説明

集合プリント配線基板、プリント配線基板装置、プリントヘッドおよび画像形成装置

【課題】複数のプリント配線基板を連結片で連結した集合プリント配線基板は、電子部品を固定するために加熱冷却すると、個々のプリント配線基板に大きな反りや歪みが発生するという問題がある。
【解決手段】短手方向に順に並べられ、連結片4で互いに連結された複数の長尺なプリント配線基板2と、複数のプリント配線基板2の外側において連結片4で連結された捨て基板5とからなる集合プリント配線基板1において、プリント配線基板2は、短手方向の両端面の連結片4が非対向であり、奇数枚目の全てのプリント配線基板6、61および62は、短手方向の両端面における連結片4の長手方向の位置が同一であり、偶数枚目の全てのプリント配線基板7および71は、短手方向の両端面における連結片4の長手方向の位置が同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプリント配線基板(ベアボード)を連結した集合プリント配線基板等に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小さなプリント配線基板に電子部品を固定(実装)してプリント配線基板装置を製造する場合は、プリント配線基板の位置決め、搬送等に時間を要し、製造効率が低下する。このため、従来より、プリント配線基板を互いに連結片等を用いて連結した集合プリント配線基板が用いられている(例えば、特許文献1〜8参照)。
【0003】
この集合プリント配線基板は、製造段階において1つの基板として扱い、その表面および/または裏面に形成されたパッド等に電子部品を固定するのが一般的である。つまり、集合プリント配線基板は、電子部品を固定するに際し、そのままSMD(Surface Mount Device)リフロー、COB(Chip On Board)キュア等の加熱冷却工程に流される。
【0004】
その後、集合プリント配線基板からプリント配線基板を分割して各プリント配線基板装置の検査を行なう、または集合プリント配線基板のまま各プリント配線基板装置の検査を行ない集合プリント配線基板からプリント配線基板を分割することにより、完成品としてのプリント配線基板装置ができあがる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平04−320597号公報
【特許文献2】特開平11−176974号公報
【特許文献3】特開平11−163482号公報
【特許文献4】特開平02−031490号公報
【特許文献5】特開平03−250800号公報
【特許文献6】特開平06−112600号公報
【特許文献7】特開平06−169137号公報
【特許文献8】特開2009−283959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図13に示すように、複数の長尺なプリント配線基板92および捨て基板95が連結片94により連結された従来の集合プリント配線基板90は、プリント配線基板92の短手方向(X方向)の両端面(一端面96および他端面97)に形成された連結片94が対向している。
【0007】
このため、集合プリント配線基板90に熱硬化性接着剤またはクリーム半田を塗布し、当該熱硬化性接着剤上またはクリーム半田上に電子部品を置いて加熱冷却すると、連結片94とその近傍においてはプリント配線基板92の短手方向(X方向)の伸縮がほとんど発生せず、連結片94から遠ざかるにつれプリント配線基板92の短手方向の伸縮が大きくなる。そして、短手方向の伸縮量は、隣り合う連結片94の中間点91において最大となる。
【0008】
つまり、プリント配線基板の長手方向(Y方向)において、短手方向の伸縮量が小さい部分と大きい部分が交互に表れることとなる。このような伸縮量の差の大きな部分を有するプリント配線基板92は、連結片94を切断して分割(分離)した際に、反りや歪みが大きいという問題がある。
【0009】
また、集合プリント配線基板90を構成する個々のプリント配線基板92の表面および/または裏面に高精度に電子部品を置いたとしても、電子部品をプリント配線基板92に固定するためにリフロー炉、オーブン等で加熱すると、プリント配線基板92の部分によって短手方向の伸縮量が異なるので、電子部品の位置ズレが発生するという問題がある。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであって、集合プリント配線基板を構成する個々のプリント配線基板の反りや歪みを少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第1発明)
第1発明は、短手方向に順に並べられ、連結片で互いに連結された複数の長尺なプリント配線基板と、これら複数のプリント配線基板の外側において連結片で連結された捨て基板とからなる集合プリント配線基板に関する。そして、プリント配線基板は、短手方向の両端面の連結片が非対向であり、奇数枚目の全てのプリント配線基板は、短手方向の両端面における連結片の長手方向の位置が同一であり、偶数枚目の全てのプリント配線基板は、短手方向の両端面における連結片の長手方向の位置が同一であることを特徴とする。
【0012】
(第2発明)
第2発明は、第1発明において、プリント配線基板は、短手方向の一端面の連結片と、短手方向の他端面の連結片が、長手方向の一端から他端に向かって交互に形成されたことを特徴とする。
【0013】
かかる構成により、電子部品が置かれた集合プリント配線基板が加熱冷却されても、連結片を切断して得られる個々のプリント配線基板装置の反りや歪みを少なくすることができる。
【0014】
(第3発明)
第3発明は、第1発明または第2発明の集合プリント配線基板に複数の電子部品を固定し、連結片で切り離して得たプリント配線基板装置に関する。
かかる構成により、反りや歪みが少なく、プリント配線基板に電子部品が高精度に実装されたプリント配線基板装置を提供することができる。
【0015】
(第4発明)
第4発明は、電子部品が発光素子である第3発明のプリント配線基板装置と、複数のロッドレンズを整列配置したレンズアレイとを備え、このレンズアレイの一方のレンズ面と発光素子が対向するように、レンズアレイおよびプリント配線基板装置をハウジングに固定したプリントヘッドに関する。
かかる構成により、プリント配線基板装置の反りや歪みが小さく、発光素子から出射した光の曲がりが少ないので、結像点が形成する結像ラインの直線性が高いプリントヘッドを提供できる。
【0016】
(第5発明)
第5発明は、表面に静電潜像を形成する感光体と、この感光体と対向した第4発明のプリントヘッドとを備えた画像形成装置に関する。
かかる構成により、高精度な画像を形成できる画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、電子部品が置かれた集合プリント配線基板が加熱冷却されても、連結片で切り離して得られる個々のプリント配線基板装置の反りや歪みを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】集合プリント配線基板の平面図である(実施例1)
【図2】電子部品を固定した集合プリント配線基板の平面図である(実施例1)
【図3】電子部品を固定した集合プリント配線基板の端部の斜視図である(実施例1)
【図4】プリント配線基板装置の平面図である(実施例1)
【図5】プリント配線基板装置の端部(図4のW部分)の斜視図である(実施例1)
【図6】プリント配線基板装置の側面図である(実施例1)
【図7】プリントヘッドの平面図である(実施例1)
【図8】プリントヘッドの端部の斜視図である(実施例1)
【図9】プリントヘッドの断面図である(実施例1)
【図10】集合プリント配線基板の平面図である(実施例2)
【図11】画像形成装置の構成を説明するための図である(実施例3)
【図12】プリントヘッドと感光体の位置関係を示す図である(実施例3)
【図13】従来の集合プリント配線基板の平面図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を用いて、本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の一実施例を、図1乃至図9を用いて説明する。
図1は集合プリント配線基板1の平面図、図2は図1に示した集合プリント配線基板1に電子部品10を固定した集合プリント配線基板の平面図、図3は図2に示した集合プリント配線基板1の端部の斜視図、図4は図2および図3に示した集合プリント配線基板を分割して得たプリント配線基板装置11の平面図、図5は図4に示したプリント配線基板装置11の端部Wの斜視図、図6は図5に示したプリント配線基板装置の側面図(矢視A)、図7はプリント配線基板装置11を用いたプリントヘッド20の平面図、図8は図7に示したプリントヘッド20の端部の斜視図、図9は図7および図8に示したプリントヘッド20の断面図である。
【0021】
(集合プリント配線基板)
図1に示すように、本発明に係る集合プリント配線基板1は、プリント配線基板2の短手方向(X方向)に一列に整列され、連結片4により互いに連結された複数(5枚)の長尺なプリント配線基板2と、この5枚のプリント配線基板2の外側において取り囲む捨て基板5を連結片4により連結したものである。
【0022】
そして、個々のプリント配線基板2は、短手方向(X方向)の両端面(奇数枚目のプリント配線基板は一端面27および他端面28、偶数枚目のプリント配線基板は一端面29および他端面30)の連結片4が非対向である(対向関係にない)。別言すると、プリント配線基板6に着目すれば、プリント配線基板6の一端面27の一端部(紙面右側)に形成された連結片4は、プリント配線基板6の他端面28の一端部(紙面右側)に形成された連結片4と対向しておらず、かかる関係はプリント配線基板6の一端面27と他端面28に形成された全ての連結片4について成立する。そして、プリント配線基板6を例示して示した連結片4の関係は、集合プリント配線基板1を構成する全てのプリント配線基板2について成立する。
【0023】
また、奇数枚目の全てのプリント配線基板6、61および62は、短手方向(X方向)の両端面(一端面27および他端面28)における連結片4の長手方向(Y方向)の位置が同一である。つまり、奇数枚目のプリント配線基板6、61および62に形成された連結片4の略中央部を切断して重ねたときに、一端面27に形成された(残った)全ての連結片4が重なり、かつ、他端面28に形成された(残った)全ての連結片4が重なる。
【0024】
さらに、偶数枚目の全てのプリント配線基板7および71は、短手方向(X方向)の両端面(一端面29および他端面30)における連結片4の長手方向(Y方向)の位置が同一である。つまり、偶数枚目のプリント配線基板7および71に形成された連結片4の略中央部を切断して重ねたときに、一端面29に形成された(残った)全ての連結片4が重なり、かつ、他端面30に形成された(残った)全ての連結片4が重なる。
【0025】
そして、プリント配線基板2は、図1に示すように、短手方向(X方向)の一端面の連結片4と、短手方向の他端面の連結片4が、長手方向(Y方向)の一端から他端に向かって交互に形成されているのが望ましい。
【0026】
また、プリント配線基板2の表面には、後述する電子部品としての発光素子を、長手方向に直線状(一直線状または千鳥状)に固定するための銅箔からなるベタパターン3が形成されている。尚、発光素子とは、直線状に複数(例えば256個)の発光点が形成された半導体素子をいう。
【0027】
プリント配線基板2同士、およびプリント配線基板2と捨て基板5を連結する連結片4は、図1に示すように、板厚方向(Z方向)に貫通した複数の長孔9を設けることにより形成されている。尚、5枚の長尺なプリント配線基板2は、配線パターンの引き回し、パッドの位置等の電気的な機能は同一である。
【0028】
(プリント配線基板装置)
次に、集合プリント配線基板1を構成する個々のプリント配線基板2に発光素子を固定して得られるプリント配線基板装置について説明する。
まず、集合プリント配線基板1の全てのプリント配線基板2(プリント配線基板6、7、61、62および71)のベタパターン3に熱硬化性接着剤を塗布する。そして、個々のプリント配線基板2のベタパターン3に塗布された熱硬化性接着剤の上に、特許第4289656号公報に記載された技術等を用いて20個の発光素子10を高精度に位置決めして置く。
【0029】
集合プリント配線基板1に塗布された熱硬化性接着剤の上に、合計100個の発光素子10を置いた後、この集合プリント配線基板1を加熱炉(オーブン)に入れ、例えば110℃に加熱して熱硬化性接着剤を硬化させる。そうすると、集合プリント配線基板1に全ての発光素子10が固定される。
【0030】
そして、図5に示すように、ワイヤーボンディング装置を用いて、発光素子10の表面のパッド14と、プリント配線基板2の表面の配線パターン16に接続されたパッド15とを金線13により電気的に接続する。尚、パッド14、金線13およびパッド15は実際には複数組形成されているが、図5においては説明を簡単にするため1組のみ図示している。全ての発光素子10についてのワイヤーボンディングを終えた後、連結片4で分割(切断)すれば、5枚のプリント配線基板装置11が得られる。
【0031】
本発明に係る集合プリント配線基板1は、前記した構成を採用しているので、発光素子10が置かれた集合プリント配線基板1が加熱冷却されても、短手方向の伸縮量の差が大きな部分がない。このため、集合プリント配線基板1に加熱により全ての発光素子10が固定された後、連結片4を切断しても、得られる個々のプリント配線基板装置11は、反りや歪みが少ない。また、プリント配線基板装置11の反りや歪みが少ないので、発光素子10の各発光点から出射される光の光軸の曲がりが小さい。
【0032】
また、図1に示したように、プリント配線基板2の長手方向に交互に連結片4が形成されると、集合プリント配線基板1の加熱冷却によりプリント配線基板2に生じる伸縮の差がより小さくなるので、前記した効果が増大する。さらに、プリント配線基板2の長手方向に交互に連結片4を形成すると共に、長手方向の連結片の間隔を略等間隔にすれば、かかる効果はより増大する。
【0033】
尚、厳密には、プリント配線基板2の接続片4の位置は奇数枚目(6、61および62)と、偶数枚目(7および71)で異なるので、反りや歪みの発生の仕方は、奇数枚目と偶数枚目では異なっている。よって、更に高精度に発光素子10をプリント配線基板2に固定する必要がある場合は、プリント配線基板2に発光素子10を位置決めするための装置の動作プログラムを2種類準備すれば良い。別言すると、奇数枚目と偶数枚目のプリント配線基板の反りや歪みの違いを考慮した電子部品の補正値を2種類準備すれば良い。このため、本発明に係る集合プリント配線基板1は、生産準備の工数を低減できるという効果もある。
【0034】
(プリントヘッド)
次に、前記したプリント配線基板装置11を、図7〜図9に示すプリントヘッド20に使用する場合について説明する。
プリントヘッド20は、複数のロッドレンズ21を整列配置したレンズアレイ22を接着剤等で固定したハウジング23と、このレンズアレイ22の一方のレンズ面と発光素子10が対向するように、ハウジング23に接着剤等で固定したプリント配線基板装置11とを備えたものである。
【0035】
プリントヘッド20は、図9に示すように、プリント配線基板装置11の表面に固定した発光素子10の発光点(LED)を発光させた場合に、発光点から、出射された光がレンズアレイ22により収束(集光)する結像点(焦点位置)までの距離が共役長TCになるように設定されている。この共役長TCは、発光点からレンズアレイ22の下面(一方のレンズ面)までの距離Lと、レンズアレイ22の上面(他方のレンズ面)から結像点までの距離Lと、レンズアレイ22の高さTとの和であり、TC=T+2Lという関係が成り立つ。
【0036】
本発明に係るプリントヘッド20は、前記したように、プリント配線基板装置11の反りや歪みが少なく、発光素子10の各発光点から出射される光の光軸の曲がりが小さいので、結像点の直線性が高い。
【実施例2】
【0037】
本発明の他の実施例を図10を用いて説明する。
図10は、本発明に係る集合プリント配線基板42の平面図である。尚、説明を分かりやすくするため、実施例1と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0038】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、プリント配線基板41の表面にパターン3ではなく、パッド(図示せず)を形成した点である。すなわち、パッドは、電子部品10が固定される位置に形成されている。かかる構成であっても、前記した実施例1と同一の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0039】
本発明に係る第3実施例を、図11および図12を用いて説明する。尚、図12は、プリントヘッド20と感光体ドラム25との位置関係を分かりやすくするために図11の一部を拡大した部分拡大図である。
【0040】
(画像形成装置)
図11に示すように、本発明に係る画像形成装置は、所謂タンデム型のデジタルカラープリンタ131であり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部110、画像形成プロセス部110を制御する制御部130、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部140を備えている。
【0041】
画像形成プロセス部110は、一定の間隔をおいて並列配置される4つの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kを備えている。そして、これらの画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれは、静電潜像を形成してトナー像を担持する像担持体としての感光体ドラム25と、この感光体ドラム25の表面を所定電位で一様に帯電する帯電装置113と、帯電装置113によって表面が帯電された感光体ドラム25を露光する露光装置としてのプリントヘッド20と、プリントヘッド20によって得られた静電潜像を現像する現像装置115と、転写後の感光体ドラム25の表面を清掃するクリーナー(ブレード)116とを備えている。
【0042】
さらに、現像装置115の下流側近傍には、感光体ドラム25に対向して、感光体ドラム25上に形成されたテスト用パッチ(濃度見本)のトナー像濃度を検出する濃度検出回路117が備えられている。この濃度検出回路117は制御部130に接続され、トナー像濃度検出値を出力する。ここで、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、現像装置115に収納されたトナーを除いて、略同様に構成されている。そして、画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kは、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0043】
また、画像形成プロセス部110は、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの感光体ドラム25にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト121と、各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kの各色のトナー像を中間転写ベルト121に順次転写(一次転写)させる一次転写帯電装置としての一次転写ロール122と、中間転写ベルト121上に転写された重畳トナー像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写帯電装置としての二次転写ロール123と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置125とを備えている。
【0044】
画像形成プロセス部110は、制御部130から供給された同期信号等の制御信号に基づいて画像形成動作を行う。その際に、パーソナルコンピュータ102や画像読取装置103から入力された画像データは、画像処理部140によって画像処理が施され、インタフェースを介して各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kに供給される。
【0045】
そして、例えばイエローの画像形成ユニット111Yでは、帯電装置113により所定電位で一様に帯電された感光体ドラム25の表面が、画像処理部140から得られた画像データに基づいて発光する本発明に係るプリントヘッド20により露光されて、感光体ドラム25上に静電潜像が形成される。
【0046】
この静電潜像は、現像装置115により現像され、感光体ドラム25上にはイエローのトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ドラム25においても、マゼンタ、シアン、黒の各色トナー像が形成される。
【0047】
各画像形成ユニット111Y、111M、111C、111Kのそれぞれの感光体ドラム25に形成された各色トナー像は、図11の矢印A方向に回動する中間転写ベルト121上に、一次転写ロール122により順次静電吸引され、中間転写ベルト121上に重畳されたトナー像が形成される。
【0048】
この重畳トナー像は、中間転写ベルト121の回動に伴って二次転写ロール123が配設された領域(二次転写部)に搬送される。そして、重畳トナー像が二次転写部に搬送されると、トナー像が二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて用紙Pが二次転写部に供給される。
【0049】
そして、二次転写部にて二次転写ロール123により形成される転写電界により、重畳トナー像は搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト121から剥離され、搬送ベルト124により定着装置125まで搬送される。
【0050】
定着装置125に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置125によって熱および圧力による定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、デジタルカラープリンタ131の排出部に設けられた図示しない排紙載置部に搬送される。つまり、本実施例3に係る画像形成装置は、本発明に係るプリントヘッド1を備えているので、高画質な画像を形成できる。
【0051】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び図面の記載から当事者が認識する事ができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0052】
例えば、前記した実施例においては、プリント配線基板2に電子部品10を千鳥状に固定したものを示したが、一直線上に固定したものであっても良い。また、前記した実施例においては、プリント配線基板が5枚の集合プリント配線基板を示したが、プリント配線基板は複数枚(2枚以上)あれば良い。
【0053】
また、前記した実施例においては、電子部品(発光素子)10を熱硬化性接着剤でプリント配線基板2に固定するものを示したが、これに限るものではなく、クリーム半田(ハンダペースト)を用い、リフロー炉で加熱して固定するものであっても良い。
【0054】
尚、本発明は、以下のように把握することもできる。
短手方向に順に並べられ、連結片で互いに連結された複数の長尺なプリント配線基板と、
該複数のプリント配線基板の外側において前記連結片で連結された捨て基板とからなる集合プリント配線基板において、
前記プリント配線基板は、短手方向の両端面の前記連結片が非対向であり、
奇数枚目の全ての前記プリント配線基板を重ねたとき、前記連結片が重なり、
偶数枚目の全ての前記プリント配線基板を重ねたとき、前記連結片が重なることを特徴とする集合プリント配線基板
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電子部品が固定されるプリント配線基板が複数枚連結した集合プリント配線基板等に適用される。
【符号の説明】
【0056】
1 集合プリント配線基板
2 プリント配線基板
3 ベタパターン
4 連結片
5 捨て基板
6 奇数枚目のプリント配線基板
7 偶数枚目のプリント配線基板
8 表示(短手方向)
10 発光素子
11 プリント配線基板装置
20 プリントヘッド
21 ロッドレンズ
22 レンズアレイ
23 ハウジング
25 感光体ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短手方向に順に並べられ、連結片で互いに連結された複数の長尺なプリント配線基板と、
該複数のプリント配線基板の外側において前記連結片で連結された捨て基板とからなる集合プリント配線基板において、
前記プリント配線基板は、短手方向の両端面の前記連結片が非対向であり、
奇数枚目の全ての前記プリント配線基板は、短手方向の両端面における前記連結片の長手方向の位置が同一であり、
偶数枚目の全ての前記プリント配線基板は、短手方向の両端面における前記連結片の長手方向の位置が同一であることを特徴とする集合プリント配線基板
【請求項2】
前記プリント配線基板は、短手方向の一端面の前記連結片と、短手方向の他端面の前記連結片が、長手方向の一端から他端に向かって交互に形成された請求項1に記載の集合プリント配線基板
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の集合プリント配線基板に複数の電子部品を固定し、前記連結片で切り離して得たプリント配線基板装置
【請求項4】
前記電子部品が発光素子である請求項3に記載のプリント配線基板装置と、
複数のロッドレンズを整列配置したレンズアレイとを備え、
該レンズアレイの一方のレンズ面と前記発光素子が対向するように、前記レンズアレイおよび前記プリント配線基板装置をハウジングに固定したプリントヘッド
【請求項5】
表面に静電潜像を形成する感光体と、
該感光体と対向した請求項4に記載のプリントヘッドとを備えた画像形成装置

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2011−146411(P2011−146411A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3599(P2010−3599)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】