説明

電子時計

【課題】 指針を所定位置まで移動させる制御を行う際、電源の残量レベルに適した指針の駆動制御を行うことのできる電子時計を提供する。
【解決手段】 ステップモータを正回転および逆回転に駆動可能な電子時計である。そして、電源の残量レベルを判別する電源レベル判別手段(S2)と、電源の残量レベルが所定以下となった場合に、ステップモータを正回転で駆動して指針を所定位置まで移動させたときの消費電力と、ステップモータを逆回転で駆動して指針を所定位置まで移動させたときの消費電力とのうち消費電力の少ない方の回転方向を判別する回転方向判別手段(S7)と、この回転方向判別手段により判別された回転方向にステップモータを駆動して指針を所定位置まで移動させる駆動制御手段(S8,S9)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、指針をステップモータにより回転させる電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
指針を有する電子時計においては、指針を帰零させる際、または、指針により特定の情報を表示させるために指針を文字板上の特定位置(例えば、OKマークやNGマークの位置、アラーム設定時刻の位置、デュアルタイムの表示位置など)まで移動する際に、指針を早送り移動させる駆動制御が行われる。
【0003】
従来の電子時計には、指針を早送り移動させる際に、総合的な処理時間が短くなるように指針の回転方向を決定するものがあった(例えば特許文献1を参照)。
【0004】
また、本願発明に関連する従来技術として、特許文献2には、電池電圧が低下した場合に逆回転の早送りを禁止するようにした電子時計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭58−079292号公報
【特許文献2】特許第3628080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
指針を指定位置まで移動させるのに、処理時間を基準に回転方向を決定したのでは、電池残量に余裕がある場合には良いが、電池残量が低下している場合に、電池に過大な負担をかけてしまうことがある。これは、ステップモータの正回転と逆回転の速度比が、正回転と逆回転の消費電力の比と関係していないからである。
【0007】
また、一般に、電子時計に用いられるステップモータは、正回転の駆動が効率よく行われるように設計されているため、正回転よりも逆回転のほうが消費電力が大きくなる。しかしながら、指針を指定位置へ移動させるのに、時計回りのステップ数より反時計回りのステップ数の方が非常に少ないような場合、指針を反時計回りに移動させた方が総合的な消費電力が少なくなることも生じえる。
【0008】
この発明の目的は、指針を所定位置まで移動させる駆動制御を行う際、電源の負担を軽減すべき状態のときに、この状態に適した指針の駆動制御を行うことのできる電子時計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するため、
ステップモータを正回転および逆回転に駆動可能であり、このステップモータの駆動によって指針を所定位置まで時計回り又は反時計回りに移動させる電子時計において、
電源の残量レベルを判別する電源レベル判別手段と、
前記電源の残量レベルが所定以下となった場合に、前記ステップモータを正回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、前記ステップモータを逆回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、のうち消費電力の少ない方の回転方向を判別する回転方向判別手段と、
この回転方向判別手段により判別された回転方向に前記ステップモータを駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に従うと、指針を所定位置まで移動させる際、電源の残量レベルが低下している場合に、消費電力の総計が少なくなるように回転方向が判別されるので、電源の負担を軽減すべき状態のときに、この状態に適した指針の駆動制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の電子時計の全体構成を示すブロック図である。
【図2】ROMに記憶される消費電力データの一例を示すデータチャートである。
【図3】制御部により実行される指針移動処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態の電子時計1の全体構成を示すブロック図である。
【0014】
この実施形態の電子時計1は、秒針2、分針3および時針4(指針2〜4とも記す)を有し、これら複数の指針2〜4を文字板上で回転させて時刻や種々の情報の表示を行うものである。特に制限されるものではないが、この実施形態では、指針2〜4にそれぞれ対応させて、第1〜第3ステップモータ21〜23および3系統の輪列機構31〜33が設けられ、複数の指針2〜4が独立して駆動可能になっている。
【0015】
第1〜第3ステップモータ21〜23は、駆動パルスを供給することでローターを所定角度ずつ(例えば180°ずつ)駆動することが可能なものであり、さらに、駆動パルスの種類を異ならせることでローターを正回転と逆回転とに駆動することが可能になっている。輪列機構31〜33は、それぞれ複数の歯車が連結されて構成され、第1〜第3ステップモータ21〜23のローターの回転運動を対応する指針2〜4まで伝達する。
【0016】
電子時計1は、上記構成に加えて、CPU(中央演算処理装置)を内蔵して装置の全体的な制御を行う制御部10と、制御部10のCPUに作業用のメモリ空間を供給するRAM(Random Access Memory)11と、制御部10のCPUが実行する制御プログラムや制御データが格納されたROM(Read Only Memory)12と、制御部10に所定周波数の信号を供給するための発振回路13および分周回路14と、複数の操作ボタンを有し外部からユーザの操作指令を入力するスイッチ部15と、各部に動作電圧を供給する電池(図示略)の電圧を検出する電源レベル判別手段としての電源電圧検出回路16と、制御部10からのパルス信号を受けて駆動用のパルス電流(駆動パルス)を第1〜第3ステップモータ21〜23にそれぞれ出力する駆動回路17〜19等を備えている。
【0017】
電源電圧検出回路16は、例えば、AD(アナログ・デジタル)変換器を有し、電池電圧をデジタルデータに変換して制御部10に供給する。
【0018】
ROM12には、制御プログラムとして、分周回路14の所定周波数の信号を計数しながら各指針2〜4を回転させて時刻を表示する基本時計処理のプログラム、スイッチ部15から入力された操作指令に基づき指針2〜4を帰零(例えば0時0分0秒などの基準位置に戻すこと)させる指針移動処理のプログラム等が格納されている。この指針移動処理は、例えば、制御部10による指針2〜4の位置認識をリセットする際に実行されたりする。
【0019】
図2には、ROM12に記憶された消費電力データ12aを表わしたデータチャートを示す。
【0020】
さらに、上記ROM12は、消費電力データ記憶手段としても機能し、第1〜第3ステップモータ21〜23を駆動する際の消費電力量(例えば消費電流値)がそれぞれ示された消費電力データ12aを記憶している。
【0021】
消費電力データ12aには、図2に示すように、第1〜第3ステップモータ21〜23を駆動するのに使用される複数種類のパルス信号p1〜p10,q1,q2にそれぞれ対応する複数の消費電力量のデータが示されている。パルス信号p1〜p10,q1,q2としては、複数の電源電圧に対応させてそれぞれ最適化設計された複数種類の正回転用のパルス信号p1〜p10(図2中「正転パルス」と記す)と、複数の電源電圧に対応させてそれぞれ最適化設計された複数種類の逆回転用のパルス信号q1,q2(図2中「逆転パルス」と記す)とが含まれる。
【0022】
各パルス信号p1〜p10,q1,q2は、電源電圧が高い状態や低い状態の各場合に応じて、ステップモータを安定的に且つ消費電力の無駄が少なく駆動できるように、それぞれ最適化されて設計されており、電源電圧に応じて最適なものが選択されて使用されるようになっている。従って、使用されるパルス信号に応じて消費電力量が異なってくる。また、第1〜第3ステップモータ21〜23は、正回転の駆動が効率よく行われるように構成されているため、正回転の駆動よりも逆回転の駆動の方が消費電力量が大きくなり、また、高速駆動する場合には逆回転よりも正回転の方が速く駆動できるようになっている。
【0023】
[指針移動処理]
次に、指針2〜4を帰零させる際の処理について説明する。ここでは、360ステップで一周する分針3の帰零処理について説明する。秒針2や時針4の帰零処理は一周のステップ数の値が異なるだけで他は分針3の帰零処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0024】
図3には、制御部10により実行される分針3を帰零させる指針移動処理のフローチャートを示す。
【0025】
この指針移動処理は、電子時計1の起動とともに開始されて、他の制御処理と並列的に実行される処理である。指針移動処理では、他の制御処理により指針の帰零要求がなされるのを待機し(ステップS1)、帰零要求がなされた場合に、次のステップに進む。
【0026】
帰零要求があって次に進むと、制御部10は、先ず、電源電圧検出回路16に電池の電圧を検出させる(ステップS2)。そして、この電圧が、電池残量が低下したことを表わすローレンジ或いは充電を要することを表わすチャージレンジにあるか否かを判別する(ステップS3)。具体的には、検出された電圧値とローレンジのしきい値とを比較して、電圧値がしきい値以下か否かを判別する。
【0027】
ステップS3の判別の結果、電圧値がローレンジまで低下していないミドルレンジにあれば、分針3を短時間に帰零できる回転方向が正回転であるか逆回転であるかを判別する処理を行う(ステップS4:回転方向判別手段)。具体的には、正回転で高速駆動する場合の正転速度a(pps:パルス毎秒)と、逆回転で高速駆動する場合の逆転速度b(pps:パルス毎秒)と、分針3の現在位置から帰零位置までの時計回りにおける移動ステップ数αとから、正回転の場合に掛かる時間“α/a”と、逆回転の場合に掛かる時間“(360−α)/b”との比較を行う。ここで、“360”は分針3を一周させるステップ数である。
【0028】
その結果、前者が短ければ(ステップS4の不等式が成立していれば)、第2ステップモータ22をステップ数αだけ正回転に高速駆動させて分針3を帰零させる駆動処理を行う(ステップS6)。一方、後者の方が短ければ(ステップS4の不等式が不成立であれば)、第2ステップモータ22をステップ数(360−α)だけ逆回転に高速駆動させて分針3を帰零させる駆動処理を行う(ステップS5)。そして、再び、ステップS1に戻る。
【0029】
また、上記ステップS3の判別処理で、ローレンジ以下であると判別されたら、分針3を少ない消費電力で帰零できる回転方向が正回転であるか逆回転であるかを判別する処理を行う(ステップS7:回転方向判別手段)。具体的には、先ず、消費電力データ12aから正回転の消費電力eと、逆回転の消費電力fを抽出する。すなわち、複数のパルス信号p1〜p10,q1,q2のうち指針を帰零させる際の電源電圧に対応したパルス信号を検索し、このパルス信号に対応した消費電力e,fをそれぞれ抽出する。
【0030】
そして、抽出された正回転の消費電力e、および、逆回転の消費電力fと、分針3の現在位置から帰零位置までの時計回りにおける移動ステップ数αとから、正回転の場合に掛かるトータルの消費電力“α×e”と、逆回転の場合に掛かるトータルの消費電力“(360−α)×f”との比較を行う。ここで、“360”は分針3を一周させるステップ数である。
【0031】
その結果、前者が少なければ(ステップS7の不等式が不成立であれば)、第2ステップモータ22をステップ数αだけ正回転に高速駆動させて分針3を帰零させる駆動処理を行う(ステップS8:駆動制御手段)。一方、後者の方が少なければ(ステップS7の不等式が成立していれば)、第2ステップモータ22をステップ数(360−α)だけ逆回転に高速駆動させて分針3を帰零させる駆動処理を行う(ステップS9:駆動制御手段)。そして、再び、ステップS1に戻る。
【0032】
上記のような指針移動処理により、電源の残量に余裕がある場合には、速度優先で回転方向が決定されて分針3の帰零処理が行われるのに対して、電源の残量が低下している場合には、トータルの消費電力が小さくなるように回転方向が決定されて分針3の帰零処理が行われるようになっている。秒針2と時針4については、詳細な説明を省略するが、同様に、それぞれ回転方向が決定されて帰零処理が行われるようになっている。
【0033】
以上のように、この実施形態の電子時計1によれば、指針2〜4を所定位置まで移動させるのに、電源の残量レベルを判定してローレンジ以下だった場合に、トータルの消費電力が少なくなるように回転方向が決定され、決定された回転方向で指針2〜4が駆動されるようになっている。従って、電源の負担を軽減すべき状態のときにトータルの消費電力が少なくなるように適切な指針2〜4の駆動制御が実現される。
【0034】
また、この実施形態では、指針2〜4を時刻表示中よりも高速に早送り移動させる際に上記の駆動制御が実行されるようになっている。指針2〜4を時刻表示中と同じ速度で逆回転に移動させるという状況は余り生じることがなく、また、指針2〜4を時刻表示中と同じ速度で長い時間を要して所定位置まで移動させる場合には、途中でパルス信号が選択変更されることも考えられトータルの消費電力も予想しにくい。従って、上記の駆動制御は、指針2〜4を早送り移動させる際に適用して特に有用なものとなる。
【0035】
また、この実施形態では、指針2〜4を所定位置まで移動させる要求が生じた場合に上記の駆動制御が実行されるようになっている。時刻を表示する通常運針時には、指針2〜4を駆動する方向は決まっており変更される余地はない。従って、上記の駆動制御は、指針2〜4を所定位置まで移動させる要求があった際に適用して特に有用なものとなる。
【0036】
また、この実施形態の電子時計1によれば、電池電圧を検出して電源の残量レベルを判別するので、電源の残量レベルの低下を容易に判別できるようになっている。なお、電源の残量レベルを判別する構成として、電池の内部抵抗の影響も考慮して一定の電流出力があるときの電圧を検出する構成を適用したり、電池のトータルの放電量や充電量を積算して監視する構成を適用したりするなど、種々の変更が可能である。
【0037】
また、この実施形態の電子時計1によれば、複数種類のパルス信号p1〜p10,q1,q2にそれぞれ対応する複数の消費電力のデータe1〜e10,f1,f2が示された消費電力データ12aを有し、この消費電力データ12aから指針2〜4を所定位置まで移動する際に使用されるパルス信号に対応する消費電力のデータが抽出されて、回転方向を決定するパラメータとして使用されるようになっている。従って、電池電圧に応じて複数種類のパルス信号が使い分けられる場合でも、正確に消費電力の少ない方の回転方向を決定することができる。
【0038】
また、この実施形態の電子時計1によれば、電源残量が低下しているときだけ消費電力が少なくなるように回転方向が決定され、電源残量に余裕がある場合には、移動時間が短くなるように回転方向が決定されるようになっている。従って、電源の負担を考慮すべき状態と、考慮する必要性が少ない状態とで、それぞれの状態に適した指針の駆動制御が実現されるようになっている。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、上記実施形態では、指針2〜4を帰零させる際の駆動制御に、本発明の駆動制御を適用した例を示しているが、帰零のときに限られず、例えば、秒針2を文字板上のOKマークやNGマークなど種々の情報マークの位置まで移動させて、種々の情報を表示させる際に適用したり、指針2〜4をアラーム時刻や別のタイムゾーンの時間位置まで移動させる際に適用したりするなど、指針を所定位置まで移動させる様々な処理の際に適用することができる。
【0040】
また、電源の残量レベルが所定以下になった場合として、電池電圧がローレンジ以下になった場合を例示したが、このしきい値は種々に設定変更可能である。また、上記実施形態では、指針2〜4を早送りにより所定位置まで移動させる際の駆動制御について説明したが、秒針2など時刻表示中も比較的に速く駆動される指針については、時刻表示中と同程度かそれより遅い速度で駆動するように制御しても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、各指針2〜4がそれぞれ独立的に駆動される構成を示したが、例えば、分針3と時針4が1つのステップモータにより連動して回転するものなど、複数の指針が連動して駆動される構成においても、同様に適用することができる。その他、上記実施の形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
ステップモータを正回転および逆回転に駆動可能であり、このステップモータの駆動によって指針を所定位置まで時計回り又は反時計回りに移動させる電子時計において、
電源の残量レベルを判別する電源レベル判別手段と、
前記電源の残量レベルが所定以下となった場合に、前記ステップモータを正回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、前記ステップモータを逆回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、のうち消費電力の少ない方の回転方向を判別する回転方向判別手段と、
この回転方向判別手段により判別された回転方向に前記ステップモータを駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴する電子時計。
<請求項2>
前記回転方向判別手段は、
前記指針を時刻表示中より速い速度で前記所定位置まで移動させる際の回転方向の判別を行い、
前記駆動制御手段は、
前記回転方向判別手段で判別された回転方向に前記ステップモータを時刻表示中より速い速度で駆動して前記指針を早送り移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
<請求項3>
前記回転方向判別手段は、
前記指針を所定位置まで移動させる要求が生じた際に前記回転方向の判別を行い、
前記駆動制御手段は、
前記指針を所定位置まで移動させる前記要求に応じて前記ステップモータを駆動して前記指針を所定位置まで移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子時計。
<請求項4>
前記電源レベル判別手段は、
前記電源の電圧を検出して前記残量レベルを判別することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項5>
前記ステップモータを駆動するために使用される複数種類の駆動パルスにそれぞれ対応する複数の消費電力のデータを記憶した消費電力データ記憶手段を備え、
前記回転方向判別手段は、
前記指針を前記所定位置まで移動させる際に前記駆動制御手段により使用される駆動パルスに対応する消費電力のデータに基づいて前記消費電力の少ない方の回転方法を判別する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子時計。
<請求項6>
前記回転方向判別手段は、
前記電源の残量レベルが前記所定以下となっていない場合には、前記ステップモータを正回転で駆動したときと逆回転で駆動したときとで総合的な時間が短くなる方の回転方向を判別することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子時計。
【符号の説明】
【0043】
1 電子時計
2 秒針
3 分針
4 時針
10 制御部
11 RAM
12 ROM
12a 消費電力データ
16 電源電圧検出回路
17〜19 駆動回路
21〜23 第1〜第3ステップモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップモータを正回転および逆回転に駆動可能であり、このステップモータの駆動によって指針を所定位置まで時計回り又は反時計回りに移動させる電子時計において、
電源の残量レベルを判別する電源レベル判別手段と、
前記電源の残量レベルが所定以下となった場合に、前記ステップモータを正回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、前記ステップモータを逆回転で駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させたときの消費電力と、のうち消費電力の少ない方の回転方向を判別する回転方向判別手段と、
この回転方向判別手段により判別された回転方向に前記ステップモータを駆動して前記指針を前記所定位置まで移動させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴する電子時計。
【請求項2】
前記回転方向判別手段は、
前記指針を時刻表示中より速い速度で前記所定位置まで移動させる際の回転方向の判別を行い、
前記駆動制御手段は、
前記回転方向判別手段で判別された回転方向に前記ステップモータを時刻表示中より速い速度で駆動して前記指針を早送り移動させる
ことを特徴とする請求項1記載の電子時計。
【請求項3】
前記回転方向判別手段は、
前記指針を所定位置まで移動させる要求が生じた際に前記回転方向の判別を行い、
前記駆動制御手段は、
前記指針を所定位置まで移動させる前記要求に応じて前記ステップモータを駆動して前記指針を所定位置まで移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子時計。
【請求項4】
前記電源レベル判別手段は、
前記電源の電圧を検出して前記残量レベルを判別することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電子時計。
【請求項5】
前記ステップモータを駆動するために使用される複数種類の駆動パルスにそれぞれ対応する複数の消費電力のデータを記憶した消費電力データ記憶手段を備え、
前記回転方向判別手段は、
前記指針を前記所定位置まで移動させる際に前記駆動制御手段により使用される駆動パルスに対応する消費電力のデータに基づいて前記消費電力の少ない方の回転方法を判別する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
前記回転方向判別手段は、
前記電源の残量レベルが前記所定以下となっていない場合には、前記ステップモータを正回転で駆動したときと逆回転で駆動したときとで総合的な時間が短くなる方の回転方向を判別することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電子時計。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−198156(P2012−198156A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63484(P2011−63484)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】