説明

車両用照明装置

【課題】より小型化を実現することができる車両用照明装置を提供する。
【解決手段】車両用照明装置1は、第1出射部6を有する上面1Aと、第2出射部7を有し前記第1出射部6に対し略直交方向に形成された外側面1Bと、光源部14と、前記光源部14から照射された光を前記第1出射部6および前記第2出射部7に導出する導光体13とを備える。前記光源部14は、前記上面1Aおよび前記外側面1Bとは異なる面から前記導光体13へ光を照射することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用照明装置は、複数の出射部から光を照射することによりデザイン性の向上が図られている。例えば、車両のサイドシルに設けられる車両用照明装置であって、上面に設けられた第1の出射口と、内側面に設けられた第2の出射口とを有し、機能性に富んだ照明装置を実現することができる車両用照明装置が開示されている(例えば、特許文献1)。この車両用照明装置の場合、光源ユニットからの入射光を、第1の出射口に導く第1の導光部と、第2の出射口に導く第2の導光部とを一端に連結した導光板を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−15562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の場合、光源ユニットは、第1の導光部への光源と第2の導光部への光源をそれぞれ別体として備える必要があるので、小型化を図ることが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、より小型化を実現することができる車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明は、第1出射部を有する主発光面と、第2出射部を有し前記第1出射部に対し略直交方向に形成された副発光面と、光源部と、前記光源部から照射された光を前記第1出射部および前記第2出射部に導出する導光体とを備える車両用照明装置において、前記光源部は、前記主発光面および前記副発光面とは異なる面から前記導光体へ光を照射する光源を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係る発明は、前記光源は、複数のLEDからなることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係る発明は、前記LEDは、それぞれ発光色が異なることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係る発明は、前記LEDの発光状態をそれぞれ独立して変化可能に構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る発明は、前記導光体は、拡散性を有する材料で形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、第1出射部と第2出射部とで光源を使い分ける必要が無いので、全体として小型化を実現することができる。
【0012】
本発明の請求項2によれば、消費電力を低下できると共に、均一に光を出射することができ、商品性を向上することができる。
【0013】
本発明の請求項3および4によれば、デザイン性を向上することができる。
【0014】
本発明の請求項5によれば、直方体形状であっても、第1出射部と、当該第1出射部と直交方向に形成された第2出射部の両方に前記光を導出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る車両用照明装置の使用状態を示す斜視図である。
【図2】車両用照明装置の構成を示す縦断面図である。
【図3】照明部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】車両用照明装置の組立状態を示す斜視図である。
【図5】変形例に係る車両用照明装置を示す斜視図であり、ドアライニングに設置した状態を示す図である。
【図6】変形例に係る車両用照明装置を示す斜視図であり、インテリアパネルに設置した状態を示す図である。
【図7】変形例に係る車両用照明装置を示す斜視図であり、テールゲートの外面に設置した状態を示す図である。
【図8】変形例に係る車両用照明装置を示す斜視図であり、テールゲートの内面に設置した状態を示す図である。
【図9】変形例に係る車両用照明装置の全体構成を示す斜視図である。
【図10】変形例に係る車両用照明装置の点灯パターンを示す図であり、(A)中央から両側へ向かって順に点灯していく場合、(B)中央から両側向かって順に消灯していく場合、(C)一側から他側へ向かって順に点灯していく場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(全体構成)
図1に示す車両用照明装置1は、幅方向よりたて方向(以下、長手方向という)の長さが長い板状体からなり、車両2のドア開口部3におけるサイドシル4の上面1Aに取り付けられている。本実施形態において、車両用照明装置1は、運転席の開口部に設けられた場合について説明する。
【0017】
この車両用照明装置1は、ガーニッシュ本体5に一体的に取り付けられ、第1出射部6と、当該第1出射部6に対し略直交方向に配置された第2出射部7とを有する。車両用照明装置1は、第1出射部6と第2出射部7とから光を外部へ出射し得るように構成されている。
【0018】
本実施形態の場合、第1出射部6は、主発光面としての上面1Aに配置されており、第2出射部7は副発光面としての外側面1Bに配置されている。これにより、車両用照明装置1は、第1出射部6が直接ユーザに視認され得ると共に、第2出射部7が車両2に乗降するユーザの足元を照射し得る。この場合、第1出射部6は、文字形状に形成されている。また、第2出射部7は、帯状に形成されている。
【0019】
図2に示すように、車両用照明装置1は、保護プレート10と、上部ケース11と、下部ケース12と、当該上部ケース11と下部ケース12との間に保持された導光体13と、当該導光体13へ光を出射する光源部14とを有する。
【0020】
保護プレート10は、金属製、例えば、アルミニウム製やステンレス製からなる。また、保護プレート10は、上面10Aと、当該上面10Aと一体に設けられた外側面10Bとを有する。上面10Aには、厚さ方向に貫通してなる第1挿通部6Aが形成されている。外側面10Bには、第2挿通部7Aが切欠き形成されている。この保護プレート10は、上部ケース11に貼着部材(図示しない)により固定されている。
【0021】
上部ケース11は、上面部11Aと、当該上面部11Aの一側端に略直行方向に形成された外側面部11Bとで構成されている。上面部11Aには、第1挿通部6Aの形状に合わせて形成された第1凸部15が設けられている。また、外側面部11Bには、第2挿通部7Aの形状にあわせて形成された第2凸部16が設けられている。
【0022】
第1凸部15は第1挿通部6Aに挿入され第1出射部6が形成されている。また、第2凸部16は第2挿通部7Aに挿入され第2出射部7が形成されている。
【0023】
下部ケース12は、上部ケース11との間に導光体13および光源部14を保持し得るように構成されている。光源部14は、導光体13の一側面17に配置され、当該一側面17に対し光を照射し得るように、下部ケース12に設けられている。導光体13の一側面17は、上面1Aおよび外側面1Bとは異なる面である。
【0024】
このように構成された車両用照明装置1は、ガーニッシュ本体5に固定される。本実施形態の場合、車両用照明装置1は、保護プレート10の上面10Aがガーニッシュ本体5の上面5Aと、面一となるように構成されている。また、車両用照明装置1は、保護プレート10の外側面10Bがガーニッシュ本体5の外側面5Bと面一となるように構成されている。
【0025】
図3に示すように、下部ケース12は、底面12Uと当該底面の側端に立設された側面12Sとを有し、外側が開口してなる有底の箱状部材で構成される。一側面20には、光源部14に電源を供給するケーブル21Aを挿通する溝21Bが形成されている。光源部14は、基板22と、当該基板に搭載された光源23とからなる。
【0026】
光源23は、長手方向に複数、本図においては4個連設されている。この光源23は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。導光体13は、直方体形状を有し、拡散性に富んだ材料で構成される。
【0027】
上部ケース11の上面部11Aに形成された第1凸部15は、文字形状、本図においては「ABC」の文字からなる。また、上部ケース11の外側面部11Bに形成された第2凸部16は、長手方向に略平行に配置された帯形状からなる。
【0028】
車両用照明装置1を形成するには、まず、下部ケース12に、光源部14、導光体13、上部ケース11を順に取り付けて照明部25を形成する。ここで、光源23は、下部ケース12の側面12Sに沿って固定される。さらに、導光体13は、一側面17を光源23に対向させた状態で下部ケース12に固定される。上部ケース11は、下部ケース12の開口、すなわち上側および外側を覆うようにして下部ケース12と一体化される。
【0029】
次いで、図4に示すように、当該照明部25は、ガーニッシュ本体5に取り付けられ、上方から保護プレート10により被覆される。この場合、第1凸部15は第1挿通部6Aに挿入される。また、第2凸部16は第2挿通部7Aに上辺および両側辺が囲まれている。これにより、上部ケース11は、第1凸部15と第2凸部16の表面のみが外部から視認され得るように構成され、第1出射部6および第2出射部7が形成される。このようにして、車両用照明装置1は形成される。
(作用および効果)
上記のように車両用照明装置1は、光源23の光を導光体13によって第1出射部6と第2出射部7から外部へ出射する構成とした。この場合、導光体13は、拡散性に富んだ材料で構成されているので、直方体形状であっても、第1出射部6と、当該第1出射部6と直交方向に形成された第2出射部7の両方に前記光を導出し得る。
【0030】
これにより、車両用照明装置1は、第1出射部6と第2出射部7とで光源23を使い分ける必要が無いので、全体として小型化を実現することができる。したがって、単一の光源23ユニットで複数箇所を発光させることができるので、低コスト化を図ることができる。
【0031】
また、車両用照明装置1は、光源23が長手方向に複数連設されていることにより、外側面1Bに形成された帯状の第2出射部7から光を均一に出射することができる。したがって、車両用照明装置1は、連設される光源23の数を適宜選択するだけで導光体13の構成を変更せずに、第2出射部7の長手方向の長さに適宜対応することができる。
【0032】
また、車両用照明装置1は、導光体13の長手方向の一側面17に光を照射し得るように設けられた光源部14によって、第1出射部6および第2出射部7から光を照射し得るように構成した。これにより、車両用照明装置1は、導光体13の長手方向に効率よく光を照射し得るので、消費電力を低減することができる。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施形態では、車両用照明装置1は、ガーニッシュ本体5と一体化され、車両のサイドシル4の上面に取り付けられる場合について説明したが、本発明はこれに限らず、適宜、設置箇所を選択することができる。例えば、図5示すように、ドアライニング30に取り付けてもよい。この場合、例えば、第1出射部6がドアライニング30表面に対し垂直に光を出射し得るように設置され、第2出射部7を下方に向けて取り付けることとしてもよい。そうすると、車両用照明装置1は、第2出射部7によってドアポケット31内に向けて光を照射することができるので、利便性を向上することができる。
【0033】
また、図6に示すように、車両用照明装置1は、インテリアパネル35に取り付けることとしてもよい。この場合、第2出射部7を下方に向けて取り付けることにより、間接照明として使用することができる。
【0034】
また、図7や図8示すように、車両用照明装置1は、テールゲート40の外面40Aや内面40Bに取り付けることとしてもよい。テールゲート40の内面40Bに取り付けられた場合、車両用照明装置1は、テールゲート40を開放した状態で第2出射部7が後方に向かって光を照射することにより、後続車両に対し、注意を喚起することができる。
【0035】
また、図9に示すように、車両用照明装置50は、光源部51の光源23をさらに多数、例えば7個連設し、色が種々異なる光源23を用いることとしてもよい。この場合、各光源23の発光パターンを適宜変更することにより、照明のデザイン性を向上することができる。例えば、車両用照明装置1は、光源部14に電気的に接続された図示しない制御回路により、発光パターンを変更することができる。制御回路は、予め記憶された制御プログラムに基づき、それぞれの光源23を独立して点灯、および消灯させる。これにより、車両用照明装置1は、各光源23の発光状態をそれぞれ独立して変化させ得る。発光パターンとしては、図10に示すように、中央から両側へ向かって順に点灯していくもの(本図(A))、消灯していくもの(本図(B))や、一側から他側へ向かって順に点灯していくもの(本図(C))などが考えられる。
【符号の説明】
【0036】
1 車両用照明装置
1A 上面(主発光面)
1B 外側面(副発光面)
6 第1出射部
7 第2出射部
13 導光体
14 光源部
23 光源(LED)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1出射部を有する主発光面と、
第2出射部を有し前記第1出射部に対し略直交方向に形成された副発光面と、
光源部と、
前記光源部から照射された光を前記第1出射部および前記第2出射部に導出する導光体と
を備える車両用照明装置において、
前記光源部は、前記主発光面および前記副発光面とは異なる面から前記導光体へ光を照射する光源を有することを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記光源は、複数のLEDからなることを特徴とする請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記LEDは、それぞれ発光色が異なることを特徴とする請求項2記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記LEDの発光状態をそれぞれ独立して変化可能に構成したことを特徴とする請求項2記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記導光体は、拡散性を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両用照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−116315(P2011−116315A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277823(P2009−277823)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】