通信システム、制御プレーンパスの監査方法、通信装置およびネットワーク管理装置
【課題】制御プレーンパスのホップ数が多くても、NMSの処理負荷を増大させることなく制御プレーンパスの監査を実施できるようにする。
【解決手段】通信システムは、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む。前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する。前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【解決手段】通信システムは、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む。前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する。前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、制御プレーンパスの監査方法、通信装置およびネットワーク管理装置に関し、特に、各通信装置が自律分散制御を行う通信システム、制御プレーンパスの監査方法、通信装置およびネットワーク管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、手動設定パスで使用するラベルとGMPLS(Generalized Multi−Protocol Label Switching)/ASON(Automatically Switched Optical Network)等自律分散プロトコル設定パスで使用するラベルとを区別可能とし、パスが設定できなくなるのを防ぐこと可能なノード装置が開示されている。同文献によると、このノード装置は、パス設定前に予め定義された手動設定パスが使用するラベルと自律分散プロトコル設定パスが使用するラベルとを少なくとも格納するパス設定ラベル情報記憶手段(パス設定ラベル情報記憶部)と、パス設定ラベル情報記憶手段の格納内容を参照して手動設定パスの設定及び自律分散プロトコル設定パスの設定を実行する資源管理手段(資源管理部)とを有する、とされている。
【0003】
特許文献2には、自律分散制御対応装置及び自律分散制御非対応装置が混在したネットワークにおいて、自律分散制御非対応装置を中継した自律分散制御によるパス設定を行った場合、設定したパスの状態を認識できるネットワークシステム、通信装置、パス管理方法及びプログラムが開示されている。同文献によると、この自律分散制御対応装置は、自律分散制御対応装置と、自律分散制御非対応装置とを介した経路である仮想リンクを示す仮想リンク情報に対して、仮想リンクの状態を示す警報情報を対応付けて管理する仮想リンク情報管理手段と、仮想リンクに自律分散制御パスを設定するパス設定手段と、自律分散制御パスから、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)のPOH(Path OverHead)情報又はSOH(Section OverHead)情報を収集する収集手段と、収集手段により収集されたPOH情報又はSOH情報に含まれる警報情報に基づいて、仮想リンク情報管理手段により管理される警報情報の更新を行う更新手段と、を有する、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−17150号公報
【特許文献2】特開2009−177599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。上記GMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムでは、UNI(User Network Interface)やE−NNI(Exterior Network−to−Network Interface)で接続された外部装置又はネットワーク管理システム(Network Management System。以下、単に「NMS」または「ネットワーク管理装置」という。)からの指示により制御プレーンを利用して制御プレーンパスを設定する。
【0006】
このようなGMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムにおいて、制御プレーンで設定した制御プレーンパスの情報はパスの経路上の各NE(Network Element;ネットワーク要素。以下、単に「NE」または「通信装置」という。)とNMSに記録される。
【0007】
NMSは、制御プレーンパスの情報を管理し、必要に応じて、ネットワーク保守者に制御プレーンパスが設定された経路や制御プレーンパスの利用したラベルを提示する。基本的には、NMSに管理されている制御プレーンパスの情報と、各NEに保持されている制御プレーンパスの情報は整合しているはずであるが、プログラムのバグや通信障害の理由により、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報が一致しないことがある。
【0008】
このため、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報の情報が整合していることを確認(以下、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報とを照合し、その整合性を確認することを「監査」と呼ぶ。)する必要がある。例えば、NMSが制御プレーンパス上のすべてのNEから個別に制御プレーンパスの情報を収集し、収集した制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報とを照合してその一致、不一致を確認する方法が考えられる。しかしながら、このような方法を採った場合、制御プレーンパスのホップ数が多くなるほどNMSが情報を取得するNEの数が増加し、NMSの処理負荷が増加してしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、制御プレーンパスのホップ数が多くても、NMSの処理負荷を増大させることの無い制御プレーンパスの監査方法、該方法を実施できる通信システム、通信装置およびネットワーク管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含み、前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信し、前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する通信システムが提供される。
【0011】
本発明の第2の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む通信システムにおいて、前記ネットワーク管理装置から制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信した第1の通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、前記制御プレーンパスの前ホップの通信装置から、前記監査要求メッセージの転送を受けた第2〜第Nの通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、を含む制御プレーンパスの監査方法が提供される。本方法は、自律分散制御に対応する通信装置という、特定の機械に結びつけられている。
【0012】
本発明の第3の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置と接続され、前記ネットワーク管理装置または他の通信装置から、制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行う監査処理部と、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する監査メッセージ処理部と、を備えた通信装置が提供される。
【0013】
本発明の第4の視点によれば、上記した通信装置に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する前記ネットワーク管理装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御プレーンパスのホップ数が多くとも、NMSの処理負荷を増大させることなく制御プレーンパスの監査を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の構成を表わした図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の通信装置(NE)の構成を表わしたブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の通信装置(NE)の制御プレーンパス情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)の構成を表わしたブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)の制御プレーンパス情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)のクロスコネクト情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図8】本発明の第1の実施形態で用いる制御プレーンパス監査要求メッセージの構成例を表わした図である。
【図9】制御プレーンパスの一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の動作を表わしたシーケンス図である。
【図11】複数の制御プレーンパスの監査を行う場合の例を説明するための図である。
【図12】複数の制御プレーンパスの監査を行う場合の別の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0017】
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、GMPLS/ASON等の自律分散制御に対応する通信装置群(図1のNE200A〜203A、205A)と、これら通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置(図1のNMS1A)とを含む構成にて実現できる。
【0018】
ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)は、ネットワーク保守者から監査対象の制御プレーンパスの指定を受け付ける。そして、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)は、前記監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置(例えば、図1のNE200A)に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する。通信装置(例えば、図1のNE200A)は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置(例えば、図1のNE201A)に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【0019】
同様に、次ホップの通信装置(例えば、図1のNE201A)は、前記制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置(例えば、図1のNE203A)に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【0020】
このように、制御プレーンパス上の通信装置が、それぞれ、監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、次ホップの通信装置に対し、監査要求メッセージを転送していく。
【0021】
ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)側で保持されている制御プレーンパスの情報と通信装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との不一致は、次のような方法によりネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に伝達させることができる。例えば、制御プレーンパス上の通信装置は、自装置に設定されている制御プレーンパスの情報の不一致を検出した場合、制御プレーンパスの監査要求メッセージにその旨を書き込んでから次ホップに転送する。そして、制御プレーンパスの最終ホップの通信装置(例えば、図1のNE205A)が、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に対し、前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を送信する。
【0022】
また別の方法としては、個々の通信装置が、前記ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)側で保持されている制御プレーンパス情報との不一致を検出した時点で、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に、その旨を通知するようにしてもよい。また、前記不一致検出時の通知は、前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を用いてもよいし、その他必要な情報が含まれたエラーメッセージを送信するようにしてもよい。
【0023】
また別の方法としては、最終ホップの通信装置(図1のNE205A)ではなく、任意に設定された先頭からN番目(但し、N≦制御プレーンパス長)の通信装置が前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を送信するようにしてもよい。
【0024】
以上のようにすることにより、通信装置により制御プレーンパス情報の監査が行われていくため、制御プレーンパスのホップ数が多くても、ネットワーク管理装置(NMS)の処理負荷が大きくならないという効果が奏される。
【0025】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、GMPLS/ASON等の自律分散制御ネットワークに本発明を適用する。GMPLS/ASON等の自律分散制御対応ネットワークは、GMPLS/ASON等の自律分散制御に対応した通信装置(NE)及び通信リンクから構成されるネットワークである。
【0026】
自律分散制御対応ネットワーク内でパスを設定する場合、各通信装置(NE)は保守者の指示に従い自律分散制御で経路制御及びシグナリングを実行する。より具体的には、各通信装置(NE)は、それぞれのラベル予約・スイッチ設定を行い、指定された始点・終点通信装置間のパスを設定または切断する。このような自律分散制御対応ネットワークでは、パケットやTDM(時分割多重)、WDM(波長多重)などの通信技術によってエンド・トゥ・エンドのパスが提供される。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態の構成を表わした図である。図2を参照すると、自律分散制御に対応したNE200〜206と、これらNE200〜206によって構成されたネットワークを管理するNMS1とを含む構成が示されている。
【0028】
NE200〜206は、ラベル(パケット、タイムスロット、波長等の識別子)の情報に基づき、クロスコネクト(又は、スイッチング)を実施する通信装置である。また、NE200〜206は、自律分散制御に対応しており、GMPLS/ASON等の自律分散制御プロトコルによって、自律分散制御パスの経路制御やパス管理(パスの設定/維持/切断)を実施する。
【0029】
NE200〜206間は、1本又はそれ以上の光ファイバ等の通信リンクDL0〜DL9で接続されている。NE200〜206は、前記通信リンクが接続されたポートについて、それぞれ一意に付与されたポート番号(ポート番号は、図2において#1〜#4と表記。)を用いて管理を行なっている。また、NE200〜206間は、制御メッセージ交換リンクCL0〜CL9で接続されている。通信リンクDL0〜DL9は、ユーザ情報が通るリンクであるのに対して、制御メッセージ交換リンクCL0〜CL9は、NE200〜206間の制御情報の交換に用いるリンクである。なお、図2の例では、通信リンクと制御メッセージ交換リンクがそれぞれ独立して設けられているが、ネットワークの運用方法によっては通信リンクと制御メッセージ交換リンクが同一の物理リンクを共有することもある。
【0030】
NMS1は、NE200〜206の監視/保守(例えば、パスの設定・切断要求、通信装置撤去管理)を行う機能を有し、ネットワーク保守者とネットワークとのインターフェースとなるシステムである。NMS1とNE200〜206はマネージメントリンクML1〜ML6で接続されている。NMS1は、このマネージメントリンクML1〜ML6を介してNE200〜206の設定を行う。
【0031】
続いて、上記NE200〜206及びNMS1について、より詳細に説明する。図3は、NE203の詳細構成を表したブロックである。図3を参照すると、記憶装置10と、監査メッセージ処理部21と、監査処理部22と、自律分散スイッチング部23と、装置制御処理部24と、を備えた構成が示されている。なお、ここでは、NE201の構成のみを示しているが、NE200、NE202〜NE206も同様の構成とすることができる。
【0032】
記憶装置10には、制御プレーンパス情報記憶部11と、設定情報記憶部12とが含まれている。制御プレーンパス情報記憶部11は、制御プレーンパス情報を格納するテーブル(以下、「パス管理情報テーブル」という。)を記憶する。設定情報記憶部12は、その他一般的な自律分散制御に対応する通信装置が持つ設定情報等を記憶する。
【0033】
図4は、図2のNE201の制御プレーンパス情報記憶部11に保持されているパス管理情報テーブルである。図4のパス管理情報テーブルには、NE201における各制御プレーンパスのID(PATH ID)、クロスコネクト情報(図4のIn側ポート番号フィールド〜次ノードIDフィールド)やその他の情報を対応付けたエントリが格納されている。なお、このようなパス管理情報テーブルとしては、自律分散制御に対応した通信装置に具備されている同様のテーブルを用いることができる。
【0034】
設定情報記憶部12は、自律分散制御に対応する通信装置が持つ設定情報等を記憶する。
【0035】
装置制御処理部24は、NMS1からのコマンド要求の処理やNMS1への通知処理、隣接するNEからのシグナリング処理を適切な処理部に転送する。
【0036】
監査メッセージ処理部21は、NMS1からの制御プレーンパス監査要求メッセージや隣接するNEからの制御プレーンパス監査要求メッセージの受信をトリガとして、制御プレーンパス監査要求メッセージに含まれるNMS1が保持する制御プレーンパス情報を監査処理部22に出力し、その結果を用いて隣接NE宛の制御プレーンパス監査要求メッセージを作成する。また、監査メッセージ処理部21は、自装置が監査対象の制御プレーンパスの終端のNEである場合、NMS1宛ての制御プレーンパス監査応答メッセージを作成する。
【0037】
監査処理部22は、NMS1または隣接するNEから受信した制御プレーンパス監査要求メッセージに含まれる、NMS1が保持する制御プレーンパスの情報と制御プレーンパス情報記憶部11に保持されている制御プレーンパス情報とを監査(比較検証)し、その結果を監査メッセージ処理部21に出力する。
【0038】
自律分散スイッチング部23は、自律分散制御プロトコルによる経路制御やパス管理、クロスコネクト(又は、スイッチング)等を実施する。このような自律分散スイッチング部23は、一般的な自律分散制御に対応する通信装置が有している同等の処理部にて実現できる。
【0039】
図5は、NMS1の詳細構成を表したブロックである。図5を参照すると、記憶装置110と、監査処理部122と、ネットワーク管理部123と、NMS制御処理部124と、を備えた構成が示されている。
【0040】
記憶装置110には、制御プレーンパス情報記憶部111と、ネットワーク設定情報記憶部112とが含まれている。制御プレーンパス情報記憶部111は、ネットワークに設定した制御プレーンパス情報を格納するテーブル(以下、「パス管理情報テーブル」という。)と、ノードクロスコネクト情報管理テーブルと、を記憶する。ネットワーク設定情報記憶部12は、その他一般的なNMSが持つ設定情報等を記憶する。
【0041】
図6は、図4のNMS1の制御プレーンパス情報記憶部111に保持されているパス管理情報テーブルの例である。図6のパス管理情報テーブルには、各NE200〜NE205に設定した制御プレーンパスのID(PATH ID)、送信元ノードID、送信先ノードID、制御プレーンパス上のノードクロスコネクト情報(ノードXC情報)やその他の情報を対応付けたエントリが格納されている。
【0042】
図7は、図4のNMS1の制御プレーンパス情報記憶部111に保持されているノードクロスコネクト情報管理テーブルの例である。図7のノードクロスコネクト情報管理テーブルには、図6のパス管理情報テーブルのノードクロスコネクト情報フィールドに設定される各ノードのクロスコネクト情報の詳細情報が格納されている。例えば、図6のPATH ID=PAHT401のエントリには、ノードクロスコネクト情報(ノードXC情報)として、ホップ順に40101、40102、40103、40104・・・が設定されている。そして、図7のノードクロスコネクト情報管理テーブルのノードクロスコネクト情報ID=40101、40102、40103、40104のエントリを参照することで、各ホップの詳細な内容(NEのID、In側ポート番号、In−Label、Out側ポート番号、Out−Label等を把握することが可能となっている。
【0043】
NMS制御処理部124は、NMS1の各部と情報を授受し、ネットワーク保守者からの監査対象の制御プレーンパスの選択の受付処理や、NEから受信した各種通知、NEへのコマンドの送信等を行う。
【0044】
監査処理部122は、ネットワーク保守者からパス監査要求を受け付けると、パス管理情報テーブル、クロスコネクト情報管理テーブルから、パス監査要求を受けたパスを検索し、制御プレーンパス監査要求メッセージを作成する。また、監査処理部122は、NEから制御プレーンパス監査応答を受信すると、所定の表示装置に監査の結果を表示する。
【0045】
図8は、監査処理部122が作成する制御プレーンパス監査要求メッセージの構成例を示す図である。メッセージIDフィールドには、制御プレーンパス監査要求メッセージを一意に特定するためのIDが設定される。要求/応答フィールドには、当該メッセージが制御プレーンパス監査要求メッセージであるのか、制御プレーンパス監査要求メッセージに対する応答であるのかを示す値が設定される。PATH IDには、ネットワーク保守者からパス監査要求を受け付けた制御プレーンパスのIDが設定される。送信元NE(始点NE)は、制御プレーンパスの始点となるNEが設定される。送信先NE(終点NE)は、制御プレーンパスの終点となるNEが設定される。本実施形態では、NMS1は、送信元NE(始点NE)に対し、制御プレーンパス監査要求メッセージを送信する。送信先NE(終点NE)は制御プレーンパス監査応答メッセージを生成するNEである。NEクロスコネクト情報01は、制御プレーンパス上の1番目のNEが監査を行うためのフィールドであり、監査結果01は、その結果を書き込むためのフィールドである。以下、同様に、制御プレーンパス上の各NE(N番目まで)のNEクロスコネクト情報フィールドと、監査結果フィールドとが設けられている。各NEクロスコネクト情報は、図8の下段に示したように、NEのID、In側ポート番号(In−Port情報)、In−Label、Out側ポート番号、Out−Labelが含まれている。各NEは、監査が済んでいない先頭のNEクロスコネクト情報と、自装置のパス管理情報テーブルに保持されている同一PATH IDのエントリと照合することで監査を行うことができる。
【0046】
ネットワーク管理部123は、NMS1としてのネットワーク管理機能を提供する。このようなネットワーク管理部123は、一般的なNMSが有している同等の処理部にて実現できる。
【0047】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、NMS1が、ネットワーク保守者から、図9に示すPATH ID=PATH401の制御プレーンパスの監査要求を受ける例を挙げて説明する。
【0048】
図10は、本発明の第1の実施形態の動作を表わしたシーケンス図である。まず、NMS1は、ネットワーク保守者から、設定済みの制御プレーンパス(PATH401)を指定して制御プレーンパスの監査要求を受け付ける(ステップS001)。
【0049】
次に、NMS1は、図6に示すパス管理情報テーブルを参照し、指定された制御プレーンパス(PATH401)のエントリを検索する。次に、NMS1は、図7に示すクロスコネクト情報テーブルを参照し、PATH401の該当エントリ内にあるノードクロスコネクト情報からクロスコネクト情報をすべて検索する。例えば、図6のパス管理情報テーブルのPATH401のエントリには、ノードクロスコネクト情報として、ノードクロスコネクト情報40101、40102、40103、40104、・・・が得られる。NMS1は、図7のクロスコネクト情報テーブルから、ノードクロスコネクト情報40101、40102、40103、40104の詳細内容が得られる。NMS1は、これらの情報を用いて、図8に示すような制御プレーンパス監査要求メッセージを生成し、制御プレーンパスの送信元NEであるNE200に送信する(ステップS002)。
【0050】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE200は、自装置のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE200は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報を検索する。次に、NE200は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE200は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS003)。この監査結果としては、OKまたはNGの2値を格納するものとしてもよいし、照合対象となっている項目中のNG(不一致)となった項目等を含めるようにしてもよい。
【0051】
次に、NE200は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージを次ホップであるNE201に送信する(ステップS004)。
【0052】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE201は、まず、制御プレーンパス監査要求メッセージ内の送信先NE(終点NE)フィールドを参照して、自装置が制御プレーンパスの終点NEであるか否かを判定する(ステップS005)。
【0053】
NE201は、図6のPATH ID=PATH401のエントリに示すように、終点NEではないので、NE201は同様に、図4に示すNE側のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE201は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報を検索する。次に、NE201は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE201は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS006)。
【0054】
次に、NE201は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージを次ホップであるNE203に送信する(ステップS007)。このようにして、制御プレーンパス上のNE(PATH401の場合、NE203、NE205)が、制御プレーンパス監査要求メッセージを用いて監査を実行し、その結果を書き込んで、転送していく。そして、制御プレーンパス監査要求メッセージは、最終ホップであるNE206に到達する。
【0055】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE206は、まず、制御プレーンパス監査要求メッセージ内の送信先NE(終点NE)フィールドを参照して、自装置が制御プレーンパスの終点NEであるか否かを判定する(ステップS008)。NE206は、図6のPATH ID=PATH401のエントリに示すように、終点NEであるため、以下の処理を行う。
【0056】
NE206は、自装置のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE206は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報(最後のNEクロスコネクト情報)を検索する。次に、NE206は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE206は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS009)。
【0057】
次に、NE206は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージの要求/応答フィールドを「応答」に変更した制御プレーンパス監査応答メッセージを生成し、送信元NEであるNE200に送信する(ステップS010)。
【0058】
送信元NEであるNE200は、制御プレーンパス監査応答メッセージを受信すると、NMS1に転送する(ステップS011)。
【0059】
NMS1は、制御プレーンパス監査応答メッセージを受信すると、その内容を所定の表示装置に出力し、ネットワーク保守者に提示する(ステップS012)。
【0060】
以上、説明したように、本実施形態によれば、NMSの処理負荷を掛けることなく、GMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムにおけるNEが保持する制御プレーンパス情報とNMSが保持する制御プレーンパス情報との監査を実行することが可能となる。その理由は、NMS1からの指示によりパス上の各NE200〜206が、自律分散でNE側の制御プレーンパス情報とNMS1が保持する制御プレーンパス情報の監査を行なうようにしたことにある。即ち、NMS1がパス上のすべてのNEに個別に制御プレーンパス情報を収集し、NMS1自身が収集した情報をもとに、監査を行なうことはしない。
【0061】
また、本実施形態によれば、上述した監査処理を短時間で実施することが可能となる。その理由は、NMS1がパス上のすべてのNEに個別に制御プレーンの情報を収集、監査を行なうことはせず、NMS1からの指示によりNEが自律分散でパスの制御プレーン情報の監査を行なうよう構成したことにある。
【0062】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した実施形態の説明で例示したNEの数やそのトポロジー構成は、本発明の理解を助けるために簡略化したものであり、より多くのNEで構成された複雑なネットワークにも適用することが可能である。
【0063】
また、上記した実施形態では、NMS1が1本の制御プレーンパス(PATH401)を指定して1つのNE(NE200)に対して制御プレーンパス監査応答メッセージを送信するものとして説明したが、複数の制御プレーンパスの監査を並列に実施する形態にも変更することができる。
【0064】
例えば、図11に示したように、NE200に対して、PATH401のほか、PATH402とPATH403の監査を要求するようにしてもよい。また例えば、図12に示したように、NMS1が複数の制御プレーンパス(PATH401、PATH404)を指定して、複数のNE(NE200、NE204)に対して監査を要求するようにしてもよい。
【0065】
このように、複数のNEに対して並列的に監査を要求することにより、監査の処理効率を高めるとともに、所要時間を低減させることも可能となる。
【0066】
また、上記した実施形態では、制御プレーンパス監査応答メッセージは、NE200を経由して、NMS1送信されるものとして説明したが、マネージメントリンクML6を介して、NE205が直接NMS1に送信するようにしてもよい。また、監査要求メッセージの転送の過程で、監査の結果、NEが異常を検出した場合には、その時点で監査要求メッセージの転送を中止し、NMS1に通知するようにしてもよい。このようにすれば、ネットワーク保守者に、制御プレーンパスの異常を伝え、早期にその再設定を促すことができる。
【0067】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による通信システム参照)
[第2の形態]
第1の形態において、
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次の通信装置に対し、前記監査要求メッセージを送信し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る通信システム。
[第3の形態]
第2の形態において、
前記監査要求メッセージは、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報を含み、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する通信システム。
[第4の形態]
第1から第3いずれか一の形態において、
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から、監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記監査要求メッセージを送信する通信システム。
[第5の形態]
(上記第2の視点による制御プレーンパスの監査方法参照)
[第6の形態]
第5の形態において、
前記第1〜第Nの通信装置は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る制御プレーンパスの監査方法。
[第7の形態]
第6の形態において、
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する制御プレーンパスの監査方法。
[第8の形態]
第5から第7いずれか一の形態において、
前記ネットワーク管理装置は、
前記監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記制監査要求メッセージを送信する制御プレーンパスの監査方法。
[第9の形態]
(上記第3の視点による通信装置参照)
[第10の形態]
第9の形態において、
前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する通信装置。
[第11の形態]
第10の形態において、
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
自装置が、前記監査要求メッセージにて指定された通信装置である場合、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する通信装置。
[第12の形態]
(上記第4の視点によるネットワーク管理装置参照)
【0068】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
1、1A NMS ネットワーク管理システム
10、110 記憶装置
11、111 制御プレーンパス情報記憶部
12 設定情報記憶部
21 監査メッセージ処理部
22、122 監査処理部
23 自律分散スイッチング部
24 装置制御処理部
112 ネットワーク設定情報記憶部
123 ネットワーク管理部
124 NMS制御処理部
200〜206、200A〜203A、205A ネットワーク要素(NE)
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、制御プレーンパスの監査方法、通信装置およびネットワーク管理装置に関し、特に、各通信装置が自律分散制御を行う通信システム、制御プレーンパスの監査方法、通信装置およびネットワーク管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、手動設定パスで使用するラベルとGMPLS(Generalized Multi−Protocol Label Switching)/ASON(Automatically Switched Optical Network)等自律分散プロトコル設定パスで使用するラベルとを区別可能とし、パスが設定できなくなるのを防ぐこと可能なノード装置が開示されている。同文献によると、このノード装置は、パス設定前に予め定義された手動設定パスが使用するラベルと自律分散プロトコル設定パスが使用するラベルとを少なくとも格納するパス設定ラベル情報記憶手段(パス設定ラベル情報記憶部)と、パス設定ラベル情報記憶手段の格納内容を参照して手動設定パスの設定及び自律分散プロトコル設定パスの設定を実行する資源管理手段(資源管理部)とを有する、とされている。
【0003】
特許文献2には、自律分散制御対応装置及び自律分散制御非対応装置が混在したネットワークにおいて、自律分散制御非対応装置を中継した自律分散制御によるパス設定を行った場合、設定したパスの状態を認識できるネットワークシステム、通信装置、パス管理方法及びプログラムが開示されている。同文献によると、この自律分散制御対応装置は、自律分散制御対応装置と、自律分散制御非対応装置とを介した経路である仮想リンクを示す仮想リンク情報に対して、仮想リンクの状態を示す警報情報を対応付けて管理する仮想リンク情報管理手段と、仮想リンクに自律分散制御パスを設定するパス設定手段と、自律分散制御パスから、SONET/SDH(Synchronous Optical NETwork/Synchronous Digital Hierarchy)のPOH(Path OverHead)情報又はSOH(Section OverHead)情報を収集する収集手段と、収集手段により収集されたPOH情報又はSOH情報に含まれる警報情報に基づいて、仮想リンク情報管理手段により管理される警報情報の更新を行う更新手段と、を有する、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−17150号公報
【特許文献2】特開2009−177599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明によって与えられたものである。上記GMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムでは、UNI(User Network Interface)やE−NNI(Exterior Network−to−Network Interface)で接続された外部装置又はネットワーク管理システム(Network Management System。以下、単に「NMS」または「ネットワーク管理装置」という。)からの指示により制御プレーンを利用して制御プレーンパスを設定する。
【0006】
このようなGMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムにおいて、制御プレーンで設定した制御プレーンパスの情報はパスの経路上の各NE(Network Element;ネットワーク要素。以下、単に「NE」または「通信装置」という。)とNMSに記録される。
【0007】
NMSは、制御プレーンパスの情報を管理し、必要に応じて、ネットワーク保守者に制御プレーンパスが設定された経路や制御プレーンパスの利用したラベルを提示する。基本的には、NMSに管理されている制御プレーンパスの情報と、各NEに保持されている制御プレーンパスの情報は整合しているはずであるが、プログラムのバグや通信障害の理由により、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報が一致しないことがある。
【0008】
このため、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報の情報が整合していることを確認(以下、NEが保持する制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報とを照合し、その整合性を確認することを「監査」と呼ぶ。)する必要がある。例えば、NMSが制御プレーンパス上のすべてのNEから個別に制御プレーンパスの情報を収集し、収集した制御プレーンパスの情報とNMSが保持する制御プレーンパスの情報とを照合してその一致、不一致を確認する方法が考えられる。しかしながら、このような方法を採った場合、制御プレーンパスのホップ数が多くなるほどNMSが情報を取得するNEの数が増加し、NMSの処理負荷が増加してしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、制御プレーンパスのホップ数が多くても、NMSの処理負荷を増大させることの無い制御プレーンパスの監査方法、該方法を実施できる通信システム、通信装置およびネットワーク管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含み、前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信し、前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する通信システムが提供される。
【0011】
本発明の第2の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む通信システムにおいて、前記ネットワーク管理装置から制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信した第1の通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、前記制御プレーンパスの前ホップの通信装置から、前記監査要求メッセージの転送を受けた第2〜第Nの通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、を含む制御プレーンパスの監査方法が提供される。本方法は、自律分散制御に対応する通信装置という、特定の機械に結びつけられている。
【0012】
本発明の第3の視点によれば、自律分散制御に対応する通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置と接続され、前記ネットワーク管理装置または他の通信装置から、制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行う監査処理部と、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する監査メッセージ処理部と、を備えた通信装置が提供される。
【0013】
本発明の第4の視点によれば、上記した通信装置に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する前記ネットワーク管理装置が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、制御プレーンパスのホップ数が多くとも、NMSの処理負荷を増大させることなく制御プレーンパスの監査を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の構成を表わした図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の通信装置(NE)の構成を表わしたブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の通信装置(NE)の制御プレーンパス情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図5】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)の構成を表わしたブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)の制御プレーンパス情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図7】本発明の第1の実施形態のネットワーク管理システム(NMS)のクロスコネクト情報の格納テーブルの一例を表わした図である。
【図8】本発明の第1の実施形態で用いる制御プレーンパス監査要求メッセージの構成例を表わした図である。
【図9】制御プレーンパスの一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の動作を表わしたシーケンス図である。
【図11】複数の制御プレーンパスの監査を行う場合の例を説明するための図である。
【図12】複数の制御プレーンパスの監査を行う場合の別の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0017】
本発明は、その一実施形態において、図1に示すように、GMPLS/ASON等の自律分散制御に対応する通信装置群(図1のNE200A〜203A、205A)と、これら通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置(図1のNMS1A)とを含む構成にて実現できる。
【0018】
ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)は、ネットワーク保守者から監査対象の制御プレーンパスの指定を受け付ける。そして、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)は、前記監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置(例えば、図1のNE200A)に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信する。通信装置(例えば、図1のNE200A)は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置(例えば、図1のNE201A)に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【0019】
同様に、次ホップの通信装置(例えば、図1のNE201A)は、前記制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置(例えば、図1のNE203A)に対し、前記監査要求メッセージを転送する。
【0020】
このように、制御プレーンパス上の通信装置が、それぞれ、監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、次ホップの通信装置に対し、監査要求メッセージを転送していく。
【0021】
ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)側で保持されている制御プレーンパスの情報と通信装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との不一致は、次のような方法によりネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に伝達させることができる。例えば、制御プレーンパス上の通信装置は、自装置に設定されている制御プレーンパスの情報の不一致を検出した場合、制御プレーンパスの監査要求メッセージにその旨を書き込んでから次ホップに転送する。そして、制御プレーンパスの最終ホップの通信装置(例えば、図1のNE205A)が、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に対し、前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を送信する。
【0022】
また別の方法としては、個々の通信装置が、前記ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)側で保持されている制御プレーンパス情報との不一致を検出した時点で、ネットワーク管理装置(図1のNMS1A)に、その旨を通知するようにしてもよい。また、前記不一致検出時の通知は、前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を用いてもよいし、その他必要な情報が含まれたエラーメッセージを送信するようにしてもよい。
【0023】
また別の方法としては、最終ホップの通信装置(図1のNE205A)ではなく、任意に設定された先頭からN番目(但し、N≦制御プレーンパス長)の通信装置が前記情報が書き込まれた制御プレーンパス監視応答を送信するようにしてもよい。
【0024】
以上のようにすることにより、通信装置により制御プレーンパス情報の監査が行われていくため、制御プレーンパスのホップ数が多くても、ネットワーク管理装置(NMS)の処理負荷が大きくならないという効果が奏される。
【0025】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、GMPLS/ASON等の自律分散制御ネットワークに本発明を適用する。GMPLS/ASON等の自律分散制御対応ネットワークは、GMPLS/ASON等の自律分散制御に対応した通信装置(NE)及び通信リンクから構成されるネットワークである。
【0026】
自律分散制御対応ネットワーク内でパスを設定する場合、各通信装置(NE)は保守者の指示に従い自律分散制御で経路制御及びシグナリングを実行する。より具体的には、各通信装置(NE)は、それぞれのラベル予約・スイッチ設定を行い、指定された始点・終点通信装置間のパスを設定または切断する。このような自律分散制御対応ネットワークでは、パケットやTDM(時分割多重)、WDM(波長多重)などの通信技術によってエンド・トゥ・エンドのパスが提供される。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態の構成を表わした図である。図2を参照すると、自律分散制御に対応したNE200〜206と、これらNE200〜206によって構成されたネットワークを管理するNMS1とを含む構成が示されている。
【0028】
NE200〜206は、ラベル(パケット、タイムスロット、波長等の識別子)の情報に基づき、クロスコネクト(又は、スイッチング)を実施する通信装置である。また、NE200〜206は、自律分散制御に対応しており、GMPLS/ASON等の自律分散制御プロトコルによって、自律分散制御パスの経路制御やパス管理(パスの設定/維持/切断)を実施する。
【0029】
NE200〜206間は、1本又はそれ以上の光ファイバ等の通信リンクDL0〜DL9で接続されている。NE200〜206は、前記通信リンクが接続されたポートについて、それぞれ一意に付与されたポート番号(ポート番号は、図2において#1〜#4と表記。)を用いて管理を行なっている。また、NE200〜206間は、制御メッセージ交換リンクCL0〜CL9で接続されている。通信リンクDL0〜DL9は、ユーザ情報が通るリンクであるのに対して、制御メッセージ交換リンクCL0〜CL9は、NE200〜206間の制御情報の交換に用いるリンクである。なお、図2の例では、通信リンクと制御メッセージ交換リンクがそれぞれ独立して設けられているが、ネットワークの運用方法によっては通信リンクと制御メッセージ交換リンクが同一の物理リンクを共有することもある。
【0030】
NMS1は、NE200〜206の監視/保守(例えば、パスの設定・切断要求、通信装置撤去管理)を行う機能を有し、ネットワーク保守者とネットワークとのインターフェースとなるシステムである。NMS1とNE200〜206はマネージメントリンクML1〜ML6で接続されている。NMS1は、このマネージメントリンクML1〜ML6を介してNE200〜206の設定を行う。
【0031】
続いて、上記NE200〜206及びNMS1について、より詳細に説明する。図3は、NE203の詳細構成を表したブロックである。図3を参照すると、記憶装置10と、監査メッセージ処理部21と、監査処理部22と、自律分散スイッチング部23と、装置制御処理部24と、を備えた構成が示されている。なお、ここでは、NE201の構成のみを示しているが、NE200、NE202〜NE206も同様の構成とすることができる。
【0032】
記憶装置10には、制御プレーンパス情報記憶部11と、設定情報記憶部12とが含まれている。制御プレーンパス情報記憶部11は、制御プレーンパス情報を格納するテーブル(以下、「パス管理情報テーブル」という。)を記憶する。設定情報記憶部12は、その他一般的な自律分散制御に対応する通信装置が持つ設定情報等を記憶する。
【0033】
図4は、図2のNE201の制御プレーンパス情報記憶部11に保持されているパス管理情報テーブルである。図4のパス管理情報テーブルには、NE201における各制御プレーンパスのID(PATH ID)、クロスコネクト情報(図4のIn側ポート番号フィールド〜次ノードIDフィールド)やその他の情報を対応付けたエントリが格納されている。なお、このようなパス管理情報テーブルとしては、自律分散制御に対応した通信装置に具備されている同様のテーブルを用いることができる。
【0034】
設定情報記憶部12は、自律分散制御に対応する通信装置が持つ設定情報等を記憶する。
【0035】
装置制御処理部24は、NMS1からのコマンド要求の処理やNMS1への通知処理、隣接するNEからのシグナリング処理を適切な処理部に転送する。
【0036】
監査メッセージ処理部21は、NMS1からの制御プレーンパス監査要求メッセージや隣接するNEからの制御プレーンパス監査要求メッセージの受信をトリガとして、制御プレーンパス監査要求メッセージに含まれるNMS1が保持する制御プレーンパス情報を監査処理部22に出力し、その結果を用いて隣接NE宛の制御プレーンパス監査要求メッセージを作成する。また、監査メッセージ処理部21は、自装置が監査対象の制御プレーンパスの終端のNEである場合、NMS1宛ての制御プレーンパス監査応答メッセージを作成する。
【0037】
監査処理部22は、NMS1または隣接するNEから受信した制御プレーンパス監査要求メッセージに含まれる、NMS1が保持する制御プレーンパスの情報と制御プレーンパス情報記憶部11に保持されている制御プレーンパス情報とを監査(比較検証)し、その結果を監査メッセージ処理部21に出力する。
【0038】
自律分散スイッチング部23は、自律分散制御プロトコルによる経路制御やパス管理、クロスコネクト(又は、スイッチング)等を実施する。このような自律分散スイッチング部23は、一般的な自律分散制御に対応する通信装置が有している同等の処理部にて実現できる。
【0039】
図5は、NMS1の詳細構成を表したブロックである。図5を参照すると、記憶装置110と、監査処理部122と、ネットワーク管理部123と、NMS制御処理部124と、を備えた構成が示されている。
【0040】
記憶装置110には、制御プレーンパス情報記憶部111と、ネットワーク設定情報記憶部112とが含まれている。制御プレーンパス情報記憶部111は、ネットワークに設定した制御プレーンパス情報を格納するテーブル(以下、「パス管理情報テーブル」という。)と、ノードクロスコネクト情報管理テーブルと、を記憶する。ネットワーク設定情報記憶部12は、その他一般的なNMSが持つ設定情報等を記憶する。
【0041】
図6は、図4のNMS1の制御プレーンパス情報記憶部111に保持されているパス管理情報テーブルの例である。図6のパス管理情報テーブルには、各NE200〜NE205に設定した制御プレーンパスのID(PATH ID)、送信元ノードID、送信先ノードID、制御プレーンパス上のノードクロスコネクト情報(ノードXC情報)やその他の情報を対応付けたエントリが格納されている。
【0042】
図7は、図4のNMS1の制御プレーンパス情報記憶部111に保持されているノードクロスコネクト情報管理テーブルの例である。図7のノードクロスコネクト情報管理テーブルには、図6のパス管理情報テーブルのノードクロスコネクト情報フィールドに設定される各ノードのクロスコネクト情報の詳細情報が格納されている。例えば、図6のPATH ID=PAHT401のエントリには、ノードクロスコネクト情報(ノードXC情報)として、ホップ順に40101、40102、40103、40104・・・が設定されている。そして、図7のノードクロスコネクト情報管理テーブルのノードクロスコネクト情報ID=40101、40102、40103、40104のエントリを参照することで、各ホップの詳細な内容(NEのID、In側ポート番号、In−Label、Out側ポート番号、Out−Label等を把握することが可能となっている。
【0043】
NMS制御処理部124は、NMS1の各部と情報を授受し、ネットワーク保守者からの監査対象の制御プレーンパスの選択の受付処理や、NEから受信した各種通知、NEへのコマンドの送信等を行う。
【0044】
監査処理部122は、ネットワーク保守者からパス監査要求を受け付けると、パス管理情報テーブル、クロスコネクト情報管理テーブルから、パス監査要求を受けたパスを検索し、制御プレーンパス監査要求メッセージを作成する。また、監査処理部122は、NEから制御プレーンパス監査応答を受信すると、所定の表示装置に監査の結果を表示する。
【0045】
図8は、監査処理部122が作成する制御プレーンパス監査要求メッセージの構成例を示す図である。メッセージIDフィールドには、制御プレーンパス監査要求メッセージを一意に特定するためのIDが設定される。要求/応答フィールドには、当該メッセージが制御プレーンパス監査要求メッセージであるのか、制御プレーンパス監査要求メッセージに対する応答であるのかを示す値が設定される。PATH IDには、ネットワーク保守者からパス監査要求を受け付けた制御プレーンパスのIDが設定される。送信元NE(始点NE)は、制御プレーンパスの始点となるNEが設定される。送信先NE(終点NE)は、制御プレーンパスの終点となるNEが設定される。本実施形態では、NMS1は、送信元NE(始点NE)に対し、制御プレーンパス監査要求メッセージを送信する。送信先NE(終点NE)は制御プレーンパス監査応答メッセージを生成するNEである。NEクロスコネクト情報01は、制御プレーンパス上の1番目のNEが監査を行うためのフィールドであり、監査結果01は、その結果を書き込むためのフィールドである。以下、同様に、制御プレーンパス上の各NE(N番目まで)のNEクロスコネクト情報フィールドと、監査結果フィールドとが設けられている。各NEクロスコネクト情報は、図8の下段に示したように、NEのID、In側ポート番号(In−Port情報)、In−Label、Out側ポート番号、Out−Labelが含まれている。各NEは、監査が済んでいない先頭のNEクロスコネクト情報と、自装置のパス管理情報テーブルに保持されている同一PATH IDのエントリと照合することで監査を行うことができる。
【0046】
ネットワーク管理部123は、NMS1としてのネットワーク管理機能を提供する。このようなネットワーク管理部123は、一般的なNMSが有している同等の処理部にて実現できる。
【0047】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、NMS1が、ネットワーク保守者から、図9に示すPATH ID=PATH401の制御プレーンパスの監査要求を受ける例を挙げて説明する。
【0048】
図10は、本発明の第1の実施形態の動作を表わしたシーケンス図である。まず、NMS1は、ネットワーク保守者から、設定済みの制御プレーンパス(PATH401)を指定して制御プレーンパスの監査要求を受け付ける(ステップS001)。
【0049】
次に、NMS1は、図6に示すパス管理情報テーブルを参照し、指定された制御プレーンパス(PATH401)のエントリを検索する。次に、NMS1は、図7に示すクロスコネクト情報テーブルを参照し、PATH401の該当エントリ内にあるノードクロスコネクト情報からクロスコネクト情報をすべて検索する。例えば、図6のパス管理情報テーブルのPATH401のエントリには、ノードクロスコネクト情報として、ノードクロスコネクト情報40101、40102、40103、40104、・・・が得られる。NMS1は、図7のクロスコネクト情報テーブルから、ノードクロスコネクト情報40101、40102、40103、40104の詳細内容が得られる。NMS1は、これらの情報を用いて、図8に示すような制御プレーンパス監査要求メッセージを生成し、制御プレーンパスの送信元NEであるNE200に送信する(ステップS002)。
【0050】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE200は、自装置のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE200は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報を検索する。次に、NE200は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE200は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS003)。この監査結果としては、OKまたはNGの2値を格納するものとしてもよいし、照合対象となっている項目中のNG(不一致)となった項目等を含めるようにしてもよい。
【0051】
次に、NE200は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージを次ホップであるNE201に送信する(ステップS004)。
【0052】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE201は、まず、制御プレーンパス監査要求メッセージ内の送信先NE(終点NE)フィールドを参照して、自装置が制御プレーンパスの終点NEであるか否かを判定する(ステップS005)。
【0053】
NE201は、図6のPATH ID=PATH401のエントリに示すように、終点NEではないので、NE201は同様に、図4に示すNE側のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE201は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報を検索する。次に、NE201は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE201は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS006)。
【0054】
次に、NE201は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージを次ホップであるNE203に送信する(ステップS007)。このようにして、制御プレーンパス上のNE(PATH401の場合、NE203、NE205)が、制御プレーンパス監査要求メッセージを用いて監査を実行し、その結果を書き込んで、転送していく。そして、制御プレーンパス監査要求メッセージは、最終ホップであるNE206に到達する。
【0055】
制御プレーンパス監査要求メッセージを受信したNE206は、まず、制御プレーンパス監査要求メッセージ内の送信先NE(終点NE)フィールドを参照して、自装置が制御プレーンパスの終点NEであるか否かを判定する(ステップS008)。NE206は、図6のPATH ID=PATH401のエントリに示すように、終点NEであるため、以下の処理を行う。
【0056】
NE206は、自装置のパス管理情報テーブルを参照し、制御プレーンパス監査要求メッセージで指定されたPATH ID=PATH401のエントリを検索する。次に、NE206は、制御プレーンパス監査要求メッセージのNEクロスコネクト情報内の監査が済んでいないNEクロスコネクト情報(最後のNEクロスコネクト情報)を検索する。次に、NE206は、NE側のパス管理情報テーブルに保持されているPATH ID=PATH401のエントリと、NEクロスコネクト情報とを照合して、監査を実行する。NE206は、監査結果を制御プレーンパス監査要求メッセージの監査結果フィールドへ書き込む(ステップS009)。
【0057】
次に、NE206は、前記監査結果を書き込んだ制御プレーンパス監査要求メッセージの要求/応答フィールドを「応答」に変更した制御プレーンパス監査応答メッセージを生成し、送信元NEであるNE200に送信する(ステップS010)。
【0058】
送信元NEであるNE200は、制御プレーンパス監査応答メッセージを受信すると、NMS1に転送する(ステップS011)。
【0059】
NMS1は、制御プレーンパス監査応答メッセージを受信すると、その内容を所定の表示装置に出力し、ネットワーク保守者に提示する(ステップS012)。
【0060】
以上、説明したように、本実施形態によれば、NMSの処理負荷を掛けることなく、GMPLS/ASON等の自律分散制御の通信システムにおけるNEが保持する制御プレーンパス情報とNMSが保持する制御プレーンパス情報との監査を実行することが可能となる。その理由は、NMS1からの指示によりパス上の各NE200〜206が、自律分散でNE側の制御プレーンパス情報とNMS1が保持する制御プレーンパス情報の監査を行なうようにしたことにある。即ち、NMS1がパス上のすべてのNEに個別に制御プレーンパス情報を収集し、NMS1自身が収集した情報をもとに、監査を行なうことはしない。
【0061】
また、本実施形態によれば、上述した監査処理を短時間で実施することが可能となる。その理由は、NMS1がパス上のすべてのNEに個別に制御プレーンの情報を収集、監査を行なうことはせず、NMS1からの指示によりNEが自律分散でパスの制御プレーン情報の監査を行なうよう構成したことにある。
【0062】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した実施形態の説明で例示したNEの数やそのトポロジー構成は、本発明の理解を助けるために簡略化したものであり、より多くのNEで構成された複雑なネットワークにも適用することが可能である。
【0063】
また、上記した実施形態では、NMS1が1本の制御プレーンパス(PATH401)を指定して1つのNE(NE200)に対して制御プレーンパス監査応答メッセージを送信するものとして説明したが、複数の制御プレーンパスの監査を並列に実施する形態にも変更することができる。
【0064】
例えば、図11に示したように、NE200に対して、PATH401のほか、PATH402とPATH403の監査を要求するようにしてもよい。また例えば、図12に示したように、NMS1が複数の制御プレーンパス(PATH401、PATH404)を指定して、複数のNE(NE200、NE204)に対して監査を要求するようにしてもよい。
【0065】
このように、複数のNEに対して並列的に監査を要求することにより、監査の処理効率を高めるとともに、所要時間を低減させることも可能となる。
【0066】
また、上記した実施形態では、制御プレーンパス監査応答メッセージは、NE200を経由して、NMS1送信されるものとして説明したが、マネージメントリンクML6を介して、NE205が直接NMS1に送信するようにしてもよい。また、監査要求メッセージの転送の過程で、監査の結果、NEが異常を検出した場合には、その時点で監査要求メッセージの転送を中止し、NMS1に通知するようにしてもよい。このようにすれば、ネットワーク保守者に、制御プレーンパスの異常を伝え、早期にその再設定を促すことができる。
【0067】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点による通信システム参照)
[第2の形態]
第1の形態において、
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次の通信装置に対し、前記監査要求メッセージを送信し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る通信システム。
[第3の形態]
第2の形態において、
前記監査要求メッセージは、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報を含み、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する通信システム。
[第4の形態]
第1から第3いずれか一の形態において、
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から、監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記監査要求メッセージを送信する通信システム。
[第5の形態]
(上記第2の視点による制御プレーンパスの監査方法参照)
[第6の形態]
第5の形態において、
前記第1〜第Nの通信装置は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る制御プレーンパスの監査方法。
[第7の形態]
第6の形態において、
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する制御プレーンパスの監査方法。
[第8の形態]
第5から第7いずれか一の形態において、
前記ネットワーク管理装置は、
前記監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記制監査要求メッセージを送信する制御プレーンパスの監査方法。
[第9の形態]
(上記第3の視点による通信装置参照)
[第10の形態]
第9の形態において、
前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する通信装置。
[第11の形態]
第10の形態において、
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
自装置が、前記監査要求メッセージにて指定された通信装置である場合、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する通信装置。
[第12の形態]
(上記第4の視点によるネットワーク管理装置参照)
【0068】
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
1、1A NMS ネットワーク管理システム
10、110 記憶装置
11、111 制御プレーンパス情報記憶部
12 設定情報記憶部
21 監査メッセージ処理部
22、122 監査処理部
23 自律分散スイッチング部
24 装置制御処理部
112 ネットワーク設定情報記憶部
123 ネットワーク管理部
124 NMS制御処理部
200〜206、200A〜203A、205A ネットワーク要素(NE)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含み、
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信し、
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次の通信装置に対し、前記監査要求メッセージを送信し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る請求項1の通信システム。
【請求項3】
前記監査要求メッセージは、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報を含み、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項2の通信システム。
【請求項4】
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から、監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記監査要求メッセージを送信する請求項1から3いずれか一の通信システム。
【請求項5】
自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む通信システムにおいて、
前記ネットワーク管理装置から制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信した第1の通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、
前記制御プレーンパスの前ホップの通信装置から、前記監査要求メッセージの転送を受けた第2〜第Nの通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、を含むこと、
を特徴とする制御プレーンパスの監査方法。
【請求項6】
前記第1〜第Nの通信装置は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送し、
前記監査要求メッセージに含まれる情報により指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項5の制御プレーンパスの監査方法。
【請求項7】
自律分散制御に対応する通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置と接続され、
前記ネットワーク管理装置または他の通信装置から、制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行う監査処理部と、
前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する監査メッセージ処理部と、を備えたこと、
を特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する請求項7の通信装置。
【請求項9】
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
自装置が、前記監査要求メッセージにて指定された通信装置である場合、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項8の通信装置。
【請求項10】
請求項7から9いずれか一の通信装置に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信するネットワーク管理装置。
【請求項1】
自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含み、
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から指定された監査対象の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対し、前記監査対象の制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信し、
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置群は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次の通信装置に対し、前記監査要求メッセージを送信し、
前記ネットワーク管理装置は、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを受信することにより、前記制御プレーンパスの監査結果を受け取る請求項1の通信システム。
【請求項3】
前記監査要求メッセージは、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報を含み、
前記監査要求メッセージにて指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項2の通信システム。
【請求項4】
前記ネットワーク管理装置は、ネットワーク保守者から、監査対象の制御プレーンパスとして、複数の制御プレーンパスの選択を受け付け、
前記複数の制御プレーンパスの始点側の通信装置に対して、前記監査要求メッセージを送信する請求項1から3いずれか一の通信システム。
【請求項5】
自律分散制御に対応する通信装置群と、前記通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置とを含む通信システムにおいて、
前記ネットワーク管理装置から制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信した第1の通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、
前記制御プレーンパスの前ホップの通信装置から、前記監査要求メッセージの転送を受けた第2〜第Nの通信装置が、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行ってから、前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送するステップと、を含むこと、
を特徴とする制御プレーンパスの監査方法。
【請求項6】
前記第1〜第Nの通信装置は、前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送し、
前記監査要求メッセージに含まれる情報により指定された通信装置が、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項5の制御プレーンパスの監査方法。
【請求項7】
自律分散制御に対応する通信装置群に設定された制御プレーンパスを管理するネットワーク管理装置と接続され、
前記ネットワーク管理装置または他の通信装置から、制御プレーンパスの監査要求メッセージを受信すると、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と、自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合を行う監査処理部と、
前記制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する監査メッセージ処理部と、を備えたこと、
を特徴とする通信装置。
【請求項8】
前記監査要求メッセージの所定の領域に、前記監査要求メッセージに含まれる制御プレーンパスの情報と自装置側に設定されている制御プレーンパスの情報との照合結果を書き込んでから、前記監査対象の制御プレーンパスの次ホップの通信装置に対し、前記監査要求メッセージを転送する請求項7の通信装置。
【請求項9】
前記監査要求メッセージには、前記監査要求メッセージに対し応答すべき通信装置を指定する情報が含まれており、
自装置が、前記監査要求メッセージにて指定された通信装置である場合、前記ネットワーク管理装置に対し、前記照合結果が書き込まれた前記監査要求メッセージを送信する請求項8の通信装置。
【請求項10】
請求項7から9いずれか一の通信装置に対し、前記制御プレーンパスの情報を含んだ監査要求メッセージを送信するネットワーク管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−106137(P2013−106137A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247547(P2011−247547)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]