説明

車輪用転がり軸受装置

【課題】ディスクロータの熱膨張による変形が生じることを防止できる車輪用転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】外筒部材2が内軸部材1に対して回転するように、両者の間に複列の転動体3,4が転動自在に介在している。外筒部材2にブレーキ用のディスクロータ5が取り付けられている。外筒部材2には、ディスクロータ5の内周寄り側面を沿わして取り付けるための取り付け面7が形成されている。この取り付け面7から突出しディスクロータ5に形成された挿通孔11を挿通しているボルト8と、このボルト8に螺合しディスクロータ5を取り付け面7との間に挟むナット9と、ナット9とディスクロータ5との間に介在している皿バネ10とを有している。この皿バネ10はディスクロータ5のボルト軸線方向の変形を吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外筒部材が内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車における車輪用の転がり軸受装置(ハブユニット)として知られているものに、車体側の懸架装置に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられる外筒部材と、内軸部材と外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体とを備え、外筒部材が内軸部材に対して回転するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この外筒部材には、車輪の他にディスクブレーキ用のディスクロータ(ブレーキディスク)が取り付けられている。前記特許文献1に記載されている転がり軸受装置では、外筒部材に円環状のフランジ部が形成されており、このフランジ部に車輪のホイール及びディスクロータが取り付けられている。具体的には、フランジ部に挿通されたボルトによって、フランジ部の一面側に車輪が取り付けられ、他面側にディスクロータが取り付けられる構造である。
【0004】
【特許文献1】特公昭49−19361号公報(第8図参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の車輪用転がり軸受装置において、前記フランジ部の一面側では、前記ボルトにナットが締め付けられることで、このナットとフランジ部の一面との間で車輪のホイールが固定される。さらに、フランジ部の他面側では、ディスクロータの内周寄り部が前記ボルトの皿形状の頭部とフランジ部の他面との間において相互に密着した状態で固定されている。つまり、ディスクロータはフランジ部に軸方向に拘束された状態で固定されている。
【0006】
このような車輪用転がり軸受装置が車両に取り付けられ、使用されている状態において、制動時におけるディスクロータとブレーキパッドとの摩擦熱により、ディスクロータは発熱し熱膨張する。この場合、特許文献1に記載の転がり軸受装置では、ディスクロータの外周寄り部分は熱膨張できるが、ディスクロータの内周寄り部は前記フランジ部に拘束された状態で固定されているため、当該内周寄り部では熱膨張が抑えられる。この結果、ディスクロータが変形し、その摺動面が外筒部材の軸線と直交する平面に対して傾き、制動性能が低下したり、異音や振動が生じたりするおそれがある。
【0007】
そこでこの発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、ディスクロータの熱膨張による変形を緩和することができる車輪用転がり軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するためのこの発明の車輪用転がり軸受装置は、車体側に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられる外筒部材と、この外筒部材に取り付けられたブレーキ用のディスクロータと、前記内軸部材と前記外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体とを備え、前記外筒部材が前記内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置において、前記外筒部材に形成され前記ディスクロータの内周寄り側面を沿わして取り付ける取り付け面と、この取り付け面から突出し前記ディスクロータに形成された挿通孔を挿通しているボルトと、このボルトに螺合し前記ディスクロータを前記取り付け面との間に挟むナットと、前記ナットと前記取り付け面との間の部分に設けられ前記ディスクロータの当該ボルト軸線方向の熱変形を吸収する弾性部材とを有しているものである。
【0009】
この構成によれば、ディスクロータが、ナットと取り付け面との間の部分において弾性部材が介在した状態で取り付けられているので、ディスクロータが熱膨張してボルト軸線方向の変形が生じると、弾性部材が弾性変形することでこの変形を吸収できる。したがって、この弾性部材によれば、ディスクロータが拘束されることを防止でき、ディスクロータの熱膨張による変形を緩和することができる。
【0010】
また、前記車輪用転がり軸受装置において、前記挿通孔は前記ディスクロータに周方向に複数形成され、当該挿通孔は、前記周方向について前記ボルトと嵌合し、これに直交する方向となる径方向について前記ボルトとの間に隙間を生じさせる長孔であるのが好ましい。
ディスクロータが熱膨張すると、挿通孔は径方向外方へ変位する。しかし、挿通孔は、ディスクロータの径方向に沿った方向についてボルトと隙間を生じさせる長孔とされているため、当該挿通孔が径方向へ変位しても、その変形は前記隙間で吸収でき、ディスクロータがボルト部分で拘束されることがない。そして、この長孔は、ディスクロータの周方向に沿った方向についてボルトと嵌合しているため、ディスクロータと外筒部材とのトルク伝達が確実に行われる。
【0011】
また、前記車輪用転がり軸受装置において、前記弾性部材は皿バネとされているのが好ましい。これによれば、弾性部材が簡単な構造とされ、また、弾性部材の取り付けが簡単となる。そして、ディスクロータが熱膨張してボルト軸線方向の変形が生じると、皿バネが弾性変形することでこの変形を吸収できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の車輪用転がり軸受装置によれば、ディスクロータが熱膨張してボルト軸線方向の変形が生じると、弾性部材が弾性変形することでこの変形を吸収できる。したがって、この弾性部材によれば、ディスクロータが拘束されることを防止でき、ディスクロータの熱膨張による変形を緩和することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の車輪用転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。この車輪用転がり軸受装置(以下、単に転がり軸受装置ともいう)は、車体側に固定される内軸部材1と、この内軸部材1の径方向外方に設けられ車輪(図示せず)が取り付けられる外筒部材2と、これら内軸部材1と外筒部材2との間に転動自在に介在している複列の転動体3,4とを備えている。
【0014】
内軸部材1の外周面には複列の軌道面13,14が形成されている。内軸部材1は、内軸15とこの内軸15の一端部に外嵌された内輪部材16とを有し、内輪部材16は、内軸15の端部に螺合しているナット17によって固定されている。一方の前記軌道面13が内軸15の外周面の一部に形成され、他方の前記軌道面14が内輪部材16の外周面に形成されている。
また、前記内輪部材16側(図1では右側)が転がり軸受装置のアウタ側とされ、その軸線方向の反対側である内軸15の端部側(図1では左側)がインナ側とされ、内軸15のインナ側にフランジ部18が形成されている。このフランジ部18において、転がり軸受装置が車体側の懸架装置(図示せず)に固定される。
【0015】
外筒部材2は筒形状とされ、その内周面に複列の軌道面23,24が形成されている。そして、この外筒部材2の複列の軌道面23,24と、前記内軸部材1の複列の軌道面13,14との間に、転動体である玉3,4が転動自在に介在している。これにより、外筒部材2と内軸部材1とは同心に配置され、外筒部材2が内軸部材1に対して軸線C0を中心として回転することができる。
内軸部材1と外筒部材2との間において、インナ側にはシール部材30が介在している。また、外筒部材2のアウタ側には、転動体とその軌道面とを含む軸受部を隠す円形の蓋部材31が取り付けられている。このシール部材30と蓋部材31とによって、軸受部への異物の侵入を防止している。
【0016】
この転がり軸受装置は、ディスクブレーキ用のディスクロータ(ブレーキディスク)5を更に備えている。ディスクロータ5は外筒部材2に取り付けられている。
外筒部材2は、車輪(タイヤ)取り付け用の第一取付部21と、ディスクロータ5取り付け用の第二取付部22とが形成されている。この第一取付部21と第二取付部22とは軸方向で別の位置に形成されている。第一取付部21は、外筒部材2の軸方向アウタ側の端面が取り付け面25aとされたフランジ部25とされている。第二取付部22は、外筒部材2の軸方向インナ側の段付き部26とされている。
この第一取付部21とされたフランジ部25にボルト(ハブボルト)27が取り付けられており、このボルト27によって車輪(図示せず)が取り付けられる。
【0017】
図2は第二取付部22とされた段付き部26を説明する拡大断面図である。外筒部材2の外周側部に形成されたこの段付き部26は、軸線C0(図1参照)を中心とする円形の外周面として形成された円筒部28と、これに直交する環状の面として形成された取り付け面7とを有している。この取り付け面7は、ディスクロータ5のアウタ側の面となる内周寄り側面を沿わして取り付けるために外筒部材2に形成されている。
外筒部材2の外周側部には、ボルト8がアウタ側からインナ側へ向かって挿通された状態で取り付けられている。このボルト8の先端部は前記取り付け面7から突出しており、ボルト8はディスクロータ5に形成された挿通孔11を挿通している。さらに、このボルト8の先端部に螺合しているナット9を有しており、ナット9はディスクロータ5を取り付け面7との間に挟んで固定している。
そして、この第二取付部22では、ナット9と取り付け面7との間の部分に弾性部材10が設けられている。この弾性部材10は、ディスクロータ5をボルト軸線C1方向に移動可能とすることによって、ディスクロータ5におけるボルト軸線C1方向の変形を吸収することができる。
【0018】
前記弾性部材10は、ディスクロータ5の一面側(インナ側の面)における内周寄り側面5bと、ナット9との間に介在しており、ディスクロータ5の他面(アウタ側の面)と前記取り付け面7とが面接触している。そして、ディスクロータ5は円筒部28に外嵌した状態で取り付けられている。
【0019】
弾性部材10は複数枚の皿バネとされており、図2では2枚の皿バネとされている。ナット9がボルト8に締め付けられた状態で前記皿バネ10は弾性圧縮変形しており、当該皿バネ10は弾性復元力でもってディスクロータ5を押す力が作用しているとともに、弾性圧縮変形がさらに可能な状態とされている。これにより、ボルト8とナット9と皿バネ10とによって、ディスクロータ5をしっかりと外筒部材2に取り付けることができ、また、ディスクロータ5が熱膨張してボルト軸心C1方向に変形すると、皿バネ10が弾性圧縮変形することでディスクロータ5はボルト軸心C1方向に変形できる。
【0020】
外筒部材2において、車輪取り付け用のフランジ部25(図1参照)の取り付け面25aから軸線C0に平行な方向に貫通する孔29が形成されており、この孔29に前記ボルト8が挿通している。図2において、ボルト8の頭部8cは、前記孔29の端部のザグリ孔部29a内に収容された状態にあり、ボルト8の頭部8cは取り付け面25aから突出していない。これにより、取り付け面25aにおける車輪の取り付けが、ボルト8の頭部8cによって邪魔されることがない。そして、ボルト8の軸部の基端部側(首部)にセレーション部8aが形成されており、孔29の一部がこれに対応する形状とされており、ボルト8の回り止めがされている。
【0021】
また、車輪取り付け用のボルト27(図1参照)については、その頭部から、ナット(図示せず)が螺合する先端部へ向かう軸方向が、インナ側からアウタ側へ向かう方向となるのに対して、ディスクロータ5取り付け用のボルト8については、その反対となり、頭部から、ナット9が螺合する先端部へ向かう軸方向が、アウタ側からインナ側へ向かう方向とされている。
また、外筒部材2の孔29の内径寸法と、ボルト8のうちこの孔29に挿通状態とされる部分の外径寸法とは略同じとされている。これにより、この転がり軸受装置が車両に取り付けられ使用されている状態において、制動時にディスクロータ5に作用する制動トルクが、ボルト8を介して外筒部材2へ伝達され、また、ボルト8の強度を高いものとできる。
【0022】
ディスクロータ5は、複数組のボルト8とナット9と皿バネ10によって周方向複数箇所において外筒部材2に固定されている。つまり、ディスクロータ5の周方向の複数箇所に、ボルト8が挿通する取り付け用の挿通孔11が形成されている。図3はこのディスクロータ5に形成された前記挿通孔11及びこの挿通孔11を挿通しているボルト8の断面を示している図である。
このボルト8用の挿通孔11は、ディスクロータ5の周方向に沿った方向についてボルト8と嵌合し、これに直交する方向となる径方向に沿った方向についてボルト8との間に隙間gを生じさせる長孔とされている。具体的には、この長孔11において、ディスクロータ5の径方向(矢印b)に沿った方向の寸法r2が、ディスクロータ5の周方向(矢印a)に沿った方向の寸法r1よりも大きい長孔11とされている(r2>r1)。
【0023】
この長孔11についてさらに説明すると、ボルト8の内この長孔11を挿通している途中部分8bの外径寸法と、長孔11の短軸寸法r1とが略同一寸法とされている。そして、長孔11の短軸方向に直交する方向である長軸寸法r2は、ボルト8の前記途中部分8bの外径寸法よりも大きくされている。これにより、長孔11とボルト8との間において、ディスクロータ5の径方向に沿った方向に隙間gが形成される。
【0024】
このような車輪用転がり軸受装置が車両に取り付けられ、使用されている状態では、制動時においてディスクロータ5とブレーキパッド32(図1参照)とが摺接することで摩擦熱が生じ、ディスクロータ5は発熱し熱膨張する。
ディスクロータ5が熱膨張すると、ボルト挿通用の長孔11においては当該長孔11が径方向外方へ変位する。しかし、このボルト挿通用の長孔11は、ディスクロータ5の径方向に沿った方向についてボルト8との間で隙間gを生じさせる構造とされているため、当該長孔11が径方向へ変位しても、その変形は前記隙間gで吸収できる。これにより、ディスクロータ5がボルト8部分で拘束されることがない。これにより、ディスクロータ5の熱膨張により摺動面5aが倒れるような変形が生じてしまうことを防止できる。さらに、この長孔11は、ディスクロータ5の周方向に沿った方向についてボルト8と嵌合した構造とされていることで、制動時において、ディスクロータ5と外筒部材2との間において、がたつくことなく、トルク伝達が確実に行われる。
【0025】
さらに、前記転がり軸受装置によれば、外筒部材2の第二取付部22において、ディスクロータ5は、ナット9と取り付け面7との間の部分において皿バネ10が介在した状態で取り付けられる。これにより、ディスクロータ5が熱膨張してボルト軸線C1方向の変形が生じると、皿バネ10が弾性圧縮変形することでこの変形を吸収できる。したがって、ディスクロータ5はボルト軸線C1方向に拘束されないため、摺動面5aが傾くような変形を防止できる。
【0026】
また、本発明では、外筒部材2において、車輪(タイヤ)取り付け用の第一取付部21と、ディスクロータ5取り付け用の第二取付部22とが別として形成されている。したがって、第二取付部22の軸方向位置を第一取付部21の位置に関係なく自由に変更できる。つまり、従来では、ディスクロータの内周寄り部における取り付け位置、つまり取り付けフランジの位置を軸方向に変更することが困難であったために、そのディスクロータの外周寄り部をブレーキパッドの軸方向位置に対応させるよう、ディスクブレーキの形状を、図示しないがハット形状、つまり径方向の途中で折れ曲がり部を有している形状とする必要があった。
しかし、本発明では図1を参考にして説明すると、外筒部材2において、第二取付部22の軸方向位置を変更できるため、つまり、前記外筒部材2の円筒部28の軸方向長さを大小変更することで取り付け面7の軸方向位置が変更され、ディスクロータ5の軸方向取り付け位置を調整することができる。このため、ディスクロータ5を平らな円板形状として、つまりハット形状とすることなく、ディスクロータ5をブレーキパッド32の軸方向位置に対応させることができる。
【0027】
さらに、ディスクロータ5の形状が、図1に示したような円板形状ではなく、前記のようなハット形状であり、このディスクロータ5が熱膨張した場合、従来のようにディスクロータの内周寄り部がフランジ部とボルトの頭部などによって拘束された状態で固定されていると、前記熱膨張によって、その内周寄り部では変形が抑えられる一方、その外周側寄り部は変形(膨張)できるため、ディスクロータの摺動面が倒れる変形が生じやすい。
しかし、本発明の構造によれば、ディスクロータ5が熱膨張しても、ディスクロータ5が円板形状であり、弾性部材(皿バネ)10によって、ディスクロータ5の内周寄り部は拘束されないため、ディスクロータ5の摺動面5aが倒れるような変形を抑えることができる。
【0028】
また、本発明の車輪用転がり軸受装置は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、弾性部材10は皿バネとする以外に、弾性変形可能とされた部材とすることができる。例えば、弾性を有する金属製や樹脂製などの座金(ワッシャ)とすることができる。
さらに、前記実施形態では弾性部材(皿バネ)10がディスクロータ5とナット9との間に介在している構造として説明したが、ディスクロータ5と取り付け面7との間に介在している構造、または、弾性部材10が、ディスクロータ5とナット9との間、及び、ディスクロータ5と取り付け面7との間に介在している構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の車輪用転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】ディスクロータ取り付け用の第二取付部を説明する拡大断面図である。
【図3】ディスクロータに形成された長孔及びこの長孔を挿通しているボルトの断面を示している図である。
【符号の説明】
【0030】
1 内軸部材
2 外筒部材
3 玉(転動体)
4 玉(転動体)
5 ディスクロータ
5a 摺動面
7 取り付け面
8 ボルト
9 ナット
10 弾性部材
11 挿通孔(長孔)
g 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられる外筒部材と、この外筒部材に取り付けられたブレーキ用のディスクロータと、前記内軸部材と前記外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体と、を備え、前記外筒部材が前記内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置において、
前記外筒部材に形成され前記ディスクロータの内周寄り側面を沿わして取り付ける取り付け面と、この取り付け面から突出し前記ディスクロータに形成された挿通孔を挿通しているボルトと、このボルトに螺合し前記ディスクロータを前記取り付け面との間に挟むナットと、前記ナットと前記取り付け面との間の部分に設けられ前記ディスクロータの当該ボルト軸線方向の熱変形を吸収する弾性部材と、を有していることを特徴とする車輪用転がり軸受装置。
【請求項2】
前記挿通孔は前記ディスクロータに周方向に複数形成され、当該挿通孔は、前記周方向について前記ボルトと嵌合し、これに直交する方向となる径方向について前記ボルトとの間に隙間を生じさせる長孔である請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
【請求項3】
前記弾性部材は皿バネとされている請求項1又は2に記載の車輪用転がり軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−121774(P2008−121774A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305605(P2006−305605)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】