説明

電力変換装置の保護回路

【課題】電源遮断用の各スイッチの短絡故障を個別に検出可能とし、故障検出用の信号線やコネクタ端子の数を少なくする。
【解決手段】半導体スイッチング素子の駆動回路の電源供給ラインに直列接続されたスイッチ21,22と、これらの直列回路の出力側から電源電圧を監視する監視手段(CPU13)と、を有し、電力変換装置の異常時に発生する遮断信号によりスイッチ21,22をオフさせて駆動回路電源の供給を遮断する保護回路において、前記遮断信号の経路に接続されたイネーブル付きバッファIC14,15と、これらのバッファIC14,15を制御してスイッチ21,22を1個ずつオフさせるための制御手段(CPU13)と、を備え、前記監視手段は、駆動回路電源電圧が正常値である時に、いずれかのバッファIC14,15によってオフさせるべきスイッチが短絡故障していると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体スイッチング素子を備えた電力変換装置の異常を検出して前記スイッチング素子の駆動回路電源を遮断することにより、電力変換装置を保護するようにした保護回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図3(a),(b)は、インバータ等の電力変換装置に適用される従来の保護回路の主要部を示している。
図3(a)は直列冗長回路と呼ばれており、電力変換装置の異常時に、この電力変換装置を構成するIGBT等の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路電源を、直列接続されたリレーまたはトランジスタからなるスイッチ21,22によって遮断するように構成されている。また、図3(b)は並列冗長回路と呼ばれており、電力変換装置の上アームスイッチング素子、下アームスイッチング素子のゲート駆動回路電源を、並列接続されたスイッチ21,22によって個別に遮断するように構成されている。
【0003】
なお、図3(a),(b)において、10は、電力変換装置の異常時に発生する遮断信号によりスイッチ21,22を制御するための制御基板、20A,20Bはゲート駆動回路電源を供給または遮断するためのドライブ基板、11は上記遮断信号が入力される信号入力端子、12は信号絶縁用のフォトカプラ、13はCPUである。
【0004】
図3(a),(b)に示す保護回路では、半導体スイッチング素子の短絡故障等の異常が発生した時に、信号入力端子11から入力される遮断信号をフォトカプラ12を介してスイッチ21,22に与え、これらのスイッチ21,22を同時にオフさせてゲート駆動回路への電源供給を絶つことで全てのスイッチング素子をオフさせ、電力変換装置の出力を遮断してその保護を図っている。
ここでは、安全規格によって求められる冗長性を確保するため、複数のスイッチが直列または並列に接続されており、各スイッチ21,22は常に同じ状態(全てのスイッチがオンまたはオフ)で動作することを前提としている。
また、安全規格では「冗長性を損ねるスイッチの単一故障は可能な限り検出できること」も求められており、例えば図3(a)ではスイッチ21,22の直列接続回路の出力、図3(b)では各スイッチ21,22の出力がCPU13に読み込まれており、CPU13が各部の信号状態を監視してスイッチの故障を監視する機能も備えている。
【0005】
なお、図3(a),(b)の保護回路は、異常時にゲート駆動回路電源を遮断する方式(以下、電源遮断方式という)の回路構成であるが、この他にも、スイッチの代わりにイネーブル付きバッファICを用いて、電力変換装置の全ゲート駆動信号(三相電力変換装置では6つの信号)をオフにする方式(以下、信号遮断方式という)も公知となっている。
【0006】
以下、電源遮断方式及び信号遮断方式の利点、問題点につき説明する。ここで、電源遮断方式は、図3(a),(b)のように2個のスイッチ21,22を備えているものとする。
【0007】
[電源遮断方式]
(1)直列冗長回路(図3(a))
・利点:各スイッチ21,22の状態変化や特性のばらつきの影響を受けにくい。
・問題点:短絡故障時にどのスイッチが短絡したのかを検出することが不可能であるか、極めて困難である。
(2)並列冗長回路(図3(b))
・利点:各スイッチ21,22の出力信号をCPU13に取り込んでいるので、どのスイッチが短絡故障したのかを検出することが比較的容易である。
・問題点:各スイッチ21,22の状態変化や特性のばらつきにより、過渡的に意図しない動作になる。また、各スイッチ21,22の短絡故障を検出するために、スイッチ21,22の出力信号をCPU13に入力する信号線がそれぞれ必要であり、図3(b)のようにCPU13とスイッチ21,22とが別個の基板10,20Bに配置されている場合には、コネクタの端子数が増えて回路面積の増加やコスト上昇を招く。
【0008】
[信号遮断方式]
(1)直列冗長回路
・利点:各バッファICの状態変化や特性のばらつきの影響を受けにくい。
・問題点:故障監視の対象が、端子入力に加えて6個のゲート信号であるため監視対象が多い。一方のバッファICがイネーブル固定となるような故障時に、故障検出が不可能であるか、極めて困難である。
(2)並列冗長回路
・利点:各バッファICの故障検出が比較的容易である。
・問題点:各バッファICの状態変化や特性のばらつきにより、過渡的に意図しない動作になる。直列冗長回路と同様に監視対象が多く、故障検出回路が複雑になる。
【0009】
なお、先行技術文献としての特許文献1には、信号遮断方式による半導体素子の異常検出および保護回路が開示されている。
図4は、この特許文献1に記載された異常検出および保護回路の構成図であり、30は電力変換装置の上アームまたは下アームの半導体スイッチング素子、41は短絡検出手段、42は過電流検出手段、43は不足電圧検出手段、44は過熱検出手段、51〜54は各検出手段41〜44に対応して設けられた異常記憶回路、60は異常発信回路、70は統括制御系、80はスイッチング素子30のゲート信号を生成する駆動回路、90は動作停止手段を示している。
【0010】
図4の回路では、スイッチング素子30における各種の異常を検出手段41〜44により検出して異常記憶回路51〜54に記憶し、異常の種類が緊急性を有する場合には、異常記憶回路51〜54の出力により動作停止手段90を動作させてスイッチング素子30のゲート信号を強制的に接地することにより、スイッチング素子30の動作を停止させている。
また、異常の種類が緊急性を有しない場合には、異常記憶回路51〜54の出力を異常発信回路60を介して統括制御系70に送り、異常の種類や他アームのスイッチング素子の状態等を考慮して駆動回路80に送る開閉指令の論理を変更する、等の処理を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−238476号公報(段落[0011]〜[0023]、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述したように、信号遮断方式の保護回路では、監視対象が多く、故障検出回路が複雑になり易い。
また、電源遮断方式では、各スイッチの短絡故障を個別に検出することが困難であり、特に並列冗長回路では、短絡故障を個別に検出するためにスイッチと同数の信号線やコネクタの端子を必要とし、これらが回路の複雑化や回路面積の増加、コストの上昇を招いていた。
そこで、本発明の解決課題は、電源遮断方式を採用することで信号遮断方式の問題点を解消すると共に、電源遮断用の各スイッチの短絡故障を個別に検出可能とし、しかも故障検出用の信号線やコネクタ端子の数を少なくすることができる電力変換装置の保護回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、電力変換装置を構成する半導体スイッチング素子の駆動回路の電源供給ラインに複数、直列接続されたスイッチと、これらのスイッチの直列接続回路の出力側から検出した前記駆動回路の電源電圧を監視する監視手段と、を有し、前記電力変換装置の異常時に発生する遮断信号により前記スイッチをオフさせて前記駆動回路への電源供給を遮断する電力変換装置の保護回路において、
前記遮断信号を有効または無効とする遮断信号有効/無効手段と、
前記遮断信号有効/無効手段を制御して前記スイッチを1個ずつオフさせるための制御信号を出力する制御手段と、を備え、
前記監視手段は、前記制御手段が前記制御信号を前記遮断信号有効/無効手段に出力した際に検出された前記電源電圧が正常値である場合に、前記制御信号によってオフさせるべきスイッチが短絡故障していると判断する機能を有するものである。
【0014】
請求項2に係る発明は、電力変換装置を構成する半導体スイッチング素子の駆動回路の電源供給ラインに複数、直列接続されたスイッチと、これらのスイッチの直列接続回路の出力側から検出した前記駆動回路の電源電圧を監視する監視手段と、を有し、前記電力変換装置の異常時に発生する遮断信号により前記スイッチをオフさせて前記駆動回路への電源供給を遮断する電力変換装置の保護回路において、
前記遮断信号を1個のスイッチに対して有効または無効とする遮断信号有効/無効手段と、
前記遮断信号有効/無効手段を制御して前記1個のスイッチをオフさせるための制御信号を出力する制御手段と、
前記スイッチの直列接続回路におけるスイッチ同士の接続点と接地点との間に接続された抵抗と、
前記スイッチの直列接続回路の出力側と接地点との間に接続された抵抗及びコンデンサからなる並列接続回路と、を備え、
前記監視手段は、前記遮断信号のオン時において前記制御手段が前記遮断信号有効/無効手段を無効にした際に検出された前記電源電圧が正常値である場合に、前記1個のスイッチが短絡故障していると判断する機能と、オン状態の前記遮断信号がオフに変化した際に検出された前記電源電圧の低下速度が正常時よりも速くなった場合に、前記1個のスイッチ以外のスイッチが短絡故障していると判断する機能と、を有するものである。
【0015】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載した電力変換装置の保護回路において、前記監視手段及び制御手段の機能を単一のCPUが有するものである。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置の保護回路において、前記遮断信号有効/無効手段を、イネーブル付きバッファICによって構成したものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遮断信号によって駆動回路電源を遮断する各スイッチの短絡故障を個別に検出することができると共に、故障検出用の信号線やコネクタ端子の数を少なくして保護回路の構成の簡略化、低コスト化を達成することができる
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図3】従来の保護回路の主要部を示す構成図である。
【図4】特許文献1に係る異常検出および保護回路の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の主要部を示す構成図である。この実施形態に係る保護回路は、前述した図3(a)と同様に、電力変換装置の異常時にIGBT等の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路電源を遮断する電源遮断方式の直列冗長回路を構成している。
【0020】
図1において、10Aは遮断信号によりスイッチ21,22を制御するための制御基板、20Aは図3(a)と同様にゲート駆動回路電源を供給または遮断するためのドライブ基板である。
また、11は電力変換装置の異常時に上記遮断信号が入力される信号入力端子、121,122はスイッチ21,22に対応して設けられた信号絶縁用のフォトカプラである。更に、13はCPUであり、このCPU13には、フォトカプラ121,122の出力信号とスイッチ21,22の直列接続回路の出力信号とが入力されている。
なお、上記遮断信号は、オフの時にスイッチ21,22がオフ(電源遮断)し、オンの時にスイッチ21,22がオン(電源供給)するものとする。
【0021】
14,15はフォトカプラ121,122の出力側とスイッチ21,22との間にそれぞれ設けられた遮断信号有効/無効手段としてのイネーブル付きバッファICであり、CPU13からの制御信号(イネーブル信号)がイネーブル端子にそれぞれ入力されている。これらのバッファIC14,15は、CPU13から入力される制御信号によって有効/無効(オン/オフ)を制御可能である。
【0022】
次に、この実施形態の動作を説明する。
CPU13は、プログラムの動作により、イネーブル付きバッファIC14,15を1個ずつ強制的に無効とするような制御信号を、一定周期で各バッファIC14,15のイネーブル端子に出力する。また、CPU13は、この制御信号を出力する都度、ゲート駆動回路の電源電圧レベルをドライブ基板20A内のスイッチ22の出力側から読み込む。
【0023】
いま、スイッチ21,22に故障がなく、その動作が正常な場合には、CPU13からイネーブル付きバッファICを介して一方のスイッチ(例えばスイッチ21)をオフすることで、直列接続された他方のスイッチ22がオンしているにも関わらずゲート駆動回路電源は絶たれ、CPU13が読み込む電源電圧レベルも0[V]に相当するレベルとなるはずである。しかし、仮にスイッチ21が短絡故障していたとすると、CPU13からの制御信号により、オフ状態にするべきスイッチ21をバッファIC14を介して強制的にオフしようとしても、そのオフ動作は不可能であり、スイッチ21はオン状態を維持する。この時、直列接続された他方のスイッチ22はオンしているので、CPU13が読み込む電源電圧レベルは、例えば5[V]や15[V]に相当するレベルとなる。
【0024】
すなわち、スイッチ21をオフさせるような制御信号をCPU13からバッファIC14に送出した時に、ドライブ基板20Aから取り込んだ電源電圧レベルが正常値を示していれば、スイッチ21が短絡故障していると推定することができる。同様に、スイッチ22をオフさせるような制御信号をCPU13からバッファIC15に送出した時に、ドライブ基板20Aから取り込んだ電源電圧レベルが正常値を示していれば、スイッチ22が短絡故障していると推定することができる。
この実施形態によれば、ゲート駆動回路の電源電圧をドライブ基板20AからCPU13に読み込むための信号線が1本であるにも関わらず、スイッチ21,22の短絡故障を個別に検出することができ、信号線の数やコネクタの端子数が少なくて済み、回路の簡略化や低コスト化が可能である。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。図2は、この第2実施形態の主要部を示す構成図であり、この保護回路も、第1実施形態と同様に異常時にゲート駆動回路電源を遮断する電源遮断方式の直列冗長回路を構成している。
【0026】
図2において、制御基板10Cでは、一方のフォトカプラ121とスイッチ21との間だけにイネーブル付きバッファIC14が接続されており、他方のフォトカプラ122とスイッチ22とは直接接続されている。
また、CPU13には、フォトカプラ121,122の出力信号とスイッチ21,22の直列回路の出力信号とが入力され、CPU13からの制御信号(イネーブル信号)がイネーブル付きバッファIC14のイネーブル端子に入力されている。
【0027】
一方、ドライブ基板20Cにおいて、スイッチ21,22の相互間には一端が接地された抵抗R(抵抗値をRとする)が接続されていると共に、スイッチ22の出力側と図示されていないゲート駆動回路との間には、各一端が接地された抵抗R(抵抗Rと同様に、抵抗値をRとする)とコンデンサC(容量値をCとする)とが互いに並列に接続されている。
【0028】
次いで、この実施形態の動作を説明する。まず、一方のスイッチ21の短絡故障を検出する場合の動作を述べる。
信号入力端子11から入力される遮断信号がオフの時、CPU13は、プログラムの動作により、イネーブル付きバッファIC14をディスエーブルとするように制御信号を出力する。そして、遮断信号がオフからオンに切り替わった時のゲート駆動回路の電源電圧のレベルを、スイッチ22の出力側からCPU13に読み込む。
【0029】
仮に、スイッチ21が短絡故障していなければ、スイッチ21はオフ状態であるから、ゲート駆動回路電源の供給は絶たれており、CPU13が読み込む電源電圧レベルも0[V]に相当するレベルとなるはずである。しかし、仮にスイッチ21が短絡故障していたとすると、この時に他方のスイッチ22はオン状態に切り替わっているため、CPU13が読み込む電源電圧レベルは、スイッチ21,22がいずれもオンしていることにより、例えば5[V]や15[V]に相当するレベルとなる。
つまり、遮断信号がオフからオンに切り替わった時に、ドライブ基板20Cから取り込んだ電源電圧レベルが正常時のレベルを示していれば、スイッチ21が短絡故障していると推定することができる。
【0030】
次に、他方のスイッチ22の短絡故障を検出する場合について説明する。
この場合には、信号入力端子11から入力される遮断信号がオンからオフに切り替わった時の、ゲート駆動回路の電源電圧のレベルが低下していく速度をCPU13が監視する。
【0031】
いま、スイッチ22が短絡故障していない正常時には、遮断信号の切り替えに伴ってスイッチ21,22はいずれもオフするので、ゲート駆動回路の入力側(スイッチ22の出力側)には抵抗RとコンデンサCとの並列回路が接続され、コンデンサCの電圧、すなわちゲート駆動回路の電源電圧は時定数1/RCで放電し、徐々に低下していく。
しかし、スイッチ22が短絡故障している場合、スイッチ21はオフするがスイッチ22はオン状態を保っているので、ゲート駆動回路の入力側(スイッチ21の出力側)には抵抗R,R及びコンデンサCの並列回路が接続されることになり、コンデンサCの電圧、すなわちゲート駆動回路の電源電圧は時定数1/2RCで放電し、低下していく。つまり、電源電圧が低下する速度は正常時よりも速くなる。
従って、CPU13に読み込まれる電源電圧の低下速度が正常時よりも速くなっている場合には、スイッチ22が短絡故障していると推定することができる。
【0032】
上述した各実施形態では、CPU13が、イネーブル付きバッファIC14,15を制御する制御手段としての機能と、ドライブ基板20Aまたは20Cから読み込んだ電源電圧に基づいてスイッチ21,22の短絡故障を監視する監視手段としての機能とを果たしているが、これらの機能は、それぞれ個別の制御回路と監視回路とによって実現してもよい。
また、本発明は、インバータに限らず各種の電力変換装置の保護回路に適用可能であり、電力変換装置の構成や半導体スイッチング素子の種類等になんら制約されることはない。
【符号の説明】
【0033】
10A,10C:制御基板
11:信号入力端子
121,122:フォトカプラ
13:CPU
14,15:イネーブル付きバッファIC
20A,20C:ドライブ基板
21,22:スイッチ
,R:抵抗
C:コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置を構成する半導体スイッチング素子の駆動回路の電源供給ラインに複数、直列接続されたスイッチと、これらのスイッチの直列接続回路の出力側から検出した前記駆動回路の電源電圧を監視する監視手段と、を有し、前記電力変換装置の異常時に発生する遮断信号により前記スイッチをオフさせて前記駆動回路への電源供給を遮断する電力変換装置の保護回路において、
前記遮断信号を有効または無効とする遮断信号有効/無効手段と、
前記遮断信号有効/無効手段を制御して前記スイッチを1個ずつオフさせるための制御信号を出力する制御手段と、を備え、
前記監視手段は、前記制御手段が前記制御信号を前記遮断信号有効/無効手段に出力した際に検出された前記電源電圧が正常値である場合に、前記制御信号によってオフさせるべきスイッチが短絡故障していると判断する機能を有することを特徴とする電力変換装置の保護回路。
【請求項2】
電力変換装置を構成する半導体スイッチング素子の駆動回路の電源供給ラインに複数、直列接続されたスイッチと、これらのスイッチの直列接続回路の出力側から検出した前記駆動回路の電源電圧を監視する監視手段と、を有し、前記電力変換装置の異常時に発生する遮断信号により前記スイッチをオフさせて前記駆動回路への電源供給を遮断する電力変換装置の保護回路において、
前記遮断信号を1個のスイッチに対して有効または無効とする遮断信号有効/無効手段と、
前記遮断信号有効/無効手段を制御して前記1個のスイッチをオフさせるための制御信号を出力する制御手段と、
前記スイッチの直列接続回路におけるスイッチ同士の接続点と接地点との間に接続された抵抗と、
前記スイッチの直列接続回路の出力側と接地点との間に接続された抵抗及びコンデンサからなる並列接続回路と、を備え、
前記監視手段は、前記遮断信号のオン時において前記制御手段が前記遮断信号有効/無効手段を無効にした際に検出された前記電源電圧が正常値である場合に、前記1個のスイッチが短絡故障していると判断する機能と、オン状態の前記遮断信号がオフに変化した際に検出された前記電源電圧の低下速度が正常時よりも速くなった場合に、前記1個のスイッチ以外のスイッチが短絡故障していると判断する機能と、を有することを特徴とする電力変換装置の保護回路。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載した電力変換装置の保護回路において、
前記監視手段及び制御手段の機能を単一のCPUが有することを特徴とする電力変換装置の保護回路。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載した電力変換装置の保護回路において、
前記遮断信号有効/無効手段を、イネーブル付きバッファICによって構成したことを特徴とする電力変換装置の保護回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−55125(P2012−55125A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197451(P2010−197451)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】