説明

鉄道用牽引車

【課題】バッテリの小型化及び長寿命化したハイブリッド牽引車を提供すること。
【解決手段】走行モータ7、マイクロガスタービン発電装置2及びバッテリ4を備え、マイクロガスタービン発電装置2を制御するコントローラ1によりマイクロガスタービン発電装置2の電力とバッテリ4からの電力を走行モータ7に供給するようにしたものであって、マイクロガスタービン発電装置2とバッテリ4に加え蓄電装置としてキャパシタ5を備え、大電流を放電又は回収する場合には、コントローラ1がキャパシタ4によってマイクロガスタービン発電装置2の不足電力をアシストして走行モータ7に電力を供給し、また制動時に走行モータ7が発電機となって発生する回生電力を回収するようにした鉄道用牽引車。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロガスタービン発電装置とバッテリを搭載し、マイクロガスタービン発電装置からの電力の他にバッテリ電力を利用して走行する鉄道用牽引車に関し、更にキャパシタを加えて搭載することによりバッテリの小型化及び長寿命化を図った鉄道用牽引車に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄用のトンネル工事などでは、機材、資材、掘削土砂等の積載物の搬入及び搬出を行うため、例えば台車を工事用機関車で牽引することが行われてる。この種の工事用機関車としては、隧道工事、地下工事という閉空間での使用を考慮して、電動機駆動の機関車が用いられ、特に駆動用電源としてバッテリを搭載した電気車が一般的である。しかし、このような工事用機関車ではバッテリの充電量による走行距離の制約があり、長距離のトンネル工事などでは充電量の大きなバッテリを搭載しなければならず、また充電が頻繁に必要となって輸送効率が悪いという問題があった。この点、特開2002−262407号公報では、マイクロガスタービン発電装置とバッテリを搭載した工事用電気車が提案されている。
【0003】
図4は、前記公報のマイクロガスタービン発電装置とバッテリとを搭載した工事用電気車における出力の供給系統を示したブロック図である。そのハイブリッド機関車は、マイクロガスタービン発電装置101に制御系として電源制御装置102が接続され、マイクロガスタービン発電装置101から出力される交流電力が電源制御装置102において直流に変換され、機関車(モータ)105およびバッテリ103に給電されるようになっている。そして、バッテリ103では、機関車105に電力の供給が行われると共に、充電可能な場合、機関車105の制動時に生じる回生電力の回収が行われる。
【0004】
マイクロガスタービン発電装置101は、マイクロガスタービンと、それによって駆動する発電機によって構成され、マイクロガスタービンで発電機を駆動して電力を発生させるものである。燃料タンクに格納された燃料がマイクロガスタービンに導かれ、マイクロガスタービンで燃料が燃焼される。これにより回転力が得られ、発電機を駆動させて発電が行われる。そして、マイクロガスタービンで燃焼した排ガスは外部に排出される。
【0005】
従って、このハイブリッドの工事用電気車では、バッテリ103を搭載し、マイクロガスタービン発電装置101を主電源として使用し、この例ではバッテリ103は浮動充電方式で用いられている。高負荷のときはマイクロガスタービン発電装置101の発電電力に加えてバッテリ103から電力が供給され、ハイブリッド機関車が平坦走行時のように軽負荷であるときにはマイクロガスタービン発電装置101の余剰電力がバッテリ103に充電される。こうして走行距離に制約がなくなって輸送効率が向上し、マイクロガスタービンの使用によって排気ガスにおけるNOxの濃度も低減できる。
【特許文献1】特開2002−262407号公報(第3−4頁、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、こうしたマイクロガスタービン発電装置とバッテリを搭載したハイブリッド車両では、マイクロガスタービンの負荷変動に対する応答性が劣るため、バッテリがその欠点を補うために放電が行われる。そして、ハイブリッド車両のバッテリは、加速時の急激な放電の他、制動時に発生する回生電力の回収も行われる。
従って、従来のハイブリッド車両では、こうした加速・減速時にバッテリより大電流の充放電が行われ、走行によってそれが繰り返されることによってバッテリの寿命を短くしている。
【0007】
特に、鉄道車両などを牽引するハイブリッドの鉄道用牽引車は、牽引する車体などの荷重が大きいので、加速・減速時の負荷が大きく、その分だけバッテリの負担が大きくなっている。そのため、加速を行う時には瞬間的に大電流を流す必要があるが、これをバッテリで行うにはバッテリ自身が大型になる。
従って、マイクロガスタービン発電装置とバッテリを搭載した構成からなるハイブリッドの鉄道用牽引車では、大型バッテリを搭載しなければならず、しかも使用方法によっては寿命が短くなるためランニングコストがかかるものになっている。
【0008】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、バッテリの小型化及び長寿命化したハイブリッド牽引車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る鉄道用牽引車は、走行用車輪を回転させる走行モータと、マイクロガスタービンで発電機を駆動して発電するマイクロガスタービン発電装置と、そのマイクロガスタービン発電装置から出力される電力と制動時に前記走行モータが発電機となって発生する回生電力とを充電するバッテリとを備え、マイクロガスタービン発電装置を制御するコントローラによりマイクロガスタービン発電装置の電力とバッテリからの電力を走行モータに供給するようにしたものであって、前記マイクロガスタービン発電装置と前記バッテリに加え蓄電装置としてキャパシタを備え、大電流を放電又は回収する場合には、前記コントローラがキャパシタによって前記マイクロガスタービン発電装置の不足電力をアシストして走行モータに電力を供給し、また制動時に走行モータが発電機となって発生する回生電力をキャパシタによって回収するようにしたものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る鉄道用牽引車は、前記マイクロガスタービン発電装置は交流の発電機を備え、その発電機によって発電した交流電力を直流電力に変換するコンバータと、そのコンバータからの直流電力とバッテリ或いはキャパシタからの直流電力を交流電力に変換して前記走行モータに供給するインバータとを備え、前記コントローラからの指令信号によってマイクロガスタービン発電装置、バッテリ或いはキャパシタからの電力を制御するようにしたものであることが好ましい。
更に、本発明に係る鉄道用牽引車は、前記コントローラが、走行を操作するアクセルの信号を受けて走行状態を判断し、そのコントローラからの制御指令信号によって、加速時には前記キャパシタが前記マイクロガスタービン発電装置をアシストして走行モータに電力を供給し、制動時には前記キャパシタがその制動時に発生する回生電力を回収するようにしたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
よって、本発明の鉄道用牽引車によれば、加速時や減速時のように負荷が大きくなる走行において瞬間的に大電流を流す必要がある場合には、バッテリに代わってキャパシタが充放電を行うため、バッテリを大型化する必要がなくなり、加速や減速時に伴って繰り返し行われていたバッテリによる大電流の充放電が行われなくなり、バッテリの寿命を延ばすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る鉄道用牽引車の一実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。本実施形態の鉄道用牽引車は、例えば鉄道事業者が行う地下鉄やトンネルの保守作業、或いは住宅地付近での作業において、鉄道車両や台車を牽引するためのものである。特に、この鉄道用牽引車は、軌道上を走行可能な車輪を走行モータによって回転させて走行するものであり、駆動源としてマイクロガスタービン発電装置が設けられている。そして、前記従来例の工事用電気車と同様、マイクロガスタービン発電装置と共にバッテリなどの蓄電装置を搭載したものである。ここで、図1は、本実施形態の鉄道用牽引車におけるシステム構成を示すブロック図である。
【0013】
マイクロガスタービン発電装置2は、マイクロガスタービンとそれによって駆動する交流の発電機によって構成され、マイクロガスタービンで発電機を駆動して電力を発生させるものである。そして、鉄道用牽引車には燃料タンクが備えられており、マイクロガスタービンに対し格納された燃料が導かれ、そのマイクロガスタービンで燃料が燃焼し、これによって回転力を得て発電機が駆動して発電が行われるようになっている。マイクロガスタービンで燃焼した排ガスは、外部に排出されるようになっている。
【0014】
鉄道用牽引車は、こうしたマイクロガスタービン発電装置2から得られる発電電力の他、バッテリ4を備えることによって蓄電電力を利用してマイクロガスタービン発電装置2をアシストするよう構成されている。バッテリ4は、例えば鉛蓄電池であり、蓄電できる電気量は大きいものの、瞬間的に大電流を流すことができず、また加速時の急激な放電や制動時に発生する回生電力の回収の繰り返しがバッテリの寿命に大きく影響する。そこで本実施形態では、マイクロガスタービン発電装置2をアシストするため、バッテリ4に加えてキャパシタ5を備える構成がとられている。
【0015】
マイクロガスタービン発電装置2は、パワーアシストコンバータ3からインバータ6を介して走行モータ7に接続されている。こうしてマイクロガスタービン発電装置2で発生する電気エネルギーが、パワーアシストコンバータ3及びインバータ6を介して走行モータ7へ送られ、そこで機械エネルギーに変換され、この鉄道用牽引車が走行するように構成されている。マイクロガスタービン発電装置2に接続されたパワーアシストコンバータ3は、交流電力を直流電力に変換し、そのパワーアシストコンバータ3に接続されたインバータ6が直流電力を交流電力に変換して電力を走行モータ7へ供給するようになっている。
【0016】
そして、このパワーアシストコンバータ3には、マイクロガスタービン発電装置2をアシストするバッテリ4やキャパシタ5が接続されている。パワーアシストコンバータ3は、交流電力を直流電力に変換する変換回路の他、コントローラ1からの指令信号によってマイクロガスタービン発電装置2、バッテリ4或いはキャパシタ5からの電力を制御して走行モータ7へ供給したり、制動時に走行モータ7が発電機となって発生する回生電力をバッテリ4やキャパシタ5へ充電させる制御のための制御回路が構成されている。そして、このコントローラ1は、アクセル8の操作量に応答してパワーアシストコンバータ3に制御指令信号が送信される。更にコントローラ1は、マイクロガスタービン発電装置2やインバータ6にも接続され、当該発電装置2の駆動制御やインバータ6へアクセル8の操作量に応じたトルク指令信号が出力されるようになっている。
【0017】
次に、図1に示すシステム構成を有する鉄道用牽引車による走行動作について、特に電力フローを示しながら以下に説明する。ここで、図2及び図3は、電力フローを示した図であり、図2はキャパシタを持たない従来構成の鉄道用牽引車の場合を示し、図3はキャパシタを備える本実施形態の鉄道用牽引車の場合を示している。また、図2及び図3の各グラフは、それぞれ横軸にとった時間(t)に対し、(a)は鉄道用牽引車の走行速度(v)の変化を、(b),(c)はモータ負荷電流(I)とマイクロガスタービン発電装置の出力電流(I)の変化を示している。そして、図2では(d)にバッテリの放電電流(I)の変化を示し、図3の(d)はキャパシタの放電電流(I)を、(e)はバッテリの放電電流(I)の変化を示している。
【0018】
鉄道用牽引車の走行を、図2及び図3の(a)に示すように所定の速度になるt1時まで加速し、その後一定の速度で所定距離を走行し、t2時からt3時にかけて減速して停止する場合を考える。
鉄道用牽引車のアクセル8が操作されると、その操作量に応じたトルク指令信号がコントローラ1からインバータ6へと出力される。加速時にはアクセル8の操作量が大きく、それに対応してトルク指令信号がコントローラ1からインバータ6へと送られ、インバータ6ではそのトルク指令信号に従って走行モータ7へ電力が供給される。また、コントローラ1はインバータ6との間で走行速度のモニタリングが行われ、それに基づいてコントローラ1からインバータ6へと速度指令信号が送られている。
【0019】
そこで、図2,3(a)に示す走行を行う場合に走行モータ7で消費される電力を電流で見てみると、図2,3の(b)に示すように、t1時までの加速状態では走行モータ7に掛かる負荷が大きくなるため、それに比例して大電流が急激に流される。そして、加速後のt1時からt2時までの定速走行状態では走行モータ7の負荷が減って一定量の電流が流されることになる。一方、制動時には、減速を開始したt2時から停止するt3時まで、走行モータ7が発電機となって発生する回生電力がバッテリ4やキャパシタ5に回収されるため、インバータ6を電流が逆向きに流れる。
【0020】
こうして加速、定速、減速の各走行状態による走行モータ7の負荷に応じて電流が流れるが、その走行モータ7を駆動させるため、マイクロガスタービン発電装置2から発生する電力の他、バッテリ4やキャパシタ5に充電された電力がインバータ6を介して走行モータ7へと供給される。その際、マイクロガスタービンは負荷応答性が劣るため、アクセル8の操作に即座に追随して電力を供給することが困難であるため、従来の構成ではバッテリが加速時の電力を補い、本実施形態ではキャパシタ5が補うようにしている。
【0021】
マイクロガスタービン発電装置2では、アクセル8の操作によってコントローラ1から出力される信号によりマイクロガスタービンの出力を増加させる。図2及び図3(c)に示すように、マイクロガスタービンの負荷応答にあわせて、当該発電装置2(マイクロガスタービン)から出力される電流はt5時に出力電流が流れ始めて徐々に大きくしていく。
【0022】
従って、走行モータ7を駆動させるため、マイクロガスタービンから出力される電流の不足部分を、従来ではバッテリからの放電電力で補っている。そうした従来例の鉄道用牽引車(適宜、図4参照)は、図2(d)に示すようにバッテリからの急激な放電によってt1時までの加速に対応し、その後、定速走行に移った時にはマイクロガスタービン発電装置101からの発電電流によって走行が可能になる。その際、マイクロガスタービン発電装置101からの出力電力は、一部が走行モータ105を走行させるために使用され、余剰電力はバッテリ103に充電される。バッテリ充電は、図2(d)に示す定速走行中のt6時から始まっている。そして、減速時には回生電流がバッテリ103に流れ込んで、マイクロガスタービン発電装置101からの出力電力と走行モータ105を発電機として発生した回生電力とが充電される。
【0023】
減速時もマイクロガスタービン発電装置101の負荷応答性が劣るため、アクセルの操作を戻したt2時から出力電力を減少させ、t7時までかけて徐々に減少させている。そのため、バッテリ103でもt7時までに得られるマイクロガスタービン発電装置101からの電力が充電される。
従って、マイクロガスタービン発電装置101とバッテリ103とから構成された従来の鉄道用牽引車は、加速時の急激な放電と制動時の回生電力の回収がバッテリ103の充放電によって行われている。しかしこれでは、課題でも述べたようにバッテリ103を大型化する必要があり、負荷の大きい充放電が繰り返えされてバッテリ103の寿命を短くする原因となっている。
【0024】
その一方、本実施形態の鉄道用牽引車はキャパシタ5が設けられ、加速時にはコントローラ1からの信号によって、キャパシタ5がインバータ6を介して走行モータ7に電力供給する様に制御される。そのため、図3(d)に示すようにアクセル8の操作に応じてキャパシタ5から走行モータ7へ大電流が流される。このときバッテリ4は、キャパシタ5の放電時(t1時)まではキャパシタ5が放電することにより電流は流れていない。そして、鉄道用牽引車の走行状態が定速走行に移ったt1時にコントローラ1によってキャパシタ5からバッテリ4へ、インバータ6を介してた走行モータ7への電力供給が移行される。
【0025】
従って、鉄道用牽引車はt1時からt2時の定速走行時にはマイクロガスタービン発電装置2からの発電電力によって走行する。そのため、マイクロガスタービン発電装置2からの出力電力をアシストするようにバッテリ4から電力がインバータ6を介して走行モータ7に供給される。その後、マイクロガスタービン発電装置2から出力される電力量が増加していくと、一部が駆動モータ7を走行させるために使用され、余剰電力はバッテリ4に充電される。バッテリ充電は、図3(e)に示す定速走行中のt8時から始まっている。
【0026】
そして、減速時にはバッテリ4とキャパシタ5により、発電機となった走行モータ7からの回生電力が回収される。更に、負荷応答性が劣るマイクロガスタービン発電装置2では、アクセル8の操作を戻してもマイクロガスタービンの負荷を急に減少させることはできないので発電機から電力が供給されている状態にする必要がある。そうした走行モータ7からの回生電力とマイクロガスタービン発電装置2からの電力とは、急激に流れ込む回生電力部分を主にキャパシタ5によって回収し、発電装置2からの電力がバッテリ4によって回収する様に制御される。
【0027】
従って、本実施形態の鉄道用牽引車と従来のハイブリッド車両とのバッテリ使用状況を比較する。すなわち、図2(d)と図3(e)のバッテリ放電電流を比較すると、t1時までの加速時、従来のものではバッテリから大電流の放電電流が流れているのに対し、本実施形態のものでは、キャパシタ5から大電流を放電し、バッテリ4の負担はゼロとなる。その後、t1時からt2時までの定速走行時では同じように、マイクロガスタービン発電装置2からの余剰電力を充電する。そして、特に従来のものでは減速時の回生電力に加えて供給されるマイクロガスタービン発電装置2からの電力をバッテリが全て回収しなければならないが本実施形態では、減速時の回生電力をキャパシタ5に回収させるのでバッテリ4の負担分が少なくなる。
【0028】
よって、本実施形態の鉄道用牽引車では、バッテリ4とキャパシタ5を併用する構成をとって、加速時や減速時の電流値の大きい充放電をキャパシタ5が負担するようにしたので、バッテリ4を大型化させることなく、しかも加減速時の急激な充放電をバッテリ4が行う必要がなくなることでバッテリ4の寿命を延ばすことができる。
【0029】
以上、本発明に係る鉄道用牽引車の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態の鉄道用牽引車におけるシステム構成を示すブロック図である。
【図2】従来構成の鉄道用牽引車における電力フローを示した図である。
【図3】実施形態の鉄道用牽引車における電力フローを示した図である。
【図4】マイクロガスタービン発電装置とバッテリとを搭載した従来の工事用電気車における出力の供給系統を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
1 コントローラ
2 マイクロガスタービン発電装置
3 コンバータ
4 バッテリ
5 キャパシタ
6 インバータ
7 走行モータ
8 アクセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用車輪を回転させる走行モータと、マイクロガスタービンで発電機を駆動して発電するマイクロガスタービン発電装置と、そのマイクロガスタービン発電装置から出力される電力と制動時に前記走行モータが発電機となって発生する回生電力とを充電するバッテリとを備え、マイクロガスタービン発電装置を制御するコントローラによりマイクロガスタービン発電装置の電力とバッテリからの電力を走行モータに供給するようにした鉄道用牽引車において、
前記マイクロガスタービン発電装置と前記バッテリに加え蓄電装置としてキャパシタを備え、大電流を放電又は回収する場合には、前記コントローラがキャパシタによって前記マイクロガスタービン発電装置の不足電力をアシストして走行モータに電力を供給し、また制動時に走行モータが発電機となって発生する回生電力をキャパシタによって回収するようにしたものであることを特徴とする鉄道用牽引車。
【請求項2】
請求項1に記載する鉄道用牽引車において、
前記マイクロガスタービン発電装置は交流の発電機を備え、その発電機によって発電した交流電力を直流電力に変換するコンバータと、そのコンバータからの直流電力とバッテリ或いはキャパシタからの直流電力を交流電力に変換して前記走行モータに供給するインバータとを備え、前記コントローラからの指令信号によってマイクロガスタービン発電装置、バッテリ或いはキャパシタからの電力を制御するようにしたものであることを特徴とする鉄道用牽引車。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する鉄道用牽引車において、
前記コントローラは、走行を操作するアクセルの信号を受けて走行状態を判断し、そのコントローラからの制御指令信号によって、加速時には前記キャパシタが前記マイクロガスタービン発電装置をアシストして走行モータに電力を供給し、制動時には前記キャパシタがその制動時に発生する回生電力を回収するようにしたものであることを特徴とする鉄道用牽引車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−203986(P2007−203986A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28032(P2006−28032)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)
【出願人】(599019269)株式会社トヨタタービンアンドシステム (7)
【出願人】(391004241)大阪車輌工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】