説明

車両用前照灯

【課題】光軸調整機構により光軸調整されるリフレクタの軽量化を図ること。
【解決手段】この発明は、ランプハウジング2およびランプレンズ3と、光源4と、リフレクタ5と、取付ブラケット6と、光軸調整機構7、8、20と、を備える。取付ブラケット6は、光源4を保持する保持部14と、光軸調整機構7、8、20が取り付けられている取付部15と、保持部14と取付部15とを連結する連結部16と、から構成されている。この結果、この発明は、光軸調整機構7、8、20により光軸調整されるリフレクタ5の軽量化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光軸調整機構を備える車両用前照灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。従来の車両用前照灯は、ランプボディおよび前面レンズにより灯室空間を形成し、その灯室空間内にリフレクターに光源を装着一体化した光源ユニットをエイミング機構により傾動可能に支持するものであって、リフレクターにブラケットを固着し、ブラケットにスクリュー支持ナットを挿着し、そのナットにエイミングスクリューを螺合してなるものである。
【0003】
かかる車両用前照灯においては、エイミング機構(光軸調整機構)によりエイミング調整(光軸調整)される光源ユニット(リフレクタ)の軽量化を図ることが重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−16405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、エイミング機構(光軸調整機構)によりエイミング調整(光軸調整)される光源ユニット(リフレクタ)の軽量化を図ることが重要である、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、灯室を画成するランプハウジングおよびランプレンズと、その灯室内に配置されている光源と、灯室内に配置されていて光源からの光をランプレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタと、灯室内に配置されていてかつリフレクタの反射面と反対側に取り付けられているリフレクタと別個の取付ブラケットと、取付ブラケットを介してリフレクタの反射面の光軸を調整する光軸調整機構と、を備え、取付ブラケットが、光源を保持する保持部と、光軸調整機構が取り付けられている取付部と、保持部と取付部とを連結する連結部と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、取付ブラケットの連結部がリフレクタに沿った形状をなす、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、取付ブラケットの連結部には放熱フィンが設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項4にかかる発明)は、取付ブラケットの連結部には光軸を中心とする環状部材が設けられていて、環状部材には取付部が多数個等間隔に設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタと別個の取付ブラケットの保持部に光源を保持するものであるから、リフレクタに光源を直接保持させる車両用前照灯と比較して、光源の重量およびその光源を保持する保持部の重量分、光軸調整されるリフレクタの重量の軽量化を図ることができる。これにより、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタの光軸調整を高精度に行うことが可能となる。
【0011】
その上、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタと別個の取付ブラケットの取付部に光軸調整機構が取り付けられているので、光軸調整時において、光軸調整機構の作動応力がリフレクタに直接作用しない。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタの剛性を小さくしても、光軸調整時における変形を極力抑制することができるので、剛性を小さくした分、リフレクタの重量の軽量化を図ることができる。
【0012】
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタと別個の取付ブラケットの保持部に光源を保持するものであるから、光源において発生する熱がリフレクタに伝わる(移動する)のを極力抑制することができる。これにより、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用前照灯は、光源の熱でリフレクタが変形するのを極力抑制することができるので、リフレクタの熱変形に対する構造を軽装化することができ、その分、リフレクタの軽量化を図ることができる。
【0013】
この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、取付ブラケットの連結部がリフレクタに沿った形状をなすので、リフレクタに伝わった光源からの熱を取付ブラケットの連結部に伝達することができ、リフレクタから熱を外部に効率良く逃がすことができる(放熱効果が良い)。その結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、リフレクタの熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタの軽量化をさらに図ることができる。
【0014】
しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、取付ブラケットの連結部により、光源の熱を取付ブラケットの保持部から連結部に伝導させかつその連結部から外部に効率良く逃がすことができる(放熱効果が良い)。その結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用前照灯は、前記と同様に、リフレクタの熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタの軽量化をさらに図ることができる。
【0015】
この発明(請求項3にかかる発明)の車両用前照灯は、取付ブラケットの連結部には放熱フィンが設けられているので、前記の放熱効果がさらに良くなり、リフレクタの熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタの軽量化をさらに図ることができる。
【0016】
この発明(請求項4にかかる発明)の車両用前照灯は、環状部材に設けた多数個の取付部により、光軸調整機構を取付ブラケットに取り付ける位置を任意に設定することができる。このために、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用前照灯は、灯室内の光軸調整機構とその他の部品とのレイアウトの自由度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示す縦断面図(垂直断面図)であって、図2におけるI−I線断面図である。
【図2】図2は、同じく、取付ブラケットを示す背面図であって、図1におけるII矢視図である。
【図3】図3は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示す取付ブラケットの背面図である。
【図4】図4は、同じく、図3におけるIV−IV線断面図である。
【図5】図5は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示す取付ブラケットの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態(実施例)のうちの3例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施形態1の構成の説明)
図1、図2は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用前照灯の構成について説明する。図中、符号1は、この実施形態1における車両用前照灯(たとえば、ヘッドランプやフォグランプなど)である。
【0020】
前記車両用前照灯1は、図に示すように、ランプハウジング2と、ランプレンズ3と、光源4と、リフレクタ5と、取付ブラケット6と、光軸調整機構7、8、20と、を備えるものである。
【0021】
前記ランプハウジング2および前記ランプレンズ3は、灯室9を画成する。前記灯室9内には、前記光源4および前記リフレクタ5および前記取付ブラケット6および前記光軸調整機構7、8、20が配置されている。前記ランプハウジング2には、前記球凹部24や呼吸孔(図示せず)が設けられている。
【0022】
前記光源4は、この例では、メタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)などの放電灯である。前記光源4は、前記取付ブラケット6にソケット10を介して着脱可能に取り付けられている。なお、前記光源4は、前記の放電灯以外に、ハロゲン電球、白熱電球を使用しても良い。
【0023】
前記リフレクタ5は、前側(前記車両用前照灯1の光の照射方向側)が開口し、かつ、後側が閉塞した中空の凹形状をなす。前記リフレクタ5の内凹面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて、反射面11が形成されている。前記反射面11は、前記光源4から放射される光を前記ランプレンズ3側に反射させるものである。前記反射面11は、自由曲面(NURBS曲面)の反射面である。前記リフレクタ5の後側の閉塞部のうち、前記反射面11の光軸Z−Zが交差する箇所には、透孔12が設けられている。前記リフレクタ5の前記透孔12の縁の後側には、取付ボス部13が設けられている。
【0024】
前記取付ブラケット6は、前記リフレクタ5と別個に構成されている。前記取付ブラケット6は、保持部14と、取付部15と、連結部16と、から構成されている。前記取付ブラケット6は、放熱性が高い部材、たとえば、アルミダイカストや樹脂から構成されている。前記保持部14および前記取付部15および前記連結部16は、一体に構成されている。前記取付ブラケット6は、前記リフレクタ5の前記取付ボス部13にスクリューや加締め付けなどの取付手段(図示せず)により取り付けられている。この結果、前記取付ブラケット6は、前記リフレクタ5の前記反射面11と反対側に取り付けられている。
【0025】
前記保持部14は、前側が閉塞し、かつ、後側が開口した中空の筒形状をなす。前記保持部14の前側の閉塞部のうち、前記反射面11の光軸Z−Zが交差する箇所には、透孔17が前記リフレクタ5の前記透孔12と連通するように設けられている。前記保持部14の後側の開口部の縁には、取付スプリング18が設けられている。
【0026】
前記取付ブラケット6の前記保持部14の前記透孔17および前記リフレクタ5の前記透孔12中には、前記光源4が挿入されている。かつ、前記取付ブラケット6の前記保持部14の前記透孔17の縁の後側には、前記光源4の前記ソケット10が前記取付スプリング18により押え付けられている。この結果、前記光源4は、前記リフレクタ5の前記反射面11側に位置する状態で、前記取付ブラケット6の前記保持部14に着脱可能に取り付けられている。
【0027】
前記連結部16は、平板形状をなし、前記保持部14に4枚(4本)放射状にほぼ等間隔に一体に設けられている。前記連結部16は、背面から見てX字状(十文字状)形状をなし、かつ、断面から見て前記リフレクタ5の湾曲形状に沿った湾曲形状をなす。
【0028】
前記取付部15は、4枚の前記連結部16の先端部に一体に設けられている。前記取付部15には、円形孔19が設けられている。4個の前記円形孔19の中心から前記光軸Z−Zまでの距離は、ほぼ等しい。
【0029】
前記光軸調整機構は、ピボット機構7と、上下用のアジャストスクリュー8と、左右用のアジャストスクリュー(図示せず)と、スクリューマウンティング20と、から構成されている。
【0030】
前記スクリューマウンティング20は、前記取付ブラケット6の4個の前記取付部15のうち、上側の2個の前記取付部15および下側の1個の前記取付部15の前記円形孔19にそれぞれ嵌合固定されている。
【0031】
前記ピボット機構7は、球部とねじ部とから構成されている。前記ピボット機構7の前記球部は、前記ランプハウジング2の前記球凹部24に、前記球部および前記球凹部24の中心を中心として傾動可能に嵌合されている。前記ピボット機構7の前記ねじ部は、上側の左側もしくは上側の右側の前記スクリューマウンティング20にねじ込まれている。
【0032】
前記上下用のアジャストスクリュー8と前記左右用のアジャストスクリューとは、前記ランプハウジング2に回転可能にかつ軸方向に移動不可能に取り付けられている。前記上下用のアジャストスクリュー8は、下側の左側もしくは下側の右側の前記スクリューマウンティング20にねじ込まれている。前記左右用のアジャストスクリューは、上側の右側もしくは上側の左側の前記スクリューマウンティング20にねじ込まれている。
【0033】
前記灯室9内であって、前記ランプレンズ3と前記リフレクタ5の前側の開口部の周囲との間には、インナーパネル21が配置されている。前記インナーパネル21は、前記車両用前照灯1の外部から前記ランプレンズ3を通して前記灯室9内を見た際に、前記光軸調整機構7、8、20などの他の部品が見えないように見栄え向上のために覆い隠すものである。
【0034】
前記ランプハウジング2の後部には、前記光源4の交換用の挿通孔が設けられている。前記ランプハウジング2の前記挿通孔の周縁には、キャップ22が着脱可能に取り付けられている。
【0035】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0036】
光源4を点灯する。すると、光源4から放射される光は、リフレクタ5の反射面11でランプレンズ3側に反射される。この反射光は、所定の配光パターンとしてランプレンズ3を透過して車両の前方に照射される。
【0037】
上下用のアジャストスクリュー8を回転させると、上下用のアジャストスクリュー8がねじ込まれているスクリューマウンティング20がねじ送り作用で上下用のアジャストスクリュー8に沿って前進後退する。この結果、リフレクタ5は、ピボット機構7と左右用のアジャストスクリューおよびスクリューマウンティング(左右用のアジャストスクリューがねじ込まれているスクリューマウンティング)20とを結ぶ水平線(図示せず)周りに上下方向に傾動する。
【0038】
左右用のアジャストスクリューを回転させると、左右用のアジャストスクリューがねじ込まれている左右用のスクリューマウンティング20がねじ送り作用で左右用のアジャストスクリューに沿って前進後退する。この結果、リフレクタ5は、ピボット機構7と上下用のアジャストスクリュー8およびスクリューマウンティング(上下用のアジャストスクリュー8がねじ込まれているスクリューマウンティング)20とを結ぶ垂直線(図示せず)周りに左右方向に傾動する。
【0039】
このようにして、リフレクタ5の反射面11の光軸Z−Zは、調整される。この光軸調整は、手動により、あるいは、自動により、行われる。
【0040】
光源4の点灯時において、光源4で発生する熱は、取付ブラケット6の保持部14に伝わり、さらに、取付ブラケット6の連結部16や取付部15に伝わる。取付ブラケット6に伝わった熱は、取付ブラケット6から特に取付ブラケット6の連結部16から外部(灯室9内)に逃げる。外部(灯室9内)に逃げた熱は、ランプハウジング2の呼吸孔から灯室9外に排出される。
【0041】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0042】
この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5と別個の取付ブラケット6の保持部14に光源4を保持するものであるから、リフレクタに光源を直接保持させる車両用前照灯と比較して、光源4の重量およびその光源4を保持する保持部14の重量分、光軸調整されるリフレクタ5の重量の軽量化を図ることができる。これにより、この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5の光軸調整を高精度に行うことが可能となる。
【0043】
その上、この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5と別個の取付ブラケット6の取付部15に光軸調整機構(ピボット機構7、上下用のアジャストスクリュー8、左右用のアジャストスクリュー、スクリューマウンティング20)が取り付けられているので、光軸調整時において、光軸調整機構の作動応力がリフレクタ5に直接作用しない。このために、この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5の剛性を小さくしても、光軸調整時における変形を極力抑制することができるので、剛性を小さくした分、リフレクタ5の重量の軽量化を図ることができる。
【0044】
しかも、この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5と別個の取付ブラケット6の保持部14に光源4を保持するものであるから、光源4において発生する熱がリフレクタ5に伝わる(移動する)のを極力抑制することができる。これにより、この実施形態1における車両用前照灯1は、光源4の熱でリフレクタ5が変形するのを極力抑制することができので、リフレクタ5の熱変形に対する構造を軽装化することができ、その分、リフレクタ5の軽量化を図ることができる。
【0045】
この実施形態1における車両用前照灯1は、取付ブラケット6の連結部16が平板形状であってリフレクタ5に沿った形状をなすので、リフレクタ5に伝わった光源5からの熱を取付ブラケット6の連結部16に伝達することができ、リフレクタ5から熱を外部に効率良く逃がすことができる(放熱効果が良い)。その結果、この実施形態1における車両用前照灯1は、リフレクタ5の熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタの軽量化をさらに図ることができる。
【0046】
しかも、この実施形態1における車両用前照灯1は、取付ブラケット6の連結部16により、光源4の熱を取付ブラケット6の保持部14から連結部16に伝導させかつその連結部16から外部(灯室9内)に効率良く逃がすことができる(放熱効果が良い)。その結果、この実施形態1における車両用前照灯1は、前記と同様に、リフレクタ5の熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタ5の軽量化をさらに図ることができる。
【0047】
ここで、リフレクタ5の透孔12の縁の後側には、取付ボス部13が設けられている。リフレクタ5の透孔12の縁は、反射面11に寄与していないので(寄与していたとしても若干の寄与なので)、透孔12の縁に取付ボス部13を設けても反射面11に影響を与えることがない(影響を与えたとしても極めて小さい影響である)。
【0048】
(実施形態2の説明)
図3、図4は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用前照灯について説明する。図中、図1、図2と同符号は、同一のものを示す。
【0049】
前記の実施形態1の車両用前照灯1は、取付ブラケット6の連結部16が背面から見て4枚のX字状形状をなすものである。この実施形態2における車両用前照灯は、取付ブラケット60の連結部16、160が背面から見て下側の2枚の平板形状のもの16と上側のほぼ三角形状のもの160とからなるものである。上側のほぼ三角形状の前記連結部160には、放熱フィン23が上下方向(垂直方向)に設けられている。
【0050】
この実施形態2の車両用前照灯は、取付ブラケット60の上側のほぼ三角形状の連結部160に設けられている放熱フィン23により、取付ブラケット60から熱を逃がす放熱効果がさらに良くなり、リフレクタ5の熱変形に対する構造をさらに軽装化することができ、その分、リフレクタ5の軽量化をさらに図ることができる。
【0051】
特に、この実施形態2の車両用前照灯は、取付ブラケット60の上側のほぼ三角形状の連結部160に放熱フィン23を上下方向に設けるので、熱が下から上に逃げる性質と合致して、放熱効果がさらに向上される。
【0052】
(実施形態3の説明)
図5は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示す。以下、この実施形態3における車両用前照灯について説明する。図中、図1〜図4と同符号は、同一のものを示す。
【0053】
この実施形態3における車両用前照灯は、取付ブラケット600の連結部16の先端に光軸Z−Zを中心とする円形の環状部材25が一体に設けられている。その環状部材25に取付部の円形孔19が多数個等間隔に設けられている。円形孔19は、4枚の連結部16の近傍に集中して5個ずつ設けられている。なお、環状部材25は、取付部を構成する。
【0054】
この実施形態3における車両用前照灯は、環状部材25に設けた多数個の取付部の円形孔19により、光軸調整機構(ピボット機構7、上下用のアジャストスクリュー8、左右用のアジャストスクリュー、スクリューマウンティング20)を取付ブラケット600に取り付ける位置を任意に設定することができる。このために、この実施形態3における車両用前照灯は、灯室9内の光軸調整機構とその他の部品とのレイアウトの自由度が向上される。
【0055】
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2、3においては、ピボット機構7のねじ部が上側の左側もしくは上側の右側のスクリューマウンティング20にねじ込まれている。ところが、この発明においては、ピボット機構7のねじ部が下側の左側もしくは下側の右側のスクリューマウンティング20にねじ込まれているものであっても良い。この場合において、上下用のアジャストスクリュー8は、上側の左側もしくは上側の右側のスクリューマウンティング20(ピボット機構7の上側のスクリューマウンティング20)にねじ込まれていて、左右用のアジャストスクリューは、上側の右側もしくは上側の左側のスクリューマウンティング20(ピボット機構7と対角線上のスクリューマウンティング20)にねじ込まれている。
【0056】
また、前記の実施形態1、2、3においては、リフレクタ5の透孔12の縁の後側に取付ボス部13が設けられているものである。ところが、この発明においては、取付ボス部13をリフレクタ5の透孔12の縁以外の箇所の後側(反射面11と反対側)に設けても良い。この場合においては、取付ボス部13を設けても、反射面11に影響を与えないか、もしくは、影響を与えたとしても極めて小さい影響である必要がある。
【0057】
さらに、前記の実施形態1、2においては、取付部15(円形孔19)が4個であり、前記の実施形態3においては、環状部材25の円形孔19が20個である。この発明においては、上下方向の光軸調整のみを行う場合においては、少なくとも2個の取付部(円形孔)で良いし、また、上下方向および左右方向の光軸調整を行う場合においては、少なくとも3個の取付部(円形孔)で良い。
【符号の説明】
【0058】
1 車両用前照灯
2 ランプハウジング
3 ランプレンズ
4 光源
5 リフレクタ
6、60、600 取付ブラケット
7 ピボット機構(光軸調整機構)
8 上下用のアジャストスクリュー(光軸調整機構)
9 灯室
10 ソケット
11 反射面
12 透孔
13 取付ボス部
14 保持部
15 取付部
16、160 連結部
17 透孔
18 取付スプリング
19 円形孔
20 スクリューマウンティング(光軸調整機構)
21 インナーパネル
22 キャップ
23 放熱フィン
24 球凹部
25 環状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯室を画成するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記灯室内に配置されている光源と、
前記灯室内に配置されていて、前記光源からの光を前記ランプレンズ側に反射させる反射面を有するリフレクタと、
前記灯室内に配置されていて、かつ、前記リフレクタの前記反射面と反対側に取り付けられている前記リフレクタと別個の取付ブラケットと、
前記取付ブラケットを介して前記リフレクタの前記反射面の光軸を調整する光軸調整機構と、
を備え、
前記取付ブラケットは、前記光源を保持する保持部と、前記光軸調整機構が取り付けられている取付部と、前記保持部と前記取付部とを連結する連結部と、から構成されている、
ことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記取付ブラケットの前記連結部は、前記リフレクタに沿った形状をなす、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記取付ブラケットの前記連結部には、放熱フィンが設けられている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記取付ブラケットの前記連結部には、前記光軸を中心とする環状部材が設けられていて、
前記環状部材には、前記取付部が多数個等間隔に設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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