをセットし、b)リーダーを活動化し、c)リーダーからデータを受け取り、d)リーダーを非活動化し、e)データを電子ネットワークに送り返す。
【0045】
図3Cは、ホストからのコマンド信号の制御ユニット124による例示的な処理を示す流れ図である。ステップ330で、制御ユニット124は、制御ユニット124に関するコマンドがあるかどうかを判定する(メモリ位置を周期的に問い合わせることによってそれを行うことができる)。制御ユニット124は、ステップ332で、そのコマンドがリーダー120に関するものであるかどうかを判定し、そうである場合に、ステップ334でそのコマンドをリーダーユニット120に送る。そうでない場合には、ステップ336で、制御ユニット124が、コマンドをデコードし、適当な指示を副コントローラ125に送る。その後、ステップ338で、制御ユニット124は、ステップ334でコマンドをリーダーに送った場合に、リーダーユニット120から応答を受け取ったかどうかを判定する。応答が受け取られている場合には、ステップ340で、制御ユニット124が、その応答をホストに渡す。その後、ステップ342で、制御ユニット124は、ステップ336で送られた指示に応答して副制御ユニット125から応答が受け取られたかどうかを判定する。ステップ342で、副制御ユニット125から応答が受け取られている場合には、ステップ344で、その応答を制御ユニット124が解釈し、ホストに送る。その後、処理の制御は、ステップ330に返され、ここで、制御ユニット124が、処理を必要とするホストからの別のコマンドがあるかどうかを判定する。
【0046】
制御ユニット124は、そうでなければ電子ネットワークによって処理される管理機能の一部を実行することもできる。たとえば、電子ネットワークは、制御ユニット124に関連する棚システム全体である物品を見つけるコマンドを発行することができる。その場合に、制御ユニットは、a)システムにアンテナが何個あるかを判定し、b)第1のアンテナに適当なスイッチをセットし、c)リーダーを活動化し、d)リーダーからデータを受け取り、保存し、e)リーダーを非活動化し、f)すべてのアンテナを活動化するまで、次のアンテナに適当なスイッチをセットし、g)すべてのアンテナを読み取るまでリーダーを活動化する、などの一連のタスクを管理する。好ましい実施形態では、すべてのアンテナを読み取った時に、制御ユニット124または電子ネットワーク(「ホスト」または「制御システム」)は、その蓄積されたデータを分析し、所望の品目の位置だけを報告する。
【0047】
図3Dは、本発明による制御ユニットによって実行される例示的な管理機能処理を示す流れ図である。ステップ350で、制御ユニット124が、制御ユニット124によって制御されるアンテナに関する全品目の在庫を要求するコマンドをホストアプリケーションから受け取る。したがって、ステップ352で、制御ユニット124が、制御ユニット124によって直接に制御されるアンテナの数を判定する。その後、ステップ354で、制御ユニット124が、副制御ユニット125へのコマンドを発行して、リストの次のアンテナを選択し、ステップ356で、副制御ユニット125からの確認を待つ。ステップ358および360で、リーダー120に「読取」コマンドを送り、リーダー120は、選択されたアンテナからのデータを待って読み取り、ステップ362で、そのデータをホストアプリケーションに送る。その後、ステップ364で、制御ユニットが、リーダー120に「スタンバイ」コマンドを送り、ステップ366で、すべてのアンテナを読み取ったかどうかを判定する。ステップ366で、すべてのアンテナを読み終えたと判定される場合には、処理を終了する。そうでない場合には、処理制御はステップ354に戻り、その結果、制御ユニット124が、副制御ユニットにコマンドを発行して、リストの、まだ選択されていない次のアンテナを選択する。
【0048】
電子ネットワークとリーダーユニットの間の制御ユニット124を置くことの追加の利益が、望み通りに異なるタイプのリーダー120を使用できることである。電子ネットワークから制御ユニットへのコマンドは、一般的な、リーダー固有でないものとすることができる。たとえば、電子ネットワークは、制御ユニットに「アンテナ読取」コマンドを送ることができる。制御ユニットは、このコマンドを、各リーダーユニットが必要とする適当なコマンド構文に変換することができる。同様に、制御ユニットは、リーダーユニットから応答構文を受け取り(リーダーユニットのタイプに基づいて異なる可能性がある)、これを一般的な応答に解析して電子ネットワークに返すことができる。コマンドおよび応答の構文は、リーダーユニット120のタイプごとに異なる可能性があるが、制御ユニット124は、これを電子ネットワークから透過的にすることができる。
【0049】
図3Eのブロック図に、コントローラ124およびリーダー120が棚504aに含まれる、代替実施形態を示す。当業者が理解するように、コントローラおよびリーダーを、どの棚からも分離することも可能である。デジタル通信ケーブル221によって、コントローラ124が副コントローラ125に接続され、RF伝送ケーブル222によって、リーダー120がアンテナ200に接続される。コントローラ124は、枝スイッチ527を操作することができ、枝スイッチ527は、棚のグループ(たとえば504bから504n、または505bから505n)のどれを選択するかを選択する。図3Eでは、枝スイッチ527が、副コントローラ125および副コントローラ125に接続されたアンテナに関して「並列-直列」接続方法と共に使用される。すなわち、コントローラ124およびリーダー120が、単一の直列配置で棚のすべてを操作するのではなく、RF通信信号線およびデジタル通信信号線が、直列の棚504bから504n、および直列の棚505bから505nを介して継続される前に分岐される(すなわち、枝のそれぞれが互いに並列である)。図3Eの並列-直列構成は、通常は約4レベルの棚(それぞれを並列に接続することができる)があり、各レベルが、直列に接続されたおそらくは10個から20個の棚ユニットを有する、棚の島に有利である可能性がある。ある情況で、並列-直列構成が、RF伝送の観点からも望ましい場合がある。たとえば、島が、4レベルの棚を有し、各棚が、12個の棚ユニットを有し、各棚ユニットが4つのアンテナを有する場合に、並列-直列構成では、48個のアンテナの4つのグループが並列に接続されるが、直列のみの構成では、192個のアンテナの1つのグループが直列に接続される。したがって、直列のみの構成のRF伝送ケーブルは、効率的な動作には長すぎるようになる。
【0050】
図3Fのブロック図に、コントローラ124およびリーダー120がすべての棚から離れて配置される代替実施形態を示す。デジタル通信ケーブル221によって、コントローラ124が副コントローラ125に接続され、RF伝送ケーブル222によって、リーダー120がアンテナ200に接続される。コントローラ124または副コントローラ125は、Tスイッチ528を操作でき、Tスイッチ528は、棚または棚のグループ(たとえば、506a、507aから507b)のどれが選択されるかを選択する。Tスイッチ528は、当業者が理解するように、棚から分離するか、棚の一部とすることができる。図3Fでは、Tスイッチ528が、もう1つの「並列-直列」接続配置と共に使用されている。すなわち、コントローラ124およびリーダー120がすべての棚を直列に操作するのではなく、RF通信信号線およびデジタル通信信号線が、直列に配置された棚または棚のグループに枝分かれする(すなわち、マルチドロップまたは「T」形配置で接続され、枝のそれぞれが、並列に配置される)。この構成によって、RF信号を、Tスイッチ528によって棚または棚のグループに切り替えるか、棚または棚のグループをバイパスすることができるようになる。図3Fに示されたTまたはマルチドロップ構成を使用して、RF伝送ケーブルが通過するスイッチング要素の数を減らすことができる。
【0051】
図3Fでは、制御ケーブルの、棚506aを超えて延びる部分221aと、RFケーブルの、棚506aを超えて延びる部分222aが、棚の外部にある。しかし、当業者が理解するように、ケーブルのこれらの延びた部分を、棚の中に含めることもできる。追加の延ばされた制御ケーブル部分221bおよび追加の延ばされたRFケーブル部分222bを使用して、より多くの棚または棚のグループを接続することができる。同様に、当業者に明白であるように、追加の棚(図示せず)を、棚のグループ、たとえば棚506aから506bに追加することができる。
【0052】
図3Gに、例示的な棚507aの例のTスイッチ528を示す。Tスイッチには、スイッチ、たとえばPINダイオード207cが含まれる。棚507aに関連する副コントローラ125が、PINダイオード207cを活動化して、RFケーブル222aからのRF信号を棚507aに送ることができ、このRF信号をスイッチ214を介してアンテナ200にルーティングすることができる。RFエネルギーは、RFケーブル222bに沿って任意選択の追加Tスイッチに、最終的に終端器215にも継続することができる。したがって、通常、RFケーブル222aには、2つの並列の負荷すなわち、活動化されたアンテナおよび終端器215がある可能性がある。回路217、たとえば当業者に周知のアイソレータ回路を使用して、リーダー120へのインピーダンスを整合させることができる。
【0053】
図3Hに、例示的な棚507aで使用できる例示的なインラインスイッチ529を示す。このインラインスイッチには、スイッチ、たとえばPINダイオード207dが含まれる。棚507aに関連する副コントローラ125が、PINダイオード207dを活動化して、RFケーブル222aからのRF信号がRFケーブル222bに継続できるようにするか、PINダイオード207dを非活動化して、RF信号がRFケーブル222bに沿って継続しないようにする。Tスイッチ528およびインラインスイッチ229を一緒に使用して、RF信号を棚507aまたはRFケーブル222bにルーティングできることが好ましい。インラインスイッチ529などの1つまたは複数のインラインスイッチの使用によって、アイソレータ回路217を不要にすることができる。しかし、インラインスイッチ529は、多少のRFエネルギー損失をもたらす可能性がある。
【0054】
図3Iに、単一のケーブルでRF通信およびデジタル通信を組み合わせる例示的方法を示す。主コントローラ124が、インテリジェントステーション宛のデジタルコマンド250を送る。コンバータ251が、デジタルデータを、RFケーブルに重畳できる重畳されたデジタル信号252に変換する。たとえば、この重畳されたデジタル信号を、RFIDリーダー120によって使用されるものと異なる周波数とすることができる。この重畳されたデジタル信号は、図3Iに示された例示的なインダクタ253などのフィルタ253を通過することができる。この重畳されたデジタル信号は、RFケーブルに重畳される。別のフィルタ254を使用して、重畳された信号がRFIDリーダー120に達するのを阻止することができる。
【0055】
組み合わされたRFおよびデジタル信号は、ケーブル222aを通って、1つまたは複数のインテリジェントステーション261、262、263など(図3Iには261および262のみを図示)に達する。例示的なインテリジェントステーション261に達した時に、組み合わされた信号は、RFIDリーダーからのRF信号を阻止するサイズにされたインダクタなどの別のフィルタ255を通過することができる。重畳されたデジタル通信は、フィルタ255を通過し、受信器回路256に入り、受信器回路256は、デジタル情報を検索し、これを副コントローラ125に渡し、任意選択として追加の副コントローラ260に渡す。
【0056】
副コントローラ125は、たとえばリーダー120のRF周波数以外の周波数で、任意選択として主コントローラ(または制御ユニット)124から副コントローラ(または制御ユニット)125への通信に使用されるものと異なる周波数で動作する、送信器回路257を介して主コントローラ124に情報を送り返すことができる。そのような情報は、受信器回路258によって受信し、適当なデジタル信号259に変換し、主コントローラ124に返すことができる。
【0057】
主コントローラ124と副コントローラ125の間のデジタル通信の方法の変形形態は、主コントローラ124からのデジタル通信を複数の直流電圧の一連のパルスとして送ることである。両方の電圧が、副コントローラ125、周辺機器510などに関連する、直流電力を必要とする回路に電力を与えるのに十分に高いことが好ましい。これらの電圧は、デジタル送信器回路251から送信され、受信器回路256によって受信され、受信器回路256は、単純な電圧比較器回路とすることができる。副コントローラ125から主コントローラへの通信は、たとえば、レジスタに供給するトランジスタをインおよびアウトに切り替えることによって、デジタル送信回路257が、通信ケーブル上で2つの異なるレベルの電流ドローまたは負荷を提供することによって実現することができる。電流ドローのそのような変動が、受信器回路258によって感知され、主コントローラ124用のデジタルデータに変換される。
【0058】
図3Jに、選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの望ましくない影響を最小にするのにスイッチを使用する例示的な方法を示す。前の説明から、副コントローラ(または制御ユニット)の使用を介してインテリジェントステーションシステムによってスイッチを制御できることを理解されたい。図3Jに、一連のアンテナ371から377に接続されたリーダーユニット370を示す。一連のアンテナは、第1、第2、第Nなどとしても表される。各アンテナが、回路380を関連付けられている。この回路に、RF信号を搬送する同軸ケーブル381を含めることができる。RFを搬送する中央導体を、分路スイッチ382によって同軸シールドに短絡するか、同調回路に接続し、その後、選択スイッチ383を介してアンテナ371に接続することができる。同軸シールドは、線384によって示されるように、電気的に連続している。同軸シールドは、通常は接地される。同軸中央導体は、同様に連続している。
【0059】
連続するアンテナの間の距離は、RF信号の1/4波長の整数約数であることが好ましい。たとえば、ポリエチレン誘電体を有する標準同軸ケーブルを介して進む13.56MHzのRF信号は、約12フィート(3.66m)の1/4波長を有する。したがって、図3Jからわかるように、アンテナの間の1フィート(0.30m)の同軸長を使用して、1/4波長の1/12約数の間隔をもたらすことができる。他の整数約数が可能であり、たとえば、アンテナの間の1.5フィート(0.46m)同軸長を使用して、1/8約数をもたらすことができる。
【0060】
この方法を例示するために、第Nアンテナ373を、選択スイッチ385を閉じてRF信号をアンテナ373に向けることによって選択することができる。また、分路スイッチ386を閉じて、RF信号をアンテナ375で同軸シールドに短絡するが、このアンテナ375は、RFケーブルに沿った1/4波長に配置されている。RFケーブルに沿って1/4波長距離での短絡回路は、無限大のインピーダンスとみなされ、これによって、選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの悪影響が最小になる。一連のアンテナの終りに、任意選択として、符号378および379に示されている追加の分路スイッチを設けることができる。
【0061】
好ましい実施形態では、インテリジェントステーションシステムが、モジュラーであり、安価な構成要素を使用して複数のアンテナからのデータが処理される。棚内の複数のアンテナは、シーケンスで活動化することができ、あるいは、任意選択として、当業者の能力に含まれるように、有効性を高めるために位相差をつけて活動化することができる。
【0062】
図面を参照すると、図4Aは、リーダーユニット120に接続された複数のアンテナ200、210(都合上2つだけを図示)を有するRFIDシステムを示す、本発明の一実施形態を示すブロック図である。したがって、本明細書で開示されるRFIDシステムを使用して、図3Aに示されたインテリジェントステーション501aからnまたは502aからnを実施することができる。当業者が、様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、図4Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。さらに、当業者は、本発明、その構造、および動作の方法を、出力および規制要件が満足される限り、他の周波数での伝送および検出に適用できることを理解するであろう。RFIDシステムに、単一の棚を含めることができ、あるいは、複数のアンテナを、棚の近くに配置し、たとえば同軸または他の接続手段などのコネクタを使用して単一のリーダーユニットに接続することができる。図4Aからわかるように、単一のRF伝送ケーブル222を使用して、アンテナ200および210の両方に接続する。伝送ケーブル222は、普通の終端器215で終端する。リーダーユニット120は、制御ユニット124に関連するが、マルチプレクサを有しない。別法として、コントローラ124は、それぞれアンテナ200および210に配置されるスイッチ204および214を制御するように設計される。制御ユニット124は、たとえばアンテナの近くに配置される、副制御ユニット125とも通信することができる。副制御ユニット125に、アンテナを選択する際に制御ユニット124と協力することができるマイクロプロセッサまたはアドレス可能デバイスを含めることができる。
【0063】
一実施形態で、スイッチ204および214が、別々のケーブル221によって制御ユニット124に接続される。当業者は、無線手段を含む他の手段またはケーブル222で搬送されるRF信号に重畳される異なる周波数の信号を使用して、制御ユニット124をスイッチ204および214に接続できることを理解するであろう。スイッチ204および214は、いつでも、アンテナ200および210の1つだけがケーブル222を介してリーダーユニット120に接続されるように制御される。
【0064】
図4Bは、開位置(破線)とアンテナに出力を与える閉位置の間でトグルする論理スイッチ204を示す概略図である。このような論理スイッチを、図4Aに関して説明した実施形態と共に使用することができる。
【0065】
図5は、図5に示されているようにアンテナ200がすべて同一であることを除いて、図4Aに関して上で説明した実施形態に類似する、本発明のもう1つの実施形態である。したがって、同調回路202をすべて同一にすることができ、アンテナの製造が容易になる。したがって、リーダーユニット120を、伝送ケーブル222ならびにスイッチ204および214によって、それぞれの複数の同一のアンテナ200に接続することができる。
【0066】
図6は、複数のアンテナ200が同一である時の利益を示す、代替実施形態のブロック図である。同調回路202の諸部分を、リーダーユニット120自体またはその近くの共通の同調回路213に移動することができる。したがって、リーダーユニット120は、リーダーユニット120に設けられる共通の同調回路213を介して複数のアンテナ200に接続される。当業者が理解するように、主同調回路202または212は、まだアンテナ200ごとに設けられる。
【0067】
図7は、2つの別々の伝送ケーブル222および230が、それぞれがアンテナループ201および231を有する複数のアンテナ構成に変調されたRF信号および変調されないRF信号それぞれを伝送する、本発明のもう1つの実施形態を示すブロック図である。リーダーユニット130に、制御ユニット134が関連する。リーダーユニット130は、RF信号を分割して、変調されないRF信号を別々のケーブル230および同調回路232を介してRFアンテナ201に関連するアンテナループ231に伝送できるようにするために設計される。RFアンテナ201のそれぞれが、それぞれのアンテナループ231に関連する。前と同様に、リーダーユニット130は、同調回路213および伝送ケーブル222を介して複数のアンテナ201に伝送される変調されたRF信号も生成する。それぞれのスイッチ204および214が、それぞれのアンテナ201を伝送ケーブル222に接続し、またそれぞれのアンテナループ231を伝送ケーブル230に接続する。
【0068】
一実施形態では、同調回路232、ケーブル230、およびアンテナループ231を含む変調されないRFシステムのすべてに、連続的に電力を供給することができる。対照的に、リーダーアンテナデータループ201は、スイッチ204および214を適当に制御することによって、1時に1つだけオンにすることができる。ループ231に継続的に電力を供給できるので、データ転送中にRFIDタグを充電するのに必要なスタートアップ時間はない。そのようなシステムは、RFIDタグを頻繁に読み取る必要がある情況で有利に使用することができる。さらに、この実施形態を用いると、ハンドヘルドリーダーユニットが、いつでもタグを読み取れるようにもなる。というのは、タグが、変調されないRFシステムの継続的な電力供給に鑑みて、常に電力を与えられているからである。変調されないケーブル230は、ケーブル230の端に終端器216を有する。これに関して、用語「連続的」電力に、法規または他の規制によって要求される場合に、パーセンテージデューティサイクルを含めることができることを理解されたい。別法として、変調されないRFシステムを、アンテナごとに変調されたRFシステムを活動化する直前に活動化することができる。
【0069】
図8は、図7に関して上で説明した実施形態に類似するもう1つの実施形態である。この実施形態では、ケーブル222を介する変調されたRF信号およびケーブル230を介する変調されないRF信号が、同一のアンテナ201を介してルーティングされる。スイッチ204および214は、変調されたRF信号222または変調されないRF信号230、または信号なしが、所与のアンテナ201にルーティングされるように構成されることが好ましい。すなわち、スイッチ204および214は、3つの状態すなわち(I)変調されたRF信号だけがアンテナ201に伝送される第1状態、(II)変調されないRF信号だけがアンテナ201に伝送される第2状態、および(III)変調されたRF信号および変調されないRF信号の両方がアンテナ201をバイパスする第3状態だけで動作できるように設計される。
【0070】
そのような切替動作は、単極RFスイッチのグループまたは多極RFスイッチを用いて実施することができる。動作時に、この実施形態を用いると、ポーリングの直前までアンテナ201を非アクティブにすることができるようになる。その時点で、変調されないRF信号を、同調回路232、伝送ケーブル230、ならびに適当なスイッチ204および214を介してアンテナ201に切り替えて、近くのRFIDタグを「ウォームアップ」することができる。その後、変調されたRF信号を、同調回路212、ケーブル222、ならびに適当なスイッチ204および214を介してアンテナ201に切り替えて、ウォームアップされたばかりのRFIDタグから効率的にデータを獲得することができる。
【0071】
図9Aは、たとえば図8に関して説明した実施形態と共に使用することができるスイッチ205の単純化された概略図である。当業者が、様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、図9Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。スイッチ205Aが、左に投入されて、アンテナ201の一方の極を変調されたRF信号同軸ケーブル222の中央導体に接続し、他方の極が同一のケーブルのシールドに接続される時に、変調されたRF信号が、アンテナ201に伝送される。スイッチ205Aが、右に投入される場合に、変調されたケーブル222内の信号が、もう1つのアンテナに継続される。スイッチ205Bが、右に投入され、その結果、変調されないRF信号が、別のアンテナに向かって継続されることが図示されている。スイッチ205Bが、左に投入される場合に、変調されないRF信号が、アンテナ201を通過する。スイッチAおよびBの両方が、右に投入される場合に、両方の信号が、アンテナをバイパスし、アンテナは、完全に非アクティブになる。スイッチ205は、スイッチ205Aおよび205Bの両方を左に投入できなくなるように設計される。
【0072】
図9Bは、たとえば図8に関して説明した実施形態と共に使用することができる、代替のスイッチ205Cの単純化された概略図である。この図には、コモン(または接地)ワイヤを切り替える必要がないことと、スイッチをケーブルと直接にインラインにするのではなく、RFケーブルから分岐させることができることが示されている。スイッチ205Cが、左に投入される時に、アンテナループ201の一方の極が、変調されたRF信号同軸ケーブル222の中央導体に接続され、他方の極が、同一のケーブルのシールドに接続され、したがって、変調されたRF信号が、アンテナ201に送られる。スイッチ205Cが、中央に投入される場合に、変調されないRF信号230が、アンテナ201を通過する。スイッチ205Cが、右に投入される場合に、どちらのRF信号も、アンテナに入らず、アンテナは、完全に非アクティブになる。スイッチ205Cの場合に、RF信号が、スイッチ205Cの設定に無関係に、アンテナ201を過ぎて、それぞれのケーブルを下にも継続することに留意されたい。
【0073】
図10Aに、たとえば本発明の様々な実施形態に関して前に説明したスイッチ204または214として使用することができるRFスイッチの回路図を示す。当業者が、様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、図10Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。図からわかるように、RFスイッチでは、PIN(P型、I型、N型)ダイオード207(たとえば、Microsemi社の部品番号900-6228)が使用され、このPINダイオード207は、スイッチ接点が開いている時にRF信号を阻止できることを除いて、通常のPNダイオードと同様な形で動作する。スイッチ接点が閉じられている時には、PINダイオード207は、順方向バイアスされ、RF信号を導通する。アンテナを選択するのに使用される制御信号を、RFIDタグの読取に使用されるRF信号に重畳することもできる(図示せず)。そのような制御信号を、帯域フィルタによってRF信号から分離することができ、その制御信号は、アドレス可能スイッチを通り、このアドレス可能スイッチが、PINダイオードを使用するRFスイッチを選択的にアクティブ化する。図10Aでは、制御信号が、RF信号ケーブルを使用するのではなく、別々の配線で供給される。制御信号のRF信号ケーブルへの重畳は、アンテナ間またはインテリジェントステーション間のより少ない導体および/またはコネクタを必要とする可能性があるが、各アンテナで信号を分離する追加の電子構成要素が必要である。したがって、制御信号用の別々の配線を有することが、より効率的になる可能性がある。
【0074】
図10Bに、アンテナを離調し、その結果、アンテナが活動化について選択されていない場合に、近くのアンテナが選択された時に共振しないようにする回路図を示す。アンテナが選択されない場合に、PINダイオード207aが、同調キャパシタ211aを短絡させ、これによって、アンテナの周波数を変更し、その結果、アンテナが、RFIDタグを読み取るためにアンテナを動作させるのに使用される周波数でアクティブにならなくなる。
【0075】
207aなどのPINダイオードを使用して、同調キャパシタを短絡し、アンテナを離調することは、PINダイオード207aが、かなり長い時間にわたって電力を与えられて動作する可能性があることを意味する。これによって、熱および電力消費が生成される可能性がある。したがって、このシステムは、現在読み取られているアンテナに直接に隣接するアンテナだけを離調するように設計することができる。どのアンテナが隣接するかは、複数の方法によって判定することができる。たとえば、これを、設計中に指定するか、組立の後に観察によって見つけるか、下でさらに説明するように動作中にRFIDリーダーを用いて判定することができる。
【0076】
図10Cに、PINダイオード207bがループを同調するのに使用される、もう1つの回路図を示す。このループは、PINダイオード207bにエネルギーが与えられる時に同調される。したがって、PINダイオード207bは、ループが読み取られていない間にオンに留まる必要がない。これによって電力を節約し、熱生成を減らすことができる。
【0077】
本明細書の例には、スイッチング機能および離調機能にPINダイオードを使用することが含まれるが、当業者が理解するように、たとえばFET(電界効果トランジスタ)デバイスまたはMESFET(金属半導体FET)デバイスなどの他の電子構成要素も使用することができる。
【0078】
図10Dに、回路の共振部分内のスイッチ、たとえば電界効果トランジスタ(FET)208がループを離調するのに使用される、もう1つの回路図を示す。この図では、ループが、FET208にエネルギーが与えられない時に同調され、FET208にエネルギーが与えられる時に離調される。エネルギーを与えられた状態では、FET208は、ほとんど電力を引き出さない。さらに、回路内のこの位置では、FET208にエネルギーが与えられる時に、FET208は、ループアンテナを十分に離調し、その結果、RFが同調回路に入らない傾向が生じる。したがって、ループを選択する別々のFETまたはPINダイオードを設ける必要がない可能性がある。
【0079】
図10Bに、可変キャパシタ(たとえば、図10Bに示された可変キャパシタ211aからc)を使用してアンテナを同調させる、すなわち、リーダーユニットからのRF信号と同一の周波数でアンテナを共振させる、本発明の1つの態様を示す。アンテナの周囲が、同調に影響する可能性があるので、同調回路を囲む構造は、たとえば構造の縁(棚の縁など)に配置することによるか、同調デバイスにアクセス穴を設ける(サーボ制御のスクリュードライバなど)ことによるなど、調整可能構成要素を外部からアクセス可能に保つように設計されることが好ましい。
【0080】
さらに、アンテナの同調は、試行錯誤処理になり、時間がかかる可能性があるので、同調を自動的に行えるようにすることが望ましい。本発明の一態様によれば、これは、コンピュータ制御サーボ駆動スクリュードライバを調整可能なキャパシタに関連する調整ねじに一時的に取り付ける自動同調ユニット(図示せず)を設けることによって達成される。他の態様において、自動同調ユニットは、取り付けのための他のメカニズム(例えばレンチ(wrench)、六角キー(hex key)、ソケット(socket))を用い得る。最適の同調を達成するために、自動同調ユニット(コンピュータまたは他の適当にプログラムされたマイクロプロセッサを含めることができる)は、同調されるアンテナへの導電接続から、あるいは所定のまたは既知の空間(おそらくは2次元または3次元)の配置内のタグのアレイからどのタグが識別されるかを検出するRFIDリーダーから、フィードバックを受け取る。同調ユニットは、実験によって開発されるか経験から開発される規則の組に従って、調整ねじを操作して、最適の同調を達成する。別法として、コントローラまたは副コントローラが、電気的調整によって、たとえば同調回路内の調整可能電圧制御キャパシタをリモートから調整することによって、各アンテナの同調を調整することができる。この方法では、同調のための機械的調整またはサーボ制御される調整の使用の必要が最小限になる。同調回路内の電圧制御キャパシタは、アンテナの離調にも使用することができ、したがって、これらは、読取のために選択されていない時に、共振しない。
【0081】
一実施形態で、RFIDタグを、棚自体の中、好ましくは各個々のアンテナの読取範囲内の1つまたは複数の位置に配置することができる。これらのRFIDタグは、アンテナごとに、自己テストモード中にアンテナが読み取られる時に、既知の応答を提供する。したがって、棚がRFIDタグ付けされた品目を支持しているか否かに無関係に、アンテナの範囲内で見つからなければならない少なくとも1つの自己テストRFIDタグが必ずある。そのようなRFIDタグが見つからない場合には、制御ユニット124または副制御ユニット125は、自己同調プロセスを開始することができる。自己同調の後でも、自己テストRFIDタグを読み取ることができない場合には、棚保守が必要であることを示すメッセージを、電子ネットワークに送信することができる。棚の中に自己テストRFIDタグを置く代わりに、アンテナの範囲内の他の場所、たとえば棚の後ろまたは側壁に自己テストRFIDタグを置くことができる。
【0082】
図11Aは、単一の棚ユニット内の代替アンテナループ構成を示す図である。棚300に、単一のアンテナループ301が含まれる。棚310に、アンテナループ311および312が含まれる。1つの棚に複数のループがあると、複数の動作モードが生じる。たとえば、ループ311をアクティブにすることができ、またはループ312をアクティブにすることができ、または両方のループを同時にアクティブまたは非アクティブにすることができる。本発明では、入力RF信号に位相差を設けて、両方のループを同時にアクティブにすることができることが企図されている。そのような位相差は、当業者に周知の様々な電子手段によって導入することができる。たとえば、位相差は、一方のアンテナループに供給するのに他方と比較して異なる長さの同軸ケーブルを使用することによって導入することができる。
【0083】
図11Aからわかるように、棚320に、4つのアンテナループ321から324が含まれる。これは例として示されたものである。というのは、本明細書の開示に基づいて当業者が理解するように、4つより多数またはより少数のアンテナループを設けることができ、他の構成を使用できるからである。4つのループ321から324は、異なる組合せで活動化でき、たとえばループ321および322、321および323、または321および324を同時に活動化することができる。具体的に言うと、ループの対がアクティブであり、アクティブループの間に位相差がある場合に、異なる物理的方位であるアンテナタグをよりよく読み取るために、RF界ベクトルをシフトすることができる。したがって、位相付きアンテナループの使用によって、位相差なしのループと比較した時に、タグの読取のよりよい「カバレッジ」をもたらすことができる。
【0084】
図11Bに、備品460上で支持される複数の棚400、410、420、430、440、および450の平面図を示す。各棚は、たとえば、4つのアンテナを有する。たとえば、棚410に、アンテナ411から414が含まれる。さらに、各棚の中でアンテナのそれぞれの近くに、1つまたは複数のRFIDタグがある。図11Bでは、アンテナごとに4つのタグがあり、タグに、aからdの符号が付けられている。棚の中のタグは、様々な機能に有用である。当業者が理解するように、より少数またはより多数のタグを使用することができる。
【0085】
たとえば、アンテナ411は、比較的低い出力でオンにされる場合に、たとえばアンテナ411の中央の近くに配置されたタグ411cを読み取れなければならない。もちろん、当業者は、アンテナおよびタグの設計に応じて、低出力で、アンテナ導体の近くの位置にあるタグが、より簡単に読み取られるので、このタグを使用できることを理解するであろう。したがって、タグ411cは、アンテナ411が正しく機能しているかどうかをテストするのに使用することができる。出力が増やされる場合に、アンテナ411は、アンテナ411の周辺の近くに置かれたタグ411a、b、およびdも読み取れなければならない。診断モードまたは自己チェックモード中に出力を変更することによって、システムは、アンテナ411が効果的に機能するためにどれほどの出力が必要であるかを判定できなければならない。棚タグは、この情報を提供するために、各アンテナの中央から複数の距離に配置することができる。
【0086】
アンテナ411への出力が増やされる際に、最終的に、隣接するアンテナ412に関連する棚タグ412bを読み取れるようになる場合がある。したがって、システムは、アンテナ411および412が隣接することを判定することができる。この情報をシステムが使用して、所与のアンテナが動作している時に、隣接するアンテナを離調する必要があるかどうかを判定することができる。アンテナ411および412が隣接するという事実は、すでに、棚410の製造時に確立されている場合がある。しかし、複数の棚が、小売り店で隣接して配置されるので、どの棚が隣接するかを前もって判定することは、不可能または不便である可能性がある。棚タグを使用して、システムが組み立てられた後に、どの棚またはアンテナが隣接するかを確立することができる。
【0087】
たとえば、通常出力で動作するアンテナ411は、隣接位置が棚配置の前に確立されていない可能性がある、隣接する棚400の隣接するアンテナ404に関連する棚タグ404dも検出する場合があり、隣接位置が棚配置の前に確立されていない可能性がある、ゴンドラ(または棚の共通の支持部材)の反対側の隣接する棚440の隣接するアンテナ441に関連する棚タグ441aを検出する場合がある。
【0088】
通常出力またはわずかに高い出力で動作するアンテナ411が、隣接するアンテナ区域内へさらに入って読み取ることができ、たとえば棚タグ404c、412c、および441cを読み取れることを設計することができる。したがって、本明細書に記載の機能性は、各アンテナの中央の単一の棚タグだけを使用して達成することができる。
【0089】
棚タグは、上で説明した目的に有用であるが、読み取られるタグの数が増えることによって、システム応答が低速になる可能性がある。したがって、棚タグ一意ID通し番号について、システムによって「クワイエット」モード(通常動作中には応答せず、診断動作中またはセットアップ動作中だけ応答する)になるように指示することができる、通し番号の特定の範囲を使用することが、望ましいオプションである可能性がある。
【0090】
1つまたは複数のアンテナを、各棚に含めるか、その中に隠すことができる。アンテナループを、導電材料を使用して作ることができる。この導電材料に、金属ワイヤまたはフォイルなどの金属導体を含めることができる。導電材料は、メッシュのストライプまたはスクリーンとすることもできる。一実施形態で、アンテナループを、約0.002"(0.051mm)厚で0.5"(12.7mm)幅の銅フォイルから作ることができる。これらのループは、支持棚材料の表面に貼り付けられる装飾ラミネートなどの薄い積層材料内に含めることができる。ループを、ガラスの中に積層することもできる。ループを、積層材料、ガラス、または他の支持構造の外面に貼り付けることもできる。当業者が理解するように、追加の付加を支える支持または剛性が望まれる場合に、そのような支持棚材料を、棚の内容を支えるか、構造的剛性を提供することができる材料とすることができる。そのような材料の例に、木、プラスティック、固いプラスティックフォーム、ガラス、ガラス繊維、または波形のまたは安定性をもたらす他の設計のボール紙が含まれる。望まれる場合に、RF阻止材料を、棚の下面に塗布するか組み込んで、棚の上のターゲットタグではなく下にあるRFIDタグを検出しないようにすることができる。棚としての本明細書に記載のインテリジェントステーションを、垂直のまたは他の角度の方位で使用することもでき、RF阻止材料を、適当な方位で適用して、読取を意図されたターゲットタグを他の隣接するタグからよりよく分離できることを理解されたい。
【0091】
棚の底面につけられるか組み込まれる、あるいは既存の金属の棚などの基礎になる金属支持物に存在するRF阻止材料によって、RFエネルギーが棚の「下」に向かうことが実質的に防止される。別法として、RF阻止材料を、棚の内部に組み込むこともできる。これは、棚が、棚の上のタグ付き品目だけを感知することが望まれる場合に有利である。しかし、そのようなRF阻止材料(棚構成内に故意に設けられるか、先在する棚構造として偶然存在するのいずれか)の結果は、棚の下のRFエネルギーがほぼ完全に制限されるが、棚の下のRF阻止材料によって、棚の上の「読取範囲」も減らされることである。この、そうでなければ減らされる読取範囲を補償するために、補償材料の層を、アンテナループの真下(棚構造の頂部の近く)に設けることができる。そのような材料は、非導体であり、高い透磁率を有するはずである。その例が、Magnum Magnetics RubberSteel(商標)または、高い面内透磁率を有する柔軟なフェライト磁気シートである。そのような面内透磁率は、設計によって透磁率がシートの法線方向である通常の異方性フェライトシートではなく、等方性フェライトシートを使用することによって達成される。アンテナとRF阻止材料の間のこの補償材料の層の存在によって、アンテナとRF阻止材料の間の高い磁束密度が可能になる。その結果、磁束密度を、棚の上で高めることができ、したがって、所与の棚厚に関するよりよい感知範囲(「読取範囲」)が与えられる。
【0092】
薄い支持材料の中に積層されるか外部に取り付けられるアンテナループは、たとえば、あるディスプレイケースで使用できるカーブしたパネル、ある衣類ラックに沿って、またはチェックアウトスタンドなどで使用できるトンネルリーダー用など、非平面の形で配置することができる。
【0093】
本明細書の例では、ループアンテナを説明するが、ループアンテナは、通常は、13.56MHzなどのRF周波数で動作するリーダーに使用される。インテリジェントステーション内の品目に、915MHz、2.45GHz、または125kHzなど、他の大きく異なる周波数で動作するタグを含めることができる。インテリジェントステーションは、たとえば125kHz用の複数のループアンテナ、915MHzまたは2.45GHz用のダイポールアンテナなど、適当なアンテナを設けることによって、これらまたは他の周波数を読み取るように構成することができる。インテリジェントステーション内のアンテナを、これらの周波数の1つまたは複数のために設けることができる。各アンテナは、それ自体の別々のスイッチおよび同調回路を有することが好ましい。インテリジェントステーションはすべて、単一の共通のRFケーブルと単一の共通の制御ケーブルを共用する。各インテリジェントステーションのすべての区域ですべての所望の周波数を読み取れる(すなわち、各区域が複数のアンテナによってサービスされる)ようにインテリジェントステーションを構成することができ、あるいは、所与のインテリジェントステーションの異なる区域に、特定の周波数の特定のアンテナを設けることができる。異なる周波数で動作するインテリジェントステーションのすべてを相互接続することができる。複数の周波数で動作するインテリジェントステーションは、複数の周波数で動作するように構成することができる、いわゆる「アジャルリーダー(agile reader)」ユニットを必要とする。
【0094】
好ましい実施形態では、本明細書で説明するアンテナループを、たとえば、棚の上に置くことができ、したがって、このアンテナループは、棚の上に置かれるマットに組み込むことによって製品の下の配置される。したがって、ループは、当業者に周知の適当な固いまたは柔軟な基板内にカプセル化される。適当な基板材料の例には、積層構造材料、シリコンゴム、ウレタンゴム、ガラス繊維、プラスティック、あるいは、アンテナループを保護し、アンテナが金属の棚、壁、または表面に置かれる場合に電磁干渉を避けるためにある物理的なオフセットをもたらす他の類似する材料が含まれる。
【0095】
カプセル化材料または棚に、棚の背面などの垂直な面にかけるための穴またはグロメットを設けることができる。代替実施形態では、カプセル化材料を、所望の面への取付けを助ける感圧接着剤と共にを提供することができる。カプセル化の「前」または「棚」の縁に、低電力発光式または他の表示装置を設けることができ、この表示装置は、リーダーユニットまたは棚の中の副コントローラユニットなどのシーケンサユニットによってオンにすることができ、その結果、特定の表示装置のアクティビティを、対応して位置決めされたリーダーアンテナのアクティビティと視覚的に調整できるようになる。別法としてまたはそれに加えて、表示装置を使用して、価格決定または値引きなど、追加情報を表示することもできる。
【0096】
RFIDタグを読み取る能力のほかに、インテリジェントステーションは、デジタルデータケーブルを介して情報を通信することができる追加の「周辺」装置を有することができる。たとえば、インテリジェントステーションシステムは、コンピュータ端末、表示装置、モデム、バーコードリーダー、温度センサ、囲まれたまたはつながれた商品のロック装置などを含むがこれに制限されない、アドオン装置または周辺付加装置のデジタルデータ通信ハイウェイを提供する。デジタルデータ通信ハイウェイは、コントローラ124と副コントローラ125の間でデジタル制御情報およびデジタルデータ情報を送る配線システムに組み込むことができ、あるいは、ステーションの間を走り、これを接続する配線からなる1つまたは複数の別々のデジタルデータ通信ハイウェイとすることができ、ステーションは、アドオン装置または周辺装置が接続されるポートを備える。デジタルデータ通信ハイウェイは、インテリジェントステーションシステム(コントローラ124および副コントローラ125を含む)と電子ネットワークの間の両方向のデータの伝送を容易にする。電力も、ステーションの間を走るワイヤを介してアドオン装置または周辺装置に供給することができる。
【0097】
アドオン装置または周辺装置が使用されるか否かにかかわらず、RF出力以外の電力がステーションによって使用される可能性があり、たとえば、直流(DC)が、副コントローラ125によって、およびスイッチおよび同調電子回路によって使用される可能性があることを理解されたい。そのような電力は、1つまたは複数の専用ワイヤによって供給することができ、あるいは、デジタル通信ハイウェイまたはRFケーブルに組み込むことができる。
【0098】
例として、RFケーブルに、2つの導体、たとえば、同軸ケーブルでは、中央導体と鞘導体を含めることができる。RFケーブルは、RF信号を搬送する。DC電圧を、同一のRFケーブル内でRF信号に重畳して、インテリジェントステーションにDC電力を供給することができる。DC電圧、たとえば18VDCが、インテリジェントステーション内のあるデバイスに必要な値(たとえば5VDC)より高い場合に、電圧調整器を使用して、電圧を使用可能限度まで下げることができる。
【0099】
もう1つの例として、デジタル通信を、同一のRFケーブルで搬送することができる。たとえば、RFケーブルに重畳されるDC電圧を、2つのDCレベル(たとえば18VDCと12VDC)の間で切り替えて、RFケーブルでの非RFデジタル通信を達成することができる。したがって、主コントローラは、そのようなデジタル通信を使用することによって副コントローラに情報を送ることができる。
【0100】
もう1つの例として、副コントローラが、電気的負荷をオンおよびオフに切り替え、これによってRFケーブルから電流をドレインすることによって、RFケーブルを介してデジタル形式で主コントローラに情報を送ることができる。これを、主コントローラで感知することができる。電圧レベルの使用および負荷レベルの使用を同時に行って、RFケーブルを介する両方向デジタル非RF通信を達成することができる。
【0101】
もう1つの例として、棚実施形態で、棚に有利に組み込むことができるもう1つのデバイスが、副コントローラユニット125にインターフェースすることができるプラグインバーコードリーダーである。棚が補充されている時に、バーコードリーダーを使用して、棚に置かれようとしているパッケージをスキャンすることができる。バーコードデータは、一意のRFIDタグ通し番号と共に電子ネットワークに送り返される。バーコードによって定義される製品識別が、以前に、一意のRFIDタグ通し番号に関連しなかった場合に、その関連を、データストア内で完成することができる。それ以外の場合に、バーコードスキャンは、データストア情報の検証として働くことができる。バーコード装置の使用によって、さらに、棚が、RFIDタグ付き商品の段階的導入中であっても利益を提供できるようになる。棚にたくわえられた品目の数(単純な数字キーパッドとあいまってバーコードスキャナによって識別される)を売られた同一の品目の数(チェックアウトラインで既存のスキャナによって判定される)と比較することによって、およそ何個の商品が棚に残っているかと、新たな仕入れが必要であるかどうかを判定することができる。バーコードと同様に、棚自体でのスキャンを使用して、電子ネットワークから検索され、棚の英数字ディスプレイを介して表示される現在の価格決定情報を提供することができる。
【0102】
もう1つの実施形態で、棚またはインテリジェントステーションに環境センサを設けて、たとえば温度、湿度、光、あるいは他の環境パラメータまたは環境要因を監視または測定することができる。このシステムは、どの品目が棚にあるかを判定することができるので、このシステムは、各品目の環境を追跡でき、環境条件が特定のタイプの品目の限度から外れた場合に、警告を提供することができる。別々の限度を、品目のグループごとに定義することができる。
【0103】
1つまたは複数の近接センサ、たとえば、赤外線センサまたは容量性センサを棚に配置して、買物客の存在を検出し、品目が棚から移動される時に買物客にすばやいフィードバックを与えるためにその棚の読取頻度を高めるかどうかを判定することができる。買物客を検出する手段は、棚の前縁で、商品によって隠されない位置に配置することができる。赤外線センサまたは容量性センサは、買物客からの体温または、棚の前に買物客がいることあるいは棚の前の近くでの買物客の手、腕、または商品の移動に起因するローカル容量の変化を検出することによって、買物客の存在を感知することができる。買物客の存在を検出する他の手段に、棚の商品に達する手または腕の陰を検出するための、棚の前縁に沿った可視光センサまたは赤外線センサを含めることができる。この場合の光源は、環境可視光とするか、次に高い棚の下に配置された源からあるいは頭上または店の天井の源からの可視光または赤外線とすることができる。店のセキュリティカメラを使用して、買物客の存在を検出し、インテリジェントステーションに読取頻度を上げるように指示することもできる。同様に、電力および構成要素の寿命を保つために、常時活動化するのではなく、買物客が感知された時およびその後しばらく、可聴/可視信号またはディスプレイを活動化することができる。同様に、棚への買物客の近接に関する情報を、電子ネットワークに中継して、買物客の移動パターンまたは特定の棚の前で過ごす時間の長さを分析するのを助けることができる。買物客位置データを、店内監視カメラのスキャンパターンと共に使用するために、店のセキュリティシステムに供給することもできる。
【0104】
同様に、電子ネットワークに中継される棚データを使用して、異常に大量の品目が棚から突然除去される場合を判定することができる。これが発生する場合に、セキュリティカメラをその棚に向けて、品目を除去した買物客の写真を撮ることができる。その買物客が店を出る時にその品目について支払われない場合には、盗難を止めるために適当な処置を講じることができる。
【0105】
棚に組み込むことができるもう1つのデバイスが、タグの移動または買物客の存在を検出する、ホール効果または他の類似する近接タイプセンサである。この情報は、赤外線センサに関する前の説明で述べたものに類似する形で使用することができる。
【0106】
棚のもう1つの使用が、買物客に関連する「顧客タグ」の存在の検出であり、この検出を使用して、衣類品目の正しいサイズなど、所定の商品品目を買物客が見つけるのを助けることができ、これによって、買物客を所望の品目に向けるように棚の可視インジケータまたは可聴インジケータを活動化することができる。また、所望の品目が在庫切れである棚に置かれる時の「顧客タグ」を使用して、その顧客に、「取り寄せの約束」または在庫状態になった時のその品目の値引き、あるいはストックルームまたは別の店にある品目あるいは注文に関する情報を与えることができる。これは、買物客が、在庫切れなので品目を買わなかった時を追跡するのに有用である。
【0107】
棚のもう1つの使用が、チェックアウトレーンにより多くのレジ係が必要な時またはより多くの在庫担当者が必要な時を予測する、「フィードフォワード」情報の提供である。これは、たとえば、棚から除去される商品の量を監視し、これによって、チェックアウトレーンに達しようとしている商品の量を演繹することによって行うことができる。店主または店長は、これによって、チェックアウト担当者または新規仕入れ担当者をスケジューリングして、彼らの時間の費やし方を最適化し、休憩時間のスケジューリングを助けることなどができる。
【0108】
棚のもう1つの使用が、棚が完全に補充され、現在の在庫レベルが満杯またはターゲットレベルであることをデータベースが知っていることをシステムに警告する、「補充タグ」または「従業員」タグ、あるいは押しボタンまたはキー入力シーケンスの存在の検出とすることができる。この方法は、品目補充パターンが変更される時に、ターゲットレベルを更新するのに使用することができる。
【0109】
棚システムを使用して、システムによってカバーされるすべての棚について、価格、トラフィック、および棚スペースに基づいて、最適の補充パターンを提案することができ、これには、すべての品目のターゲット在庫の変更を含めることができる。そのような補充パターンの計算は、何個の各SKU品目が所与の棚区域におさまるかと、各棚アンテナによってカバーされる棚区域の数の知識を必要とする。
【0110】
本発明の一態様では、棚システムが、各棚の物理的位置を知ることが有利であるが、これは、一意のイーサネット(登録商標)アドレス、RS-485アドレス、または他のネットワーキングアドレスからであっても必ずしも明白でない可能性がある。したがって、本発明では、各棚にGPSトランスデューサを組み込むことが企図されている。より実用的な解決策は、別法として、各棚が組み立てられた時に、その位置を識別するために、各棚のUSBポート(または他の類似する匹敵するポート)に挿入できるポータブルGPSユニットを設けることとすることができる。たとえば、GPSユニットを、設置の後に棚をセットアップするのに使用されるサーボ機械同調ユニットと組み合わせることができる。
【0111】
別法として、プログラマブルRFIDタグを有するGPSユニットを、棚に置き、RFIDシステムを介して、棚の座標がどうであるかを主コントローラに通信することができる。これを達成する形の1つが、一意の通し番号以外の情報のための追加記憶ブロックを有する特殊化されたRFIDタグに接続されたGPSシステムを使用することである。そのようなタグは、そのタグアンテナへおよび通信回路への接続を有する集積回路を使用して、GPSシステムなどの外部供給源からデータを受け取ることができる。GPSシステムを、追加記憶ブロックに空間座標を書き込むように構成することができる。既知の1つまたは複数の通し番号を、特殊化されたRFIDタグ内で使用することができ、RFIDシステムは、そのような特殊化されたRFIDタグを検出する時に、そのタグに問い合わせて、保管された空間座標を判定し、読取中の棚およびアンテナに関連付けることができる。
【0112】
アンテナ形状を、単一ループアンテナに制限する必要はない。単一ループアンテナは、通常は13.56MHzなどの高RFID周波数と共に使用されるフォームファクタである。マルチループアンテナ1215は、125kHzなどの低周波数で、または13.56MHzなどの高周波数での低電流動作を可能にするために、使用することができる。低電流アンテナを使用することによって、低電力スイッチング構成要素の使用を可能にすることができる。マルチループアンテナの形成は、互に非常に近いループ内のワイヤなどのアンテナ構成要素を必要とし、したがって、ワイヤが絶縁されることが好ましい可能性がある。
【0113】
RFIDアンテナに関連する同調構成要素、たとえば、回転式トリムキャパシタまたはキャパシタバンクが、使用中のアクセスを必要とする場合がある。適当なアクセスを、たとえば棚実施形態で、棚に取外し可能なカバーデバイスまたは穴を設けることによって、提供することができる。
【0114】
導電性アンテナ材料を支持ラミネートまたは他の構造に取り付けるために、様々な方法を使用することができる。たとえば、リールから基板に所望のアンテナパターンでフォイルを供給するために2次元または3次元の位置決め機構を使用する自動化された機械によって、金属フォイルを、ウェブの形(ボール紙のウェブなど)または平坦な形(ボール紙、積層材のシート、木またはプラスティックの板など)の基板に置くことができる。
【0115】
支持材料が木である場合に、フライス盤を使用して、溝を形成し、この溝に、アンテナループを形成するために導電ワイヤを固定することができる。支持材料がプラスティックである場合に、同一の方法を使用することができ、あるいは、加熱されたパターンをプラスティックに押し付けて、導電ワイヤを固定できる溝を形成することができる。プラスティック基板は、ワイヤ導体を保持する溝がある形で成形することができ、あるいは、プラスティック基板を、多数のパターンのアンテナループを形成できるように垂直の溝の繰り返される直線パターンを有する形で成形することができる。これらの方法のどれでも、アンテナワイヤの端を固定するために、穴を、ドリル加工するか、打ち抜くか、成形することができる。この穴は、基板を通って延びて、アンテナループの同調に使用される同調回路への接続または挿入のためにアクセス可能になる。
【0116】
アンテナループを形成するもう1つの方法は、機(はた)と同様な一連のピンの回りに導電ワイヤを巻き付け、機を反転し、導体を基板に押し付けることである。基板は、接着剤を事前にコーティングされて、機が除去された時に導体を保持するようにすることができる。別法として、基板を、基板の表面の中に導体を圧入できるのに十分に柔らかいものとすることができる。別法として、基板を、熱可塑性とし、導体を、事前に加熱し、その結果、導体が、接触時に基板を部分的に溶かし、基板の表面の中に組み込まれるようにすることができる。アンテナループを形成する機で使用されるピンは、任意選択として、ばね押上式とし、その結果、機が基板に導体を押し付ける時に、任意選択としてピンが機の中に引っ込むようにすることができる。
【0117】
図12に、ワイヤアンテナを作る1つの方法を詳細に示す。図12は、当業者が様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。木、プラスティック、ゴム、高密度フォーム、または類似する材料などの基板1100を設ける。溝1110が、基板内に、通常はグリッドパターンで設けられる。これらの溝は、機械加工、熱間プレス、冷間プレス、または射出成形などの成形、鋳造、焼き印(たとえば木の場合)などによって作ることができる。プレス法では、プラテン(スタンピング)または回転式装置を使用することができる。穴1130が、同一の方法あるいはドリル加工または打ち抜き加工によって、溝の交差点に設けられることが好ましい。基板1100の大部分の区域は、まだ、溝の間の区域1120によって占められている。したがって、基板1100は、まだ、本質的に平面の上面を有し、その結果、負荷を面によって受けることができ、カバリング、フィルム、積層材、またはベニヤを適用して、平坦な仕上げの面をもたらすことができる。区域1120は、アンテナワイヤによって占められないことも既知であり、これらの区域は、鋳造、ドリル加工、打ち抜き加工などによって設けることができ、他の構造に取り付けるためのねじまたはボルトを受ける穴を有する。この穴は、ペグボードまたはディスプレイフックなどのアタッチメントにも使用することができ、あるいは、配線、通気、ラウドスピーカからの音、小さいライトの配置などのためのスルーホールとして使用することができる。
【0118】
適当な直径のワイヤをいくつかの溝1110に置くか押し付けることによって形成されたアンテナループ1200が、示されている。アンテナループの端1201は、これを穴1130に固定することによって定位置に保持される。穴は、基板1100を完全に貫通するものとすることができ、その結果、基板の反対の面の回路に接続することができる。同様に、アンテナループ1210が、形成されて図示されており、ワイヤ端1211が、既に1つの穴に固定され、ワイヤ端1212が、もう1つの穴に取り付ける準備ができた状態で図示されている。
【0119】
単に裸のワイヤを穴を通して押し付けて端を固定するほかに、ワイヤを、必要な長さに事前に切り、両端を、グロメット1140、ボタン、または穴1130におさまる他の機械的装置にはめることができる。このグロメットを、よりよい導電性のためにワイヤにはんだ付けすることができる。これを穴1130に挿入することの代替案として、グロメットを、溝1110の幅よりわずかに大きい直径を有するものとし、その結果、グロメットが、図12Aに示されているように2つの溝が交わる点にのみおさまるようにすることができる。別法として、溝パターンの形成中に、交差点を、図12Bに示されているように溝より大きい幅にして、より大きいグロメット1141を保持することができる。図12Cに示されているように、グロメットを、交差点におさまる棒の形(1142)またはT字形(1143)とすることができる。グロメットを十字形にすることもできる。グロメットに、基板1100内にまたはこれを貫通するか基板1100から上に延びるピンをはめることができる。ピンは、回路基板上のソケットにはめるか、回路基板内の穴にはめることができる。グロメット(たとえば1140または1141)を中空にして、他の配線またはピンを受けることができる。グロメットに、外に出るピンまたは中に入る穴を組み込むことができる。同様に、グロメットに、内側または外側のとげまたはばね押上式の部分を組み込んで、グロメットを定位置に保持するか、外部回路への接続を助けることができる。グロメットに接続されたアンテナワイヤも、とげによって固定することができる。
【0120】
基板1100に、凹窩(図示せず)を設け、その中に回路(図示せず)を位置決めすることができ、そのような回路は、ワイヤの前または後に設置され、ワイヤは、はんだ付け、グロメットまたはとげなどの使用などによって回路に取り付けられる。
【0121】
複数のアンテナパターンを作成できるようになる規則的なグリッドパターンまたは十字形のパターンを形成する溝1110の代わりに、溝を、実際のアンテナを作るのに望まれる溝だけを含む「カスタム」な形で設けることができる。図13に、そのような実施形態を示す。溝、たとえば1220および1230を、上で説明したものと同一の方法によって形成することができ、穴1221および1231も同様である。
【0122】
溝および穴は、ワイヤをしっかりと保持するので、ワイヤを手で簡単に基板に挿入することができ、あるいは、この過程を機械化することができる。すべての所望のアンテナが基板内で形成された後に、開いている溝のすべてに、プラスティックまたは他の適当な材料を充てんすることができる。上を覆う積層材、フィルム、または他の層を、基板の上につけることができる。この被覆は、材料の射出成形層、溶融鋳造層、あるいは化学反応または熱によって硬化する(エポキシ材料またはシリコン化合物など)液体鋳造層、または蒸着(ラテックス材料など)とすることができる。
【0123】
組み合わされた基板および被覆に、アンテナマットが含まれる。材料に応じて、アンテナマットは、柔軟なまたは固いものとすることができる。アンテナマットを、木、プラスティック、ガラス繊維などの板など、平面のまたは非平面の支持材料に取り付けることもできる。
【0124】
アンテナ形状を、単一ループアンテナに制限する必要はない。図13Aに、単一ループアンテナ1200および1210が示されているが、これは、通常は13.56MHzなどの中央範囲のRFID周波数と共に使用することができるフォームファクタである。この図には、通常は125kHzなどの低周波数と共に使用できるマルチループアンテナ1215も示されている。マルチループアンテナ1215の形成は、ワイヤループが互いに非常に近くなることを必要とする可能性があり、したがって、ワイヤが絶縁されることが好ましい可能性がある。図示のようにワイヤ交差1216を有するか、破線1217によって示されるように交差がないことが望ましい。溝の間の距離は、マルチループアンテナについてより狭くしなければならない場合がある。この図には、通常は915MHzまたは2.45GHzなどの高周波数と共に使用できるダイポールアンテナ1218の形状も示されている。図のダイポールアンテナの両端1219は、製造中に端を基板内の穴に挿入することによる、そうでなければぐらぐらする端を保持する方法を表すために曲げられている。
【0125】
図12および13の実施形態では、アンテナワイヤが定位置にセットされる前に、溝が作成される。異なる実施形態を、図14に示す。ピン1302を保持する穴1301のパターンを有する上プレート1300が設けられる。ピンにねじを切り、穴にタップを立て、その結果、ピンを、穴にねじ込むことによって固定できるようにする。したがって、ピンの数および配置を変更することができる。
【0126】
一致する穴1311を有する下プレート1310を設ける。プレート1300および1310が、図示のように矢印「A」で一緒にされる時に、ピン1302が、穴1311を貫通する。このピン1302を使用して、下プレート1310の下でピンに巻き付けられるワイヤアンテナの角を定義することができる。たとえば、アンテナ1240は、3つの角でワイヤを保持するのにピンを使用して形成される。第4の角では、2つのワイヤ端1241が、下プレート1310の開いている穴1311を通って上に挿入される。もう1つの例のアンテナ1250が、4つのすべての角でピンを使用して形成される。ワイヤループの端に取り付けられるグロメット1251が、2つの追加のピンの上で保持される。ワイヤ端は、プレート区域内で固定されるのではなく、1252の破線によって示されるように、プレートを超えて突き出すこともできる。この場合に、ワイヤ端は、他の手段(図示せず)によって固定される。
【0127】
上プレート1300および下プレート1310と取り付けられたピン、ワイヤ、グロメットアンドなどの組み合わされたアセンブリ1330を、矢印「B」によって示されるように基板1320の上で反転する。アンテナ1240および1250が、下記のまたは類似する方法の1つまたは複数によって基板1320に移される。
【0128】
a)接着性のコーティングまたはフィルムを、基板1320につける。組み合わされたアセンブリ1330を、基板1320の上で下げ、下プレート1310を、基板に押し付ける。アンテナ1240および1250が、接着剤にはりつく。上プレート1300が、押し付けるステップ中にわずかに持ち上げられる場合に、ピン1302は、基板1320を貫通しない。上プレート1300が、下向きの圧力の下に保たれる場合にも、ピン1302は、基板1320に穴を作る。すべてのグロメット1251が、基板に押し付けられる。接着剤がセットされた後に、組み合わされたアセンブリ1330が、持ち上げられ、アンテナパターンが基板1320に取り付けられて残される。
【0129】
b)方法(a)を使用し、十分な圧力によって、アンテナワイヤを部分的にまたは完全に基板1320の表面の下に押し込むことができる。この方法は、たとえば、ワイヤを表面の下まで押しやるのに最小限の力を必要とする高密度フォーム基板1320と共に使用することができる。
【0130】
c)方法(b)を使用し、ワイヤ1240および1250ならびにグロメット1251を、基板1320の軟化点を超える温度に加熱し、その結果、接触および圧力によって、基板が軟化するかわずかに溶けて、ワイヤおよびグロメットを受け入れるようにすることができる。ワイヤを加熱する方法の1つが、基板に押し付ける前またはその間にワイヤに電流を通すことである。上プレート1300を、押し付けステップ中に解放し、その結果、ピン1302を引っ込め、基板1320を貫通しないようにすることができる。
【0131】
d)別法として固体材料である基板1320を、この時点で、下プレート1310の下面への、化学、熱、蒸着、または他のセッティング材料(setting material)の液体鋳造または材料の射出成形によってワイヤ上に鋳造することができる。
【0132】
下プレート1310およびピン1302を、離型剤をプリコートして、固着を防ぐことができる。そのような離型剤は、ワイヤを取り付ける前に塗布され、その結果、離型剤が、ワイヤにつかなくなる。また、下プレート1310を、たとえばTeflonなどのこびりつかない材料とするか、Teflonまたは類似するこびりつかない材料をコーティングすることができる。射出成形が使用される場合に、下プレート1310を、内部通路によって冷却して、射出成形される材料の冷却を加速することができる。
【0133】
これらのステップの後に、アンテナ1240および1250を、ワイヤ端1241または1252あるいはグロメット1251を使用して、回路に取り付けることができる。
【0134】
すべての実施形態で、ワイヤを、裸(交差を除く)とするか絶縁することができることを理解されたい。ワイヤの断面は、通常のワイヤがそうであるように中実の円筒形とすることができるが、正方形、長方形、楕円、U字形またはチャネル形、V字形などとすることもできる。ワイヤの主な要件は、形状にかかわりなく、導電性であることと、溝の中での保持を促進する形状および断面剛性を有することである。ワイヤは、単一の導体(通常は「中実」導体と称する)またはマルチストランドとすることができる。ワイヤは、ねじるか織ることができる。ワイヤを、同軸ケーブルとすることができ、この場合に、外側の網組が、RF信号のアクティブ導体として使用される。
【0135】
図15は、本発明による、フォイルアンテナを形成するためにウェブまたは平面の基板にフォイルテープリボンを適用する装置および方法を示す図である。そのようなフォイルアンテナは、複数の用途を有し、たとえば、在庫制御に使用できるRFIDシステム内のRFIDタグと通信するトランシーバまたはリーダーで使用することができる。図15は、当業者が様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。基板2100を設ける。これは、図示のようにウェブの形とすることができ、その場合に、トラクションローラー2110または他の手段を設けて、ウェブを移動することができる。図15に示された例では、そのような移動が、不連続である。ウェブ2100は、ある距離だけ前方にインデクシングされ、その後、停止され、その間に、1つまたは複数の導電パスウェイが、基板2100に堆積された。導電パスウェイが基板2100に堆積されたならば、ウェブをもう一度前方にインデクシングし、このサイクルを繰り返す。
【0136】
支持プレート2120が、基板の下に設けられる。この支持プレート2120に、真空ホールドダウンシステム(図示せず)を組み込んで、基板2100を一時的に支持プレート2120に固定することができる。支持プレート2120自体を、X方向およびY方向に移動可能として、導電パスウェイの堆積の処理を助けることもできる。
【0137】
アプリケータ手段2200が、導電パスウェイ2300を堆積するために設けられる。このアプリケータ2200は、後で詳細に説明する。x-yステージ2400が、アプリケータ2200を移動するために設けられる。x-yステージに、フレーム2401、主基板軸(「x」または「マシン」方向)で移動する位置決め手段2402、および直交軸(「y」または「クロス」方向)で移動する第2位置決め手段2403を含めることができる。回転位置決め手段2404を設けて、アプリケータ2200を基板2100に関するあらゆる角度に回転して、アプリケータ2200の動作を容易にすることができる。基板2100の移動およびアプリケータ2200の移動を、コンピュータ手段によって自動化し、このコンピュータ手段が、アプリケータ2200内の制御のほかに、トラクションローラー2110、ならびに位置決め手段2402、2403、および2404を駆動するモーターを制御することが想定されている。
【0138】
図15では、xおよびyの位置決め手段2402および2403が、ラックアンドピニオン歯車として図示されているが、これに、ケーブル、リニアモーター、ステッピングモーター、またはかなり繰り返し可能な位置決めを達成できる他の手段を含めることができる。
【0139】
図16に、フォイルアンテナを形成するために基板に導電パスウェイを堆積するもう1つの方法を示す。支持部材2500が、基板を横切って延び、複数の静止位置決め手段2501を保持し、この静止位置決め手段2501が、アプリケータ2200を支持する。静止位置決め手段2501を、支持部材2500に沿って手によって移動し、たとえばちょうねじによって、定位置に固定することができる。アプリケータ2200を伴う十分な静止位置決め手段2501を設けて、機械方向(x)に沿って、必要な数の縦方向の導電パスウェイ2301、2302を置くことができる。図示の例では、縦の導電パスウェイ2302が、外部回路への接続に使用される、スキップされた区域2303と共に設けられる。
【0140】
支持部材2510が、基板を横切って延び、横行手段2511を保持し、この横行手段2511が、もう1つのアプリケータ2200を支持する。横行手段2511は、オンデマンドで基板を横切ってクロス方向(y)に移動して、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積し、この導電パスウェイ2304および2305によって、縦導電パスウェイ2301および2302が接続される。
【0141】
図16による動作は、したがって、次の通りである:基板2100が、トラクションローラー2110によって(または支持プレート2120の移動によって)前方に移動される。その間に、静止位置決め手段2501に取り付けられたアプリケータ2200が、オンデマンドで、スキップされた区域2303を含めることができる縦導電パスウェイ2301および2302を堆積する。
【0142】
適当な時に、基板2100の移動が、一時停止され、その結果、横行手段2511に取り付けられたアプリケータ2200が、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積できるようになる。基板2100のX方向移動の一時停止は、1つまたは複数の縦導電パスウェイ2301および2302の堆積の工程の途中で行うことができる。別法として、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積するために、アプリケータ2200の位置を固定し、支持プレート2120の移動によってY方向移動をもたらすことができる。
【0143】
ウェブの形またはシートの形の基板2100を移動するかどうかの判断は、複数の要因に依存する。基板は、ウェブ処理に有利なロールの形で入手可能であるか、シート処理に有利なカットされた形で入手可能である場合がある。たとえば厚いシート基板あるいは部分的または完全に積層され、もはや柔軟でない基板など、一部の基板が、ウェブの形での処理に十分に柔軟でない場合がある。
【0144】
どのアプリケータシステムを使用するかの判断も、複数の要因に基づいて行われる。図15の単一ヘッドアプリケータ設計では、アプリケータの数が最小になるが、アプリケータの位置決めがわずかに複雑である。複数アプリケータ設計よりわずかに低速になる可能性がある。しかし、このシステムは、すべての導体パスウェイをカスタマイズできるので、カスタマイズされた製品を作ることに関して非常に柔軟である。図16の複数アプリケータシステムでは、アプリケータの位置決めが単純になり、単一設計の長い製品ランについて速度が向上する可能性がある。
【0145】
図15および16のアプリケータの移動の代わりに、基板自体をx-y平面で移動して、導体パスウェイの作成を助けることができる。これは、通常は、アプリケータを移動する時より多くのフロアスペースを必要とし、基板がロールの形である場合には複雑になる。
【0146】
図17に、導電パスウェイを堆積するためのアプリケータ2200の横断面を示す。図17は、当業者が様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。図17の実施形態からわかるように、アプリケータ2200は、基板2100に関して右に移動する。供給ロール2210が、供給ロール2212の対を介して連続した導電ストリップ2211を供給し、供給ロール2212は、コンピュータ制御されて、必要な時だけ連続ストリップ2211を供給する。ストリップ2211は、シュート2213にはいり、カッター2214を超えて進み、カッター2214は、コンピュータ制御され、所望の場合に角度付きのカットをもたらすために任意の角度に回転することができる。ストリップ2211は、順方向に連続し、アプリケータ2200から出、その点で、任意選択の剥離ライナ(release liner)2215を除去し、ローラー2216に巻き付けて、引張巻取ロール2217に巻き取ることができる。
【0147】
第2の任意選択の供給ロール2220が、供給ロール2222の対を介して連続する絶縁ストリップ2221を供給し、供給ロール2222は、コンピュータ制御されて、必要な時だけ絶縁ストリップ2221を供給する。ストリップ2221は、シュート2223に入り、カッター2224を超えて進み、カッター2224は、コンピュータ制御される。ストリップ2221は、前方に連続し、アプリケータ2200から出、その点で、任意選択の剥離ライナ2225を除去し、ローラー2226に巻き付けて、引張巻取ロール2227に巻き取ることができる。
【0148】
加圧装置2230を設けて、ストリップ2211および/または2221を基板2100に押し付ける。加圧装置は、図示のように車輪またはロールとするか、しゅう動部材とするか、往復するクランプ手段とすることができる。加圧装置2230を加熱して、接着剤をストリップ2211または2221と一体化するのを助けるか、下で説明するように外部から供給することができる。加圧装置2230は、パターン付きまたはローレット付きとして、たとえば、ストリップ2211または2221を基板2100に押し付けるのを助けるか、ストリップ2211または2221を基板2100の材料に軽く圧着することさえできる。これによって、少なくともシート供給動作での、接着剤の必要がなくなる。また、ストリップ2211に穴をあけて、ストリップ2211が存在する区域であっても、最終的な積層材内の基板の層の間の樹脂の接着を改善できることが企図されている。
【0149】
穴あけ器2240を設けて、オンデマンドで基板2100に穴をあけて、開口部を作成し、それを介して、導電ストリップ2211への電気接続を行うことができる。穴あけ器2240は、打ち抜き加工中に作られる基板材料のごみを除去するために、内部真空接続を設けられることが好ましい。
【0150】
接着剤ディスペンサ2250を設けて、ストリップ2211または2221を基板に保持するために、針2251を介して接着剤2252を分配する。接着剤は、ホットメルト接着剤(hot melt glue)、ヒートセット接着剤(heat set glue)、またはエポキシなど、高速セット材料(rapid set material)であることが好ましい。この接着剤は、オンデマンドでコンピュータ制御の下で堆積されて、ストリップ2211または2221の下に存在するようになるが、所与の区域でストリップが堆積されない時には堆積されない。使用できる接着剤は、高温で圧縮された時に脱気してはならず、そうでなければ、積層材の完全さが危険にさらされる可能性がある。
【0151】
導電ストリップ2211または絶縁ストリップ2221に、それ自体の接着剤層を設けて、基板2100に貼り付けることもできる。
【0152】
ストリップ2211および2221を基板2100に取り付けるのに使用される接着剤は、導電性接着剤が高価なので、通常は、非導電性である。しかし、いくつかの場所で、導電パスウェイ2300の諸部分を電気的につなぐことが必要になり、これのために、導電性の接着剤または材料が必要になる。わかりやすくするために、一体化された導電性接着剤を有する導電性ストリップ2211を使用すると決定することができるが、これは高価になる。もう1つの解決策は、アプリケータ2200内に、液滴の形2262で針2261を介して塗布される導電性接着剤のため容器2260を設けることである。導電性接着剤の液滴2262を、前のセグメントの上で次のセグメントを開始する直前に、導電パスウェイ2300の前のセグメントの上に塗布することができる。熱および圧力を伴う加圧手段2230の動作によって、2つのセグメントが電気的につながれる。導電性接着剤の液滴2262は、低温で溶ける形または懸濁液(どちらの形も加圧手段2230によって再溶融される)のいずれかの金属ハンダの液滴とすることができる。
【0153】
図18に、図15に示された装置を使用して、単純な長方形の導電パスウェイを置く方法を示す。ステップは、次の通りである。
【0154】
基板2100を、ローラー2110によってx方向で順方向にインデクシングする。
【0155】
X位置決め手段2402およびy位置決め手段2403を使用して、アプリケータ2200を、点「a」および「h」に移動し、ここで、穴あけ器2240が、基板2100に2つの穴をあける。
【0156】
X位置決め手段2402を使用して、アプリケータ2200を点「b」に位置決めする。
【0157】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「b」から「c」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「c」で終わる。導電パスウェイ2300の始めが、点「b」で、「a」にあけられた穴にわずかにオーバーラップすることに留意されたい。
【0158】
X位置決め手段2402を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「c」に移動し、ここで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の終りに置かれる。
【0159】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、クロス方法Yで走るようになる。
【0160】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「c」に置く。
【0161】
Y位置決め手段2403によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「c」から「d」に導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「d」で終わる。
【0162】
Y位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「d」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0163】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、機械方向Xで走るようになる。
【0164】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「d」に置く。
【0165】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「d」から「e」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「e」で終わる。
【0166】
X位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「e」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0167】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、クロス方向Yで走るようになる。
【0168】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「e」に置く。
【0169】
y位置決め手段2403によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「e」から「f」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「f」で終わる。
【0170】
Y位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「f」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0171】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、機械方向Xで走るようになる。
【0172】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「f」に置く。
【0173】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「f」から「g」まで導電パスウェイ2300を置く。パスウェイ2300のこの最後の部分は、図18ではまだ完成していない。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「g」で終わる。点「g」の導電パスウェイ2300の端が、点「h」にあけられた第2の穴にわずかにオーバーラップすることに留意されたい。
【0174】
ステップ2から20を、導電トレース2300ごとに繰り返して、基板の露出された区域で基板2100に適用する。その後、基板をもう一度順方向にインデクシングして、ステップ1から開始する。
【0175】
フォイルストリップ2211の別々の片を接続することによって導電トレース2300を形成するのではなく、導電トレース2300を、連続するストリップ2211から形成することができる。カッター2214を使用してフォイル2211を各角のセグメントの間で切るのではなく、ストリップ2211を自動的に折り曲げることができる。たとえば、これは、回転位置決め手段2404を90°回転させ、折り曲げられた角を押下げ、その結果、トレース2300が角で平らになるようにすることによって行うことができる。
【0176】
図18Aにその結果を示す。フォルダの角が、最大3つのオーバーラップするフォイルの厚さを有する。図18Bに、フォイルが同時に180°ねじられてテープが裏返される場合の結果を示す(これは、図示されない別の位置決め手段を必要とする、テープを裏返すことは、テープが接着剤コーティングを有する場合に望ましくない可能性がある。というのは、接着剤が、基板と反対側に向くからである)。フォルダの角は、最大2つのオーバーラップするフォイルの厚さを有する。
【0177】
図19に、置かれる導電トレース2300が前の導電トレースにオーバーラップする実施形態を示す。
【0178】
第2の導電トレース2300のオーバーラップするセグメントを置く前に、非導電性フィルムのストリップ「I」および「J」が、アプリケータ2200を使用して、第1トレースの上に置かれる。この絶縁ストリップ「I」および「J」によって、導電トレース2300によって形成される別々の導体ループの間の電気的接触が防がれる。類似する形で、「交差」回路を置くことができる。
【0179】
シートであれウェブの形であれ、導電トレース2300を伴う基板2100を、棚、パネル、囲い、スペース、または他の形で使用できる積層構造に組み込めることが予期されている。そのような積層構造の例を、図20に示す。基板2100は、紙またはボール紙の材料とすることができるが、たとえば樹脂に浸された飽和クラフトボール紙など、類似するまたは異なる材料の追加のプライ2600および2601と接合し、熱および圧力の下で積層材2610に形成することができる。通常、基板2100と反対の第1面の外側の1つまたは複数のプライ2601は、結果の製品の「外面」用の装飾材料になる。外側の基板層2100の方位に応じて、この積層材2610に、その第2面またはその面の内側に、既に説明した導電トレース2300が含まれる。積層材2610を、木、プラスティック、パーティクルボード、段ボール、Westvaco社のCore-board、または類似物から作られる板など、より重い支持部材2620に接着することができる。導電トレース2300に近い積層材2610の表面は、支持部材2620に接着されることが好ましい。したがって、積層材2610の厚さによって、積層材2610および支持部材2620から形成される結果の組み合わされた構造2630の使用中の擦過から導電トレース2300が保護される。
【0180】
導電性または金属のバックプレーン2625を、任意選択として棚の底面につけて、RFエネルギーが棚の下に進むのを阻止することができ、したがって、棚が、金属ブラケットによって支持され、または既存の金属の棚に置かれるか否かに無関係に、ほぼ同一のRF挙動と共に動作するようにすることができる。
【0181】
図21に、支持部材2620を積層材2610に接着する前に、支持部材2620の内側に、導電トレース2300を直接に露出することによるか、既に説明した穴を介してのいずれかで、導電トレース2300と通信する1つまたは複数の電子回路を配置することが、どれほど好ましいかを示す。電子回路を受け入れるために、凹窩を、支持部材2620の表面にフライス加工することができる。数値制御式フライスヘッド2700を、設計において導電トレース2300を置くための図15に示されたシステムと同様な位置決めシステムで使用することができ、凹窩の位置および深さを制御する、同一のまたは類似するコンピュータシステムによって動作させることができる。たとえば、支持部材2620の縁に、外部コネクタ2632を収める凹窩2631が示されている。支持部材2620内に、スイッチングおよび同調回路などの電子回路2634を含む凹窩2633が示されている。支持部材2620の両端をつないで、回路構成要素を接続するワイヤまたはケーブルを含む凹窩2635が示されている。電子回路2634に、ばね押上式のコイル2637または指2638を組み込んで、支持部材2620に取り付けられる積層材2610の一部である基板2100上の導電トレース2300と接触させることができる。前記電気接触は、圧力によるか、導電接着剤またはペーストによるか、積層工程中に溶かされるハンダによるものとすることができる。フライスヘッド2700を使用して、回路2634内のトリムキャパシタを調整するための小さいねじ回しなどの同調工具のアクセス用の溝2639を作ることができる。
【0182】
回路2634内の同調構成要素、たとえば回転式トリムキャパシタ(図示せず)は、製造後にアクセスを必要とする場合があり、これは、図20の積層材2610を通ってドリル加工される穴2611または図20および21の支持部材2620を通ってドリル加工される穴2612などの開口を介して提供することができる。
【0183】
図3Aおよび3Bは、本発明によるインテリジェント棚を使用する在庫制御システムの好ましい実施形態を示すブロック図である。図3Aからわかるように、本発明に従って提供される複数のインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nはそれぞれ、単一の伝送ケーブル222を介してリーダーユニット120に接続された複数のアンテナ200を有する。リーダーユニット120は、順次または位相差付きで同時にのいずれかで、接続されたアンテナ200の活動化を制御して、在庫目録を作成されるそれぞれの品目に関連するRFIDタグからの品目情報を判定する。したがって、リーダーユニット120は、それぞれの棚に保管されたRFIDタグ付けされた品目ごとに在庫関連情報を抽出することができる。図を単純にするために、図3Aには、2グループの棚だけが示され、各グループが、それ自体のリーダーユニットを有し、グループは、それぞれ501aから501nおよび502aから502nである。しかし、当業者は、棚のそのような多数のグループを、本発明によって提供される在庫管理システムの一部にすることができることを理解するであろう。たとえば、1つまたは複数の倉庫のすべての棚を、グループ化して、本発明によって提供される在庫制御システムを一緒に形成することができる棚の数百個または数千個のグループを提供することができる。
【0184】
在庫制御のシステムおよび方法の好ましい実施形態で、図6の実施形態に対応する単一の伝送ケーブル222を有する複数アンテナRFID検出システムが使用されたが、本明細書で開示される複数アンテナRFIDシステムの他のすべての実施形態も、本発明による在庫制御のシステムおよび方法と共に使用できることを理解されたい。したがって、たとえば、図7および8に開示されたRFID検出システムを、本発明の在庫制御のシステムおよび方法と共に使用することもできる。そのような実施形態では、たとえば、変調されたRFシステムを使用してRFIDタグから在庫関連データを抽出する前に、まず変調されないRFシステムを使用して、タグをウォームアップすることができる。
【0185】
図3Aからわかるように、インテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nのそれぞれからリーダーユニット120によって収集される品目情報データは、在庫制御処理ユニット550に送られる。在庫制御処理ユニット550は、通常は、インテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nから品目情報を受け取るように構成される。在庫制御処理ユニット550が、通常は、電子ネットワーク525を介してインテリジェント棚に接続され、適当なデータストア555にも関連し、データストア555には、参照テーブルを含む在庫関連データと、在庫制御またはウェアハウジングに関するプログラムコードおよび構成情報も保管される。在庫制御処理ユニット550は、当業者に周知の在庫制御機能を実行するようにもプログラムされ、構成される。たとえば、在庫制御(またはウェアハウジング)ユニットによって実行される機能の一部に、手持ちの在庫目録を作成される品目の量の記憶および追跡、様々な品目の日次の移動または販売、様々な品目の位置または場所の追跡などが含まれる。
【0186】
動作時に、在庫制御システムは、電子ネットワーク525を介して在庫制御処理ユニット550に接続されたインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nからの品目情報を判定する。一実施形態では、様々なインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nが、在庫制御処理ユニット550の制御下にあり、この在庫制御処理ユニット550は、リーダーユニット120がアンテナ200をポーリングする時を決定して、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定する。代替実施形態では、リーダーユニット120が、品目情報について、接続された複数のアンテナを周期的にポーリングするようにプログラムされ、その後、データ伝送の逆の「プッシュ」モデルを使用して、判定された品目情報を在庫制御処理ユニットに送ることができる。もう1つの実施形態では、リーダーユニット120による品目情報のポーリングおよびデータ伝送を、イベント駆動とし、たとえば、インテリジェント棚での在庫目録を作成される品目の周期的補充によってトリガすることができる。どの場合でも、リーダーユニット120は、それに接続された複数のアンテナに選択的にエネルギーを与えて、在庫目録を作成される品目に関連するRFIDタグからの品目情報を判定する。
【0187】
品目情報が、本発明のインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nのリーダーユニット120から受け取られたならば、在庫制御処理ユニット550は、在庫制御処理ユニット550および関連するデータストア555にあるプログラムされたロジック、コード、およびデータを使用して、受け取った品目情報を処理する。処理された品目情報は、通常は、本発明の在庫制御のシステムおよび方法での将来の使用のために、データストア555に保管される。
【0188】
当業者は、在庫制御処理ユニット550を、コンピュータネットワークなどの電子ネットワーク525に接続された汎用コンピュータシステムで実施できることを理解するであろう。コンピュータネットワークは、インターネットまたはメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの公衆ネットワーク、あるいは、企業のローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)などの他の私有ネットワーク、あるいは仮想プライベートネットワークとすることもできる。コンピュータシステムには、システムメモリに接続された中央処理ユニット(CPU)が含まれる。システムメモリには、通常は、オペレーティングシステム、BIOSドライバ、およびアプリケーションプログラムが含まれる。さらに、コンピュータシステムに、マウスおよびキーボードなどの入力装置と、プリンタおよびディスプレイモニタなどの出力装置が含まれる。
【0189】
コンピュータシステムには、一般に、電子ネットワーク525と通信する、イーサネット(登録商標)カードなどの通信インターフェースが含まれる。他のコンピュータシステムも、電子ネットワーク525に接続することができる。当業者は、上記のシステムが、電子ネットワークに接続されたコンピュータシステムの普通の構成要素を記述したものであることを理解するであろう。多数の他の類似する構成が、当業者の能力の範囲内にあり、これらの構成のすべてを、本発明の方法およびシステムと共に使用できることを理解されたい。さらに、本明細書で開示されたコンピュータシステムおよびネットワークを、在庫制御処理ユニットとしてプログラムし、構成して、当業者に周知の在庫制御関連機能を実行できることを理解されたい。
【0190】
さらに、当業者は、本明細書に記載の「コンピュータ」実施される発明に、本質的にコンピュータでない構成要素を含めることができるが、また、インターネットアプライアンスおよびプログラマブルロジックコントローラ(PLC)など、本明細書に記載の機能の1つまたは複数を提供するのに使用できる装置を含めることができることを理解するであろう。さらに、「電子」ネットワークが、本発明の処理サイトを接続する通信ネットワークを指すのに全般的に使用されたが、当業者は、そのようなネットワークを、光または他の同等の技術を使用して実施できることを理解するであろう。同様に、本発明で、電子データをネットワークを介して伝送するのに既知のセキュリティ手段が使用されることも理解されたい。したがって、暗号化、認証、検証、および、公衆ネットワークと私有ネットワークの両方を介する電子データの伝送の他のセキュリティ手段が、必要な場合に、当業者に周知の技法を使用して提供される。
【0191】
本発明の他の実施形態は、本明細書で開示された発明の仕様の検討および実践から、当業者に明白になる。本明細書は、例示とのみとして意図され、本発明の真の範囲および趣旨は、請求項によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】従来技術のRFIDシステムの基礎を示すブロック図である。
【図2】リーダーユニットに接続された複数のアンテナを用いる従来技術のRFIDシステムを示すブロック図である。
【図3A】本発明によるインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムの実施形態を示すブロック図である。
【図3B】本発明によるインテリジェント棚を使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3C】本発明による在庫制御システムの制御ユニットによって実行される処理を示す流れ図である。
【図3D】本発明による在庫制御システムの制御ユニットによって実行される処理を示す流れ図である。
【図3E】並列-直列構成でインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3F】もう1つの並列-直列構成でインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3G】並列-直列構成で使用されるTスイッチを示すブロック図である。
【図3H】並列-直列構成で使用されるインラインスイッチを示すブロック図である。
【図3I】1つのケーブルでRF通信およびデジタル通信を搬送する例示的方法を示すブロック図である。
【図3J】選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの望ましくない影響を最小にするのにスイッチを使用する方法を示すブロック図である。
【図4A】リーダーユニットに接続された複数のアンテナを有するRFIDシステムを示す、本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図4B】論理スイッチを示す概略図である。
【図5】複数のアンテナを有する、本発明の代替実施形態を示すブロック図である。
【図6】複数のアンテナを有する、本発明の代替実施形態を示すブロック図である。
【図7】2つの別々の伝送ケーブルが、複数のアンテナに変調されたRF信号および変調されないRF信号を伝送する、本発明のもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図8】変調されたRFシステムおよび変調されないRFシステムが、同一のアンテナループを使用する、代替実施形態を示すブロック図である。
【図9A】図8に開示された実施形態と共に使用することができる例示的スイッチの概略図である。
【図9B】図8に開示された実施形態と共に使用することができるもう1つの例示的スイッチの概略図である。
【図10A】本発明の様々な実施形態と共に使用することができるPINダイオードを使用するスイッチの回路図である。
【図10B】アンテナを「離調(detune)」できる方法を示す回路図である。
【図10C】アンテナを離調できるもう1つの方法を示す回路図である。
【図10D】アンテナを離調できるもう1つの方法を示す回路図である。
【図11A】棚でのリーダーアンテナの様々なレイアウトを示す図である。
【図11B】棚の中でのタグの使用を示す図である。
【図12】ワイヤアンテナを作る1つの方法を示す図である。
【図12A】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図12B】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図12C】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図13】ワイヤアンテナを作る代替の方法を示す図である。
【図13A】様々な代替ワイヤアンテナ形状を示す図である。
【図14】ワイヤアンテナを作るもう1つの方法を示す図である。
【図15】フォイルアンテナを形成するためにウェブまたは平面の基板にフォイルテープリボンを適用する装置および方法を示す図である。
【図16】フォイルアンテナを形成するために基板に導電パスウェイを堆積するもう1つの方法を示す図である。
【図17】導電パスウェイを堆積するためのアプリケータ(applicator)2200の横断面を示す図である。
【図18】図15に示された装置を使用して、単純な長方形の導電パスウェイを置く方法を示す図である。
【図18A】折り曲げられたフォイルストリップを示す図である。
【図18B】折り曲げられたフォイルストリップを示す図である。
【図19】置かれる導電トレース2300が前の導電トレースにオーバーラップする実施形態を示す図である。
【図20】フォイルストリップアンテナを含む積層構造を示す図である。
【図21】基板内の開口を形成するためのフライス盤の使用を示す図である。
【符号の説明】
【0193】
120 リーダーユニット
124 制御ユニット
200 リーダーアンテナ
221 デジタル通信ケーブル
222 RF伝送ケーブル
501n 棚システム
502n 棚システム
525 電子ネットワーク
526 コネクタ
550 在庫制御処理ユニット
555 データストア
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、RFID(radio frequency identification)タグを用いてタグ付けされた品目(item)を追跡するのにインテリジェントステーション内の複数のRF(radio frequency)アンテナを使用することの分野に関する。より一般的には、本発明は、RFIDタグを用いてタグ付けされた品目を追跡し、在庫目録を作成するのにインテリジェントステーションを使用する、在庫制御の方法およびシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2002年1月9日出願の仮出願番号60/346388および2002年1月23日出願の仮出願番号60/350023の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張する。これらの出願の開示全体を本明細書に援用する。
【0003】
RFID(radio frequency identification)システムでは、通常は、1つまたは複数のリーダーアンテナを使用して、RFIDタグを用いてタグ付けされた品目(item)にRF(radio frequency)信号を送る。品目または人を識別するのにそのようなRFIDタグを使用することが、当技術分野で周知である。リーダーアンテナからのRF信号に応答して、RFIDタグは、励起された時に、磁界(または電界)の外乱を作り、これがリーダーアンテナによって検出される。通常、そのようなタグは、タグがリーダーアンテナの検出範囲内にある時に、リーダーアンテナからのRF信号に応答して励起されるか共振する、受動タグである。適当なRFアンテナの詳細を含むそのようなRFIDシステムの1つの例が、米国特許第6094173号に記載されている。この特許の内容全体を本明細書に援用する。検出範囲を改善し、「カバレッジ」を広げるために、位相はずれの同一平面アンテナを使用することが既知である。そのようなアンテナの例が、米国特許第6166706号に記載されている。
【0004】
RFIDシステムの検出範囲は、通常は、信号強度によって短い範囲に制限され、たとえば、しばしば、13.56MHzシステムで、約1フィート(0.3048m)未満である。したがって、ポータブルリーダーユニットは、タグ付けされた品目のすべてを検出するために、タグ付けされた品目のグループを超えて移動される。というのは、タグ付けされた品目が、通常は、静止のまたは固定された単一のリーダーアンテナの検出範囲よりかなり広い空間に保管されるからである。別法として、より多数のタグ付けされた品目を検出するのに十分な出力および範囲を有するより大きいリーダーアンテナを使用することができる。しかし、そのようなアンテナは、非実際的である場合があり、許容可能限度を超えて放射される出力の範囲が広がる可能性がある。さらに、これらのリーダーアンテナは、しばしば、店内または空間が貴重である他の位置に配置され、そのように大きいリーダーアンテナを使用することが、高価で不便である。もう1つの可能な解決策では、複数の小さいアンテナを使用することができるが、この構成は、しばしばスペースが貴重であることを念頭においてセットアップするのが難しい場合がある。
【0005】
しかし、複数のアンテナ(または構成要素)の使用は、リーダーユニットを複数のアンテナに接続するのに複数の伝送ケーブルが使用されること、および/または複数のアンテナのすべてがリーダーユニットへの単一の伝送ケーブルによって接続される時に、複数のアンテナを個別に制御できないことという短所を有する。
【0006】
背景として、図1は、従来技術のRFIDシステムの基礎を示すブロック図である。リーダーユニット100は、通常は、RS-232または類似するデジタル通信を介して、コンピュータ端末などの端末102に接続することができる。リーダーユニット100は、ケーブル203によってリーダーアンテナ200に接続される。リーダーアンテナ200は、通常は、少なくとも1つのループ201および同調回路202からなる。同調回路202は、図1では局所化された部分に示されているが、当業者は、これをループ201に沿って分配できることを理解するであろう。リーダーアンテナ200は、低出力無線波105によって1つまたは複数のRFIDタグ106と通信し、このRFIDタグ106は、通常は、RFIDシステムによって追跡される品目、オブジェクト(動物または非動物)、または人に関連する。
【0007】
伝送ケーブル203は、通常は、そのインピーダンスによって特性を表され、インピーダンスは、単純化された形では、伝送ケーブルのインダクタンスLをキャパシタンスCで割った値の平方根にほぼ等しい。同軸ケーブルの場合に、インピーダンスは、一般に50Ωまたは75Ωである。
【0008】
一般に、伝送ケーブル203、アンテナループ201、および同調回路202は、所望の周波数でRF出力を最も効率的に利用する形で一緒に接続され、この所望の周波数は、アンテナ200などのループアンテナを使用するRFIDシステムでは、通常は13.56MHzなどの「高い」周波数である。しばしばRFIDシステムに使用される、もう1つの一般的な「低い」周波数が、125kHzである。RF範囲内の900MHzまたは2.45GHzなどの「超高」(UHF)周波数も、異なるアンテナ設計と共に使用される。
【0009】
単一のリーダーユニットによって電力を与えられ、マルチプレクサスイッチを使用してアンテナの間で交番する複数のアンテナを使用するシステムも、既知である。そのようなシステムを、概念的に図2に示すが、図2では、2つの別々のアンテナ200aおよび200bが、それぞれの伝送ケーブル203aおよび203bを介してリーダーおよびマルチプレクサユニット101に接続される。複数のアンテナの使用によって、通常は、複数のリーダーユニットを必要とせずに、タグを読み取る時の空間カバレッジが改善される。図2に開示された配置の主な短所は、アンテナのそれぞれへの別々の伝送ケーブルの必要である。しばしば、空間が貴重なので、この別々のケーブルの使用は、これらの別々のケーブルのそれぞれを設置するか配置するのに追加の空間が必要になるので、不利である。この短所は、3つ以上のアンテナが1つのリーダーユニットと共に使用される時に、強調される。というのは、これらの複数のアンテナのすべてが、別々の伝送ケーブルを必要とするからである。
【特許文献1】米国特許第6094173号
【特許文献2】米国特許第6166706号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様で、本発明は、RFIDタグを追跡するインテリジェントステーションであって、RF信号を送受信するリーダーユニットと、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによって1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された1つまたは複数の追加RFアンテナとを含むインテリジェントステーションを提供する。本明細書で使用される用語「インテリジェント」は、システムが、無線周波数信号の伝送を介して、追跡可能品目に関連する一意の識別子を取り込み、保管し、データをルックアップし、監視することができることを意味する。
【0011】
もう1つの態様で、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナがそれぞれ、ループおよび同調回路を含む。
【0012】
本発明のもう1つの態様で、前記リーダーユニットは、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナの同調回路を含み、前記同調回路は、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加のRFアンテナに接続される。
【0013】
もう1つの態様で、本発明は、RF信号を生成し、受信するリーダーユニットと、動作可能に前記リーダーユニットならびに第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチに接続された制御ユニットとを含み、前記制御ユニットは、前記リーダーをそれぞれ前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続するために前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを選択的に操作するように構成される。前記リーダーユニットおよび前記制御ユニットは、別々のデバイスとするか、単一のユニットに組み合わせることができる。
【0014】
本発明のもう1つの態様では、前記インテリジェントステーションが、さらに、前記リーダーユニットを補助RFアンテナループに接続する第2伝送ケーブルを含み、前記補助RFアンテナループのそれぞれが、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナの対応する1つの近くに配置される。前記補助アンテナは、前記タグに電力を与える変調されないRF信号を受信し、前記タグは、通常、RF信号の不在時に電力を与えられない。本明細書で使用する「変調されないRF信号」は、重畳されたデーがないRF信号である。「変調されたRF信号」は、重畳されたデータを搬送するRF信号である。
【0015】
もう1つの態様で、前記リーダーユニットが、前記リーダーユニットの近くの、前記第2伝送ケーブルを介して前記補助RFアンテナループに接続された第2同調回路を含む。前記第2同調回路は、前記補助RFアンテナループを同調させるように構成される。
【0016】
もう1つの態様で、本発明は、前記リーダーユニットを、それぞれ前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続する第2伝送ケーブルを提供する。前記リーダーユニットは、前記第2伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されないRF信号を送り、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1アンテナおよび1つまたは複数の追加アンテナに変調されたRF信号を送る。
【0017】
本発明のもう1つの態様では、前記第1スイッチが、3つの状態すなわち、前記第1スイッチが、前記変調されたRF信号を前記第1RFアンテナに送るだけである第1状態、前記第1スイッチが、前記変調されないRF信号を前記第1RFアンテナに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が前記第1RFアンテナをバイパスする第3状態だけで動作するように構成される。前記第2スイッチは、3つの状態すなわち、前記第2スイッチが、前記変調されたRF信号を前記関連する第2RFアンテナに送るだけである第1状態、前記第2スイッチが、前記変調されないRF信号を前記第2の関連するRFアンテナに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が前記関連する第2RFアンテナをバイパスする第3状態だけで動作するように構成された多極スイッチを含む。前記スイッチのそれぞれを、互いに独立に制御することができ、したがって、たとえば前記第1および第2のスイッチを、同時に、それぞれ変調された信号および変調されない信号を送るようにセットすることができる。さらに、2つの状態(一方の状態は、変調されたRF信号を前記関連するアンテナに渡し、他方の状態は、前記関連するアンテナに信号を渡さない)の1つで動作するように構成された2極スイッチを使用することができる。
【0018】
もう1つの態様では、本発明は、前記同一の第1伝送ケーブルを介して前記リーダーユニットに接続された追加RFアンテナと、それぞれ前記第1伝送ケーブルと前記追加RFアンテナの間に配置される追加スイッチとを提供する。
【0019】
1つの態様で、RF伝送ケーブルは、すべてのアンテナにサービスする単一の枝を有する、すなわち、アンテナは、直列配置でRF伝送ケーブルを介してリーダーユニットに接続される。
【0020】
もう1つの態様で、RF伝送ケーブルは、複数の枝を有し、各枝は、1つまたは複数のアンテナにサービスする。すなわち、アンテナは、並列直列配置で前記RF伝送ケーブルを介して前記リーダーユニットに接続され、前記RF伝送ケーブルの各枝は、スイッチの使用を介して選択可能である。
【0021】
もう1つの態様で、インテリジェントステーションは、そうでなければ前記リーダーによって行われる信号処理の一部を実行するためにRF信号処理エレクトロニクスを含む。
【0022】
もう1つの態様で、前記1つまたは複数の追加スイッチのそれぞれが、PIN型ダイオードを含む。
【0023】
もう1つの態様で、本発明は、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定するのにRFIDタグを使用するインテリジェント在庫制御システムであって、1つまたは複数のインテリジェントステーションを含むインテリジェント在庫制御システムを提供する。各インテリジェントステーションは、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続される第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによってそれぞれの1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続される1つまたは複数の追加RFアンテナを含む。前記リーダーユニットは、前記インテリジェントステーションの1つから離れてまたは前記1つの中に配置することができる。前記在庫制御システムは、さらに、データストアに接続された、在庫目録を作成される前記品目に関する在庫情報を更新するために前記インテリジェントステーションから品目情報を受け取る、在庫制御処理ユニットを含む。
【0024】
もう1つの態様で、本発明は、RFIDタグによってタグ付けされる品目の在庫制御の方法であって、複数のインテリジェントステーションを設けることであって、各インテリジェントステーションが、RF信号を送受信するリーダーユニットと、第1伝送ケーブルによって第1スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、前記同一の第1伝送ケーブルによってそれぞれの1つまたは複数の追加スイッチを介して前記リーダーユニットに接続された1つまたは複数の追加RFアンテナとを含むことと、前記それぞれのインテリジェントステーションに配置される品目の品目情報を判定するために、前記インテリジェントステーションのそれぞれの前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに選択的にエネルギーを与えることによって、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定することと、在庫目録を作成される前記品目の在庫情報を更新するために前記判定された品目情報を処理することとを含む方法を提供する。
【0025】
一態様で、各ステーションは、それ自体のリーダーユニットを有する。しかし、1つのリーダーユニットが、多数のステーションにサービスすることもできる。
【0026】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチにエネルギーを与え、前記それぞれのエネルギーを与えられた1つまたは複数の追加RFアンテナの範囲内にあるRFIDタグを有する品目から品目情報を検出するために、前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを選択的に制御することを含む。
【0027】
本発明のもう1つの態様によれば、在庫制御方法が、前記リーダーユニットによって生成されるRF出力レベルのソフトウェア制御を含む。好ましい実施形態では、テストが、各接続されたアンテナの最適の結果を達成するためにリーダーユニットが供給しなければならないRF出力を判定し、前記各接続されたアンテナは、前記RFケーブルに沿った異なる距離に配置される。この情報は、たとえば、ルックアップテーブルまたは他の同等のインデクシングされるデータ保管手段に保管される。その後、動作中に、各アンテナの出力レベルが、前記ルックアップテーブルに保管されたこの所定の出力レベルに基づいてセットされ、その結果、前記RF伝送ケーブルに沿った異なる距離にあるアンテナが、すべて、本質的に同等の出力で動作できるようになる。
【0028】
代替実施形態では、各アンテナに供給される前記出力が、たとえばアンテナのタイプなど、追加の要因にも依存することができる。したがって、代替実施形態では、前記アンテナの前記距離およびタイプを使用して、特定のアンテナに関する最適出力レベルを判定し、保管することができる。
【0029】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、RFフィルタアンプなど、RF信号強度を上げるためにN番目のステーションごとなど、前記RF伝送ケーブルに沿って周期的に配置されるRF増幅器デバイスを含む。
【0030】
本発明のもう1つの態様では、在庫制御方法が、品目の前記判定された品目情報をデータストア内で更新することを含む。
【0031】
もう1つの態様で、本発明は、前記在庫管理方法が、インテリジェントステーションごとに、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つの近くに配置された1つまたは複数の補助アンテナループに前記リーダーユニットを接続する第2伝送ケーブルを設けることを含み、前記リーダーユニットが、前記第1伝送ケーブルを介して変調されたRF信号を送り、前記第2伝送ケーブルを介して変調されないRF信号を送ることを提供する。
【0032】
もう1つの態様で、本発明による在庫制御方法は、インテリジェントステーションごとに、前記リーダーユニットを、それぞれ第1スイッチおよび1つまたは複数の追加スイッチを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに接続する第2伝送ケーブルを設けることを含み、前記リーダーユニットは、前記第2伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されないRF信号を送り、前記第1伝送ケーブルを介して前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナに変調されたRF信号を送る。
【0033】
もう1つの態様で、本発明の在庫制御方法は、インテリジェントステーションごとに、3つだけの状態すなわち、変調されたRF信号を前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つに送るだけである第1状態、変調されないRF信号を前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つに送るだけである第2状態、および前記変調されたRF信号および前記変調されないRF信号の両方が、前記第1RFアンテナおよび1つまたは複数の追加RFアンテナのそれぞれの1つをバイパスする第3状態の1つで動作するように前記第1スイッチおよび1つまたは複数の追加のスイッチを構成することを提供する。
【0034】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面に、本発明の現在の好ましい実施形態を、上で与えた全般的な説明および本発明の原理を説明するように働く下で示す好ましい実施形態の詳細な説明と共に、制限なしに示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
特に指定がない限り、「a」または「an」は、1つまたは複数を意味する。本発明は、複数のアンテナを使用してRFIDタグを検出できる1つまたは複数のインテリジェントステーションを含むインテリジェント在庫制御システムを提供する。RFIDタグは、検出または追跡される品目に取り付けられる。本明細書で説明するある好ましい実施形態では、インテリジェントステーションシステムが、インテリジェント「棚」システムとして指定される。というのは、本発明によって提供されるインテリジェントステーションシステムが、在庫制御または他の追跡目的のために店および倉庫の棚の上の品目を追跡するのに適するからである。しかし、本発明が、インテリジェント棚システムに制限されないことを理解されたい。というのは、当業者が、たとえば閉ざされた貯蔵所、他のストレージボリューム(storage volume)、および特定の空間内の品目の追跡など、他の用途への本発明の適用可能性を理解するからである。そのような閉ざされた貯蔵所またはストレージボリュームの例に、制限なしに、部屋、クローゼット、キャビネット、食器棚、冷蔵庫、冷凍庫、ペグボード、衣類ラック、トレイラ、倉庫、パレット、カウンタ、および他の類似する囲い、空間、またはラックが含まれる。本発明は、扉、通路および他の玄関、床または床マット、あるいは天井で使用することができる。また、インテリジェントステーションを、通常は棚に関連する水平方位以外の方位で使用できることを理解されたい。たとえば、インテリジェント棚を、たとえばコンテナの壁、あるいはストレージボリュームの後ろまたは横の区域、または表面で、垂直の方位で使用することができる。
【0036】
衣類ラックでの使用について、直線または円形のラックを含む、様々な実施形態が想定されている。特に円形のラックについて、円形ラックの中央で2つの垂直平面に直角に配置された2つのアンテナを使用できることが想定されている。アンテナは、単一のリーダーによって駆動できるが、リードインケーブルの長さが、好ましくはRF波長の1/4だけ異なり、あるいは、別法として、2ウェイ90°出力スプリッタを使用して(たとえば、MiniCircuits社のPSCQ-2-13)、2つのアンテナを90°位相はずれにする。その結果、2つのアンテナによってセットアップされる磁界方位が、RF波の各サイクルで1回「回転」し、その結果、円形ラックの周囲のすべてのRFIDタグを読み取ることができる。
【0037】
衣類ラックと共に使用することに関して、もう1つの実施形態では、衣類ラック上に、たとえば衣類ラックの一端または両端に位置決めされるかぶら下がる、あるいは衣類の真中のハンガとして分散される、1つまたは複数のアンテナループが設けられる。アンテナループが、ハンガの形で設けられる場合に、これらを、狭い(たとえば、直径1/4インチ(6.35mm)から3/8インチ(9.525mm))熱可塑性管を通って導電ワイヤを走らせ、管を熱形成してハンガ形のアンテナを作成することによって、製造することができる。同一の方法を使用して、任意の形状の自己支持型アンテナを作成することができる。
【0038】
平面アンテナは、アンテナによって作られる磁力線に平行に向けられたタグを読み取る能力が制限される可能性がある。RF電力を供給されるアンテナ(リーダーに接続されるアンテナ)およびリーダーに直接には接続されない1つまたは複数の受動的に結合されたアンテナを設けることによって、読取範囲を拡大し、タグ方位の制限を克服することができる。この受動的に接続されたアンテナは、電力を与えられるアンテナとの誘導結合を介して励起されるか電力を与えられる。受動的に結合されたアンテナは、好ましくは能動的に結合されたアンテナと180°位相がずれた、磁界を有する。したがって、結果の磁界の方位が、発振し、その結果、そうでなければ望ましくない方位のRFIDタグも、読み取ることができるようになる。一実施形態で、受動的に結合されたアンテナを、棚自体の中に設けることができ、たとえば、能動的に電力を与えられるアンテナを棚の前に、受動的に結合されるアンテナを棚の後ろに設け、すべてのアンテナを棚の平面内にすることができる。他の実施形態に、受動的に結合されるアンテナを、棚の端または後ろで垂直面内に置くことが含まれる。他の実施形態に、箱、キャビネット、通路などの囲い内の少なくとも1つの能動的に電力を与えられるアンテナを、1つまたは複数の受動的に結合されるアンテナと共に使用して、任意の方位に配置されたタグを読み取る際のよりよい読取範囲またはよりよい柔軟性をもたらすことができる。他の実施形態に、受動的に結合されるアンテナを、棚の端または後ろで垂直面内に置くことが含まれる。他の実施形態に、所与の棚について、水平面内で棚の上のある距離、好ましくは次の上の棚の真下に、受動的に結合されるアンテナを置くことが含まれる。
【0039】
好ましい実施形態では、複数のアンテナを、自己支持型の棚に置くことができ、あるいは、既存の店の棚に置くことができる薄いマットの中に実施することができる。
【0040】
たとえば、図3Aのブロック図からわかるように、独立の棚システム501a、501b、...、501nおよび502a、502b、...、502nは、それぞれ、伝送ケーブル222によってリーダーユニット120にそれぞれ接続される複数のアンテナ200を設けられる。各リーダーユニット120は、任意の時にどのアンテナがアクティブになるかを選択する際に制御ケーブル221を使用するコントローラまたは制御ユニット124を有する。棚の間で、ケーブル221および222を、コネクタ526を使用して相互接続することができる。図3Aに開示された実施形態には、棚の各グループが、複数のアンテナ200に接続されたリーダーユニット120と共にRFIDシステムを有するものして図示されているが、当業者は、単一のリーダーユニットを、互いに近くに配置される複数の棚の複数のアンテナに接続するように構成することができ、あるいは、各棚を、それ自体のリーダーユニットを有するように構成できることを理解するであろう。
【0041】
図3Bのブロック図に、各棚503a、503b、...、503nに複数のアンテナ200が設けられる、代替実施形態を示す。複数のアンテナ200は、それぞれ、伝送ケーブル222によってリーダーユニット120に接続される。各リーダーユニット120は、任意の時にどのアンテナがアクティブであるかを選択するコントローラ124を有する。このコントローラ124は、マイクロコントローラとすることができる。さらに、棚は、コントローラ124と協同してアンテナを選択する副コントローラ125を有することができる。副コントローラ125は、関連する棚内のすべてのアンテナを制御し、価格決定などの情報を表示するために棚の端のディスプレイなどの出力装置510を制御するのに十分な出力を有するマイクロプロセッサとすることができる。出力装置510は、当業者が理解するように、可視信号および可聴信号を使用して情報を表示することができる。副コントローラ125を使用することによって、棚の間のコネクタ526に必要なワイヤの数を減らすことができる。
【0042】
制御ユニット124は、たとえばDallas Semiconductor社のDS2405「1-Wire(登録商標)」アドレス可能スイッチを使用することによって可能になるように、たとえば各スイッチに関連する一意のアドレスを送ることによって、デジタルデータ通信ケーブル221を介してコマンドを送ることによって任意のまたはすべてのスイッチを選択的に操作することができる。そのようなアドレス可能スイッチのそれぞれが、単一のアンテナの切替に使用できる単一の出力を供給する。制御ユニット124は、1つまたは複数の副制御ユニット125を使用することによって、任意のまたはすべてのスイッチを選択的に操作できることが好ましい。たとえば、副制御ユニット125は、副制御ユニット125の近くのすべてのアンテナなど、複数のアンテナを切り替える複数の出力を供給することができる、Microchip Technology Incorporated社のPICmicro(登録商標)Microcontrollerなどのマイクロプロセッサとすることができる。制御ユニット124は、MicroChip Technology Incorporated社のPICmicro(登録商標)Microcontrollerなどのマイクロプロセッサとすることができる。制御ユニット124と副制御ユニット125の間の通信は、RS-232、RS-485シリアルプロトコルあるいはイーサネット(登録商標)プロトコルまたはトークンリングネットワーキングプロトコルなどの周知の通信プロトコルに従って、デジタル通信信号を使用することによって実施することができる。副制御ユニット125を介するそのような通信には、所望のアンテナを選択することのほかに、追加の特徴を操作するコマンドも含まれる。そのような特徴の例に、アンテナの近くのディスプレイ(たとえば、光LED)の提供、適当な視覚ディスプレイを介する英数字テキストの表示、またはアンテナの近くでの可聴情報の出力が含まれる。
【0043】
好ましい実施形態では、インテリジェント棚システムが、電子ネットワークを介して制御される。インテリジェント棚システムを制御する制御システムは、RS-232または類似するプロトコルを介して制御ユニット124にコマンドデータを送信する。このコマンドには、リーダーユニット120を操作する命令、アンテナスイッチを操作する命令、およびたとえばライト、視覚ディスプレイ、または音声を用いて棚によって表示される補助情報が含まれるが、これに制限はされない。制御ユニット124は、これらのコマンドを解釈するようにプログラムされる。コマンドが、リーダーユニット120宛である場合に、制御ユニット124は、そのコマンドをリーダーユニット120に渡す。他のコマンドは、アンテナ選択または情報表示に関するものである可能性があり、これらのコマンドは、必要な場合に、制御ユニット124によって処理されて、どのデータをデジタルデータ通信ケーブル221を介して副制御ユニット125に渡さなければならないかが判定される。同様に、副制御ユニット125は、リーダーユニット120と同様に、コントローラ124にデータを渡すことができる。コントローラ124は、結果データを、電子ネットワークを介して制御システムに中継する。図3Aおよび3Bに示された在庫制御処理ユニット550が、そのような制御システムの1例である。本明細書でインテリジェント棚システムに関してさらに説明するように、電子ネットワークおよび制御システムは、電子ネットワークを介してインテリジェント棚システムに接続される制御システムによってインテリジェント棚システムを制御できることを示すために、交換可能に使用される。
【0044】
最小限でも、制御ユニット124は、電子ネットワークからのコマンドを、リーダーユニット120に送らなければならないかどうか、またはデジタル通信ケーブル221で送らなければならないかどうかを判定しなければならない。また、制御ユニット124は、デジタル通信ケーブル221およびリーダーユニット120から受け取るデータを、電子ネットワークに中継しなければならない。たとえば、最小限の構成で、電子ネットワークは、たとえば、単一のアンテナを読み取るコマンドを発行する。制御ユニット124は、a)そのアンテナの正しいスイッチをセットし、b)リーダーを活動化し、c)リーダーからデータを受け取り、d)リーダーを非活動化し、e)データを電子ネットワークに送り返す。
【0045】
図3Cは、ホストからのコマンド信号の制御ユニット124による例示的な処理を示す流れ図である。ステップ330で、制御ユニット124は、制御ユニット124に関するコマンドがあるかどうかを判定する(メモリ位置を周期的に問い合わせることによってそれを行うことができる)。制御ユニット124は、ステップ332で、そのコマンドがリーダー120に関するものであるかどうかを判定し、そうである場合に、ステップ334でそのコマンドをリーダーユニット120に送る。そうでない場合には、ステップ336で、制御ユニット124が、コマンドをデコードし、適当な指示を副コントローラ125に送る。その後、ステップ338で、制御ユニット124は、ステップ334でコマンドをリーダーに送った場合に、リーダーユニット120から応答を受け取ったかどうかを判定する。応答が受け取られている場合には、ステップ340で、制御ユニット124が、その応答をホストに渡す。その後、ステップ342で、制御ユニット124は、ステップ336で送られた指示に応答して副制御ユニット125から応答が受け取られたかどうかを判定する。ステップ342で、副制御ユニット125から応答が受け取られている場合には、ステップ344で、その応答を制御ユニット124が解釈し、ホストに送る。その後、処理の制御は、ステップ330に返され、ここで、制御ユニット124が、処理を必要とするホストからの別のコマンドがあるかどうかを判定する。
【0046】
制御ユニット124は、そうでなければ電子ネットワークによって処理される管理機能の一部を実行することもできる。たとえば、電子ネットワークは、制御ユニット124に関連する棚システム全体である物品を見つけるコマンドを発行することができる。その場合に、制御ユニットは、a)システムにアンテナが何個あるかを判定し、b)第1のアンテナに適当なスイッチをセットし、c)リーダーを活動化し、d)リーダーからデータを受け取り、保存し、e)リーダーを非活動化し、f)すべてのアンテナを活動化するまで、次のアンテナに適当なスイッチをセットし、g)すべてのアンテナを読み取るまでリーダーを活動化する、などの一連のタスクを管理する。好ましい実施形態では、すべてのアンテナを読み取った時に、制御ユニット124または電子ネットワーク(「ホスト」または「制御システム」)は、その蓄積されたデータを分析し、所望の品目の位置だけを報告する。
【0047】
図3Dは、本発明による制御ユニットによって実行される例示的な管理機能処理を示す流れ図である。ステップ350で、制御ユニット124が、制御ユニット124によって制御されるアンテナに関する全品目の在庫を要求するコマンドをホストアプリケーションから受け取る。したがって、ステップ352で、制御ユニット124が、制御ユニット124によって直接に制御されるアンテナの数を判定する。その後、ステップ354で、制御ユニット124が、副制御ユニット125へのコマンドを発行して、リストの次のアンテナを選択し、ステップ356で、副制御ユニット125からの確認を待つ。ステップ358および360で、リーダー120に「読取」コマンドを送り、リーダー120は、選択されたアンテナからのデータを待って読み取り、ステップ362で、そのデータをホストアプリケーションに送る。その後、ステップ364で、制御ユニットが、リーダー120に「スタンバイ」コマンドを送り、ステップ366で、すべてのアンテナを読み取ったかどうかを判定する。ステップ366で、すべてのアンテナを読み終えたと判定される場合には、処理を終了する。そうでない場合には、処理制御はステップ354に戻り、その結果、制御ユニット124が、副制御ユニットにコマンドを発行して、リストの、まだ選択されていない次のアンテナを選択する。
【0048】
電子ネットワークとリーダーユニットの間の制御ユニット124を置くことの追加の利益が、望み通りに異なるタイプのリーダー120を使用できることである。電子ネットワークから制御ユニットへのコマンドは、一般的な、リーダー固有でないものとすることができる。たとえば、電子ネットワークは、制御ユニットに「アンテナ読取」コマンドを送ることができる。制御ユニットは、このコマンドを、各リーダーユニットが必要とする適当なコマンド構文に変換することができる。同様に、制御ユニットは、リーダーユニットから応答構文を受け取り(リーダーユニットのタイプに基づいて異なる可能性がある)、これを一般的な応答に解析して電子ネットワークに返すことができる。コマンドおよび応答の構文は、リーダーユニット120のタイプごとに異なる可能性があるが、制御ユニット124は、これを電子ネットワークから透過的にすることができる。
【0049】
図3Eのブロック図に、コントローラ124およびリーダー120が棚504aに含まれる、代替実施形態を示す。当業者が理解するように、コントローラおよびリーダーを、どの棚からも分離することも可能である。デジタル通信ケーブル221によって、コントローラ124が副コントローラ125に接続され、RF伝送ケーブル222によって、リーダー120がアンテナ200に接続される。コントローラ124は、枝スイッチ527を操作することができ、枝スイッチ527は、棚のグループ(たとえば504bから504n、または505bから505n)のどれを選択するかを選択する。図3Eでは、枝スイッチ527が、副コントローラ125および副コントローラ125に接続されたアンテナに関して「並列-直列」接続方法と共に使用される。すなわち、コントローラ124およびリーダー120が、単一の直列配置で棚のすべてを操作するのではなく、RF通信信号線およびデジタル通信信号線が、直列の棚504bから504n、および直列の棚505bから505nを介して継続される前に分岐される(すなわち、枝のそれぞれが互いに並列である)。図3Eの並列-直列構成は、通常は約4レベルの棚(それぞれを並列に接続することができる)があり、各レベルが、直列に接続されたおそらくは10個から20個の棚ユニットを有する、棚の島に有利である可能性がある。ある情況で、並列-直列構成が、RF伝送の観点からも望ましい場合がある。たとえば、島が、4レベルの棚を有し、各棚が、12個の棚ユニットを有し、各棚ユニットが4つのアンテナを有する場合に、並列-直列構成では、48個のアンテナの4つのグループが並列に接続されるが、直列のみの構成では、192個のアンテナの1つのグループが直列に接続される。したがって、直列のみの構成のRF伝送ケーブルは、効率的な動作には長すぎるようになる。
【0050】
図3Fのブロック図に、コントローラ124およびリーダー120がすべての棚から離れて配置される代替実施形態を示す。デジタル通信ケーブル221によって、コントローラ124が副コントローラ125に接続され、RF伝送ケーブル222によって、リーダー120がアンテナ200に接続される。コントローラ124または副コントローラ125は、Tスイッチ528を操作でき、Tスイッチ528は、棚または棚のグループ(たとえば、506a、507aから507b)のどれが選択されるかを選択する。Tスイッチ528は、当業者が理解するように、棚から分離するか、棚の一部とすることができる。図3Fでは、Tスイッチ528が、もう1つの「並列-直列」接続配置と共に使用されている。すなわち、コントローラ124およびリーダー120がすべての棚を直列に操作するのではなく、RF通信信号線およびデジタル通信信号線が、直列に配置された棚または棚のグループに枝分かれする(すなわち、マルチドロップまたは「T」形配置で接続され、枝のそれぞれが、並列に配置される)。この構成によって、RF信号を、Tスイッチ528によって棚または棚のグループに切り替えるか、棚または棚のグループをバイパスすることができるようになる。図3Fに示されたTまたはマルチドロップ構成を使用して、RF伝送ケーブルが通過するスイッチング要素の数を減らすことができる。
【0051】
図3Fでは、制御ケーブルの、棚506aを超えて延びる部分221aと、RFケーブルの、棚506aを超えて延びる部分222aが、棚の外部にある。しかし、当業者が理解するように、ケーブルのこれらの延びた部分を、棚の中に含めることもできる。追加の延ばされた制御ケーブル部分221bおよび追加の延ばされたRFケーブル部分222bを使用して、より多くの棚または棚のグループを接続することができる。同様に、当業者に明白であるように、追加の棚(図示せず)を、棚のグループ、たとえば棚506aから506bに追加することができる。
【0052】
図3Gに、例示的な棚507aの例のTスイッチ528を示す。Tスイッチには、スイッチ、たとえばPINダイオード207cが含まれる。棚507aに関連する副コントローラ125が、PINダイオード207cを活動化して、RFケーブル222aからのRF信号を棚507aに送ることができ、このRF信号をスイッチ214を介してアンテナ200にルーティングすることができる。RFエネルギーは、RFケーブル222bに沿って任意選択の追加Tスイッチに、最終的に終端器215にも継続することができる。したがって、通常、RFケーブル222aには、2つの並列の負荷すなわち、活動化されたアンテナおよび終端器215がある可能性がある。回路217、たとえば当業者に周知のアイソレータ回路を使用して、リーダー120へのインピーダンスを整合させることができる。
【0053】
図3Hに、例示的な棚507aで使用できる例示的なインラインスイッチ529を示す。このインラインスイッチには、スイッチ、たとえばPINダイオード207dが含まれる。棚507aに関連する副コントローラ125が、PINダイオード207dを活動化して、RFケーブル222aからのRF信号がRFケーブル222bに継続できるようにするか、PINダイオード207dを非活動化して、RF信号がRFケーブル222bに沿って継続しないようにする。Tスイッチ528およびインラインスイッチ229を一緒に使用して、RF信号を棚507aまたはRFケーブル222bにルーティングできることが好ましい。インラインスイッチ529などの1つまたは複数のインラインスイッチの使用によって、アイソレータ回路217を不要にすることができる。しかし、インラインスイッチ529は、多少のRFエネルギー損失をもたらす可能性がある。
【0054】
図3Iに、単一のケーブルでRF通信およびデジタル通信を組み合わせる例示的方法を示す。主コントローラ124が、インテリジェントステーション宛のデジタルコマンド250を送る。コンバータ251が、デジタルデータを、RFケーブルに重畳できる重畳されたデジタル信号252に変換する。たとえば、この重畳されたデジタル信号を、RFIDリーダー120によって使用されるものと異なる周波数とすることができる。この重畳されたデジタル信号は、図3Iに示された例示的なインダクタ253などのフィルタ253を通過することができる。この重畳されたデジタル信号は、RFケーブルに重畳される。別のフィルタ254を使用して、重畳された信号がRFIDリーダー120に達するのを阻止することができる。
【0055】
組み合わされたRFおよびデジタル信号は、ケーブル222aを通って、1つまたは複数のインテリジェントステーション261、262、263など(図3Iには261および262のみを図示)に達する。例示的なインテリジェントステーション261に達した時に、組み合わされた信号は、RFIDリーダーからのRF信号を阻止するサイズにされたインダクタなどの別のフィルタ255を通過することができる。重畳されたデジタル通信は、フィルタ255を通過し、受信器回路256に入り、受信器回路256は、デジタル情報を検索し、これを副コントローラ125に渡し、任意選択として追加の副コントローラ260に渡す。
【0056】
副コントローラ125は、たとえばリーダー120のRF周波数以外の周波数で、任意選択として主コントローラ(または制御ユニット)124から副コントローラ(または制御ユニット)125への通信に使用されるものと異なる周波数で動作する、送信器回路257を介して主コントローラ124に情報を送り返すことができる。そのような情報は、受信器回路258によって受信し、適当なデジタル信号259に変換し、主コントローラ124に返すことができる。
【0057】
主コントローラ124と副コントローラ125の間のデジタル通信の方法の変形形態は、主コントローラ124からのデジタル通信を複数の直流電圧の一連のパルスとして送ることである。両方の電圧が、副コントローラ125、周辺機器510などに関連する、直流電力を必要とする回路に電力を与えるのに十分に高いことが好ましい。これらの電圧は、デジタル送信器回路251から送信され、受信器回路256によって受信され、受信器回路256は、単純な電圧比較器回路とすることができる。副コントローラ125から主コントローラへの通信は、たとえば、レジスタに供給するトランジスタをインおよびアウトに切り替えることによって、デジタル送信回路257が、通信ケーブル上で2つの異なるレベルの電流ドローまたは負荷を提供することによって実現することができる。電流ドローのそのような変動が、受信器回路258によって感知され、主コントローラ124用のデジタルデータに変換される。
【0058】
図3Jに、選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの望ましくない影響を最小にするのにスイッチを使用する例示的な方法を示す。前の説明から、副コントローラ(または制御ユニット)の使用を介してインテリジェントステーションシステムによってスイッチを制御できることを理解されたい。図3Jに、一連のアンテナ371から377に接続されたリーダーユニット370を示す。一連のアンテナは、第1、第2、第Nなどとしても表される。各アンテナが、回路380を関連付けられている。この回路に、RF信号を搬送する同軸ケーブル381を含めることができる。RFを搬送する中央導体を、分路スイッチ382によって同軸シールドに短絡するか、同調回路に接続し、その後、選択スイッチ383を介してアンテナ371に接続することができる。同軸シールドは、線384によって示されるように、電気的に連続している。同軸シールドは、通常は接地される。同軸中央導体は、同様に連続している。
【0059】
連続するアンテナの間の距離は、RF信号の1/4波長の整数約数であることが好ましい。たとえば、ポリエチレン誘電体を有する標準同軸ケーブルを介して進む13.56MHzのRF信号は、約12フィート(3.66m)の1/4波長を有する。したがって、図3Jからわかるように、アンテナの間の1フィート(0.30m)の同軸長を使用して、1/4波長の1/12約数の間隔をもたらすことができる。他の整数約数が可能であり、たとえば、アンテナの間の1.5フィート(0.46m)同軸長を使用して、1/8約数をもたらすことができる。
【0060】
この方法を例示するために、第Nアンテナ373を、選択スイッチ385を閉じてRF信号をアンテナ373に向けることによって選択することができる。また、分路スイッチ386を閉じて、RF信号をアンテナ375で同軸シールドに短絡するが、このアンテナ375は、RFケーブルに沿った1/4波長に配置されている。RFケーブルに沿って1/4波長距離での短絡回路は、無限大のインピーダンスとみなされ、これによって、選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの悪影響が最小になる。一連のアンテナの終りに、任意選択として、符号378および379に示されている追加の分路スイッチを設けることができる。
【0061】
好ましい実施形態では、インテリジェントステーションシステムが、モジュラーであり、安価な構成要素を使用して複数のアンテナからのデータが処理される。棚内の複数のアンテナは、シーケンスで活動化することができ、あるいは、任意選択として、当業者の能力に含まれるように、有効性を高めるために位相差をつけて活動化することができる。
【0062】
図面を参照すると、図4Aは、リーダーユニット120に接続された複数のアンテナ200、210(都合上2つだけを図示)を有するRFIDシステムを示す、本発明の一実施形態を示すブロック図である。したがって、本明細書で開示されるRFIDシステムを使用して、図3Aに示されたインテリジェントステーション501aからnまたは502aからnを実施することができる。当業者が、様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、図4Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。さらに、当業者は、本発明、その構造、および動作の方法を、出力および規制要件が満足される限り、他の周波数での伝送および検出に適用できることを理解するであろう。RFIDシステムに、単一の棚を含めることができ、あるいは、複数のアンテナを、棚の近くに配置し、たとえば同軸または他の接続手段などのコネクタを使用して単一のリーダーユニットに接続することができる。図4Aからわかるように、単一のRF伝送ケーブル222を使用して、アンテナ200および210の両方に接続する。伝送ケーブル222は、普通の終端器215で終端する。リーダーユニット120は、制御ユニット124に関連するが、マルチプレクサを有しない。別法として、コントローラ124は、それぞれアンテナ200および210に配置されるスイッチ204および214を制御するように設計される。制御ユニット124は、たとえばアンテナの近くに配置される、副制御ユニット125とも通信することができる。副制御ユニット125に、アンテナを選択する際に制御ユニット124と協力することができるマイクロプロセッサまたはアドレス可能デバイスを含めることができる。
【0063】
一実施形態で、スイッチ204および214が、別々のケーブル221によって制御ユニット124に接続される。当業者は、無線手段を含む他の手段またはケーブル222で搬送されるRF信号に重畳される異なる周波数の信号を使用して、制御ユニット124をスイッチ204および214に接続できることを理解するであろう。スイッチ204および214は、いつでも、アンテナ200および210の1つだけがケーブル222を介してリーダーユニット120に接続されるように制御される。
【0064】
図4Bは、開位置(破線)とアンテナに出力を与える閉位置の間でトグルする論理スイッチ204を示す概略図である。このような論理スイッチを、図4Aに関して説明した実施形態と共に使用することができる。
【0065】
図5は、図5に示されているようにアンテナ200がすべて同一であることを除いて、図4Aに関して上で説明した実施形態に類似する、本発明のもう1つの実施形態である。したがって、同調回路202をすべて同一にすることができ、アンテナの製造が容易になる。したがって、リーダーユニット120を、伝送ケーブル222ならびにスイッチ204および214によって、それぞれの複数の同一のアンテナ200に接続することができる。
【0066】
図6は、複数のアンテナ200が同一である時の利益を示す、代替実施形態のブロック図である。同調回路202の諸部分を、リーダーユニット120自体またはその近くの共通の同調回路213に移動することができる。したがって、リーダーユニット120は、リーダーユニット120に設けられる共通の同調回路213を介して複数のアンテナ200に接続される。当業者が理解するように、主同調回路202または212は、まだアンテナ200ごとに設けられる。
【0067】
図7は、2つの別々の伝送ケーブル222および230が、それぞれがアンテナループ201および231を有する複数のアンテナ構成に変調されたRF信号および変調されないRF信号それぞれを伝送する、本発明のもう1つの実施形態を示すブロック図である。リーダーユニット130に、制御ユニット134が関連する。リーダーユニット130は、RF信号を分割して、変調されないRF信号を別々のケーブル230および同調回路232を介してRFアンテナ201に関連するアンテナループ231に伝送できるようにするために設計される。RFアンテナ201のそれぞれが、それぞれのアンテナループ231に関連する。前と同様に、リーダーユニット130は、同調回路213および伝送ケーブル222を介して複数のアンテナ201に伝送される変調されたRF信号も生成する。それぞれのスイッチ204および214が、それぞれのアンテナ201を伝送ケーブル222に接続し、またそれぞれのアンテナループ231を伝送ケーブル230に接続する。
【0068】
一実施形態では、同調回路232、ケーブル230、およびアンテナループ231を含む変調されないRFシステムのすべてに、連続的に電力を供給することができる。対照的に、リーダーアンテナデータループ201は、スイッチ204および214を適当に制御することによって、1時に1つだけオンにすることができる。ループ231に継続的に電力を供給できるので、データ転送中にRFIDタグを充電するのに必要なスタートアップ時間はない。そのようなシステムは、RFIDタグを頻繁に読み取る必要がある情況で有利に使用することができる。さらに、この実施形態を用いると、ハンドヘルドリーダーユニットが、いつでもタグを読み取れるようにもなる。というのは、タグが、変調されないRFシステムの継続的な電力供給に鑑みて、常に電力を与えられているからである。変調されないケーブル230は、ケーブル230の端に終端器216を有する。これに関して、用語「連続的」電力に、法規または他の規制によって要求される場合に、パーセンテージデューティサイクルを含めることができることを理解されたい。別法として、変調されないRFシステムを、アンテナごとに変調されたRFシステムを活動化する直前に活動化することができる。
【0069】
図8は、図7に関して上で説明した実施形態に類似するもう1つの実施形態である。この実施形態では、ケーブル222を介する変調されたRF信号およびケーブル230を介する変調されないRF信号が、同一のアンテナ201を介してルーティングされる。スイッチ204および214は、変調されたRF信号222または変調されないRF信号230、または信号なしが、所与のアンテナ201にルーティングされるように構成されることが好ましい。すなわち、スイッチ204および214は、3つの状態すなわち(I)変調されたRF信号だけがアンテナ201に伝送される第1状態、(II)変調されないRF信号だけがアンテナ201に伝送される第2状態、および(III)変調されたRF信号および変調されないRF信号の両方がアンテナ201をバイパスする第3状態だけで動作できるように設計される。
【0070】
そのような切替動作は、単極RFスイッチのグループまたは多極RFスイッチを用いて実施することができる。動作時に、この実施形態を用いると、ポーリングの直前までアンテナ201を非アクティブにすることができるようになる。その時点で、変調されないRF信号を、同調回路232、伝送ケーブル230、ならびに適当なスイッチ204および214を介してアンテナ201に切り替えて、近くのRFIDタグを「ウォームアップ」することができる。その後、変調されたRF信号を、同調回路212、ケーブル222、ならびに適当なスイッチ204および214を介してアンテナ201に切り替えて、ウォームアップされたばかりのRFIDタグから効率的にデータを獲得することができる。
【0071】
図9Aは、たとえば図8に関して説明した実施形態と共に使用することができるスイッチ205の単純化された概略図である。当業者が、様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、図9Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。スイッチ205Aが、左に投入されて、アンテナ201の一方の極を変調されたRF信号同軸ケーブル222の中央導体に接続し、他方の極が同一のケーブルのシールドに接続される時に、変調されたRF信号が、アンテナ201に伝送される。スイッチ205Aが、右に投入される場合に、変調されたケーブル222内の信号が、もう1つのアンテナに継続される。スイッチ205Bが、右に投入され、その結果、変調されないRF信号が、別のアンテナに向かって継続されることが図示されている。スイッチ205Bが、左に投入される場合に、変調されないRF信号が、アンテナ201を通過する。スイッチAおよびBの両方が、右に投入される場合に、両方の信号が、アンテナをバイパスし、アンテナは、完全に非アクティブになる。スイッチ205は、スイッチ205Aおよび205Bの両方を左に投入できなくなるように設計される。
【0072】
図9Bは、たとえば図8に関して説明した実施形態と共に使用することができる、代替のスイッチ205Cの単純化された概略図である。この図には、コモン(または接地)ワイヤを切り替える必要がないことと、スイッチをケーブルと直接にインラインにするのではなく、RFケーブルから分岐させることができることが示されている。スイッチ205Cが、左に投入される時に、アンテナループ201の一方の極が、変調されたRF信号同軸ケーブル222の中央導体に接続され、他方の極が、同一のケーブルのシールドに接続され、したがって、変調されたRF信号が、アンテナ201に送られる。スイッチ205Cが、中央に投入される場合に、変調されないRF信号230が、アンテナ201を通過する。スイッチ205Cが、右に投入される場合に、どちらのRF信号も、アンテナに入らず、アンテナは、完全に非アクティブになる。スイッチ205Cの場合に、RF信号が、スイッチ205Cの設定に無関係に、アンテナ201を過ぎて、それぞれのケーブルを下にも継続することに留意されたい。
【0073】
図10Aに、たとえば本発明の様々な実施形態に関して前に説明したスイッチ204または214として使用することができるRFスイッチの回路図を示す。当業者が、様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、図10Aは、本発明を制限することを意図されたものではない。図からわかるように、RFスイッチでは、PIN(P型、I型、N型)ダイオード207(たとえば、Microsemi社の部品番号900-6228)が使用され、このPINダイオード207は、スイッチ接点が開いている時にRF信号を阻止できることを除いて、通常のPNダイオードと同様な形で動作する。スイッチ接点が閉じられている時には、PINダイオード207は、順方向バイアスされ、RF信号を導通する。アンテナを選択するのに使用される制御信号を、RFIDタグの読取に使用されるRF信号に重畳することもできる(図示せず)。そのような制御信号を、帯域フィルタによってRF信号から分離することができ、その制御信号は、アドレス可能スイッチを通り、このアドレス可能スイッチが、PINダイオードを使用するRFスイッチを選択的にアクティブ化する。図10Aでは、制御信号が、RF信号ケーブルを使用するのではなく、別々の配線で供給される。制御信号のRF信号ケーブルへの重畳は、アンテナ間またはインテリジェントステーション間のより少ない導体および/またはコネクタを必要とする可能性があるが、各アンテナで信号を分離する追加の電子構成要素が必要である。したがって、制御信号用の別々の配線を有することが、より効率的になる可能性がある。
【0074】
図10Bに、アンテナを離調し、その結果、アンテナが活動化について選択されていない場合に、近くのアンテナが選択された時に共振しないようにする回路図を示す。アンテナが選択されない場合に、PINダイオード207aが、同調キャパシタ211aを短絡させ、これによって、アンテナの周波数を変更し、その結果、アンテナが、RFIDタグを読み取るためにアンテナを動作させるのに使用される周波数でアクティブにならなくなる。
【0075】
207aなどのPINダイオードを使用して、同調キャパシタを短絡し、アンテナを離調することは、PINダイオード207aが、かなり長い時間にわたって電力を与えられて動作する可能性があることを意味する。これによって、熱および電力消費が生成される可能性がある。したがって、このシステムは、現在読み取られているアンテナに直接に隣接するアンテナだけを離調するように設計することができる。どのアンテナが隣接するかは、複数の方法によって判定することができる。たとえば、これを、設計中に指定するか、組立の後に観察によって見つけるか、下でさらに説明するように動作中にRFIDリーダーを用いて判定することができる。
【0076】
図10Cに、PINダイオード207bがループを同調するのに使用される、もう1つの回路図を示す。このループは、PINダイオード207bにエネルギーが与えられる時に同調される。したがって、PINダイオード207bは、ループが読み取られていない間にオンに留まる必要がない。これによって電力を節約し、熱生成を減らすことができる。
【0077】
本明細書の例には、スイッチング機能および離調機能にPINダイオードを使用することが含まれるが、当業者が理解するように、たとえばFET(電界効果トランジスタ)デバイスまたはMESFET(金属半導体FET)デバイスなどの他の電子構成要素も使用することができる。
【0078】
図10Dに、回路の共振部分内のスイッチ、たとえば電界効果トランジスタ(FET)208がループを離調するのに使用される、もう1つの回路図を示す。この図では、ループが、FET208にエネルギーが与えられない時に同調され、FET208にエネルギーが与えられる時に離調される。エネルギーを与えられた状態では、FET208は、ほとんど電力を引き出さない。さらに、回路内のこの位置では、FET208にエネルギーが与えられる時に、FET208は、ループアンテナを十分に離調し、その結果、RFが同調回路に入らない傾向が生じる。したがって、ループを選択する別々のFETまたはPINダイオードを設ける必要がない可能性がある。
【0079】
図10Bに、可変キャパシタ(たとえば、図10Bに示された可変キャパシタ211aからc)を使用してアンテナを同調させる、すなわち、リーダーユニットからのRF信号と同一の周波数でアンテナを共振させる、本発明の1つの態様を示す。アンテナの周囲が、同調に影響する可能性があるので、同調回路を囲む構造は、たとえば構造の縁(棚の縁など)に配置することによるか、同調デバイスにアクセス穴を設ける(サーボ制御のスクリュードライバなど)ことによるなど、調整可能構成要素を外部からアクセス可能に保つように設計されることが好ましい。
【0080】
さらに、アンテナの同調は、試行錯誤処理になり、時間がかかる可能性があるので、同調を自動的に行えるようにすることが望ましい。本発明の一態様によれば、これは、コンピュータ制御サーボ駆動スクリュードライバを調整可能なキャパシタに関連する調整ねじに一時的に取り付ける自動同調ユニット(図示せず)を設けることによって達成される。他の態様において、自動同調ユニットは、取り付けのための他のメカニズム(例えばレンチ(wrench)、六角キー(hex key)、ソケット(socket))を用い得る。最適の同調を達成するために、自動同調ユニット(コンピュータまたは他の適当にプログラムされたマイクロプロセッサを含めることができる)は、同調されるアンテナへの導電接続から、あるいは所定のまたは既知の空間(おそらくは2次元または3次元)の配置内のタグのアレイからどのタグが識別されるかを検出するRFIDリーダーから、フィードバックを受け取る。同調ユニットは、実験によって開発されるか経験から開発される規則の組に従って、調整ねじを操作して、最適の同調を達成する。別法として、コントローラまたは副コントローラが、電気的調整によって、たとえば同調回路内の調整可能電圧制御キャパシタをリモートから調整することによって、各アンテナの同調を調整することができる。この方法では、同調のための機械的調整またはサーボ制御される調整の使用の必要が最小限になる。同調回路内の電圧制御キャパシタは、アンテナの離調にも使用することができ、したがって、これらは、読取のために選択されていない時に、共振しない。
【0081】
一実施形態で、RFIDタグを、棚自体の中、好ましくは各個々のアンテナの読取範囲内の1つまたは複数の位置に配置することができる。これらのRFIDタグは、アンテナごとに、自己テストモード中にアンテナが読み取られる時に、既知の応答を提供する。したがって、棚がRFIDタグ付けされた品目を支持しているか否かに無関係に、アンテナの範囲内で見つからなければならない少なくとも1つの自己テストRFIDタグが必ずある。そのようなRFIDタグが見つからない場合には、制御ユニット124または副制御ユニット125は、自己同調プロセスを開始することができる。自己同調の後でも、自己テストRFIDタグを読み取ることができない場合には、棚保守が必要であることを示すメッセージを、電子ネットワークに送信することができる。棚の中に自己テストRFIDタグを置く代わりに、アンテナの範囲内の他の場所、たとえば棚の後ろまたは側壁に自己テストRFIDタグを置くことができる。
【0082】
図11Aは、単一の棚ユニット内の代替アンテナループ構成を示す図である。棚300に、単一のアンテナループ301が含まれる。棚310に、アンテナループ311および312が含まれる。1つの棚に複数のループがあると、複数の動作モードが生じる。たとえば、ループ311をアクティブにすることができ、またはループ312をアクティブにすることができ、または両方のループを同時にアクティブまたは非アクティブにすることができる。本発明では、入力RF信号に位相差を設けて、両方のループを同時にアクティブにすることができることが企図されている。そのような位相差は、当業者に周知の様々な電子手段によって導入することができる。たとえば、位相差は、一方のアンテナループに供給するのに他方と比較して異なる長さの同軸ケーブルを使用することによって導入することができる。
【0083】
図11Aからわかるように、棚320に、4つのアンテナループ321から324が含まれる。これは例として示されたものである。というのは、本明細書の開示に基づいて当業者が理解するように、4つより多数またはより少数のアンテナループを設けることができ、他の構成を使用できるからである。4つのループ321から324は、異なる組合せで活動化でき、たとえばループ321および322、321および323、または321および324を同時に活動化することができる。具体的に言うと、ループの対がアクティブであり、アクティブループの間に位相差がある場合に、異なる物理的方位であるアンテナタグをよりよく読み取るために、RF界ベクトルをシフトすることができる。したがって、位相付きアンテナループの使用によって、位相差なしのループと比較した時に、タグの読取のよりよい「カバレッジ」をもたらすことができる。
【0084】
図11Bに、備品460上で支持される複数の棚400、410、420、430、440、および450の平面図を示す。各棚は、たとえば、4つのアンテナを有する。たとえば、棚410に、アンテナ411から414が含まれる。さらに、各棚の中でアンテナのそれぞれの近くに、1つまたは複数のRFIDタグがある。図11Bでは、アンテナごとに4つのタグがあり、タグに、aからdの符号が付けられている。棚の中のタグは、様々な機能に有用である。当業者が理解するように、より少数またはより多数のタグを使用することができる。
【0085】
たとえば、アンテナ411は、比較的低い出力でオンにされる場合に、たとえばアンテナ411の中央の近くに配置されたタグ411cを読み取れなければならない。もちろん、当業者は、アンテナおよびタグの設計に応じて、低出力で、アンテナ導体の近くの位置にあるタグが、より簡単に読み取られるので、このタグを使用できることを理解するであろう。したがって、タグ411cは、アンテナ411が正しく機能しているかどうかをテストするのに使用することができる。出力が増やされる場合に、アンテナ411は、アンテナ411の周辺の近くに置かれたタグ411a、b、およびdも読み取れなければならない。診断モードまたは自己チェックモード中に出力を変更することによって、システムは、アンテナ411が効果的に機能するためにどれほどの出力が必要であるかを判定できなければならない。棚タグは、この情報を提供するために、各アンテナの中央から複数の距離に配置することができる。
【0086】
アンテナ411への出力が増やされる際に、最終的に、隣接するアンテナ412に関連する棚タグ412bを読み取れるようになる場合がある。したがって、システムは、アンテナ411および412が隣接することを判定することができる。この情報をシステムが使用して、所与のアンテナが動作している時に、隣接するアンテナを離調する必要があるかどうかを判定することができる。アンテナ411および412が隣接するという事実は、すでに、棚410の製造時に確立されている場合がある。しかし、複数の棚が、小売り店で隣接して配置されるので、どの棚が隣接するかを前もって判定することは、不可能または不便である可能性がある。棚タグを使用して、システムが組み立てられた後に、どの棚またはアンテナが隣接するかを確立することができる。
【0087】
たとえば、通常出力で動作するアンテナ411は、隣接位置が棚配置の前に確立されていない可能性がある、隣接する棚400の隣接するアンテナ404に関連する棚タグ404dも検出する場合があり、隣接位置が棚配置の前に確立されていない可能性がある、ゴンドラ(または棚の共通の支持部材)の反対側の隣接する棚440の隣接するアンテナ441に関連する棚タグ441aを検出する場合がある。
【0088】
通常出力またはわずかに高い出力で動作するアンテナ411が、隣接するアンテナ区域内へさらに入って読み取ることができ、たとえば棚タグ404c、412c、および441cを読み取れることを設計することができる。したがって、本明細書に記載の機能性は、各アンテナの中央の単一の棚タグだけを使用して達成することができる。
【0089】
棚タグは、上で説明した目的に有用であるが、読み取られるタグの数が増えることによって、システム応答が低速になる可能性がある。したがって、棚タグ一意ID通し番号について、システムによって「クワイエット」モード(通常動作中には応答せず、診断動作中またはセットアップ動作中だけ応答する)になるように指示することができる、通し番号の特定の範囲を使用することが、望ましいオプションである可能性がある。
【0090】
1つまたは複数のアンテナを、各棚に含めるか、その中に隠すことができる。アンテナループを、導電材料を使用して作ることができる。この導電材料に、金属ワイヤまたはフォイルなどの金属導体を含めることができる。導電材料は、メッシュのストライプまたはスクリーンとすることもできる。一実施形態で、アンテナループを、約0.002"(0.051mm)厚で0.5"(12.7mm)幅の銅フォイルから作ることができる。これらのループは、支持棚材料の表面に貼り付けられる装飾ラミネートなどの薄い積層材料内に含めることができる。ループを、ガラスの中に積層することもできる。ループを、積層材料、ガラス、または他の支持構造の外面に貼り付けることもできる。当業者が理解するように、追加の付加を支える支持または剛性が望まれる場合に、そのような支持棚材料を、棚の内容を支えるか、構造的剛性を提供することができる材料とすることができる。そのような材料の例に、木、プラスティック、固いプラスティックフォーム、ガラス、ガラス繊維、または波形のまたは安定性をもたらす他の設計のボール紙が含まれる。望まれる場合に、RF阻止材料を、棚の下面に塗布するか組み込んで、棚の上のターゲットタグではなく下にあるRFIDタグを検出しないようにすることができる。棚としての本明細書に記載のインテリジェントステーションを、垂直のまたは他の角度の方位で使用することもでき、RF阻止材料を、適当な方位で適用して、読取を意図されたターゲットタグを他の隣接するタグからよりよく分離できることを理解されたい。
【0091】
棚の底面につけられるか組み込まれる、あるいは既存の金属の棚などの基礎になる金属支持物に存在するRF阻止材料によって、RFエネルギーが棚の「下」に向かうことが実質的に防止される。別法として、RF阻止材料を、棚の内部に組み込むこともできる。これは、棚が、棚の上のタグ付き品目だけを感知することが望まれる場合に有利である。しかし、そのようなRF阻止材料(棚構成内に故意に設けられるか、先在する棚構造として偶然存在するのいずれか)の結果は、棚の下のRFエネルギーがほぼ完全に制限されるが、棚の下のRF阻止材料によって、棚の上の「読取範囲」も減らされることである。この、そうでなければ減らされる読取範囲を補償するために、補償材料の層を、アンテナループの真下(棚構造の頂部の近く)に設けることができる。そのような材料は、非導体であり、高い透磁率を有するはずである。その例が、Magnum Magnetics RubberSteel(商標)または、高い面内透磁率を有する柔軟なフェライト磁気シートである。そのような面内透磁率は、設計によって透磁率がシートの法線方向である通常の異方性フェライトシートではなく、等方性フェライトシートを使用することによって達成される。アンテナとRF阻止材料の間のこの補償材料の層の存在によって、アンテナとRF阻止材料の間の高い磁束密度が可能になる。その結果、磁束密度を、棚の上で高めることができ、したがって、所与の棚厚に関するよりよい感知範囲(「読取範囲」)が与えられる。
【0092】
薄い支持材料の中に積層されるか外部に取り付けられるアンテナループは、たとえば、あるディスプレイケースで使用できるカーブしたパネル、ある衣類ラックに沿って、またはチェックアウトスタンドなどで使用できるトンネルリーダー用など、非平面の形で配置することができる。
【0093】
本明細書の例では、ループアンテナを説明するが、ループアンテナは、通常は、13.56MHzなどのRF周波数で動作するリーダーに使用される。インテリジェントステーション内の品目に、915MHz、2.45GHz、または125kHzなど、他の大きく異なる周波数で動作するタグを含めることができる。インテリジェントステーションは、たとえば125kHz用の複数のループアンテナ、915MHzまたは2.45GHz用のダイポールアンテナなど、適当なアンテナを設けることによって、これらまたは他の周波数を読み取るように構成することができる。インテリジェントステーション内のアンテナを、これらの周波数の1つまたは複数のために設けることができる。各アンテナは、それ自体の別々のスイッチおよび同調回路を有することが好ましい。インテリジェントステーションはすべて、単一の共通のRFケーブルと単一の共通の制御ケーブルを共用する。各インテリジェントステーションのすべての区域ですべての所望の周波数を読み取れる(すなわち、各区域が複数のアンテナによってサービスされる)ようにインテリジェントステーションを構成することができ、あるいは、所与のインテリジェントステーションの異なる区域に、特定の周波数の特定のアンテナを設けることができる。異なる周波数で動作するインテリジェントステーションのすべてを相互接続することができる。複数の周波数で動作するインテリジェントステーションは、複数の周波数で動作するように構成することができる、いわゆる「アジャルリーダー(agile reader)」ユニットを必要とする。
【0094】
好ましい実施形態では、本明細書で説明するアンテナループを、たとえば、棚の上に置くことができ、したがって、このアンテナループは、棚の上に置かれるマットに組み込むことによって製品の下の配置される。したがって、ループは、当業者に周知の適当な固いまたは柔軟な基板内にカプセル化される。適当な基板材料の例には、積層構造材料、シリコンゴム、ウレタンゴム、ガラス繊維、プラスティック、あるいは、アンテナループを保護し、アンテナが金属の棚、壁、または表面に置かれる場合に電磁干渉を避けるためにある物理的なオフセットをもたらす他の類似する材料が含まれる。
【0095】
カプセル化材料または棚に、棚の背面などの垂直な面にかけるための穴またはグロメットを設けることができる。代替実施形態では、カプセル化材料を、所望の面への取付けを助ける感圧接着剤と共にを提供することができる。カプセル化の「前」または「棚」の縁に、低電力発光式または他の表示装置を設けることができ、この表示装置は、リーダーユニットまたは棚の中の副コントローラユニットなどのシーケンサユニットによってオンにすることができ、その結果、特定の表示装置のアクティビティを、対応して位置決めされたリーダーアンテナのアクティビティと視覚的に調整できるようになる。別法としてまたはそれに加えて、表示装置を使用して、価格決定または値引きなど、追加情報を表示することもできる。
【0096】
RFIDタグを読み取る能力のほかに、インテリジェントステーションは、デジタルデータケーブルを介して情報を通信することができる追加の「周辺」装置を有することができる。たとえば、インテリジェントステーションシステムは、コンピュータ端末、表示装置、モデム、バーコードリーダー、温度センサ、囲まれたまたはつながれた商品のロック装置などを含むがこれに制限されない、アドオン装置または周辺付加装置のデジタルデータ通信ハイウェイを提供する。デジタルデータ通信ハイウェイは、コントローラ124と副コントローラ125の間でデジタル制御情報およびデジタルデータ情報を送る配線システムに組み込むことができ、あるいは、ステーションの間を走り、これを接続する配線からなる1つまたは複数の別々のデジタルデータ通信ハイウェイとすることができ、ステーションは、アドオン装置または周辺装置が接続されるポートを備える。デジタルデータ通信ハイウェイは、インテリジェントステーションシステム(コントローラ124および副コントローラ125を含む)と電子ネットワークの間の両方向のデータの伝送を容易にする。電力も、ステーションの間を走るワイヤを介してアドオン装置または周辺装置に供給することができる。
【0097】
アドオン装置または周辺装置が使用されるか否かにかかわらず、RF出力以外の電力がステーションによって使用される可能性があり、たとえば、直流(DC)が、副コントローラ125によって、およびスイッチおよび同調電子回路によって使用される可能性があることを理解されたい。そのような電力は、1つまたは複数の専用ワイヤによって供給することができ、あるいは、デジタル通信ハイウェイまたはRFケーブルに組み込むことができる。
【0098】
例として、RFケーブルに、2つの導体、たとえば、同軸ケーブルでは、中央導体と鞘導体を含めることができる。RFケーブルは、RF信号を搬送する。DC電圧を、同一のRFケーブル内でRF信号に重畳して、インテリジェントステーションにDC電力を供給することができる。DC電圧、たとえば18VDCが、インテリジェントステーション内のあるデバイスに必要な値(たとえば5VDC)より高い場合に、電圧調整器を使用して、電圧を使用可能限度まで下げることができる。
【0099】
もう1つの例として、デジタル通信を、同一のRFケーブルで搬送することができる。たとえば、RFケーブルに重畳されるDC電圧を、2つのDCレベル(たとえば18VDCと12VDC)の間で切り替えて、RFケーブルでの非RFデジタル通信を達成することができる。したがって、主コントローラは、そのようなデジタル通信を使用することによって副コントローラに情報を送ることができる。
【0100】
もう1つの例として、副コントローラが、電気的負荷をオンおよびオフに切り替え、これによってRFケーブルから電流をドレインすることによって、RFケーブルを介してデジタル形式で主コントローラに情報を送ることができる。これを、主コントローラで感知することができる。電圧レベルの使用および負荷レベルの使用を同時に行って、RFケーブルを介する両方向デジタル非RF通信を達成することができる。
【0101】
もう1つの例として、棚実施形態で、棚に有利に組み込むことができるもう1つのデバイスが、副コントローラユニット125にインターフェースすることができるプラグインバーコードリーダーである。棚が補充されている時に、バーコードリーダーを使用して、棚に置かれようとしているパッケージをスキャンすることができる。バーコードデータは、一意のRFIDタグ通し番号と共に電子ネットワークに送り返される。バーコードによって定義される製品識別が、以前に、一意のRFIDタグ通し番号に関連しなかった場合に、その関連を、データストア内で完成することができる。それ以外の場合に、バーコードスキャンは、データストア情報の検証として働くことができる。バーコード装置の使用によって、さらに、棚が、RFIDタグ付き商品の段階的導入中であっても利益を提供できるようになる。棚にたくわえられた品目の数(単純な数字キーパッドとあいまってバーコードスキャナによって識別される)を売られた同一の品目の数(チェックアウトラインで既存のスキャナによって判定される)と比較することによって、およそ何個の商品が棚に残っているかと、新たな仕入れが必要であるかどうかを判定することができる。バーコードと同様に、棚自体でのスキャンを使用して、電子ネットワークから検索され、棚の英数字ディスプレイを介して表示される現在の価格決定情報を提供することができる。
【0102】
もう1つの実施形態で、棚またはインテリジェントステーションに環境センサを設けて、たとえば温度、湿度、光、あるいは他の環境パラメータまたは環境要因を監視または測定することができる。このシステムは、どの品目が棚にあるかを判定することができるので、このシステムは、各品目の環境を追跡でき、環境条件が特定のタイプの品目の限度から外れた場合に、警告を提供することができる。別々の限度を、品目のグループごとに定義することができる。
【0103】
1つまたは複数の近接センサ、たとえば、赤外線センサまたは容量性センサを棚に配置して、買物客の存在を検出し、品目が棚から移動される時に買物客にすばやいフィードバックを与えるためにその棚の読取頻度を高めるかどうかを判定することができる。買物客を検出する手段は、棚の前縁で、商品によって隠されない位置に配置することができる。赤外線センサまたは容量性センサは、買物客からの体温または、棚の前に買物客がいることあるいは棚の前の近くでの買物客の手、腕、または商品の移動に起因するローカル容量の変化を検出することによって、買物客の存在を感知することができる。買物客の存在を検出する他の手段に、棚の商品に達する手または腕の陰を検出するための、棚の前縁に沿った可視光センサまたは赤外線センサを含めることができる。この場合の光源は、環境可視光とするか、次に高い棚の下に配置された源からあるいは頭上または店の天井の源からの可視光または赤外線とすることができる。店のセキュリティカメラを使用して、買物客の存在を検出し、インテリジェントステーションに読取頻度を上げるように指示することもできる。同様に、電力および構成要素の寿命を保つために、常時活動化するのではなく、買物客が感知された時およびその後しばらく、可聴/可視信号またはディスプレイを活動化することができる。同様に、棚への買物客の近接に関する情報を、電子ネットワークに中継して、買物客の移動パターンまたは特定の棚の前で過ごす時間の長さを分析するのを助けることができる。買物客位置データを、店内監視カメラのスキャンパターンと共に使用するために、店のセキュリティシステムに供給することもできる。
【0104】
同様に、電子ネットワークに中継される棚データを使用して、異常に大量の品目が棚から突然除去される場合を判定することができる。これが発生する場合に、セキュリティカメラをその棚に向けて、品目を除去した買物客の写真を撮ることができる。その買物客が店を出る時にその品目について支払われない場合には、盗難を止めるために適当な処置を講じることができる。
【0105】
棚に組み込むことができるもう1つのデバイスが、タグの移動または買物客の存在を検出する、ホール効果または他の類似する近接タイプセンサである。この情報は、赤外線センサに関する前の説明で述べたものに類似する形で使用することができる。
【0106】
棚のもう1つの使用が、買物客に関連する「顧客タグ」の存在の検出であり、この検出を使用して、衣類品目の正しいサイズなど、所定の商品品目を買物客が見つけるのを助けることができ、これによって、買物客を所望の品目に向けるように棚の可視インジケータまたは可聴インジケータを活動化することができる。また、所望の品目が在庫切れである棚に置かれる時の「顧客タグ」を使用して、その顧客に、「取り寄せの約束」または在庫状態になった時のその品目の値引き、あるいはストックルームまたは別の店にある品目あるいは注文に関する情報を与えることができる。これは、買物客が、在庫切れなので品目を買わなかった時を追跡するのに有用である。
【0107】
棚のもう1つの使用が、チェックアウトレーンにより多くのレジ係が必要な時またはより多くの在庫担当者が必要な時を予測する、「フィードフォワード」情報の提供である。これは、たとえば、棚から除去される商品の量を監視し、これによって、チェックアウトレーンに達しようとしている商品の量を演繹することによって行うことができる。店主または店長は、これによって、チェックアウト担当者または新規仕入れ担当者をスケジューリングして、彼らの時間の費やし方を最適化し、休憩時間のスケジューリングを助けることなどができる。
【0108】
棚のもう1つの使用が、棚が完全に補充され、現在の在庫レベルが満杯またはターゲットレベルであることをデータベースが知っていることをシステムに警告する、「補充タグ」または「従業員」タグ、あるいは押しボタンまたはキー入力シーケンスの存在の検出とすることができる。この方法は、品目補充パターンが変更される時に、ターゲットレベルを更新するのに使用することができる。
【0109】
棚システムを使用して、システムによってカバーされるすべての棚について、価格、トラフィック、および棚スペースに基づいて、最適の補充パターンを提案することができ、これには、すべての品目のターゲット在庫の変更を含めることができる。そのような補充パターンの計算は、何個の各SKU品目が所与の棚区域におさまるかと、各棚アンテナによってカバーされる棚区域の数の知識を必要とする。
【0110】
本発明の一態様では、棚システムが、各棚の物理的位置を知ることが有利であるが、これは、一意のイーサネット(登録商標)アドレス、RS-485アドレス、または他のネットワーキングアドレスからであっても必ずしも明白でない可能性がある。したがって、本発明では、各棚にGPSトランスデューサを組み込むことが企図されている。より実用的な解決策は、別法として、各棚が組み立てられた時に、その位置を識別するために、各棚のUSBポート(または他の類似する匹敵するポート)に挿入できるポータブルGPSユニットを設けることとすることができる。たとえば、GPSユニットを、設置の後に棚をセットアップするのに使用されるサーボ機械同調ユニットと組み合わせることができる。
【0111】
別法として、プログラマブルRFIDタグを有するGPSユニットを、棚に置き、RFIDシステムを介して、棚の座標がどうであるかを主コントローラに通信することができる。これを達成する形の1つが、一意の通し番号以外の情報のための追加記憶ブロックを有する特殊化されたRFIDタグに接続されたGPSシステムを使用することである。そのようなタグは、そのタグアンテナへおよび通信回路への接続を有する集積回路を使用して、GPSシステムなどの外部供給源からデータを受け取ることができる。GPSシステムを、追加記憶ブロックに空間座標を書き込むように構成することができる。既知の1つまたは複数の通し番号を、特殊化されたRFIDタグ内で使用することができ、RFIDシステムは、そのような特殊化されたRFIDタグを検出する時に、そのタグに問い合わせて、保管された空間座標を判定し、読取中の棚およびアンテナに関連付けることができる。
【0112】
アンテナ形状を、単一ループアンテナに制限する必要はない。単一ループアンテナは、通常は13.56MHzなどの高RFID周波数と共に使用されるフォームファクタである。マルチループアンテナ1215は、125kHzなどの低周波数で、または13.56MHzなどの高周波数での低電流動作を可能にするために、使用することができる。低電流アンテナを使用することによって、低電力スイッチング構成要素の使用を可能にすることができる。マルチループアンテナの形成は、互に非常に近いループ内のワイヤなどのアンテナ構成要素を必要とし、したがって、ワイヤが絶縁されることが好ましい可能性がある。
【0113】
RFIDアンテナに関連する同調構成要素、たとえば、回転式トリムキャパシタまたはキャパシタバンクが、使用中のアクセスを必要とする場合がある。適当なアクセスを、たとえば棚実施形態で、棚に取外し可能なカバーデバイスまたは穴を設けることによって、提供することができる。
【0114】
導電性アンテナ材料を支持ラミネートまたは他の構造に取り付けるために、様々な方法を使用することができる。たとえば、リールから基板に所望のアンテナパターンでフォイルを供給するために2次元または3次元の位置決め機構を使用する自動化された機械によって、金属フォイルを、ウェブの形(ボール紙のウェブなど)または平坦な形(ボール紙、積層材のシート、木またはプラスティックの板など)の基板に置くことができる。
【0115】
支持材料が木である場合に、フライス盤を使用して、溝を形成し、この溝に、アンテナループを形成するために導電ワイヤを固定することができる。支持材料がプラスティックである場合に、同一の方法を使用することができ、あるいは、加熱されたパターンをプラスティックに押し付けて、導電ワイヤを固定できる溝を形成することができる。プラスティック基板は、ワイヤ導体を保持する溝がある形で成形することができ、あるいは、プラスティック基板を、多数のパターンのアンテナループを形成できるように垂直の溝の繰り返される直線パターンを有する形で成形することができる。これらの方法のどれでも、アンテナワイヤの端を固定するために、穴を、ドリル加工するか、打ち抜くか、成形することができる。この穴は、基板を通って延びて、アンテナループの同調に使用される同調回路への接続または挿入のためにアクセス可能になる。
【0116】
アンテナループを形成するもう1つの方法は、機(はた)と同様な一連のピンの回りに導電ワイヤを巻き付け、機を反転し、導体を基板に押し付けることである。基板は、接着剤を事前にコーティングされて、機が除去された時に導体を保持するようにすることができる。別法として、基板を、基板の表面の中に導体を圧入できるのに十分に柔らかいものとすることができる。別法として、基板を、熱可塑性とし、導体を、事前に加熱し、その結果、導体が、接触時に基板を部分的に溶かし、基板の表面の中に組み込まれるようにすることができる。アンテナループを形成する機で使用されるピンは、任意選択として、ばね押上式とし、その結果、機が基板に導体を押し付ける時に、任意選択としてピンが機の中に引っ込むようにすることができる。
【0117】
図12に、ワイヤアンテナを作る1つの方法を詳細に示す。図12は、当業者が様々な修正形態、変形形態、および代替形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。木、プラスティック、ゴム、高密度フォーム、または類似する材料などの基板1100を設ける。溝1110が、基板内に、通常はグリッドパターンで設けられる。これらの溝は、機械加工、熱間プレス、冷間プレス、または射出成形などの成形、鋳造、焼き印(たとえば木の場合)などによって作ることができる。プレス法では、プラテン(スタンピング)または回転式装置を使用することができる。穴1130が、同一の方法あるいはドリル加工または打ち抜き加工によって、溝の交差点に設けられることが好ましい。基板1100の大部分の区域は、まだ、溝の間の区域1120によって占められている。したがって、基板1100は、まだ、本質的に平面の上面を有し、その結果、負荷を面によって受けることができ、カバリング、フィルム、積層材、またはベニヤを適用して、平坦な仕上げの面をもたらすことができる。区域1120は、アンテナワイヤによって占められないことも既知であり、これらの区域は、鋳造、ドリル加工、打ち抜き加工などによって設けることができ、他の構造に取り付けるためのねじまたはボルトを受ける穴を有する。この穴は、ペグボードまたはディスプレイフックなどのアタッチメントにも使用することができ、あるいは、配線、通気、ラウドスピーカからの音、小さいライトの配置などのためのスルーホールとして使用することができる。
【0118】
適当な直径のワイヤをいくつかの溝1110に置くか押し付けることによって形成されたアンテナループ1200が、示されている。アンテナループの端1201は、これを穴1130に固定することによって定位置に保持される。穴は、基板1100を完全に貫通するものとすることができ、その結果、基板の反対の面の回路に接続することができる。同様に、アンテナループ1210が、形成されて図示されており、ワイヤ端1211が、既に1つの穴に固定され、ワイヤ端1212が、もう1つの穴に取り付ける準備ができた状態で図示されている。
【0119】
単に裸のワイヤを穴を通して押し付けて端を固定するほかに、ワイヤを、必要な長さに事前に切り、両端を、グロメット1140、ボタン、または穴1130におさまる他の機械的装置にはめることができる。このグロメットを、よりよい導電性のためにワイヤにはんだ付けすることができる。これを穴1130に挿入することの代替案として、グロメットを、溝1110の幅よりわずかに大きい直径を有するものとし、その結果、グロメットが、図12Aに示されているように2つの溝が交わる点にのみおさまるようにすることができる。別法として、溝パターンの形成中に、交差点を、図12Bに示されているように溝より大きい幅にして、より大きいグロメット1141を保持することができる。図12Cに示されているように、グロメットを、交差点におさまる棒の形(1142)またはT字形(1143)とすることができる。グロメットを十字形にすることもできる。グロメットに、基板1100内にまたはこれを貫通するか基板1100から上に延びるピンをはめることができる。ピンは、回路基板上のソケットにはめるか、回路基板内の穴にはめることができる。グロメット(たとえば1140または1141)を中空にして、他の配線またはピンを受けることができる。グロメットに、外に出るピンまたは中に入る穴を組み込むことができる。同様に、グロメットに、内側または外側のとげまたはばね押上式の部分を組み込んで、グロメットを定位置に保持するか、外部回路への接続を助けることができる。グロメットに接続されたアンテナワイヤも、とげによって固定することができる。
【0120】
基板1100に、凹窩(図示せず)を設け、その中に回路(図示せず)を位置決めすることができ、そのような回路は、ワイヤの前または後に設置され、ワイヤは、はんだ付け、グロメットまたはとげなどの使用などによって回路に取り付けられる。
【0121】
複数のアンテナパターンを作成できるようになる規則的なグリッドパターンまたは十字形のパターンを形成する溝1110の代わりに、溝を、実際のアンテナを作るのに望まれる溝だけを含む「カスタム」な形で設けることができる。図13に、そのような実施形態を示す。溝、たとえば1220および1230を、上で説明したものと同一の方法によって形成することができ、穴1221および1231も同様である。
【0122】
溝および穴は、ワイヤをしっかりと保持するので、ワイヤを手で簡単に基板に挿入することができ、あるいは、この過程を機械化することができる。すべての所望のアンテナが基板内で形成された後に、開いている溝のすべてに、プラスティックまたは他の適当な材料を充てんすることができる。上を覆う積層材、フィルム、または他の層を、基板の上につけることができる。この被覆は、材料の射出成形層、溶融鋳造層、あるいは化学反応または熱によって硬化する(エポキシ材料またはシリコン化合物など)液体鋳造層、または蒸着(ラテックス材料など)とすることができる。
【0123】
組み合わされた基板および被覆に、アンテナマットが含まれる。材料に応じて、アンテナマットは、柔軟なまたは固いものとすることができる。アンテナマットを、木、プラスティック、ガラス繊維などの板など、平面のまたは非平面の支持材料に取り付けることもできる。
【0124】
アンテナ形状を、単一ループアンテナに制限する必要はない。図13Aに、単一ループアンテナ1200および1210が示されているが、これは、通常は13.56MHzなどの中央範囲のRFID周波数と共に使用することができるフォームファクタである。この図には、通常は125kHzなどの低周波数と共に使用できるマルチループアンテナ1215も示されている。マルチループアンテナ1215の形成は、ワイヤループが互いに非常に近くなることを必要とする可能性があり、したがって、ワイヤが絶縁されることが好ましい可能性がある。図示のようにワイヤ交差1216を有するか、破線1217によって示されるように交差がないことが望ましい。溝の間の距離は、マルチループアンテナについてより狭くしなければならない場合がある。この図には、通常は915MHzまたは2.45GHzなどの高周波数と共に使用できるダイポールアンテナ1218の形状も示されている。図のダイポールアンテナの両端1219は、製造中に端を基板内の穴に挿入することによる、そうでなければぐらぐらする端を保持する方法を表すために曲げられている。
【0125】
図12および13の実施形態では、アンテナワイヤが定位置にセットされる前に、溝が作成される。異なる実施形態を、図14に示す。ピン1302を保持する穴1301のパターンを有する上プレート1300が設けられる。ピンにねじを切り、穴にタップを立て、その結果、ピンを、穴にねじ込むことによって固定できるようにする。したがって、ピンの数および配置を変更することができる。
【0126】
一致する穴1311を有する下プレート1310を設ける。プレート1300および1310が、図示のように矢印「A」で一緒にされる時に、ピン1302が、穴1311を貫通する。このピン1302を使用して、下プレート1310の下でピンに巻き付けられるワイヤアンテナの角を定義することができる。たとえば、アンテナ1240は、3つの角でワイヤを保持するのにピンを使用して形成される。第4の角では、2つのワイヤ端1241が、下プレート1310の開いている穴1311を通って上に挿入される。もう1つの例のアンテナ1250が、4つのすべての角でピンを使用して形成される。ワイヤループの端に取り付けられるグロメット1251が、2つの追加のピンの上で保持される。ワイヤ端は、プレート区域内で固定されるのではなく、1252の破線によって示されるように、プレートを超えて突き出すこともできる。この場合に、ワイヤ端は、他の手段(図示せず)によって固定される。
【0127】
上プレート1300および下プレート1310と取り付けられたピン、ワイヤ、グロメットアンドなどの組み合わされたアセンブリ1330を、矢印「B」によって示されるように基板1320の上で反転する。アンテナ1240および1250が、下記のまたは類似する方法の1つまたは複数によって基板1320に移される。
【0128】
a)接着性のコーティングまたはフィルムを、基板1320につける。組み合わされたアセンブリ1330を、基板1320の上で下げ、下プレート1310を、基板に押し付ける。アンテナ1240および1250が、接着剤にはりつく。上プレート1300が、押し付けるステップ中にわずかに持ち上げられる場合に、ピン1302は、基板1320を貫通しない。上プレート1300が、下向きの圧力の下に保たれる場合にも、ピン1302は、基板1320に穴を作る。すべてのグロメット1251が、基板に押し付けられる。接着剤がセットされた後に、組み合わされたアセンブリ1330が、持ち上げられ、アンテナパターンが基板1320に取り付けられて残される。
【0129】
b)方法(a)を使用し、十分な圧力によって、アンテナワイヤを部分的にまたは完全に基板1320の表面の下に押し込むことができる。この方法は、たとえば、ワイヤを表面の下まで押しやるのに最小限の力を必要とする高密度フォーム基板1320と共に使用することができる。
【0130】
c)方法(b)を使用し、ワイヤ1240および1250ならびにグロメット1251を、基板1320の軟化点を超える温度に加熱し、その結果、接触および圧力によって、基板が軟化するかわずかに溶けて、ワイヤおよびグロメットを受け入れるようにすることができる。ワイヤを加熱する方法の1つが、基板に押し付ける前またはその間にワイヤに電流を通すことである。上プレート1300を、押し付けステップ中に解放し、その結果、ピン1302を引っ込め、基板1320を貫通しないようにすることができる。
【0131】
d)別法として固体材料である基板1320を、この時点で、下プレート1310の下面への、化学、熱、蒸着、または他のセッティング材料(setting material)の液体鋳造または材料の射出成形によってワイヤ上に鋳造することができる。
【0132】
下プレート1310およびピン1302を、離型剤をプリコートして、固着を防ぐことができる。そのような離型剤は、ワイヤを取り付ける前に塗布され、その結果、離型剤が、ワイヤにつかなくなる。また、下プレート1310を、たとえばTeflonなどのこびりつかない材料とするか、Teflonまたは類似するこびりつかない材料をコーティングすることができる。射出成形が使用される場合に、下プレート1310を、内部通路によって冷却して、射出成形される材料の冷却を加速することができる。
【0133】
これらのステップの後に、アンテナ1240および1250を、ワイヤ端1241または1252あるいはグロメット1251を使用して、回路に取り付けることができる。
【0134】
すべての実施形態で、ワイヤを、裸(交差を除く)とするか絶縁することができることを理解されたい。ワイヤの断面は、通常のワイヤがそうであるように中実の円筒形とすることができるが、正方形、長方形、楕円、U字形またはチャネル形、V字形などとすることもできる。ワイヤの主な要件は、形状にかかわりなく、導電性であることと、溝の中での保持を促進する形状および断面剛性を有することである。ワイヤは、単一の導体(通常は「中実」導体と称する)またはマルチストランドとすることができる。ワイヤは、ねじるか織ることができる。ワイヤを、同軸ケーブルとすることができ、この場合に、外側の網組が、RF信号のアクティブ導体として使用される。
【0135】
図15は、本発明による、フォイルアンテナを形成するためにウェブまたは平面の基板にフォイルテープリボンを適用する装置および方法を示す図である。そのようなフォイルアンテナは、複数の用途を有し、たとえば、在庫制御に使用できるRFIDシステム内のRFIDタグと通信するトランシーバまたはリーダーで使用することができる。図15は、当業者が様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。基板2100を設ける。これは、図示のようにウェブの形とすることができ、その場合に、トラクションローラー2110または他の手段を設けて、ウェブを移動することができる。図15に示された例では、そのような移動が、不連続である。ウェブ2100は、ある距離だけ前方にインデクシングされ、その後、停止され、その間に、1つまたは複数の導電パスウェイが、基板2100に堆積された。導電パスウェイが基板2100に堆積されたならば、ウェブをもう一度前方にインデクシングし、このサイクルを繰り返す。
【0136】
支持プレート2120が、基板の下に設けられる。この支持プレート2120に、真空ホールドダウンシステム(図示せず)を組み込んで、基板2100を一時的に支持プレート2120に固定することができる。支持プレート2120自体を、X方向およびY方向に移動可能として、導電パスウェイの堆積の処理を助けることもできる。
【0137】
アプリケータ手段2200が、導電パスウェイ2300を堆積するために設けられる。このアプリケータ2200は、後で詳細に説明する。x-yステージ2400が、アプリケータ2200を移動するために設けられる。x-yステージに、フレーム2401、主基板軸(「x」または「マシン」方向)で移動する位置決め手段2402、および直交軸(「y」または「クロス」方向)で移動する第2位置決め手段2403を含めることができる。回転位置決め手段2404を設けて、アプリケータ2200を基板2100に関するあらゆる角度に回転して、アプリケータ2200の動作を容易にすることができる。基板2100の移動およびアプリケータ2200の移動を、コンピュータ手段によって自動化し、このコンピュータ手段が、アプリケータ2200内の制御のほかに、トラクションローラー2110、ならびに位置決め手段2402、2403、および2404を駆動するモーターを制御することが想定されている。
【0138】
図15では、xおよびyの位置決め手段2402および2403が、ラックアンドピニオン歯車として図示されているが、これに、ケーブル、リニアモーター、ステッピングモーター、またはかなり繰り返し可能な位置決めを達成できる他の手段を含めることができる。
【0139】
図16に、フォイルアンテナを形成するために基板に導電パスウェイを堆積するもう1つの方法を示す。支持部材2500が、基板を横切って延び、複数の静止位置決め手段2501を保持し、この静止位置決め手段2501が、アプリケータ2200を支持する。静止位置決め手段2501を、支持部材2500に沿って手によって移動し、たとえばちょうねじによって、定位置に固定することができる。アプリケータ2200を伴う十分な静止位置決め手段2501を設けて、機械方向(x)に沿って、必要な数の縦方向の導電パスウェイ2301、2302を置くことができる。図示の例では、縦の導電パスウェイ2302が、外部回路への接続に使用される、スキップされた区域2303と共に設けられる。
【0140】
支持部材2510が、基板を横切って延び、横行手段2511を保持し、この横行手段2511が、もう1つのアプリケータ2200を支持する。横行手段2511は、オンデマンドで基板を横切ってクロス方向(y)に移動して、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積し、この導電パスウェイ2304および2305によって、縦導電パスウェイ2301および2302が接続される。
【0141】
図16による動作は、したがって、次の通りである:基板2100が、トラクションローラー2110によって(または支持プレート2120の移動によって)前方に移動される。その間に、静止位置決め手段2501に取り付けられたアプリケータ2200が、オンデマンドで、スキップされた区域2303を含めることができる縦導電パスウェイ2301および2302を堆積する。
【0142】
適当な時に、基板2100の移動が、一時停止され、その結果、横行手段2511に取り付けられたアプリケータ2200が、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積できるようになる。基板2100のX方向移動の一時停止は、1つまたは複数の縦導電パスウェイ2301および2302の堆積の工程の途中で行うことができる。別法として、横断する導電パスウェイ2304および2305を堆積するために、アプリケータ2200の位置を固定し、支持プレート2120の移動によってY方向移動をもたらすことができる。
【0143】
ウェブの形またはシートの形の基板2100を移動するかどうかの判断は、複数の要因に依存する。基板は、ウェブ処理に有利なロールの形で入手可能であるか、シート処理に有利なカットされた形で入手可能である場合がある。たとえば厚いシート基板あるいは部分的または完全に積層され、もはや柔軟でない基板など、一部の基板が、ウェブの形での処理に十分に柔軟でない場合がある。
【0144】
どのアプリケータシステムを使用するかの判断も、複数の要因に基づいて行われる。図15の単一ヘッドアプリケータ設計では、アプリケータの数が最小になるが、アプリケータの位置決めがわずかに複雑である。複数アプリケータ設計よりわずかに低速になる可能性がある。しかし、このシステムは、すべての導体パスウェイをカスタマイズできるので、カスタマイズされた製品を作ることに関して非常に柔軟である。図16の複数アプリケータシステムでは、アプリケータの位置決めが単純になり、単一設計の長い製品ランについて速度が向上する可能性がある。
【0145】
図15および16のアプリケータの移動の代わりに、基板自体をx-y平面で移動して、導体パスウェイの作成を助けることができる。これは、通常は、アプリケータを移動する時より多くのフロアスペースを必要とし、基板がロールの形である場合には複雑になる。
【0146】
図17に、導電パスウェイを堆積するためのアプリケータ2200の横断面を示す。図17は、当業者が様々な修正形態、代替形態、および変形形態を理解するので、本発明を制限することを意図されたものではない。図17の実施形態からわかるように、アプリケータ2200は、基板2100に関して右に移動する。供給ロール2210が、供給ロール2212の対を介して連続した導電ストリップ2211を供給し、供給ロール2212は、コンピュータ制御されて、必要な時だけ連続ストリップ2211を供給する。ストリップ2211は、シュート2213にはいり、カッター2214を超えて進み、カッター2214は、コンピュータ制御され、所望の場合に角度付きのカットをもたらすために任意の角度に回転することができる。ストリップ2211は、順方向に連続し、アプリケータ2200から出、その点で、任意選択の剥離ライナ(release liner)2215を除去し、ローラー2216に巻き付けて、引張巻取ロール2217に巻き取ることができる。
【0147】
第2の任意選択の供給ロール2220が、供給ロール2222の対を介して連続する絶縁ストリップ2221を供給し、供給ロール2222は、コンピュータ制御されて、必要な時だけ絶縁ストリップ2221を供給する。ストリップ2221は、シュート2223に入り、カッター2224を超えて進み、カッター2224は、コンピュータ制御される。ストリップ2221は、前方に連続し、アプリケータ2200から出、その点で、任意選択の剥離ライナ2225を除去し、ローラー2226に巻き付けて、引張巻取ロール2227に巻き取ることができる。
【0148】
加圧装置2230を設けて、ストリップ2211および/または2221を基板2100に押し付ける。加圧装置は、図示のように車輪またはロールとするか、しゅう動部材とするか、往復するクランプ手段とすることができる。加圧装置2230を加熱して、接着剤をストリップ2211または2221と一体化するのを助けるか、下で説明するように外部から供給することができる。加圧装置2230は、パターン付きまたはローレット付きとして、たとえば、ストリップ2211または2221を基板2100に押し付けるのを助けるか、ストリップ2211または2221を基板2100の材料に軽く圧着することさえできる。これによって、少なくともシート供給動作での、接着剤の必要がなくなる。また、ストリップ2211に穴をあけて、ストリップ2211が存在する区域であっても、最終的な積層材内の基板の層の間の樹脂の接着を改善できることが企図されている。
【0149】
穴あけ器2240を設けて、オンデマンドで基板2100に穴をあけて、開口部を作成し、それを介して、導電ストリップ2211への電気接続を行うことができる。穴あけ器2240は、打ち抜き加工中に作られる基板材料のごみを除去するために、内部真空接続を設けられることが好ましい。
【0150】
接着剤ディスペンサ2250を設けて、ストリップ2211または2221を基板に保持するために、針2251を介して接着剤2252を分配する。接着剤は、ホットメルト接着剤(hot melt glue)、ヒートセット接着剤(heat set glue)、またはエポキシなど、高速セット材料(rapid set material)であることが好ましい。この接着剤は、オンデマンドでコンピュータ制御の下で堆積されて、ストリップ2211または2221の下に存在するようになるが、所与の区域でストリップが堆積されない時には堆積されない。使用できる接着剤は、高温で圧縮された時に脱気してはならず、そうでなければ、積層材の完全さが危険にさらされる可能性がある。
【0151】
導電ストリップ2211または絶縁ストリップ2221に、それ自体の接着剤層を設けて、基板2100に貼り付けることもできる。
【0152】
ストリップ2211および2221を基板2100に取り付けるのに使用される接着剤は、導電性接着剤が高価なので、通常は、非導電性である。しかし、いくつかの場所で、導電パスウェイ2300の諸部分を電気的につなぐことが必要になり、これのために、導電性の接着剤または材料が必要になる。わかりやすくするために、一体化された導電性接着剤を有する導電性ストリップ2211を使用すると決定することができるが、これは高価になる。もう1つの解決策は、アプリケータ2200内に、液滴の形2262で針2261を介して塗布される導電性接着剤のため容器2260を設けることである。導電性接着剤の液滴2262を、前のセグメントの上で次のセグメントを開始する直前に、導電パスウェイ2300の前のセグメントの上に塗布することができる。熱および圧力を伴う加圧手段2230の動作によって、2つのセグメントが電気的につながれる。導電性接着剤の液滴2262は、低温で溶ける形または懸濁液(どちらの形も加圧手段2230によって再溶融される)のいずれかの金属ハンダの液滴とすることができる。
【0153】
図18に、図15に示された装置を使用して、単純な長方形の導電パスウェイを置く方法を示す。ステップは、次の通りである。
【0154】
基板2100を、ローラー2110によってx方向で順方向にインデクシングする。
【0155】
X位置決め手段2402およびy位置決め手段2403を使用して、アプリケータ2200を、点「a」および「h」に移動し、ここで、穴あけ器2240が、基板2100に2つの穴をあける。
【0156】
X位置決め手段2402を使用して、アプリケータ2200を点「b」に位置決めする。
【0157】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「b」から「c」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「c」で終わる。導電パスウェイ2300の始めが、点「b」で、「a」にあけられた穴にわずかにオーバーラップすることに留意されたい。
【0158】
X位置決め手段2402を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「c」に移動し、ここで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の終りに置かれる。
【0159】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、クロス方法Yで走るようになる。
【0160】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「c」に置く。
【0161】
Y位置決め手段2403によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「c」から「d」に導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「d」で終わる。
【0162】
Y位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「d」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0163】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、機械方向Xで走るようになる。
【0164】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「d」に置く。
【0165】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「d」から「e」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「e」で終わる。
【0166】
X位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「e」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0167】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、クロス方向Yで走るようになる。
【0168】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「e」に置く。
【0169】
y位置決め手段2403によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「e」から「f」まで導電パスウェイ2300を置く。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「f」で終わる。
【0170】
Y位置決め手段2403を使用して、導電性接着剤アプリケータ2261を点「f」に移動し、そこで、導電性接着剤の液滴2262が、導電パスウェイ2300の新しい終りに置かれる。
【0171】
回転位置決め手段2404が、アプリケータ2200を90°だけ回転し、その結果、アプリケータが、機械方向Xで走るようになる。
【0172】
XおよびYの位置決め手段2402および2403を使用して、アプリケータ2200を点「f」に置く。
【0173】
X位置決め手段2402によって移動されるアプリケータ2200が、内部装置2210から2217を使用して、点「f」から「g」まで導電パスウェイ2300を置く。パスウェイ2300のこの最後の部分は、図18ではまだ完成していない。この動作中に、カッター2214が、正確に決定された瞬間にストリップ2211を切り、その結果、導電パスウェイ2300が、点「g」で終わる。点「g」の導電パスウェイ2300の端が、点「h」にあけられた第2の穴にわずかにオーバーラップすることに留意されたい。
【0174】
ステップ2から20を、導電トレース2300ごとに繰り返して、基板の露出された区域で基板2100に適用する。その後、基板をもう一度順方向にインデクシングして、ステップ1から開始する。
【0175】
フォイルストリップ2211の別々の片を接続することによって導電トレース2300を形成するのではなく、導電トレース2300を、連続するストリップ2211から形成することができる。カッター2214を使用してフォイル2211を各角のセグメントの間で切るのではなく、ストリップ2211を自動的に折り曲げることができる。たとえば、これは、回転位置決め手段2404を90°回転させ、折り曲げられた角を押下げ、その結果、トレース2300が角で平らになるようにすることによって行うことができる。
【0176】
図18Aにその結果を示す。フォルダの角が、最大3つのオーバーラップするフォイルの厚さを有する。図18Bに、フォイルが同時に180°ねじられてテープが裏返される場合の結果を示す(これは、図示されない別の位置決め手段を必要とする、テープを裏返すことは、テープが接着剤コーティングを有する場合に望ましくない可能性がある。というのは、接着剤が、基板と反対側に向くからである)。フォルダの角は、最大2つのオーバーラップするフォイルの厚さを有する。
【0177】
図19に、置かれる導電トレース2300が前の導電トレースにオーバーラップする実施形態を示す。
【0178】
第2の導電トレース2300のオーバーラップするセグメントを置く前に、非導電性フィルムのストリップ「I」および「J」が、アプリケータ2200を使用して、第1トレースの上に置かれる。この絶縁ストリップ「I」および「J」によって、導電トレース2300によって形成される別々の導体ループの間の電気的接触が防がれる。類似する形で、「交差」回路を置くことができる。
【0179】
シートであれウェブの形であれ、導電トレース2300を伴う基板2100を、棚、パネル、囲い、スペース、または他の形で使用できる積層構造に組み込めることが予期されている。そのような積層構造の例を、図20に示す。基板2100は、紙またはボール紙の材料とすることができるが、たとえば樹脂に浸された飽和クラフトボール紙など、類似するまたは異なる材料の追加のプライ2600および2601と接合し、熱および圧力の下で積層材2610に形成することができる。通常、基板2100と反対の第1面の外側の1つまたは複数のプライ2601は、結果の製品の「外面」用の装飾材料になる。外側の基板層2100の方位に応じて、この積層材2610に、その第2面またはその面の内側に、既に説明した導電トレース2300が含まれる。積層材2610を、木、プラスティック、パーティクルボード、段ボール、Westvaco社のCore-board、または類似物から作られる板など、より重い支持部材2620に接着することができる。導電トレース2300に近い積層材2610の表面は、支持部材2620に接着されることが好ましい。したがって、積層材2610の厚さによって、積層材2610および支持部材2620から形成される結果の組み合わされた構造2630の使用中の擦過から導電トレース2300が保護される。
【0180】
導電性または金属のバックプレーン2625を、任意選択として棚の底面につけて、RFエネルギーが棚の下に進むのを阻止することができ、したがって、棚が、金属ブラケットによって支持され、または既存の金属の棚に置かれるか否かに無関係に、ほぼ同一のRF挙動と共に動作するようにすることができる。
【0181】
図21に、支持部材2620を積層材2610に接着する前に、支持部材2620の内側に、導電トレース2300を直接に露出することによるか、既に説明した穴を介してのいずれかで、導電トレース2300と通信する1つまたは複数の電子回路を配置することが、どれほど好ましいかを示す。電子回路を受け入れるために、凹窩を、支持部材2620の表面にフライス加工することができる。数値制御式フライスヘッド2700を、設計において導電トレース2300を置くための図15に示されたシステムと同様な位置決めシステムで使用することができ、凹窩の位置および深さを制御する、同一のまたは類似するコンピュータシステムによって動作させることができる。たとえば、支持部材2620の縁に、外部コネクタ2632を収める凹窩2631が示されている。支持部材2620内に、スイッチングおよび同調回路などの電子回路2634を含む凹窩2633が示されている。支持部材2620の両端をつないで、回路構成要素を接続するワイヤまたはケーブルを含む凹窩2635が示されている。電子回路2634に、ばね押上式のコイル2637または指2638を組み込んで、支持部材2620に取り付けられる積層材2610の一部である基板2100上の導電トレース2300と接触させることができる。前記電気接触は、圧力によるか、導電接着剤またはペーストによるか、積層工程中に溶かされるハンダによるものとすることができる。フライスヘッド2700を使用して、回路2634内のトリムキャパシタを調整するための小さいねじ回しなどの同調工具のアクセス用の溝2639を作ることができる。
【0182】
回路2634内の同調構成要素、たとえば回転式トリムキャパシタ(図示せず)は、製造後にアクセスを必要とする場合があり、これは、図20の積層材2610を通ってドリル加工される穴2611または図20および21の支持部材2620を通ってドリル加工される穴2612などの開口を介して提供することができる。
【0183】
図3Aおよび3Bは、本発明によるインテリジェント棚を使用する在庫制御システムの好ましい実施形態を示すブロック図である。図3Aからわかるように、本発明に従って提供される複数のインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nはそれぞれ、単一の伝送ケーブル222を介してリーダーユニット120に接続された複数のアンテナ200を有する。リーダーユニット120は、順次または位相差付きで同時にのいずれかで、接続されたアンテナ200の活動化を制御して、在庫目録を作成されるそれぞれの品目に関連するRFIDタグからの品目情報を判定する。したがって、リーダーユニット120は、それぞれの棚に保管されたRFIDタグ付けされた品目ごとに在庫関連情報を抽出することができる。図を単純にするために、図3Aには、2グループの棚だけが示され、各グループが、それ自体のリーダーユニットを有し、グループは、それぞれ501aから501nおよび502aから502nである。しかし、当業者は、棚のそのような多数のグループを、本発明によって提供される在庫管理システムの一部にすることができることを理解するであろう。たとえば、1つまたは複数の倉庫のすべての棚を、グループ化して、本発明によって提供される在庫制御システムを一緒に形成することができる棚の数百個または数千個のグループを提供することができる。
【0184】
在庫制御のシステムおよび方法の好ましい実施形態で、図6の実施形態に対応する単一の伝送ケーブル222を有する複数アンテナRFID検出システムが使用されたが、本明細書で開示される複数アンテナRFIDシステムの他のすべての実施形態も、本発明による在庫制御のシステムおよび方法と共に使用できることを理解されたい。したがって、たとえば、図7および8に開示されたRFID検出システムを、本発明の在庫制御のシステムおよび方法と共に使用することもできる。そのような実施形態では、たとえば、変調されたRFシステムを使用してRFIDタグから在庫関連データを抽出する前に、まず変調されないRFシステムを使用して、タグをウォームアップすることができる。
【0185】
図3Aからわかるように、インテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nのそれぞれからリーダーユニット120によって収集される品目情報データは、在庫制御処理ユニット550に送られる。在庫制御処理ユニット550は、通常は、インテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nから品目情報を受け取るように構成される。在庫制御処理ユニット550が、通常は、電子ネットワーク525を介してインテリジェント棚に接続され、適当なデータストア555にも関連し、データストア555には、参照テーブルを含む在庫関連データと、在庫制御またはウェアハウジングに関するプログラムコードおよび構成情報も保管される。在庫制御処理ユニット550は、当業者に周知の在庫制御機能を実行するようにもプログラムされ、構成される。たとえば、在庫制御(またはウェアハウジング)ユニットによって実行される機能の一部に、手持ちの在庫目録を作成される品目の量の記憶および追跡、様々な品目の日次の移動または販売、様々な品目の位置または場所の追跡などが含まれる。
【0186】
動作時に、在庫制御システムは、電子ネットワーク525を介して在庫制御処理ユニット550に接続されたインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nからの品目情報を判定する。一実施形態では、様々なインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nが、在庫制御処理ユニット550の制御下にあり、この在庫制御処理ユニット550は、リーダーユニット120がアンテナ200をポーリングする時を決定して、在庫目録を作成される品目の品目情報を判定する。代替実施形態では、リーダーユニット120が、品目情報について、接続された複数のアンテナを周期的にポーリングするようにプログラムされ、その後、データ伝送の逆の「プッシュ」モデルを使用して、判定された品目情報を在庫制御処理ユニットに送ることができる。もう1つの実施形態では、リーダーユニット120による品目情報のポーリングおよびデータ伝送を、イベント駆動とし、たとえば、インテリジェント棚での在庫目録を作成される品目の周期的補充によってトリガすることができる。どの場合でも、リーダーユニット120は、それに接続された複数のアンテナに選択的にエネルギーを与えて、在庫目録を作成される品目に関連するRFIDタグからの品目情報を判定する。
【0187】
品目情報が、本発明のインテリジェント棚501aから501nおよび502aから502nのリーダーユニット120から受け取られたならば、在庫制御処理ユニット550は、在庫制御処理ユニット550および関連するデータストア555にあるプログラムされたロジック、コード、およびデータを使用して、受け取った品目情報を処理する。処理された品目情報は、通常は、本発明の在庫制御のシステムおよび方法での将来の使用のために、データストア555に保管される。
【0188】
当業者は、在庫制御処理ユニット550を、コンピュータネットワークなどの電子ネットワーク525に接続された汎用コンピュータシステムで実施できることを理解するであろう。コンピュータネットワークは、インターネットまたはメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などの公衆ネットワーク、あるいは、企業のローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)などの他の私有ネットワーク、あるいは仮想プライベートネットワークとすることもできる。コンピュータシステムには、システムメモリに接続された中央処理ユニット(CPU)が含まれる。システムメモリには、通常は、オペレーティングシステム、BIOSドライバ、およびアプリケーションプログラムが含まれる。さらに、コンピュータシステムに、マウスおよびキーボードなどの入力装置と、プリンタおよびディスプレイモニタなどの出力装置が含まれる。
【0189】
コンピュータシステムには、一般に、電子ネットワーク525と通信する、イーサネット(登録商標)カードなどの通信インターフェースが含まれる。他のコンピュータシステムも、電子ネットワーク525に接続することができる。当業者は、上記のシステムが、電子ネットワークに接続されたコンピュータシステムの普通の構成要素を記述したものであることを理解するであろう。多数の他の類似する構成が、当業者の能力の範囲内にあり、これらの構成のすべてを、本発明の方法およびシステムと共に使用できることを理解されたい。さらに、本明細書で開示されたコンピュータシステムおよびネットワークを、在庫制御処理ユニットとしてプログラムし、構成して、当業者に周知の在庫制御関連機能を実行できることを理解されたい。
【0190】
さらに、当業者は、本明細書に記載の「コンピュータ」実施される発明に、本質的にコンピュータでない構成要素を含めることができるが、また、インターネットアプライアンスおよびプログラマブルロジックコントローラ(PLC)など、本明細書に記載の機能の1つまたは複数を提供するのに使用できる装置を含めることができることを理解するであろう。さらに、「電子」ネットワークが、本発明の処理サイトを接続する通信ネットワークを指すのに全般的に使用されたが、当業者は、そのようなネットワークを、光または他の同等の技術を使用して実施できることを理解するであろう。同様に、本発明で、電子データをネットワークを介して伝送するのに既知のセキュリティ手段が使用されることも理解されたい。したがって、暗号化、認証、検証、および、公衆ネットワークと私有ネットワークの両方を介する電子データの伝送の他のセキュリティ手段が、必要な場合に、当業者に周知の技法を使用して提供される。
【0191】
本発明の他の実施形態は、本明細書で開示された発明の仕様の検討および実践から、当業者に明白になる。本明細書は、例示とのみとして意図され、本発明の真の範囲および趣旨は、請求項によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0192】
【図1】従来技術のRFIDシステムの基礎を示すブロック図である。
【図2】リーダーユニットに接続された複数のアンテナを用いる従来技術のRFIDシステムを示すブロック図である。
【図3A】本発明によるインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムの実施形態を示すブロック図である。
【図3B】本発明によるインテリジェント棚を使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3C】本発明による在庫制御システムの制御ユニットによって実行される処理を示す流れ図である。
【図3D】本発明による在庫制御システムの制御ユニットによって実行される処理を示す流れ図である。
【図3E】並列-直列構成でインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3F】もう1つの並列-直列構成でインテリジェントステーションを使用する在庫制御システムのもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図3G】並列-直列構成で使用されるTスイッチを示すブロック図である。
【図3H】並列-直列構成で使用されるインラインスイッチを示すブロック図である。
【図3I】1つのケーブルでRF通信およびデジタル通信を搬送する例示的方法を示すブロック図である。
【図3J】選択されたアンテナを過ぎて延びるRFケーブルの望ましくない影響を最小にするのにスイッチを使用する方法を示すブロック図である。
【図4A】リーダーユニットに接続された複数のアンテナを有するRFIDシステムを示す、本発明の一実施形態を示すブロック図である。
【図4B】論理スイッチを示す概略図である。
【図5】複数のアンテナを有する、本発明の代替実施形態を示すブロック図である。
【図6】複数のアンテナを有する、本発明の代替実施形態を示すブロック図である。
【図7】2つの別々の伝送ケーブルが、複数のアンテナに変調されたRF信号および変調されないRF信号を伝送する、本発明のもう1つの実施形態を示すブロック図である。
【図8】変調されたRFシステムおよび変調されないRFシステムが、同一のアンテナループを使用する、代替実施形態を示すブロック図である。
【図9A】図8に開示された実施形態と共に使用することができる例示的スイッチの概略図である。
【図9B】図8に開示された実施形態と共に使用することができるもう1つの例示的スイッチの概略図である。
【図10A】本発明の様々な実施形態と共に使用することができるPINダイオードを使用するスイッチの回路図である。
【図10B】アンテナを「離調(detune)」できる方法を示す回路図である。
【図10C】アンテナを離調できるもう1つの方法を示す回路図である。
【図10D】アンテナを離調できるもう1つの方法を示す回路図である。
【図11A】棚でのリーダーアンテナの様々なレイアウトを示す図である。
【図11B】棚の中でのタグの使用を示す図である。
【図12】ワイヤアンテナを作る1つの方法を示す図である。
【図12A】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図12B】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図12C】基板上でワイヤの端を固定する代替の形を示す図である。
【図13】ワイヤアンテナを作る代替の方法を示す図である。
【図13A】様々な代替ワイヤアンテナ形状を示す図である。
【図14】ワイヤアンテナを作るもう1つの方法を示す図である。
【図15】フォイルアンテナを形成するためにウェブまたは平面の基板にフォイルテープリボンを適用する装置および方法を示す図である。
【図16】フォイルアンテナを形成するために基板に導電パスウェイを堆積するもう1つの方法を示す図である。
【図17】導電パスウェイを堆積するためのアプリケータ(applicator)2200の横断面を示す図である。
【図18】図15に示された装置を使用して、単純な長方形の導電パスウェイを置く方法を示す図である。
【図18A】折り曲げられたフォイルストリップを示す図である。
【図18B】折り曲げられたフォイルストリップを示す図である。
【図19】置かれる導電トレース2300が前の導電トレースにオーバーラップする実施形態を示す図である。
【図20】フォイルストリップアンテナを含む積層構造を示す図である。
【図21】基板内の開口を形成するためのフライス盤の使用を示す図である。
【符号の説明】
【0193】
120 リーダーユニット
124 制御ユニット
200 リーダーアンテナ
221 デジタル通信ケーブル
222 RF伝送ケーブル
501n 棚システム
502n 棚システム
525 電子ネットワーク
526 コネクタ
550 在庫制御処理ユニット
555 データストア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグを検出するためのシステムであって、
第1インテリジェントステーションを備え、
前記第1インテリジェントステーションは、
RF信号を送信または受信するリーダーユニットと、
第1スイッチを介して第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、
少なくとも第2スイッチを介して前記第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに接続された少なくとも第2RFアンテナとを備え、
前記第2スイッチは前記第1伝送ケーブルを介して前記第1スイッチと直列に接続され、
前記第1スイッチと前記少なくとも第2スイッチは制御信号を受信する;
システム。
【請求項2】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナの少なくとも1又は2以上と関連する1又は2以上の受動アンテナをさらに備え、前記受動アンテナは、前記関連するRFアンテナが給電されたときに前記関連するRFアンテナによって誘導結合を通じて給電される;
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1インテリジェントステーションは、補充RFIDタグまたは押しボタンまたはキー入力シーケンスの存在を検知し、棚が完全に補充されていることを警告し、現在の在庫レベルが満杯または他ゲットレベルであることを示すデータベースにメッセージを送る;
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記第1伝送ケーブルは、前記RF信号以外の重畳されたデータを含む信号を搬送する;
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記第1伝送ケーブルは、データ及び制御通信のために使用されるDCオフセット電圧を含む変調されたDC信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記第1伝送ケーブルは、データ及び制御通信のためのDCオフセット電圧を含まない変調されたDC信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記第1伝送ケーブルは、前記RF信号の周波数とは異なる周波数でデータ又は制御信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項8】
前記第1スイッチ及び少なくとも第2スイッチは、共通制御チャネルを介して制御信号を受信する;
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記RFIDタグは、能動タグ、セミ能動タグ、受動タグ、低周波数タグ、高周波数タグ、および超高周波数タグから成るグループの中の1又は2以上を備える;
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記制御信号は、スイッチ制御命令、スイッチ制御問い合わせ命令、センサ制御命令、センサデータ信号、周辺デバイス制御命令、周辺デバイスデータ信号、コントローラ通信、補助コントローラ通信からなるグループの中の1又は2以上を備える;
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記インテリジェントステーションは、タグまたはプッシュボタンまたはキー入力シーケンスの存在を検出し、棚が完全に満杯になったことを前記インテリジェントステーションに警告し、現在の在庫レベルが満杯またはターゲットレベルであることを示すメッセージをデータベースに送る;
請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記インテリジェントステーションは、所望の品目が在庫切れ状態である棚に配置された顧客RFIDタグの存在を検出し、
前記顧客RFIDタグの検出は、顧客に前記状態を警報すること、取り寄せ約束券(rain check)を生成すること、その後に在庫状態になったときに前記品目の値引きをすること、そして前記品目についての情報を提供することからなるグループの中から選択された1又は2以上のアクションをもたらす;
請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記情報は、ストックルームにあること、別な店にあること、注文に関することからなるグループの中から選択される;
請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記RFアンテナが指定される順番を決定するためにポーリングスキームが利用される;
請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチのそれぞれは独自にアドレス可能である;
請求項1記載のシステム。
【請求項16】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナのそれぞれは独自にアドレス可能である;
請求項1記載のシステム。
【請求項17】
前記第1RFアンテナ又は前記少なくとも第2RFアンテナからのフィードバック情報に基づき可変同調コンポーネントの電子的調整を自動的に実施する同調調整システムを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項18】
前記第1伝送ケーブルはRFケーブルからなり、前記RFケーブルとインテリジェントステーションとの間に、RF信号を前記インテリジェントステーションに入力することを可能とし、または、RF信号が前記インテリジェントステーションに入力されることを阻止するためのバイパススイッチを設けた;
請求項1記載のシステム。
【請求項19】
インラインスイッチを更に備え、
前記第1伝送ケーブルはRFケーブルからなり、
前記インラインスイッチは、前記RF信号がインテリジェントステーションを通り越して前記RFケーブルを伝送し続けることを可能とし、または、前記RF信号が前記RFケーブルを伝送し続けることを阻止するように構成された;
請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナは、選択スイッチとそれぞれ関連し、且つ直列に接続された;
請求項1記載のシステム。
【請求項21】
コントローラを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラは前記リーダーユニットを制御する;
請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記コントローラは、前記システムの内部に備えられたアンテナの数を判定する;
請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラユニットは、前記第1スイッチ及び少なくとも第2スイッチに動作可能なように接続され、前記コントローラユニットは、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを選択的に作動させる制御信号を生成する;
請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラユニットからの信号は、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを順に作動させる分散副コントロールユニットにルーティングされる;
請求項22記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラユニットから分散副コントロールユニットへの信号は、どのスイッチが選択されるかを決定するためのアドレス情報を含む;
請求項43記載のシステム。
【請求項27】
データストアと、
前記データストアに接続され、在庫目録が作成される品目に関する在庫情報を更新するために前記インテリジェントステーションから品目情報を受信する在庫制御処理ユニットとを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項28】
前記インテリジェントステーションは、バーコードをスキャンするためのバーコードスキャナを更に備え、前記RFIDタグからの品目情報と関連づけられて格納されるバーコード化された品目情報を提供する;
請求項27記載のシステム。
【請求項29】
通信チャネルに接続されたコントロールユニットを更に備え、
前記コントロールユニットは、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを選択的に作動させるための制御信号を生成し、
前記コントロールユニットは、少なくともアンテナ以外の周辺装置を制御することができる;
請求項1記載のシステム。
【請求項30】
前記周辺装置は、コンピュータ端末、表示装置、モデム、オーディオ出力装置、バーコードリーダー、温度センサ、棚端の価格ラベル、キーパッド、囲まれたまたはつながれた商品のためのロック装置からなるグループの中から選択される;
請求項29記載のシステム。
【請求項31】
当該システムは、ポーリングスキームに従って各RFアンテナに問い合わせる;
請求項29記載のシステム。
【請求項32】
前記周辺装置は、近接センサを備えた;
請求項29記載のシステム。
【請求項33】
前記近接センサは、アンテナの選択を制御するために使用される;
請求項32記載のシステム。
【請求項34】
前記棚ユニットの読み出し周波数は、前記近接センサからのフィードバックに基づき増加する;
請求項32記載のシステム。
【請求項35】
前記ポーリングスキームは、近接センサの測定値に応じて変えられる;
請求項32記載のシステム。
【請求項36】
前記インテリジェントステーションは、人間または物体の動き又は存在を検出する前記近接センサに応答して動作を実施する;
請求項32記載のシステム。
【請求項37】
前記動作は、品目情報を判定すること、および補助ディスプレイを活動化することからなるグループの中から選択される;
請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記周辺装置は、ユーザがプッシュボタン又はキー入力シーケンスを入力することを可能とする;
請求項29載のシステム。
【請求項39】
前記周辺装置は、顧客を所望の品目に方向づけるために活動化される棚に関する可視インジケータまたは可聴インジケータを備える;
請求項29記載のシステム。
【請求項40】
問い合わせがなされない少なくとも一つのアンテナの前記同調は変更され、この変更は、問い合わせがなされていない前記少なくとも一つのアンテナが、前記RF信号の周波数で実質的に非共振であることをもたらす;
請求項1記載のシステム。
【請求項41】
当該システムは、前記RFアンテナが互いに近傍にあるかどうかを自動的に判定する;
請求項1記載のシステム。
【請求項42】
当該システムは、前記少なくとも2つのRFアンテナの何れが互いに近傍にあるかを自動的に判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項43】
自己テストRFIDタグは、前記少なくとも2つのRFIDアンテナの範囲内に配置され、
当該システムは、近傍のRFアンテナ内の前記自己テストRFIDタグを検出し、且つ、当該システムは、どのRFアンテナが近傍にあるかを判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項44】
当該システムは、1つのRFアンテナよりも多くのアンテナによって読み取られたRFIDタグを検出することにより、どのRFアンテナが互いに近傍にあるかを判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項45】
前記アンテナに供給されるRF電力は、近傍のアンテナに関する前記RFIDタグを読み取る機会を増やすために、通常の動作レベルを超えて増加される;
請求項44記載のシステム。
【請求項46】
どのRFアンテナが近傍にあるかを判定するために、各アンテナの位置に関するGPS情報が使用される;
請求項41記載のシステム。
【請求項47】
環境センサを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項48】
メモリを更に備え、
前記少なくとも第2RFアンテナは、前記少なくとも第2スイッチを通じて前記第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに更にそれぞれ接続され、
当該システムは、前記環境センサからのセンサデータをメモリに記憶させ、且つ、
当該システムは、前記インテリジェントステーションに関するRFIDタグを前記メモリに記憶させる;
請求項47記載のシステム。
【請求項49】
前記環境センサは、温度センサ、湿度センサ、光センサ、重量センサからなるグループの中から選択されるセンサを備える;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【請求項50】
問い合わせ期間において前記インテリジェントステーションに配置された前記RFIDタグで環境条件が記憶される;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【請求項51】
前記システムは、環境条件が、インテリジェントステーションに配置された特定商品についての特定の制限を逸脱した場合に警告を発する;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【請求項1】
RFIDタグを検出するためのシステムであって、
第1インテリジェントステーションを備え、
前記第1インテリジェントステーションは、
RF信号を送信または受信するリーダーユニットと、
第1スイッチを介して第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに接続された第1RFアンテナと、
少なくとも第2スイッチを介して前記第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに接続された少なくとも第2RFアンテナとを備え、
前記第2スイッチは前記第1伝送ケーブルを介して前記第1スイッチと直列に接続され、
前記第1スイッチと前記少なくとも第2スイッチは制御信号を受信する;
システム。
【請求項2】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナの少なくとも1又は2以上と関連する1又は2以上の受動アンテナをさらに備え、前記受動アンテナは、前記関連するRFアンテナが給電されたときに前記関連するRFアンテナによって誘導結合を通じて給電される;
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1インテリジェントステーションは、補充RFIDタグまたは押しボタンまたはキー入力シーケンスの存在を検知し、棚が完全に補充されていることを警告し、現在の在庫レベルが満杯または他ゲットレベルであることを示すデータベースにメッセージを送る;
請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記第1伝送ケーブルは、前記RF信号以外の重畳されたデータを含む信号を搬送する;
請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記第1伝送ケーブルは、データ及び制御通信のために使用されるDCオフセット電圧を含む変調されたDC信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記第1伝送ケーブルは、データ及び制御通信のためのDCオフセット電圧を含まない変調されたDC信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記第1伝送ケーブルは、前記RF信号の周波数とは異なる周波数でデータ又は制御信号を搬送する;
請求項4記載のシステム。
【請求項8】
前記第1スイッチ及び少なくとも第2スイッチは、共通制御チャネルを介して制御信号を受信する;
請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記RFIDタグは、能動タグ、セミ能動タグ、受動タグ、低周波数タグ、高周波数タグ、および超高周波数タグから成るグループの中の1又は2以上を備える;
請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記制御信号は、スイッチ制御命令、スイッチ制御問い合わせ命令、センサ制御命令、センサデータ信号、周辺デバイス制御命令、周辺デバイスデータ信号、コントローラ通信、補助コントローラ通信からなるグループの中の1又は2以上を備える;
請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記インテリジェントステーションは、タグまたはプッシュボタンまたはキー入力シーケンスの存在を検出し、棚が完全に満杯になったことを前記インテリジェントステーションに警告し、現在の在庫レベルが満杯またはターゲットレベルであることを示すメッセージをデータベースに送る;
請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記インテリジェントステーションは、所望の品目が在庫切れ状態である棚に配置された顧客RFIDタグの存在を検出し、
前記顧客RFIDタグの検出は、顧客に前記状態を警報すること、取り寄せ約束券(rain check)を生成すること、その後に在庫状態になったときに前記品目の値引きをすること、そして前記品目についての情報を提供することからなるグループの中から選択された1又は2以上のアクションをもたらす;
請求項1記載のシステム。
【請求項13】
前記情報は、ストックルームにあること、別な店にあること、注文に関することからなるグループの中から選択される;
請求項1記載のシステム。
【請求項14】
前記RFアンテナが指定される順番を決定するためにポーリングスキームが利用される;
請求項1記載のシステム。
【請求項15】
前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチのそれぞれは独自にアドレス可能である;
請求項1記載のシステム。
【請求項16】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナのそれぞれは独自にアドレス可能である;
請求項1記載のシステム。
【請求項17】
前記第1RFアンテナ又は前記少なくとも第2RFアンテナからのフィードバック情報に基づき可変同調コンポーネントの電子的調整を自動的に実施する同調調整システムを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項18】
前記第1伝送ケーブルはRFケーブルからなり、前記RFケーブルとインテリジェントステーションとの間に、RF信号を前記インテリジェントステーションに入力することを可能とし、または、RF信号が前記インテリジェントステーションに入力されることを阻止するためのバイパススイッチを設けた;
請求項1記載のシステム。
【請求項19】
インラインスイッチを更に備え、
前記第1伝送ケーブルはRFケーブルからなり、
前記インラインスイッチは、前記RF信号がインテリジェントステーションを通り越して前記RFケーブルを伝送し続けることを可能とし、または、前記RF信号が前記RFケーブルを伝送し続けることを阻止するように構成された;
請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記第1RFアンテナ及び前記少なくとも第2RFアンテナは、選択スイッチとそれぞれ関連し、且つ直列に接続された;
請求項1記載のシステム。
【請求項21】
コントローラを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラは前記リーダーユニットを制御する;
請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記コントローラは、前記システムの内部に備えられたアンテナの数を判定する;
請求項22記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラユニットは、前記第1スイッチ及び少なくとも第2スイッチに動作可能なように接続され、前記コントローラユニットは、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを選択的に作動させる制御信号を生成する;
請求項22記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラユニットからの信号は、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを順に作動させる分散副コントロールユニットにルーティングされる;
請求項22記載のシステム。
【請求項26】
前記コントローラユニットから分散副コントロールユニットへの信号は、どのスイッチが選択されるかを決定するためのアドレス情報を含む;
請求項43記載のシステム。
【請求項27】
データストアと、
前記データストアに接続され、在庫目録が作成される品目に関する在庫情報を更新するために前記インテリジェントステーションから品目情報を受信する在庫制御処理ユニットとを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項28】
前記インテリジェントステーションは、バーコードをスキャンするためのバーコードスキャナを更に備え、前記RFIDタグからの品目情報と関連づけられて格納されるバーコード化された品目情報を提供する;
請求項27記載のシステム。
【請求項29】
通信チャネルに接続されたコントロールユニットを更に備え、
前記コントロールユニットは、前記第1スイッチ及び前記少なくとも第2スイッチを選択的に作動させるための制御信号を生成し、
前記コントロールユニットは、少なくともアンテナ以外の周辺装置を制御することができる;
請求項1記載のシステム。
【請求項30】
前記周辺装置は、コンピュータ端末、表示装置、モデム、オーディオ出力装置、バーコードリーダー、温度センサ、棚端の価格ラベル、キーパッド、囲まれたまたはつながれた商品のためのロック装置からなるグループの中から選択される;
請求項29記載のシステム。
【請求項31】
当該システムは、ポーリングスキームに従って各RFアンテナに問い合わせる;
請求項29記載のシステム。
【請求項32】
前記周辺装置は、近接センサを備えた;
請求項29記載のシステム。
【請求項33】
前記近接センサは、アンテナの選択を制御するために使用される;
請求項32記載のシステム。
【請求項34】
前記棚ユニットの読み出し周波数は、前記近接センサからのフィードバックに基づき増加する;
請求項32記載のシステム。
【請求項35】
前記ポーリングスキームは、近接センサの測定値に応じて変えられる;
請求項32記載のシステム。
【請求項36】
前記インテリジェントステーションは、人間または物体の動き又は存在を検出する前記近接センサに応答して動作を実施する;
請求項32記載のシステム。
【請求項37】
前記動作は、品目情報を判定すること、および補助ディスプレイを活動化することからなるグループの中から選択される;
請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記周辺装置は、ユーザがプッシュボタン又はキー入力シーケンスを入力することを可能とする;
請求項29載のシステム。
【請求項39】
前記周辺装置は、顧客を所望の品目に方向づけるために活動化される棚に関する可視インジケータまたは可聴インジケータを備える;
請求項29記載のシステム。
【請求項40】
問い合わせがなされない少なくとも一つのアンテナの前記同調は変更され、この変更は、問い合わせがなされていない前記少なくとも一つのアンテナが、前記RF信号の周波数で実質的に非共振であることをもたらす;
請求項1記載のシステム。
【請求項41】
当該システムは、前記RFアンテナが互いに近傍にあるかどうかを自動的に判定する;
請求項1記載のシステム。
【請求項42】
当該システムは、前記少なくとも2つのRFアンテナの何れが互いに近傍にあるかを自動的に判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項43】
自己テストRFIDタグは、前記少なくとも2つのRFIDアンテナの範囲内に配置され、
当該システムは、近傍のRFアンテナ内の前記自己テストRFIDタグを検出し、且つ、当該システムは、どのRFアンテナが近傍にあるかを判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項44】
当該システムは、1つのRFアンテナよりも多くのアンテナによって読み取られたRFIDタグを検出することにより、どのRFアンテナが互いに近傍にあるかを判定する;
請求項41記載のシステム。
【請求項45】
前記アンテナに供給されるRF電力は、近傍のアンテナに関する前記RFIDタグを読み取る機会を増やすために、通常の動作レベルを超えて増加される;
請求項44記載のシステム。
【請求項46】
どのRFアンテナが近傍にあるかを判定するために、各アンテナの位置に関するGPS情報が使用される;
請求項41記載のシステム。
【請求項47】
環境センサを更に備えた;
請求項1記載のシステム。
【請求項48】
メモリを更に備え、
前記少なくとも第2RFアンテナは、前記少なくとも第2スイッチを通じて前記第1伝送ケーブルにより前記リーダーユニットに更にそれぞれ接続され、
当該システムは、前記環境センサからのセンサデータをメモリに記憶させ、且つ、
当該システムは、前記インテリジェントステーションに関するRFIDタグを前記メモリに記憶させる;
請求項47記載のシステム。
【請求項49】
前記環境センサは、温度センサ、湿度センサ、光センサ、重量センサからなるグループの中から選択されるセンサを備える;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【請求項50】
問い合わせ期間において前記インテリジェントステーションに配置された前記RFIDタグで環境条件が記憶される;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【請求項51】
前記システムは、環境条件が、インテリジェントステーションに配置された特定商品についての特定の制限を逸脱した場合に警告を発する;
請求項47または48の何れか1項記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−56772(P2013−56772A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−233780(P2012−233780)
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【分割の表示】特願2007−271756(P2007−271756)の分割
【原出願日】平成15年1月9日(2003.1.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(510024514)センサーマティック・エレクトロニクス・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月23日(2012.10.23)
【分割の表示】特願2007−271756(P2007−271756)の分割
【原出願日】平成15年1月9日(2003.1.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(510024514)センサーマティック・エレクトロニクス・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】
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