電子カメラ
【構成】継ぎ手54はカメラ筐体50の後部に設けられ、モニタユニット52は画面が露出する態様でカメラ筐体50の側部に積層される。また、継ぎ手54はカメラ筐体50から光軸AXに沿って突出したシャフト58によって軸支され、モニタユニット52は継ぎ手54から光軸に直交する方向に突出したシャフト56によって軸支される。したがって、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、画面SCRはカメラ筐体50の後方を向く。続いて、継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52つまり画面SCRはシャフト58を中心としてカメラ筐体50の周辺を移動する。
【効果】撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【効果】撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特にカメラ筐体の側面にモニタユニットが設けられた、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、第1の本体および第2の本体が、カメラ光軸に直交する回転面に設けられた回転軸部を介して回転可能に接続される。モニタ部は、第1の本体の側面にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けられる。グリップ部は、第1の本体およびモニタ部を第2の本体に対して回転させたときにモニタ部が開いた方向と対向する第2の本体の側面に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−287288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、カメラレンズやCCDカメラのような撮像系が第1の本体に設けられ、モニタ部を回転させると撮像系もまた回転される。したがって、カメラレンズの位置が第1の本体の前面の中心からずれていると、操作性が低下する。ここで、操作性の低下を防ぐために、カメラレンズを中心に配置するようにすると、設計上の制限が増大する。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、カメラ筐体(50)の前部に設けられたレンズ(12)、カメラ筐体の側部に設けられたモニタユニット(52)、カメラ筐体の後部に設けられてカメラ筐体とモニタユニットとを継ぐ継ぎ手(54)、カメラ筐体から光軸に沿って突出して継ぎ手を軸支する第1シャフト(58)、および継ぎ手から光軸に直交する方向に突出してモニタユニットを軸支する第2シャフト(56)を備える。
【0007】
好ましくは、カメラ筐体は、操作者によって把持されるグリップ(50g)、およびグリップの上部に設けられた鏡筒(50b)を有する。
【0008】
さらに好ましくは、第2シャフトの回り方向における継ぎ手の回転可能角度は270°に相当する。
【0009】
好ましくは、継ぎ手はカメラ筐体の後方に面する複数の操作キー(38s, 38z, 38m)を有し、複数の操作キーの配置を継ぎ手の回転角度に応じて変更する変更手段(S41~S49)がさらに備えられる。
【0010】
或る局面では、複数の操作キーの各々は互いに異なるマークを有するタッチキーに相当し、変更手段はマークの表示態様を変更する表示態様変更手段(S47~S49)を含む。
【0011】
他の局面では、複数の操作キーは、静止画記録を指示するための第1キー(38s)、および動画記録を指示するための第2キー(38m)を含む。
【0012】
好ましくは、モニタユニットは板状に形成されてカメラ筐体の側部に積層される。
【発明の効果】
【0013】
継ぎ手はカメラ筐体の後部に設けられ、モニタユニットはカメラ筐体の側部に設けられる。また、継ぎ手はカメラ筐体から光軸に沿って突出した第1シャフトによって軸支され、モニタユニットは継ぎ手から光軸に直交する方向に突出した第2シャフトによって軸支される。
【0014】
したがって、継ぎ手を第1シャフトの軸回り方向に回転させると、モニタユニットは第1シャフトを中心としてカメラ筐体の周辺を移動する。また、モニタユニットを第2シャフトの軸回り方向に回転させると、画面の向きが変化する。
【0015】
モニタユニットをカメラ筐体の左側に配置すると、カメラ筐体を右手で把持しやすくなる。これに対して、モニタユニットをカメラ筐体の右側に配置すると、カメラ筐体を左手で把持しやすくなる。また、撮像系の姿勢は、モニタユニットの配置の変更に関わらず固定的である。これによって、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例であるディジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)はモニタユニットを折り畳んだ状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(B)はモニタユニットを手前に起こした状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(C)は手前に起こしたモニタユニットを右に90°回転させた状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(D)は手前に起こしたモニタユニットを右に270°回転させた状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図である。
【図3】(A)は分解状態にあるディジタルカメラの外観の一部を示す図解図であり、(B)は分解状態にあるディジタルカメラの外観の他の一部を示す図解図である。
【図4】(A)は0°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(B)は90°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(C)は180°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(D)は270°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はカメラ筐体の外観の一部を示す図解図であり、(B)はカメラ筐体の外観の他の一部を示す図解図である。
【図6】(A)はモニタユニットの外観の一部を示す図解図であり、(B)はモニタユニットの外観の他の一部を示す図解図である。
【図7】(A)は継ぎ手の外観の一部を示す図解図であり、(B)は継ぎ手の外観の他の一部を示す図解図である。
【図8】継ぎ手とモニタユニットとを結合するシャフトの外観の一部を示す図解図である。
【図9】カメラ筐体と継ぎ手とを結合する他のシャフトの外観の一部を示す図解図である。
【図10】(A)はディジタルカメラを右手で把持した状態の一例を示す図解図であり、(B)はディジタルカメラを左手で把持した状態の一例を示す図解図である。
【図11】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ20a,20bおよび20cによってそれぞれ駆動されるズームレンズ12,フォーカスレンズ14および絞り機構16を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、撮像装置18の撮像面に照射される。
【0019】
電源が投入されると、CPU36は、撮像タスクの下で動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ20dに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ20dは、図示しないSG(Signal Generator)から出力された垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつこれによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0020】
信号処理回路22は、撮像装置16から出力された生画像データに基づいてYUV形式の画像データを作成し、作成された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26に書き込む。LCDドライバ28は、SDRAM26に格納された画像データをメモリ制御回路24を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。この結果、被写界を表す動画像(スルー画像)がLCDモニタ30に表示される。
【0021】
信号処理回路22によって作成された画像データは、CPU34にも与えられる。CPU36は、条件調整タスクの下で画像データを取り込み、取り込まれた画像データに基づいてAE処理を実行する。この結果、適正EV値が算出され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間がドライバ20cおよび20dにそれぞれ設定される。これによって、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0022】
CPU36はまた、AF起動条件が満足されるとき、信号処理回路22から取り込まれた画像データに基づくAF処理を条件調整タスクの下で実行する。この結果、合焦点が探索され、フォーカスレンズ14が発見された合焦点に配置される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0023】
CPU36はさらに、操作パネル40に対してズーム操作が行われたとき、条件調整タスクの下でズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、スルー画像の倍率が変化する。
【0024】
操作パネル40に対して動画記録開始操作が行われると、CPU36は、撮像タスクの下で動画記録処理を開始する。I/F32は、SDRAM26に格納された画像データをメモリ制御回路24を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データを動画ファイル形式で記録媒体34に記録する。開始された動画記録処理は、操作パネル40に対する動画記録終了操作に応答して終了される。
【0025】
操作パネル40に対して静止画記録操作が行われると、CPU36は、撮像タスクの下で静止画記録処理を実行する。静止画記録操作が行われた時点の被写界を表す1フレームの画像データは、SDRAM26に設けられたワークエリア(図示せず)に退避される。I/F32は、ワークエリアに退避された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを静止画ファイル形式で記録媒体34に記録する。
【0026】
図2(A)を参照して、モニタユニット52は、カメラ筐体50の後部に設けられた継ぎ手54を介してカメラ筐体50と結合される。折りたたみ状態において、モニタユニット52は、LCDモニタ30の画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の左側部に積層される。
【0027】
図3(A)〜図3(B)を追加的に参照して、カメラ筐体50の前部にはズームレンズ12が設けられる。シャフト58は、ズームレンズ12に直交する光軸AXに沿って延びる姿勢で、かつカメラ筐体50の後部から突出するように、カメラ筐体50に設けられる。継ぎ手54は、このようなシャフト58によって支持され、シャフト58の軸回り方向に回転可能とされる。また、シャフト56は、光軸AXに直交する方向に延びる姿勢で、かつ継ぎ手54から突出するように、継ぎ手54に設けられる。モニタユニット52は、このようなシャフト56によって支持され、シャフト56の軸回り方向に回転可能とされる。
【0028】
したがって、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52は図2(B)に示すように手前に起こされる。この状態で継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に90°回転させると、モニタユニット52は図2(B)に示す姿勢から図2(C)に示す姿勢に遷移する。継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向にさらに180°回転させると、モニタユニット52は図2(C)に示す姿勢から図2(D)に示す姿勢に遷移する。
【0029】
図4(A)〜図4(D)を参照して、継ぎ手54には、ボタン表示装置38が設けられる。スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zは、ボタン表示装置38によって継ぎ手54の表面に表示される。ここで、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zはいずれもタッチキーに相当し、各ボタンは厳密には識別マークとその下に設けられたキャパシタとによって形成される。スチルボタン38sへのタッチが静止画記録操作に相当し、ムービーボタン38mへのタッチが動画記録開始操作または動画記録終了操作に相当し、そしてズームボタン38zへのタッチがズーム操作に相当する。
【0030】
継ぎ手54の回転角度は図1に示す角度センサ42によって検知され、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様は検知された継ぎ手54の回転角度に応じて変更される。つまり、継ぎ手54の回転角度が270°と異なるとき、これらのボタンの識別マークは、モニタユニット52側からスチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの順で表示される(図4(A)〜図4(C)参照)。これに対して、継ぎ手54の回転角度が270°に相当するとき、これらのボタンの識別マークは、上下反転した状態で、かつモニタユニット52側と反対側からスチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの順で表示される(図4(D)参照)。したがって、スチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの見え方は、継ぎ手54の回転角度が90°の状態と270°の状態との間で一致する。
【0031】
なお、操作パネル40は、このような表示態様の変更を考慮して、スチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mのいずれが操作されたかを判別する。また、スルー画像の表示態様は、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの表示態様の変更に対応して変更される。
【0032】
図5(A)〜図5(B)を参照して、カメラ筐体50は、鏡筒50bおよびグリップ50gを有する。鏡筒50bは光軸AXに直交する断面が縦長のトラック形状(角丸長方形状)を成すように形成され、グリップ50gは左右側面が主面となる縦長の板状に形成される。なお、ズームレンズ12は、鏡筒50bの前部に設けられる。
【0033】
左右方向においては、鏡筒50bの寸法がグリップ50gの寸法よりも大きい。これに対して、前後方向においては、グリップ50gの寸法が鏡筒50bの寸法よりも大きい。鏡筒50bは、鏡筒50bの右側面がグリップ50gの右側面と面一となり、かつ鏡筒50bの前面がグリップ50gの前面と面一となるように、グリップ50gの上端に一体的に成形される。
【0034】
したがって、左右方向における寸法の差分を“ΔW”とし、前後方向における寸法の差分を“ΔD”とすると、鏡筒50bはグリップ50gに対して“ΔW”だけ左方向にせり出し、グリップ50gは鏡筒50bに対して“ΔD”だけ後方向にせり出す。
【0035】
図6(A)および図6(B)を参照して、モニタユニット52は板状に形成される。モニタユニット52の主面の寸法はグリップ50gの主面の寸法とほぼ一致し、モニタユニット52の厚みは“ΔW”に相当する。LCDモニタ30はモニタユニット52の一方主面に埋め込まれ、画面SCRは一方主面に露出する。また、一方主面の4つの角部のうち、グリップ50gの後上部に相当する角部には、他方主面に達する切り欠き52cが設けられる。ここで、グリップ50gの前後方向に対応する方向における切り欠き52cの寸法は、“ΔD”に相当する。
【0036】
図7(A)および図7(B)を参照して、継ぎ手54は、上述した鏡筒50bの断面の寸法とほぼ一致する寸法の主面を有する。ボタン表示装置38は、後方に露出する一方主面に設けられる。また、継ぎ手54の厚みは、“ΔD”に相当する。継ぎ手54はさらに、モニタユニット52の切り欠き52cと嵌合するべく、“ΔD”に相当する厚みを有して継ぎ手54の側面から突出する嵌合部54fを有する。
【0037】
図8を参照して、シャフト56は、突出部54fの長さのほぼ2倍の長さを有して、円柱状に形成される。また、図9を参照して、シャフト58は、継ぎ手54の厚みのほぼ2倍の長さを有して、円柱状に形成される。
【0038】
図2(A)〜図2(D)および図3(A)および図3(B)に戻って、カメラ筐体50,モニタユニット52,継ぎ手54,シャフト56および58の関係をより詳しく説明する。
【0039】
シャフト58は、光軸AXに沿って延びる姿勢で鏡筒50bの後部から突出し、継ぎ手54の他方主面に差し込まれる。継ぎ手54の厚みは“ΔD”に相当するため、継ぎ手54がカメラ筐体50に取り付けられたとき、継ぎ手54の一方主面とグリップ50の後面とは面一となる。
【0040】
シャフト56は、継ぎ手54の長さ方向に沿って延びる姿勢で継ぎ手54の嵌合部54fから突出し、切り欠き52cの位置でモニタユニット52に差し込まれる。ここで、シャフト56の長さ方向は、ほぼトラック形状をなす継ぎ手54の主面の長さ方向、およびほぼ長方形をなすモニタユニット52の主面の長さ方向の両方に沿う。モニタユニット52の厚みは“ΔW”に相当するため、モニタユニット52をカメラ筐体50の左側面に積層したとき、モニタユニット52の一方主面と鏡筒50bの左側面とは面一となる。
【0041】
カメラ筐体50,モニタユニット52,継ぎ手54,シャフト56および58がこうして構成されることから、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、画面SCRはカメラ筐体50の後方を向く。続いて、継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52つまり画面SCRはシャフト58を中心としてカメラ筐体50の周辺を移動する。モニタユニット52をカメラ筐体50の左側に配置すると、カメラ筐体50を右手で把持しやすくなる(図10(A)参照)。これに対して、モニタユニット52をカメラ筐体50の右側に配置すると、カメラ筐体50を左手で把持しやすくなる(図10(B)参照)。
【0042】
CPU36は、図11に示す撮像タスク,図12に示す条件調整タスクおよび図13に示す表示制御タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、図示しないフラッシュメモリに記憶される。
【0043】
図11を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、スルー画像がLCDモニタ30に表示される。ステップS3では動画記録開始操作が行われたか否かを判別し、ステップS5では静止画記録操作が行われたか否かを判別する。
【0044】
ステップS3の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS7で動画記録処理を開始する。この結果、撮像面で捉えられた被写界を表す複数フレームの画像データが動画ファイル形式で記録媒体34に記録される。動画記録終了操作が行われると、ステップS9を経てステップS11に進み、動画記録処理を終了する。これによって、動画ファイルが完成する。ステップS11の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0045】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS13で静止画記録処理を実行する。この結果、静止画記録操作が行われた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画ファイル形式で記録媒体34に記録される。ステップS13の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0046】
図12を参照して、ステップS21では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS23でAE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS25ではAF起動条件が満足されたか否かを判別し、ステップS29ではズーム操作が行われたか否かを判別する。
【0047】
ステップS25およびS27のいずれもNOであれば、そのままステップS21に戻る。ステップS25の判別結果がYESであればステップS27でAF処理を実行する。フォーカスレンズ14は合焦点に配置され、これによってスルー画像の鮮鋭度が向上する。ステップS29の判別結果がYESであれば、ステップS31でズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、スルー画像の倍率が変化する。ステップS31の処理が完了すると、ステップS21に戻る。
【0048】
図13を参照して、ステップS41ではスルー画像の表示態様およびスチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様を正立姿勢に設定する。ステップS43ではモニタユニット52の姿勢が変化したか否かを角度センサ42の出力に基づいて繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS45に進み、継ぎ手54の回転角度が270°に相当するか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS47に進み、スルー画像の表示態様およびスチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様を倒立姿勢に設定する。判別結果がNOであればステップS49に進み、ステップS41と同様の処理を実行する。ステップS47またはS49の処理が完了すると、ステップS43に戻る。
【0049】
以上の説明から分かるように、継ぎ手54はカメラ筐体50の後部に設けられ、モニタユニット52は画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の側部に積層される。また、継ぎ手54はカメラ筐体50から光軸AXに沿って突出したシャフト58によって軸支され、モニタユニット52は継ぎ手54から光軸に直交する方向に突出したシャフト56によって軸支される。
【0050】
したがって、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、画面SCRはカメラ筐体50の後方を向く。続いて、継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52つまり画面SCRはシャフト58を中心としてカメラ筐体50の周辺を移動する。
【0051】
モニタユニット52をカメラ筐体50の左側に配置すると、カメラ筐体50を右手で把持しやすくなる。これに対して、モニタユニット52をカメラ筐体50の右側に配置すると、カメラ筐体50を左手で把持しやすくなる。また、撮像系の姿勢は、モニタユニット52の配置の変更に関わらず固定的である。これによって、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【0052】
なお、この実施例では、モニタユニット52は画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の側部に積層される。しかし、モニタユニット52は、画面SCRがカメラ筐体50に面する態様でカメラ筐体50の側部に積層するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 …ディジタルカメラ
12 …ズームレンズ
38 …ボタン表示装置
40 …操作パネル
42 …角度センサ
50 …カメラ筐体
52 …モニタユニット
54 …継ぎ手
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特にカメラ筐体の側面にモニタユニットが設けられた、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、第1の本体および第2の本体が、カメラ光軸に直交する回転面に設けられた回転軸部を介して回転可能に接続される。モニタ部は、第1の本体の側面にヒンジ部を介して開閉可能に取り付けられる。グリップ部は、第1の本体およびモニタ部を第2の本体に対して回転させたときにモニタ部が開いた方向と対向する第2の本体の側面に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−287288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、カメラレンズやCCDカメラのような撮像系が第1の本体に設けられ、モニタ部を回転させると撮像系もまた回転される。したがって、カメラレンズの位置が第1の本体の前面の中心からずれていると、操作性が低下する。ここで、操作性の低下を防ぐために、カメラレンズを中心に配置するようにすると、設計上の制限が増大する。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、カメラ筐体(50)の前部に設けられたレンズ(12)、カメラ筐体の側部に設けられたモニタユニット(52)、カメラ筐体の後部に設けられてカメラ筐体とモニタユニットとを継ぐ継ぎ手(54)、カメラ筐体から光軸に沿って突出して継ぎ手を軸支する第1シャフト(58)、および継ぎ手から光軸に直交する方向に突出してモニタユニットを軸支する第2シャフト(56)を備える。
【0007】
好ましくは、カメラ筐体は、操作者によって把持されるグリップ(50g)、およびグリップの上部に設けられた鏡筒(50b)を有する。
【0008】
さらに好ましくは、第2シャフトの回り方向における継ぎ手の回転可能角度は270°に相当する。
【0009】
好ましくは、継ぎ手はカメラ筐体の後方に面する複数の操作キー(38s, 38z, 38m)を有し、複数の操作キーの配置を継ぎ手の回転角度に応じて変更する変更手段(S41~S49)がさらに備えられる。
【0010】
或る局面では、複数の操作キーの各々は互いに異なるマークを有するタッチキーに相当し、変更手段はマークの表示態様を変更する表示態様変更手段(S47~S49)を含む。
【0011】
他の局面では、複数の操作キーは、静止画記録を指示するための第1キー(38s)、および動画記録を指示するための第2キー(38m)を含む。
【0012】
好ましくは、モニタユニットは板状に形成されてカメラ筐体の側部に積層される。
【発明の効果】
【0013】
継ぎ手はカメラ筐体の後部に設けられ、モニタユニットはカメラ筐体の側部に設けられる。また、継ぎ手はカメラ筐体から光軸に沿って突出した第1シャフトによって軸支され、モニタユニットは継ぎ手から光軸に直交する方向に突出した第2シャフトによって軸支される。
【0014】
したがって、継ぎ手を第1シャフトの軸回り方向に回転させると、モニタユニットは第1シャフトを中心としてカメラ筐体の周辺を移動する。また、モニタユニットを第2シャフトの軸回り方向に回転させると、画面の向きが変化する。
【0015】
モニタユニットをカメラ筐体の左側に配置すると、カメラ筐体を右手で把持しやすくなる。これに対して、モニタユニットをカメラ筐体の右側に配置すると、カメラ筐体を左手で把持しやすくなる。また、撮像系の姿勢は、モニタユニットの配置の変更に関わらず固定的である。これによって、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【0016】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施例であるディジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】(A)はモニタユニットを折り畳んだ状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(B)はモニタユニットを手前に起こした状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(C)は手前に起こしたモニタユニットを右に90°回転させた状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図であり、(D)は手前に起こしたモニタユニットを右に270°回転させた状態に対応するディジタルカメラの外観の一部を示す斜視図である。
【図3】(A)は分解状態にあるディジタルカメラの外観の一部を示す図解図であり、(B)は分解状態にあるディジタルカメラの外観の他の一部を示す図解図である。
【図4】(A)は0°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(B)は90°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(C)は180°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図であり、(D)は270°の回転角度に対応する操作ボタンの表示態様の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はカメラ筐体の外観の一部を示す図解図であり、(B)はカメラ筐体の外観の他の一部を示す図解図である。
【図6】(A)はモニタユニットの外観の一部を示す図解図であり、(B)はモニタユニットの外観の他の一部を示す図解図である。
【図7】(A)は継ぎ手の外観の一部を示す図解図であり、(B)は継ぎ手の外観の他の一部を示す図解図である。
【図8】継ぎ手とモニタユニットとを結合するシャフトの外観の一部を示す図解図である。
【図9】カメラ筐体と継ぎ手とを結合する他のシャフトの外観の一部を示す図解図である。
【図10】(A)はディジタルカメラを右手で把持した状態の一例を示す図解図であり、(B)はディジタルカメラを左手で把持した状態の一例を示す図解図である。
【図11】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図12】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】ディジタルカメラに適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ20a,20bおよび20cによってそれぞれ駆動されるズームレンズ12,フォーカスレンズ14および絞り機構16を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、撮像装置18の撮像面に照射される。
【0019】
電源が投入されると、CPU36は、撮像タスクの下で動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ20dに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ20dは、図示しないSG(Signal Generator)から出力された垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつこれによって生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。撮像装置16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0020】
信号処理回路22は、撮像装置16から出力された生画像データに基づいてYUV形式の画像データを作成し、作成された画像データをメモリ制御回路24を通してSDRAM26に書き込む。LCDドライバ28は、SDRAM26に格納された画像データをメモリ制御回路24を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ30を駆動する。この結果、被写界を表す動画像(スルー画像)がLCDモニタ30に表示される。
【0021】
信号処理回路22によって作成された画像データは、CPU34にも与えられる。CPU36は、条件調整タスクの下で画像データを取り込み、取り込まれた画像データに基づいてAE処理を実行する。この結果、適正EV値が算出され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間がドライバ20cおよび20dにそれぞれ設定される。これによって、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0022】
CPU36はまた、AF起動条件が満足されるとき、信号処理回路22から取り込まれた画像データに基づくAF処理を条件調整タスクの下で実行する。この結果、合焦点が探索され、フォーカスレンズ14が発見された合焦点に配置される。これによって、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0023】
CPU36はさらに、操作パネル40に対してズーム操作が行われたとき、条件調整タスクの下でズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、スルー画像の倍率が変化する。
【0024】
操作パネル40に対して動画記録開始操作が行われると、CPU36は、撮像タスクの下で動画記録処理を開始する。I/F32は、SDRAM26に格納された画像データをメモリ制御回路24を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データを動画ファイル形式で記録媒体34に記録する。開始された動画記録処理は、操作パネル40に対する動画記録終了操作に応答して終了される。
【0025】
操作パネル40に対して静止画記録操作が行われると、CPU36は、撮像タスクの下で静止画記録処理を実行する。静止画記録操作が行われた時点の被写界を表す1フレームの画像データは、SDRAM26に設けられたワークエリア(図示せず)に退避される。I/F32は、ワークエリアに退避された画像データをメモリ制御回路24を通して読み出し、読み出された画像データを静止画ファイル形式で記録媒体34に記録する。
【0026】
図2(A)を参照して、モニタユニット52は、カメラ筐体50の後部に設けられた継ぎ手54を介してカメラ筐体50と結合される。折りたたみ状態において、モニタユニット52は、LCDモニタ30の画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の左側部に積層される。
【0027】
図3(A)〜図3(B)を追加的に参照して、カメラ筐体50の前部にはズームレンズ12が設けられる。シャフト58は、ズームレンズ12に直交する光軸AXに沿って延びる姿勢で、かつカメラ筐体50の後部から突出するように、カメラ筐体50に設けられる。継ぎ手54は、このようなシャフト58によって支持され、シャフト58の軸回り方向に回転可能とされる。また、シャフト56は、光軸AXに直交する方向に延びる姿勢で、かつ継ぎ手54から突出するように、継ぎ手54に設けられる。モニタユニット52は、このようなシャフト56によって支持され、シャフト56の軸回り方向に回転可能とされる。
【0028】
したがって、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52は図2(B)に示すように手前に起こされる。この状態で継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に90°回転させると、モニタユニット52は図2(B)に示す姿勢から図2(C)に示す姿勢に遷移する。継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向にさらに180°回転させると、モニタユニット52は図2(C)に示す姿勢から図2(D)に示す姿勢に遷移する。
【0029】
図4(A)〜図4(D)を参照して、継ぎ手54には、ボタン表示装置38が設けられる。スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zは、ボタン表示装置38によって継ぎ手54の表面に表示される。ここで、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zはいずれもタッチキーに相当し、各ボタンは厳密には識別マークとその下に設けられたキャパシタとによって形成される。スチルボタン38sへのタッチが静止画記録操作に相当し、ムービーボタン38mへのタッチが動画記録開始操作または動画記録終了操作に相当し、そしてズームボタン38zへのタッチがズーム操作に相当する。
【0030】
継ぎ手54の回転角度は図1に示す角度センサ42によって検知され、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様は検知された継ぎ手54の回転角度に応じて変更される。つまり、継ぎ手54の回転角度が270°と異なるとき、これらのボタンの識別マークは、モニタユニット52側からスチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの順で表示される(図4(A)〜図4(C)参照)。これに対して、継ぎ手54の回転角度が270°に相当するとき、これらのボタンの識別マークは、上下反転した状態で、かつモニタユニット52側と反対側からスチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの順で表示される(図4(D)参照)。したがって、スチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mの見え方は、継ぎ手54の回転角度が90°の状態と270°の状態との間で一致する。
【0031】
なお、操作パネル40は、このような表示態様の変更を考慮して、スチルボタン38s,ズームボタン38zおよびムービーボタン38mのいずれが操作されたかを判別する。また、スルー画像の表示態様は、スチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの表示態様の変更に対応して変更される。
【0032】
図5(A)〜図5(B)を参照して、カメラ筐体50は、鏡筒50bおよびグリップ50gを有する。鏡筒50bは光軸AXに直交する断面が縦長のトラック形状(角丸長方形状)を成すように形成され、グリップ50gは左右側面が主面となる縦長の板状に形成される。なお、ズームレンズ12は、鏡筒50bの前部に設けられる。
【0033】
左右方向においては、鏡筒50bの寸法がグリップ50gの寸法よりも大きい。これに対して、前後方向においては、グリップ50gの寸法が鏡筒50bの寸法よりも大きい。鏡筒50bは、鏡筒50bの右側面がグリップ50gの右側面と面一となり、かつ鏡筒50bの前面がグリップ50gの前面と面一となるように、グリップ50gの上端に一体的に成形される。
【0034】
したがって、左右方向における寸法の差分を“ΔW”とし、前後方向における寸法の差分を“ΔD”とすると、鏡筒50bはグリップ50gに対して“ΔW”だけ左方向にせり出し、グリップ50gは鏡筒50bに対して“ΔD”だけ後方向にせり出す。
【0035】
図6(A)および図6(B)を参照して、モニタユニット52は板状に形成される。モニタユニット52の主面の寸法はグリップ50gの主面の寸法とほぼ一致し、モニタユニット52の厚みは“ΔW”に相当する。LCDモニタ30はモニタユニット52の一方主面に埋め込まれ、画面SCRは一方主面に露出する。また、一方主面の4つの角部のうち、グリップ50gの後上部に相当する角部には、他方主面に達する切り欠き52cが設けられる。ここで、グリップ50gの前後方向に対応する方向における切り欠き52cの寸法は、“ΔD”に相当する。
【0036】
図7(A)および図7(B)を参照して、継ぎ手54は、上述した鏡筒50bの断面の寸法とほぼ一致する寸法の主面を有する。ボタン表示装置38は、後方に露出する一方主面に設けられる。また、継ぎ手54の厚みは、“ΔD”に相当する。継ぎ手54はさらに、モニタユニット52の切り欠き52cと嵌合するべく、“ΔD”に相当する厚みを有して継ぎ手54の側面から突出する嵌合部54fを有する。
【0037】
図8を参照して、シャフト56は、突出部54fの長さのほぼ2倍の長さを有して、円柱状に形成される。また、図9を参照して、シャフト58は、継ぎ手54の厚みのほぼ2倍の長さを有して、円柱状に形成される。
【0038】
図2(A)〜図2(D)および図3(A)および図3(B)に戻って、カメラ筐体50,モニタユニット52,継ぎ手54,シャフト56および58の関係をより詳しく説明する。
【0039】
シャフト58は、光軸AXに沿って延びる姿勢で鏡筒50bの後部から突出し、継ぎ手54の他方主面に差し込まれる。継ぎ手54の厚みは“ΔD”に相当するため、継ぎ手54がカメラ筐体50に取り付けられたとき、継ぎ手54の一方主面とグリップ50の後面とは面一となる。
【0040】
シャフト56は、継ぎ手54の長さ方向に沿って延びる姿勢で継ぎ手54の嵌合部54fから突出し、切り欠き52cの位置でモニタユニット52に差し込まれる。ここで、シャフト56の長さ方向は、ほぼトラック形状をなす継ぎ手54の主面の長さ方向、およびほぼ長方形をなすモニタユニット52の主面の長さ方向の両方に沿う。モニタユニット52の厚みは“ΔW”に相当するため、モニタユニット52をカメラ筐体50の左側面に積層したとき、モニタユニット52の一方主面と鏡筒50bの左側面とは面一となる。
【0041】
カメラ筐体50,モニタユニット52,継ぎ手54,シャフト56および58がこうして構成されることから、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、画面SCRはカメラ筐体50の後方を向く。続いて、継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52つまり画面SCRはシャフト58を中心としてカメラ筐体50の周辺を移動する。モニタユニット52をカメラ筐体50の左側に配置すると、カメラ筐体50を右手で把持しやすくなる(図10(A)参照)。これに対して、モニタユニット52をカメラ筐体50の右側に配置すると、カメラ筐体50を左手で把持しやすくなる(図10(B)参照)。
【0042】
CPU36は、図11に示す撮像タスク,図12に示す条件調整タスクおよび図13に示す表示制御タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、図示しないフラッシュメモリに記憶される。
【0043】
図11を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、スルー画像がLCDモニタ30に表示される。ステップS3では動画記録開始操作が行われたか否かを判別し、ステップS5では静止画記録操作が行われたか否かを判別する。
【0044】
ステップS3の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS7で動画記録処理を開始する。この結果、撮像面で捉えられた被写界を表す複数フレームの画像データが動画ファイル形式で記録媒体34に記録される。動画記録終了操作が行われると、ステップS9を経てステップS11に進み、動画記録処理を終了する。これによって、動画ファイルが完成する。ステップS11の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0045】
ステップS5の判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS13で静止画記録処理を実行する。この結果、静止画記録操作が行われた時点の被写界を表す1フレームの画像データが静止画ファイル形式で記録媒体34に記録される。ステップS13の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0046】
図12を参照して、ステップS21では垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS23でAE処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。ステップS25ではAF起動条件が満足されたか否かを判別し、ステップS29ではズーム操作が行われたか否かを判別する。
【0047】
ステップS25およびS27のいずれもNOであれば、そのままステップS21に戻る。ステップS25の判別結果がYESであればステップS27でAF処理を実行する。フォーカスレンズ14は合焦点に配置され、これによってスルー画像の鮮鋭度が向上する。ステップS29の判別結果がYESであれば、ステップS31でズームレンズ12を光軸方向に移動させる。この結果、スルー画像の倍率が変化する。ステップS31の処理が完了すると、ステップS21に戻る。
【0048】
図13を参照して、ステップS41ではスルー画像の表示態様およびスチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様を正立姿勢に設定する。ステップS43ではモニタユニット52の姿勢が変化したか否かを角度センサ42の出力に基づいて繰り返し判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS45に進み、継ぎ手54の回転角度が270°に相当するか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS47に進み、スルー画像の表示態様およびスチルボタン38s,ムービーボタン38mおよびズームボタン38zの識別マークの表示態様を倒立姿勢に設定する。判別結果がNOであればステップS49に進み、ステップS41と同様の処理を実行する。ステップS47またはS49の処理が完了すると、ステップS43に戻る。
【0049】
以上の説明から分かるように、継ぎ手54はカメラ筐体50の後部に設けられ、モニタユニット52は画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の側部に積層される。また、継ぎ手54はカメラ筐体50から光軸AXに沿って突出したシャフト58によって軸支され、モニタユニット52は継ぎ手54から光軸に直交する方向に突出したシャフト56によって軸支される。
【0050】
したがって、モニタユニット52をシャフト56の軸回り方向に回転させると、画面SCRはカメラ筐体50の後方を向く。続いて、継ぎ手54をシャフト58の軸回り方向に回転させると、モニタユニット52つまり画面SCRはシャフト58を中心としてカメラ筐体50の周辺を移動する。
【0051】
モニタユニット52をカメラ筐体50の左側に配置すると、カメラ筐体50を右手で把持しやすくなる。これに対して、モニタユニット52をカメラ筐体50の右側に配置すると、カメラ筐体50を左手で把持しやすくなる。また、撮像系の姿勢は、モニタユニット52の配置の変更に関わらず固定的である。これによって、撮像系の姿勢を変更することなく、利き腕でカメラ操作を行うことができる。
【0052】
なお、この実施例では、モニタユニット52は画面SCRが露出する態様でカメラ筐体50の側部に積層される。しかし、モニタユニット52は、画面SCRがカメラ筐体50に面する態様でカメラ筐体50の側部に積層するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 …ディジタルカメラ
12 …ズームレンズ
38 …ボタン表示装置
40 …操作パネル
42 …角度センサ
50 …カメラ筐体
52 …モニタユニット
54 …継ぎ手
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ筐体の前部に設けられたレンズ、
前記カメラ筐体の側部に設けられたモニタユニット、
前記カメラ筐体の後部に設けられて前記カメラ筐体と前記モニタユニットとを継ぐ継ぎ手、
前記カメラ筐体から光軸に沿って突出して前記継ぎ手を軸支する第1シャフト、および
前記継ぎ手から前記光軸に直交する方向に突出して前記モニタユニットを軸支する第2シャフトを備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記カメラ筐体は、操作者によって把持されるグリップ、および前記グリップの上部に設けられた鏡筒を有する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第2シャフトの回り方向における前記継ぎ手の回転可能角度は270°に相当する、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記継ぎ手は前記カメラ筐体の後方に面する複数の操作キーを有し、
前記複数の操作キーの配置を前記継ぎ手の回転角度に応じて変更する変更手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記複数の操作キーの各々は互いに異なるマークを有するタッチキーに相当し、
前記変更手段は前記マークの表示態様を変更する表示態様変更手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記複数の操作キーは、静止画記録を指示するための第1キー、および動画記録を指示するための第2キーを含む、請求項4または5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記モニタユニットは板状に形成されて前記カメラ筐体の側部に積層される、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項1】
カメラ筐体の前部に設けられたレンズ、
前記カメラ筐体の側部に設けられたモニタユニット、
前記カメラ筐体の後部に設けられて前記カメラ筐体と前記モニタユニットとを継ぐ継ぎ手、
前記カメラ筐体から光軸に沿って突出して前記継ぎ手を軸支する第1シャフト、および
前記継ぎ手から前記光軸に直交する方向に突出して前記モニタユニットを軸支する第2シャフトを備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記カメラ筐体は、操作者によって把持されるグリップ、および前記グリップの上部に設けられた鏡筒を有する、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第2シャフトの回り方向における前記継ぎ手の回転可能角度は270°に相当する、請求項2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記継ぎ手は前記カメラ筐体の後方に面する複数の操作キーを有し、
前記複数の操作キーの配置を前記継ぎ手の回転角度に応じて変更する変更手段をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記複数の操作キーの各々は互いに異なるマークを有するタッチキーに相当し、
前記変更手段は前記マークの表示態様を変更する表示態様変更手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記複数の操作キーは、静止画記録を指示するための第1キー、および動画記録を指示するための第2キーを含む、請求項4または5記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記モニタユニットは板状に形成されて前記カメラ筐体の側部に積層される、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−34118(P2012−34118A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170999(P2010−170999)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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