説明

車両用主電動機の固定子の通風構造

【課題】固定子鉄心と冷却器を接触させ、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散させ、主電動機全体の小型化を実現する。
【解決手段】固定子鉄心の外径側に軸方向に溝を設け、固定子枠のその溝と対向する部分に開口部を設け、冷却器に設けられたフィンは固定子枠の開口部から機外に向けられ、冷却器は固定子鉄心と固定子枠とに挟まれている。主電動機全体を小型化し、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の台車内に据え付けられている主電動機の固定子の通風構造の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
主電動機の運転を続けると主電動機の内部が発熱するため、冷却経路が必要となるが、全閉内扇方式の場合は、機内の冷却風の温度低減のために、固定子枠の外側に冷却器を設ける場合が多い。
【0003】
前記の場合、冷却器を固定子枠の外側に設けるため、主電動機全体が大きくなったり、固定子枠を直接冷却するための冷却フィンを固定子枠に設ける必要があった。また、固定子鉄心と冷却器が離れて設置されているため、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散することに対して問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−205758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、冷却器の配置を変更することにより、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散させることができ、小型化を図った主電動機を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、固定子鉄心の外径側に軸方向に溝を設け,前記溝と対向する固定子枠の部分に開口部を設け,前記固定子枠の開口部に機外方向に向けられたフィンを有する冷却器を設け,前記冷却器は前記固定子鉄心と前記固定子枠とに挟まれていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の通風構造は、主電動機全体を小型化し、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。(実施例1)
【図2】従来の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例を示す断面図である。(実施例1)
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1、図2、図3にしたがって実施例等を説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例を示す断面図であって、1は固定子枠、2は固定子鉄心、3は冷却器、4は通風穴、5は固定子鉄心抑え、6はファンである。
【0011】
図2は、従来の一例を示す断面図であって、11は固定子枠、12は固定子鉄心、13は冷却器、14は通風穴、15は固定子鉄心抑え、16はファン、17は冷却器の入気口、18は冷却器の排気口である。
【0012】
図3は、本発明の実施例を示す断面図であって、符号は図1と同様である。冷却器3の一部分は固定子枠1と固定子鉄心2に挟まれている。
【0013】
冷却器3と固定子鉄心2に設けられた溝により、通風穴4が構成されている。通風穴4は固定子鉄心2の任意の位置に1箇所または複数箇所設けることができる。通風穴4は固定子鉄心抑え5を貫通している。
【0014】
図3の冷却器3の通風穴側において、断面上平面に記載してあるが、この面に通風方向に平行する凹凸を設け、通風時に固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく冷却器を通じて冷却されることは言うまでもないことである。
【産業上の利用可能性】
【0015】
固定子鉄心と冷却器を接触させ、固定子鉄心に蓄積された熱を効率よく機外へ放散させ、主電動機全体を小型化を実現するとともに、部品点数や嵌合部を削減させ、組立性の向上を図った主電動機を提供する。
【符号の説明】
【0016】
1 固定子枠
2 固定子鉄心
3 冷却器
4 通風穴
5 固定子鉄心抑え
6 ファン
11 固定子枠
12 固定子鉄心
13 冷却器
14 通風穴
15 固定子鉄心抑え
16 ファン
17 冷却器の入気口
18 冷却器の排気口


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の台車内に据え付けられている主電動機の固定子の通風構造において、固定子鉄心の外径側に軸方向に溝を設け、該溝と対向する固定子枠の部分に開口部を設け、該固定子枠の開口部に機外方向に向けられたフィンを有する冷却器を設け、該冷却器は前記固定子鉄心と前記固定子枠とに挟まれていることを特徴とする車両用主電動機の固定子の通風構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−16211(P2012−16211A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151944(P2010−151944)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【Fターム(参考)】