配線基板の製造方法
【課題】 製品用パネルが加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがなく、しかも加工後の製品用パネルにおける製品領域に傷や異物の付着、シミや変色の発生がない配線基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 厚みが80μmの絶縁樹脂基板2の両面に厚みが2〜35の銅箔3が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域4が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域5が配設された製品用パネル1を準備し、次に捨て代領域5上における銅箔3上に該銅箔3と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターン7を形成し、次に補強パターン7を有する製品用パネル1を搬送する。
【解決手段】 厚みが80μmの絶縁樹脂基板2の両面に厚みが2〜35の銅箔3が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域4が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域5が配設された製品用パネル1を準備し、次に捨て代領域5上における銅箔3上に該銅箔3と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターン7を形成し、次に補強パターン7を有する製品用パネル1を搬送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路素子等の電子部品を搭載するための配線基板の製造方法に関するものであり、より詳細には薄型の製品用パネルを用いた配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、樹脂を含有するコア用の絶縁板の表面に銅箔や銅めっき膜等から成る導体層と樹脂を含有する絶縁層とを交互に積層して成る配線基板が知られている。
【0003】
このような配線基板は、例えば以下のようにして製作される。まず出発材料として、上記配線基板の数十個〜数百個分以上の広さを有する製品用パネルを準備する。この製品用パネルは、ガラスクロス基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁樹脂基板の両主面に銅箔を被着させた銅張積層板から成り、その中央部に、それぞれが上記配線基板となる製品領域が縦横の並びに多数設けられている。
【0004】
次に、製品用パネルの各製品領域にドリル加工やめっき加工、エッチング加工等を施すことにより、コア用の絶縁板に必要なスルーホールおよび導体パターンを形成する。次に、製品用パネルの両面に次層の絶縁層を積層するとともに該絶縁層の製品領域にレーザ加工やめっき加工、エッチング加工等を施すことにより必要なビアホールや導体パターンを形成する。その上に必要に応じて更に次層の絶縁層および次層の導体パターンの形成を繰返した後、各製品領域の表面に最表層の導体パターンの一部を露出させるソルダーレジスト層を形成する。そして最後にダイシングマシーンやルータ等の切断装置により各製品領域に切断分割して、多数の配線基板が同時集約的に製作される。
【0005】
しかしながら近時、配線基板においては、その薄型化が要求されており、例えば厚みが80μmの薄い絶縁樹脂基板に厚みが2〜35μm程度の銅箔を被着して成る薄型の銅張積層板が製品用パネルとして用いられるようになってきている。ところが、このような厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板に厚みが2〜35μm程度の銅箔を披着させてなる薄型の製品用パネルにおいては、その薄さゆえに強度が低いものとなり、そのため製品用パネルにめっきやエッチング等の加工を施すためにめっき装置内やエッチング装置内を搬送すると、搬送の途中において製品用パネルが大きく撓んだり変形したりして、めっき装置内やエッチング装置内に詰まってしまったり、搬送路から脱落したり、破損したりしやすくなる。
【0006】
そこで、このような薄型の配線基板を製造する場合には、十分な強度を有する先導板や治具を別途用意するとともに、これらの先導板や治具を製品用パネルに取り付けた状態でめっき装置内やエッチング装置内を搬送する方法が提案されている。しかしながら、このように製品用パネルに先導板や治具を取り付ける場合、先導板や治具の取り付けおよび取り外し作業が煩雑となるとともに、先導板や治具の取り付けおよび取り外しの際に製品用パネルの製品領域に傷をつけたり、異物を付着させたりしやすい。また、製品用パネルと先導板や治具との取り付け部において僅かな隙間が形成されやすく、その隙間にめっき液やエッチング液が入り込んで残り、それが製品領域にシミや変色を発生させてしまいやすいという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−249400号公報
【特許文献2】特開2000−151076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の配線基板の製造方法は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その課題は、薄型の製品用パネルを加工する際に製品用パネルが加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがなく、しかも加工後の製品用パネルにおける製品領域に傷や異物の付着、シミや変色の発生がない配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の配線基板の製造方法は、厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが2〜35μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記捨て代領域上における前記銅箔上に該銅箔と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の配線基板の製造方法は、厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが50〜100μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記製品用パネル上の前記銅箔を、前記捨て代領域における少なくとも一部を除いた部位の厚みが2〜35μmになるまでエッチングすることにより前記捨て代領域に前記銅箔の一部から成る厚みが50〜100μmの補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配線基板の製造方法によれば、製品用パネルの捨て代領域に銅めっき層または銅箔から成る補強パターンを形成した後、該補強パターンを有する製品用パネルを搬送するようにしたので、搬送される製品用パネルは補強用パターンにより補強されてその強度が大きいものとなっているので、大きく撓んだり変形したりすることがなく、したがって加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがない。また、補強用パターンは製品用パネルの捨て代領域の両面に銅めっき層を析出させることにより、あるいは銅箔をエッチングすることにより製品用パネルと一体的に形成されているので、補強パターンを別途用意して製品用パネルに取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターンの取り付けや取り外しに伴う製品領域への傷や異物の付着が発生することはない。さらに、補強用パターンは、製品用パネルと一体的に形成されているので、製品用パネルと補強用パターンとの間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域にシミや変色が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図2】図2は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図3】図3は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図4】図4は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図5】図5は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図6】図6は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図7】図7は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図8】図8は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図9】図9は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図10】図10は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図11】図11は、本発明の製造方法における変更例を説明するための概略図である。
【図12】図12は、本発明の製造方法における他の変更例を説明するための概略図である。
【図13】図13は、本発明の製造方法におけるさらに他の変更例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を添付の図面を基に説明する。本例においては、先ず、図1(a),(b)に示すように、銅張積層板から成る製品用パネル1を準備する。製品用パネル1は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが40〜80μm程度で一辺が250〜620mm程度の四角平板状の絶縁樹脂基板2の両面に厚みが2〜35μm程度の銅箔3を被着させてなる。
【0014】
製品用パネル1には、その中央部に各々が配線基板となる一辺が3〜300mm程度の多数の製品領域4が縦横の並びに配列されているとともに、その外周部に前記中央部を取り囲む幅が10〜20mm程度の枠状の捨て代領域5が形成されている。
【0015】
次に、図2(a),(b)に示すように、製品用パネル1の上下両面に捨て代領域5の外周部を枠状に露出させるとともに製品領域4を覆うようにしてめっきレジスト層6を被着させる。めっきレジスト層6は、感光性を有するめっきレジスト用のドライレジストフィルムを製品用パネル1の上下面に貼着するとともに、これを所定のパターンに露光・現像した後に硬化させることにより形成される。
【0016】
次に、図3(a),(b)に示すように、捨て代領域5においてめっきレジスト層6から露出する銅箔3の表面に周知の電解銅めっき法により銅めっき層から成る補強用パターン7を析出させる。なお、補強パターン7は、幅が5〜15mm程度、銅箔3と合わせた厚みが50〜100μm程度であることが好ましい。補強パターン7の幅が5mmよりも狭いと製品用パネル1に十分な強度を付与することが困難となり、逆に15mmよりも広いと、そのような広い幅の補強パターン7を設けるために捨て代領域5の幅を不要に広いものとする必要があり、製品用パネル1において製品領域4を効率的に設けることが困難となる。また銅箔3と合わせた補強パターン7の厚みが50μmよりも薄いと製品用パネル1に十分な強度を付与することが困難となり、逆に100μmよりも厚いと、そのような厚い補強パターン7を設けるために長時間を要し、そのための配線基板の製造効率が悪いものとなる。
【0017】
次に、図4(a),(b)に示すように、めっきレジスト層6を除去して、捨て代領域5に銅めっき層から成る補強用パターン7が形成された製品用パネル1を得る。補強用パターン7が形成された製品用パネル1は、補強用パターン7によりその強度が補強されているので、大きく撓んだり変形したりすることがない。また、補強用パターン7は、製品用パネル1の捨て代領域5の両面に銅めっき層を析出させることにより製品用パネル1と一体的に形成されるので、補強パターン7を別途用意して製品用パネル1に取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターン7の取り付けや取り外しに伴う製品領域4への傷や異物の付着が発生することはない。なお、めっきレジスト層6の除去は、アルカリ系のレジスト剥離液を用いてめっきレジスト層6を剥離する方法が採用される。
【0018】
次に、図5に示すように、補強用パターン7が形成された製品用パネル1の各製品領域4にめっきやエッチング等の所定の加工を施すために、補強用パターン7が形成された製品用パネル1を図示しないめっき装置やエッチング装置等の加工装置に投入するための多数の搬送ローラ8を有する搬送装置により搬送する。このとき、製品用パネル1は補強用パターン7により補強されてその強度が大きいものとなっており、大きく撓んだり変形したりすることがないので、加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることが有効に防止される。また、補強用パターン7は製品用パネル1と一体的に形成されているので、製品用パネル1と補強用パターン7との間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域4にシミや変色が発生することが有効に防止される。
【0019】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を添付の図面を基に説明する。本例においては、先ず、図6(a),(b)に示すように、銅張積層板から成る製品用パネル11を準備する。製品用パネル11は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが40〜80μm程度で一辺が250〜620mm程度の四角平板状の絶縁樹脂基板12の両面に厚みが50〜100μm程度の銅箔13を被着させてなる。
【0020】
製品用パネル11には、その中央部に各々が配線基板となる一辺が3〜300mm程度の多数の製品領域14が縦横の並びに配列されているとともに、その外周部に前記中央部を取り囲む幅が10〜20mm程度の枠状の捨て代領域15が形成されている。
【0021】
次に、図7(a),(b)に示すように、製品用パネル11の上下両面に捨て代領域15の外周部を枠状に覆うとともに製品領域14を露出させるようにしてエッチングレジスト層16を被着させる。エッチングレジスト層16は、感光性を有するエッチングレジスト用のドライレジストフィルムを製品用パネル11の上下面に貼着するとともに、これを所定のパターンに露光・現像した後に硬化させることにより形成される。
【0022】
次に、図8(a),(b)に示すように、エッチングレジスト層16から露出する中央部の銅箔13を2〜35μm程度の厚みになるまでエッチングにより薄くする。これにより捨て代領域15においてエッチングレジスト層16によって覆われた部分が元の厚みのままで補強用パターン17として残る。補強パターン17は、幅が5〜15mm程度、厚みが50〜100程度であることが好ましい。補強パターン17の幅が5mmよりも狭いと製品用パネル11に十分な強度を付与することが困難となり、逆に15mmよりも広いと、そのような広い幅の補強パターン17を設けるために捨て代領域5の幅を不要に広いものとする必要があり、製品用パネル11において製品領域14を効率的に設けることが困難となる。また補強パターン17の厚みが50μmよりも薄いと製品用パネル11に十分な強度を付与することが困難となり、逆に100μmよりも厚いと、そのような厚い補強パターン17を設けるために長時間を要し、そのための配線基板の製造効率が低いものとなる。
【0023】
次に、図9(a),(b)に示すように、エッチングレジスト層16を除去して、捨て代領域15に銅箔から成る補強用パターン17が形成された製品用パネル11を得る。補強用パターン17が形成された製品用パネル11は、補強用パター17によりその強度が補強されているので、大きく撓んだり変形したりすることがない。また、補強用パターン17は、製品用パネル11の捨て代領域15の両面に銅箔をエッチングすることにより製品用パネル11と一体的に形成されるので、補強パターン17を別途用意して製品用パネル11に取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターン17の取り付けや取り外しに伴う製品領域14への傷や異物の付着が発生することはない。なお、エッチングレジスト層16の除去は、アルカリ系のレジスト剥離液を用いてエッチングレジスト層16を剥離する方法が採用される。
【0024】
次に、図10に示すように、補強用パターン17が形成された製品用パネル11の各製品領域14にめっきやエッチング等の所定の加工を施すために、補強用パターン17が形成された製品用パネル11を図示しないめっき装置やエッチング装置等の加工装置に投入するための多数の搬送ローラ8を有する搬送装置により搬送する。このとき、製品用パネル11は補強用パターン17により補強されてその強度が大きいものとなっており、大きく撓んだり変形したりすることがないので、加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることが有効に防止される。また、補強用パターン17は製品用パネル11と一体的に形成されているので、製品用パネル11と補強用パターン17との間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域14にシミや変色が発生することが有効に防止される。
【0025】
かくして本発明の配線基板の製造方法によれば、薄型の製品用パネルを加工する際に製品用パネルが加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがなく、しかも加工後の製品用パネルにおける製品領域に傷や異物の付着、シミや変色の発生がない配線基板の製造方法を提供することができる。なお、本発明の配線基板の製造方法は、上述した実施形態の第一の例および第二の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0026】
例えば上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の捨て代領域5,15に枠状の補強パターン7,17を形成した例を示したが、図11(a),(b)に示すように、製品用パネル1,11の搬送方向における先頭部側の捨て代領域5,15のみに例えば棒状の補強パターン7,17を設けてもよい。
【0027】
また、上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の捨て代領域5,15に枠状の補強パターン7,17を連続的に設けたが、図12(a),(b)に示すように、補強用パターン7,17の一部に捨て代領域5,15の内側と外側にまたがるスリット7a,17aを設けても良い。この場合、製品用パネル1,11にめっきやエッチング等の加工を施す際に、めっき液やエッチング液、あるいは洗浄液等をこれらのスリット7a,17aを通して製品領域4,14上から良好に排出させることができ、それによりめっきやエッチング等の加工を効率的に行なうことができる。なお、補強用パターン7,17の一部にスリット7a,17aを設ける場合、上面側におけるスリット7a,17aと下面側におけるスリット7a,17aとの位置が上下で重ならないように設けることが好ましい。このように、上面側におけるスリット7a,17aと下面側におけるスリット7a,17aとの位置が上下で重ならないように設けることによりスリット7a,17aが形成された部位における製品用パネル11の強度の低下を有効に防止することができる。
【0028】
さらに、上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の外周部に設けた捨て代領域5,15の上下面のみに補強用パターン7,17を設けたが、図13(a),(b)に示すように、捨て代領域5,15の上下面に加えて製品用パネル11の中央部に設けた製品領域4,14の境界の両面における少なくとも一部にも補強用パターン7,17と同じ材料および厚みの製品領域補強用パターン7b,17bを設けても良い。この場合、製品用パネル1,11の中央部における強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0029】
1,11 製品用パネル
2,12 絶縁樹脂基板
3,13 銅箔
4,14 製品領域
5,15 捨て代領域
7,17 補強用パターン
7a,17a スリット
7b,17b 製品領域補強用パターン
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路素子等の電子部品を搭載するための配線基板の製造方法に関するものであり、より詳細には薄型の製品用パネルを用いた配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板として、樹脂を含有するコア用の絶縁板の表面に銅箔や銅めっき膜等から成る導体層と樹脂を含有する絶縁層とを交互に積層して成る配線基板が知られている。
【0003】
このような配線基板は、例えば以下のようにして製作される。まず出発材料として、上記配線基板の数十個〜数百個分以上の広さを有する製品用パネルを準備する。この製品用パネルは、ガラスクロス基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る絶縁樹脂基板の両主面に銅箔を被着させた銅張積層板から成り、その中央部に、それぞれが上記配線基板となる製品領域が縦横の並びに多数設けられている。
【0004】
次に、製品用パネルの各製品領域にドリル加工やめっき加工、エッチング加工等を施すことにより、コア用の絶縁板に必要なスルーホールおよび導体パターンを形成する。次に、製品用パネルの両面に次層の絶縁層を積層するとともに該絶縁層の製品領域にレーザ加工やめっき加工、エッチング加工等を施すことにより必要なビアホールや導体パターンを形成する。その上に必要に応じて更に次層の絶縁層および次層の導体パターンの形成を繰返した後、各製品領域の表面に最表層の導体パターンの一部を露出させるソルダーレジスト層を形成する。そして最後にダイシングマシーンやルータ等の切断装置により各製品領域に切断分割して、多数の配線基板が同時集約的に製作される。
【0005】
しかしながら近時、配線基板においては、その薄型化が要求されており、例えば厚みが80μmの薄い絶縁樹脂基板に厚みが2〜35μm程度の銅箔を被着して成る薄型の銅張積層板が製品用パネルとして用いられるようになってきている。ところが、このような厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板に厚みが2〜35μm程度の銅箔を披着させてなる薄型の製品用パネルにおいては、その薄さゆえに強度が低いものとなり、そのため製品用パネルにめっきやエッチング等の加工を施すためにめっき装置内やエッチング装置内を搬送すると、搬送の途中において製品用パネルが大きく撓んだり変形したりして、めっき装置内やエッチング装置内に詰まってしまったり、搬送路から脱落したり、破損したりしやすくなる。
【0006】
そこで、このような薄型の配線基板を製造する場合には、十分な強度を有する先導板や治具を別途用意するとともに、これらの先導板や治具を製品用パネルに取り付けた状態でめっき装置内やエッチング装置内を搬送する方法が提案されている。しかしながら、このように製品用パネルに先導板や治具を取り付ける場合、先導板や治具の取り付けおよび取り外し作業が煩雑となるとともに、先導板や治具の取り付けおよび取り外しの際に製品用パネルの製品領域に傷をつけたり、異物を付着させたりしやすい。また、製品用パネルと先導板や治具との取り付け部において僅かな隙間が形成されやすく、その隙間にめっき液やエッチング液が入り込んで残り、それが製品領域にシミや変色を発生させてしまいやすいという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−249400号公報
【特許文献2】特開2000−151076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の配線基板の製造方法は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その課題は、薄型の製品用パネルを加工する際に製品用パネルが加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがなく、しかも加工後の製品用パネルにおける製品領域に傷や異物の付着、シミや変色の発生がない配線基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の配線基板の製造方法は、厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが2〜35μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記捨て代領域上における前記銅箔上に該銅箔と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の配線基板の製造方法は、厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが50〜100μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記製品用パネル上の前記銅箔を、前記捨て代領域における少なくとも一部を除いた部位の厚みが2〜35μmになるまでエッチングすることにより前記捨て代領域に前記銅箔の一部から成る厚みが50〜100μmの補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の配線基板の製造方法によれば、製品用パネルの捨て代領域に銅めっき層または銅箔から成る補強パターンを形成した後、該補強パターンを有する製品用パネルを搬送するようにしたので、搬送される製品用パネルは補強用パターンにより補強されてその強度が大きいものとなっているので、大きく撓んだり変形したりすることがなく、したがって加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがない。また、補強用パターンは製品用パネルの捨て代領域の両面に銅めっき層を析出させることにより、あるいは銅箔をエッチングすることにより製品用パネルと一体的に形成されているので、補強パターンを別途用意して製品用パネルに取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターンの取り付けや取り外しに伴う製品領域への傷や異物の付着が発生することはない。さらに、補強用パターンは、製品用パネルと一体的に形成されているので、製品用パネルと補強用パターンとの間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域にシミや変色が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図2】図2は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図3】図3は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図4】図4は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図5】図5は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を説明するための概略図である。
【図6】図6は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図7】図7は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図8】図8は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図9】図9は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図10】図10は、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を説明するための概略図である。
【図11】図11は、本発明の製造方法における変更例を説明するための概略図である。
【図12】図12は、本発明の製造方法における他の変更例を説明するための概略図である。
【図13】図13は、本発明の製造方法におけるさらに他の変更例を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第一の例を添付の図面を基に説明する。本例においては、先ず、図1(a),(b)に示すように、銅張積層板から成る製品用パネル1を準備する。製品用パネル1は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが40〜80μm程度で一辺が250〜620mm程度の四角平板状の絶縁樹脂基板2の両面に厚みが2〜35μm程度の銅箔3を被着させてなる。
【0014】
製品用パネル1には、その中央部に各々が配線基板となる一辺が3〜300mm程度の多数の製品領域4が縦横の並びに配列されているとともに、その外周部に前記中央部を取り囲む幅が10〜20mm程度の枠状の捨て代領域5が形成されている。
【0015】
次に、図2(a),(b)に示すように、製品用パネル1の上下両面に捨て代領域5の外周部を枠状に露出させるとともに製品領域4を覆うようにしてめっきレジスト層6を被着させる。めっきレジスト層6は、感光性を有するめっきレジスト用のドライレジストフィルムを製品用パネル1の上下面に貼着するとともに、これを所定のパターンに露光・現像した後に硬化させることにより形成される。
【0016】
次に、図3(a),(b)に示すように、捨て代領域5においてめっきレジスト層6から露出する銅箔3の表面に周知の電解銅めっき法により銅めっき層から成る補強用パターン7を析出させる。なお、補強パターン7は、幅が5〜15mm程度、銅箔3と合わせた厚みが50〜100μm程度であることが好ましい。補強パターン7の幅が5mmよりも狭いと製品用パネル1に十分な強度を付与することが困難となり、逆に15mmよりも広いと、そのような広い幅の補強パターン7を設けるために捨て代領域5の幅を不要に広いものとする必要があり、製品用パネル1において製品領域4を効率的に設けることが困難となる。また銅箔3と合わせた補強パターン7の厚みが50μmよりも薄いと製品用パネル1に十分な強度を付与することが困難となり、逆に100μmよりも厚いと、そのような厚い補強パターン7を設けるために長時間を要し、そのための配線基板の製造効率が悪いものとなる。
【0017】
次に、図4(a),(b)に示すように、めっきレジスト層6を除去して、捨て代領域5に銅めっき層から成る補強用パターン7が形成された製品用パネル1を得る。補強用パターン7が形成された製品用パネル1は、補強用パターン7によりその強度が補強されているので、大きく撓んだり変形したりすることがない。また、補強用パターン7は、製品用パネル1の捨て代領域5の両面に銅めっき層を析出させることにより製品用パネル1と一体的に形成されるので、補強パターン7を別途用意して製品用パネル1に取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターン7の取り付けや取り外しに伴う製品領域4への傷や異物の付着が発生することはない。なお、めっきレジスト層6の除去は、アルカリ系のレジスト剥離液を用いてめっきレジスト層6を剥離する方法が採用される。
【0018】
次に、図5に示すように、補強用パターン7が形成された製品用パネル1の各製品領域4にめっきやエッチング等の所定の加工を施すために、補強用パターン7が形成された製品用パネル1を図示しないめっき装置やエッチング装置等の加工装置に投入するための多数の搬送ローラ8を有する搬送装置により搬送する。このとき、製品用パネル1は補強用パターン7により補強されてその強度が大きいものとなっており、大きく撓んだり変形したりすることがないので、加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることが有効に防止される。また、補強用パターン7は製品用パネル1と一体的に形成されているので、製品用パネル1と補強用パターン7との間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域4にシミや変色が発生することが有効に防止される。
【0019】
次に、本発明の配線基板の製造方法における実施形態の第二の例を添付の図面を基に説明する。本例においては、先ず、図6(a),(b)に示すように、銅張積層板から成る製品用パネル11を準備する。製品用パネル11は、ガラス繊維基材にエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて成る厚みが40〜80μm程度で一辺が250〜620mm程度の四角平板状の絶縁樹脂基板12の両面に厚みが50〜100μm程度の銅箔13を被着させてなる。
【0020】
製品用パネル11には、その中央部に各々が配線基板となる一辺が3〜300mm程度の多数の製品領域14が縦横の並びに配列されているとともに、その外周部に前記中央部を取り囲む幅が10〜20mm程度の枠状の捨て代領域15が形成されている。
【0021】
次に、図7(a),(b)に示すように、製品用パネル11の上下両面に捨て代領域15の外周部を枠状に覆うとともに製品領域14を露出させるようにしてエッチングレジスト層16を被着させる。エッチングレジスト層16は、感光性を有するエッチングレジスト用のドライレジストフィルムを製品用パネル11の上下面に貼着するとともに、これを所定のパターンに露光・現像した後に硬化させることにより形成される。
【0022】
次に、図8(a),(b)に示すように、エッチングレジスト層16から露出する中央部の銅箔13を2〜35μm程度の厚みになるまでエッチングにより薄くする。これにより捨て代領域15においてエッチングレジスト層16によって覆われた部分が元の厚みのままで補強用パターン17として残る。補強パターン17は、幅が5〜15mm程度、厚みが50〜100程度であることが好ましい。補強パターン17の幅が5mmよりも狭いと製品用パネル11に十分な強度を付与することが困難となり、逆に15mmよりも広いと、そのような広い幅の補強パターン17を設けるために捨て代領域5の幅を不要に広いものとする必要があり、製品用パネル11において製品領域14を効率的に設けることが困難となる。また補強パターン17の厚みが50μmよりも薄いと製品用パネル11に十分な強度を付与することが困難となり、逆に100μmよりも厚いと、そのような厚い補強パターン17を設けるために長時間を要し、そのための配線基板の製造効率が低いものとなる。
【0023】
次に、図9(a),(b)に示すように、エッチングレジスト層16を除去して、捨て代領域15に銅箔から成る補強用パターン17が形成された製品用パネル11を得る。補強用パターン17が形成された製品用パネル11は、補強用パター17によりその強度が補強されているので、大きく撓んだり変形したりすることがない。また、補強用パターン17は、製品用パネル11の捨て代領域15の両面に銅箔をエッチングすることにより製品用パネル11と一体的に形成されるので、補強パターン17を別途用意して製品用パネル11に取り付けたり取り外したりする必要はなく、したがって、補強用パターン17の取り付けや取り外しに伴う製品領域14への傷や異物の付着が発生することはない。なお、エッチングレジスト層16の除去は、アルカリ系のレジスト剥離液を用いてエッチングレジスト層16を剥離する方法が採用される。
【0024】
次に、図10に示すように、補強用パターン17が形成された製品用パネル11の各製品領域14にめっきやエッチング等の所定の加工を施すために、補強用パターン17が形成された製品用パネル11を図示しないめっき装置やエッチング装置等の加工装置に投入するための多数の搬送ローラ8を有する搬送装置により搬送する。このとき、製品用パネル11は補強用パターン17により補強されてその強度が大きいものとなっており、大きく撓んだり変形したりすることがないので、加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることが有効に防止される。また、補強用パターン17は製品用パネル11と一体的に形成されているので、製品用パネル11と補強用パターン17との間に隙間が形成されることはなく、したがって、めっき液やエッチング液の残留によって製品領域14にシミや変色が発生することが有効に防止される。
【0025】
かくして本発明の配線基板の製造方法によれば、薄型の製品用パネルを加工する際に製品用パネルが加工装置内において搬送中に詰まったり、脱落したり、破損したりすることがなく、しかも加工後の製品用パネルにおける製品領域に傷や異物の付着、シミや変色の発生がない配線基板の製造方法を提供することができる。なお、本発明の配線基板の製造方法は、上述した実施形態の第一の例および第二の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0026】
例えば上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の捨て代領域5,15に枠状の補強パターン7,17を形成した例を示したが、図11(a),(b)に示すように、製品用パネル1,11の搬送方向における先頭部側の捨て代領域5,15のみに例えば棒状の補強パターン7,17を設けてもよい。
【0027】
また、上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の捨て代領域5,15に枠状の補強パターン7,17を連続的に設けたが、図12(a),(b)に示すように、補強用パターン7,17の一部に捨て代領域5,15の内側と外側にまたがるスリット7a,17aを設けても良い。この場合、製品用パネル1,11にめっきやエッチング等の加工を施す際に、めっき液やエッチング液、あるいは洗浄液等をこれらのスリット7a,17aを通して製品領域4,14上から良好に排出させることができ、それによりめっきやエッチング等の加工を効率的に行なうことができる。なお、補強用パターン7,17の一部にスリット7a,17aを設ける場合、上面側におけるスリット7a,17aと下面側におけるスリット7a,17aとの位置が上下で重ならないように設けることが好ましい。このように、上面側におけるスリット7a,17aと下面側におけるスリット7a,17aとの位置が上下で重ならないように設けることによりスリット7a,17aが形成された部位における製品用パネル11の強度の低下を有効に防止することができる。
【0028】
さらに、上述した実施形態の第一および第二の例では、製品用パネル1,11の外周部に設けた捨て代領域5,15の上下面のみに補強用パターン7,17を設けたが、図13(a),(b)に示すように、捨て代領域5,15の上下面に加えて製品用パネル11の中央部に設けた製品領域4,14の境界の両面における少なくとも一部にも補強用パターン7,17と同じ材料および厚みの製品領域補強用パターン7b,17bを設けても良い。この場合、製品用パネル1,11の中央部における強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0029】
1,11 製品用パネル
2,12 絶縁樹脂基板
3,13 銅箔
4,14 製品領域
5,15 捨て代領域
7,17 補強用パターン
7a,17a スリット
7b,17b 製品領域補強用パターン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが2〜35μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記捨て代領域上における前記銅箔上に該銅箔と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが50〜100μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記製品用パネル上の前記銅箔を、前記捨て代領域における少なくとも一部を除いた部位の厚みが2〜35μmになるまでエッチングすることにより前記捨て代領域に前記銅箔の一部から成る厚みが50〜100μmの補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記補強パターンが少なくとも前記製品用パネルの搬送方向における先頭部側の前記捨て代領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記補強パターンは前記捨て代領域の内側と外側との間にまたがるスリットを有することを特徴とする請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記スリットは前記製品用パネルの両面で互いに異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項5記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記補強パターンを形成する際に、前記製品領域の境界の両面にも前記補強パターンと同じ材料および厚みの製品領域補強用パターンを同時に形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
【請求項1】
厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが2〜35μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記捨て代領域上における前記銅箔上に該銅箔と合わせた厚みが50〜100μmとなる銅めっき層から成る補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項2】
厚みが80μm以下の絶縁樹脂基板の両面に厚みが50〜100μmの銅箔が被着されて成る銅張積層板の中央部に各々が配線基板となる多数の製品領域が縦横の並びに配列されているとともに該銅張積層板の外周部に前記中央部を取り囲む枠状の捨て代領域が配設された製品用パネルを準備する工程と、前記製品用パネル上の前記銅箔を、前記捨て代領域における少なくとも一部を除いた部位の厚みが2〜35μmになるまでエッチングすることにより前記捨て代領域に前記銅箔の一部から成る厚みが50〜100μmの補強パターンを形成する工程と、前記補強パターンを有する前記製品用パネルを搬送する工程とを有することを特徴とする配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記補強パターンが少なくとも前記製品用パネルの搬送方向における先頭部側の前記捨て代領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記補強パターンは前記捨て代領域の内側と外側との間にまたがるスリットを有することを特徴とする請求項1または2記載の配線基板の製造方法。
【請求項5】
前記スリットは前記製品用パネルの両面で互いに異なる位置に形成されていることを特徴とする請求項5記載の配線基板の製造方法。
【請求項6】
前記補強パターンを形成する際に、前記製品領域の境界の両面にも前記補強パターンと同じ材料および厚みの製品領域補強用パターンを同時に形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−278311(P2010−278311A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130730(P2009−130730)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(304024898)京セラSLCテクノロジー株式会社 (213)
【Fターム(参考)】
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